DeNA(★0対1☆)阪神 =リーグ戦8回戦(2024.05.12)・横浜スタジアム=
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阪神
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DeNA
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勝利投手:才木 浩人(4勝1敗0S)
敗戦投手:大貫 晋一(2勝4敗0S)
  DAZN
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◆阪神が接戦を制した。阪神は3回表、2死一二塁の好機で中野の適時二塁打が飛び出し、1点を先制する。投げては、先発・才木が9回4安打無失点の快投。今季2度目の完封で4勝目をマークした。敗れたDeNAは先発・大貫が力投を見せるも、打線が4安打無得点と沈黙した。

◆阪神の近本光司はここまでチーム最多の6本塁打を打っており、10日DeNA戦から2試合続けて本塁打を記録中。今日も1発を放てば、阪神の打者では昨年9月26~29日の大山以来の3戦連発となり、1番打者では96年4月13~17日の新庄(4試合)以来、球団28年ぶり。DeNA先発の大貫は通算31打数14安打、打率4割5分2厘で、20年には本塁打をマーク。得意相手から3戦連発となる1発を打てるか。

◆母の日に合わせ、阪神の選手がピンク色の用具を身につけ、試合に臨む。母への感謝を表し、今年も「NPBマザーズデー2024」が全6試合が開催される。この日は特別にピンクの野球道具を身につけることが認められている。試合前練習では、大山悠輔内野手(29)や佐藤輝明内野手(25)、糸原健斗内野手(31)らがピンクのスパイクを使用。先発予定の才木浩人投手(25)と梅野隆太郎捕手(32)は白とピンクのツートンカラーのスパイクなどを準備している。ピンクに染まる球場で、感謝を胸にプレーする。

◆10日阪神戦の守備で打球が頭部に直撃して途中交代したDeNA宮崎敏郎内野手(35)が2試合ぶりにスタメンに復帰した。「3番三塁」で先発。11日の同戦では頭部打撲の影響でベンチから外れていた。2番には今季初めて佐野が入り、11日に決勝アーチを放った筒香が5番に入った。同じく同点ソロを放った好調の蝦名がリードオフマンを務め、2番から佐野、宮崎、牧、筒香と強打者がズラリと並ぶ打線となった。

◆阪神が前日からスタメンを入れ替えた。10日に1軍昇格した井上広大外野手(22)がプロ初の1番に座り、3戦連続スタメン入り。前日11日まで2試合連続本塁打を放った近本光司外野手(28)が「3番中堅」。「6番三塁」には糸原健斗内野手(31)が入り、佐藤輝明内野手(25)が今季3度目のスタメン落ちとなった。左翼には8日広島戦(甲子園)以来3試合ぶりにシェルドン・ノイジー外野手(29)が入った。先発は今季4勝目を狙う才木浩人投手(25)。梅野隆太郎捕手(32)とバッテリーを組む。

◆前日11日から打順を入れ替えて臨んだ阪神が、3試合連続で先制点を挙げた。10日に1軍昇格した井上広大外野手(22)がプロ初の1番に座り、3戦連続スタメンで結果を出した。3回2死一塁でDeNA大貫晋一投手(30)の2球目、141キロ内角低めの変化球を中前にはじき返した。2死一、二塁で2番中野拓夢内野手(27)が右翼線に適時二塁打を放ち、二塁走者の才木浩人投手(25)が生還。入れ替え打線がズバリ的中した。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が、見事な背走キャッチで先発才木を救った。1点リードの5回1死一塁。8番京田の打球が中堅方向手前にフラッと上がった。二塁手中野は懸命に背走。そのまま後ろ向きに飛球をつかみ取った。激走していた一塁走者はすでに三塁付近へ到達。ゆっくりと一塁へ送球し、併殺を完成させた。前日11日から強い風が吹く横浜スタジアム。落ちれば同点のピンチとなっていた中、大きなプレーとなった。

◆/これが落ちない\中野拓夢の背走キャッチ走者戻れずダブルプレー?プロ野球(2024/5/12)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/SF1QsLUdIX

◆阪神が7点リード大逆転負けから一夜明け、ロースコアの接戦を制した。先発才木浩人投手(25)がチーム今季初の9回完封勝利を飾った。打線は0-0の3回、「1番右翼」で起用された井上の中前打などで2死から一、二塁の好機を演出。2番中野が先発大貫の138キロ速球を捉え、右翼線にライナーで運んだ。二塁走者を一気に生還させる一打で、大きな先制点をもたらした。先発才木は1点リードの7回、先頭の3番宮崎に左前打で出塁を許し、4番牧には四球で無死一、二塁。前日に決勝弾を放った5番筒香を迎えたが、直球で押し込み二ゴロ併殺に仕留めた。2死三塁とし、6番桑原を二ゴロに打ち取りピンチを脱した。相手先発大貫が8回2安打1失点と快投を続けた中、1歩も引かない好投をみせた。チームは前日11日に最大7点差をひっくり返される逆転負け。21日ぶりに首位陥落となっていた。両軍合わせて20得点の乱打戦となった前日11日から一転、緊迫した投手戦を制した。今季日曜日の試合は6勝1敗。4月14日中日戦から5連勝中だ。虎党へ、この日も週末の勝利を届けた。

◆阪神才木浩人投手(25)が1点差を守り切り、完封で今季4勝目を挙げた。4安打、5奪三振、128球を投げ抜いた。7回には先頭の3番宮崎に左前打を許し、前日に決勝弾を放った5番筒香を迎えたが、直球で押し込み二ゴロ併殺。6番桑原を二ゴロに打ち取り、グラブを何度もたたいて、喜んだ。9回裏は2死二塁のピンチで4番牧を捕邪飛に仕留めた。才木は4月21日中日戦(甲子園)で7回降雨コールドで完封。9回完封は今季初となった。才木の完封勝利は、7回降雨コールドゲームとなった4月21日中日戦に続き今季2度目。全イニングを行った試合では、22年9月1日広島戦、23年6月4日ロッテ戦以来通算3度目となった。阪神の1-0勝利は、4月9日広島戦に次ぎ今季2度目。このときは村上-ゲラ-岩崎の継投だった。完投では23年9月12日巨人戦の西勇以来。生え抜きでは16年5月27日巨人戦での岩貞以来、8年ぶりとなった。78年に開場した横浜スタジアムでの阪神の1-0勝利は3度目で、84年7月10日大洋戦、00年5月21日横浜戦以来24年ぶり(いずれもDeNAの前身球団)。過去2度はいずれも継投で、同球場での阪神の1-0完封投手は才木が初めてだ阪神打線はわずか2安打。1-0勝利した試合での2安打以下は、14年4月29日広島戦以来球団15度目の省エネ勝利となった。

