中日(☆4対2★)阪神 =リーグ戦7回戦(2024.05.14)・豊橋市民球場=
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阪神
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中日
00100003X4800
勝利投手:齋藤 綱記(2勝0敗0S)
(セーブ:マルティネス(0勝0敗11S))
敗戦投手:村上 頌樹(2勝3敗0S)
  DAZN
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◆中日が逆転勝利。中日は3回裏、田中の適時打で1点を先制する。その後リードを許すも、8回にカリステと石川昂の適時打で3点を挙げ、試合をひっくり返した。投げては、先発・高橋宏が7回7安打2失点の粘投。敗れた阪神は、守備の乱れから痛い敗戦を喫した。

◆阪神の3番問題は解決するか-。スタメンが発表され、森下翔太外野手(23)が今季初めて1番に起用された。近本光司外野手(29)は2試合連続で3番。岡田彰布監督(66)は固定できない状況の3番について「3番とかあんまりコロコロなあ、変えたないからなあ」と話していた。初の1番森下、3番近本で課題解決となるか。先発は村上頌樹投手(25)。昨年も地方球場の豊橋で登板し、3勝目を挙げている。当時は5回4失点と打線の援護に助けられた。12球団唯一の防御率0点台(0・88)の男が、快投なるか。

◆阪神が今年初の地方球場でさっそく不慣れなところ見せた。3回1死三塁の守備。田中幹也内野手(23)の平凡なゴロを、一塁手の大山悠輔(29)が逆シングルで捕りにいったが、わずかにイレギュラーバウンド。後ろにそらして先制点を献上した。イレギュラーの影響が大きいと判断され、記録は右前安打になった。

◆阪神近本光司外野手(29)の「神の足」で同点に追いついた。0-1の6回1死二、三塁。前川右京外野手(20)の一ゴロで三塁走者の近本が思い切ってホームへ。タイミングは完全にアウトだったが、送球がやや一塁寄りにそれたのを見ながら、近本は左足をフック気味にしてホームベースを触った。捕手の追いタッチは間に合わず、セーフになった。さらに坂本誠志郎捕手(30)の二ゴロで勝ち越しの1点をつかんだ。

◆地方球場ならではのプレーがあった。6回1死、中日中田の一邪飛を阪神大山悠輔内野手(29)が、一塁側カメラマンの目の前でキャッチ。この日、豊橋市民球場には、ベンチ横にそれぞれ簡易な柵を設け、臨時のカメラマン席が設営されている。ベンチよりも前に出て"むき出し"状態。打球のゆくえに気をつけていないと、カメラマンは負傷しかねない位置に陣取っている。大山はその手前の落下地点までいき、捕球した。臨場感あふれるワンプレーだった。

◆あわや頭部死球で、球場に悲鳴があがった。7回、阪神の攻撃は2死二塁。中日高橋宏斗投手(21)が投げた大山悠輔内野手(29)への2球目の直球が、頭部付近へ。大山はもんどり打って倒れ、かろうじてよけた。中日バッテリーは申し訳なさそうな表情で見守った。大山はユニホームの土を払って、再び打席に戻り、最後は三ゴロに倒れた。大山は11日のDeNA戦(横浜)で山崎康晃投手(31)の投球を左肩に受けた。それももう少しで頭という球だったが、大山もバッテリーも紳士的な態度をとり、衝突は怒らなかった。

◆阪神岡田彰布監督(66)がリクエストを成功させた。2-1の7回の守備。2死から木浪聖也内野手(29)の失策で走者を出したが、村上頌樹投手(25)の鋭いけん制球は微妙なタイミングでセーフの判定。岡田監督はすかさずベンチからリクエストのジェスチャーを送った。この日のために用意された簡易のリプレー検証部屋に入った審判団は時間をかけずグラウンドに戻り「アウト」に覆した。相手に傾きそうな流れを、きっちりと食い止めた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が、虫に苦戦した。8回の第4打席。空中の虫が気になった模様で、打席を1度外すシーンがあった。この日はマルチ安打をマークしていたものの、この打席は空振り三振。地方の屋外球場の"洗礼"を浴びた。

◆阪神がミス連発で逆転負けした。巨人が勝ったため、首位から陥落した。阪神にとっては今年初の地方球場となる豊橋市民球場での一戦は競り合いになった。3回、イレギュラーによる安打で1点を先制されたが、6回に反撃した。四球と佐藤輝明内野手(25)の二塁打で1死二、三塁とし、前川右京外野手(20)の一ゴロで同点。続く坂本誠志郎捕手(30)の二ゴロで勝ち越した。先発の村上頌樹投手(25)は昨年に続いて豊橋の先発マウンドに立った。安打は打たれたが7回までは要所を締める投球だった。だが2-1の8回に悪夢が待っていた。先頭の岡林勇希外野手(22)の打球に対し、右翼手・森下翔太(23)が目測を誤り、二塁打にした。無死二塁からのバントは坂本誠志郎捕手(30)が正確な送球で三塁で仕留めたかに思われたが、佐藤輝明内野手(25)がタッチを焦って捕球ミス(失策)。そこから適時打2本で3点を奪われ、逆転された。村上はプロ最多の130球を投げる力投だったが、最後はミスにも泣いて、力尽きた。

◆阪神村上頌樹投手(25)は、2年連続先発した豊橋球場でプロ入り最多の130球の熱投も、8回途中4失点(自責3)で逆転され、降板した。これまでの最多は、5月7日広島戦(甲子園)と23年の6月6日楽天戦(楽天モバイルパーク)の116球だった。7回まで1失点に抑え、勝ち投手の権利を持って入った8回は、先頭の岡林に二塁打を浴び、続く田中のバントを佐藤輝のエラーで出塁されると、無死一、三塁のピンチでカリステに右前への同点打を浴びた。さらに、1死満塁から石川に勝ち越しの右前打を浴び、2番手漆原との交代を告げられた。村上は7回1/3を投げ、8安打9奪三振2四球4失点で自責3。防御率は1・30となった。2年連続の同球場のマウンドで、くしくも2年続けて4失点で降板。昨季は勝ち投手となったが、今年は黒星を喫した。

