中日(★0対1☆)阪神 =リーグ戦8回戦(2024.05.15)・バンテリンドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 1234567891011
阪神
000000000011600
中日
000000000000500
勝利投手:島本 浩也(1勝0敗0S)
(セーブ:岩崎 優(2勝1敗6S))
敗戦投手:齋藤 綱記(2勝1敗0S)
  DAZN
チケットぴあ 中日戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆阪神が延長戦を制した。阪神は両軍無得点で迎えた延長11回表、1死三塁から近本の適時打が飛び出し、試合の均衡を破る。投げては、先発・大竹が7回無失点の力投。その後は4投手の継投で完封リレーを展開した。敗れた中日は、打線が中盤までの好機を生かせなかった。

◆阪神渡辺諒内野手(29)が1軍のゲームが行われるバンテリンドームに合流した。そのまま出場選手登録される見込み。この日、佐藤輝明内野手(25)が2軍鳴尾浜に合流しており、入れ替わる形となる。渡辺は今季初の1軍昇格となる。ウエスタン・リーグでは39試合に出場。129打数32安打、2本塁打、打率2割4分8厘。佐藤輝はこの日、鳴尾浜で練習を行った。また、体調不良で一時戦線離脱していた桐敷拓馬投手(24)も1軍に合流した。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(29)が、試合前のノックで三塁守備についた。糸原らとともに馬場1軍内野守備走塁コーチのノックを受けた。その様子を岡田監督も見守っていた。一塁送球だけでなく、二塁への送球も披露。軽快なステップ、力強い送球を見せた。ノイジーはメジャー時代に内野経験も豊富。来日後は左翼での起用が主だが、ブランクを感じさせない動きを示した。チームはこの日、佐藤輝明内野手(25)の出場選手登録を抹消した。代わって渡辺諒内野手(29)が1軍昇格し、三塁候補は糸原、渡辺らの名前が挙がる。

◆2位阪神が首位返り咲きへ、新オーダーを組んだ。ここまで主に三塁に就いていた佐藤輝明内野手(25)がこの日2軍降格し、1軍に今季初昇格した渡辺諒内野手(29)が「6番三塁」で今季初のスタメン入り。1番には2試合連続で森下翔太外野手(23)が名を連ねた。先発は今季4勝目を狙う大竹耕太郎投手(28)が務める。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)の超遅球がさく裂した。0-0の4回2死。加藤匠への2球目に投じた山なりのスローボールを打ち返されるも、左飛に仕留めた。外角へ弧を描いた1球には、球場のスピードガンも反応しなかった。緩急自在のピッチングで4回まで無失点に抑えている。

◆阪神は体調不良で一時戦線離脱していた桐敷拓馬投手が、1軍に再合流した。10日のDeNA戦(横浜)からベンチを外れ、発熱もありチームを離れて横浜から帰阪していた。出場選手登録は抹消されず回復に努め、13日にはブルペン投球を実施。この日ベンチ入りはしなかったが、バンテリンドームでの試合前練習に参加した。ここまで救援で16試合に登板し防御率1・13の安定感。最短16日の実戦復帰が待たれる。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が、渡辺諒内野手(29)のファインプレーでピンチを乗り切った。0-0の6回裏。2死二塁で中日山本の打球は三塁へ。このライナーを三塁渡辺が横っ飛びでキャッチし、三直に仕留めた。佐藤輝明内野手(25)がこの日2軍降格。三塁に入った渡辺が存在感を発揮した。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が、7回4安打無失点の好投で降板した。8回の攻撃で代打を送られた。試合は0-0の展開で、大竹に勝敗はつかない。らしさあふれる投球だった。球場のスピードガンに球速が表示されないほどのスローボールを駆使し、緩急自在に中日打線を抑え込んだ。今季7試合目の先発で無失点投球は初。今季最高の内容ともいえる96球だった。

◆阪神が絶好の先制機を逃した。スコアレスのまま迎えた9回、先頭中野が中日小笠原から右翼線への二塁打で出塁。ここで中日は守護神のマルティネスにスイッチ。続く近本は申告敬遠で出塁し、無死一、二塁のチャンスをつくった。しかし4番大山が空振り三振に倒れ、ノイジーは中飛。2死二、三塁としたが、最後は渡辺が見逃し三振に倒れた。

◆阪神石井大智投手(26)が、大事な9回裏のマウンドをゼロで抑えた。0-0の場面で登板し、3者連続三振に仕留めた。3月30日の巨人戦で1回2失点を喫した後、2軍降格。8日に1軍復帰登板を果たすと、そこから3試合連続無失点。1軍復帰後は全てのアウトを三振で奪っている好調ぶりだ。

◆「地方の男」が粘りきれなかった。地方球場では通算3試合に先発して3勝をマークしていたDeNA石田健大投手(31)が、初上陸の福井の地で初先発。前回登板の8日ヤクルト戦では4連打を浴びるなど3失点と課題だった立ち上がりは、攻めの姿勢を貫いた。先頭の巨人萩尾を中飛、オコエを空振り三振と全球直球で2死を奪った。しかし、吉川のゴロを牧が捕球ミス。主将の2試合連続、両リーグワーストの7失策目で走者を許すと、岡本和に四球を与えて一、二塁とし、坂本に左前へ先制適時打を浴びた。3回にも1死三塁から吉川の適時打で追加点を献上。4回以降は持ち味の打たせて取る投球で試合を作ったが、7回1死二塁、代打丸に2ランを浴び、7回途中6安打4失点(自責3)で降板した。直近の地方球場の登板となった昨年4月18日の巨人戦(長崎)では8回無失点と好投。16年の福島、豊橋と合わせて先発した3試合はいずれも白星を挙げており「空気がキレイで体も動く。外的な部分に影響されないようにしてます」と話していたが、今季最多108球の粘投も及ばず。地方球場での先発で4連勝とはならなかった。【小早川宗一郎】