◆前日の乱打戦から打って変わって、1点を争う投手戦で競り負けた。打線が阪神先発の才木に苦戦。2回には2死から桑原、山本の連打で一、三塁のチャンスを作ったが、京田が中飛に倒れた。7回には頭部打撲から2試合ぶりに復帰した宮崎の左前打と牧の四球で無死一、二塁のチャンス。しかし前日の同戦で決勝ソロを放った筒香が二ゴロ併殺に倒れて無得点に終わった。9回にも宮崎の安打、代走・森敬の二盗で2死二塁とするも牧が捕邪飛に倒れた。先発の大貫も粘り強くゴロを積み上げた。24個のアウトの内、17アウトをゴロで取る持ち味を出した投球で今季最長の8回を2安打1失点。3回に2死から投手の才木に四球を与え、連打で喫した唯一の失点が悔やまれる展開となった。前日の同戦では最大7点差からじわじわと追い上げ、8回に蝦名の同点2ラン、筒香の決勝ソロ、牧のダメ押しソロで劇的な逆転勝利を挙げた。この日は一転してロースコアゲームとなり、今季3度目の完封負け。「母の日」は5連敗で、4カードぶりのカード負け越しとなった。

◆/雨は降っていない\正真正銘の9回完封勝利才木浩人が128球の熱投回数:9球数:128安打:4三振:5四球:2失点:0?プロ野球(2024/5/12)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/EtXxckdsj0

◆阪神才木浩人投手(25)が1点差を守り切り、プロ4度目の完封勝利を挙げた。4安打、5奪三振、128球を投げ抜いた。7回には先頭の3番宮崎に左前打を許し、前日に決勝弾を放った5番筒香を迎えたが、直球で押し込み二ゴロ併殺。6番桑原を二ゴロに打ち取り、グラブを何度もたたいて、喜んだ。9回裏は2死二塁のピンチで4番牧を捕邪飛に仕留めた。才木は4月21日中日戦(甲子園)で7回降雨コールドで完封。9回完封は今季初となった。ヒーローインタビューは以下の通り。-128球を投げた気持ちは「もうちょっと点取ってほしいですね(笑い)」-自身の四球から点を「全力で走ってきてたんで、普通に疲れました(笑い)」-マウンドで飛びついての姿勢も「あれは、でしゃばりすぎましたね(笑い)」-闘志あふれる、今季最多投球「はい、疲れました」-母の日、最後にお母さんに「え...(笑い) 勝ちましたーーーー!」

◆阪神が7点リード大逆転負けから一夜明け、ロースコアの接戦を制した。先発才木浩人投手(25)がチーム今季初の9回完封勝利を飾った。打線は0-0の3回、「1番右翼」で起用された井上の中前打などで2死から一、二塁の好機を演出。2番中野が先発大貫の138キロ速球を捉え、右翼線にライナーで運んだ。この日はこの2安打で奪った1点のみ。岡田彰布監督(66)は「結局、ヒット2本やんか、あの回だけやで。それでよう勝ったよ、ほんとに、才木さまさまよ、はっきり言うて。それしかないよ」と最後まで投げきった右腕をねぎらった。岡田監督の一問一答は以下の通り。-才木は前日の相手の勢いを持ち込ませなかったなあ。6回くらいから、余計ようなってきたよな。ストレートもなあ。風で、高めがちょっと伸びてるというかな。それをいうとったから。6回くらいから、安心して。逆にな。-無失点の間は、ずっといかせるつもりでそらもう。向こう、大貫もええピッチングしとったからな。-この流れで最後まで投げ切ってくれたのは大きいそら大きいよ、おーん。まあ今日はもうゲラしかな、おーん。いっても8回いって、1回ゲラしかなかったからな。でも球数的にもちょうどな、だからバテてというか、それはないから、余計ようなっとったからな、6回くらいから。-今年は安定したピッチングでローテの中心となっているまあ一番イニングも投げとるしな、防御率も悪くないしな、おーん。けっこうあれや、負けた後けっこう才木で勝ってるよ。負け試合の後、多いよな。-1番の井上も得点に絡んだいや、いろいろずっと考えてたんや、おーん。3番打つやつの打率が悪すぎるんよな、誰が打っても3番あかんねん、近本もあかんかったやろ。ちょっと分からんけどな、巡り合わせでな。-井上は出たところでしっかり結果をそうや、結局、ヒット2本やんか、あの回だけやで。それでよう勝ったよ、ほんとに、才木さまさまよ、はっきり言うて。それしかないよ。-3番ありきでまず3番を埋めた感じかいやいや近本な、昨日打点も多かったしな。1回な、そういうの、これは前から言うとったんや、2番中野で3番近本っていうな。1番にちょっとな、なんか1発ありそうなのを、例えば森下とかそういう感覚でな。1回いこうかっていうな。そんな、去年と同じ形じゃできへんで言うて。それはずっと話はしとったんや、ミーティングの時に。あとはええよ、才木に聞き。俺はええよ。

◆阪神才木浩人投手(25)が1点差を守り切り、完封で今季4勝目を挙げた。4安打、5奪三振、128球を投げ抜いた。才木の完封勝利は、7回降雨コールドゲームとなった4月21日中日戦に続き今季2度目。全イニングを行った試合では、23年6月4日ロッテ戦以来通算2度目となった(ほかに22年9月1日広島戦の6回コールド完封がある)。阪神の1-0勝利は、4月9日広島戦に次ぎ今季2度目。このときは村上-ゲラ-岩崎の継投だった。完投では23年9月12日巨人戦の西勇以来。生え抜きでは16年5月27日巨人戦での岩貞以来、8年ぶりとなった。78年に開場した横浜スタジアムでの阪神の1-0勝利は3度目で、84年7月10日大洋戦、00年5月21日横浜戦以来24年ぶり(いずれもDeNAの前身球団)。過去2度はいずれも継投で、同球場での阪神の1-0完封投手は才木が初めてだ。阪神打線はわずか2安打。1-0勝利した試合での2安打以下は、14年4月29日広島戦2安打以来、球団15度目の省エネ勝利となった。才木は3回の攻撃で四球を選び、中野の二塁打で生還。阪神の1-0完封投手が自ら決勝点の得点者となったのは、87年8月9日ヤクルト戦のキーオ以来、37年ぶり。日本人では、74年6月26日ヤクルト戦での谷村智啓以来、50年ぶりとなった。なお73年8月30日中日戦では、江夏豊が延長11回ノーヒットノーランを達成し、自らサヨナラ本塁打を放ち生還した例がある。