◆阪神原口文仁内野手(32)が、珍しく球審に抗議する場面があった。2点を追う9回1死から代打で出場。カウント1-1からの3球目の前に1度タイムを取り、仕切り直して打席に入って構えに入っている途中で中日の守護神マルティネスが投球モーションに入り、顔を上げた瞬間にボールがリリースされ、手を出すことができず、見逃しストライク。その後原口は憤りをみせた様子で球審に抗議し、ベンチからは今岡打撃コーチが出てきて事態を収束させた。その後プレーは続行し、原口は空振り三振に倒れた。4月12日の同戦では2-2の同点の9回に阪神森下が構えたと同時に、マルティネスが素早いモーションで投げ込み、中途半端なスイングで空振り三振を喫していた。原口は試合後に「大事な場面だったので、チームが勝てるために何とかしたかった」と抗議の理由を明かした。

◆阪神がミス連発で逆転負けした。巨人が勝ったため、首位から陥落した。阪神にとっては今年初の地方球場となる豊橋市民球場での一戦は競り合いになった。3回、イレギュラーによる安打で1点を先制されたが、6回に反撃した。四球と佐藤輝明内野手(25)の二塁打で1死二、三塁とし、前川右京外野手(20)の一ゴロで同点。続く坂本誠志郎捕手(30)の二ゴロで勝ち越した。先発の村上頌樹投手(25)は昨年に続いて豊橋の先発マウンドに立った。安打は打たれたが7回までは要所を締める投球だった。だが2-1の8回に悪夢が待っていた。先頭の岡林勇希外野手(22)の打球に対し、右翼手・森下翔太(23)が目測を誤り、二塁打にした。無死二塁からのバントは坂本誠志郎捕手(30)が正確な送球で三塁で仕留めたかに思われたが、佐藤輝明内野手(25)がタッチを焦って捕球ミス(失策)。そこから適時打2本で3点を奪われ、逆転された。村上はプロ最多の130球を投げる力投だったが、最後はミスにも泣いて、力尽きた。試合後の岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り。--村上は2週続けて守備のミスから「そやねんなあ」--粘り強く投げてくれた「だから、あの回までやったけどな。球数的にはな。まあ、うまいことな、バントでいけたと思うたけどな」--佐藤輝のプレーがすべて「あれで終わりよ。おーん」--当たり前のことを普通にやることが大事「もうええ、ええ、それは。キャッチボールやからな」--佐藤輝はオフからまずは守りだと「うん。そらあんなプレーばっかり出るんやから。村上の時いくつエラーしたんや」--3番は近本継続。今後も「ある程度というか、点取れるようにそないして考えてるわけやから。ピッチャーとの兼ね合いとか。前川もな、昨年も結構相性良かったからな」--しばらくは相手投手によって変えて「いやいや、ある程度そら形作らなあかんけどそれは。なかなか波に乗り切れんよな」--1人2人安定したバッターが出てくると「うん、バッターていうか、ヒット出る時も出んときもあるけど、そういう問題じゃないわな」--失策の数じゃなくて失点を防げるかどうかと話していたが「いやいや、普通のプレーやんか。それはもうどうこうの問題じゃないやろ、そんなのは」

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が痛恨の失策を犯した。1点リードの8回無死二塁、中日田中の犠打は捕手の前に転がった。捕手坂本が三塁へストライク送球するも、これを佐藤輝が落球。その後、ピンチは広がり、逆転を許した。馬場1軍内野守備走塁コーチは試合後「あそこは絶対アウトにしてあげないとダメでしょ」と指摘。「難しいとかそういう問題じゃない。あそこは絶対アウトにしてあげないとダメ」と繰り返した。

◆同じ舞台で同じ相手に、またやられた。阪神村上頌樹投手(25)が、うなだれた。8回、勝ち越しを許すと本塁付近で両手を膝についた。7回1/3で4失点(自責3)。試合前まで12球団唯一の0点台だった防御率は1・30まで上昇し、広島床田に抜かれてリーグ2位に後退。試合後はチームバスに乗る手前で「(8回を)投げ切れなかったのは、申し訳ないと思います」と悔しさを押し殺した。1点リードの8回。佐藤輝が捕球ミスする失策も絡み、3番カリステの適時打で同点に追いつかれた。なおも無死満塁。5番中田を空振り三振に仕留めたところまでは粘った。だが、6番石川昂にはプロ最多の130球目を決勝の2点打とされ、降板。先頭岡林に二塁打を許したことも逆転につながり「先頭を出しましたし、そこじゃないですかね」。悔やんでも悔やみ切れない反省点を挙げた。1年前も石川昂に痛打された。昨年は5月16日に豊橋市民球場で先発し、若き主砲に3ランを浴びた。勝ち星はついたが、5回4失点で納得できる内容ではなかった。2年連続4失点。9個の三振を奪い今季45奪三振でリーグトップに浮上も、喜べるわけがない。「ボール先行でテンポがよくなかったのでリズムに乗れなかったし、先制点をまた与えてしまった。そこかなと」。自身5試合連続で先制点を献上したことを猛省した。5回の打席では今季初安打を放ち、7回の守りではけん制でアウトをもぎ取るなど、流れを引き寄せたように見えたが、力尽きた。2勝3敗と黒星も先行。次回こそ勝って悔しさを晴らす。【中野椋】

