広島(★1対7☆)阪神 =リーグ戦4回戦(2024.04.30)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
0101013017910
広島
1000000001701
勝利投手:村上 頌樹(2勝1敗0S)
敗戦投手:床田 寛樹(2勝2敗0S)

本塁打
【広島】秋山 翔吾(1号・1回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は1点を追う2回表、坂本の適時打で同点とする。その後2点を勝ち越して迎えた7回には、ノイジーの適時打などで3点を挙げ、相手を突き放した。投げては、先発・村上が9回1失点の力投。今季初の完投で2勝目を挙げた。敗れた広島は、打線が振るわなかった。

◆広島は左腕の床田寛樹が先発。同投手のマツダスタジアム通算勝利数は53試合に登板して19勝(16敗)。同球場の最多勝利は前田健の45勝で20勝以上は6人。左腕ではK・ジョンソン(33勝)しかおらず、床田が日本人左腕初のマツダスタジアム20勝目を目指す。

◆両軍のスタメンが発表された。阪神佐藤輝明内野手(24)が27日ヤクルト戦(甲子園)以来、2試合ぶりに「6番三塁」でスタメン復帰。木浪聖也内野手(29)も26日ヤクルト戦以来、3試合ぶりに「8番遊撃」で先発となった。先発は村上頌樹投手(25)。ここまで4試合の先発で1勝1敗、防御率1・08。前回広島と甲子園で対戦した9日は7回2安打無失点で今季初勝利を挙げており、広島に連勝で2勝目を目指す。

◆広島秋山翔吾外野手(36)が1回、今季1号アーチを、自身22度目となる先頭打者本塁打でマークした。阪神先発村上の初球、144キロを振り抜き、西武時代の19年8月4日オリックス戦以来、広島移籍後では初の先頭打者弾を右翼席に放り込んだ。「村上投手から全然点を取れていなかったので、今日は腹をくくって初球から思い切っていきました」。秋山にとって、19年7月27日の日本ハム戦で浦野から放って以来2本目となる初球先頭打者弾で、前回7回無得点に抑えられた難敵村上に先制パンチを見舞った。

◆阪神の先発村上頌樹投手(25)が先頭秋山翔吾外野手(36)に、初球を右翼席にたたき込まれた。だが、その後のピンチは抑え、2回は無失点だった。村上は2回を投げ終えたところで規定投球回に再登場した。2回終了時の防御率は1・33。投げ合っている広島床田、登板予定のない巨人高橋礼に次ぐ3位につけた。

◆阪神木浪聖也内野手(29)が「8番遊撃」でスタメンに復帰し、さっそく好守を見せた。2回、先頭矢野の二遊間の打球に対し、捕球体勢に入ったが、目の前でイレギュラー。大きくはねたが、冷静につかんで一塁アウトにした。また、2回の第1打席では左前にしぶとく安打を放った。木浪は26日のヤクルト戦(甲子園)で3失策。すべて失点につながり、チームの連勝も7で止まった。27日、28日はスタメン落ち。29日の雨天中止を含め、4日ぶりのスタメンだった。

◆阪神村上頌樹投手(25)が「66キロ差」の緩急を披露した。3回2死から坂倉将吾捕手(25)に対して、初球に80キロのスローカーブを投げた。惜しくもボールになったが、2球目は一転して146キロの直球で棒立ちにさせた。見た目にもはっきり分かる緩急差で、マツダスタジアムの観客から拍手と、驚いたような声が上がった。3球目のツーシームで二ゴロに仕留めた。

◆阪神が6回、貴重な追加点を挙げた。2-1とリードはわずか1点だった。先頭大山悠輔内野手(29)の四球から1死一、三塁のチャンス。坂本誠志郎捕手(30)が打ち上げた打球は右翼ファウルゾーンのフェンス際に飛んだ。捕れば確実にタッチアップで得点できる距離だったが、広島野間峻祥外野手(31)はファウルゾーンでキャッチ。阪神のリードは2点に広がった。捕球するかしないかは状況によって判断が分かれるところ。SNSでは「これはラッキーかも」「ラインぎりぎりだったのかな」と阪神ファンの間で話題になった。

