巨人(★2対4☆)阪神 =リーグ戦9回戦(2024.05.05)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
0000200002900
勝利投手:才木 浩人(3勝1敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝0敗5S))
敗戦投手:高橋礼(2勝1敗0S)

本塁打
【阪神】近本 光司(4号・3回表2ラン)

  DAZN
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◆阪神は3回表、近本の2ランと佐藤輝の適時打で3点を先制する。1点差とされて迎えた8回には、前川の適時打で追加点を挙げた。投げては、先発・才木が5回2失点。その後は4投手の継投でリードを守り、才木は今季3勝目を挙げた。敗れた巨人は、打線が9安打2得点とつながりを欠いた。

◆阪神が前日からスタメンを変更した。前日4日に欠場した佐藤輝明内野手(25)が「3番三塁」でスタメン復帰。遊撃も前日にスタメンを外れた木浪聖也内野手(29)が入った。左翼では4月23日DeNA戦以来10試合ぶりに前川右京外野手(20)がスタメン出場となった。先発は才木浩人投手(25)。伝統の一戦は今季初先発となった3月30日以来となる。こどもの日のチーム成績は15年から1分けを挟み、7連勝中。3連敗阻止へ、腕を振る。

◆阪神OB会長の川藤幸三氏(74)が試合前、巨人OB会長の中畑清氏(70)とともに両球団のOB戦開催を発表した。デーゲームで行われる、7月15日巨人戦(東京ドーム)の後に実施予定。当日のチケットを持っていれば、そのまま無料で観戦できる。14年にコボスタ宮城(現楽天モバイルパーク)で行って以来、10年ぶりのOB戦。川藤OB会長は「これは、一塁側、三塁側、きちんと分けなアカンで!頼むで!」と念押し。左翼席の虎党からは拍手が起こった。

◆阪神近本光司外野手(29)が巨人先発高橋礼から先制の1発を決めた。0-0の3回1死二塁。カウント1-2から、高めに浮いた117キロ変化球を振り抜いた。右翼席にギリギリ飛び込む、第4号2ラン。「ヒット、送りバントで形を作ってもらった打席で浮いてきた球をしっかりスイングすることができました。試合の主導権を取ることができてよかったです」この試合まで、チームは高橋礼から無得点。開幕前のオープン戦から、13イニング目でのチーム初得点を奪った。こどもの日の打撃成績は、昨季までで16打数7安打の4割3分8厘。この日も多くの少年少女もかけつけた中、夢を与える1発を放った。

◆プロ野球90周年の節目を記念して、球団創設90周年を迎える巨人と、ともにプロ野球の歴史を刻んできた阪神のOBによる「伝統の一戦~レジェンズOB対決~」が7月15日に開催されることが発表された。同日午後2時から東京ドームで行われる巨人-阪神戦の終了後にプレーボールとなる。往年の名選手たちによる交流試合を中心に、インタビュートークなどで伝統の一戦を振り返る。能登半島地震の被災地支援を目的としたチャリティー企画も実施予定。詳細は13日に発表される。なお、1軍ゲームのチケット保持者全員が観戦可能。チケットの先行発売は14日、一般発売は25日の予定。

◆プロ野球90周年の節目を記念して、球団創設90周年を迎える巨人と、ともにプロ野球の歴史を刻んできた阪神のOBによる「伝統の一戦~レジェンズOB対決~」が、7月15日に東京ドームで開催されることが発表された。巨人OB会長の中畑清氏(70)、阪神OB会長の川藤幸三氏(74)が試合前にグラウンドに登場し、直接ファンに伝えた。同日午後2時から東京ドームで行われる巨人-阪神戦の終了後にプレーボールとなる。中畑氏が「公式戦の雰囲気をいっぺんに笑いに変えるっていうのかな。緊張感を笑いに変えて楽しんでもらいたいっていうのが一番」と言えば、川藤氏も「昼の間に勝負にこだわったらいい。わしらのやるのはファンが喜ぶことや!」と応じた。14年にコボスタ宮城(現楽天モバイルパーク)で行って以来、10年ぶりのOB戦が実現する。その際は、10-0で巨人が勝利しており、話を振られると「何言っとるねん!」と川藤氏。中畑氏は「あんまりそこにこだわらない」と勝負ではなくエンターテインメントに徹する考えだ。中畑氏が「躍動って言葉はやめてほしいよね、それは無理だと思うよ。でも、パフォーマンスとしては、目いっぱい、『動いているかな~?』で動けていない姿がいいのよ。おそらくケガ人、2~3人出てくるんじゃない?」と笑わせると「トレーナーはジャイアンツの方で用意してもらえるのかな?」と川藤氏もおどけてみせた。プレーについては中畑氏が「『代打オレ』っていうのをやりたいね」とニヤリ。「1場面でいいから、ワンシーンでいいから。そのタイミングが来るかわからないけど、準備はして。だから7月までに自主トレ入って、ある程度バットを振れるようになって」と宣言。川藤氏が「キャンプやるの?」と突っ込むと、中畑氏は「うん、いい準備をしたいと思います」と意気込んだ。メンバーについては後日発表されるが、中畑氏は「皆さんがイメージしている方々は、だいたい入ってくれると思う。この選手たちが入ってくれたらうれしいなっていうのは、年代的にね」と説明。川藤氏が「戦闘員、非戦闘員、これをはっきりしないといけない。名前だけは戦闘員にしといて、いざ始まる時は非戦闘員」とかぶせると、中畑氏も「名前だけでちゃんちゃんっていうのもある。そういうやり方をいろいろ考えながら、お客さんに喜んでもらおうという風に思っています」と話した。1軍ゲームのチケット保持者全員が観戦可能で、チケットの先行発売は14日、一般発売は25日の予定。詳細は13日に発表される。

◆約2年ぶりに「3番三塁」で先発出場した佐藤輝明内野手(25)が、適時打を放った。前日4日はスタメンを外れ、出場もなし。3番での出場は22年5月6日中日戦(バンテリンドーム)以来で、岡田政権下では初となった。3回、近本光司内野手(29)の2ランで先制し、なお1死一塁。捕逸で一塁走者の中野が二塁に進み、巨人先発高橋礼の6球目、外角の変化球を左前にはじき返し、3点目を挙げた。

◆阪神近本光司外野手(29)がビッグプレーで失点を防いだ。3点リードの4回2死三塁。坂本の右中間への安打性のライナーに滑りこみながら、つかみ捕った。左投げの近本にとっては、グラブの逆側の打球。体をねじりながらスライディングキャッチに先発才木も拍手でたたえた。3回にはバットでも4号先制2ランを放っており、攻守で存在感を見せた。

◆/この打球に飛び込む勇気\近本光司が攻守で躍動ジャイアンツに反撃を許さない?#プロ野球(2024/5/5)??巨人×阪神??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #tigers pic.twitter.com/dKRbpJEh6d