◆中日石川昂弥内野手(22)が、攻守でチームを連勝に導いた。同点の8回1死満塁で阪神先発村上のフォークを右前に運び、決勝の2点適時打に。昨年5月16日の同カードでも、3ランを含む2安打と村上を攻略していた。「豊橋だからとかは別に。今までの対戦を見て、どういうアプローチしたらいいか、しっかりと考えて試合に入った」と胸を張った。2試合ぶりの「6番三塁」での先発出場。4回、阪神坂本の打球に飛びついて好捕するなど、守りでも貢献した。立浪監督も「石川の守備も良かった。(打撃面でも)構えを高い位置から下ろして、軸足の乗り方が良くなった。いい結果につながっているのかな」と目を細めた。打撃不振から今季は開幕1軍を逃した。「開幕2軍で悔しい思いをしてここまでやってきてる。しっかり自分の手でつかみ取りたい」。つかんだチャンスは、もう離さない。

◆1番森下、ええじゃないか! 阪神森下翔太外野手(23)が今季初めて「1番」でスタメン出場し、マルチ安打で気を吐いた。 初回先頭でいきなり中前にはじき返すと、3回は2死から左前打でチャンスメークした。5回の中飛、7回の三ゴロも内容は悪くなかった。 「先頭で塁に出られたり、チャンスの場面で回ってきたら、もっともっとチームのために貢献しようと思っていたんですけど、それはあまりなかったので、今日はもう(チャンス)メークで、と。後ろに近本さんもいるので。そういう意識でやりました」 悔しい思いを胸に秘めていた。スタメンは3試合ぶり。何度もチームを救ってきた序盤の勝負強さも影を潜め、4月下旬からは当たりが止まった。一番の役割であるポイントゲットの面でも、5月3日の1打点が最後。11日、12日のDeNA戦(横浜)は先発を外れた。「試合に出ていないのが続いたので、なんとかやってやろうっていう思いは持って入りました」と胸の内を明かした。 2点を追う9回。2死から守護神マルティネスから四球を選び、最後の望みをつなごうとした。「自分が出ないと勝てないケース。出ることを重きに置いていた。いいピッチャーなのでなんとか出たかった」。粘りの強い気持ちがこもった打席だった。 1番は昨年9月26日以来。近本が離脱中の昨年7月には、一時的に1番に固定されたこともあった。岡田監督が得点効率アップのカギとするのは3番だ。今年はなぜか「3番」に入った選手の打率が低い。最も安打が期待できる本来の1番・近本を、前の試合から2試合連続で3番に据えた。今季37試合で21通り目のオーダーだが、1番森下&3番近本は阪神では意外にも初めての組み合わせ。この日は2人が絡んで得点を生み出すシーンはなかったが、「新・猛虎打線」の可能性を示す森下のパフォーマンスだった。【柏原誠】

◆阪神は逆転負けも、豊橋のファンは最後まで熱かった。試合後、岡田彰布監督(66)や選手が球場から出てくると、チームバスの周囲の柵の外で待機していたファンが熱狂。「明日は頼むぞ~!」「監督~!」など、大声で叫ぶファンもいた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が守備でのミスを猛省した。1点リードの8回無死二塁、中日田中の犠打は捕手の前に転がった。捕手坂本が三塁へストライク送球するも、これを佐藤輝が落球。その後、ピンチは広がり、逆転を許した。この失策に「あれは捕らないといけないと思うので、僕のミスです」。タッチへの焦りもあったのか問われると「それはありました」と認めた。チームバスに乗り込む手前で対応し、反省の言葉を並べた。

◆2試合連続で3番に入った阪神近本光司外野手(29)が、マルチ安打と奮闘した。4回先頭では右前打をマーク。6回先頭では四球で出塁。1死二、三塁で三塁走者の近本は前川の一ゴロの間に本塁を狙った。「一塁側のゴロだったので、キャッチャーもそういう(追い)タッチになるんで、早く着くのがいい」と足から滑り込んで捕手加藤匠の追いタッチをかわし、一時同点のホームを踏んだ。だが自身700試合出場の節目を勝利で飾れず、笑顔はなかった。

◆中日高橋宏斗投手の連続自責点0が21イニング目で止まった。3回に1点の援護をもらい、5回まで無失点を続けたが、6回に先頭近本に四球。1死二、三塁にしてから一塁・中田の野選もあり、2点を失った。「失点の場面での四球からのスタートが一番悔やまれる。反省するところはかなり多くあった。(阪神村上に)投げ負けた印象が強い」。勝敗はつかなかったが、悔しさをにじませた。

◆阪神がミスミス3日ぶりに首位から陥落した。1点差逃げ切りが見えた8回無死二塁で、捕前バントの送球を受けた三塁佐藤輝明内野手(25)がまさかの落球。ピンチを広げた先発の村上頌樹投手(25)が1イニング3失点と崩れ、痛恨の逆転負けを喫した。岡田彰布監督(66)も「あれで終わりよ」とあきれ顔。打っては一時勝ち越しを呼ぶマルチ安打でヒーローになる勢いだったが、年に1度の豊橋は苦い夜になった。1つのミスが勝敗を変えた。終盤に逆転負けを喫した豊橋での試合後。岡田監督は強い口調で言い切った。「あれで終わりよ」。敗因として指摘したのは、8回の悪夢につながった佐藤輝の失策だった。村上が粘投し1点リードで迎えた8回。先頭の中日岡林に二塁打を許した。ここで田中が犠打を試みた打球は捕手坂本の目の前に弾んだ。ラッキー、もらったと言わんばかりに坂本は素早く三塁へ送球。だが三塁カバーに入った佐藤輝がグラブからこぼし、白球はコロコロ。タイミングはアウトだっただけに、悔やまれるミスになった。1死一塁のはずが無死一、三塁とされ、村上が逆転されるの波にのみ込まれた。「うまいことな、バント(処理)でいけたと思うたけどな」。指揮官はなかばあきれ気味に「キャッチボールやからな」と評した。佐藤輝にはオフから口酸っぱく守備強化を呼び掛け、春季キャンプ中も計515分も特守に取り組ませた。だがここまでリーグワーストタイの6失策で、ここ一番での痛いミスも目立つ。「あんなプレーばっかり出るんやから。村上の時、いくつエラーしたんや」。佐藤輝は村上が先発した7試合中2試合で失策を犯し、どちらも黒星につながっている。基本中の基本を怠った今回は言うに及ばず。「普通のプレーやんか。もうどうこうの問題じゃないやろ、そんなのは」と一蹴した。勝っていれば、佐藤輝も勝利の立役者だった。2試合ぶりに「5番三塁」でスタメン復帰したこの日は、4回に左前打を放ち、6回は中越え二塁打。今季初の2試合連続マルチ安打で好機を広げ、一時勝ち越しの2点を呼び込んだ。だが、守備で落とし穴が待っていた。佐藤輝は球際のプレーでの焦りを認めながら「あれは捕らないといけないと思うので、僕のミスです」と責任を背負い込んだ。12日は一夜で首位に返り咲いたが、この日2位巨人が勝利したことで、再び首位の座を明け渡した。今日15日も負ければ3位に落ちる可能性がある。苦い教訓を胸に刻み、基本の1プレーを大切にしていく豊橋ナイトにしたい。【磯綾乃】▽阪神馬場内野守備走塁コーチ(8回の佐藤輝の落球について)「難しいとかそういう問題じゃない。あそこは絶対アウトにしてあげないとダメ」