◆阪神坂本誠志郎捕手(30)がすべて異なる形で6回までの全3得点を生んだ。まずは1点を追う2回2死二塁、広島床田の直球を中前にはじき返し同点適時打。続く4回無死満塁の第2打席では二ゴロ併殺打に倒れるも、その間に三塁走者の大山が生還し、勝ち越しに成功した。さらに6回1死一、三塁の場面では右翼ファウルゾーンへ大飛球。これが犠飛となり、3点目が入った。坂本はこの日の第1打席での打点が、今季48打席目にして初打点だった。

◆2試合ぶりにスタメン復帰した阪神佐藤輝明内野手(25)が、1安打ながら5得点に絡む渋い働きをみせた。1点を追う2回1死一塁からは外角低めの変化球に食らいつき、一塁への進塁打を放ち、続く坂本の同点打につなげた。同点の4回無死一、二塁からは右腕付近に死球を受けチャンスを拡大し、坂本の二ゴロ併殺打に間に勝ち越しを決めた。1点リードの6回無死一、二塁からは二ゴロを放ち、二塁走者の大山を三塁へ進塁させ、坂本の右犠飛での追加点に貢献した。3点リードの7回1死満塁のチャンスでは一塁線への強烈な内野ゴロを放ち、一塁手松山の好捕もあってアウトとなったが出場6試合ぶりの打点を挙げた。5点リードの9回無死一塁からは12打席ぶりのヒットとなる左前打をマークしてチャンスを広げ、1死一、三塁から木浪の二ゴロでさらに1点が追加された。

◆首位阪神が今季10度目の逆転勝利を飾った。投打がかみ合って3連勝。貯金を今季最多の6に増やした。打線は佐藤輝明内野手(24)が27日ヤクルト戦(甲子園)以来、2試合ぶりに「6番三塁」でスタメン復帰。木浪聖也内野手(29)も26日ヤクルト戦以来、3試合ぶりに「8番遊撃」で先発となった。1回、先発の村上頌樹投手(25)が広島・秋山翔吾外野手(36)に先頭打者初球アーチを浴び、先制点を失った。ここから「逆転の阪神」が本領を発揮した。2回2死二塁から7番坂本誠志郎捕手(30)の中前適時打で同点。今季48打席目で初打点を記録し、試合を振り出しに戻した。坂本は1-1の4回無死満塁でも二ゴロ併殺の間に勝ち越し点を奪取。6回には右翼ファウルゾーンへの犠飛で3点目をもぎ取った。7回には左前適時打も放ち、この日3打点で先発村上を援護した。「5番左翼」で先発出場したシェルドン・ノイジー外野手(29)は4安打で今季初の猛打賞。スタメン復帰した佐藤輝は1安打ながら4得点に絡み、8番木浪も左前打を放つなど、打線がつながった。先発村上は初回の1失点のみに抑える好投を決め、今季チーム初となる9回完投で今季2勝目を挙げた。