◆10日阪神戦の守備で打球が頭部に直撃し、頭部打撲で欠場していたDeNA宮崎敏郎内野手(35)が2試合ぶりに復帰した。「3番三塁」で先発し、7回先頭で左前打、9回2死から右前打とマルチ安打。守備も難なくこなし、三浦監督は「幸い昨日1日だけで済んだので良かった」と胸をなで下ろした。宮崎は「(感覚の違いは)ないですね。(今後は)バウンドの距離感とか気にしながら」と無事を強調した。

◆阪神梅野隆太郎捕手(32)が好リードで才木の完封勝利を演出した。武器のフォークに加え、スライダーも効果的に使用。「引いたらダメやぞ」と声をかけ、力強い直球もストライクゾーン内へどんどん投げ込ませた。「駆け引きの中で、いくところはいってバランスがとれた」と分析。「展開的にも、ほぼほぼ守り切るしかなかった」という接戦をバッテリーで制し「浩人さまさまです」とたたえた。

◆プロ初の1番で先発した阪神井上広大外野手(22)が、貴重なつなぎの一打で決勝点を導いた。3回2死一塁で迎えた第2打席。DeNA大貫のツーシームをはじき返し、痛烈な打球を中前に転がした。「中野さん、近本さんと続いていく中で、しっかりとつなげたのは良かった」。Hランプがともると、ピンク色のリストバンドを着けた右手をベンチに向けて掲げた。10日の1軍昇格から3戦連続スタメン。この日は初めてトップバッターで起用されたが、地に足が着いていた。「1番か、って感じで。近本さんが2戦1番を打って早仕掛けしていたので、自分もそんな考えることなく。あまり変わることなく打席に入れました」。起用に応える3戦連続の安打は、2死から才木がもぎとった四球を生かしたもの。「フォアボールは点になるというのは1軍でもそうですし、ファームの時からも口酸っぱく言われていたので」。日々の教えはしっかり身に染みついている。プロ5年目で初めて「母の日」に1軍のグラウンドに立った。「本当に小さい時から自分が好きな野球をやらせてもらって、ここまで育ったので」。弟とともに女手一つで育ててくれた母貴美さんに、感謝の気持ちは尽きない。プロ入り後も仕事の合間を縫って録画した2軍戦をチェックしてくれていた母は、息子が出場した10、11日の試合後にも連絡をくれた。今も気に掛けてくれる大切な存在だ。「こういう日にヒットを打てたというのは良かったですし、きっかけにして、次の試合にも臨んでいきたい」。これからも1軍で躍動し、母に感謝のプレーを届ける。【磯綾乃】

◆DeNAが今季3度目の完封負けで母の日の試合は5連敗となった。前日7点差を逆転した打線が阪神先発の才木に苦戦した。先発の大貫は24アウト中、17アウトをゴロで打ち取り、今季最長の8回を2安打1失点と粘投。それだけに、3回2死から投手才木に与えた四球から失った決勝点がもったいなかった。三浦監督は「大貫の投球自体は良かったですけど、あの1点に尽きるかなと」と悔やんだ。▽DeNA大貫(通算100試合目の登板で8回2安打1失点も今季4敗目)「投手に対して四球を2個与えてしまった原因は何なのか考えて、次回登板までに取り組みたいと思います」

◆「5番左翼」で3試合ぶりに先発した阪神シェルドン・ノイジー外野手(29)が堅守で勝利に貢献した。3回裏の守備で、1死からDeNA蝦名の左翼への大飛球を、フェンスにぶつかりながらも好捕。「フライが上がったらそれを捕るのが自分の仕事なので」とクールに振り返った助っ人。この日は安打は出なかったが、1点を守り抜いた。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が母への感謝をバットに乗せた。ピンクの手袋で振り切った打球は痛烈なライナーで右翼線にはずんだ。0-0の3回2死一、二塁からの決勝打。緊迫した投手戦で値千金の1点をたたき出し、盛り上がる三塁側ベンチに敬礼ポーズを返した。「どうしてもカウント不利に進められるのがすごく多かったので、なるべく早く仕掛けた」2死から投手の才木が四球を選び、1番井上の中前打でつくったこの日唯一の好機。カウント1-1からDeNA大貫の甘く入ったフォークを強振した。「甘い球が来なかったですし、チームとしてもなかなかチャンスがないかなという状況。しっかりと仕留められたので良かった」。きっちり仕留め、充実感を漂わせた。5回には守備でもピンチを救った。5回1死一塁。8番京田の中堅方向にフラフラと上がった飛球に快足を飛ばし、背走したまま間一髪のタイミングでグラブに収めた。一塁走者はすでに三塁付近まで到達。一塁へ送球し、併殺を奪った。ピンクの手袋を身につけて臨んだ「NPBマザーズデー」。「ここまで丈夫に産んでくれたのもお母さん。ありがとうを伝えられたら」と攻守の活躍を喜んだ。昨年の「母の日」は母節子さんへ、淡い黄色の上着をプレゼント。「明るい色も着てみたら」と言葉を添えた。普段は黒や白の服をよく着るという母は「自分ではあまり選ばないタイプの色」と喜び、甲子園に観戦に訪れた際にも着用している。幼い頃は絵や手紙を贈っていた中野。今年は感謝の気持ちをプレーと言葉で伝えた。チームは3カードぶりのカード勝ち越し。前日11日には7点差を逆転されていただけに、中野もホッとひと安心だ。「今日の試合がすごく大事というのは分かっていましたし、先制点を取られてしまうと嫌な流れは続く。なるべく早く才木に援護点を与えたかった」。選手会長の一打がこの日、間違いなく空気を変えた。【村松万里子】

