阪神(★0対2☆)広島 =リーグ戦6回戦(2024.05.07)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:床田 寛樹(3勝2敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝1敗8S))
敗戦投手:村上 頌樹(2勝2敗0S)
  DAZN
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◆広島は初回、小園の犠飛で先制に成功する。そのまま迎えた5回表には、秋山の適時打で1点を加え、リードを広げた。投げては、先発・床田が8回途中無失点の力投で今季3勝目。敗れた阪神は、打線が相手を上回る7安打を放つも、好機であと1本が出なかった。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(29)が、今季2度目となる3番でスタメン起用された。広島先発床田には、前回4月30日の対戦で2打数2安打と好相性を誇る。また、佐藤輝明内野手(25)が4月23日DeNA戦以来となる「5番三塁」で先発する。先発は村上頌樹投手(25)。2週連続完投勝利なるか。

◆プロ入り初の「4番三塁」でスタメン出場を果たした広島の6年目・小園海斗内野手(23)が、4番初打席でいきなり仕事をした。初回1死一、三塁で、中堅へ先制の犠飛を放ち、チームに11イニングぶりの得点をもたらした。小園は「チャンスだったので先制につながる打席になってよかったです。最低限の仕事ができました」とコメントした。プロ入り後、これまで4番を除く全ての打順で先発出場し、1軍通算410試合目にして、全打順での先発出場経験者になった。今季の先発打順は、3番で18試合、5番で10試合に出場しており、直近の5日DeNA戦(マツダスタジアム)では3番で出場していた。

◆試合前のファーストピッチセレモニーにお笑いコンビ「ちゃんぴおんず」と「オーダースーツSADA」の佐田展隆社長が登場した。3人ともにSADAのスーツに身を包み、「ちゃんぴおんず」の日本一おもしろい大崎が投手、大ちゃんが打席へ、佐田社長が審判を務めた。投手役の日本一おもしろい大崎は元高校球児で長崎日大時代に07年夏の甲子園で4強入りし、ベンチ入りもしていた。翌日8日に先発する広島大瀬良は高校時代の2学年後輩で、「いいところを見せようと思った」と力みにつながりワンバウンド投球。「相手が広島じゃなければストライクでした。大瀬良がいるんで」と笑い飛ばした。バッターボックスに立った大ちゃんも「打ってやろうと思った。緊張した」とガチガチになりながら役割を全う。佐田社長も「3人とも緊張しましたよね」とそれぞれが大舞台を楽しんだ。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)の飛球が、広島遊撃矢野雅哉内野手(25)にスーパーキャッチされた。4回2死一塁。佐藤輝が左翼ファウルゾーンへ打ち上げた飛球を、矢野が背走しながらキャッチ。そのままフェンスに激突するも、ボールは離さなかった。野性味あふれるプレーに甲子園の虎党からもどよめきが起こった。この日は右翼から左翼に吹く甲子園特有の「浜風」も吹いている中での好守備。阪神打線は4回まで無得点に抑えられている。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が1試合2失策を犯した。初回無死二塁では2番野間の平凡な当たりをファンブル。ピンチが広がり、その後の失点につながった。5回1死では堂林の打球をハーフバウンドで捕球を試みたが、後ろにそらしてしまった。この失策が再び失点につながり、昨季ゴールデン・グラブ賞を獲得した二塁手の失策に、甲子園はため息で包まれた。

◆防御率リーグトップの阪神村上頌樹投手(25)が防御率0点台に突入した。試合開始前で防御率は1・06を誇り、巨人菅野を上回りリーグトップに立っていた。初回に秋山に二塁打を許し、その後に犠飛で失点したが、失策が絡んでおり自責点はつかず。3回先頭の床田を見逃し三振に抑えて、ついに0点台に突入した。昨年リーグMVPと新人王をダブル受賞した右腕は今季も快調。試合前での防御率0点台はオリックスのエスピノーザが0・55だが、セ・リーグではいない。安定した投球で防御率を良化させている。

◆阪神村上頌樹投手(25)が防御率0・88まで良化させて降板した。1、5回と1点ずつを失ったが失策が絡んでおり自責点はつかず。7回5安打8奪三振2失点(自責0)でマウンドを降りた。今季初の無四球ピッチングだったが、打線の援護なく2点のリードを許した状態で7回に代打が送られた。それでも防御率はリーグトップを維持する0・88。奪三振も36個で巨人戸郷の38個に次ぐリーグ2位に浮上した。

◆この日の観衆が4万2606人と発表され、4月9日広島戦の4万2601人を抜いて、今季最多観衆となった。阪神は先発の村上頌樹投手(25)が7回5安打2失点、116球の力投を見せるも、打線が広島先発床田を前に5安打に抑え込まれ、7回まで2点のリードを許している。

◆阪神が、終盤の好機を逃し、先発村上頌樹投手(25)で接戦を落とした。6回を終えて球数は101球に達していたが、そのまま打席に入り、7回も続投。7回5安打2失点、8奪三振で116球の力投も、打線の援護がなく2敗目を喫した。ミスが相手の得点に直結した。初回、無死二塁で広島2番野間の平凡なゴロを二塁中野拓夢内野手(27)がファンブル。無死一、三塁とピンチを広げ、4番小園の中犠飛につながった。5回は1死から、7番堂林の二塁への当たりにハーフバウンドで捕球を試みたが、後ろへそらした。その後、1番秋山に適時打を浴び、2点ビハインドとなった。中野の2失策がいずれも失点につながった。村上は自責点0で、防御率は0・88まで良化。リーグ1位をキープしたが、チームの勝利には結びつかなかった。打線は左腕床田を攻略することができなかった。7回2死二、三塁で代打原口文仁内野手(32)が死球。続く満塁機で代打小野寺暖外野手(26)を送り込んだが、遊飛に倒れた。岡田彰布監督(66)が代打攻勢を仕掛けるも実らなかった。さらに8回にも1死満塁の絶好機をつくるも、佐藤輝明内野手(25)が見逃し三振、森下翔太外野手(23)が二ゴロに仕留められた。2イニング連続の満塁のチャンスをものにすることができず、甲子園にため息が充満した。