◆首位阪神が3試合連続となる今季10度目の逆転勝利を飾った。投打がかみ合って3連勝。貯金を今季最多の6に増やした。先発した村上頌樹投手(25)は1失点の好投で今季チーム初の9回を投げきっての完投勝利をつかんだ。ヒーローインタビューは以下の通り。-去年のプロ初勝利のバンテリンD以来の完投勝利。9回を投げきって「最高です」-いきなりの先頭打者弾。あの瞬間は「自分もビックリしたんですけど、でもまあ落ち着いて、もともと誠志郎さんと相談しながらやっていたので、打たれても落ち着いてできたかなと感じました」-その後ピンチもありましたが「次の1点が大事だなと思っていたんで、ここで踏ん張れるようにと思って投げてました」-ご自身の状態は「めちゃめちゃいいってわけではなかったんですけど、でもしっかりコースに投げられましたし、しっかり投げれば大丈夫かなと思ってマウンドで投げてました」-左打者が並んだが一番意識したことは「ライトにいい風が吹いていたので、ホームランが出ないように、まあ先頭には打たれたんですけど、それ以降は打たれないようにっていうのは意識して投げました」-緩いカーブも多く使いながら。狙い通りか「狙い通りで、真っすぐそこまで速くないので自分、カーブだったり緩急を使って抑えないといけないピッチャーなので、いい形で使えたのはよかったと思います」-坂本が3打点「ホーム球場だったらたぶん2人でお立ち台に立てたと思うんですけど、ビジターなので、自分だけなんですけど、本当にそこは申し訳ないです」-坂本と試合中、試合後に話は「まだあまりちゃんと話してないので、この後しっかり話したいと思います」-今年は開幕戦のあと31イニングでわずか失点3。この安定感はどこから来る「野手のみなさんがしっかり守ってくださってるおかげだと思うので、自分1人だけの力ではないと思います」-首位キープ。いい5月を迎えられる「去年の5月もチームがいい状態だったので、今年もその状態で入れるようにみなさんまた応援お願いします」-5月に向けてどんなピッチングを「チームが勝てるように、腕振って投げたいと思うので、また応援お願いします」

◆首位阪神が今季10度目の逆転勝利を飾った。投打がかみ合って3連勝。貯金を今季最多の6に増やした。先発の村上頌樹投手(25)が初回の先頭打者秋山に先制本塁打を浴びたものの、7安打1失点完投で今季2勝目。打線は四球もからめて終わってみれば7得点。来日2度目の4安打を放ったシェルドン・ノイジー外野手(29)に岡田彰布監督(66)は「ノイジーはえらいな。どしたんやろ。分からんけど」と驚きながらも? 状態の良さを喜んだ。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-村上は初回1点でしのいだおお、なあ。2回目やな、初球ホームラン、-ピンチもあったが2点目を取られなかったそうやな。まあ、そんな調子があれや、悪くなかったと思うしね。1点でしのいで、徐々に。きょうもあれや、3回くらいからやな。ちょっとカーブとかな、やっぱりなんかうまくタイミング外すというか。なあ、持ち味が出だしたんがな。-最後まで投げ切ってくれたいや、球数も少なかったし、もう7回でこれ120(球)までにおさまるなって言うとったから。最後までいかせようと思って。-連戦の中で先発が完投した連戦言うても昨日空いたからな。この展開じゃ2人ね。あと投げさせてもあの2人(ゲラ、岩崎)は休ますことできたかもわからん。-四球から得点久々につながったな。ノイジーはえらいな。どしたんやろ。分からんけど。ちょっとバット立ってきたよな、言うてたようにな。寝かしてないもんな。打つ前に浮かしとるもんな、ちょっとな。-出ながら状態を上げてきたそうそうそう。開幕の時そんなええことなかったけどな。ここ何試合かは、ほんとお前、右の方にもうまいこと打ちよるしな。あれはちょっと「あっち向いてホイ」あったけど、あれは「あっち向いてホイ」ちゃうよな今日なんかお前、しっかり向こうにな、打ってるよな。-逆転勝ちが多い。2点目3点目をあげないのがだから、この間の大竹にしてもな、1回、2回で取られとるけど1点、1点とかな、最少点に抑えとるから、そのくらいやったら何とかこう、2点打線じゃなしに、ちょっとあれから抜け出しとるからな。-四死球を多く選べているのは昨年の強かったころの戦い方おーん。そら向こうピッチャー、相手次第やけどな。だいぶボール球もな、悪い頃に比べたら、やっぱり選んでな、振らんようになってな、全体的にな。-坂本にチャンスで回ってきたが、しっかり生かしたあいつら2人、バッティング練習の時からようなっとるから、梅野と坂本が。だからヒットが出そうな感じやもんな。-ゲッツー崩れや犠飛で点を取ったことが大きいそや。大事なところで三振せえへんやんか。前に転がしたらなあ、ほんとゲッツー崩れでええんよ、1点でええんよ、おーん。だから結局7、8、9とかなあ、あのへんで1点とかとれるだけでいいわけやからな。-3点目の犠飛はファウルゾーンだったがそら向こうがとりはったから(笑い)。とったなあと思ったけど。-4月が終了。チーム状態も上向いてきたそうやなあ。何試合か続けて2点しか取れん時に比べたら、つながって点が取れるようになってるから、先発も徐々にそういう形で、ある程度点取ってくれると分かったら、先に取られても最少点で抑えていったら、逆転してくれると。逆転勝ちが多いと言っても、そんな劇的な逆転じゃないからな。やっぱり1点1点の積み重ねの逆転やからな。その方が相手にはダメージ大きいかも分からんけどな、1点1点取られていく方が。