◆阪神がわずか1日で首位を奪還した。この日は先発才木浩人投手(25)の完封劇で1点差の勝利。1位巨人がヤクルトに1-3で敗れたため、0・5差で1位となった。チームは前日11日に最大7点差をひっくり返され、大逆転での敗戦。21日ぶりの首位陥落となっていたが、一夜で返り咲いた。

◆阪神伊藤将司投手(28)が12日、出場選手登録を抹消された。前日11日のDeNA戦(横浜)で5回途中7失点。この日、2軍鳴尾浜球場に合流し「状態を早く戻して、1日でも早く戻りたい」と前を向いた。1軍の代役先発にはジェレミー・ビーズリー投手(28)が起用される見込み。18日のヤクルト戦(甲子園)に向かうことが濃厚で「すごく良い状態。自分は準備をするだけだよ」と気合を入れた。ウエスタン・リーグでは29イニング連続無失点中と好調を維持。ようやくめぐってきた出番に備え、バント練習も入念に行った。また、中継ぎ強化のため及川雅貴投手(23)が出場選手登録された。

◆お母さん、勝ちました~! 阪神才木浩人投手(25)が「母の日」に今季チーム初の9回完封勝利を挙げた。128球を投げ抜き、4安打無失点。横浜スタジアムでは球団史上初の「1-0」完封を飾った。岡田彰布監督(66)も「才木さまさまや」とべた褒めした熱投でリーグ最多タイの4勝目だ。日曜日の試合は今季6勝1敗で5連勝。前日11日に最大7点差を大逆転された悪夢を吹き飛ばし、「日曜日の男」が虎を生き返らせた。ナイターで巨人が敗れ、チームはわずか1日で首位に返り咲いた。才木の表情が一気にはじけた。1-0のまま、9回2死二塁で4番牧を迎えた。前日、7点差を大逆転された横浜スタジアム。反撃ムードが最高潮に達する中、最後は150キロの直球を信じた。打ち上がった捕邪飛を梅野がキャッチ。その瞬間、固く握った拳とともに顔の緊張がほどけた。「昨日の展開の後だったので、締めないといけないと思っていた。良かったです」128球を投げきり、9回4安打無失点。チームでは今季初の9回完封勝利だ。DeNA大貫との投手戦を制し、巨人菅野、ヤクルト・ヤフーレと並ぶリーグ最多の4勝目。横浜スタジアムでは球団史上初の「1-0」完封勝利だ。ヒーローインタビューでは「もうちょっと点取って欲しいっすね~」とちゃめっ気たっぷりに余裕の笑顔。岡田監督も「才木さまさまよ、はっきり言うて。それしかないよ」と文句の付けようがない快投だった。「母の日」。両軍の選手がピンク色の道具を用いて感謝の気持ちを表現する中、才木もピンク色のスパイクを使用した。母久子さんは大体大4年時にハンドボールで全国2位にもなったアスリート。自身の経験から「必要以上に甘えさせない」が教育方針だった。「大丈夫?」「痛くない?」などの声掛けは弱気を助長してしまうとの考えで、めったに優しい言葉をかけられなかった。幼い頃から愛情深い厳しさで育まれた精神力があるからこそ、ピンチでも臆せず腕を振れる。才木自身も「あの人のメンタルはバケモンなんで」と尊敬する母親。試合後、インタビュアーに「お母さんへ一言」と振られると、一瞬戸惑いながらも自宅でテレビ観戦した両親に「勝ちました~!」と叫んだ。使用したスパイクなど「母の日」仕様の道具は母にプレゼントする予定。最高の形で親孝行を果たした。開幕から日曜日の試合は6勝1敗で5連勝。すべて才木が先発を任されてきた試合だ。大逆転負けから一夜明けた一戦でチームの連敗を阻止し、今季5度目のカード勝ち越しに導いた。「日曜日の男」が、感謝の白星で勢いをもたらした。【波部俊之介】

◆お母さん、勝ちました~! 阪神才木浩人投手(25)が「母の日」に今季チーム初の9回完封勝利を挙げた。128球を投げ抜き、4安打無失点。横浜スタジアムでは球団史上初の「1-0」完封を飾った。岡田彰布監督(66)も「才木さまさまや」とべた褒めした熱投でリーグ最多タイの4勝目だ。日曜日の試合は今季6勝1敗で5連勝。前日11日に最大7点差を大逆転された悪夢を吹き飛ばし、「日曜日の男」が虎を生き返らせた。ナイターで巨人が敗れ、チームはわずか1日で首位に返り咲いた。ノビのある才木の直球。自慢の1球は、緻密にこだわった角度から生まれている。トラックマンなどのデータ解析で、最初に目にするのは直球の「回転軸」だ。水平な縦回転がホップ成分につながりそうだが、目指しているのは水平な回転軸ではない。時計で見れば、「12」と「1」の間から「6」と「7」の間に軸が伸びるイメージ。右に7・5度~22・5ほど傾くぐらいの軸の角度が理想なのだという。「ど真ん中というより、ちょっと斜めぐらい。(縦に)真っすぐの回転だと、真上から投げるイメージになって腕の振りどころが難しくなる。逆に斜めすぎると横(軸)すぎるので」この日も全投球数の約44%で投じた直球。「すごい真っすぐに張っていた」と相手打線の意識を感じながらも、力で押し込んだ。繊細に調整され、突き詰めたフォームから、こだわりの1球は生まれている。【阪神担当=波部俊之介】

◆阪神・及川雅貴投手(23)が1軍に合流した。伊藤将司投手(28)に代わって出場選手登録される見込み。中継ぎで起用される予定で、左腕は「頑張るしかないです」と力を込めた。今季はウエスタン・リーグで6試合に登板。4試合に先発し、4勝1敗、防御率2・45の成績を残していた。

◆阪神は井上広大外野手(22)がプロ初の「1番・右翼」で先発する。10日の昇格後、2試合で8打数3安打2打点と好調の若虎がチームの切り込み隊長を担う。「6番・三塁」には糸原健斗内野手(31)が入り、佐藤輝は6試合ぶりに先発を外れた。

◆阪神は三回、中野拓夢内野手(27)の適時打で1点を先制した。組み換えられた打線がまた結果を残した。2死から才木が四球で出塁し、プロ初の1番起用となった井上が中前打で一、二塁とチャンス拡大。続く中野は先発・大貫の変化球を引っ張り、右翼へライナー性の適時二塁打を放った。8日の広島戦(甲子園)以来3試合ぶりの打点で先手を取った。