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が、セーフティーバントを仕掛けた。1点リードの7回2死。内野は引っ張り方向の打球に警戒し、三塁線を空けるなどシフトをとっていた。サイド左腕大江に対し、初球からバントの構え。ファウルとなったが、球場からは一瞬どよめきも起きた。その後は打撃に切り替え、最後は一ゴロで凡退となった。

◆首位阪神が2位巨人との接戦を制し、ゲーム差を2に広げた。これでこどもの日のチーム成績を15年から1分けを挟み、8連勝に伸ばした。改造打線が巨人先発の高橋礼から今季初得点を奪った。前日4日に欠場した佐藤輝明内野手(25)が「3番三塁」でスタメン復帰。3番での出場は22年5月6日中日戦(バンテリンドーム)以来で、岡田政権下では初となった。また、遊撃は木浪聖也内野手(29)が2試合ぶりにスタメン出場。左翼は前川右京外野手(20)が4月23日DeNA戦以来(横浜)のスタメンで、5番に入った。0-0の3回1死二塁。1番近本光司外野手(29)はカウント1-2から、巨人高橋礼の高めに浮いた117キロ変化球を振り抜いた。右翼席ギリギリに飛び込む、先制の第4号2ランを決めた。こどもの日の打撃成績は、昨季までで16打数7安打の4割3分8厘。この日も多くの子どもたちの前で夢を与える1発を放った。さらに、1死二塁で佐藤輝の左前適時打で3点目を追加。8回には無死二塁から前川の中前適時打で4点目を挙げた。3連敗阻止を任された先発の才木浩人投手(25)は3-0の5回。6番梶谷、7番小林に連打を浴び、無死一、三塁でスクイズを決められ、1点を返された。さらに1死二塁で代打長野の左翼への適時二塁打で1点差に迫られた。それでも2死一、三塁で3番吉川を131キロのスライダーで左飛に抑え、同点は許さなかった。5回7安打2失点でマウンドを降りた。負ければ今季初の同一カード3連敗となる一戦で、6回岡留英貴投手(24)、7回桐敷拓馬投手(24)、8回ハビー・ゲラ投手(28)とリリーフ陣がゼロを並べた。6日からは本拠地甲子園に戻り、広島戦に臨む。

◆阪神森下翔太外野手(23)が死球を受けた。8回無死一塁、巨人京本の投球が左脇腹付近に直撃した。その場に倒れ込んだが、起き上がるとプレー続行。左翼スタンドからは「頑張れ森下!」の声援が響いた。

◆首位阪神が、巨人との首位攻防戦3連敗を阻止した。接戦を制してゲーム差を再び2に広げた。5月5日の「こどもの日」は15年から1引き分けをはさんで8連勝だ。3回に近本光司外野手(29)が先制4号2ラン。2季ぶりに3番に入った佐藤輝明内野手(25)も左前適時打で3点を先行した。先発の才木浩人投手(25)が5回2失点で粘ると、岡留英貴投手(24)、桐敷拓馬投手(24)も好投。8回はハビー・ゲラ投手(28)、9回は岩崎優投手(32)が3人ずつで抑えた。8回に出た前川右京外野手(20)の適時打も大きかった。岡田彰布監督(66)は打順変更、継投策がはまった一戦を評価した。テレビインタビューでのコメントは以下の通り。-前回苦しんだ高橋礼を相手に打線を組み替え、左打者が結果を出した「もうね、前の左で点を取ろうかなと思って。まあ、高橋用っていうかね。前回も梅野の1本かな。1安打だったんで。ちょっとつながりもなかったけど、左打線にかけましたけど。今日はね」-近本の2ランのあとの佐藤輝のタイムリーも大きかった「ここ(東京ドーム)だから1点でも多いほうがいいんだけど。中野のときも、うまく二塁までいったんでね。佐藤もね、1打席目も、2打席目も反対方向打ってたし、あの1点も大きかったですね」-佐藤輝は久々のタイムリー「普通に打てばね、ヒットは出ると思うんだけど。今日なんか結構、ボールも選んでたしね」-追加点がない中、前川のタイムリーも大きかった「ああ、引っ張れと思ってたんだけどね。追い込まれたからね、難しいボールだったけど本当、食らいついていくというかね。そういう姿勢がああいうヒットになったんじゃないかな。やっぱりね」-結果的に成功しなかったがスリーバントも「いやあ、もう代打も行くつもりだったんで。3連戦なかなかバントが一発で決まらない場面が多かったんですけどね。あそこも一、二塁で難しいんだけど、本当は一発で1球で決めてほしかったですね」-打線のつながりの手応えは「まだそんなつながってないでしょ。まあだからこれも波があるんで、何とかね、みんながヒット出て、うまく点を取るとかね、甲子園帰っても、そんなにホームランとか打てないんで、もう1度本拠地に帰ってから、1回やってみたいですね。そういう形でね、つながりという意味で」-リードをよく守った「ああ、そうですねえ。まあでもピッチャーも才木はちょっと球数多かったですけどね。もったいないボールもあったけど、昨日の今日なんで、今日は何とか勝たないといけないと思ってたんで、早めの継投になったですけど」-甲子園に向けて「いやいや、自分たちの野球をするだけで、負けてるとどうしてもね、点取るのも硬くなるみたいだけど、今日ね、1つね、白星なったんで、明日からはまたゆっくり本拠地でできると思いますね」