◆首位阪神が今季10度目の逆転勝利を飾った。投打がかみ合って3連勝。貯金を今季最多の6に増やした。先発の村上頌樹投手(25)が初回の先頭打者秋山に先制本塁打を浴びたものの、7安打1失点完投で今季2勝目。阪神村上頌樹は岡田監督の気遣いに感謝している。前回4月23日DeNA戦(横浜)のこと。8回を投げ終え1失点で三塁側ベンチに戻ると、安藤1軍投手コーチから「ここまでや」と伝えられた。「いや~そうですよね」と悔しげに返答。「球数も112球で多かったし、ストップがかかって。でも監督もこっちを気にしてくれていたみたいで...」。ふと岡田監督の方を見ると、目が合ったという。「監督、こんな感じにしていたんです」。数日前、村上は柔らかい表情で申し訳なさそうにするベンチの岡田監督のマネをし、その時の状況を教えてくれた。「監督も本当は勝ち負けつくまで投げさせたい感じだったのかなと。気にしてくださっているのはありがたいです」。結局、DeNA戦は1-1の同点に終わり、勝ち負けはつかなかった。1週間後の9回リベンジ。村上とハイタッチする岡田監督もまた、うれしそうだった。【阪神担当=中野椋】

◆広島床田寛樹投手(29)が4安打に自己ワーストの6四死球が絡んで6回3失点。9日と同じ村上との投げ合いに再び敗れ、2敗目を喫した。1回に先制してもらうも、直後の2回1死後の四球から追いつかれた。さらに4回、6回といずれも先頭への四球が失点につながった。「完全に僕のせいで負けた。思いっ切り自滅なので。ストライクが欲しいときにストライクが入らなかった」。借金1となったチームの敗戦の責任を背負った。

◆1回に秋山の通算22度目の先頭打者本塁打で先制するも、先発床田が6回までにいずれも四球絡みで3点を失い2敗目を喫した。幸先良く先制した打線も、2回以降は得点圏に走者を進めたのは2回の1度のみ。3回以降はチャンスすらつくれず、村上に完投勝利を許した。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-床田投手は制球を含めて本来の姿ではなかった新井監督 調子はあまり良くなかったと思うけど、しっかりゲームをつくってくれた。さすがだなと思って見ていました。-それだけに援護したかった新井監督 ヨーイドンで速い球をパン、パンって捉えて、相手もガラッと配球を変えてきた。そこは、また自分が考えたいなと思います。-初回先頭弾の秋山選手について新井監督 間違いなく状態は上がって来ていると思うね。前の前のカードぐらいから、しっかりと速いボールも捉えている。いい感じだと思います。今日もナイスバッティングだったと思います。-阪神先発の村上投手に、右打者より被打率が低い左打者を並べた新井監督 数字的にはね。ただ、こちらは左打者にいい打者が多いので。もちろん被打率的には結構、差があるというのはこちらも分かっているけどね。-投手陣は10四死球新井監督 そこは、あえて自分が言わなくても各自が分かっていると思うので、また次の登板に向けて各自が修正して臨んで欲しい。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】広島戦に先発した阪神村上頌樹がバッテリーを組んだ坂本誠志郎のリードと打撃援護で完投勝利。規定投球回数にも到達し、防御率1.06と奪三振28は共にセ・リーグ2位です。