◆阪神は三回、中野拓夢内野手(27)の適時打で1点を先制した。組み換えられた打線がまた結果を残した。2死から才木が四球で出塁し、プロ初の1番起用となった井上が中前打で一、二塁とチャンス拡大。続く中野は先発・大貫の変化球を引っ張り、右翼へライナー性の適時二塁打を放った。8日の広島戦(甲子園)以来3試合ぶりの打点で先手を取った。中野は広報を通じて「打ったのはフォーク。ツーアウトから才木と(井上)広大がつないでくれたので、なんとかランナーを還したいと思っていました。浮いた変化球を一発で仕留めることができてよかったです」とコメントした。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)が超美技でチームを救った。1-0で迎えた五回1死一塁の守備。京田の打球はフラフラッと中堅方向へ舞い上がる。ホームに背を向けて二塁から中野が爆走。後ろ向きのまま白球をグラブにおさめた。一走・山本は飛び出しており、中野は悠々と一塁へ転送して併殺を完成。三回に先制打を放った選手会長が好守でも虎を救った。

◆阪神は接戦を制してDeNAにカード勝ち越しとした。先発の才木浩人投手(25)が9回を投げ切って完封勝利を挙げた。二回に連打で2死二、三塁のピンチを招いたが、京田を中飛に打ち取って先制を許さず。終盤でも150キロを超える直球を武器に、好守にも助けられて128球で4安打に抑えた。打線は三回2死から才木が四球で出塁すると、プロ初の1番起用となった井上が中前打でつないで一、二塁。ここで中野拓夢内野手(27)が右翼へ適時二塁打を放って先制に成功した。今季初昇格から2戦連続で安打と打点を記録していた井上の積極起用が功を奏し、貴重な1点を奪って白星につなげた。

◆五回終了後、選手を迎える(左から)阪神の前川右京、佐藤輝明、森下翔太のスタメン落ち3人衆=横浜スタジアム(撮影・渡辺大樹)

◆佐藤輝明内野手(25)、森下翔太外野手(23)がスタメンから外れた阪神が3カードぶりの勝ち越しを決めた。三回2死から才木浩人投手(25)が四球、プロ初の「1番」に入った井上広大外野手(22)が中前打で続き、中野拓夢内野手(27)の二塁打による先制点が決勝点となった。才木は4度目の完封勝利で4勝目(1敗)。試合後のヒーローインタビューでは「もうちょっと点を欲しかったですね~」。母の日の勝利とあって、母へのメッセージを求められ、しばらく考えて「勝ちました~」と笑顔を見せていた。

◆佐藤輝明内野手(25)、森下翔太外野手(23)がスタメンから外れた阪神が3カードぶりの勝ち越しを決めた。三回2死から才木浩人投手(25)が四球、プロ初の「1番」に入った井上広大外野手(22)が中前打で続き、中野拓夢内野手(27)の二塁打による先制点が決勝点となった。2試合連続本塁打を放っていた近本光司外野手(29)が「3番」に入り、糸原健斗内野手(31)が「6番・三塁」だった。佐藤輝と森下は出番がなかった。才木は4度目の完封勝利で4勝目(1敗)。チームは三回の2安打のみで、今季最少。今季2度目の「1ー0勝利」を飾った岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り。ナイトゲームで巨人が敗れたため、チームは一日で首位に返り咲いた(成績=18勝14敗4分、観衆=3万3277人)。ーー才木は相手の勢いを断ち切った「なあ。六回くらいから、余計ようなって来たよな。ストレートもなあ。風で、高めがちょっと伸びてるというかな。それを言うとったから。六回くらいから、安心して。逆にな」ーー無失点の間は、行かせるつもりで「そらもう。向こう、大貫もええピッチングしとったからな」ーーこの流れで投げ切ったのは大きい「そら大きいよ、おーん。まあ今日はもうゲラしかな、おーん。行っても八回行って、1回ゲラしかなかったからな。でも球数的にもちょうどな、だからバテてというか、それはないから、余計ようなっとったからな、六回くらいから」ーー安定した投球でローテの中心となっている「まあ一番イニングも投げとるしな、防御率も悪くないしな、おーん。結構アレや、負けた後結構才木で勝ってるよ。負け試合の後、多いよな」ーー1番の井上も得点に絡んだ「いや、いろいろずっと考えてたんや、おーん。3番打つヤツの打率が悪過ぎるんよな、誰が打っても3番アカンねん、近本もアカンかったやろ。ちょっと分からんけどな、巡り合わせでな」ーー井上は結果を「そうや、結局、ヒット2本やんか、あの回だけやで。それでよう勝ったよ、ホントお前、才木サマサマよ、はっきり言うて。それしかないよ」ーー3番ありきでまず埋めた感じか「いやいや近本な、昨日打点も多かったしな。1回な、そういうの、これは前から言うとったんや、2番中野で3番近本っていうな。1番にちょっとな、なんか1発ありそうなのを、例えば森下とかそういう感覚でな。1回行こうかっていうな。そんな去年と同じ形じゃ出来へんで言うて。ずっと話はしとったんや、ミーティングの時に。あとはええよ、才木に聞き。俺はええよ」

◆佐藤輝明内野手(25)、森下翔太外野手(23)がスタメンから外れた阪神が3カードぶりの勝ち越しを決めた。三回2死から才木浩人投手(25)が四球、プロ初の「1番」に入った井上広大外野手(22)が中前打で続き、中野拓夢内野手(27)の二塁打による先制点が決勝点となった。2試合連続本塁打を放っていた近本光司外野手(29)が「3番」に入り、糸原健斗内野手(31)が「6番・三塁」だった。佐藤輝と森下は出番がなかった。才木は完封で4勝目(1敗)。チームは三回の2安打のみで、今季最少。今季2度目の「1ー0勝利」。主な選手のコメントは以下の通り成績=18勝14敗4分、観衆=3万3277人)。攻守で勝利に貢献した中野拓夢 「このままズルズル行ってしまうと、良くない雰囲気になるかなというのはあったので、今日の試合がすごく大事というのはわかってました」プロ初の1番で3試合連続安打で得点に絡んだ井上広大 「(球場に)着いて、知りました。(1番はいつ以来と聞かれ)中学3年生の時です」4度目の完封勝利に才木浩人 「(7点差から逆転負けの)昨日の展開の後だったので、締めないといけないなと思っていた」梅野隆太郎は才木について 「本当に浩人サマサマです」

