阪神(☆1対0★)ヤクルト =リーグ戦8回戦(2024.05.18)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:ビーズリー(1勝0敗0S)
(セーブ:岩崎 優(2勝1敗7S))
敗戦投手:ヤフーレ(4勝3敗0S)
  DAZN
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◆阪神が投手戦を制した。阪神は4回裏、大山の適時打で試合の均衡を破る。投げては、先発・ビーズリーが5回無失点。その後は4人の継投で完封リレーを展開し、ビーズリーは今季初勝利を挙げた。敗れたヤクルトは先発・ヤフーレが好投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)が今季初めて1軍に合流した。この試合から出場選手登録される見込み。2軍遠征先の名古屋から移動してきて、甲子園で久しぶりに1軍メンバーと対面した。明るいキャラクターで知られるが、球場入りの際は緊張感を漂わせたような真剣な表情だった。来日2年目の助っ人砲は開幕直前に左脇腹の筋挫傷と診断され、出遅れていた。ウエスタン・リーグでは打率2割3分4厘、1本塁打(17日現在)。

◆阪神は1番に井上広大外野手(22)を入れた。2試合ぶり3度目。16日の中日戦では2出塁にプロ初盗塁も記録した。大山悠輔内野手(29)は2試合連続で指定席の4番に座った。前日は適時打を含む2安打で復調の兆しを見せている。渡辺諒内野手(29)が昇格後2度目の先発で5番に入った。4勝を挙げているヤクルト・ヤフーレ攻略を目指す。ジェレミー・ビーズリー投手(28)が今季初先発。ウエスタン・リーグで29回連続無失点中と好調の右腕だ。

◆阪神梅野隆太郎捕手(32)がスーパーキャッチでピンチを脱出した。初回2死一塁で打者は村上宗隆内野手(24)。今季初登板の先発ジェレミー・ビーズリー(28)が力んでフォークをたたきつけてしまう大暴投で、走者を二塁に進塁させた。続く7球目のフォークも同じように、ホームベースのはるか手前でバウンドしたが、梅野はミットだけを瞬時に動かしてキャッチ。左打席の村上と重なるような位置から、すぐに二塁に送球し、飛び出した走者をアウトにした。SNSではファンの敵味方を問わず「あれができるのは梅野だけ」「スーパーキャッチすぎる」「ゴールキーパー」と絶賛の嵐だった。

◆Travis Japanの七五三掛(しめかけ)龍也(28)と中村海人(27)がサプライズでファーストピッチセレモニーに登場した。この日は女性ファンへ向けた「TORACO DAY」として開催。七五三掛が背番号753、中村は101のユニホーム姿で登場すると、集まったTORACOからどよめきが起きた。マウンドに上がり、2人同時にワインドアップで投じると、捕手のミットに吸い込まれた。見事にシンクロしたストライク投球に大歓声が上がった。少年野球で投手経験がある2人。中村は「緊張しました。野球の聖地で、マウンドに立って投げさせていただくのは本当に感慨深い」。七五三掛も「甲子園はテレビで見る世界の中の感じだったんですけど、実際に来てみたら本当に熱気がすごい」と笑みを浮かべた。事前に2人でグラブを購入し、練習するほど気合十分だった。現在首位を走る阪神に「このままぜひ日本一をとっていただいて、日本一の虎にあやかりたい。そして僕たちも世界一をとって、虎というものを世界に広めたい」と力を込めた。

◆阪神前川右京外野手(21)が、満員の甲子園のファンに誕生日を祝われた。5月18日のこの日、21歳の誕生日を迎え「6番左翼」でスタメン。2回の第1打席に入ると、右翼席の応援団からバースデーソングが流され、球場が祝福ムードに包まれた。女性ファン向けイベント「TORACO DAY」ということもあり、女性ファンの声も多く響いた。この打席は四球で出塁した。

◆今季1軍初登板となった阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が5回2安打無失点の好投でマウンドを降りた。これで今季2軍戦から計34イニング連続無失点となった。5回、2つの四球を与え、2死一、二塁のピンチを迎えたが、8番武岡を149キロの直球で空振り三振。72球を投じ、7つの三振を奪った。その裏の打席で代打ヨハン・ミエセス外野手(28)が送られた。

◆阪神桐敷拓馬投手(25)が体調不良から復帰後3連投となった。発熱もあり、10日のDeNA戦(横浜)から一時的にチームを離れた。出場選手登録は抹消されずに回復に努め、16日の中日戦(バンテリンドーム)に中7日で登板し、復帰。そこから3戦連続のマウンドとなった。6回に2番手で登板すると、ヤフーレを三ゴロ、丸山和からは外角への変化球で見逃し三振を奪い、中村も三ゴロに仕留めた。前日17日まで今季19試合に登板し、防御率1・93と安定感抜群の左腕。この日も3人でピシャリと抑えた。

◆阪神石井大智投手(26)の三振記録が「9」で止まった。4日巨人戦(東京ドーム)に1軍再昇格して以降は3試合に登板。計8つのアウトは全て三振で奪ってきた。この日は1点リードの7回に登板し、先頭の長岡を空振り三振。続く4番村上はフルカウントと追い込んだが二ゴロとなり、再昇格後では初めて三振以外でのアウトとなった。その後、5番サンタナは空振り三振で無失点。三振記録こそ止まったが、全く危なげない3人斬りとなった。

◆阪神が接戦をものにした。4回無死一、二塁で4番大山悠輔内野手(29)が、先制の左前適時打。これが決勝点になった。前日17日に自身23打席ぶりの適時打を放ち、これで2試合連続打点。浮上のきざしを見せた4番の一打が勝利に直結した。先発ジェレミー・ビーズリー投手(28)は今季1軍初先発で5回無失点。7奪三振の快投で勝利をたぐり寄せた。これでウエスタン・リーグから計34イニング連続無失点。開幕ローテーションを担った伊藤将司投手(28)、青柳晃洋投手(30)が出場選手登録を抹消されている中、先発陣の救世主的な働きだ。6回以降の継投ではヤクルト打線をピシャリ。ゼロ封勝ちは今季8度目。1-0勝利は同4度目で、12日DeNA戦、15日中日戦に続き、この1週間で3度目と接戦に強い虎だ。