◆上々すぎる4月フィニッシュや! 首位阪神が3試合連続となる今季10度目の逆転勝利を飾った。投打がかみ合って3連勝。貯金を今季最多の6に増やし、2位巨人に2・5ゲーム差をつけた。先発した村上頌樹投手(25)は初回初球に先頭打者弾を浴びながら、1失点で今季チーム初の9回完投勝利。規定投球回に到達し、防御率2位に割り込んだ。18年ぶりのセ界制覇を達成した昨季の4月終了時貯金は3。早くも独走態勢に入りつつある!?村上は動じなかった。初回、1番秋山にいきなり初球を捉えられた。人生で初めて浴びた初球先頭打者アーチ。赤く染まったマツダスタジアムが、1球で広島ムードに包まれた。その後も失策などが絡み、無死一、二塁。たまらず集まった内野陣の輪の中でも、右腕の表情にこわばりはなかった。「(被弾の影響は)そこまでなかった。1点取られたんですけど、ここからまた振り出しという感じで思っていたので」4番松山を迎えた追加点のピンチ。左飛で1アウトを奪うと、続く坂倉、宇草も打ち取った。先制点を奪われながらも、相手に傾きかけた流れを一気に引き戻した。2回以降は尻上がりに調子を上げた。80キロ台のスローカーブなども織り交ぜながら、三塁を踏ませない快投を継続。9回112球を投げきり、7安打1失点で今季2勝目を挙げた。自身にとっては昨季プロ初勝利を挙げた4月22日中日戦以来、チームでは今季初の9回完投勝利だ。「長いイニングを投げたいというふうに思っていたので。そういう部分では、9回を投げきれたのは良かったかなと思います」規定投球回にも再び到達。奪三振数28とともに、防御率1・06で一気にセ・リーグ2位に登場した。「防御率も良くなってきていると思いますし。イニングもしっかり投げられたので、そこが一番かなと思っています」昨季のセ・リーグ最優秀防御率右腕にとっては何よりもこだわる数字だ。昨オフの契約更改時も「2年連続」を目標に掲げ、無駄な失点の削減を課題に挙げてきた。岡田監督も「3回くらいからやな。カーブとかな、うまくタイミング外すというか。持ち味が出だしたんがな」と評価。防御率タイトルの大本命が本領発揮の好投だ。マツダスタジアムではプロ初の白星。チームをすべて逆転勝ちでの3連勝に導き、ヒーローインタビューでも笑みがはじけた。「チームが勝てるように腕を振って投げたいと思うので、また応援お願いします!」。「火曜日の男」が盤石な投球で虎の先発ローテを支えている。【波部俊之介】阪神は4月を終え、15勝9敗3分け、勝率6割2分5厘。同じ時期の勝率6割以上は21年の6割9分(20勝9敗)以来3年ぶりで、00年以降では6度目だ。なお昨年の4月末は13勝10敗1分けの5割6分5厘で首位DeNAから3ゲーム離された2位だった。