◆首位阪神が、巨人との首位攻防戦3連敗を阻止した。接戦を制してゲーム差を再び2に広げた。5月5日の「こどもの日」は15年から1引き分けをはさんで8連勝だ。3回に近本光司外野手(29)が先制4号2ラン。2季ぶりに3番に入った佐藤輝明内野手(25)も左前適時打で3点を先行した。先発の才木浩人投手(25)が5回2失点で粘ると、岡留英貴投手(24)、桐敷拓馬投手(24)も好投。8回はハビー・ゲラ投手(28)、9回は岩崎優投手(32)が3人ずつで抑えた。8回に出た前川右京外野手(20)の適時打も大きかった。岡田彰布監督(66)は打順変更、継投策がはまった一戦を評価した。一問一答は以下の通り。-前回も苦しんだ高橋礼だったが「いやいや、なかなかやっぱりな、特殊なピッチャー言うたらおかしいけど、右はしんどいかなと思ったからな、だから上位に左集めて、そこで点取ろうかな思って」-木浪も含めて左が打った「そうそうそう、まあ左しかヒット出えへんやん」-特殊な投げ方には左「そらもう左や。右は全然タイミングおうてへんやん、最初、大山にしても森下にしろ。打てそうな感じじゃない」-佐藤輝3番、前川5番は前回の対戦も踏まえて「いやいや全然、前回どっちも打ってないから。いやいやまあ、いろいろなあ、試してみて。まあ、それが機能したからいいやんか。そういうことやろ。おーん。そこで点な、2点入ったわけやから、そこでな。佐藤、前川のところでな、追加点がな」-リリーフも今日はある程度早めにと「あそこもね、最低もう1回ね、次、岡本やし全然合ってないからな。でもまあやっぱり打順回ってきて、スコアリングポジションいったらやっぱり1点取りに行く姿勢を見せんとな。まだまだそら、ここ(東京ドーム)で1点守り切るのはなかなかそら無理よ。やっぱりこっちがピッチャー変えても1点ずつでも取っていく姿勢を見せないとな」-終盤2点差にしたのは大きい「そら大きい、大きい。そらあ昨日の今日やから。ゲラにしても岩崎、桐敷にしろ、2点になると全然違うわな、やっぱりな」-リリーフ陣も四球出さず「そらあおまえ、昨日の今日でフォアボール出したらあかんやろ。そんなん一番分かっているやん、リリーフ陣が」-近本は今日に限らずいいころで長打が。調子はどう見ている「そんな良くないんちゃう、調子は。はっきり言うて。でも接戦になるとな、どうしても左ピッチャー当てられることが多いからな、やっぱりな。あそこ(左が)並ぶからな。そらもうしょうがないけど」-5回にセーフティースクイズで1点を返しにくるなど巨人の戦いは「いや別にまあ、ゲッツー嫌やったんやろ。そういうことやろうな。まあ本当なら、あそこ1点で抑えとったら良かったけど、また次、長野に不用意に1球目いったからなあ。まあ、ああなったら1点はもうしょうがないよ。だけどカウント悪くするからなあ。2ストライクから2ー2とか、エンドランとかそういう場面になるから。それで球数多なる、相手のカウントも良くなる。そうやろ。才木にも言うたんやけどな、カウントを整えてもうたらアカンわ、逆に。先に勝負してもうたらええやんな、そしたら向こうは何もできへんやん。自分の球数も増える一方やわな。で、向こうもエンドランとかいろんなことできるカウントになってしまうから、そのへんやろな」ー佐藤輝が珍しくセーフティーバントを狙った「勝手にやったんや。出すか、そんなん」

◆巨人高橋礼投手が初黒星を喫した。3回に先制2ランを浴びるなど3失点。4回以降は粘って追加点は与えなかったが、5回6安打3失点(自責2)で負け投手となった。ソフトバンクから移籍した今季、試合前時点で開幕から5試合2勝0敗で防御率0・95と、安定感を見せていた中で、打たれた6安打すべてが左打者からだった。高橋礼は「先制点を与えてしまったこと、流れを相手に与えてしまった事は大きな反省点。ボールの選択、強さ、間とか、いろんな要素で打たれてしまったけど、次反省すればいい。今日のピッチングは点は取られてしまったけど、紙一重。悲観することはない」と次へ切り替えた。

◆阪神森下翔太外野手(23)が死球を受け、ヒヤリとするシーンがあった。8回無死一塁、巨人京本の投球が左脇腹付近に直撃。その場に倒れ込んだが、起き上がるとプレーを続行した。「大丈夫です。当たりどころが怖かったけど、違うところに当たってくれた。骨じゃなくてよかった」と安心した様子だった。6回には中前打を放ち、3試合連続安打とした。

◆巨人が首位阪神に惜敗した。序盤の3回に3点を先制されるも、5回に一時、1点差にまで追い上げた。あと1歩及ばずも、阿部監督は「もう1本出ていればというところだったので。いい形はつくれたかなと思います」と評価した。先発の高橋礼は5回3失点(自責2)で移籍後初黒星に沈んだ。バッテリーエラーも絡んだ失点だったが、同監督は「よう粘って5回まで投げてくれたなという感じだった」と、1点台の防御率とここまでの2勝に目を向けた。今3連戦は2勝1敗で2カードぶりの勝ち越しで終えた。「いい3連戦でしたし、最後もワンサイドじゃなかったし、いい試合だったので次につながるかなと思う」。3連戦で阪神と2ゲーム差に縮めて6日からの中日3連戦に臨む。○...ベテランの長野が勝負強さを見せた。2点差に詰め寄った5回、なおも1死二塁の場面で代打出場。初球、真ん中にきた直球をとらえ、左翼線に適時二塁打を放った。阪神3連戦全試合で安打をマーク。「みんながつないでくれたチャンスだったので、何とか点にという気持ちでした。チームが勝てるように頑張ります」と話し、名古屋へ乗り込む。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が軽妙な技で沸かせた。3回1死一塁。二遊間の打球をつかみ、二塁カバーの木浪に逆手でグラブトス。併殺を完成させた。3点先制した直後の好守備に「手よりグラブの方が(併殺を)取れるかなと」。その前の攻撃では近本の3ランのあと安打で出塁し、3点目につなげた。5回には今季初盗塁も決めた。「これを皮切りに、どんどんチャレンジしていければ」。走攻守で輝いた。

◆阪神才木浩人投手が5回7安打2失点の粘投で、またも連敗を止めた。「今日は良かったと思います。力みも少なかった」。初回から走者を出しながらも無失点を継続。4回2死三塁では近本の好守にも救われた。5回に6番梶谷7番小林に連打を浴びて無死一、三塁。スクイズで1失点目を許し、直後には代打長野に左翼への適時二塁打を浴びた。それでも後続は仕留め、2失点で食い止めた。「ちょっともったいなかったというのはありますけど。でも、2点でなんとか粘れたのでよかった」6回以降はブルペン陣がリードを守り今季3勝目。チームは前夜、今季3度目の連敗。これまでも2度、連敗を食い止めてきたのが才木だった。「そこは良かったと思いますけど、もうちょっと長いイニングを投げたかったという感じです」。次戦こそ、満点の投球を目指す。

◆阪神梅野隆太郎捕手(32)が犠打失敗で得点機を逃した。2点リードとした8回無死一、二塁でスリーバント失敗。木浪が併殺打に倒れ、追加点とはならなかった。岡田監督は「この3連戦、なかなかバントが一発で決まらない場面が多かった。あそこも難しいけど、本当は一発で、1球で決めてほしかった」と指摘した。

◆前日スタメンを外れた阪神木浪聖也内野手(29)が攻守で貢献した。3回先頭で詰まりながらも左前に落とした。「8番」が起点になり、3点の先制劇につなげた。4回には右越え二塁打で。「チャンスメークできて点数が入ったので良かったし、自分のやるべきことができたと思う。負けたらやり返すしかない。それができたので、また頑張ります」と落ち着いた表情だった。