◆阪神2番手漆原大晟投手が粘った。8回に勝ち越し打を浴びた村上降板後、1死一、二塁から救援。「苦しい展開でした」と振り返る中、後続を空振り三振と三ゴロに打ち取り、追加点を与えなかった。「本当にもう抑えるしかないんで。バッター勝負を意識して、結果ゼロに抑えられてそこはよかった。フォアボールじゃなくて、しっかり勝負して結果を出すことを意識しながら」と火消しに徹した。

◆阪神ナインが旧友との再会をなつかしんだ。球場入りすると、出迎えたのは昨季まで阪神に所属していた中日・板山祐太郎外野手(30)。育成契約から5日に支配下登録された板山は阪神時代と同じ背番号「63」を身にまとって原口らと笑顔で談笑した。

◆両軍のスタメンが発表された。阪神は1軍昇格後、3試合連続で安打を放っていた井上広大外野手(22)はベンチスタート。佐藤輝明内野手(25)は「5番・三塁」、森下翔太外野手(23)は「1番・右翼」でスタメン復帰した。森下の1番は2023年9月26日のヤクルト戦(甲子園)以来。ともに12日のDeNA戦(横浜)はベンチスタートで出番なく終わった。現在、佐藤輝は打率・200、森下は同・233。復調が望まれる左右の大砲が、豊橋に豪快なアーチを架ける。

◆阪神・近本光司外野手(29)が自身のインスタグラムを更新。年に一度の豊橋での試合前に初めて焼きたてのカヌレを食べたことを明かした。「外カリカリで中トロアツ♪ 甘すぎないからコーヒーとマジで合う」などとつづり「珈琲とカヌレ」とお店を紹介。ハートの絵文字などを使用しており、ファンは「チカ可愛い」「感謝!」などと反応した。カヌレはフランスの伝統的な焼き菓子で卵黄、バター、砂糖などで作られ、優しい甘さがポイント。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(25)が一回のピンチを無失点で切り抜けた。1死から田中に二塁打を浴びると、カリステは四球で1死一、二塁。細川にはスローカーブを投じ、右飛。その間に三進され、2死一、三塁としたが最後は中田を138キロのカットボールで投ゴロに。村上は今季7度目の先発で過去6試合は3試合で一回に失点。うち2試合で敗戦投手となるなど、立ち上がりに課題を残していた。

◆中日は三回、田中幹也内野手(23)が右前適時打を放って1点を先制した。先頭で打席に立った高橋宏斗投手(21)が払い打つようにして右方向に放った打球は右翼手・森下の頭上を越え、余裕をもって二塁に到達。続く岡林は二ゴロに倒れて1死後、打席を迎えたのは一回に右翼線への二塁打を放った田中。カウント1-1から阪神・村上のカットボールを今度も逆方向へ打ち返した。打球は腕を伸ばした一塁手・大山のファーストミットをかすめて右前へ抜けた。中日は昨年5月16日に行われた豊橋での阪神戦は4-9で敗れたが、1年ぶりに戻ってきた同じ地でまずは先制に成功した。

◆阪神・近本光司外野手(29)が2試合連続で3番を務め、四回の第2打席で右前打。今季3試合目の3番で、10打席目にして初めてHランプを灯した。試合前の段階で今季チーム3番打率・206(先発のみ9番投手を除く)と低迷。岡田監督は豊橋に移動した13日に「コロコロ変えたくない」と語っていた。

◆阪神の4番・大山悠輔内野手(29)が攻守で精彩を欠いた。一回2死一塁で空振り三振を喫すると、1点を追う四回無死一塁も空振り三振。六回無死一塁もカウント3-1から捕邪飛に倒れた。高橋宏のスプリットに翻弄された。一塁の守備では三回1死三塁で田中が放った一、二塁間へのゴロに逆シングルで対応しようとしたが、捕ることができず(記録は安打)、先制を許した。三走が投手の高橋宏だっただけに焦る必要がなかった。大山は昨季まで地方球場で通算8試合31打数13安打(打率・419)、1本塁打、8打点。豊橋でも7打数6安打(打率・857)、1本塁打、3打点を誇っていたが、寂しいプレーが続いた。