◆阪神が接戦をものにした。4回無死一、二塁で4番大山悠輔内野手(29)が、先制の左前適時打。これが決勝点になった。前日17日に自身23打席ぶりの適時打を放ち、これで2試合連続打点。浮上のきざしを見せた4番の一打が勝利に直結した。先発ジェレミー・ビーズリー投手(28)は、今季1軍初先発で5回無失点。7奪三振の快投で今季初勝利を挙げた。岡田彰布監督(66)の試合後の一問一答は以下の通り。-接戦の勝利「ビーズリーがね、まず初回から飛ばしててね。2軍で7回投げる分ね、1軍じゃあ、5回かなあというね。ま、でも5回のピンチも切り抜けて。でも、4回、1点とったんだけど、これで終わりかなあという感じだったね。だからもう、守り切るしかなかったですね。今日は」-最後は木浪の好プレーも出てリリーフ陣も抑えた「何ていうか、1点でもね、後ろ2人はだいぶ、ちょっと間隔あいてたしね。今は、石井がすごく調子戻ってきたんで。桐敷はちょっとね、きつかったですけど。だから、ビーズリーも、今日土曜日の登板だったんでね。ある程度、後ろいけたんで。そのへんは、ちょうどね、6連戦でもよかったですね」-ビーズリーの良かった点は「ピッチングコーチに聞かせたら、最後はちょっとバテてたみたいですけどね。コントロールを乱したけど、それまではね、本当に、ファームでもずっと登板のときはコントロールもいいし、ストレートもだいぶまた速くなっているので、変化球もいいので、5回くらいまではいってくれるかなという感じでしたけど、十分ですね」-7、8回は選手を代えながら、バントもしながら仕掛けていった。「追加点のチャンスはそんなにないと思っていたけど、あのフォアボールからチャンスをもらったけど、ねえ。あそこで1本打っていたらもっと楽な展開だったけど、それもしょうがないですね」-大山は先発に戻ってから2試合連続のタイムリー「まあ、そんなに納得いく当たりじゃないと思うけど、打点も付いてね、そういう意味では徐々に打席の中で余裕が出てきたというか、これからもうちょっときれいなヒットでタイムリーを打ってくれると思いますよ」-明日は前回完封した才木「最初から飛ばして、6連戦の最後なんで、後ろのピッチャーも結構まだ投げられるピッチャーいてるんで。とにかく初回から全力でいってほしいですね」

◆阪神が接戦をものにした。4回無死一、二塁で4番大山悠輔内野手(29)が、先制の左前適時打。これが決勝点になった。前日17日に自身23打席ぶりの適時打を放ち、これで2試合連続打点。浮上のきざしを見せた4番の一打が勝利に直結した。先発ジェレミー・ビーズリー投手(28)は、今季1軍初先発で5回無失点。7奪三振の快投で今季初勝利を挙げた。岡田彰布監督(66)の試合後の一問一答は以下の通り。-ビーズリーはバテたのを見てかえた。「おう、もう球数じゃなかった。初回から飛ばしとったからな。えらい飛ばしてるなあ、思たけど、これも今年初めての先発やし、それはしょうがないし、そらもう気合も入っとったし。もうとにかくいける、バテるまで、バテるというか、最低5回というのがあったよ」-石井が復調したことでかえやすかった。「いやいや、うん。結局5人いるからな、5回やったら。ひとつイニングを2人ぐらいでまかなうというかな、そういう感じはあったけど、石井が本当いい形で戻ってきてくれたんで、もう十分ねイニング任せられるというね、そういう状況やろね、今は」-桐敷は3連投「うん、3連投はあれや、名古屋はあれはブルペンや(笑い)。名古屋はブルペンと思っといてええ。明日は休ますけど。名古屋はブルペン、復帰明けのブルペンと思っといて」-1点差に強い「いやいや、もう、4回1点取った時に、今日は1-0で勝つしかないでってベンチでも話してた。そんなチャンスはないってな、打ちづらそうにしてたからな、みんな」-シャットアウト大きい「いやいや、もうシャットアウトするしか勝つのないやん、それしかない。それだけブルペンに任せられるからな、それは強みやわな」-ヤフーレは変化球がタイミング合わない「なんかな、あれ、タイミング合わんみたいやな、なんかな、見逃してるのはな。なんかこう、曲がる時と曲がらん時というか、なんかけっこう変化するみたいやで」-大山は四球と後の初球を「昨日も今日も飛んでるコースがええだけでな、本人は納得いってないと思うけど。あの1点が結局、決勝点になったわけやからな。だからバントとかしても今日はつながらんと思ったよ。ヒットが出んもん。おーん。だからなんかラッキーパンチないかなぁと、そんなことばっか考えてた。きっちりしてもな、スコアリングポジションにいってもタイムリー出んよ、今日は。おーん」-大山はこういうヒットから徐々に上がってくる「そうなってくるやろうな。そら、バッターはやっぱりゲームでヒット1本、打点がついてくる。それが一番大きな。練習でなんぼいい当たりしてな、感じようなってきたなと思ってもゲームで結局結果が出んかったらな、ずっとその流れでいってしまうから。Hのランプがついて、打点もついてという、それが一番のバッターに対しての復調の薬やで、それが」-青柳の2軍登板は「いや、ないやろ、それは。おーん。もう今度はあれや、もう交流戦や。次あたるの巨人やん。左ばっかりやろ」

◆阪神が接戦をものにした。先発ジェレミー・ビーズリー投手(28)が今季1軍初先発で5回無失点。7奪三振の快投で今季初勝利を挙げ、1-0ゲームをものにした。ビーズリーは気遣いの人だ。2軍戦で29イニング連続無失点に抑え、1軍昇格。その全てでバッテリーを組んだのが栄枝だった。10日のウエスタン・リーグ中日戦の後、「栄枝の好きなお酒をプレゼントさせてほしいんだ」と伝えると「ジョニー・ウォーカー」のウイスキーを贈った。通訳の代筆で感謝のメッセージも添えて。〈榮枝へ いつも素晴らしいキャッチャーでいてくれてありがとう。最高のチームメートで感謝してる! -Beas〉(原文ママ)人知れずスーパーへ足を運び、老舗ブランドの逸品を手に入れたという。「1人では29イニング無失点は絶対に無理だった。栄枝がいてくれたおかげさ」。懸命に鳴尾浜で汗を流す若手捕手が感激し、さらなる励みになったことは言うまでもない。ウイスキーは、未開封のまま栄枝の自宅に飾ってある。「初勝利を挙げたら一緒に乾杯? いや、優勝してから、だね」。普段、酒は一滴も飲まないビーズリーが、祝杯をあげるまで腕を振り続ける。【阪神担当=中野椋】

◆ヤクルトは1点が遠かった。阪神先発ビーズリーら計5人の継投策を攻略できず完封負けを喫した。先発ヤフーレが7回途中1失点と好投するも、打線の援護に恵まれなかった。チームの連勝は2でストップ。高津監督は「3回以降はほとんどランナーが出ることもできなかった。(ビーズリーは)状態も良いでしょうし、ほぼ初見のピッチャーを打つのは難しいのかな」と振り返った。▽ヤクルト田口(3月29日の中日戦以来の登板で1回無失点)「正直、今日はたまたまゼロで抑えれたと思ってる。気を引き締めて、もっと良いところに投げたい。ここからエンジンをかけていきたい」▽ヤクルト・ヤフーレ(6回1/3 1失点と好投も3敗目)「フォアボールのところは少しもったいないなと思います。もう少しストライクゾーンで勝負できたら、ああいった結果にはならなかった。次回はゾーンに投げ込むことを意識したい」