◆子どもたち、これがヒーローだ! 阪神近本光司外野手(29)が、先制&決勝アーチで連敗を「2」で止めた。3回1死二塁で巨人高橋礼投手(28)から4号2ラン。5月5日「こどもの日」は通算21打数9安打、打率4割2分9厘と打ちまくり、チームも同日は15年から引き分けを挟み8連勝と無敵だ。今季初の同一カード3連敗を阻止し、2位巨人と再び2ゲーム差。かっこいい虎戦士が東京ドームの虎党キッズたちを喜ばせた。子どもたちも大はしゃぎだ。近本が打ち上げた白球は右翼席最前列へはずんだ。先制&決勝の4号2ラン。「試合の主導権を握ることができてよかった」。今季初の同一カード連敗を阻止する一撃に安堵(あんど)した。狙いは明確。「しっかり上からつぶす気持ちで、高めを待っていました」。両軍無得点の3回1死二塁。アンダースロー高橋礼の浮き上がるボールをイメージし、117キロスライダーに反応してみせた。オープン戦を含め、高橋礼から今季13イニング目で初得点だ。自ら思考し、狙いを定め実践する。子どもたちのお手本になるようなプロセスで生み出したアーチだった。5月5日「こどもの日」はプロ通算21打数9安打、打率4割2分9厘と好相性。近本にとって5月5日初本塁打も飛び出し、同日にチームは引き分けを挟んで8連勝と最高のファンサービスを届けた。「自分の中でもこどもの日、けっこうヒーローになってるって思っている」。2年前は甲子園でお立ち台に立っている。この日も試合後、東京ドームでのヒーローインタビューで「子どもたちがたくさん来ていると思うので、勝てて特別な日だと思います」と声を張り上げた。家に帰れば愛娘たちのパパになる。コロナ禍で自宅待機が続いた4年前。当時1歳の長女と自宅の廊下で一緒になって「ハイハイ」に励んだ。動物のような動きで全身を鍛える「アニマルトレーニング」に励みつつ「来年のこどもの日は5安打打ちます!」と宣言。それから5安打とはいかなくても、背番号5は5月5日にめっぽう強い。家族はもちろん「たくさんのファンの方の記憶に残るような試合を1試合でもできるように僕たちは頑張ります」と力を込める。3点リードの4回2死三塁では坂本の右中間への飛球をダイビングキャッチ。「落ちたら1点だし、しっかり捕れたのは良かった」と冷静だ。母校の社(兵庫)が春季兵庫大会16年ぶりの優勝を決め「僕の力にもなる。おめでとう」と祝福も忘れなかった。いつでも子どもたち、野球少年少女たちの絶対的味方。2位巨人とのゲーム差を2に広げ、ヒーローが甲子園に帰る。【中野椋】阪神とソフトバンクが勝ち、ともに5月5日のこどもの日は8連勝。こどもの日の8連勝は55~63年西鉄、64~70年ロッテ(64年はダブルヘッダー連勝)に並ぶ最長となった。

◆阪神前川右京外野手(20)が最終打席で貴重な1点をもぎ取った。「5番左翼」で4月23日DeNA戦以来、約2週間ぶりの先発出場。無安打で迎えた4打席目だった。1点リードの8回無死二塁。カウント1-2から巨人京本の138キロフォークにくらいつき、右手1本ですくい上げた。逆方向の左中間へ運び、二塁走者大山は一気に生還。試合の流れを引き寄せた。「その前の3打席が話にならないくらいダメだったので。なんとか最後打ててよかったかなと思います」相手は智弁学園3年時にセンバツ準々決勝でも対戦した大分・明豊出身の同学年右腕。当時は2打席で1打数無安打と抑え込まれ敗戦したが、3年越しのリベンジとなった。この日の相手先発は、サブマリンの高橋礼。今季はオープン戦から2試合で10イニング無得点に抑え込まれていた。対策として上位打線には左打者が固められた。前日4日にも先制適時打を放った好調のノイジーに代わる左翼で前川も出場。高橋からではなかったが、貴重なチャンスで結果を出した。「先発で打てなかったので。今日は打ててよかったかなと思います」。先発では4月14日中日戦以来の安打だ。岡田監督も「追い込まれたから難しいボールだったけど。食らいついていくというかね。そういう姿勢がああいうヒットになったんじゃないかな」と評価。執念の一打で期待に応え、存在感を示した。【波部俊之介】

◆阪神のブルペン陣がやり返した。6回から桐敷、岡留、ゲラ、岩崎とつなぎ計4イニング無失点。9回をわずか9球で締め5セーブ目を挙げた岩崎は「昨日は昨日、今日は今日なので、やり返すとかは意識はなかったです」と冷静だった。前日4日には1点リードの8回に登板した岩崎が同点に追いつかれ、延長10回には漆原、島本が崩れサヨナラ負け。岡田監督は「昨日の今日なんで、今日は何とか勝たないといけないと思ってたんで、早めの継投になった」と必死の継投で勝利をつかんだ。これでゲラ、岩崎が同一ゲームでそろって投げた試合は10勝4分けと「不敗神話」が継続した。▽阪神桐敷(7回に登板し1イニング無失点)「チームが勝てばいいと思っている。中継ぎで勝つっていう合言葉があるので、みんな意識してやりたい」▽阪神岡留(6回に登板し1イニング無失点)「次につなごうと思っていました」▽阪神ゲラ(8回に登板し1イニング無失点)「ブルペンの結束が出たね。良い勝ち方だと思うよ」

◆2年ぶり3番スタメンの阪神佐藤輝明内野手(25)が3点目をたたき出した。0-0の3回。1番近本の2ランで先制し、なお1死二塁の好機で打席が回った。「逆方向を意識していきました」。巨人高橋礼の6球目、外角のシンカーを振り抜き、左前適時打。「強引にいかず、しっかり見た結果、ああいうヒットが出たので良かったかなと思います」と手応えをつかんだ。3番は22年5月6日中日戦(バンテリンドーム)以来で、岡田政権下では初めて。前日4日今季初めて欠場し、2試合ぶりにスタメン復帰した背番号8が必死に食らいついて意地を見せた。改造打線がズバリ的中した。アンダースローの高橋礼に対して、チームはオープン戦から2試合で計10イニング無得点。岡田彰布監督(66)は「特殊なピッチャー言うたらおかしいけど、右はしんどいかなと思ったからな、だから上位に左集めて、そこで点取ろうかな思って」と説明。3番に佐藤輝を置き、1番近本、2番中野と3人続けて左打者を並べた。8番木浪から始まる3回の13イニング目に一挙3得点を奪い、見事に攻略した。佐藤輝も必死だった。1点リードの7回。2死からセフティーバントを仕掛けた。サイド左腕大江に対し、初球からバントの構えを見せ、ファウルとなったが、球場からは一瞬どよめきが起きた。今季はここまで打率1割台と不振が続き、前日の試合前練習では室内で黙々とバットを振り込んだ。試合後、出塁しようという気持ちだったか問われると「そうですね」とひと言。チームに貢献したい一心だった。東京ドームには大勢の子どもたちが来場した。こどもの日はこれで4年連続ヒットを記録。5日5日は14打数5安打4打点、打率3割5分7厘だ。試合後は良いところは「見せられたと思います」と笑顔。これからも懸命に前に進む姿を見せる。【村松万里子】