◆広島がロースコアゲームをモノにし、首位阪神を下した。先発床田寛樹投手(29)が8回途中7安打無失点の力投で今季3勝目。チームでは昨季からポストシーズンを含め4月9日まで11連敗を喫した甲子園で、3連勝を飾った。打線はプロ初の4番に抜てきされた小園海斗内野手(23)が奮闘した。初回1死一、三塁から先制の中犠飛を放ち、チームとして11イニングぶりの得点をたたき出し、これが決勝打となった。リードオフマンの秋山翔吾外野手(36)は1点リードの5回2死一、二塁から左前への適時打をマーク。初回には先制点の口火を切る右翼線への二塁打を放ち、10試合連続安打&2試合連続マルチ安打で好調をキープした。

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◆阪神が2イニング連続の満塁で得点できなかった。0-2の7回は2死満塁の好機をつくりながら、代打の小野寺暖外野手(26)が遊撃への小フライに倒れており無得点に終わった。8回は1死満塁と長打が出れば逆転の場面をつくり、広島の投手は床田から島内にスイッチ。5番佐藤輝明内野手(25)が打席に入った。フルカウントから外角154キロ直球に見逃し三振。続く森下翔太外野手(23)が二ゴロに倒れて、またしても得点できなかった。2イニング連続で満塁を生かせず。今季最多4万2606人の観客からため息がもれた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が、絶好機で見逃し三振に倒れた。2点ビハインドの8回1死満塁。広島島内の外角球に手が出なかった。「何も言えないです」と悔しさを押し殺した。岡田監督は「そら、ボールばっかり振ってるバッターやからな。選球眼のええバッターやったら、審判もボール言うかもわからんで」と指摘。「そういう意味では味方につけなあかんわ、審判も」と注文をつけた。さらに「2球、ファウルでも甘い球やからな、結局な」と追い込まれるまでのボールを仕留め切ることができなかったことをポイントに挙げた。「真っすぐも"1、2、3"でいけるカウントやしな。そういう意味では1球で仕留める、そういう場面。粘ってのあれじゃないもんな。ああいうチャンスは一発で仕留めんとな、1スイングで」と課題を挙げた。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が、1試合2失策を犯した。初回無死二塁では、2番野間の平凡な当たりをファンブル。ピンチが広がり、その後の失点につながった。5回1死では堂林の打球をハーフバウンドで捕球を試みたが、後ろにそらしてしまった。こちらも失点につながった。昨季ゴールデン・グラブ賞を獲得した二塁手の失策に、甲子園はため息で包まれた。試合後には「普通にバウンドが変わったりしなかったら捕れる打球ではあった。でも、それに対応していかないといけない、土のホームグラウンドですし。跳ねた、跳ねていないというのを言い訳にしないように練習するしかない。しっかりと練習します」と反省。岡田監督は「シートかぶせた後は気いつけなあかんねん」と指摘した。前夜は雨天中止。甲子園の黒土部分には全面シートがかぶせられていた。

◆今季2度目の3番起用された阪神シェルドン・ノイジー外野手(29)は2併殺を悔やんだ。1点を取られた直後の1回。1死一塁から遊ゴロ併殺に倒れると、4回は無死一塁から投ゴロ併殺と好機を拡大できなかった。「良くなかったですね。最初の2打席に2つ併殺を打ってしまった。悪かったと思います」。8回は中前打でつないで好機を演出しただけに、床田から奪われた2併殺に反省しきりだった。

◆阪神が、終盤の好機を逃し、先発村上頌樹投手(25)で接戦を落とした。6回を終えて球数は101球に達していたが、そのまま打席に入り、7回も続投。7回5安打2失点(自責0)、8奪三振で116球の力投も、打線の援護がなく2敗目を喫した。8回2死満塁の好機で、きわどい外角直球に見逃し三振に倒れた佐藤輝明内野手(25)について、岡田彰布監督(66)は「そらボールばっかり振ってるバッターやからな。そらそうやで、選球眼のええバッターやったら、審判も人間やから、ボールいうかも分からんで」と率直に話した。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-村上に勝ちをつけたかったまあ、自責0やからなあ。-粘り強く投げていたいやいや、だからまだ行かせたんよ。あそこな。そら、勝ち投手な、(自責)ゼロで負けたらな。-6回に代打を出さなかったのは、続投の方が試合に勝つ確率も高いと考えたいや、確率やなしに、そんなん代えられへんよ、あんなところで。(打席が)回ってきても代えてないよ。誰も用意してないよ。-7回、8回はチャンスだったあれ、ストライクか。なんか、ちょっと広かったなあ。近本のも簡単に見送ったやつもなんか。-今日は判定もあったか判定ていうか、そらボールばっかり振ってるバッターやからな。そらそうやで、選球眼のええバッターやったら、審判も人間やから、ボールいうかも分からんで。-そう思われてるそうやんか、ボール振るバッターやから、そら人間やから審判も思いよるよ。こいつは絶対ボール振れへんてなればボールなるよ。機械じゃないんやから。そういう意味では味方に付けなあかんわ、審判も。-8回なんとかしたかったそんなん当たり前やんか、なんとかしたいのは。でも、2球ファウルでも甘い球やからな結局な、あれファウルにしとったらなあ、あかんわなやっぱりな。あれで仕留めとかなあかんわのう。-1-3の5球目の真っすぐも真っすぐも1、2、3で行けるようなカウントやしなあ。そういう意味では1球で仕留める、そういう場面やから。何球も粘って粘ってのあれじゃない場面やもんな。ああいうチャンスは1発で仕留めんとなあ、1スイングで。-2点差で桐敷投入したのも勝ちに行くためいやそら分からんから。打順的にもなあ、1番点入る打順やったしなあ。-床田ももう負けられないと投げてきたでもよう投げさしたなあ。頭から代わると思ったけどなあ、8回は。-続投してきた時はしめたと思ったかそら思うよ。-中野の1試合2失策も珍しいいや、(グラウンドに)シートかぶせた後は気いつけなあかんねん。

◆阪神桐敷拓馬投手(24)が11試合連続無失点でつないだ。先発村上のあとを受けて8回から登板。先頭の2番野間を空振り三振に仕留めると、菊池と小園を内野ゴロに抑えて上位打線を3者凡退とした。「(村上)頌樹さんが粘っていたので、いい形で攻撃の方に流れを持ってこられるように頑張りました。きっちり先頭を切るところは心がけていますし、それは今できている」と自信を深めた。