◆ヤクルト田口麗斗投手(28)が、3月29日の中日との開幕戦以来となる1軍マウンドに上がった。1点ビハインドの8回、3番手として登場。先頭打者に単打を許したが、後続をピシャリと抑えて無失点で切り抜けた。先頭の代打森下に右前打を浴び、さらに捕逸で無死二塁のピンチ。ここで踏ん張った。「流れ的にも1点は絶対与えちゃダメ」と、井上は内角低めのスライダーで空振り三振。続く中野は三ゴロ、最後は近本を一ゴロに仕留めた。1カ月以上離れた1軍の舞台で好救援が光った。昨季は守護神として33セーブを挙げてチームに欠かせない活躍を見せたが、今季は出遅れた。3月29日の開幕戦では1回2安打1失点と振るわず、翌30日には出場選手登録を抹消された。2軍での調整では「体を作り直す」ことに重点を置いて愚直に取り組み、17日に主将の山田とともに1軍に昇格した。復帰登板を終えても、満足に浸る様子はない。「正直、今日はたまたまゼロで抑えられたぐらいだと思ってる。ここからエンジンをかけていきたい」と前を向いた。

◆阪神前川が21歳の誕生日を満員の甲子園のファンに祝われた。2試合ぶりに「6番左翼」でスタメン出場。2回の第1打席に入ると、右翼席の応援団からバースデーソングが流され、球場全体が祝福ムードに包まれた。「初めてだったので、すごくありがたいと思います」と感激。この打席は四球で出塁し、7回にも四球を選んで誕生日のスタメン起用に応えた。

◆阪神が接戦を制した。4回無死一、二塁で4番大山悠輔内野手(29)が、決勝の左前適時打。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は今季1軍初先発で5回無失点、7奪三振の好投。6回以降はリリーフ陣がヤクルト打線を封じ込め、今季8度目のゼロ封での勝利となったヒーローインタビューの一問一答は以下の通りビーズリー-今季初勝利「すごい興奮しているし、甲子園に戻ってこられて本当によかったです」-4万人超の歓声どう聞こえる「ファンの皆さんの声援がすごくよかったのでいい投球ができたし、こうやってファンの声援をいただいて本当にうれしいです」-7奪三振、ナイスピッチング「今日はとにかく勝ててよかったです」-後半のしびれる展開をどう見ていた「今日は勝てるようにと祈りながらベンチで見ていたし守備も助けてくれたし、ベンチの中でできる限りチームをサポートしたいと思っていました」-大山の決勝打は「点を入れてもらって本当に幸せだったし、6回から中継ぎ陣が抑えてくれたのでよかったです。サンキュー、フォーザ、ファンズ」大山-昨日に続いて適時打「本当にチームが勝てたことが一番なのでホッとしています」-初球を打った「まずは点数を取るしかないので走者をかえすことだけ考えていました。初球からいく気持ちで準備していました」-4人の投手で守り抜いた「本当にチーム全員で勝ち取った勝利だと思いますし、本当に勝つことはすごく大変だなとあらためて思いますが、またチーム1つになって勝ちに向かって頑張りたいと思います」-ビーズリー初勝利「リズムよく投げてくれていたし、守備からのいいリズムがあの得点につながったと思うので本当にナイスピッチングでした」「TORACO DAY」にちなみ、女性ファンからの質問-ビーズリーへ。好きな食べ物「トンコツラーメン」-大山へ。好きな女性のタイプ「はい、えー奥さんです」

◆ほんま、しびれるで~! 首位阪神がまた1-0ゲームを勝ち切った。決勝点は大山悠輔内野手(29)。4回に左前にはじき返し、1点をもぎ取った。2日前に2年ぶりのスタメン落ちを経験した4番が2戦連続の適時打でプライドを取り戻し、通算500打点にも王手をかけた。敗れた2位巨人とは1ゲーム差。女性ファン向けシリーズ「TORACO DAY」の甲子園が大歓声に沸いた。強い気持ちが乗り移ったかのように、大山の打球が三遊間を抜けた。2四球でつかんだ4回無死一、二塁。必ずストライクを取りにくるシチュエーション。右腕ヤフーレの鋭い外角カットボールに芯を外されたが、バットの先で強引に引っ張った。「点を取るしかないので。自分なりに準備をして打席に入れました。初球から振りにいくつもりでした。当たりはあれでしたけど、何とか先制点を取れてよかったです」16日の中日戦(バンテリンドーム)で2年ぶりに先発を外れた。不振が深刻化。敵地でも打撃練習前に室内でバットを握ってきた。岡田監督も苦しむ姿を間近で見てきた。翌17日、わずか1試合で「4番」としてラインアップに戻った。適時打を含む2安打と結果で回答。そしてこの日、決勝点をたたき出した。指揮官は「納得いく当たりじゃないと思うけど、徐々に余裕が出てきたというか。これからもうちょっときれいなヒットでタイムリーを打ってくれると思います」と相好を崩した。開幕前からのコンディション不良もあり、苦しい時期が続いた。浮上のきっかけは1カ月前の4月19日中日戦(甲子園)だった。8年目で最も遅い75打席目で1号を放った。その試合直前。甲子園の小野寺のロッカーの上にあったバットに目がいった。「これ使ってるの? 使ってないなら貸してよ」。実は、もともとは自身の使用モデルがベース。「打てていなかったので戻してみようかなと。4~5年も前のですけど」。かつての"相棒"はしっくりきた。バットを短く持ったり、左足の上げ方を変えたり、日々の微調整は当たり前。少しでも結果につながるよう、毎日もがいている。4番に求められるのは勝利という結果だけ。打てずに負ければ自分の責任。その重圧と向き合っている。この日は薄氷の勝利。1-0勝ちは今週だけで3度目だ。野手陣が低調でも首位を守っている。お立ち台を終え、引き揚げてきた大山が言った。「チームが勝つことが一番。勝つことが全てなので。勝つってすごく難しいんだなと毎試合毎試合、戦っていて感じます。本当に、チーム全員で勝ち取った勝利だと思う」。4番打者の言葉が重く響いた。【柏原誠】大山が通算499打点とし、500の大台に王手をかけた。阪神生え抜き選手では過去12人で、プロ入りからの最短年数は田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布の8年。大山がこれに並ぶのは確実だ。

◆阪神梅野隆太郎捕手(32)がスーパーキャッチから二塁送球でピンチを救った。初回2死二塁で4番村上の打席。今季1軍初先発のビーズリーの7球目、フォークがホームベースのはるか手前でバウンドした。ミットを瞬時に動かし、逆シングルでキャッチ。さらに左打席の村上と重なる位置からステップして鋭い送球の「バズーカ」をさく裂させ、飛び出した二塁走者をアウトにした。ビーズリーも「オーマイガー! あんなプレー見たことない」と目を丸くしたビッグプレー。梅野は「自分の体の反応を信じて。そこからスローイングにいくまで準備して」と振り返った。助っ人右腕を救う、貴重なプレーに「自分の仕事がそういう守備の大事さ。助けられてよかった」とうなずいた。