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が2022年5月6日の中日戦(バンテリン)以来の「3番」で2試合ぶりに先発する。4日の試合では糸原が三塁で先発し、出場機会がなかった。2連敗中のチームは「5番・左翼」に前川右京外野手(20)、「6番・右翼」に森下翔太外野手(23)と打順を入れ替え、今季まだ喫していない同一カード3連敗を阻止する。先発のマウンドに上がる才木浩人投手(25)はここまで5試合に登板して2勝1敗、防御率1・74。巨人との対戦は今季2度目で、今季初登板だった3月31日には6回無失点と好投した。

◆試合前に巨人―阪神のOB戦「伝統の一戦~レジェンズOB対決~」を7月15日に開催すると発表した。同日に東京ドームで行われる巨人―阪神戦(午後2時)の終了後に行われる。「伝統の一戦」のOB戦は2014年に「東日本大震災復興支援」として仙台で開催されたのが最後で、10年ぶりの開催となる。グラウンドでの発表後、巨人OB会長の中畑清氏とともに取材に応じた阪神OB会長の川藤幸三氏(74)は「タイガースはとにかく、虎の血を受け継いだ人間ばっかりやから。こういう(OB戦に出る)選手たちが、今の連中に残していかなあかん。今の連中もあのゲームに出たいという思いをさせるのがこの一戦。とにかく前向きに、お客さんに喜んでもらう、希望するものを提供する、それだけや」と伝統の継承に向け力を込めた。7月15日の巨人―阪神のチケット保有者全員が観戦可能でチケットの先行発売は5月14日、一般発売は5月25日。出場メンバーは後日発表される見込み。

◆阪神が近本光司外野手(29)の4号2ランで先制した。0-0で迎えた三回。先頭の木浪が左前打で出塁すると、才木がきっちり送りバントを決めて1死二塁で近本。カウント1-2から巨人の先発・高橋礼の高めに甘く入った変化球を仕留めた。高々と上がった打球はそのまま右翼スタンドへ飛び込む4号2ラン。「ヒット、送りバントで形を作ってもらった打席で、浮いてきた球をしっかりスイングすることができました。試合の主導権を取ることができてよかった」。下位打線でチャンスを作って近本が返すという黄金パターンで、今季2度目の対戦となった高橋礼から9イニング目で初めて得点を奪った。なおも中野が左前打と捕逸で1死二塁とチャンスメークし、「3番・三塁」でスタメンに復帰した佐藤輝が左前適時打を放って追加点。同一カード3連敗阻止へ、猛虎打線がつながりを見せた。

◆阪神の中野拓夢内野手(27)と木浪聖也内野手(29)が息の合った連係プレーで球場をわかせた。3点を奪った直後の三回の守備で、1死一塁から丸の打球が二遊間へ転がる。これを中野が逆シングルで捕球し、そのまま二塁へグラブトス。受けた木浪も素早く一塁へ転送し、美しい連携で併殺を完成させた。ファインプレーに虎党からは大歓声。好投を続ける才木を盛り立てた。

◆阪神・近本光司外野手(29)が四回、ダイビングキャッチで失点を防いだ。虎のリードオフマンが、こどもの日に攻守でヒーローさながらの活躍を見せた。2死三塁で坂本が放った打球は中前へ。正面方向に飛び込んだ近本は落ちる寸前でグラブに打球を収め、アウトをもぎとった。三回に先制の2ランを放った男が守備でも大きな見せ場を作り、先発の才木をもり立てた。

◆阪神の先発・才木浩人投手が五回に2点を失った。3-0の五回、先頭・梶谷の中前打で走者を背負うと、小林にもエンドランで中前打を打たれて無死一、三塁とされる。続く門脇のセーフティースクイズで1点を失い、なおも1死二塁で打席には代打・長野。初球の149キロ直球を弾き返されてると左翼線への適時二塁打となってスコアは3-2と1点差に詰め寄られた。それでもその後の2死一、三塁では吉川を左飛に打ち取って同点は許さず。2試合続けて1点を争う展開になった。

◆巨人・長野久義外野手(39)が適時二塁打を放った。1-3とした五回1死二塁で先発・高橋礼の代打で出場。阪神・才木の投じた149㌔の直球を一振りで捉え、左翼線へはじき返した。チーム最年長のベテランが3試合連続安打で反撃の流れをつくった。

◆阪神・前川右京外野手(20)が3―2の八回、適時打で1点を追加した。抜群のバットコントロールで大きな1点を加えた。先頭の大山が右翼フェンス直撃の二塁打で出塁し、前川がこの日の4打席目へ。1―2から低めに投じられたフォークを右手ですくい上げ、左前にうまく落とした。4打点を挙げた4月20日の中日戦(甲子園)以来となる今季5打点目。9試合ぶりのスタメン出場に応えた。

◆虎党が肝を冷やした。八回無死一塁で打席に立った阪神・森下翔太外野手(23)が死球を受けた。カウント1-2から巨人の4番手・京本の147キロストレートが左のわき腹に直撃。森下はその場にうずくまって立ち上がれず。昨シーズンは同じ場所に死球を受けた近本が骨折して負傷離脱をしただけに、場内騒然とした。それでもトレーナーと少し話して立ち上がり、ゆっくりと一塁へ。そのまま守備にも就いた。

◆阪神がカード3連敗を阻止した。三回、近本光司外野手(29)の4号2ランで先制。2022年5月6日の中日戦(バンテリン)以来、岡田彰布監督(66)就任後初の「3番」に入った佐藤輝明内野手(25)が1死二塁から左前適時打で加点した。さらに「5番」に入った前川右京外野手(20)が八回無死二塁で、4月20日の中日戦(甲子園)以来の適時打を左前に運んで、貴重な追加点を奪った。才木浩人投手(25)が五回に2点を失った以降は、六回から岡留英貴(24)、桐敷拓馬(24)、ハビー・ゲラ(28)の3投手とつなぎ、最後は今季初失点から一夜明けた岩崎優投手(32)が締めた。五回、中野拓夢内野手(27)が二盗で今季初盗塁を記録した。近本は四回2死三塁で坂本勇人内野手(35)の飛球を好捕し、守備でも貢献し、こどもの日は1引き分け挟んで、2015年から8連勝となった(成績=16勝11敗4分、観衆=4万1747人)。

◆七回2死、セーフティバントがファウルとなる阪神・佐藤輝明=東京ドーム(撮影・安部光翁)