◆阪神が延長にもつれこむ熱戦を制し、敵地で連敗を阻止した。今季延長戦は8試合目で、3勝1敗4分けとなった。3試合連続で「3番中堅」で先発した近本光司外野手(29)が、延長11回に決勝打を放った。阪神先発の大竹耕太郎投手(28)、中日先発の小笠原慎之介投手(26)が投手戦を演じ、7回まで両者無失点。大竹は7回4安打無失点、96球を投げ終えた直後の8回表の攻撃で、代打原口を送られて降板となった。援護したい打線だったが、8回までに散発3安打。相手の好守備にも阻まれて、なかなか好機を広げられなかった。0-0のまま迎えた9回には、先頭の中野が右翼線ギリギリの二塁打を放ってから2死三塁としたが、今季初昇格&初先発した渡辺諒内野手(29)が中日マルティネスを前に、空振り三振に倒れた。それでも、迎えた延長11回、先頭の森下が左中間への二塁打で出塁すると、中野の二ゴロの間に三塁へ進塁。1死三塁から、3番近本が右前適時打を放ち、試合を動かした。渡辺はこの日、2軍降格となった佐藤輝明内野手(25)に代わり1軍昇格。2回1死の第1打席で中前打をマークすると、4回の第2打席は四球で出塁。守備機会も難なくこなした。

◆阪神近本光司外野手(29)にヒヤリとするシーンがあった。11回表に勝ち越しの適時打。直後、一塁走者として投手清水からのけん制をもらう場面だった。送球が体に当たり、痛がる様子を見せたが、プレー続行。ただ、直後にも清水がけん制を入れたことで、左翼席の虎党からは軽いブーイングが起こった。

◆阪神が延長にもつれこむ熱戦を制し、敵地で連敗を阻止した。試合は11回に動いた。先頭の1番森下翔太外野手(23)が左中間への二塁打で出塁すると、中野拓夢内野手(27)の二ゴロの間に三塁へ進塁。1死三塁から、3試合連続で「3番中堅」で先発した近本光司外野手(29)が、右前に決勝打を放った。今季延長戦は8試合目で、3勝1敗4分けとなった。近本のヒーローインタビューは以下の通り-さすがの一言「ありがとうございます」-あの場面どんな思いで「先頭で森下が二塁打を打ってくれたんで、絶対にチャンスで回ってくるなと思っていたんで。中野も気持ちを出してバントしようとしてくれましたけど、結果的に進塁打になって、これ絶対打たなあかんなと思いながら、初球すごい空振りしました」-追い込まれた後に難しい球「ランナーが海(植田)だったので、なんとかバットに当てようと思って。追い込まれた方がいいのかなと思いながら、楽しく打席に入っていました」-納得のいく打撃「目的がバットに当てることだったので、それができたのが良かったと思います」-3番に入ってチャンスで回ってくる。意識の変化は「チャンス多かったですか?3試合で2回ぐらいですかね。回ってきたら自分のやることは1番であろうが3番であろうが変わらないんで。先頭で回ってきたら塁に出る。チャンスで回ってきたらしっかり返すってことだけは何番であっても変わらないのかなと思います」-投手陣も含めて守った「本当に投手中心に守りの阪神の野球ができたんじゃないかなと思います」-延長戦で勝ちきった「しっかりこのカード勝ち越して関西に帰りたいと思います」

◆阪神の11回勝ち越しの口火は「1番森下」が切った。0-0で迎えた先頭打席。森下翔太外野手(23)が、中日斎藤のシュートを左翼へはじき返す二塁打を放った。近本の右前決勝打を呼び込み「自分が出てチャンスをつくれば何か起こる打順だったので、結果的に長打になってよかったです」と喜んだ。14日中日戦(豊橋)で3試合ぶりにスタメン復帰し、任された今季初の1番でマルチ安打を決めた。この日は4打席無安打だったが、最後に結果を残し、連夜の存在感を見せた。「1点どっちが先に取るかという戦いだったので勝てて良かったです」。岡田監督も「最後に1本出たからなあ、もうええわ、森下はそれで」と笑いを誘いながらねぎらった。

◆中日中田翔内野手(35)が8回守備からベンチに下がった。2回の第1打席で左足首に自打球を受け、その後も出場を続けたが、3打数無安打。若干の腫れと「痛みもあった」こともあり、途中交代した。この日は試合前練習時はグラウンドに出ず、屋内でマシン打撃で調整。先発の小笠原が9回途中無失点と粘ったが、打線は援護できず。小笠原はこれで5試合38イニング援護点をもらえず、中田は「かわいそうというか、申し訳ないというか...。そこを打破しないとチームとして、野手の部分で成長がない。責任感を持ちながらやっていく中で、小笠原を次から援護できるようにしたい」と、打線を鼓舞した。試合は、延長11回に登板した斎藤が、今季16試合目で初失点し、敗戦。5割復帰を逃した。

◆阪神が延長にもつれこむ熱戦を制し、敵地で連敗を阻止した。今季延長戦は8試合目で、3勝1敗4分けとなった。3試合連続で「3番中堅」で先発した近本光司外野手(29)が決勝打を放った。岡田彰布監督(66)は「こういうゲーム展開はちゃんとした方が点入るよ」と振り返り、また、この日2軍降格となった佐藤輝明内野手(25)については「うん、うん。ファームの選手や」とだけ話した。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り。-投手陣が踏ん張ったうん。大竹もよかったけどな。-昨年のいい時のような状態にそうやなあ。やっぱり慣れもあるからな、向こうのバッターもな。-中継ぎもけっこう投げてなかったからな。-石井もいいファームで投げて、だいぶようなっとったからな。今はけっこう10人もおるから。-体調不良から練習に復帰した桐敷は明日は入れる、ベンチに。そんな慌ててなあ。いきなり厳しいところはやっぱりしんどいと思ったから、今日1回ブルペンで投げさして。他のピッチャーもおるから、全然大丈夫や。-近本は追い込まれたが、さすがまあ、それはなあ、おーん。後ろが打たんからのう。-中野はバントは失敗したが、走者を進めたあれもなあ。だからこういうゲーム展開はもうやることきっちりやった方が。向こうもノーアウト二塁あったけどなあ。やっぱりあれ、ランナー送れんかったからのう。結局はそこやろなあ。展開的にな、こういうゲーム展開はちゃんとした方が点入るよ。-現時点では森下、中野、近本という並びがよさそううーん、なあ。(森下は)昨日はよかったけど、今日も最初のはよかったけど。最後に1本出たからなあ、もうええわ、森下はそれで(笑い)。-ノイジーが三塁の練習をノイジーはアメリカでは三塁手やんか。三塁手やったからなあ。-佐藤輝は出直しうん、うん。ファームの選手や。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手が試合前ノックで三塁守備に就いた。糸原らとともに馬場内野守備走塁コーチのノックを受け、その様子を岡田監督も見守った。小幡のグラブを使い、一塁送球だけでなく二塁への送球も披露。軽快なステップ、力強い送球を見せた。ノイジーは「チームから練習しておくように言われたので」と説明。「良かったと思います。でももう少し慣れていかないと」と一定の手応えを明かした。阪神では左翼が主戦場だが、メジャー時代は内野経験も豊富。岡田監督も「ノイジーはアメリカでは三塁手やんか」と話し、国内初の三塁に就く可能性を明かした。