◆阪神島本浩也投手(31)が18日、背中の張りで出場選手登録を抹消された。この日から1軍を離れ鳴尾浜で調整を開始。3日間はノースローとすることを明かし「1日も早く戻れるように頑張ります」と語った。岡田監督は「ぎっくり背中」と原因を説明。「初めて聞いたで」と驚くも「一応『10日で』とは言うてる」と最短28日からの1軍復帰を望んだ。代わって今季初めて1軍昇格したヨハン・ミエセス外野手(28)は、5回無死一塁で代打で登場し併殺打に倒れた。

◆阪神森下翔太外野手が8回に代打で出場し、安打を放った。前日17日には「1番右翼」で先発したが、この日はスタメン外。8回先頭で出番が来ると、ヤクルト3番手田口の6球目、外角の変化球を右前にはじき返した。「自分の打撃をしっかりするのと、出塁するというところを思っていた。追い込まれていたのでコンパクトにいきました」と納得した。

◆阪神木浪聖也内野手(29)が3試合ぶりのスタメンで好守を見せた。「8番遊撃」で出場。1点差の9回1死から丸山和の高いバウンドの打球を一塁へ素早くランニングスロー。リプレー検証もアウト判定は覆らなかった。「1回で結果が残せるように準備してきたのでそれがしっかりできた」と手応え。一方、7回1死満塁で併殺打に倒れ「チャンスで打ちたかった。次にまた準備していきたい」と力を込めた。

◆阪神才木浩人が主軸に警戒しながら19日ヤクルト戦(甲子園)に先発する。今季3度目の対戦。初対戦の4月7日では3番オスナに先制2ランを被弾。4月28日には5番サンタナに2安打2打点を許している。「連打が続かないように。3、4、5番が動くとしんどいので、抑えられるようにしたい」。前回5月12日DeNA戦では128球を投げて完封勝利。「特に疲れも感じていない。問題ない」と万全の状態で臨む。

◆阪神が接戦をものにした。4回無死一、二塁で4番大山悠輔内野手(29)が、先制の左前適時打。これが決勝点になった。前日17日に自身23打席ぶりの適時打を放ち、これで2試合連続打点。浮上のきざしを見せた4番の一打が勝利に直結した。阪神は今季41試合目にして、早くも4度目の1-0勝利を収めた。143試合換算なら13度に達するハイペースだ。球団最多は68年の12度で、更新の期待がかかる。阪神は今季4月9日広島戦のほか、5月12日DeNA戦、15日中日戦、18日ヤクルト戦と、1週間以内に3度の1-0を成し遂げた。これは02年4月以来球団22年ぶり。なお68年7月には、あしかけ8日間のうちに4度の1-0勝利をやってのけた。

◆阪神の強力リリーフ陣がまたも1点リードを守り抜いた。先発ビーズリーが5回無失点で降板し、その後は中継ぎ4人のリレーで逃げ切り。岡田監督は「今日は1-0で勝つしかないでってベンチでも話していた」と明かした。まずは桐敷拓馬投手(24)が6回に登板。9番ヤフーレから1番につながる打順を、1奪三振を含む3者凡退に仕留めた。「先頭を切れたので。3人で切れたので良かったです」。5月は体調不良で一時、チームを離脱。16日中日戦(バンテリンドーム)で7点リードの9回に実戦復帰した。前日17日ヤクルト戦でも登板し、今季チーム初となる3日続けての3連投。指揮官は「名古屋はあれはブルペンや」と笑い飛ばした。とはいえ病み上がりのフル回転。「明日は休ますけど」と19日は休養を与える方針だ。7回は石井大智投手(26)が3番長岡からのクリーンアップを2奪三振を含む3人斬り。最速を1キロ更新する154キロも計測した。「『7回行くぞ』と言われた時から、心臓の音がすごく大きく聞こえたので(笑い)。安心しています」4日巨人戦で1軍に再昇格して以降、11アウト中10個を三振で奪取。今季の奪三振率は23・14だ。この日、村上の二ゴロで途絶えたが、昇格後は9者連続で三振アウトを奪っていた。岡田監督も「石井が本当いい形で戻ってきてくれたんで。もう十分イニングを任せられる」と高評価した。8回はゲラ、9回は岩崎が無失点で締めた。1-0完封勝利は今季41試合で4度目。年間13度ペースで、68年の球団最多12度を上回るハイペースだ。指揮官も「それだけブルペンに任せられるからな。それは強みやわな」とニヤリ。強みのブルペン陣で接戦をモノにし続ける。【波部俊之介】▽阪神ゲラ(8回、川端、青木と代打攻勢の中で1回無失点)「左の代打は予想できたし、いい打者というのも分かっていた。いつも通り強いボールをゾーンに投げて、攻める気持ちを忘れないようにしたよ」▽阪神岩崎(9回に登板し、3者凡退で今季7セーブ目)「良かったです。(これからも)頑張ります」

◆ほんま、しびれるで~! 首位阪神がまた1-0ゲームを勝ち切った。決勝点は大山悠輔内野手(29)。4回に左前にはじき返し、1点をもぎ取った。2日前に2年ぶりのスタメン落ちを経験した4番が2戦連続の適時打でプライドを取り戻し、通算500打点にも王手をかけた。敗れた2位巨人とは1ゲーム差。女性ファン向けシリーズ「TORACO DAY」の甲子園が大歓声に沸いた。大山が通算499打点とし、500の大台に王手をかけた。阪神生え抜き選手では過去12人で、プロ入りからの最短年数は田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布の8年。大山がこれに並ぶのは確実だ。

◆1点が遠かった。ヤクルトは阪神に完封負けを喫し、連勝が2でストップした。先発のミゲル・ヤフーレ投手(26)が6回1/3、90球を投げて3安打1失点と好投したが、打線の援護に恵まれず3敗目を喫した。「打者を攻める気持ちで投げてストライク先行でという意識があったんですけど、フォアボールのところで少しもったいないなと思います。そこでもう少しストライクゾーンで勝負できたらああいった結果にはならなかった」と肩を落とした。初回から多彩な変化球を織り交ぜながらテンポよく投げ込みアウトを重ねたが、制球が乱れたところ狙われた。4回、先頭の中野、近本と連続四球を与え、無死一、二塁のピンチで4番大山と対戦。単打すら避けたいところで、甘く入った初球を突かれた。高めのカットボールを打ち込まれ、三遊間を抜く先制適時打を浴び、これが決勝点となった。追加点は与えまいと踏ん張ったが、1点ビハインドの7回には渡辺に中前打、続く前川に四球を与えて1死一、二塁のピンチ。ここで無念の降板となった。状態は良かっただけに、ここぞという場面での投球が悔やまれた。「次回はゾーンに投げ込むことを意識してやっていきたい」と前を向いた。