◆阪神森下翔太外野手(23)は8回の好機で1本が出なかった。0-2の8回2死満塁で打席が回った。カウント2-2から広島島内の内角154キロに詰まらされて二ゴロに終わり、観客のため息を誘った。「打てないことは仕方ないので、切り替えて明日頑張りたいと思います」。一方で7回には右翼線への二塁打を放っており「長打が逆方向に出たのは良かった」と手応えも感じていた。

◆阪神小野寺暖外野手(26)はビッグチャンスをものにできなかった。7回2死満塁で代打登場。床田の食い込んでくるカットボールを、バットを折られながら打ち返したが、遊撃手への小フライに終わった。「力負けです。後から(ベンチから)行く以上、ああいう場面で打たないといけない。ギアを上げた投手の打席に立てたし、次は打てるように練習します」と懸命に前を向いた。

◆広島新井貴浩監督(47)が、末包昇大外野手(27)を8日の阪神7回戦(甲子園)から1軍に今季初昇格させることを明言した。指揮官は「明日(甲子園に)来ます」と明かした。末包は1月の合同自主トレ中に古傷でもあった左膝の内側半月板を損傷して離脱。3月下旬に実戦復帰していた。代わって田村俊介外野手(20)の2軍降格が決定。3年目の今季は開幕スタメンを勝ち取るも、ここまで22試合の出場で打率1割8分2厘、0本塁打、2打点にとどまっていた。新井監督は「タムも開幕してここまで、すごくいい経験をしていると思うんですよね。ただやっぱり他の選手も頑張っているので、なかなかスタメンで使ってあげられる機会というのが減ってきていたので」と説明。「彼はまだ若いこれからの選手なので、しっかり野球をやらせないとダメだなというのは結構前から思っていたので。そこは彼と話をして『これからなんだから、しっかり野球をしてきなさい』という風に言いました」と明かした。

◆昨季二塁手でゴールデングラブ賞を受賞した、阪神中野拓夢内野手(27)が痛い2失策を犯した。初回無死二塁で、ややイレギュラーした緩いゴロをファンブル。先制点につながった。5回1死ではハーフライナーにバウンドを合わせられず、2点目の糸口とされた。「ホームグラウンドだし対応しないといけない。言い訳にしないように。もう練習するしかないので」と切り替えた。打撃では2安打をマークした。

◆阪神村上頌樹投手(25)は試合後、力投にも反省の言葉を並べた。「チームに貢献することが一番。勝てなかったっていうのは貢献できていないということ。反省です」。7回5安打、無四球で2失点。今季最多116球で8奪三振も、援護がなく2敗目を喫した。初回無死二塁で、中野が野間の二ゴロをファンブル。1死一、三塁から小園に中犠飛を許し、先制点を献上した。5回1死では再び中野が堂林の二塁への打球をそらした。こちらもその後、秋山の適時打につながった。「カバーできなかったのが一番の反省点。中野さんに申し訳ない」と味方のミスも背負った。「点をあげてしまいリズムも悪くなった」と悔しがった。自責点はつかず、防御率はセ・リーグ唯一の0点台となる0・88まで良化した。本来はうれしいはずだが、黒星の事実に唇をかんだ。「(防御率は)低くなればいいと思いますけど、今日は勝てなかった。そこがダメ」。5試合連続で7イニング以上を投げ、自責点は1以内。目標の2年連続となる最優秀防御率のタイトルへ好発進も、フォア・ザ・チームの精神を持つ男は納得できなかった。6回を終えて球数は101球に達していたが、岡田監督は続投を選択した。「まあ、自責ゼロやからな」と説明。6回裏の攻撃では代打を送らず「そんなん代えられへんよ、あんなところで」。村上も「まだいける」と、指揮官の信頼に応えるべく最後まで腕を振った。先週4月30日広島戦は9回1失点で完投勝利を飾っていたが、チームでは22年4月の青柳以来となる2戦連続完投勝利とはならなかった。次は勝利で笑いたい。【中野椋】

◆広島床田寛樹投手(29)が8回途中7安打無失点の好投で今季3勝目を手にした。7回まで無失点で切り抜け、8回は1死満塁のピンチを招いたところで降板も、2番手島内が後続を断った。昨季リーグMVPの阪神村上との昨季から通算4度目の投げ合いで初めて投げ勝ち「今日負けたら2度と勝てないんじゃないかというくらいのピッチャーなので、何とか勝ててよかった」。打っても5回に右前打を放って打率が3割8厘に上昇も「森下は4割打ってるので、もうちょっと打てるようにしたい」と笑った。▽広島島内(8回1死満塁から登板して火消しに成功)「次に投げる栗林のことを考えても、1点もやらないのが目標でした」▽広島秋山(5回2死一、二塁からの左前適時打を含む2安打1打点で10試合連続安打)「(村上に)ずっとやられてるわけにはいかないし、あそこは1本出したかった」▽広島矢野「(4回、三塁ファウルゾーンでフライをフェンスにぶつかりながら好捕)「あれを捕らないと。打ち取った打球なので捕れてよかったです。(衝撃には)大丈夫です」

◆"シン4番"が難敵阪神村上攻略に貢献した。今季16イニングで1点しか奪えず、すでに2敗を喫していた村上から2点を取って勝ちきった。新井采配が的中した。プロ入り初の4番に置いた小園海斗内野手が、1回1死一、三塁で中堅へ先制の犠飛を放ち、チームに11イニングぶりの得点をもたらした。「3番も打たせてもらっていて、(4番でも)状況的には何も変わらないと思って、1点入ればいいかなと」。6回には右前打で4番初安打もマークした。指揮官は「得点圏で強いのもあるし打順の並びを考えて4番に」と、得点圏打率4割の勝負強さを買っての抜てきだったことを明かした。小園は、1軍通算410試合目で全打順での先発出場にもなった。この日は、中学時代から小園を知る報徳学園の宮崎翔コーチ(37)も観戦。新たな打順で活躍し、恩師にも白星を届けた。