◆背番号5が決めた。0-0で進んだ延長11回、阪神近本光司外野手(29)が均衡を破る決勝タイムリー。前日敗戦につながる痛恨失策を犯した佐藤輝明内野手(25)が2軍落ちし、無得点が続いた重苦しい展開を一振りで切り裂いた。近本は打率、打点、本塁打、勝利打点、安打数、盗塁数でチームトップの6冠に浮上。チームは今季延長戦で8戦1敗の粘り強さを発揮し、首位巨人を追う0・5差は変わらず食らいついた。右手でベンチへ合図し、軽くを息を吐いた。一塁ベース上で近本は、少しだけ緊張から解き放たれた。先頭の森下が二塁打。2番中野が二ゴロでつないだ好機をものにし、虎の子の1点をつかんだ。「森下が打ってくれたので、絶対にチャンスで回ってくると思っていた。『あっ、これ絶対打たなあかんな』と思いながら、初球にすごい空振りしました」仲間の懸命なつなぎを感じるからこそ力んだ。0-0の11回1死三塁。変則左腕斎藤の初球、外角ボール球のスライダーにバットが空を切った。これで「空振りするのはスライダーだけ。それをケアしながら」と冷静になれた。カウント2-2になると開き直った。「自分のスイングをしてミスショットするより、追い込まれてしっかり対応した方がいいなと、追い込まれてから思いました」制限がかかり、それをプラスに変えた。最後は低めボール気味のシュートに食らいつき、決勝の右前適時打。「楽しく打席には入ってました」と笑ってみせた。2試合連続マルチ安打。3試合連続で3番に座り、同打順では今季初打点だ。チームでも3番が打点を挙げるのは5月5日の佐藤輝以来。主軸が打てば勝つ。2月の沖縄キャンプ。そこは近本にとって研究発表の場でもある。「自主トレで何をしたか、みんな披露する機会だから」。ただ、今年は違った。自らの打撃に没頭していた。「自分のことで精いっぱいやったな、今年は」。個別練習では打撃フォームを撮影。修正の毎日だった。しっかり土台をつくったからこそ今がある。打率、本塁打、打点、安打、盗塁、そしてこの日マークした勝利打点5を含め、"チームの打撃6冠"にも浮上し、打線をけん引している。新打線で勝ちを拾い、岡田監督は「こういうゲーム展開は、(ミスなく)ちゃんとした方が点入るよ」とたたえた。佐藤輝が出場選手登録を抹消された日に、その"ショック"を振り払うような1-0勝利。この日も勝った首位巨人を0・5差でピタリ追う。「自分のやることは1番であろうが3番であろうが変わらない。チャンスで回ってきたらかえすということだけは、何番であっても変わらない」。そう言える近本が、どんな時も虎打線の核だ。【中野椋】

◆阪神ハビアー・ゲラ投手が上位打線を1回3人斬りで節目の10ホールド目を手にした。8回から2番手で登場。田中を二ゴロ、カリステを右飛に料理し、最後は細川を外角スライダーで遊ゴロに仕留めた。「あまり状況とか打者とかを考えずに、とにかく3つアウトを取ること、リズム良く投げることが大事だと思って投げて、その通りできたのでよかった」。岩崎とのダブル守護神が同一ゲームで登板した試合は12勝4分け。「不敗神話」はそう簡単に崩れない。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が得意の緩急を発揮した。7回4安打無失点の好投。球場のスピードガンに球速が表示されないほどのスローボールを駆使し、テンポよくゼロを並べた。0-0の6回には無死二塁のピンチを背負ったが、中田と石川昂を遊ゴロ、山本の打球には三塁渡辺がダイビングキャッチし、先に得点は与えなかった。今季7試合目の先発で無失点投球は初。勝敗はつかなかったが「点が取れない試合で、逆に自分が粘ってというところは、そういう貢献の仕方したいなと。今日はそれができて良かったです」と役割を果たした。

◆阪神中野拓夢内野手がマルチ安打&進塁打で勝利に貢献した。3回2死からは中前打を放ち、9回先頭では右翼線への二塁打でチャンスメーク。延長11回は無死二塁から犠打を試みるも2度ファウルで失敗して追い込まれたが、中日斎藤の外角低め変化球に食らいついて進塁打となる二ゴロを放ち、決勝打の近本につないだ。「しっかりとミスした後に切り替えた。絶対にランナーを進めるって気持ちは持っていたので、点につながってよかった」と胸をなで下ろした。

◆背番号5が決めた。0-0で進んだ延長11回、阪神近本光司外野手(29)が均衡を破る決勝タイムリー。前日敗戦につながる痛恨失策を犯した佐藤輝明内野手(25)が2軍落ちし、無得点が続いた重苦しい展開を一振りで切り裂いた。近本は打率、打点、本塁打、勝利打点、安打数、盗塁数でチームトップの6冠に浮上。チームは今季延長戦で8戦1敗の粘り強さを発揮し、首位巨人を追う0・5差は変わらず食らいついた。阪神は今季の延長戦でセ最多の8試合を戦い、3勝1敗4分け。延長戦で勝ち越しているのはセでは阪神だけだ。わずか1敗の粘り強さに強固なリリーフ陣の奮闘が際立つ。今季の1-0勝利は3度目。前回は5月12日DeNA戦(横浜)で、才木が完封勝ちを収めた。また、1点差試合は12球団最多の10勝(3敗)に到達した。

