◆広島は初回、小園の適時二塁打で1点を先制する。そのまま迎えた4回裏には、秋山の内野ゴロの間に1点を加えた。投げては、先発・大瀬良が6回無失点の好投。その後は4人の継投で完封リレーを展開し、大瀬良は今季2勝目を挙げた。敗れた巨人は、打線がつながりを欠いた。

◆広島の4番小園海斗内野手（23）が、先制適時打を放った。1回2死三塁で、巨人戸郷翔征のフォークをとらえ、右翼線へ運ぶ先制タイムリー二塁打。1死三塁のチャンスに、3番菊池がスクイズを試みたが失敗。最後は三振に倒れた嫌な流れを払拭して見せた。小園は「チャンスでうまく対応することができました。大地さん（先発の大瀬良）に先制点をプレゼントすることができてよかったです」とコメント。7日に4番に入ってこの日で7試合目だが、この日の第1打席までで打点が7と、1試合1打点の快ペース。まさに4番の働きを見せている。

◆広島の新4番・小園海斗内野手（23）が止まらない。1回に巨人戸郷から先制の適時二塁打。4番に入って7試合で7打点、しかもこの間5勝すべてが小園のV打点という勝負強さだ。この日、新井良太2軍打撃コーチ（40）が結婚を発表。昨季、2軍で指導を受けた同コーチを祝うかのような活躍で、マツダスタジアムでの巨人戦100勝も決めた。小園が打てば勝つ。4番に入って7試合。この間チームは5勝2敗だが、5勝すべてで小園が勝利打点を挙げている。この日もだった。初回1死三塁から、新井監督は菊池にスクイズのサイン。巨人戸郷は攻略の難しい好投手。思い切った仕掛けで先手を取りにいったがファウルで失敗。結局、菊池は三振に倒れた。嫌な展開だったが、4番が右翼線へ先制の適時二塁打。流れをぐいっと広島に持って来た。「浮いてきた球を狙っていこうと。あんまり（得点圏は）気にせずに入りました。なんとか（ヒットが）でてよかったです」と謙虚に振り返った。得点圏打率は両リーグトップの4割8分4厘。特に、4番に入ってからは6打数5安打7打点と猛烈に打っている。新井監督も「勝負強いですね。小園も"チャンスでオレに回ってこい"って思ってるでしょうね。それぐらい勝負強かった」と頼もしく見つめる。本人は得点圏での強さに「分かんないです...本当にあんまり得意じゃなかったんですよ」と苦笑いするが、いまや4番であることを誰もが認める存在だ。この日、新井良太2軍打撃コーチが結婚を発表した。小園は昨季、2軍落ちし、自分を鍛え直した時期がある。そのとき、同コーチに指導を受けた。「本当に昨年2軍で一番お世話になったというか、本当に声かけてもらって成長できて、今の自分があるかなと思うんで。本当におめでとうございますっていうのは思いますし、今度お会いした時にはちゃんと言おうと思います」。広島の4番としてチームを助け、引っ張るまでに成長した姿で"お祝い"した。3連戦の初戦に勝ち、これでマツダスタジアムで巨人戦100勝目の節目にもなった。今季4度目の貯金1。2戦目以降も、4番のバットで一気に貯金を積み上げる。【高垣誠】○...大瀬良が6回無失点の好投で今季2勝目を挙げた。初回から走者を許す投球。6回を5安打2四球ながら粘り強く投げて巨人打線に得点を許さなかった。「いろんな球種を使って抑えられた。アツさん（会沢）がうまくリードしてくれた」と振り返った。今季初めてカード頭を任され、期待に応えた。今季は巨人戦で2試合に登板し、11イニング無失点。「マツダの巨人戦」はこれで12勝1敗という強さを誇っている。

◆攻守でミスを重ねた巨人が今季6度目の完封負けで「マツダ100敗目」を喫した。守備では遊撃門脇が3回に捕球ミス、4回に送球ミスで2失策。攻撃では2点を追う6回無死一、二塁で小林がスリーバント失敗し、7回無死一塁で代打出場したオコエが痛恨の二ゴロ併殺打に打ち取られた。先発・戸郷を援護できず、阿部監督は「鬼門っぽく負けたからバッチリ切り替えます」と、またしてもマツダで勝てなかった。今季4試合目にしていまだ勝てていない敵地で、中日に次ぐ2球団目の100敗目（78勝10分け）となった。09年開業以来、マツダで勝ち越したのはわずか4シーズンで、13年を最後に10年連続勝ち越しを逃している。現役時代から苦汁をなめさせられ、自ら「鬼門」と口にした阿部監督は「ミスは誰にでもありますけど。ワンチャンスで同点というゲームは作れたので、そこだけは満足しています」。連勝は2でストップし、まずは鬼門破りに挑む。

◆広島・大瀬良大地投手が毎回走者を背負いながら６回無失点と粘り、２勝目を挙げた。打線は一回に小園の二塁打で先制し、四回に秋山の二ゴロで１点を加えた。七回以降は細かい継投で逃げ切った。巨人は１０残塁の拙攻で本塁を踏めなかった。