◆阪神が近本光司外野手(29)の好走塁から逆転に成功した。0-1で迎えた六回、先頭でこの日2試合連続で3番を務めた近本が四球を選んで出塁。1死となって佐藤輝が右中間への二塁打を放って好機を拡大させた。一、三塁で打席に立った前川の打球は一塁へ。三走・近本が好スタート。一塁手・中田はゴロをさばいて本塁へ転送したが、送球が少し三塁側に逸れ、近本は隙を見逃さず猛スピードでタッチをかいくぐった。記録は野選となり同点に。なおも1死一、三塁で坂本は二ゴロを転がし、この間に佐藤輝も生還。好投手・高橋宏から2点を奪い、試合をひっくり返した。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)がアクシデントをギリギリで回避した。1点リードの七回2死二塁。高橋宏の2球目直球が頭部付近へ。必死で避けたものの数センチ近ければ大惨事になるところだった。大山はヘルメットを取り、間を置いて、気持ちを整えようとしたが、三ゴロに終わった。

◆この日を待っていた豊橋のプロ野球ファンの前にMVP右腕として帰ってきた。阪神・村上頌樹投手(25)が1年ぶりに立ったマウンドで、歓声を巻き起こす投球を披露した。「マウンドの硬さとかはあまり覚えていないですけど、球場が狭いというイメージしかない。なるべく失点しないように。そこは注意してやりたい」珍しく弱気なコメントが出たのは、投手指名練習に参加した13日。両翼93メートル、中堅115メートルとコンパクトな豊橋での登板は、昨年5月16日以来で前回は5回7安打4失点だった。勝利投手になったものの、五回には石川昂に1点差に迫る3ランを浴び、一発が痛く響く経験は脳裏に焼き付いていた。一回は1死から田中に右翼への二塁打を浴び、カリステへの四球で一、二塁。ここからアーチストたちとの対戦に突入したが、細川は121キロのカーブで右飛に抑えると、中田はカットボールで投ゴロに仕留めてスコアボードにゼロを刻み、ホッと息を吐いた。しかし、二回を三者凡退で切り抜けたあとの三回だった。先頭の投手・高橋宏に高めに浮いたカットボールを捉えられて右越え二塁打とされると、岡林の二ゴロで1死三塁。続く田中の打球は一塁・大山が逆シングルで差し出したグラブをかすめて右前に抜け、先制点を献上した。1完投を含めた5試合連続ハイクオリティスタート(先発で7回以上、自責2以内)と好投を続けて豊橋に乗り込み、防御率はセ・リーグトップの0・88だった。ここで大崩れしないのが村上の持ち味だ。4月下旬から7月いっぱいまでハンティングアクションゲーム「モンスターハンター」がコラボ企画として豊橋の街をジャックする中、ゲーム好きの村上も目指したドラゴン斬り。五回2死二塁のピンチではカリステをフォークで空振り三振に抑え、〝ひと狩り〟してみせた。(須藤佳裕)

◆一年に一度の豊橋の舞台で昨季以来、阪神の1番に座った森下翔太外野手(23)が気を吐いた。「外野手もなかなか争いがあるので、頑張っていきたいと思います」井上の起用などで12日のDeNA戦(横浜)で今季初めて出場がなく、この一戦を前に意気込んでいた。先発・高橋宏から一回は11打席ぶりとなる中前打。第2打席は左前打で4日の巨人戦(東京ドーム)以来となるマルチ安打を記録し、チャンスを作った。豊橋で初戦を迎える中日との3連戦を前に、岡田監督は「3番とかあんまりコロコロ変えたないからなあ、やっぱりな」と〝3番問題〟に頭を悩ませていた。13日時点で今季の先発打順別で3番は打率・206。チーム最多27試合の森下に加え、近本、ノイジーらが試されてきたが、結果は振るわなかった。「本当は一発よりも率やで、3番は。後ろにつなげばいいわけやからな」と話していた指揮官は、この試合で打率チームトップの近本を2戦続けて3番で起用。1番には森下を置いた。セ・リーグはこの日の全3試合が富山、松山、豊橋で開催される〝地方球場デー〟。両翼93メートル、中堅115メートルの豊橋市民球場には、試合前のフリー打撃で中堅方向から強い風が吹き、木々の奥へ消えて外周の公園を襲う〝場外弾〟を阻んだ。座席のない外野スタンドは中日の応援グッズだけでなくブルーシートでも青く染まった。陽が沈んだ後はスコアボードだけが浮かび上がるようにくっきり照らされ、独特の雰囲気を作った。五回まで得点がなかったが、0―1の六回に好機を作る。先頭の近本が四球で出塁し、1死から佐藤輝が中堅へ二塁打を放って二、三塁。ここで昨季の高橋宏との対戦打率・500(6打数3安打)の前川が放った打球は一塁へ。三走の近本が迷わず本塁を目指し、間一髪で捕手のタッチをかわす高速スライディングで同点に追い付く。さらに一、三塁で坂本の二ゴロの間にもう1点を加え、逆転に成功した。(邨田直人)

◆中日の先発・高橋宏斗投手(21)は7回7安打2失点で降板した。三回に味方打線が1点を挙げ、リードを保ったまま五回までゼロを並べ続けた。しかし崩れたのは六回。先頭近本への四球と、1死後に佐藤輝のセンターオーバーの二塁打を許して1死二、三塁を招く。前川の当たりは一塁・中田へ。中田は三走の生還を阻むため本塁返球したが、球が逸れ、三走・近本にタッチをかいくぐられて野選で同点のホームインを許した。さらに1死三塁から坂本の二ゴロで勝ち越され、適時打なしで逆転を喫した。七回は近本に右翼線への二塁打を許すも後続を断って無失点。その裏の攻撃で回った打席で代打を送られ降板となった。登板直前まで、今季2試合15回?を投げて3失点ながら、自責点なしで防御率は0・00のままだった。前回5日のヤクルト戦(神宮)では完投まであと1死のところでマウンドを譲ったが今季初勝利を挙げた。登板予定だった12日の広島戦が雨天中止になり、スライドでの登板となった今回は、中京大中京(愛知)時代にも登板経験がある豊橋市民球場での快投を狙ったが、リードを守り切れずに悔しい降板となった。