◆背番号5が決めた。0-0で進んだ延長11回、阪神近本光司外野手(29)が均衡を破る決勝タイムリー。前日敗戦につながる痛恨失策を犯した佐藤輝明内野手(25)が2軍落ちし、無得点が続いた重苦しい展開を一振りで切り裂いた。近本は打率、打点、本塁打、勝利打点、安打数、盗塁数でチームトップの6冠に浮上。チームは今季延長戦で8戦1敗の粘り強さを発揮し、首位巨人を追う0・5差は変わらず食らいついた。阪神岡田監督一問一答は以下の通り。-投手陣が踏ん張ったうん。大竹もよかったけどな。--昨年のいい時のような状態にそうやなあ。やっぱり慣れもあるからな、向こうのバッターもな。-中継ぎもけっこう投げてなかったからな。-石井もいいファームで投げて、だいぶようなっとったからな。今はけっこう(リリーフ陣は)10人もおるから。-近本は追い込まれたが、さすがまあ、それはなあ、おーん。後ろが打たんからのう。-中野はバントは失敗したが、走者を進めたあれもなあ。だからこういうゲーム展開はもうやることきっちりやった方が。向こうもノーアウト二塁あったけどなあ。やっぱりあれ、ランナー送れんかったからのう。結局はそこやろなあ。

◆佐藤輝明との入れ替えで昇格した渡辺諒内野手が即スタメン起用され、攻守で存在感を示した。2回1死からの今季初打席では「直球破壊王子」らしく中日小笠原の初球、142キロ直球を中前に運んだ。4回2死の第2打席は四球出塁。三塁守備では6回2死二塁から山本の三遊間へのライナーに飛びついてキャッチするなど、3度の守備機会を難なくこなした。「今日は僕自身の開幕。まだ始まったばかりなので、出た時にはいい成績を残せるように、また明日からやっていきたい」と力を込めた。

◆中日が5割復帰を逃した。先発小笠原が9回途中4安打無失点と好投も、打線が援護できず。延長11回に登板した斎藤が先頭森下に二塁打を許し、1死三塁から近本に決勝の右前適時打を浴びた。中日は6回に先頭の細川が二塁打を打つなど計4度得点圏に走者を進めたが、完封負け。立浪監督は「投手を責めることはできない。二塁打、二塁打で(ともに)チャンスを作ったが、向こうに点が入ってしまった」と、8カードぶりのカード勝ち越しへ気持ちを切り替えた。▽中日小笠原(9回途中無失点降板で38イニング援護なし)「必要最低限の仕事はできました」▽中日斎藤(開幕からの無失点が16試合目で止まり、1敗)「(勝ち越し打の)近本さんの内角へのシュートが攻めきれなかった。あの勝負を急いだ自分が悪かったです」

◆阪神今季3度目の1-0完封は、岩崎優投手(32)のリベンジセーブで締めた。近本の勝ち越し打で虎の子の1点をゲットした延長11回。しびれるラストイニングを任された守護神が、名誉挽回に成功した。「前回の反省があったので...」。苦い記憶と向き合っていた。11日のDeNA戦(横浜)で2点リードの8回に登板したが四球から大崩れ。蝦名に同点2ラン、筒香に決勝ソロをたたき込まれ、悪夢のイニング途中KOを味わった。4日ぶりに巡ってきたリベンジの機会。先頭カリステに、1ストライク後にまさかの4連続ボール。またも四球を与えてしまったが、百戦錬磨の左腕は慌てなかった。最も怖い細川を打席に迎えると、何度も一塁にけん制球を入れてリズムを整え直した。チェンジアップを低めに連投すると直球で遊ゴロ。代打中島は右飛、最後は石川昂のバットを完璧なチェンジアップで空を切らせた。本塁打も長打も許されない場面で、失投はゼロ。それでも口をついたのは反省だった。「(今日も)フォアボールがあったので。ちょっと四球に対して考えすぎてしまったかなと。そういったところをもう1回整理して、マウンドに上がりたい」ダブル守護神のゲラと肩を並べる6セーブ目。2人が同一ゲームで登板した試合は12勝4分けの「不敗神話」も更新した。7回無失点の先発大竹からゲラ、石井、島本とつないだ「0」のバトンをつなぎ切った。「決まりごとは少ない方がいいんですよ。単純にそっちの方が楽じゃないですか?」。セットアッパー、クローザーを務めて8年目になるが、神経をすり減らす毎日を乗り切るために無駄を省く。ルーティンは一切なし。打たれても験担ぎはしない。シンプルに、体と心を万全に整えて、マウンドに向かう毎日を繰り返してきたからこそ、2試合連続で崩れることはない。頼れるベテランが力強く健在を示した。【柏原誠】

◆プロ14年目の阪神島本浩也投手(31)が節目の通算10勝を挙げた。0-0の延長10回に4番手で登板し、1イニングを無失点。直後の攻撃で勝ち越しに成功し、白星が転がり込んだ。2死二塁のサヨナラピンチを招いたが、田中を二ゴロに料理。「田中選手を抑えられたことはよかった」と振り返った。5試合連続無失点で24年初勝利。15試合で防御率0・73と、強力ブルペン陣に欠かせない存在になっている。

◆阪神の渡辺諒内野手(29)と桐敷拓馬投手(24)がこの日から1軍に合流した。佐藤輝が14日の中日戦(豊橋)で八回に勝ち越し2点打を許す失策を犯し、15日に名古屋から帰阪。渡辺が佐藤輝に代わって1軍選手登録させるとみられる。桐敷は10日からの横浜遠征中に体調不良で一時チームを離れ、選手登録は外れずに調整を続けていた。

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(29)が試合前練習で三塁の守備に入った。小幡のグラブを借りてキャッチボールに現れると、ファールゾーンでハンドリングを練習。打撃練習を終えても左翼での守備練習をこなした後に、三塁へ。丁寧に腰を落として打球を捌き、軽快な動きを披露した。ノイジーが三塁で試合に出場すれば来日2年目で初めて。なお2022年の米・アスレチックス時代には44試合で守っていた。チームは前夜14日の試合では三塁を守った佐藤輝の捕球ミスから逆転負け。その佐藤輝が降格し、ファームからは主に三塁を守る渡辺が合流していた。

◆両軍のスタメンが発表。阪神は1軍に昇格した渡辺諒内野手(29)が「6番・三塁」で即スタメン出場する。14日は三塁を守る佐藤輝の捕球ミスから逆転負けを喫しており、ウエスタン戦で打率・248、2本塁打の男が今季初の1軍出場でチャンスをつかみ、流れを変える。打順の入れ替えが続いているが、2試合続けて森下翔太外野手(23)が「1番・右翼」、近本光司外野手(29)が3試合続けて「3番・中堅」で出場する。