◆阪神がカード3連敗を阻止した。三回、近本光司外野手(29)の4号2ランで先制。2022年5月6日の中日戦(バンテリン)以来、岡田彰布監督(66)就任後初の「3番」に入った佐藤輝明内野手(25)が左前適時打で加点した。さらに「5番」に入った前川右京外野手(20)が八回、4月20日の中日戦(甲子園)以来の適時打を左前に運んで、貴重な追加点を奪った。才木浩人投手(25)が五回に2点を失った以降は岡留英貴(24)、桐敷拓馬(24)、ハビー・ゲラ(28)の3投手とつなぎ、最後は今季初失点から一夜明けた岩崎優投手(32)が締めた。五回、中野拓夢内野手(27)が二盗で今季初盗塁を記録した。岡田監督の主な一問一答は以下の通り(成績=16勝11敗4分、観衆=4万1747人)。ーー前回も苦しんだ高橋だったが「特殊なピッチャー言うたらおかしいけど、右はしんどいかなと思ったからな、だから上位に左集めて、そこで点取ろうかな思って」ーー木浪も含めて左が打った「そうそうそう、左しかヒット出えへんやん」ーー特殊な投げ方には左打者「そらもう左や。右は全然タイミングおうてへんやん、最初、大山にしても森下にしろ。打てそうな感じじゃない」ーー佐藤輝3番、前川5番は前回の対戦も踏まえて「前回どっちも打ってないから。いろいろ試してみて。それが機能したからいいやんか。そういうことやろ。おーん。そこで2点入ったわけやから、佐藤、前川で追加点がな」ーーリリーフも、ある程度早めにと「あそこもね、最低もう1回ね。(六回の先頭は)岡本やし全然合ってないからな。(六回の阪神の攻撃で2死二塁となり)でも打順回って来て、スコアリングポジション行ったら、1点取りに行く姿勢を見せんとな(才木への代打原口は三振)。ここで1点差で1点守り切るのは無理よ。こっちがピッチャー代えても、1点ずつでも取って行く姿勢を見せないとな」ーー終盤2点差にしたのは大きい「そら大きい、大きい。昨日の今日やから。ゲラにしても岩崎、桐敷にしろ、2点になると全然違うわな」ーーリリーフ陣は四球を出さなかった「昨日の今日でフォアボール出したらアカンやろ。そんなん一番分かっているやん、リリーフ陣が」ーー近本の調子は「そんな良くないんちゃう? はっきり言うて。でも接戦になると、どうしても左ピッチャー当てられることが多いからな、あそこ並ぶからな。そらもうしょうがないけど」ーーセーフティースクイズで1点を返す巨人の戦いは(2点追う五回無死一、三塁で門脇が成功)「ゲッツー嫌やったんやろ。本当なら、あそこ1点で抑えとったら良かったけど、また次、(適時打を放った)長野に不用意に1球目行ったからなあ。カウント悪くするからな。2ストライクから2ー2とか、エンドランとかそういう場面になるから。本人も球数多なる。相手のカウントも良くなる。そうやろ。才木にも言うたんやけどな、カウントを整えてもうたらアカンわ。2ストライクから2ー2まで行くやろ。先に勝負してもうたらええやんな、そしたら向こうは何も出来へんやん」ーー佐藤輝が珍しくセーフティー(七回2死無走者で左腕に対し敢行するもファウルに)「勝手にやったんや。出すか、そんなん」

◆オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(58)は1点差に迫られた六回を無失点に抑えた阪神・岡留英貴投手(24)を高く評価した。非常に意味のある白星だ。期待の門別が打たれ、西勇が好投しても勝てず、もし巨人に3連敗なら非常に嫌な空気になる序盤のポイントとなる試合だった。一番の収穫には岡留を挙げたい。五回に1点差に迫られて、九回までどうつなぐのか? 注目の六回を託され、坂本には安打を許したが、力のある球を投げ込んでいた。以前は「いつ四球を出すか?」と見ていたが、制球を乱して崩れる気配はなくなった。梶谷を高めの真っすぐで三振を奪った投球などは、十分に勝ちパターンの1人として使えると感じさせた。加治屋が2軍に降格して、1枚足りなくなったはずの救援陣だが、再び盤石に感じた。誰かが調子を落としても、代役がすぐに登場するのが阪神の強さだろう。序盤の才木を見れば、七回ぐらいまでいけると思ったが、四、五回に急に球数が増えた。自分が抑えなくてはという気持ちが強過ぎたのか? 慎重になり過ぎたのか? そうなった最大の要因は援護の少なさ。夏場に向けて、投手陣も疲労がたまる。接戦を勝ち切るのが阪神とはいえ、打線の奮起が、この先の投手陣の一番の活力になる。

◆試合後、死球を受けた箇所にアイシングを施す阪神・森下翔太=東京ドーム(撮影・松永渉平)

◆阪神・森下翔太外野手(23)は4月11日の広島戦(甲子園)以来、19試合ぶりに6番で出場。六回に中前打を放ったが、八回無死一塁では左脇腹付近に死球を受けてうずくまり、場内は騒然となった。途中交代せず「ちょっと当たりどころが怖かったけど、なんとか(骨と)違うところに当たってくれた。大丈夫です。はい」と振り返った。

◆阪神・岩崎優投手(32)がリベンジ。4-2の九回に登板し、わずか6球で三者凡退に抑えて今季5セーブ目。4日は1-0の八回に登板し、丸に同点打を許して今季14登板目で初失点。チームも延長十回サヨナラ負けを喫した。「(連敗ストップは)良かったです。きのうはきのう、きょうはきょうなので、やり返すとかは意識しなかったです」とポーカーフェースで振り返った。

◆先発した阪神・才木浩人投手(25)は5回7安打2失点で、チームトップの大竹に並ぶ3勝目を挙げた。五回に4本の長短打で2点を返されたが、なお2死一、三塁のピンチは切り抜けた。「きょうはよかったし、もう少し長いイニングを投げたかった。でも、2点で粘れたのでよかったかな。近本さんや中野さんに(守りで)助けられた。チームの連敗も止まってよかった」と胸をなでおろした。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)は好守で才木をもり立てた。三回1死一塁から二遊間へ飛んだ打球を逆シングルで捕球すると、二塁へバックハンドでグラブトス。受けた木浪も素早く一塁へ転送し、併殺を完成させた。「手でいくよりはグローブで行ったほうが(併殺が)取れるかなという判断でやりました」。打撃では三回に近本の先制2ランの直後に中前打で出塁し、続く佐藤輝の左前打で生還。五回には今季初盗塁を決めるなど持ち味を存分に発揮した。

◆スタメンマスクの阪神・梅野隆太郎捕手(32)は5投手を好リード。接戦をものにし、「連敗を止めるのは早いほうがいい。そういう気持ちで選手もやって、勝ててよかった」と振り返った。先発の才木のワンバウンドを何度も体で止めながら得意のフォークを生かして3勝目をアシスト。「球数を使いながらもよく頑張ってくれた」とねぎらった。