◆中日は八回、3安打を集めて3点を奪い、逆転に成功した。1-2と1点ビハインドで迎えたこの回、先頭の岡林勇希外野手(22)が右翼へ二塁打を放って出塁。田中のバントが敵失につながり、無死一、三塁と好機が広がると、オルランド・カリステ内野手(32)がフルカウントから高め直球を逆方向にはじき返す同点適時打で2-2。さらに四球で無死満塁とし、石川昂弥内野手(22)が外角フォークを巧みに拾って、右前に落とす一打で2者をかえし、4-2と勝ち越した。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(25)は八回途中4失点(自責3)でマウンドを降りた。2年連続で豊橋での登板となった右腕は、この日もテンポのいい投球で試合を作った。三回には田中に適時打を浴びて1点を失ったが、以降はチャンスを与えず。七回2死には代走・尾田を牽制でアウトにするなど巧みな投球術も披露した。しかし、6登板連続で100球を超えて続投した八回。先頭の岡林に右越えの二塁打を浴びると、続く田中のバントを三塁の佐藤輝が捕球ミスで無死一、三塁とこの日最大のピンチを背負う。カリステを追い込んだが、6球目の直球を右前にはじき返され、同点にされた。なおも細川を四球で歩かせて無死満塁。中田からは空振り三振を奪ったものの、石川を変化球で打ち取った当たりは右翼前にポトリ。2者が生還し、2-4とリードを奪われたところで交代を告げられた。プロ入り後最多となる130球の力投も実らず、八回途中4失点(自責3)でマウンドを降りた。

◆阪神は守備のミスが相次ぎ、逆転負け。2位巨人がDeNAに勝ったため首位を明け渡した。2-1の八回無死二塁で田中の犠打を処理した捕手・坂本が三塁へ送球。佐藤輝が落球し、無死一、三塁とされた。カリステに右前に運ばれて同点。なおも1死満塁から、石川昴に2点右前打を許した。村上は自己最多の130球の力投も、8安打4失点(自責3)で、今季3敗目。打線は六回に相手野選とゴロで逆転したが、追加点を奪えなかった。

◆中日が終盤に逆転して阪神を下し、カード初戦を取った。中日は三回に1死三塁から田中幹也内野手(23)の適時打で先制。六回に逆転されたが、八回、オルランド・カリステ内野手(32)が右前へ同点打、石川昂弥内野手(22)が右前へ勝ち越し打を放って3点を奪った。先発した高橋宏斗投手(21)は7回7安打2失点だった。

◆一年に一度の豊橋での試合。村上先発も拙守で中日に敗れ、首位陥落した=豊橋市民球場(撮影・根本成)

◆阪神・原口文仁内野手(32)が九回1死で代打登場。ファウル、ボールの後の3球目。打席でバットを構えていないときにマルティネスに投球され、ストライク判定された。有隅球審に抗議をするも認められず、ベンチから今岡打撃コーチが飛び出し、間に入った。野球規則では打者が十分な構えをしていないときの投球はクイックピッチ(反則投球)と審判員が判定することが書かれている。原口が頭を指して説明したのは仮に頭部に投球がきた場合、避けきれないため。原口は6球目のスプリットで空振り三振に倒れた。

◆阪神が逆転負けで、再び首位陥落。1点リードの八回無死二塁、バントを処理した坂本誠志郎捕手(30)の三塁送球を2試合ぶり出場の佐藤輝明内野手(25)が落球。窮地が拡大し、村上頌樹投手(25)がオルランド・カリステ内野手(32)に同点打、石川昂弥内野手(22)に2点打を浴びて、3点を失った。3敗目(2勝)の村上は自己最多の130球で7回1/3を投げ、4失点(自責3)で防御率は試合前の0・88から1・30となった。昨年9月26日ヤクルト戦(甲子園)以来の「1番」に入った森下翔太外野手(23)、2戦連続で「3番」の近本光司外野手(29)がそれぞれ2安打を記録したが、六回の2得点は一ゴロの本塁野選と内野ゴロによるもの。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=18勝15敗4分、観衆=1万1220人)。ーー村上は2週続けて守備のミスから崩れた(2敗目を喫した7日の広島戦=7回2失点ながら中野の2失策で自責0)「そやねんなあ」ーー粘り強く投げた「だから、あの回までやったけどな。球数的にはな。おーん。まあ、うまいことな、バントでいけたと思うたけどな」ーー佐藤輝のプレーがすべて「あれで終わりよ。おーん」ーー当たり前のことを普通にやることが大事「もうええ、ええ、それは。キャッチボールやからな」ーー佐藤輝はオフからまずは守りだと「うん。そらあんなプレーばっかり出るんやから。村上の時いくつエラーしたんや(6失策中、2個目)」ーー3番は近本継続。今後もある程度続けるか「ある程度というか、点取れるように、そないして考えてるわけやから。ピッチャーとの兼ね合いとか。前川もな、昨年も結構相性良かったからな」ーー当分は相手投手によって「いやいや、ある程度、そら形作らなアカンけどそれは。なかなか波に乗り切れんよな」ーー1人、2人安定したバッターが出て来ると打線が組みやすくなる「うん、バッターていうか、ヒット出る時も出ん時もあるけど、そういう問題じゃないわな」ーー失策の数じゃなくて失点を防げるかどうかと話していたが「いやいや、普通のプレーやんか。それはもうどうこうの問題じゃないやろ、そんなのは」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)は守備の差が出た逆転負けだと振り返った。七回までの村上の投球を見て、このまま完投できると確信していた。三回に1点は失ったが、真っすぐの球威、細かな制球、変化球のキレなども、すべて調子がいい時の村上だった。勝敗を分けた八回は、完ぺきに抑えていた岡林に二塁打されて、動揺が生まれたのかもしれない。そして、無死二塁から田中のバントを佐藤輝が失策。これで流れが完全に中日に傾いた。もったいなかった。とはいえ、球威の衰えを感じさせない投球をしているケースは、勝ち越されるまでは交代させにくい。まして、マウンドにいるのはエースだ。競った展開の終盤でも、少しでも長く投げてもらうために、岡田監督は火曜日に村上を先発させているはずだ。岩崎、ゲラが打たれ、桐敷が不在だけに、村上への期待は大きかった。最終的に勝ち越された。リードされたら交代はやむを得ない。味方のミスをカバーするのも、投手の仕事ではあるが、この試合に限っては、好守を繰り返した中日と佐藤輝の痛恨のミス。その差が出た印象が強い。