◆中日は小笠原慎之介投手(26)が今季7度目の先発登板に臨む。前回8日の巨人戦(バンテリンD)では7回5安打1失点と好投したが、打線の援護に恵まれず、敗戦投手となった。ここまで登板6試合すべてでクオリティースタート(先発で6回以上を投げて自責点3以内に抑える)を果たし、防御率は1・99と十分の投球をしてきているものの、1勝3敗と黒星が先行している。前夜の試合(豊橋)では終盤八回に3点を奪って逆転勝ちを収めたように打線が奮起し、2勝目を目指す小笠原をサポートしたい。「7番・遊撃」で山本泰寛内野手(30)が出場。4月13日の阪神戦(バンテリンD)では3安打1打点と活躍。昨季まで在籍した阪神戦で再び存在感を発揮できるか。

◆15日に昇格して「6番・三塁」で今季初めてスタメン出場した阪神・渡辺諒内野手(29)がいきなり安打を放った。0―0の二回1死で先発・小笠原の初球を一閃。乾いた音を響かせると、ライナーを中前に弾ませた。今季初打席でいきなり灯したHランプ。昇格即のスタメン起用に一振りで応えた。昨年の中日戦では打率・500(10打数5安打)、1本塁打、3打点をマークしている。続く坂本の投ゴロの間に二塁へ進塁したが、木浪が左飛に倒れて先制はならなかった。

◆阪神・大竹耕太郎(28)、中日・小笠原慎之介(26)の両先発が、遅球を巧みに織り交ぜてドームをどよめかせた。まずは一回。大竹が田中を93キロのスローボールで中飛に打ち取る。「緩急の緩の部分でも緩急をつけたい」と話す左腕の真骨頂だ。三回は小笠原だ。2死一塁で近本に対して108キロのカーブで勝負。遊ゴロに仕留めた。高校生が150キロ超をマークする時代で、プロならでは技を示した。

◆阪神・渡辺諒内野手(29)の好プレーでピンチをしのいだ。両軍無得点の六回。先発の大竹は先頭の細川に左翼への二塁打を浴び、無死二塁とこの日3度目の得点圏に走者を背負う。それでも中田を1球で遊ゴロ、石川昂も遊ゴロに打ち取って2アウト。続く山本が変化球にうまく合わせた打球は三遊間を襲ったが、三塁の渡辺が飛びついて好捕。窮地を脱した。渡辺は14日に拙守で逆転負けを招いた佐藤輝に代わり、この日1軍に昇格。いきなり「6番・三塁」でスタメンに抜てきされた。第1打席には今季初打席で中前打を放ち、第2打席も四球で出塁。攻守で存在感を示している。

◆阪神・大竹耕太郎投手(28)が7回無失点で交代した。得意の緩急を存分に発揮し、テンポ良くアウトを積み重ねた。球場のスピードガンが反応しないほどのスローボールを織り交ぜ、観客からはどよめきが起こる。六回は無死二塁のピンチを背負うも、中田と石川昂を遊ゴロに抑え、山本は三塁・渡辺のダイビングキャッチで三直に。今季最長タイとなった七回は3人で斬り、許した安打はわずかに4本だった。96球を投じて今季7登板目で初めての無失点投球。八回の打席で代打を送られ勝敗はつかなかったが、役割を全うして救援陣につないだ。八回のマウンドにはゲラが上がった。阪神・大竹「立ち上がりからランナーを背負う投球が続きましたが、相手投手もいい投球を続けていたので先に点を与えないという気持ちで投げ続けた結果、無失点で抑えることができて良かったです」

◆中日・小笠原慎之介投手(26)は九回途中まで投げて4安打無失点だった。自身2勝目を目指して上がったマウンドで、立ち上がりから気合の入った投球を続けた。直球の球速は140キロ台前半ながら、110キロ台のナックルカーブやチェンジアップなどを使った緩急で阪神打線に痛打を許さず、ゼロを並べ続けた。九回、先頭の中野に右翼への二塁打を許したところでライデル・マルティネス投手(27)の救援を仰ぐ形で降板となった。マルティネスはまず打席に迎えた近本を申告敬遠で歩かせたが、大山を空振り三振、ノイジーを中飛、渡辺を見逃し三振に抑えて、無得点に抑えた。中日打線は小笠原の登板時、38イニング連続で無得点。援護に恵まれなさが極まっている。

◆阪神は九回に好機を迎えたが、得点は奪えなかった。0-0の九回。先頭の中野が小笠原の直球を捉えて、右翼線を破る二塁打で出塁。四回以来となる走者で、先頭の出塁はこの試合初めてだった。ここで中日は守護神マルティネスにスイッチ。近本は申告敬遠で無死一、二塁となったが、大山は空振り三振に倒れる。続くノイジーの中飛で中野が三塁へ。この日1軍に昇格したばかりでスタメンに抜てきされた渡辺が打席に入った。近本が盗塁を決めて二、三塁としたが、カウント1-2と追い込まれての4球目。内角への153キロの直球に手が出ず、見逃し三振。ここまでセ・トップの11セーブを誇る守護神の前に、スコアボードに1点を刻むことはできなかった。

◆バックを信じ、坂本のミットをめがけて腕を振る。1カ月ぶりに立つバンテリンドームのマウンドで、阪神・大竹耕太郎(28)が緩急を駆使して竜打線に立ち向かった。「(球場が)広い狭い関係なく投げられるようになりたいんけど、どうしても狭いところだと窮屈になる。広い分、大胆にいけたらいいなと思います」同球場初登板だった4月13日は5回0/3を投げて7安打4失点で黒星。マウンドの硬さは足の裏に感触として残しながら、13日の投手指名練習後にはピッチャーズパークでもある敵地での登板を前にして、イメージを膨らませていた。伸びのある直球にカットボールやカーブ、ときには100キロを下回るスローボールも投げ、凡打の山を築いていく。得点圏に走者を背負った二、三回を粘り切ると、四、五回はノーヒット投球。白星はつかなかったが、7回無失点と好投をみせ、小笠原との見応えある左腕対決を演じた。打線は四回まで毎回走者を出すも、小笠原を打ち崩せない。その中で結果を出したのは、この日に2軍に降格した佐藤輝に代わって1軍に昇格し、「6番・三塁」に入った渡辺諒内野手(29)だ。二回1死での今季初打席では初球の142キロを振り抜き、中前へクリーンヒット。〝直球破壊王子〟の異名の通りに速球を捉えてみせると、四回2死での第2打席ではストレートの四球を選んで出塁。先制点にきっかけになろうと打席で存在感を示した。14日の同戦(豊橋)で失点につながる痛恨の捕球ミスがあった佐藤輝が1軍から姿を消した。試合前練習では米大リーグ、アスレチックス時代の2022年に44試合で三塁出場の経験があるノイジーも、小幡のグラブを借りてホットコーナーでノックを受けた。代役として1軍にやってきた渡辺だって、このチャンスをものにするために必死。六回2死二塁のピンチでは山本のライナーをダイビングキャッチし、大竹を救った。「自分を信じて、チームを信じて、チーム一丸で、絶対に勝ちましょう!!」試合前の円陣では声出し役を務め、ナインにゲキを飛ばした。競争と結束―。この2つが、連覇を目指すチームをさらに強くする。(須藤佳裕)