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(76)は1-0で自身4度目の完封勝利を挙げた才木浩人投手(25)を絶賛した。1-0の完封は私自身も何度か経験があるが、厳しいものだ。才木は意識を持たないようにしていたのではないだろうか。ずっと0-0ぐらいの気持ちで行っていたと思う。バッテリーにとって最もきつい展開で、守りに入ろうとすると体が固くなる。そんな中で本当に何も言うことのない、ほぼ完璧に近い投球を繰り広げていった。少しボールが浮き気味になる場面もあったが、コーナー投げるスタイルの投手ではないし、最後までボールに力があったから全く影響がなかった。右肘の手術なども乗り越えて、よくここまで来たなという思いだ。去年の投球も十分に良かったが「孝行息子がまた1人増えたな」とうれしくなった。先発ローテーションで青柳や伊藤将が、今ヒトツで、これからますます頼りになる。現代の普通のやり方であれば、継投に入っていたはずだ。それでも岡田監督が最後まで投げさせたのは、11日の乱打戦の中でリリーフ陣が打ち込まれていたという点もあっただろうが、「1-0のこの展開では代えられない」という思いや「このゲームは才木にやろう」という気持ちがあったのだと思う。これを乗り切れば大黒柱になる、ということで賭けたのではないだろうか。若い投手を育てるにはベンチの辛抱が必要だ。今は早いうちに手を打ち、継投で守って、先発に白星をプレゼントする考え方が主流だ。ベンチが動くことで先発も助かるし、他の投手の成績にもつながってくる。この日のような1-0で送り出すのはベテラン監督ならではの「辛抱」だったと思う。梅野のリードにも感謝をして、この完封を機にさらに大きな投手に成長してもらいたい。

◆阪神・才木浩人投手(25)が4安打完封勝利。今季4勝目(1敗)をマークした。?才木の完封勝利は4月21日の中日戦(○3-0、甲子園、七回表終了コールド)に次いで今季2度目(通算4度目)。阪神の投手がスコア1-0の完封勝利を挙げたのは、昨年9月12日の西勇輝(対巨人、甲子園)以来。対DeNA(前身を含む)でマークしたのは2002年4月12日の井川慶(甲子園)以来22年ぶり。?チームは2安打1得点で勝利。阪神が2安打以下で勝利したのは14年4月29日の広島戦(○1-0、甲子園)以来10年ぶり。鳥谷敬の二塁打と福留孝介の決勝ソロ2安打でメッセンジャーが完封した。

◆DeNA・大貫晋一投手(30)は今季最多110球を投げ8回2安打1失点と好投したが、打線の援護がなく4敗目を喫した。三回2死から投手の才木に四球を与え、井上、中野の連打で失点。「無駄な四球からの失点になってしまい反省している」と振り返り、三浦監督も「投球自体は非常に良かった。あの1点に尽きるかな」と指摘した。

◆佐藤輝明内野手(25)、森下翔太外野手(23)がスタメンから外れた阪神が3カードぶりの勝ち越しを決めた。三回2死から才木浩人投手(25)が四球、プロ初の「1番」に入った井上広大外野手(22)が中前打で続き、中野拓夢内野手(27)の二塁打による先制点が決勝点となった。昇格後、3戦連続安打を放った井上の一問一答は以下の通り。ーー1番を言われたのは「(球場に)着いて、知りました」ーー心境は「1番か~、って感じで、このベイスターズ戦も近本さんが2戦、1番を打って、早仕掛けしていたので、自分もそんな考えることなく、1番打っている人を見て、自分から打ちに行っているとか、そういうのを見て。あんまり変わらないかなというので打席には入れました」ーー第1打席初球から振りに行けた「三振しましたけど、初球から準備して相手が投げる1球目に対してスイング出来たというのは、やっぱりつながるじゃないですけど、いい方向に行くと思う。そういうのは1番だからとかじゃなくて、どんな打順でもしっかり準備して打席に入れればなと思います」ーーヒットが得点につながった「やっぱり2アウトからピッチャーに対してのフォアボールだったので、フォアボールが点になるというのは、1軍でもそうですし、ファームでも口酸っぱく言われていたので。そういうところで自分がつないで、中野さんだったり、近本さんが続く中で、つなげたのが良かったと思います」ーー1軍でやって行ける手応えも「まだ3試合しかやっていないので。これからいろんな投手がいる中で、対応して行かないといけないとかもあると思う。引き続き頑張ります」ーー母の日に親孝行の活躍になった「小さい時から自分の好きな野球をやらせてもらってここまで育った。そういう日にヒットが打てたのは良かった。こういうのをきっかけにし、次の日につなげて行きたい」ーー連絡は?「入れていないです。でも1戦目、2戦目の時は連絡が来ていたので、やりとりはしています」ーー1番はいつ以来?「中学3年生の時です」

◆佐藤輝明内野手(25)、森下翔太外野手(23)がスタメンから外れた阪神が3カードぶりの勝ち越しを決めた。三回2死から才木浩人投手(25)が四球、プロ初の「1番」に入った井上広大外野手(22)が中前打で続き、中野拓夢内野手(27)の二塁打による先制点が決勝点となった。128球を投げ、4安打5三振2四球で自身4度目の完封勝利で4勝目を挙げた才木の一問一答は以下の通り。ーーチームを救った好投だった「救ったと言ったらアレですけど。昨日の展開の後だったので、きっちりと行かないといけないというか、締めないといけないなと思っていたので。こういうピッチングが出来てよかったです」ーー特に気をつけたこと「カウントを有利に進めるようにというとこだけ。四球も何個か出しちゃいましたけど。そういう意味では、どんどん押せていましたし、どんどんフォークをうまく使いながら行けたかなと」ーー真っすぐもよかった「むこうも真っすぐを張ってましたし、その中でファウルとかフライアウトを取れたので。まあまあよかったかなと思います。最後、八回、九回でも全然、まだ余力が残っていたので。よかったと思います」ーー最後まで行く感じで「僕は、とりあえず、一つずつみたいな意識で行っていましたけど。監督と安藤さん(投手コーチ)が最後まで行くようなことを言ってもらったんで、そこからと思います」ーー言われた時は?「まあまあ行ったろうか、という感じです」ーー完封勝利「特に今日みたいな1-0という、1点もなかなかやれない状況とか僅差の状況の中で完封出来るというのは、すごいデカイかなと思います」ーー三回は自ら四球を選んで得点に「アレはたまたまです」ーー筒香をゲッツー(七回無死一、二塁で二ゴロ併殺)「アレが一番デカかったですね。インコースの真っすぐを思い切って行くという感じで、梅野さんもそういうサインを出してくれたんで、ゲッツーを取れたので、アレが、今日一番のプレーじゃないかなと思います」ーー母の日。テレビで見ているのか「いや、わからんです」ーーいい投球が出来た「それが一番よかったですね」ーー母に感謝を伝える日だと思うが、改めて「まあ、こうやって野球が出来ているんで。それが一番だと思います」ーー七回の併殺後の二ゴロに飛び込んだが「行けると思ったんですけど。無理やと。味方がカバーした? デカイですね。アレはよかったですね」