◆阪神は守備のミスが相次ぎ、逆転負け。2位巨人がDeNAに勝ったため首位を明け渡した。2-1の八回無死二塁で田中の犠打を処理した捕手・坂本が三塁へ送球。佐藤輝が落球し、無死一、三塁とされた。カリステに右前に運ばれて同点。なおも1死満塁から、石川昴に2点右前打を許した。村上は自己最多の130球の力投も、8安打4失点(自責3)で、今季3敗目。打線は六回に相手野選とゴロで逆転したが、追加点を奪えなかった。主な選手のコメントは以下の通り(成績=18勝15敗4分、観衆=11220人)。八回無死二塁で坂本からの送球を落球した佐藤輝 「あれは捕らないといけないのと思うので、僕のミスです」六回、坂本の一ゴロで本塁送球をたくみに交わして三塁から生還した近本 「サインのことは何も言えないですけど、しっかり一塁側のゴロだったんで、キャッチャーもこういう(ギャンブル的な)タッチになるんで。しっかりスライディングで。まあ早く着くのがいいんでね」八回途中4失点(自責3)で3敗目を喫した村上 「ボール先行でテンポがよくなかったので、そこがあまりリズム乗れなかったですし、先制点をまたあげてしまったので、そこかなと思います」九回代打でマルティネスの反則投球をアピールした原口 「いや、何もないよ。大事な場面だったんで、チームが勝てるために何とかしたかったんで。全然、何も」1番で2安打した森下 「なんとかやってやろうっていう思いは持って入りました」」

◆阪神・森下翔太外野手(23)は昨年9月26日以来の「1番・右翼」で3試合ぶりにスタメン復帰。11打席ぶりの安打を含む2安打3出塁と役割を果たした。先発・高橋宏から一回に中前打、三回に左前打を放って4日の巨人戦(東京ドーム)以来となるマルチ安打を記録した。「試合に出ていないことが続いたので、何とかやってやろうと。後ろに近本さん(3番)がいるので、きょうはチャンスメークでという意識で入りました」と振り返った。

◆九回1死で代打登場の阪神・原口文仁内野手(32)は空振り三振に倒れた。カウント1―1からの3球目、マルティネスが構える前に投球動作に入った。原口はたまらず打席を外すも、これが認められずストライク判定に。野球規則には打者が十分な構えをしていないときの投球はクイックピッチ(反則投球)と審判員が判定することが記されており、頭を指して球審に説明したのは仮に頭部に投球がきた場合、避けきれないためだ。「大事な場面だったので、チームが勝てるために何とかしたかった」と唇をかんだ。

◆2番手で登板した阪神・漆原大晟投手(27)が完璧なリリーフを見せた。先発の村上が4点目を失った直後の八回1死一、二塁でマウンドへ。村松から三振を奪い、木下を三ゴロに打ち取って追加点を許さなかった。3戦連続で無失点の右腕は「苦しい展開でしたけど、ゼロに抑えることが大事になってくる。しっかり勝負して結果を出すということを意識しながら投球できたことがよかった」とうなずいた。

◆白星も、白球も、絶対につかまなくてはならなかった。そのすべてが佐藤輝のグラブからこぼれ落ちた。豊橋にこだまする悲鳴にも似た虎党の声。試合後、岡田監督はあきれ顔で勝負の分け目を振り返った。「うまいことな、バントで(アウトに)いけたと思うたけどな。あれで終わりよ。おーん」さらに「当たり前のことを普通にやることが大事」と問われると「もうええ、ええ、それは。キャッチボールやからな」と突き放した。2-1で迎えた八回だった。粘り強く竜打線を抑えていた先発・村上が先頭の岡林に二塁打を浴びた。続く田中はバントの構え。2球目に目の前に転がった白球を、捕手・坂本は迷わず三塁へ送球した。ストライク送球。タイミングはアウトか-。だが、タッチを焦った佐藤輝が捕球できなかった。ボールはグラウンドを転々とする。この後、無死一、三塁からカリステに同点打、そして1死満塁から石川昂に勝ち越し2点打を許した。指揮官が「あれで終わり」と一刀両断するのも無理はない。佐藤輝が捕球しアウトにできていれば、1死一塁。虎が勝利をつかむ可能性は高かった。

◆阪神・近本光司外野手(29)が打って走って、年に一度しかない豊橋の舞台でも変わらない存在感を発揮した。2試合連続で3番に入り、2安打に加えて好走塁で一時同点とするホームイン。好守が光った相手守備をわずかに上回ったスライディングを振り返った。「一塁側のゴロだったので、キャッチャーもああいうタッチ(の仕方)になる。しっかりスライディングで。まあ早く着くのがいいので」光る走塁を見せたのは0―1の六回だ。先頭で四球で出塁し、佐藤輝の二塁打で1死二、三塁。ここで前川が放った打球は一塁へ。三走の近本は迷わず本塁を目指し、追いかけてくる捕手のタッチをかわし、一瞬早くホームに滑り込んだ。自慢の足で試合を振り出しに戻した。打撃でも12日のDeNA戦(横浜)に続いて3番で起用されると、四回に右前打で出塁。今季ここまで3番では9打席ノーヒットだったが、10打席目で〝呪縛〟を解き放った。七回は右翼線へ二塁打を放ってマルチ安打を記録した。