◆広島がロースコアゲームをモノにし、首位阪神を下した。先発床田寛樹投手(29)が8回途中7安打無失点の力投で今季3勝目。チームでは昨季からポストシーズンを含め4月9日まで11連敗を喫した甲子園で、3連勝を飾った。打線はプロ初の4番に抜てきされた小園海斗内野手(23)が奮闘した。初回1死一、三塁から先制の中犠飛を放ち、チームとして11イニングぶりの得点をたたき出し、これが決勝打となった。リードオフマンの秋山翔吾外野手(36)は1点リードの5回2死一、二塁から左前への適時打をマーク。初回には先制点の口火を切る右翼線への二塁打を放ち、10試合連続安打&2試合連続マルチ安打で好調をキープした。新井貴浩監督(47)の一問一答は以下の通り。-床田が踏ん張った「素晴らしいピッチングだったと思います」-7回で100球超えてたと思うんですが、8回も続くというのは「1番近本から始まるっていうことで、行ってもらいました。でももし佐藤輝まで回るようなことがあったら、そこではもう代えようっていう風に決めてたんで」-島内もその後しっかり抑えた「いや、ほんとね、もうすごい場面でね、すごいピッチングをしてくれたと思います。ナイスピッチングでした」-打線に関しては、秋山選手が切り開いて「ね、ほんとに、アキらしいというか、貴重な追加点だったし、あのタイムリーもでしょ。こっちがね、追加点欲しいって思ってるとこでね、ほんとに貴重な、いいタイムリーを打ってくれたと思います。ナイスバッティングでした。初回の小園の犠牲フライもね、しっかりと捉えた当たりだったんで、そこもね、ナイススイングだったと思います」-小園を4番に配置しようと思ったタイミングは「まあまあ、じゃあ今日4番にしようと思ったんじゃなしに、そういう(要素)のも持ってたんで、いろいろ考えて、やっぱりこう、得点圏で強いっていうのもあるし。いろいろ打順の並びを、座りを考えた時に、4番に入ってもらいました」-今後も4番は十分可能性はある「もちろん、もちろん。それもいろいろまたこっちも考えながらやっていきたいなと思います」-4番で出せるっていうだけ、成長してるのを感じてるっていうことか「うん、成長してますよ。もう去年から彼は成長してるんで、またそれだけのものをね、見せてくれてるし。じゃあずっと4番かって言ったらそういうわけでもないと思うんですけどね。4番を打ってもね、初めてだったけどね、しっかりいい仕事をしてくれたし。やっぱり成長してるし、技術的な裏付けもあるんでね、やっぱり何番を打とうが自分のスイングをできてるなと思います」-ファームで高2軍監督が末包選手について「推薦できる」と。昇格時期に関しては?「明日(甲子園に)来ます。田村と末包を入れ替えて。タムも開幕してここまで、すごくいい経験をしていると思うんですよね。ただやっぱりなかなか他の選手も頑張っているのでなかなかスタメンで使ってあげられる機会というのが減ってきていたので。彼はまだ若いこれからの選手なので、しっかり野球をやらせないとダメだなというのはけっこう前から思っていたので。そこは彼と話をして『これからなんだから、しっかり野球をしてきなさい』という風に言いました」-秋山選手の状態が上がってきた。監督から見て、どんなところが良くなってきた?「もともとね、これぐらいは打てる打者なので。彼にとっては普通でしょ。どこが良くなったというのはね、彼もいろいろ試行錯誤しながらね、取り組んでいると思うんですよね。何と言っても間が取れているので、速い球もしっかりと強い打球を打ち返せていますよね」

◆阪神が2イニング連続の満塁機をモノにできず、今季4度目の完封負けを喫した。8回1死満塁からは佐藤輝明内野手(25)、森下翔太外野手(23)が2者連続凡退。きわどいコースの直球で見逃し三振を喫した佐藤輝に、岡田彰布監督(66)は「選球眼のええバッターやったら、ボール言うかも分からんで」と率直に話した。今季最多の観客4万2606人が集まった甲子園で白星を逃し、2位巨人に1・5ゲーム差に迫られた。今季最多の4万2606人が集まった甲子園。2度の大歓声は、ため息へと変わってしまった。2点を追う7回2死満塁で代打小野寺が遊飛。続く8回も1死満塁の絶好機だったが、佐藤輝が見逃し三振、森下は二ゴロに倒れた。「当たり前やんか、なんとかしたいのは」。最後のチャンスで無得点に終わり、岡田監督もついため息。今季4度目の完封負けを喫した。序盤は広島に勢いが傾いた。初回は中野の二ゴロファンブルから先制点を献上。5回1死での後逸も2失点目につながった。昨季ゴールデングラブ賞の二塁手が、遊撃で出場した22年9月18日以来となるまさかの複数失策。そんな流れの中、反撃ムードが最高潮に達したのは8回だった。1番近本からつないで塁を埋め、打席に立ったのは佐藤輝。しかし、フルカウントからきわどいコースの外角直球を見逃すも、球審はストライクの判定。悔しさをにじませた大砲は「何も言えないです」と言葉少なに振り返った。厳しい判定もあったか? そんな問いに、岡田監督は率直な感想を話した。「判定ていうか、そらボールばっかり振ってるバッターやからな。選球眼のええバッターやったら、審判も人間やから、ボール言うかも分からんで」いつも見極めている姿があれば、球審の心証だって変わるかもしれない。「こいつは絶対ボール振れへんてなればボールなるよ。機械じゃないんやから。そういう意味では味方につけなあかんわ、審判も」。進化を求める佐藤輝に、指揮官ならではの注文をつけた。打率1割9分3厘。三振に倒れる直前には、甘めに入った直球を仕留めきれずファウルにした。指揮官はここも厳しく指摘した。「何球も粘って粘っての場面じゃないもんな。ああいうチャンスは一発で仕留めんとなあ、1スイングで」主軸に座る男に快音が出なければ、打線は盛り上がらない。これで2位巨人とは1・5ゲーム差。奮起を信じて、1戦1戦を戦っていく。【磯綾乃】