◆2点リードの八回に登板した阪神ハビー・ゲラ投手(28)は三者凡退に抑えて、岩崎優投手(32)に勝利のバトンを託した。チーム最多の16登板目で安定感は抜群。「(岩崎)優が(きのう打たれたのを)やり返すわけじゃないけど、しっかり抑えてくれた。またブルペン陣の結束ができたと思う」と、ともにダブルストッパーを担う左腕をねぎらった。

◆阪神・桐敷拓馬投手(24)が安定した投球で流れを渡さなかった。七回に3番手で登板。1死から代打・増田大に中前打を許したが、丸を右飛に打ち取ると、続く佐々木の打席で増田大をけん制で誘い出してアウトにした。これで10試合連続無失点の左腕は「中継ぎで勝つ、というのはザキさん(岩崎)の合言葉なので。そこはみんな意識してやっています」と誇った。

◆六回から2番手として登板した阪神・岡留英貴投手(24)は中軸を封じて後ろにつないだ。森下の好プレーで先頭の岡本和を右飛に打ち取る。坂本に安打を許したが、後続を封じてゼロを刻んだ。「勝って次につなげる気持ちで。前よりは落ち着いて投げられた」とコメント。防御率0・87と安定した投球で救援陣を支えている。

◆阪神・木浪聖也内野手(29)は「8番・遊撃」で2試合ぶりのスタメン。1日の広島戦以来の複数安打をマークした。三回先頭で左前打を放って近本の先制2ランを呼び込むと、四回にはフェンス最上部に当たる二塁打。守備でも三回に中野からのグラブトスを受けて併殺を完成させ「いつも通りできることが大事と改めて思ったので、あすからも準備して頑張ります」と気を引き締めた。

◆阪神・前川右京外野手(20)が4月6日のヤクルト戦(神宮)以来、23試合ぶりの5番起用に応え、貴重な追加点をあげた。「その前の3打席、話ならないくらいダメだったので、なんとか最後に打ててよかった」。3打席凡退で迎えた3-2の八回無死二塁。カウント1-2と追い込まれながら、巨人4番手・京本の外角低めのフォークを左前へ落とす執念のタイムリーを放った。出場6試合ぶりとなる打点を記録した。岡田監督も「引っ張れと思ってたんだけどね。追い込まれたからね、難しいボールだったけど。ほんと、食らいついていくというかね。そういう姿勢がああいうヒットになったんじゃないかな」と評価した。ノイジーも好調で、外野の定位置争いは激しいが、若虎の奮起はチーム力をアップさせる。前川は「打てると打てないでは、打てた方がいい。また次も頑張ります」とさらなる活躍を誓った。

◆一度、相手に傾いた流れを呼び戻すことができなかった。ソフトバンクからトレードで加入した巨人・高橋礼投手(28)が、5回6安打3失点(自責点2)で今季6試合目で移籍後初黒星。三回に近本に2ランと佐藤輝に適時打を許し、「ストライクゾーンで勝負した結果だが、先制点を与えてしまったことは大きな反省」と振り返った。3点を追う五回無死一、三塁で門脇のセーフティースクイズ、長野の適時二塁打などで2点を返したが、あと一本が出ず。試合前までで防御率0・95と好投を続けていた下手投げ右腕を援護できなかった。それでも中盤に粘りを見せた攻撃陣に、阿部監督は「いい形をつくって点が入ったのでね。これは継続したい」と前向きに捉えた。首位・阪神に2勝1敗で勝ち越し、指揮官は「いい3連戦でした」と気持ちを切り替え、6日からの敵地での中日3連戦に臨む。(樋口航)

◆背番号5がヒーローだ!! 阪神は巨人に4―2で勝利し、連敗を2で止めた。近本光司外野手(29)が先制の4号2ランを放ち、守備でもファインプレー。今年も5月5日に輝き、チームも2015年からこどもの日はプロ野球最長に並ぶ8連勝だ。虎が誇る斬り込み隊長はこれからもチビっ子に夢と笑顔、虎党に勝利を届ける。勢いよく打って、思いっきり飛んだ。近本がチビっ子でも一目で分かるヒーローの背中を何度も示し、虎の白星をがっちりつかんだ。先制2ランとダイビングキャッチで3連敗を阻止し、チームはこどもの日のプロ野球最長に並ぶ8連勝。今年も強い虎を見せつけた。「とにかく先制点がほしかったので(走者を)かえす気持ちで。高めの真っすぐに(合わせて)と思っていた。スライダーだったので打球が上がった感じだと思います」まずはバットで、三回に均衡を破った。先頭の木浪が左前打、才木の犠打で1死二塁。近本はカウント1―2から先発・高橋礼の高めに甘く入ったスライダーを仕留めた。打球は高々と上がって右翼スタンドへ飛び込む4号2ラン。今季2度目の対戦だった下手投げ右腕から9イニング目で初めて得点を奪った。見せ場はこれで終わらない。四回の守備では、2死三塁で坂本の打球が中堅へ。あらかじめ頭の中にあった「右打者の右中間への打球」が飛び、ボールが地面につく寸前に身を投げ出してキャッチ。グラブが外れそうな勢いで飛び込んで捕球し、失点を防いだ。

◆先頭から左打者3人を並べた変則右腕攻略オーダーが見事にはまった。下手投げの高橋礼を狙い通りに打ち崩し、リベンジに成功。チームの連敗も2で止め、策が実った岡田監督もニンマリだ。「特殊なピッチャー言うたらおかしいけど、右(打者)はしんどいかなと思ったからな。だから上位に左(打者)集めて、そこで点取ろうかな思って。まあ左しかヒット出えへんやん」1番・近本、2番・中野に続き、今季初めて3番も佐藤輝を据えた。三回に岡田スペシャルが効果を発揮した。左の木浪の左前打から1死二塁とし、近本の2ランで先制。中野が中前打を放つと、佐藤輝が左前に運ぶ。流れるような攻撃で貴重な3点目を奪った。 「高橋用っていうかね。前回も梅野の1本かな。1安打だったんで。左打線にかけました」前回対戦時(3月31日、東京ドーム)は1番・近本、2番・中野、3番・森下の並びで、高橋礼に6回1安打無得点に封じられた。百戦錬磨の将は今季2度目の対戦で同じ轍を踏まない。今回は起用した左打者だけで右腕から計6安打を放って3点を奪い、今季初黒星をつけた。さらに5番起用の前川が、八回に適時打を放って駄目押しの4点目をたたき出した。岡田監督のタクトがさえ渡り、今季初の同一カード3連敗を阻止した。「いろいろなあ、試してみて。それが機能したからいいやんか。そこで2点入ったわけやから。佐藤(輝)、前川のところで追加点がな」6日からは甲子園に戻っての広島3連戦。選手が躍動する策を練り、ゴールデンウイーク最終日も虎党の大歓声を巻き起こす。(新里公章)