◆選手会長が〝虎の子の1点〟をもぎとった。阪神・中野拓夢内野手(27)は悪夢の敗戦翌日だからこそ、先手を奪う必要性があると感じていた。「今日の試合がすごく大事というのは分かっていました。先制点をとられてしまうと嫌な流れは続くと思ったので、なるべく早く才木に援護点を与えたかった」前後が入れ替わっても2番は不動。0-0の三回2死一、二塁。才木、井上が作った好機で大貫のフォークを力強く引っ張った。右翼線に運ぶ先制の二塁打。塁上で右手を突き上げた。開幕直前には34打席連続無安打を経験した。オープン戦打率・130でシーズン突入。力強い打球を飛ばそうと大振りになっていたことが原因だった。それでも「やってよかった。どこかで使う場面が来ると思う。引き出しの一つとして持っておきたい」と前向きにとらえた。この日、二走だった投手の才木をかえせたのも長打だったから。開幕前の試行錯誤が、ここ一番で助けてくれた。勝利への思いは二塁守備にも表れた。五回1死一塁で京田の打球は中堅方向へ。落下地点を見定め、ホームに背を向けて走った。「うまくタイミングも合わせて捕れたのでよかった」。後ろ向きで好捕し、飛び出した一走もアウトに-。攻守でチームを救った後は照れくさそうに言った。「お母さんに日頃なかなか感謝を伝えることはないので、勝利したタイミングで『ありがとう』であったり、そういう言葉を伝えられたらと思います」「母の日」に届けた最高のプレゼント。カーネーションに負けない笑顔の花を虎党にも咲かせた。(原田遼太郎)

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(29)の〝壁ドン〟がまた炸裂した。三回1死で蝦名の打球は左翼へ-。高い守備力を誇る助っ人は飛びつき、フェンスに激突しながらも白球をこぼさなかった。「フライが来たら捕るのが自分の仕事。(恐怖心は)なかった」。3試合ぶりの先発で3打数無安打と打席では結果が出なかったが、1-0の勝利に貢献し、満足そうな表情だった。

◆阪神・才木浩人投手(25)の完封勝利をリードした梅野隆太郎捕手(32)は終盤になっても球威が落ちなかった直球を勝因の一つに挙げた。「相手ももちろん真っすぐを狙ってくるやろうけど、その中で引いたらダメやぞって、そういうところが好投につながったんじゃないかな。本当に浩人サマサマです」。これで通算980試合出場。球団生え抜き捕手初の1000試合出場が近づいている。

◆五回1死一塁、DeNA・京田陽太の飛球を背走して、好捕する阪神・中野拓夢=横浜スタジアム(撮影・荒木孝雄)

◆使ってもらっている以上は結果を出す。井上広大外野手(22)の根性が乗り移った打球が中前に弾んだ。「ツーアウトから投手に対しての四球だったので、四球が点になるというのは1軍でもそうですし、ファームでも口酸っぱく言われていたので」横浜スタジアムに到着してから1番を知った。大東市・南郷中時代に在籍した東大阪シニア以来のポジションでも「1番か~って感じ」と気負いはなかった。10日に今季初昇格を果たした後の2試合で近本が1番として積極的に仕掛けている姿を見て、自分の持ち味を生かすと決意。一回こそ三球三振に終わったが、初球から振りにいったことで「いい方向にいくと思う」と納得していた。三回2死、9番才木が四球を選んだ後、大貫のツーシームをとらえて中前打。直後の中野の右翼線への適時二塁打をアシストした。「自分がつないで、中野さんだったり近本さんが続く中で、しっかりつなげたのがよかったと思います」。ノーステップ打法にモデルチェンジして、今季ウエスタン・リーグで4本塁打を放った大砲は打順に関係なく適応してみせた。

◆ハハァ~才木様! 阪神はDeNAに1-0で勝利。才木浩人投手(25)が128球の熱投で4安打に抑え、自身4度目の完封劇を成し遂げた。11日は最大7点リードも逆転負け。岡田彰布監督(66)は「才木様々」と最敬礼した。チームは「母の日」で4連勝を飾り、巨人を抜いて再び首位に立った。筒香フィーバーはもうゴメン。才木が力と技でDeNA打線をねじ伏せた。今季最多128球もイニングを重ねるたびに勢いが増していく。九回2死。最後は牧に150キロ直球で前に飛ばさせない。邪飛が梅野のミットに吸い込まれた瞬間、ガッツポーズを作った。「もうちょっと点を欲しかったですね~」4安打完封でチームトップの4勝目を挙げたヒーローインタビュー。打席でも計2四球を選んで、中野の決勝打につなげただけにユーモアを交えて〝本音〟で語った。「(チームを)救ったと言ったらアレですけど。昨日の展開の後だったので。きっちりと締めないといけないなと。最後の八回、九回も全然、まだ余力が残っていた」この日の最速は153キロ。フォーク、スライダー、110キロ台のカーブも織り交ぜた。最大のピンチは七回無死一、二塁。7点リードを逆転された前日、岩崎が決勝弾を献上した筒香と対峙した。2球目の内角高めの直球で詰まらせて二ゴロ併殺。四回にも152キロ直球で空振り三振を奪っていた。「あれが、きょう一番のプレーじゃないかな」七回終了時で球数は100球に達していた。打線は大貫攻略に苦戦し、三回に中野が適時二塁打で挙げた1点のみ。岩崎は3連投になるため使えず、ベンチは才木に最後まで託すか、ゲラにバトンを渡すかの選択だった。岡田監督は「風で高め(の球)がちょっと伸びている」と試合中に分析。完封へ、背中を押すことを決断し「六回くらいから安心して。逆にな。才木様々よ。はっきり言うて」とご満悦だ。