◆阪神の新打順が見事につながり、近本光司外野手(29)の適時打で待望の先制点を挙げた。0-0の延長十一回。中日の4番手・斎藤から、2試合続けて「1番」に入った森下が左翼フェンス直撃の二塁打で出塁。すぐさま代走・植田が送られた。続く2番の中野は送りバントがファウルになって追い込まれるも、何とか二ゴロで走者を進塁させて1死三塁で3番・近本を迎える。カウント2-2からの直球を鮮やかに右前へとはじき返した。1番が出塁し、2番がつないで、3番が打点を挙げる。理想の得点パターンを土壇場の十一回に決まり、虎が大きな大きな1点をもぎ取った。

◆阪神は緊迫の延長戦を制した。先発の大竹耕太郎投手(28)が7回無失点と好投。バンテリンドームでは4月13日の前回登板で4失点を喫して敗戦投手となっていたが、この日は相手を寄せ付けない投球でスコアボードに0を並べた。打線は14日に失点につながる失策を犯した佐藤輝が出場選手登録を外れ、渡辺諒内野手(29)が「6番・三塁」で先発。8回まで先発・小笠原に無得点に抑え込まれたが、九回に先頭の中野が二塁打を放ち、中日はここで2番手・マルティネスに交代。2死一、三塁で渡辺が見逃し三振に倒れ、先行できなかった。スコアレスのまま延長戦に入り、延長十一回1死三塁で近本光司外野手(29)が先制の右前適時打。3試合連続の3番起用に結果で応え、これが決勝点になった。

◆中日は延長戦の末に敗れて連勝が2でストップした。0ー0で迎えた延長十一回、4番手の斎藤綱記投手(27)が先頭の中野に左越えの二塁打を打たれると、1死三塁から近本に右前への勝ち越し適時打を許した。1点を追う最後の攻撃は、先頭の四球出塁を生かせず後続を断たれた。打線は阪神の5人の投手に散発5安打に抑えられ、得点できなかった。先発・小笠原慎之介投手(26)は九回途中4安打無失点と好投したが、2勝目はおあずけ。登板時には打線が38イニング連続無得点と報われない登板が続いている。

◆阪神は延長十一回に挙げた1点を守り切って1-0で勝利。待望の先制点の起点となる二塁打を放った阪神・森下翔太。二塁上でベンチに向かって〝カモーン〟(撮影・水島啓輔)

◆阪神が延長戦を制した。両軍無得点で迎えた十一回1死三塁、近本光司外野手(29)が右前に決勝打を放った。佐藤輝明内野手(25)に代わって昇格即、「6番・三塁」に入った渡辺諒内野手(29)は1安打。大竹耕太郎投手(28)は7回4安打無失点。十回を抑えた島本浩也投手(31)は今季初勝利。岩崎優投手(32)は6セーブ目。今季7度目のゼロ封勝利で延長戦成績は3勝1敗4分。「1ー0勝利」は3度目。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=19勝15敗4分、観衆=3万2398人)。ーー投手陣が踏ん張った「うん。大竹も良かったけどな」ーー昨年のいい時のような状態に「そうやなあ。やっぱり慣れもあるからな、向こうのバッターもな」ーー中継ぎも「結構投げてなかったからな」ーー石井もいい(九回に登板し、三者三振)「ファームで投げて、だいぶ良うなっとったからな。今は結構10人もおるから」ーー体調不良から練習に復帰した桐敷は「明日は入れる、ベンチに。そんな慌ててなあ。いきなり厳しいところは、やっぱり、しんどいと思ったから、今日1回ブルペンで投げさして。他のピッチャーもおるから、全然大丈夫や」ーー近本は追い込まれたが、さすが「まあ、それはなあ、おーん。後ろが打たんからのう」ーー中野はバントは失敗したが、走者を進めた「アレもなあ。こういうゲーム展開はもうやることきっちりやった方が。向こうもノーアウト二塁あったけどなあ。やっぱりアレ、ランナー送れんかったからのう。結局はそこやろなあ。展開的にな、こういうゲーム展開はちゃんとした方が点入るよ」ーー現時点では森下、中野、近本の並びがよさそう「うーん、なあ。(森下は)昨日は良かったけど、今日も最初のは良かったけど。最後に1本出たからなあ(延長十一回に先頭で二塁打)。もうええわ、森下はそれで」ーーノイジーが試合前三塁の練習を「ノイジーはアメリカでは三塁手やんか。三塁手やったからなあ」ーー佐藤輝は出直し「うん、うん。ファームの選手や」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)が佐藤輝明内野手(25)の降格で一発の怖さが減った打線について言及した。大竹からのゼロ封リレーが最大の勝因だが、やはり気になるのは得点力不足だ。佐藤輝を降格させて、一発の魅力が減った状況で、長打を期待したいノイジーがさっぱり。調子を上げてきそうな気配がない。一ゴロの二回の打席などは緩い球3球で翻弄されていた。助っ人でありながら、全く怖さを感じない。3番は荷が重いと言ってきたが、5番はもっとしんどい。いつまで我慢するのだろうか。前川、井上ら若い選手を起用した方が楽しみがある。4番の大山も調子が上がってこない。九回無死一、二塁の場面は、大山に送りバントもありでは? と思って見ていた(結果は空振り三振)。今の阪神は、それぐらいの思い切った作戦で1点を取りにいかないと厳しい、打線の低迷だ。得点の期待ができるのは森下、中野、近本が並ぶ上位だけ。決勝点の口火を切った森下の好調は朗報。今後に向けては、中野、森下、近本のジグザグに並べてみてはどうか。固定メンバーで戦った昨年と違って、今年の岡田監督は動いている。いろいろ試して、2024年の打線を見つけ出してもらいたい。