◆広島小園海斗内野手(23)は人知れず恩師に晴れ姿を初披露していた。プロで初めて4番スタメン起用され、初回にいきなり先制犠飛で決勝点をあげた一戦。実は報徳学園時代の恩師、宮崎翔(つばさ)コーチ(37)が甲子園まで駆けつけてくれていた。ゴールデンウイーク明けの同校練習休日と広島の甲子園ゲームが重なり、教え子のプロ6年目、1軍通算410試合目にして初めて「広島小園」のプレーを生観戦。同校グラウンドから聖地まで直線距離で約5キロという立地も味方につけ、甲子園のバックネット裏から勇姿を目に焼きつけた。小園は決勝犠飛に加え、6回に4番初安打も記録。宮崎コーチは「最低限をしっかりやってくれました。4番として打点を挙げたことより、カープファンに応援してもらっている姿がうれしかった。ファンの方が小園と名前が書かれたグッズを持つ姿がなんだかうれしかったです」と目を細めた。まだ中学生だった頃から追いかけてきた教え子とは、今でも交流が続く。小園にとっては「僕だけの力でなく、その力もあってプロになれた」と感謝する恩人の1人に違いない。「私生活もそうですし、『練習からしっかりやらないと試合でそれ以上のことはできない』と。確実に基本をこなして試合で発揮する。普通にやることを教わりました」2人は試合前、バックネット越しに再会。「基本に忠実に、焦ることなく堂々とプレーしてる姿を見てもらいたい」。そう意気込んでいた小園は活躍と勝利を恩師に届けた直後、思わずほおを緩ませた。「結果を残せて良かったです。また見に来てもらえたらと思いますし、活躍できるように頑張りたいです」高校3年夏に報徳学園のリードオフマンとして甲子園を沸かせてから6年後、教え子はカープの4番を任されるまでに成長を遂げた。宮崎コーチは試合後、感慨深げな表情で聖地を後にした。【中島麗】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】広島の矢野雅哉内野手がフェンスに激突!邪飛を背走しながらナイスキャッチも、勢いのままフェンスに接触。動けなくなるほどの衝撃もボールは離さずアウトを奪いました!

◆阪神は村上頌樹投手(25)が先発する。前回登板となった4月30日にも広島打線を9回1失点と圧倒して完投勝利をおさめた。前夜は今季2度目の雨天中止となったが、リーグトップの防御率1・06を誇る右腕が再びチームを勢いづける。5日の巨人戦で「3番」で先発した佐藤輝明内野手(25)は「5番」で出場。巨人戦で左脇腹付近に死球を受けていた森下翔太外野手(23)も「6番・右翼」で名を連ねた。

◆一回から守りが乱れ阪神が先制を許した。リーグトップの防御率1・06を誇る村上が先発したが、先頭の秋山に右翼線二塁打を浴びてしまう。続く野間が放ったゴロを、二塁・中野がまさかのファンブル。処理していれば1死三塁だったはずが、無死一、三塁となった。菊池は三振に斬った村上だったが、続く小園に先制の中犠飛を許してしまった。村上は4月30日の広島戦(マツダ)での前回登板でも秋山に先頭打者本塁打を浴び一回に失点。しかし、その1点のみで踏ん張り完投勝利を挙げている。今季は先制点を与えるケースが多く、6度目の先発登板で5度目の先制点献上となった。

◆オーダースーツSADAの冠試合として行われ、同社の佐田展隆社長(49)とお笑いコンビ「ちゃんぴおんず」の日本一おもしろい大崎(34)と大ちゃん(33)がSADAのオーダースーツ姿でファーストピッチに登場。長崎日大高野球部出身で3年時の2007年夏に甲子園の土を踏んでいる元高校球児の大崎が投手、大ちゃんが打者、佐田社長が審判を務めた。大崎の投球はワンバウンドでミットへ。広島のメンバーに、高校の2年後輩にあたる大瀬良大地投手(32)がいることから「大瀬良がもしかしたら見ているかもと思うと、『後輩の前で下手なところを見せられない』と必要以上に緊張して震えてました」と釈明した。ちゃんぴおんずの着ていたスーツは通常の衣装のピンクと違い、タイガースのエンブレムが入ったネイビーのスーツ。大ちゃんは「今回初めてスーツを作ったんです。初の始球式に着たやつとして一生の思い出になります」と喜んでいた。

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(29)が、痛恨の2打席連続併殺打だ。まずは0-1の一回1死一塁では遊ゴロ併殺に倒れてしまう。そして、1点を追う四回先頭で中野が右前打を放ったところで第2打席が巡ってきたが、床田の前にここでも投ゴロ併殺に打ち取られてしまった。今季のノイジーは、試合前時点で左投手に対し打率・350(20打数7安打)と好相性だった。4月11日の広島戦(甲子園)以来、今季2度目の3番で起用されたが、ここまでは期待に応えられない展開となっている。今季の阪神は、試合前時点でリーグワーストの26併殺打。ノイジーの2併殺で、試合前時点で12球団ワーストだった日本ハムの28併殺打に並んだ。拙攻も響き、阪神は三塁を踏めない展開が続いている。

◆昨季ゴールデングラブ賞に輝いた阪神・中野拓夢内野手(27)が、二塁守備で1試合2失策。いずれも失点につながる苦しい展開となってしまった。一回には無死二塁で野間の二ゴロをファンブルし、先制点献上につなげてしまっていた。そして、0-1の五回にまさかの2失策目を犯す。1死から堂林が放った当たりにバウンドを合わせられずに後逸してしまった。先発の村上としても踏ん張りたい場面だったが、2死から投手の床田に右前打を許してしまう。続く秋山に左前適時打を浴びて0-2とされた。この試合の2失点にいずれも中野の失策が絡み、試合前時点でリーグトップの防御率1・06だった村上の自責はゼロのままという展開になってしまった。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が好守で村上を救った。0-2で迎えた六回。先発の村上が菊池、小園に連打で無死一、二塁のピンチを背負った。広島・坂倉はバットを寝かせる。初球、バントを試みた坂倉の打球は一塁線へ。猛チャージで捕球した一塁・大山はためらうことなく三塁へ送球。二走・菊池をアウトに仕留め、ピンチを広げなかった。これには村上も拍手。大山の好守で1死一、二塁とした村上は続く宇草を空振り三振。堂林を空振り三振に斬り、ピンチを脱した。