◆巨人は今季６度目の零封負けで連勝が２で止まった。阿部慎之助監督（４５）はマツダスタジアムで昨季３勝９敗、今季も２敗２分けとなったことを引き合いに出し、「鬼門っぽく負けたから、バッチリ切り替えます。ワンチャンスで同点というゲームは作れたので、そこだけは満足しています」と淡々と振り返った。今季から遊撃のレギュラーとなった門脇が２失策。三回はイレギュラーした打球を弾き、四回には失点につながる悪送球。高い守備力で２年目のして正遊撃手の座を与えられた門脇だったが、打撃でも５試合無安打と苦しんでいる。九回の打席では、同じ左打ちの遊撃手、ドラフト４位・泉口（ＮＴＴ西日本）を代打に送った阿部監督は「守備（が持ち味）の人なのでね...。ミスは誰にでもありますけど。まあ、泉口にもチャンスをあげようかなと思ってね」と説明した。

◆巨人・門脇誠内野手（２３）は「８番・遊撃」で先発し、１試合２失策を記録した。三回無死から秋山の打球をファンブル。続く四回は１死一、二塁から二ゴロの送球を二塁ベースで受けたが、一塁へ悪送球となった。これで今季の失策数は昨季の５を超える７となり、ＤｅＮＡ・牧と並ぶリーグワーストに。「スローイングの方はもったいない。ちゃんと取れるアウトは取るべきだなと。今年は凡ミスが多い。ちゃんと当たり前のことをできないとチームに迷惑をかける」と反省した。打撃ではこの日２打数無安打で５試合連続ノーヒット。九回には代打を告げられた。

◆巨人・戸郷翔征投手（２４）が５回２失点で２敗目を喫した。試合前の時点で今季６打数４安打と分が悪く、「キーになると思う」と警戒していた小園に先制の適時二塁打を含む２安打を浴びた。３四死球を与えるなど一度も三者凡退のイニングはなく、球数も１０２と増えた。「コントロールに尽きると思います。５回で降ろされたことを反省しないといけない」と唇をかんだ。

◆観客席が真っ赤に染まった敵地マツダスタジアムに飲まれた。リーグ２位の巨人は今季６度目の零封負けで連勝が２でストップ。阿部慎之助監督（４５）は「鬼門っぽく負けたから、バッチリ切り替えます」と潔く負けを認めた。マツダでは昨季３勝９敗、今季もこれで２敗２分け。この日は４度の得点圏を生かせなかった。ただ、攻撃へのリズムをつくれない守備の乱れが敗因だった。坂本の後継者として遊撃手を担う門脇が２失策。三回はイレギュラーした打球をはじき、四回には失点につながる悪送球を犯した。１２６試合に出場した１年目の昨季（５）を超える７失策は、ＤｅＮＡ・牧と並ぶリーグワースト。門脇は「今年は凡ミスが多い。当たり前のことをできないと、チームに迷惑をかける」と猛省した。打撃でも５試合連続無安打と苦しむ。指揮官は九回の門脇の打席で同じ左打ちの遊撃手、ドラフト４位・泉口（ＮＴＴ西日本）を代打に送り「ミスは誰にでもありますけど。守備（が持ち味）の人なのでね...。泉口にもチャンスをあげようかなと思って」と説明した。背番号５を背負うホープに、試練が訪れている。（谷川直之）

◆マツダスタジアムから〝祝福星〟を届けた。広島が２位・巨人に零封勝ち。新井監督はチーム一丸となってつかんだ勝利を喜んだ。「（大瀬良）大地は粘りのナイスピッチングだった。アツ（捕手の会沢）も前回から配球をガラッと変えてナイスリード。リリーフ陣は今日も素晴らしい」先発の大瀬良は一回に小園の適時二塁打で援護を得ると、６回５安打無失点で今季初登板から無傷の２連勝。これでマツダでの巨人戦は入団１年目の２０１４年から１１連勝をマークするなど、通算１２勝１敗と圧倒。大瀬良本人は「東京ドームではあまり勝てていないですよね」と謙遜するが、頼もしい限りだ。この日、チームは試合前から祝福ムードに包まれていた。新井監督の実弟・新井良太２軍打撃コーチがインスタグラムを更新し、元中国放送の河村綾奈アナウンサーとの結婚を発表。新井監督は試合前、「兄としてうれしく思います。２人で明るく楽しい家庭を築いてもらいたい」と祝福コメントをしていたが、試合でもきっちりと勝った。新井兄弟─。兄・貴浩は地元・広島で、弟・良太は中日でプロ入りしたが、兄は０８年にＦＡで、弟は１１年にトレードで阪神に加入して４年間、一緒にプレーした。ともに右の長距離砲で豪快なスイングで人気者に。１５年に兄・貴浩が広島に復帰し、兄弟タッグは解消となったが、２３年から監督、コーチとして再びタッグを組んでいる。チームは今季４度目の無失点勝利で首位阪神、２位巨人とのゲーム差をともに１・５に縮めた。貯金は今季最多タイの１。〝兄弟船〟でカープを頂点へ引っ張る。（柏村翔）