◆阪神が延長戦を制した。0―0の十一回1死三塁で3番・近本光司外野手(29)の右前適時打で均衡を破った。先発の大竹耕太郎(28)が7回を無失点で、救援陣も零封リレー。4番手の島本浩也投手(31)が今季初勝利を挙げた。主な選手のコメントは以下の通り(成績=○19勝15敗4分、観衆=3万2398人)。延長十一回、決勝打を放った近本 「自分のスイングしてミスショットするよりも、追い込まれてしっかりボールに対応した方が、空振りするのはスライダーだけなんで、それをケアしながらだったら、追い込まれた方がいいなあと、追い込まれてから思いました」延長十一回、決勝点の口火となる二塁打で出塁した森下 「(中野)拓夢さんと近本さんを警戒して左投手を当ててきたと思う。自分が(塁に)出てチャンスを作れば何か起こる打順だった」延長十一回、進塁打で近本の決勝打につなげた中野 「森下が出てなかなかスチールというのがないと思うので。ヒットでつなぐことをもっと多くできたらいいかな」1軍昇格し「6番・三塁」で即先発出場。1安打&好守の渡辺 「きょうが僕の開幕だと思ってやっていくしかない」試合前練習で三塁に入ってノックを受けたノイジー 「チームから練習しとけっていうふうに言われたので。もう少し慣れていかないと」ノイジーの三塁守備練習について平田ヘッドコーチ 「左投手の時にはいろんなバリエーションというか。井上が(左翼に)入ったときとか。もともと内野やからうまいもんだよ」先発して7回無失点の大竹 「緩い球というか、遊んでいるぐらいの感じ。球場が広いので。欲を言えば細川くんとかにも投げたいんですけど、怖いので」八回を三者凡退に抑えたゲラ 「あまり状況とか打者とかを変に考え過ぎないように投げた」九回に3者連続三振を奪った石井 「チームの勝ちにしっかり貢献できたというところはすごくうれしい」延長十一回を締めた岩崎 「先頭に四球を出して考え過ぎてしまったところがあったので、そこを整理してまた頑張ります」

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(29)は「5番・左翼」で出場したが、5打数無安打に終わった。試合前練習では三塁の位置でノックを受ける姿が。「チームから言われたので。(久しぶりだったが)大丈夫でした」。アスレチックス時代は内野手を務め、来日前の2022年には三塁で44試合に出場。その経験を示すように、小幡のグラブを手に軽快にゴロをさばいた。平田ヘッドコーチは「左ピッチャーがくるときには、いろんなバリエーション(があるほうがいい)というか。井上がもし入ったときとか」と説明した。

◆阪神・渡辺諒内野手(29)が「6番・三塁」で昇格即スタメン出場した。二回の第1打席で小笠原の直球をはじき返して中前打。「ファーストストライクから振っていこうという気持ち。それがいい形で出ました」。三塁守備では三回2死一、二塁で中田の鋭い打球を処理。六回2死二塁でも山本の打球を横っ飛びで好捕と攻守に存在感を見せたが、九回2死二、三塁の打席では見逃し三振だっただけに「チャンスで打てなかったので、そういったところ、しっかり打てるように」と誓った。

◆阪神・岩崎優投手(32)が零封リレーを仕上げ、6セーブ目を挙げた。1点を奪った直後の十一回に5番手として登板。先頭のカリステを四球で歩かせるも、細川を遊ゴロ、代打・中島を右飛で2死とすると、最後は石川昂を三振に斬ってゲームセット。それでも「前回(11日のDeNA戦、四球から2被弾で敗戦投手)の反省があったのでフォアボールに対して考えすぎてしまった。整理してまたマウンドに上がりたい」と気を引き締めた。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)が執念の進塁打だ。延長十一回無死二塁の好機。左腕・斎藤に2球連続でバントを試みるもファウル。それでも、外角に逃げるスライダーに食らいつき、一、二塁間深くに打球を転がした。「ミスした後に切り替えて。絶対にランナーを進める気持ちは持っていた」。珍しくヘッドスライディングで一塁へ。アウトにはなったが、選手会長の気迫が勝利を導いた。

◆延長十一回にチャンスメークしたのは阪神・森下翔太外野手(23)だった。「自分が(塁に)出てチャンスを作れば、何か起こる打順だった。結果的に長打だったので良かった」。先頭で左腕・斎藤から左中間を破る二塁打を放ち、二塁ベース上からナインを鼓舞。近本のV打を呼び込んだ。2試合連続で1番打者を任された一戦で「1点を先にどっちが取るか、そういう戦いだった。なんとか勝てて良かった」と喜んだ。

◆延長十回に登板した阪神・島本浩也投手(31)がピンチを招きながらも無失点で切り抜けた。2死二塁から田中を130キロフォークで二ゴロに仕留め力こぶ。直後に味方が勝ち越し今季初勝利&通算10勝目をマークした。これで5試合連続無失点。登板15試合で防御率は脅威の0・73と安定感は増すばかりだ。

◆阪神のハビー・ゲラ投手(28)は八回に2番手として登板。2登板連続となる三者凡退で、付け入る隙を与えなかった。2番からの上位打線と対戦したが田中を二ゴロ、カリステを右飛、細川を遊ゴロとわずか7球で料理。「あまり状況や打者を変に考え過ぎないように。リズム良く投げることが大事だと思って投げて、その通りできたのでよかった」。10ホールド目を挙げ、セ・リーグ2位タイとなった。