◆阪神が一打同点の絶好機を逃した。広島の先発、床田の前に無得点に抑えられていたが、七回1死から佐藤輝が中前打で出塁すると、森下が右翼線への二塁打を放って1死二、三塁と好機を広げた。森下はこの日の第2打席まで左投手に対し5打席連続三振を喫していたが、床田からの今季初安打で脱出。試合前まで打率・167と苦しめられていた左腕から放つ12打席ぶりの安打となった。しかし、続く坂本が二飛に倒れて2死。代打・原口が死球を受けて2死満塁となったが、続く代打・小野寺が遊飛に打ち取られ、本塁が遠かった。

◆阪神が2イニング連続で満塁の絶好機を生かせなかった。0-2の八回先頭で近本が粘って11球目を中前にはじき返す。中野は投ゴロ併殺崩れで1死一塁となり、ノイジーが中前打を放って一、三塁。大山は四球を選び、1死満塁として先発の床田をマウンドから引きずり下ろした。しかし、ここで広島の2番手・島内が立ちはだかった。佐藤輝はカウント3-2から外角球で見逃し三振。微妙な判定に、思わず納得できない態度を見せた。続く森下は二ゴロに抑えられて3アウト。2イニング連続で迎えた満塁の好機でも得点を挙げられなかった。

◆阪神は好機で打線がつながらず、今季4度目の零封負けを喫した。先発した村上頌樹投手(25)は7回5安打2失点(自責0)と奮投し、試合前時点でリーグトップの「1・06」だった防御率を「0・88」としたが2敗目。中野拓夢内野手(27)のまさかの2失策がともに失点につながった。打線は序盤はシェルドン・ノイジー外野手(29)の2打席連続の併殺打などでチャンスを広げられず。終盤は2度の満塁機を生かせなかった。2点を追う八回1死満塁では佐藤輝明内野手(25)がこの試合2三振目となる見逃し三振に倒れ、続く森下翔太外野手(23)も二ゴロに倒れた。

◆広島が投手戦を制した。先発の床田寛樹投手が7回1/3を7安打無失点と力投し3勝目。打線は一回に小園の犠飛で先制し、五回には秋山の適時打で加点した。阪神は村上が七回まで好投したが、中野の2失策が2失点につながった。

◆六回、宇草から三振を奪い吠える阪神・村上頌樹=甲子園球場(撮影・根本成)

◆阪神が今季最多の観衆4万2606人を集めた中で、4度目の零敗。7回5安打で2敗目(2勝)を喫した村上頌樹投手(25)が中野拓夢内野手(27)の2失策から失点した。一回無死二塁で中野がゴロを弾き、1死後の中犠飛で先制点を献上。五回には中野のゴロ後逸後、2死から床田寛樹投手(29)、秋山翔吾外野手(36)の連打で、2点目を失った。打線は一、三回に今季2度目の「3番」に入ったシェルドン・ノイジー外野手(29)が併殺。七回2死満塁では代打・小野寺暖外野手(26)が遊飛、八回1死満塁では佐藤輝明内野手(25)が見逃し三振、森下翔太外野手(23)が二ゴロに倒れた。2位巨人と1・5差となった岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=16勝12敗4分、観衆=4万2606人)。ーー村上に勝ちをつけたかった「まあ、自責0やからなあ」ーー粘り強く投げていた「だからまだ行かせたんよ。あそこな。勝ち投手な、(自責)ゼロで負けたらな」ーー六回に代打を出さなかった「確率やなしに、そんなん代えられへんよ、あんなところで。そんなん。誰も用意してないよ」ーー七、八回はチャンスだった「あれ、ストライクか。なんか、ちょっと広かったなあ。近本のも簡単に見送ったヤツも」ーー判定か「判定ていうか、(八回1死満塁で見逃し三振の佐藤輝は)そらボールばっかり振っているバッターやからな。そらそうやで、選球眼のええバッターやったら、審判も人間やから、ボールいうかも分からんで」ーーそう思われてる「そうやんか、ボール振るバッターやから、そら人間やから審判も思いよるよ。こいつは絶対ボール振れへんてなればボールなるよ。機械じゃないんやから。そういう意味では味方に付けなアカンわ、審判も」ーー八回に何とかしたかった「そんなん当たり前やんか、何とかしたいのは。まあでも、(佐藤輝は)2球ファウルでも甘い球やからな結局な、アレ、ファウルにしとったらアカンわな。アレで仕留めとかなアカンわのう」ーーカウント1―3の5球目とか「のう。真っ直ぐも1、2、3で行けるようなカウントやしなあ。そういう意味では一球で仕留める、そういう場面やから。何球も粘って粘ってのアレじゃない場面やもんな。ああいうチャンスは一発で仕留めんとなあ、1スイングで」ーー2点差で桐敷投入したのも勝ちに行く姿勢「そら分からんから。打順的にもなあ、一番点入る打順やったしなあ」ーー床田も負けられないと投げた「でもよう投げさしたなあ。頭から代わると思ったけどなあ、八回は」ーー続投してきた時はしめたと思ったか「そら思うよ」ーー中野も珍しい「いや、シートかぶせた後は気いつけなアカンねん」

◆阪神が今季最多の観衆4万2606人を集めた中で、今季4度目の零封負け。7回5安打で2敗目(2勝)を喫した村上頌樹投手(25)が中野拓夢内野手(27)の2失策から失点した。一回無死二塁で中野がゴロを弾き、1死後の中犠飛で先制点を献上。五回には中野のゴロ後逸後、2死から床田寛樹投手(29)、秋山翔吾外野手(36)の連打で、2点目を失った。主な選手のコメントは以下の通り(成績=16勝12敗4分、観衆=4万2606人)。二塁転向後初となる1試合2失策。ともに失点に絡む形となってしまった中野 「普通にバウンドが変わったりしなければ捕れる打球ではあった。対応していかないといかないと思う。ホームグランドですし。跳ねた、跳ねてないっていうのを言い訳にしないように。もう本当に練習するしかないと思うんで。しっかりと練習します」0-2八回1死満塁の絶好機で見逃し三振。外角の際どいボールがストライクと判定された佐藤輝 「何も言えないです」序盤に2打席連続併殺打。攻撃の流れを止めたノイジー 「よくなかったですね。最初の2打席で併殺打を打ってしまったんで。悪かったと思います」七回に好機を演出する右越え二塁打を放つも、4打数1安打に終わった森下 「打てないことは仕方ないので、切り替えて明日頑張りたいと思います」7回2失点(自責0)で2敗目を喫した村上 「相手も床田さんでいい投手ですし、なかなか点が入らないのはわかっていましたし、その中で先制点を取られてしまったので、反省かなと思っています」2点を追う七回2死満塁で代打で登場。遊飛に倒れた小野寺 「力負けです。後から行く以上、ああいう場面で打たないといけない。またギアを上げた投手(との対戦)というのを打席で立てましたし、次にああいう場面で打てるように練習したい」