◆チャンスで奏でた快音に歓声が上がる。今季初めて3番に入った阪神・佐藤輝明内野手(25)が、4月20日の中日戦(甲子園)以来、38打席ぶりの適時打。スタンドに駆け付けたチビっ虎たちを笑顔にした。「良かったです。常にボールを振らずに、ストライクを打つというのは監督が言っているので、それができたと思う」近本の2ランで先制した三回1死二塁。追い込まれながらも、外角低めの難しいシンカーにうまくバットを合わせる。左前に弾ませて大きな3点目を追加した。先発の高橋礼を攻略すべく、「3番・三塁」で2試合ぶりにスタメンに復帰。3番での出場は2022年5月6日の中日戦(バンテリンドーム)以来。岡田監督のもとでは初で、2年ぶりの打順に「回ってくるのが早いなと思いながらいきました」と起用に応えた。前日4日はスタメンを外れ、今季初めて出場なしに終わった。それでも下を向いている暇はない。試合前練習ではなかなかグラウンドに姿を見せず、30分以上室内でバットを振り込んだ。「修正しながらやっていました」と多くは語らなかったが、その取り組みが連敗ストップに貢献するタイムリーにつながった。岡田監督は「1打席目も、2打席目も反対方向打ってたし、あの1点も大きかったですね」と目を細めた。

◆巨人・長野は2日連続で代打で結果を残した。代打はファーストストライクから打たなくてはいけない。その一球を仕留めたベテランの技が光り、五回に1点差に迫った。その後、二塁走者の長野に代走を送るか、否か。ベンチはそのスポット(9番)に投手を入れたい。試合中盤の五回で、余計な駒を使いたくないという判断で代走を送らなかった。結果論になるが、代走なら2死から佐々木の右前打で生還し、同点に追いつけたはず。ベンチは切りたい札を切れなかったように映った。高橋礼は逆方向に打たれた。阪神打線は少し高めの球を狙う指示があったと思う。低めは沈み、緩急で抜かれる球。その厄介な球を思い切って捨て、追い込まれたら反対方向に打つ意識も感じられた。岡本の調子は決して悪くないが、どちらかといえば打球が上がらず、ライナー性になっている。打撃練習では力感もなくいいスイングをしていた。試合になると、力むことで投手寄りの左肩が開き、バットが少し遠回りしてドアスイング気味になり、フォークボールのボール球を振る傾向にある。中堅方向を中心に打っていけば、打率も上がり、本塁打数も増える。ボールの内側からバットを出せるので、打球も上がり始めるだろう。阪神・岡田監督の采配は手堅く、1点を確実に取りにくる。両チームともに本調子ではないものの、打線が活気づけば、リーグで抜けた存在となる。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆♪屋根より高い、チャンピオンフラッグ~。大きいまごいは岡田さ~ん。小さいひごいは猛虎たち~。おもしろそうに勝ちました~。よっしゃァ! さすが昨年の日本一チーム。最大のライバル巨人に3連勝を許さず! それ以上に、「こどもの日」に子供たちに夢を与えた勝利はただの一勝にあらず!! 虎党の子供たちの胸の中に一生、刻まれるであろう素晴らしいプレゼントをありがとう!!近本の先制2ランに、佐藤輝のレフトへの技ありタイムリーと猛虎打線が火を噴けば(八回、前川のタイムリーもしびれた)、守っては「タイガー曲芸ショー」のはじまり、はじまり! 三回1死一塁、セカンドベース後方のゴロを処理した中野が、華麗なグラブトスで4-6-3のゲッツーを完成! 四回にはセンター近本が坂本のヒット性の当たりをスーパーダイビングキャッチ!! そして投手陣は岡留-桐敷-ゲラ-岩崎が六回から巨人打線をピシャリときたもんだ。だけど、一つだけあえて文句あり。七回2死からセーフティーバント(ファウル)を試みた佐藤輝よ! 子供たちは君のバントを見たいんじゃないよ...。

◆昔と違って情報があふれ返るのは、プロ野球の世界も一緒。「吉兆データ」や「不吉なデータ」を見つけてきて、ああだこうだと話題にするのも、プロ野球の楽しみ方として定着している。昨日、5月5日は、誰もが知っている「こどもの日」。実は阪神に幸運を呼ぶ「5」の日であります。5年前の「5・5」を覚えていますか?阪神の5番打者・福留孝介が、5-5の同点の九回裏の第5打席、DeNAの5番手・三嶋から右翼席にサヨナラ弾。これがセ・リーグ通算5万号のメモリアル。究極の「5」ずくしに、チビっ子たちは大喜びした。去年もありました。令和5年5月5日、お立ち台に立ったのは背番号55のミエセス(1軍でしばらく見ないけれど、元気にしてるのかなぁ)。投手陣も踏ん張って、広島打線を5安打に抑えて、5-0で快勝。開幕以来5度目だった貯金「5」へのチャレンジを見事に成功させた-。夢よ再び! プレーボール前から「5」しか頭に浮かばなかったのは虎ソナだけ?!三回に近本が先制2ラン。背番号5です。四回には坂本(巨人)の打球をダイビングキャッチのファインプレーしたのも背番号5。年間通じてもトップクラスの美技だった。同じ背番号5をつけてスーパーキャッチを連発していた新庄剛志(現日本ハム監督)を思い出させてくれた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
16114 0.593
(↑0.016)
-
(-)
112102
(+4)
84
(+2)
19
(+1)
9
(+1)
0.232
(↑0.001
2.130
(-)
2
(-)
巨人
15143 0.517
(↓0.019)
2
(↓1)
11182
(+2)
83
(+4)
12
(-)
15
(+1)
0.231
(↑0.002
2.440
(↓0.02)
3
(2↑)
DeNA
14151 0.483
(↑0.019)
3
(-)
11394
(+5)
111
(-)
11
(+2)
19
(+1)
0.243
(↑0.004)
3.210
(↑0.12)
4
(2↑)
中日
13144 0.481
(↑0.019)
3
(-)
11289
(+6)
109
(+3)
16
(+2)
3
(-)
0.246
(↑0.004)
3.160
(↑0.1)
5
(2↓)
ヤクルト
13152 0.464
(↓0.017)
3.5
(↓1)
113125
(+3)
108
(+6)
22
(-)
13
(-)
0.250
(↓0.004)
3.470
(↓0.08)
6
(2↓)
広島
11134 0.458
(↓0.02)
3.5
(↓1)
11576
(-)
73
(+5)
11
(-)
12
(-)
0.230
(↓0.003)
2.520
(↓0.09)