◆死闘制した!! 阪神は中日に1-0で勝利。延長十一回に近本光司外野手(29)が右前にチーム26イニングぶりの適時打となる決勝打を放った。前日14日の同戦(豊橋)は八回に逆転されて敗れたが、この日はしびれる投手戦のなか、一振りで嫌な空気を払拭。頼れる〝新3番〟が打線を引っ張っていく。ストライクゾーンを外れたボールにバットが伸びる。捉えた打球が右翼手の前で弾んだ後も、近本は表情を崩さず歓喜のベンチを見つめた。プレーボールから3時間が迫った延長十一回に先制のミッションを完遂。チームに勝ちをもたらす価値ある打席を振り返った。「これ絶対打たなあかんなと思って、初球すごい空振りをしました。なんとかバットに当てようと思っていたので、追い込まれたほうがいいのかな、と思いながら楽しく打席に入ってました」ゼロ行進の試合を動かした。この回先頭の森下が左中間へ二塁打を放って出塁。中野は犠打を決められずも二ゴロで走者を進め、1死三塁で近本が打席に入った。初球のスライダーを豪快に空振ったが「空振りするのはスライダーだけ。(初球が)ボールでよかった。スイングしたから分かったこと」。1球でサイドスローの左腕・斎藤のボールの軌道をつかんだ。追い込まれてからは低めを見逃し、最後はシュートにバットを伸ばしてチーム26イニングぶりの適時打。これで延長戦は今季3勝1敗4分けと、競り合いに負けない虎を象徴する一打になった。一回に右前打を放ち、3番出場で2試合続けてマルチ安打。最後は1番・森下、2番・中野、3番・近本の〝シン・上位打線〟で点を取り切り、先発した3番が7試合ぶりの打点となる一打で勝利につなげた。岡田監督は「(森下は)最後に一本出たからなあ、もうええわ、森下はそれで」と笑って振り返り、3人の上位打線継続を示唆。将が頭を悩ませた、誰を打たせてもハマらなかった〝3番問題〟も近本の活躍で解決の兆しが見えてきた。

◆阪神が5投手の継投で11個のゼロを並べ、勝利をもぎとった。先発した大竹耕太郎投手(28)は今季最長タイの7回を投げて今季初の無失点投球。締まった試合の軌道を作った。「点が取れない試合で逆に自分が粘って、という、貢献の仕方をしたい。そういう投球ができてよかったです」伸びのある直球に変化球を織り交ぜ、広いバンテリンドームという〝地の利〟も頭に入れれば、ときには100キロを下回るスローボールも投げながら凡打の山を築いた。小笠原との見応えある投手戦を演じた。最大のピンチは六回。4番・細川に左中間方向への二塁打を浴び、初めて回の先頭に出塁を許した。ただ、「前回、六回に打たれたりしたのが頭の中によぎらなかった」と、4月13日にこの敵地で逆転劇を演じられた〝魔の回〟への意識はなし。ここから中田、石川昂をともにチェンジアップで遊ゴロに斬ると、山本の三遊間へのライナーは渡辺がダイビングキャッチするファインプレーにも救われ、最後まで三塁を踏ませず。7個目のゼロも刻んでみせた。

◆本日も貧打で苦しい苦しい試合展開の中、延長十一回、二塁打でチャンスを作った森下、虎の子の1点をたたき出した近本は『はきだめに虎』やー!!投手陣は見事に抑えているのに打者はどうなってんのよ...。は~あ(ため息)。本日も勝つには勝ったけど、ここ3試合の得点が1点、2点、1点じゃね~。いや待てよ! それで2勝してるじゃん!!あっ! もしかしてこれは4月7-18日の10試合全てが2点以下しか取ってないのに、その間4勝4敗2分けと勝率5割だった、あの『猛虎打線死んだフリ作戦』再び、かあ!?いや、それやめたってー!! 応援している虎党の体が、この先気温も上昇するってのに、身がもちまへ~ん。昨年と今年の猛虎打線は何が違うのか? 昨年は四球を生かしてアレ(優勝)を決めたのだ。今年も決して四球が少ないことはないけど、俺が見る限り、相手投手が四球を与えたくないこともあってか、ストライクから入り、しかもストレートが多いのだ!! 打線爆発はストレートを弾き返せるのか? それに尽きるのだ!!

◆打つ打たないは別にして、ポッカリと空いた穴は大きい。「いつも、そこにいるヤツが急にいなくなると、やっぱり寂しいです。バンテリンドームの駐車場でチームバスの到着を待っていたんです。岡田監督を先頭に、コーチ、選手が次々とベンチ裏のロッカーへ消えていくんですが、そこに佐藤輝はいなかったんで、改めて、寂しいなぁと思ってしまって」いつもはアイドル顔負けのかわいいスマイルがトレードマークのトラ番サブキャップ・原田遼太郎。だが、昨日に限っては物悲しさを漂わせていた。「サトテル担当」として、アーチ量産で大ブレークしたときも、絶不調で苦しみ抜いたときも、背番号8の隣にはいつも原田がいた。昨年も2軍落ちしている佐藤輝だが、今回は、ちょっと深刻では?と誰よりもサトテルを知る原田に、ちょっと意地悪な質問をすると、またまた困った顔をしていた。実は昨日の早朝も原田は密着した。2軍落ちを通告されたら、おそらく朝一番の新幹線で帰阪するはず...。午前5時前には起床して、名古屋駅で張り込んだ。やがて、スーツ姿の傷心のターゲットが姿を見せる。「また、もう一回頑張ります」単純にして当たり前、たったひと言だが、それを引き出すために、無限の努力を重ねる-。それがトラ番の使命であります。おそらく、原田が行かなければ、佐藤輝は口を開かなかったかも。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
21163 0.568
(↑0.012)
-
(-)
103101
(+4)
94
(-)
19
(+1)
20
(-)
0.228
(-)
2.210
(↑0.06)
2
(-)
阪神
19154 0.559
(↑0.014)
0.5
(-)
105120
(+1)
107
(-)
21
(-)
11
(+1)
0.226
(↓0.002)
2.210
(↑0.07)
3
(-)
広島
15154 0.500
(↓0.017)
2.5
(↓1)
10989
(-)
84
(+2)
12
(-)
14
(+1)
0.227
(↓0.004)
2.410
(-)
4
(-)
中日
16184 0.471
(↓0.014)
3.5
(↓1)
105103
(-)
124
(+1)
18
(-)
4
(+1)
0.242
(↓0.003)
2.970
(↑0.07)
5
(1↑)
ヤクルト
16192 0.457
(↑0.016)
4
(-)
106146
(+2)
125
(-)
28
(+1)
15
(-)
0.247
(↑0.001)
3.260
(↑0.09)
6
(1↓)
DeNA
16201 0.444
(↓0.013)
4.5
(↓1)
106117
(-)
142
(+4)
15
(-)
20
(-)
0.238
(↓0.003)
3.440
(-)