◆八回1死満塁で見逃し三振を喫した阪神・佐藤輝明とベンチの岡田彰布監督=甲子園球場(撮影・中島信生)

◆2点を追う七回2死二、三塁で代打で登場した阪神・原口文仁内野手(32)は内角球が左手を直撃。死球で満塁機を作ったが、鈍い音がグラウンドに響き、場内は騒然となった。試合前、岡田監督は「いまウチの打撃陣で一番調子がいいのは原口や」と発言。4日の巨人戦(東京ドーム)で中前打を放つなど、打率・286の男に期待していただけに大事に至らないことを祈るばかりだ。

◆阪神・小野寺暖外野手(26)は、七回2死満塁の好機で代打起用されたが、床田の高めカットボールに詰まりバットを折られての遊飛に倒れた。「力負けです」と悔しい表情。限られた出番の中で、3月31日の開幕カードの巨人戦(東京ドーム)での右前打以来7打席連続で快音がないが「(控えで)後からいく以上、ああいう場面で打たないといけない。次にああいう場面で打てるように練習したい」と話した。

◆今季2度目の3番で先発出場した阪神のシェルドン・ノイジー外野手(29)が、大ブレーキとなった。一回1死で遊ゴロ併殺打、四回は先頭の中野が右前打で出塁した直後、投ゴロ併殺打。2点を追う八回1死一塁で中前打を放ったが、得点は入らず。床田には試合前まで打率・600(5打数3安打)と相性がよかっただけに「最初の2打席で併殺打を打ってしまったので。悪かった」と悔しさをにじませた。

◆2試合続けて6番で先発した阪神・森下翔太外野手(23)は4打数1安打だった。2打席連続三振で迎えた七回1死一塁では床田から右翼線二塁打を放って好機を拡大。試合前まで打率・167と苦手としていた左投手から12打席ぶりの安打だった。しかし、八回2死満塁では島内の直球で押されて二ゴロ。「打てないことは仕方がない。切り替えて明日頑張りたい」と前を向いた。

◆阪神・岡留英貴投手(24)は九回1死から島本の後を受けて登板。久保を空振り三振、堂林を中飛に仕留めた。スライダーやカットボールで相手を圧倒し「しっかり投げ切れた。こういう投球を続けていければ」。今季は9試合、11回を投げて2失点と安定度が増し、ブルペンでの存在感が大きくなってきている。

◆仲間を救えなかった悔しさが残った。攻め続けて7回5安打2失点。自責ゼロも、阪神・村上頌樹投手(25)は反省ばかりが口をついた。「やっぱり(ミスを)カバーできなかったことが一番の反省点。中野さんには申し訳ないな、という気持ちです」一回、中野の失策が重なり、小園に先制犠飛を許した。威力十分の直球を軸にし、二回からの3イニングはパーフェクトに抑えたが、五回も中野の失策をはさんで秋山に適時打を献上。この2点が勝敗に大きく響いた。昨季MVPに輝いた右腕は同期のミスを帳消しにできなかったことを悔いた。降りかかったピンチを抑えてこそ、エースと呼ばれる。言葉の奥には自覚がにじんでいた。連打で招いたこの日最大のピンチとなる0―2の六回無死一、二塁では「これ以上、点が入ると厳しい。何とか粘れるように、と思って投げていた」とギアを上げた。相手のバント策を三塁で封殺にした大山の好判断に助けられて1死を奪うと、宇草と堂林は連続空振り三振斬り。この日一番の雄たけびは、勝利への執念の表れだった。リーグトップだった防御率は1・06から0・88に上昇した。1・75で初タイトルを手にした同部門は昨年12月の契約更改で「2年連続を狙っていきたい」と高らかに宣言していた。シーズンを通して0点台であれば、球団では1970年の村山実(0・980)以来。レジェンドに追いつけ追い越せの期待がかかる。「(防御率は)低く(良く)なればいいかなと思うけど、勝てなかったので、そこがダメ。チームに貢献することが一番なので、勝てなかったということは貢献できていないということ。そこが反省です」仲間のミスもチームの窮地も救い、勝って初めて笑顔になれる。昨年6月6日の楽天戦(楽天モバイルパーク)以来の自己最多タイ116球の熱投。次なる勝利の糧にする。(須藤佳裕)

◆阪神・桐敷拓馬投手(24)は八回に2番手で登板して空振り三振、二ゴロ、遊ゴロの三者凡退に抑えた。これで自己最長タイの登板11試合連続無失点。「先頭を切ることを心がけていますし、それができていることがいい投球ができている要因だと思います」。リード、ビハインドの展開を問わず起用され、信頼度を高めている。

◆まさかのEランプ-。しかも2つも灯った。昨季、ゴールデングラブ賞に輝いた阪神・中野拓夢内野手(27)が二塁手で初の1試合2失策。昨季コンバートされてから初めての屈辱を味わった。「もう、ほんとに練習するしかないと思う。しっかりと練習します」一回無死二塁から野間のバットが折れた打球が転がった。待って処理しようとするも、直前でバウンドが変わって、ファンブル。無死一、三塁とされ、1死後、村上は犠飛で先制点を献上した。五回にも1死から堂林が放ったライナー性が中野を襲う。難しいハーフバウンドでさばこうとするも、打球はグラブをはじいて右翼へと抜けていった。堂林は秋山の適時打で生還し、広島に2点目が刻まれてしまった。「(最初の失策は)普通にバウンドが変わったりしなければ捕れる打球ではあった。それに対応していかないといけないと思う」全試合フルイニング出場した昨季は9失策。守備率・988を誇った。今季は早くも3失策目。俊足を生かし、広い守備範囲で何度も虎を救ってきた。6日は雨天中止。二塁手の先輩でもある岡田監督は「シートをかぶせた後は気いつけなあかんねん」と指摘した。天然芝の甲子園。自然も相手にしなければいけない。雨が降るとバウンドが変わる。それも頭の中に入れた上でこそ、虎の二塁手といえるわけだ。「ホームグラウンドですし。それを跳ねた、跳ねていないっていうのを言い訳にしないように」バットでは2安打を放ち「ミスが出た分、打撃で取り返すしかない」と意地を見せた。高い授業料だと思って、さらなる成長につなげてみせる。(中屋友那)