◆パパがヒーローになった。阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が、甲子園で観戦したブルック夫人、9カ月の愛息ウエスリー君の前で今季初勝利を挙げた。今季1軍初登板で5回2安打無失点。ウエスタン・リーグから計34イニング連続無失点だ。ウイニングボールは「子どもにあげます」と喜びをかみしめた。「初めて聞いた時は泣きそうになったね...」心震わされたのは約1カ月前のこと。ウエスリー君が初めて「ダディー」と呼んでくれた。その感動は今も忘れない。「『ダディー』と言うこともあれば『ダー』って言う時もあるんだ」。パパの足を持って、つかまり立ちをするようにもなった。わが子の成長が原動力となった。自宅ではおむつ替えも、息子を風呂に入れるのも率先してやっている。「オフコース! 妻と分担するのがアメリカンカルチャーさ」。グラウンドで汗を流した後は、育児に一生懸命。家族を愛する男はかっこいい姿を見せるため、ヤクルト打線に真正面から立ち向かった。初回から全開だった。2死一塁ではフォークをたたきつけるも、梅野が止めてくれた。素早い送球で飛び出した二塁走者をタッチアウトに。「オーマイガー! あんなプレー見たことない」と感謝し、波に乗った。曲がりの大きなスライダー、鋭く変化するカットボール、そして直球の軌道から落ちるフォークを駆使し、7奪三振で制圧した。岡田監督が「プロ野球史上最高背番号同士の先発やな、一生ないで、こんなの」と表現したヤフーレとの背番号99対決を制した。伊藤将、青柳が再調整となる中、救世主となる働き。72球での降板に指揮官は「気合も入っとったし、最後はバテたみたい」と苦笑いも、「十分」と称賛して今後も先発ローテーションの一角を託すつもりだ。ウエスリー君にプレゼントするウイニングボールを、まだまだ増やす。【中野椋】

◆阪神のジェレミー・ビーズリー投手(28)が先発する。今季は右腕のコンディション不良や体調不良で出遅れていたが、2軍では7試合に登板。4試合の先発で3勝0敗、防御率0・55と結果を残し、1軍での先発チャンスをつかんだ。来日2年目の活躍に向けた一歩を明るく踏み出した。スタメンは佐藤輝が抜けた三塁が渡辺、遊撃は木浪が名を連ね、ともに3試合ぶりにスタメン出場。渡辺は17日の7回戦で六回に代打で出場し、反撃の2得点の起点となる右前打を放っており、攻守での躍動に期待だ。昇格したヨハン・ミエセス外野手(28)はベンチスタート。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(32)が「7番・捕手」で出場。一回に好守で先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)を救った。ビーズリーはヤクルトの1、2番を中飛に打ち取り、わずか5球で2死とした。ただ、好調の3番・長岡に8試合連続安打と中前打を打たれると、続く村上の打席でカウント1―2から投じたスプリットが暴投となり、二塁への進塁を許した。その次の投球のスプリットもたたきつけ、ボールはワンバウンド。だが、ここで梅野の見せ場が訪れた。ハイバウンドとなったこのボールに反応してミットに収めると、視線は二塁へ。長岡が三塁方向へ飛び出しているのを見逃さず二塁ベース上へストライク送球し、タッチアウトにした。ビーズリーは今季初登板。不安になりがちな立ち上がりを、女房役としてしっかりと支えた。

◆阪神・前川右京外野手に向けた祝福のメロディーが奏でられた。「6番・左翼」で出場したこの日が21歳の誕生日。二回2死で第1打席に立つと、右翼席に陣取る応援団がバースデーソングを演奏し、スタンドのファンからは大合唱とともに大きな拍手が贈られた。前川は四球を選び、ヤクルト先発・ヤフーレに対し、初めての走者として出塁。先制点にはつながらなかったが、冷静に勝負を繰り広げた。

◆「TORACO DAY」のシークレットゲストとして、人気グループ、Travis Japanの七五三掛龍也(28)と中村海人(27)がファーストピッチにサプライズ登場。ふた手に分かれてマウンドに並び、それぞれ捕手のミットにストライク投球を収めた。どちらも小学校時代に少年野球でプレーし、投手経験もある2人。虎をモチーフにしていることから阪神は特別な思い入れがあるチームだという。1週間前にグラブとボールを買って公園で練習してきた。少年時代に赤星憲広が好きで右利きながら左打ちを練習していたという七五三掛は甲子園の雰囲気について「実際に来てみたら熱気がすごくて、お客さんの熱さが伝ってきた。来た事のない方でも一回来て味わってほしいぐらい、すごい場所だなと感じた」と感激の面持ちだった。中村は「野球の聖地でマウンドに立って投げさせていただくのは感慨深い。少年野球をやっていた頃に想像できなかったことがいまこうやって実現できてすごくうれしかった。パワプロくんの世界にいた感じ」と声を弾ませた。

◆阪神が四回に先制した。三回まで無安打と好投していたヤクルト先発・ヤフーレに対し、先頭の2番・中野は8球粘って四球で出塁。この試合初めて回の先頭が塁に出ると、続く近本もバットを一度も振ることなく、歩いた。ここでやってきたのが4番・大山の出番。助っ人右腕が制球に苦しむなかで初球のカットボールを振り抜いた。打球はしぶとく三遊間を破り、中野が二塁から一気にホームイン。好投を続けるビーズリーに先制の1点をプレゼントした。「打ったのはカット(ボール)。甘くきたボールは積極的にいこうと思っていました。まず1点を取ることができてよかったです。ここからも集中して頑張ります」と主砲は安堵の表情。大山は16日の中日戦(バンテリンドーム)で岡田政権下において初となるスタメン落ちを経験したが、2試合ぶりに先発オーダーに戻った17日のヤクルト戦(甲子園)では2安打1打点。これで2試合連続打点となった。

◆阪神のジェレミー・ビーズリー投手(28)が今季初登板初先発を務め、5回2安打無失点だった。一回は2死からの安打と暴投で得点圏の走者を背負うも、ワンバウンドになったスプリットを好捕した女房役の梅野が飛び出した二走・長岡を刺し、この回を0点に。二回は1死一塁でオスナを遊ゴロ併殺に仕留め、バタついた立ち上がりを無失点で発進した。力十分の直球と変化量の大きい横の変化球がさえ渡り、三、四回は三者凡退。1点の援護点をもらった直後の五回は2四球でピンチを背負ったが、149キロ直球で武岡のバットの空を切らせ、この回3つ目となる三振で脱出した。直後に打順が巡ったところで代打を送られ、降板。7奪三振を奪ってゲームメークし、今季初勝利の命運をリリーフ陣に託した。

◆阪神は投手陣が奮闘し、今季4度目の1―0勝利を収めた。今季初登板初先発を務めたビーズリーは5回2安打無失点。序盤2回に1安打ずつを打たれたがゼロを並べ、三、四回は三者凡退。大山の左前適時打で1点の援護をもらった直後の五回は2四球でピンチを招くも、武岡を空振り三振に仕留めて乗り切り、この回をもって降板した。バトンを託された救援陣も奮投。3連投の桐敷が六回、石井が七回を三者凡退に封じ、被安打は三回から5イニング連続でゼロ。八回はゲラが1死から内野安打を許すも代打・青木を158キロ直球で詰まらせて二塁へのハーフフライに打ち取り、スタートを切っていた一走・岩田もアウトにしてチャンスを作らせず。九回は岩崎が締め、わずか1点のリードを盤石のリレーで守り抜いた。これで今季の甲子園でのデーゲームは5戦全勝。ヤクルト戦における甲子園でのデーゲームも、2022年5月5日から2分けを挟んで5連勝となった。