◆最大7点差を逆転した乱打戦から一転、締まった投手戦にDeNAは今季3度目の零封負け。相手打線を2安打に抑えながら才木に4安打完封を許し、三浦大輔監督(50)は「真っすぐも強かったし、変化球の切れも良かった。何回かはチャンスをつくれたけれど、うまくいかなかった」と唇をかんだ。10日の試合で打球が直撃し、頭部打撲で11日は欠場した宮崎が今季初の3番で復帰。佐野が今季初めて2番に入り、4番牧、5番筒香とタイトルホルダーが並ぶ強力打線を形成した。1点を追う七回。先頭の宮崎が左前打、続く牧が四球を選び無死一、二塁の好機をつくったが、前戦で決勝の2号ソロを放った筒香が二ゴロ併殺打に打ち取られ、3万3277人が詰めかけた本拠地のベイ党からため息がもれた。阪神との3連戦に負け越し。再び借金2となった。14日からは巨人との2連戦。必死に上位に食らいつく。(浜浦日向)

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)は4日の巨人戦(東京ドーム)以来6試合ぶりに先発メンバーから外れ、そのとき以来の欠場となった。4年目の今季は打率・200、3本塁打、17打点。5番で起用された11日は2安打1打点を残したが、セ・リーグワーストの45三振が示すようにボール球を振る姿が目立っているため、岡田監督も浮上のきっかけを探っている。また、打率・233の森下は今季初めて欠場した。

◆阪神・才木浩人投手(25)が自身4度目の完封勝利を挙げた。才木の母、久子さんは兵庫・神戸市内の自宅で息子の力投を見届け、声を弾ませた。「昨日のきょうだったので、試合には勝ちたかったんですが、前回、前々回が5回までの投球でした。きょうは6回くらいと期待していたんですが...。完投するとは、ビッくらポンですね!」「母の日」に向けてはLINEで「(特別仕様の)スパイクとグラブを贈るわ」とうれしいメッセージが届いたという。「(決勝点につながった三回の)浩人の四球もよかったです。先発ローテーションを外されないようにいってもらって、『父の日』も勝ってもらいたいですね」このまま日曜日の登板が続けば6月16日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)で先発か-。父・昭義さんも〝プレゼント〟を楽しみにしている。

◆最大7点リードからの衝撃的な逆転負けを食らったのが11日。一夜明けて発表されたスターティングメンバーは、現場にいるトラ番も「エッ?!」と声が出るほど驚きのものだった。前キャップのビヤ樽こと三木建次が正直に打ち明ける。「1番に井上とは、まったく予想できんかったわ。189センチ、100キロの長距離砲候補やで。2004年から08年の前回政権時にも浜中(治)や桜井(広大)に1番を打たせていたような気がするけど、ここまで極端な打線のいじり方はこれまでの岡田監督では考えられんかったわ」160センチ、96キロという〝ビヤ樽体形〟のおじさんに言われたくはないし、アスリートなのだから単純に「大きい=動けない」というわけではない。ただ、たしかに〝100キロ級の1番打者〟というのは近年の虎にはなかったような迫力を感じる。ビヤ樽はさらにイイ調子で私見を語った。「屈辱的な負け方をしたら次の日が大事や。きょうを取れば11日の負けもなんてことない。この打順も『機動力を捨ててでも、この試合は絶対に取る』という監督の気持ちの表れで、選手たちへのメッセージやろうな」そして、ビヤ樽の見立て通りに、虎戦士たちが見せたプレーからは「この一戦に懸ける思い」がほとばしった。三回に奪った1点は〝100キロの1番打者〟の井上がつなぎ、中野の適時打でもぎ取った。中野は守備でも背走からの絶妙なキャッチも見せて貢献。才木の128球完封をもり立てた。

◆才木浩人、128球4安打完封の白星をありがとう!! いや、母の日だから、母に贈るピンク星です。お母さん、おめでとう!! 本日はストレートが打者の手元で伸びてたね~。その証拠に27のアウトのうちフライアウトが11個+空振りの三振が5個もあったのだ。(三回の佐野の三振はカーブだったけど)しかし...野球っていったい、どーいうスポーツなわけ? 前日両チーム合わせて27安打、20得点だったのに、本日は両軍でわずか1点ポッキリ...。てか、わが阪神なんて三回の井上と中野(決勝打)の2安打だけ...ホンマに同じチームなのかー!?う~ん...『勝ってかぶとの大山悠輔』。相変わらずの貧打線をどうにかしないと、です。現在、阪神で一番期待できる近本を3番で起用したけど、責任感からかノーヒットに終わったし...。じゃあ近本を1番に戻し、若虎井上(右投手なら前川)を3番に起用? 重圧かかるよなぁ。行き着く先は不振の大山に復調してもらい、そして大、大、大不振の佐藤輝、森下に復活してもらうしかないんだよ! 気張ったれドラ1組!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
阪神
18144 0.563
(↑0.015)
-
(↓0.5)
107117
(+1)
103
(-)
21
(-)
10
(-)
0.229
(↓0.004)
2.250
(↑0.07)
2
(1↓)
巨人
19163 0.543
(↓0.016)
0.5
(↑0.5)
10595
(+1)
93
(+3)
17
(+1)
20
(+1)
0.228
(↓0.001)
2.300
(↓0.02)
3
(-)
広島
14144 0.500
(-)
2
(-)
11187
(-)
81
(-)
12
(-)
13
(-)
0.229
(-)
2.450
(-)
4
(-)
DeNA
16181 0.471
(↓0.014)
3
(↓0.5)
108116
(-)
136
(+1)
15
(-)
20
(+1)
0.242
(↓0.003)
3.470
(↑0.08)
5
(-)
中日
15174 0.469
(-)
3
(-)
10799
(-)
121
(-)
18
(-)
3
(-)
0.245
(-)
3.060
(-)
6
(-)
ヤクルト
15182 0.455
(↑0.017)
3.5
(↑0.5)
108143
(+3)
123
(+1)
26
(+1)
15
(+1)
0.248
(↑0.002)
3.390
(↑0.07)