◆〝輝ボール〟を作れ! 阪神は広島に0-2で今季4度目の零封負けを喫した。2位巨人に1・5ゲーム差に詰め寄られた中、岡田彰布監督(66)は八回1死満塁で見逃し三振を喫した佐藤輝明内野手(25)に提言。微妙なストライク判定も輝だからこそ!? 打率・193と苦しむからこそ、審判を味方につける大切さを語った。悠然とボール球を見送ったはずだった。一呼吸おいて下されたストライクの判定に佐藤輝は頭を抱え込み、変わらない結末に天を仰いだ。今季最多4万2606人を詰め込んだ甲子園がため息に包まれる。一打同点、長打逆転の好機を逃した岡田監督は首をかしげた。「あれ、ストライクか? なんか、ちょっと広かったなあ」確かに打者には厳しかった。ただし、投球のコースにリクエストは通用しない。人間の目で判断する審判が絶対的な存在になる。2点を追う八回1死満塁で代わったばかりの島内が外角に投じた154キロ。2017、23年に球宴に出場し、昨季まで845試合の経験がある村山太朗球審(41)には佐藤輝の押し出し四球で1点を返すという思いは届かなかった。「何も言えないです」。4年目の長距離砲は多くを語らなかった。「(審判は)機械じゃないんやから。そういう意味では味方につけなあかんわ、審判も」

◆終盤の満塁のチャンスに、ボルテージは一気にクライマックスに。一本出ていれば...。甲子園のファンは「六甲おろし」を歌いたかっただろうなぁ。風船を飛ばしたかった...。いやいや、ジェット風船はまだ飛ばしてはいけなかった。試合前。懐かしい光景が、甲子園のベンチに戻ってきた。練習中のこと。岡田監督を、トラ番記者が囲んで、会話を弾ませていた。報道陣がベンチに入って取材する〝当たり前の取材方法〟は2019年のシーズンが最後になっていた。世界中をパニックに陥れたコロナ禍によって、世の中は激変。プロ野球の取材方法も大きく様変わりし、トラ番もベンチに近づくことすら許されなくなって、4シーズンが経過。このまま、永遠にベンチでの取材はなくなってしまうのでは...。そんな心配もした。「ボクにとっても、初めて体験する取材スタイルでした。1時間半ぐらい、ずっと話して下さって。貴重な時間を過ごさせていただきました」サブキャップ・原田遼太郎がトラ番に加わったのは20年のシーズンから。あの年、2月のキャンプ中に、横浜港に停泊中の豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」内でコロナ患者が出てしまう。大変そうだなぁと思っていたが、その後の悪夢の日々は想像を絶していた。ソーシャルディスタンス、3密、ステイホーム、アベノマスク、ロックダウン、クラスター...。次々と、忌まわしき流行語が誕生する中での取材は、思い出しても辛い。「ベンチにいるボクらの姿を見た中野が、ビックリした顔をしていたのが印象的ですね」原田記者も〝初体験〟だが、20年以降に入団した選手たちにとっても、ベンチにトラ番がいるのは〝初体験〟。佐藤輝、森下ら主力選手も同じ感覚だろう。慣れるのはしばらく時間がかかる?!ただ、岡田監督は〝勝手知ったる〟取材スタイルだ。前回の監督時代もそうだし、現役時代は歴代の監督がトラ番と談笑しているのを、選手として眺めてきた。

◆ク~ッ、野球の神様から、アレンパのための厳しい叱咤(しった)の贈り物を頂戴しちまった試合...でした。ここまで阪神は確かに首位だけど、何かモヤモヤするんだよねェ...。七回2死満塁で代打小野寺が凡打でチャンスを潰す! さらに八回には1死満塁の大チャンスで、佐藤輝が見逃し三振、森下が二ゴロで得点を奪えず...。何しとんねん阪神打線!! 怒りながらも広島の島内は見事な投球あっぱれ!! と敵ながら、うなっちゃったし...。てか、そもそも阪神打線にそこまで期待してどないすんねん!!(と、言いながらスゲ~期待してるんだけどさ...。悔し~い!)それはさておき、やっぱり今季の阪神は変だ!? 以前からエラーの多いチームだと分かっているけど、今季は守備の助っ人外国人のノイジーが外野フライを空振り後逸してみたり、木浪が1試合3失策してみたり...。その集大成(?)が本日の中野の2失策だと俺は思う!?守備の名人、広島・菊池を超え、昨季ゴールデングラブ賞を取った中野のエラーが、広島の全得点につながったこの試合を、猛虎軍団全員の大教訓として「ボ~ッと守ってるんじゃないでー!!」。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
16124 0.571
(↓0.022)
-
(-)
111102
(-)
86
(+2)
19
(-)
9
(-)
0.232
(-)
2.060
(↑0.07)
2
(-)
巨人
16153 0.516
(↑0.016)
1.5
(↑1)
10984
(+2)
85
(-)
12
(-)
18
(+1)
0.227
(↓0.002)
2.360
(↑0.07)
3
(1↓)
DeNA
15151 0.500
(-)
2
(↑0.5)
112100
(-)
116
(-)
12
(-)
19
(-)
0.243
(-)
3.270
(-)
4
(-)
中日
14154 0.483
(↓0.017)
2.5
(-)
11091
(-)
111
(+2)
16
(-)
3
(-)
0.244
(↓0.003)
3.030
(↑0.03)
5
(-)
広島
12134 0.480
(↑0.022)
2.5
(↑1)
11478
(+2)
73
(-)
11
(-)
12
(-)
0.227
(↓0.003)
2.430
(↑0.09)
6
(-)
ヤクルト
13162 0.448
(-)
3.5
(↑0.5)
112130
(-)
114
(-)
23
(-)
13
(-)
0.248
(-)
3.570
(-)