◆ヤクルトは、今季4度目の零封負け。先発のミゲル・ヤフーレ投手(26)=ジャイアンツ傘下3A=は序盤からテンポよく投球していたが、四回に先頭から連続四球で無死一、二塁とし、4番・大山に先制の左前適時打を浴びて、これが決勝点となった。6回?を投げ3安打1失点の力投も、3敗目(4勝)。打線は、阪神先発のビーズリーを打ち崩せなかった。高津臣吾監督(55)の主なコメントは以下の通り。――ヤフーレは四回に連続四球を与えたところがもったいなかった「まあ、そうですね。先頭から2つフォアボールで、4番ですからね。よく1点で収まった方だと思いますね」――その後は粘りの投球を続けていた「投げる球もそうだし、相手のタイミングとかを見ても、おそらくそんなに簡単なピッチャーじゃないと思うので、フォアボールを出してつながれてとか、ワンチャンスを一本でかえされてとか、そういうことさえなければ、自分から崩れることさえしなければ、何とかゲームを作ってくれるピッチャーだとは思いますけどね」――リリーフ陣もピンチを背負いながら「0」を並べた「よく粘ったと思います。よく1点でいけたのかなという感じはしますけど。1点で負けちゃいけないですね」――打線は阪神先発・ビーズリーの前になかなか好機を作れなかった「三回以降はほとんどランナーが出ることもできなかったですし、ほぼ初見のピッチャーを打つのは、向こうの状態もいいんでしょうし、難しいのかなと思って横から見ていましたけどね。それでも、何とかしなきゃいけないでしょうね」――球が荒れていた分、狙い球を絞りづらかった「どうだろうね。まあ、割と変化球も低めにくるし、すごいワンバンするときもあるんだけど、割と低く集まっているし、球も力あるので、そんなに簡単じゃないと思いましたけどね。それでも、何とかしなきゃいけないんでしょうけどね」――先頭が出たのは二回のみ。戦略を練るのも難しい「そうですね。先頭...。うーん、まあ昨日(17日)あれだけ出たわけだからね(5度)。それが全てではないですけど、出て、つないでということができなかったですね」――前日1軍登録された田口が、八回に復帰登板。出力も上がってきた「ファームでずっと見ていた時よりも、アドレナリンも出て、よかったのかなと思いますけど。勝ちゲームで投げられるようにね。こんなもんじゃ駄目だと思うので、もっともっと状態を上げていってほしいなと思いますけどね」――勝ちパターンを自分で勝ち取ってほしい「今は、石山を一番最後に投げさせていますけど、それ以外は何も決まっていないので、登板間隔とか、相性とか、それだけで決めている感じなんでね。しっかりゲームの終盤にね、いい展開でマウンドに上がれるような状態になってくれればなという風に思います」

◆阪神が今季4度目の「1ー0勝利」で首位堅持。ジェレミー・ビーズリー投手(28)が昨年9月25日の中日戦(バンテリンD)の救援登板以来のマウンドで、5回2安打で今季初勝利を飾り、来日2勝目をマークした。六回以降は桐敷拓馬(24)、石井大智(26)、ハビー・ゲラ(28)、岩崎優(32)の4投手がゼロを重ねた。攻撃では四回無死一、二塁、大山悠輔内野手(29)が左前への2試合連続適時打で挙げた1点が決勝点となった。ヨハン・ミエセス外野手(28)は五回に代打で三ゴロ併殺。近本光司外野手(29)は13打席連続無安打。青柳晃洋投手(30)が背中の張りを訴えた島本浩也投手(31)とともに2軍に降格した。直近6戦で3度目の「1ー0試合」を制し、2位巨人に1差とした岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=21勝16敗4分、観衆=4万2600人)。ーービーズリーはバテたのを見て代えた「おう、もう球数じゃなかった。初回から飛ばしとったからな。えらい飛ばしてるなあ思たけど、これも今年初めての先発やし、それはしょうがないし、そらもう気合も入っとったし。もうとにかく行ける、バテるまで、バテるというか、最低五回というのがあったよ」ーー石井が復調したことで「結局5人いるからな、五回やったら。ひとつイニングを2人ぐらいでまかなうというかな、そういう感じはあったけど、石井が本当いい形で戻って来てくれたんで、十分イニング任せられる状況やろね、今は」ーー桐敷は3連投「うん、3連投はアレや、名古屋(16日の中日戦)はアレはブルペンや。名古屋はブルペンと思っといてええ。明日は休ますけど。名古屋はブルペン、復帰明けのブルペンと思っといて」ーー1点差に強い「いやいや、もう四回に1点取った時に、今日は1―0で勝つしかないでってベンチでも話してた。そんなチャンスはないってな。打ちづらそうにしてたからな、みんな」ーー完封勝ちが大きい「もうシャットアウトするしか勝つのないやん、それしかない。それだけブルペンに任せられるからな、それは強みやわな」ーーヤフーレの変化球にタイミングが合わない「なんかな、アレ、タイミング合わんみたいやな、なんかな、見逃してるのはな。なんかこう、曲がる時と曲がらん時というか、結構変化するみたいやでーー大山の適時打は四球後の初球「昨日も今日も飛んでるコースがええだけでな、本人は納得いってないと思うけど。あの1点が結局決勝点になったわけやからな。だからバントとかしても今日はつながらんと思ったよ。ヒットが出んもん。おーん。だからなんかラッキーパンチないかなぁとそんなことばっか考えてた。きっちりしてもな、スコアリングポジションに行ってもタイムリー出んよ、今日は。おーん」ーー大山はこういうヒットから徐々に上がって来る「そうなって来るやろうな。そら、バッターはやっぱりゲームでヒット1本、打点がついてくる。それが一番大きいな。練習でなんぼいい当たりしてな、感じようなって来たなと思っても、ゲームで結局、結果が出んかったらな、ずっとその流れで行ってしまうから。Hのランプがついて、打点もついてという、それが一番のバッターに対しての復調の薬やで、それが」ーー青柳の2軍登板は「いや、ないやろ、それは。おーん。もう今度はアレや、もう交流戦や。次あたるの巨人やん。左ばっかりやろ」

◆阪神・岩崎優を迎えるジェレミー・ビーズリー(右は梅野隆太郎)=甲子園球場(撮影・安部光翁)

◆ヤクルト打線は散発3安打で今季4度目の零封負け。今季初対戦となった阪神・ビーズリーの前に好機を作れず、その後も救援陣に「0」を並べられ三塁を踏めなかった。先頭が出たのは、二回に村上が中前打を放った1度だけ。高津監督は「1点で負けちゃいけない。三回以降はほとんどランナーが出ることもできなかった。出て、つないでということができなかった」と嘆いた。