◆粘り続けた先に待っていた、豊橋の悪夢―。村上が1点リードの八回に試合をひっくり返された。力を込めて自己最多の130球を投げたすえに、待っていた悔しい結末。ベンチへ戻ると、肩を落としてうなだれた。表情には悔しさがにじみ出ていた。「八回に点を取られてしまったので、そこがいけなかった。投げきれなかったというのは申し訳ない」走者を背負いながらも三回に許した1点のみでしのぎ、七回までで101球。1点リードの状況で継投策もあり得たなか、たくましくマウンドに向かっていた。しかし、抑えたかった先頭の岡林に右越えの二塁打を浴びると、味方のミスも重なって無死一、三塁のピンチ。カリステに右前同点打を許すと、その後の1死満塁では石川昂にフォークを拾われ、勝負を決める右前への2点打とされた。交代を告げられたのはこの直後。これまでの最多だった116球を超える熱投だったが、7回?で8安打4失点(自責3)の結果は喜べなかった。さらに、2年連続となった豊橋のマウンドで譲ったトップの座は2つ。チームが敗れて首位の座を巨人に明け渡すと、防御率も0・88から1・30に下落し、広島・床田(1・28)に抜かれる形となった。ただ、岡田監督は「あの回までやったけどな、球数的にはな。おーん。まあ、うまいことな、バントでいけたと思うたけどな」と、八回を託した右腕をねぎらった。チームを勝たせたい気持ちを込めた130球に、村上が恥じることはない。豊橋での経験を、さらに強くなる力にする。(須藤佳裕)

◆セ・リーグの3試合は富山、豊橋、松山で開催。パ・リーグのデーゲーム2試合は日本ハム、楽天の本拠地だったが、ナイターのオリックス―ロッテは、はるか南の那覇。6試合が実施されながら関東と関西で1試合もプロ野球が行われない、珍しい日だった。阪神は2年連続の豊橋参上。トラ番になって2シーズン目だが、地方ゲーム初取材の邨田直人がビックリしていた。「チームバスが球場に入る瞬間を見守っていたんですが、阪神ファンがメチャクチャ多いんですよ。東海地区は中日のエリアってイメージが強かったので、ちょっと衝撃でした」そのぐらいで驚いてはいけない。阪神ファンとハローキティは日本中、いや世界中、どこにでもいるのだ。サンケイスポーツ専属評論家で阪神の暗黒時代のエースと呼ばれた藪恵壹氏は、中学時代に三重県大会を勝ち抜いて東海大会に進出。初めて県外のチームと試合をしたのが、この豊橋市民球場だった。「子供心に感動しましたよ」。時は流れて、この球場にナイター設備が整い、最初の試合が行われたのが2002年4月16日。プロになった阪神・藪投手が中日相手に6回2失点(勝ち負け関係なし)の好投を披露した。「あの日はいろんなことを思い出しながら投げましたねぇ」地方球場にもドラマはいっぱいある。選抜大会出場など華麗なる球歴を持つ入社2年目のトラ番・中屋友那。あちこちの本拠地球場へ出向くたびに「ここ、投げたことありますよ」と楽しそうに思い出話をしてくれる男も、さすがに「豊橋は初めてです」とキョロキョロ。

◆コラー! このバチ当たりの虎の守備陣!!(怒) 村神様の御利益にどこまで頼ろうとしとるんじゃー!!七回、木浪のエラーを村神様の御利益でけん制アウトにしてくれたのは、ありがたや、ありがたや!!しかし、八回無死二塁から田中のバントを処理した坂本からの三塁への完璧なアウトの送球をポロリして、そこから逆転を許してしまった佐藤輝の守備は、さすがの神様だって、どーにもなるかい!!現状、打ってないんだから虎の生命線の投手力で戦っていくしかないのに...。野手が足を引っ張って、どないすんねん!!佐藤輝のびっくり箱の長打は捨て難いけど、将来のために、今年は下でみっちり野球を学び、サード糸原にすべきだと思うのだ。さらに阪神ファンの中では、ノイジーは内野も経験しているから、思い切ってサード起用というギャンブル案も出ているけど...。それはさすがにう~ん...。虎党の皆さんはどう考えます?本日、せめてもの救いは1番に入った森下が2安打に四球、打ちとられた2打席もキッチリとバットの芯で捉えていたのだ!! 1番森下、3番近本(本日2安打)に光明ありとみた!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
巨人
20163 0.556
(↑0.013)
-
(↓0.5)
10497
(+2)
94
(+1)
18
(+1)
20
(-)
0.228
(-)
2.270
(↑0.03)
2
(1↓)
阪神
18154 0.545
(↓0.018)
0.5
(↑0.5)
106119
(+2)
107
(+4)
21
(-)
10
(-)
0.228
(↓0.001)
2.280
(↓0.03)
3
(-)
広島
15144 0.517
(↑0.017)
1.5
(↑0.5)
11089
(+2)
82
(+1)
12
(-)
13
(-)
0.231
(↑0.002)
2.410
(↑0.04)
4
(1↑)
中日
16174 0.485
(↑0.016)
2.5
(↑0.5)
106103
(+4)
123
(+2)
18
(-)
3
(-)
0.245
(-)
3.040
(↑0.02)
5
(1↓)
DeNA
16191 0.457
(↓0.014)
3.5
(↓0.5)
107117
(+1)
138
(+2)
15
(-)
20
(-)
0.241
(↓0.001)
3.440
(↑0.03)
6
(-)
ヤクルト
15192 0.441
(↓0.014)
4
(↓0.5)
107144
(+1)
125
(+2)
27
(+1)
15
(-)
0.246
(↓0.002)
3.350
(↑0.04)