◆力投も実らなかった。ヤクルトの新助っ人右腕、ミゲル・ヤフーレ投手(26)=前ジャイアンツ傘下3A=は、6回1/3を投げ3安打1失点で3敗目(4勝)を喫した。四回に先頭から連続四球で一、二塁とされ、4番・大山に浴びた左前適時打が決勝点に。「フォアボールのところは少しもったいない。もう少しストライクゾーンで勝負できたらああいった結果にはならなかった」と反省した。

◆19日のヤクルト戦(甲子園)に先発する阪神・才木浩人投手(25)はキャッチボールなどで調整した。前回12日のDeNA戦(横浜)では今季最多の128球を投げて完封勝利。「疲れは感じていない」と言葉に力を込めた。ヤクルト戦は2試合に登板して0勝1敗、防御率4・09と苦戦。「2試合とも打たれてるんで、連打が続かないように連打がないように気をつける」と村上を中心としたクリーンアップを警戒した。

◆高ぶる感情を抑えつつ、闘志はしっかりとボールに乗せた。右肩のコンディション不良などでの出遅れも、もう大丈夫。今季初登板初先発での5回無失点勝利に、阪神・ジェレミー・ビーズリー投手(28)のスマイルが弾けた。「すごく興奮したし、甲子園に戻ってこられて本当によかった」変化球の感覚は回を重ねるごとに取り戻し、許した安打は2本のみ。力のある直球と武器のスライダーで攻めた。1―0の五回に2四球で招いたピンチも武岡を149キロでねじ伏せ、三回から3イニングは被安打ゼロ。7奪三振で寄せつけず、六回以降を託した救援陣が1点を守り抜き、勝利は届いた。自身も相手先発・ヤフーレも背番号99。長くプロの世界に身を置く岡田監督も「最高背番号同士の先発やないか、きょうは。一生ないで、こんなの。99同士なんかなかなか先発で当たらへんで」と〝珍対決〟としても見つめた。軍配が上がったのはビーズリー。「五回くらいまではいってくれるかなという感じでしたけど、十分ですね」とねぎらった。鳴尾浜で外野芝生を走るときの足元は、ときに裸足になる。米ジョージア州ライオンズという小さな町の出身のビーズリーにとって日本は少し都会すぎるらしく、緑を足裏で感じることが自然の中で育った幼少期を思い出せるリフレッシュ法だ。本当は1年目の昨季も裸足で走りたかったが、「みんなに『なんだ、こいつ』と思われるかもしれないから、やらなかった」と照れ笑い。だが「毎日チームメートと顔を合わせて、ひと声かけてくれる。そういうのも助けになった」と、気さくな仲間に囲まれて虎の一員であることを実感すれば、ありのままで過ごすことにも、もうためらいは要らない。「息子がいる前でしっかりと投げられたのは、父親としてうれしい」昨年8月に生まれた長男ウエスリーちゃんは、夫人のブルックさんに連れられて観客席にいた。ウイニングボールを渡す愛息と、これからも一つ一つの勝利を分かち合う。(須藤佳裕)

◆頼れる男が帰ってきた。ヤクルト・田口麗斗投手(28)が八回に登板し、1回1安打無失点1奪三振。3月29日の中日戦(神宮)以来の1軍復帰登板で好投した。「先頭バッターを簡単にヒットで塁に出してしまったのは反省しなきゃいけないんですけど、ミスが出た後も、ランナーを次に進めずに、残りを3人で終えられたというのは大きいと思う」切れのある球が戻ってきた。最速145キロの直球と多彩な変化球を両サイドに制球。先頭の代打・森下に右前打とされ、暴投で二進を許したが、昨季リーグ2位の33セーブを挙げた左腕は落ち着いて、後続を抑えた。努力した日々は、無駄ではなかった。開幕戦の翌日(3月30日)に出場選手登録を外れ、2軍で再調整。1軍を離れる際、高津監督から「いい状態で帰ってくるのを信じているから」と声をかけられ、「甘えちゃ駄目だ」と言い聞かせながら、再び出力を上げるトレーニングを積んできた。チームは今季4度目の零封負けで5位に転落したが、背番号34の復帰は心強い。「もっといいところで投げさせてもらえるように、ここからエンジンをかけていきたい」と巻き返しを誓った。(赤尾裕希)

◆今季初めて1軍に上がった阪神・ヨハン・ミエセス外野手(28)は「自分のやるべきことをしっかりやってきた。そこに成績が伴うかは試合での結果がすべて」とチームの貢献を誓ったが、五回1死一塁で代打で出て三ゴロ併殺打に倒れた。いきなり結果を出すことはできなかったが、ノイジーや前川らがいる左翼のポジション争いに割って入る。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)の打球は三遊間をしぶとくゴロで抜けた。会心の当たりではなかったが、1-0の僅差の勝利に導く決勝打となった。2試合連続打点で4番の仕事を果たし、復活の〝兆し〟からさらに段階が上がった「甘く来たボールは積極的に行こうと。当たりはあれでしたけど、なんとか先制点を取れてよかった」大山らしさが戻ってきた。三回、中野、近本が連続四球で無死一、二塁。ヤクルトの先発ヤフーレが投じた初球のカットボールを左前に運んだ。四球の後の初球を狙い打つ-。打者として当たり前だが、不振のときは消極的になっていただけに、「初球からいく気持ちで、しっかり準備していた」とうなずいた。不振に苦しみ、16日の中日戦(バンテリン)で昨季再就任した岡田監督のもとでは初めてスタメンを外れた。それでも、翌17日のヤクルト戦で4番に戻ると、2安打1打点。11試合ぶりのマルチ安打と6試合ぶりの打点を記録すると、この日はチームで唯一の打点をたたき出して存在感を示した。岡田監督は「練習でなんぼいい当たりしてもゲームで結果が出んかったらな。バッターはゲームでHのランプがついて、打点もついて...それが一番の復調の薬やで」と主砲の巻き返しを期待した。自分を慕う後輩たちにバットでお手本を示したかった。その一人、開幕1軍入りするも結果を残せず、9日に2軍降格となった小野寺は「大山さんからは『頑張って、また(1軍に)上がってこいよ』と言ってていただいた」と感謝する。オフに合同自主トレをするようになって3年。1軍の舞台で、また大山とプレーするのが目標だ。今回のヤクルト3連戦は女性ファン向けのイベント「TORACO DAY」として開催。ビーズリーと並んでのお立ち台では、小学3年生の女の子から好きな女性のタイプを聞かれて「奥さんです!」と即答。そのうえで、女性ファンへの感謝の思いとともに、ナインを代表して熱いメッセージを伝えた。「チーム全員で勝ち取った勝利。チームがひとつになって、勝ちに向かって頑張りたい」不調で悩んでいるときに見せた表情は、もうなかった。(三木建次)

◆2試合ぶりにスタメンを外れた阪神・森下翔太外野手(23)は八回先頭で代打出場。田口の外角へのシュートを右前に運び「追い込まれていたんで、コンパクトに打ちました」と振り返った。次打者の井上への3球目、バントを空振りした球を捕手の中村がはじくと、すぐ反応してスタートを切り、二塁を陥れた。「ああいう走塁で次の塁に進めたら次の打者もやりやすい。これからも積極的にやっていきたい」とうなずいた。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(32)が好守で先発のビーズリーを支えた。一回、2死から長岡に安打され、暴投で二進を許したが、カウント2-2からビーズリーが投げ損なってワンバウンドした球を押さえると、すばやく二塁へ送球。飛び出した長岡を刺してピンチを脱した。5人の投手をリードして無失点でしのぎ、「ビーズリーも走者を背負ってもしっかりと抑えてくれた。中継ぎも頑張ってくれた」とねぎらった。

◆阪神・桐敷拓馬投手(24)は六回に2番手で登板して三者凡退に抑えた。体調不良から16日の中日戦(バンテリンドーム)で復帰後は3連投となったが、「(3連投は)シーズンに入ればあると思っていた。体力的には特に問題ない」と頼もしかった。岡田監督は「名古屋(16日)は復帰明けのブルペンと思っといて。あした(19日)は休ますけど」と語った。

◆阪神・石井大智投手(26)は1点リードの七回に登板し、三者凡退に抑えた。精度のよいフォークで長岡とサンタナから空振り三振を奪ったほか、村上への5球目が自己最速を2キロ更新する154キロを計測。「別に出そうと思って出しているわけじゃない。感覚的には147ぐらいまでの力感で投げている。それはすごくいい形」。バランスの良いフォームで体を操れるようになり、手応えを口にした。

◆これが虎の勝ち方や! 阪神は1-0でヤクルトに競り勝ち、首位をキープした。4番大山が挙げた虎の子の1点を5投手の継投で守り切り、岩崎優投手(32)が7セーブ目。今季8度目の零封勝ち、4度目の1-0勝利は両リーグ最多で、チーム打率リーグワーストの貧打線を強力投手陣が支えている。貯金5で2位巨人との差も1ゲームに広げたで~。どちらに流れが傾いてもおかしくない。そんなギリギリの試合展開でこそ、今季の岡田阪神は強さを存分に発揮できる。今季4度目となる「1-0」のスコアでの勝利をおさめ、〝ダブルストッパー〟の一角を務める岩崎を中心に勝利のハイタッチが交わされた。接戦の締めを任された左腕も、少しだけほほを緩めた。「よかったです。(次回登板も)頑張ります」短い言葉に、投手力を前面に押し出した白星への充実感を漂わせた。今季初登板初先発のビーズリーが5回無失点の力投で流れを作り、六回からブルペン陣が出撃。桐敷、石井、ゲラとつなぎ、九回は岩崎が3人斬り。先頭の山田を直球でビシッと見逃し三振、続く丸山和は木浪の華麗なランニングスローで2死とし、中村を141キロ直球で中飛に仕留めると、4万2600人の虎党と歓喜を分かち合った。開幕ローテから青柳と伊藤将が不振で登録抹消となったにもかかわらず、7セーブ目を挙げた岩崎らブルペン陣がリードを死守し、またも接戦での強さを発揮した。今季8度の零封勝ち、4度の1-0勝利、11度の1点差勝ちはすべて両リーグ最多だ。リーグワーストのチーム打率・225の打線に大量点は望めない。岡田監督も「四回に1点取ったときに、きょうは1―0で勝つしかないでってベンチでも話してた。もう、シャットアウトするしか勝つのないやん」と投手陣に託したことを打ち明けた。

◆♪今日もお酒が飲めるのは~ 虎投さ~まのおかげです~ 阪神の勝利にカンパーイ!!先発ビーズリーが5回わずか2安打無失点で勝利投手になったけど、この投手、開幕からずっ~と2軍だったのよ! しかも助っ人外国人投手なのにさ~、どんだけ阪神投手陣の層は厚いわけ!?2軍上がりといえば、本日3番手でマウンドに上がった石井の「何で俺を2軍に落としたんやァ!!」の気迫あふれる炎の投球に注目!! 燕のクリーンアップ長岡を三振、村上を二ゴロ、サンタナを三振!!この石井、15日の中日戦では三好、石川昂、山本を三者連続三振に斬り、その前の10日のDeNA戦では4人の打者から2三振!! さらに8日の広島戦でも三者連続三振!! 1軍に上がってから打者13人で10奪三振だってんだから、虎の『熱男』襲名ということで!!一方打線は、勝ったけど4安打1得点と『寒男』が続いてます...。ハ~ア、打てないモノは打てんよね...。虎投の皆さま、残り102試合全て無失点を決定事項とさせてくださ~い!!

◆18日朝、海の向こうから届いたニュースにビックリした。大谷翔平が所属する米大リーグ、ドジャースの本拠地・ロサンゼルス市が5月17日を「大谷翔平の日」に制定したからだ。背番号17にちなんだそう。大谷のスケールの大きさにも、ロサンゼルス市のウイットにも「アッパレ!」だ。阪神タイガースも〝記念日〟だった。17日から始まった『TORACO DAY』。TORACOとはタイガースを応援する女性ファンの愛称で、その女の子のためのお祭りデーだ。球場外周のメモリアルウォールに飾られた選手の写真は、普段のユニホーム姿ではなく、弾ける笑顔になったTORACOバージョンに。近本、中野、村上などなど、みんな結構ノリノリなのがいい。写真を撮るTORACOの列が一番長かったのは木浪。佐藤輝の前でポーズを取るファンは少し寂しそうだったなあ。そんな様子を撮影しながら熱心に取材していたのが、フリーアナウンサーの土井麻由実さん。毎月第2火曜日に虎戦士の素顔をたっぷりと明かすコラム「土井麻由実のSMILE TIGERS」を連載中のTORACOだ。「このイベント、めっちゃ好きなのよ。球場に来られなかったコロナ禍を含めて今年で11年目になるんだけど、毎年にぎわいが増してきているよね」

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
21164 0.568
(↑0.012)
-
(-)
102132
(+1)
115
(-)
22
(-)
13
(-)
0.225
(↓0.002)
2.240
(↑0.06)
2
(-)
巨人
21183 0.538
(↓0.015)
1
(↓1)
101104
(+3)
100
(+4)
19
(-)
22
(+1)
0.231
(↑0.004)
2.260
(↓0.05)
3
(-)
広島
17154 0.531
(↑0.015)
1.5
(-)
10795
(+4)
87
(+3)
13
(+1)
14
(-)
0.230
(↑0.003)
2.330
(↑0.01)
4
(1↑)
DeNA
18201 0.474
(↑0.015)
3.5
(-)
104122
(+3)
145
(+2)
16
(+1)
26
(+4)
0.238
(↓0.001)
3.340
(↑0.04)
5
(1↓)
ヤクルト
17202 0.459
(↓0.013)
4
(↓1)
104150
(-)
128
(+1)
29
(-)
15
(-)
0.245
(↓0.003)
3.130
(↑0.04)
6
(-)
中日
16214 0.432
(↓0.012)
5
(↓1)
102110
(+2)
138
(+3)
18
(-)
8
(+1)
0.242
(↓0.001)
3.100
(-)