◆2試合ぶりにスタメン復帰した阪神佐藤輝明内野手が、4打数1安打ながら5得点に絡む渋い働きをみせた。「6番三塁」で出場。2回1死一塁からは進塁打となる一ゴロ、4回無死一、二塁からは死球を受けてチャンスを拡大。6回無死一、二塁からは二ゴロで進塁打。7回1死満塁からは一塁線への強烈なゴロで出場6試合ぶりの打点を記録した。そして、9回無死一塁からは12打席ぶりの安打となる左前打。5打席すべてで得点につなげ「なんとかね、つながったんで良かったです」と胸をなで下ろした。試合前の直近5試合では19打数1安打12三振と振るわず、28日のヤクルト戦では今季初のスタメン落ちと悔しさを味わった。この日は縁の下の力持ちとして快勝での3連勝に貢献。次戦に向け「みんなで頑張って勝ちたい」と気合をにじませた。昨季5本塁打を放った5月。浮上月間としたいところだ。

◆阪神坂本誠志郎捕手(30)がポイントゲッターに"変身"した。今季0打点だった7番打者が一挙3打点の大活躍。ことごとく回ってきたチャンスで、着実に4得点を生み出した。最初の3点はすべて坂本のバットから。まずは2回2死二塁で、床田から中前に鮮やかな同点打。「床田くんと(村上)頌樹でロースコアになると思っていた。先に取られたけど、何とか早く追いついて、そこから頌樹も粘って投げてくれて、こういう展開になった」と右腕をたたえた。同点の4回無死満塁では二ゴロ併殺に倒れたが、その間に1点。三振せず、バットに当てて確実に点を取る、まさに最低限の仕事だ。「凡打の内容はチームですごく意識を持ってやっている。『生きる凡打』が大事。チームとして今日はしっかりできたんじゃないか」。打点はつかなかったが、これが決勝点になった。3点目も大きかった。6回1死一、三塁で右翼ファウルゾーンへ大きな飛球。捕ればタッチアップ成功の距離だったが、野間がキャッチを選択。2点差に広げた。7回にはダメ押しの左前打も決めた。昨季は梅野の故障離脱もあり、終盤は「正捕手」として日本一に大きく貢献した。今年は梅野との完全併用。打線の調子が上がらない中、梅野とともに必死に投手陣をリードしたが、その反動か? バットが振るわずにいた。打率1割台前半をうろつき、責任を感じる日々だった。「もっとゆったりと打てばいいんじゃない?」。4月中旬、意外な人から助言を授かった。虎のOB投手、能見篤史氏だった。地元・兵庫県北部の養父市に隣接する豊岡市出身で「地元の大先輩」と慕う。偶然会った際に「迷ってるんか?」と聞かれ「迷うほどのレベルではありません...」と打ち明けた。日々、リードに主眼を置きながら打撃でも悩んでいた。「もう、どの打席でもチームに貢献したい」と気持ちを込めた。3打点で村上を完投勝利に導いた夜。久しぶりの充実感に浸った。【柏原誠】

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(29)が、今季初の猛打賞の活躍で打線をつないだ。「5番左翼」で先発出場。1点を追う2回1死から四球を選んで同点のホームを踏むなど全5打席で出塁し、23年5月16日の中日戦以来、来日2度目の4安打1打点と爆発。「今日はいい感覚で打つこともできましたし、結果にも残ったので、明日につなげていきたい」と充実感をにじませた。全打席から状態の良さが漂う。4回はインコース高めの直球をとらえ、6回は低めのカットボールをうまく中前に運んで好機を拡大。7回1死満塁では初球の直球を左前にはじき返すと、最後は9回先頭でダメ押しの右前打。今季初めて単打の適時打を放ち「1カ月出なかったことは悲しいけど、良かったよ」とユーモアをまじえながら喜んだ。岡田監督もびっくりの好調ぶりだ。「ノイジーはえらいな。どしたんやろ。分からんけど」とにんまり。「ちょっとバット立ってきたよな、言うてたようにな。寝かしてないもんな。打つ前に浮かしとるもんな」。来日2年目を迎えるにあたり、指揮官は「1つ注文つけたけどな、オフの間でバット立ててこいって」と指令を出していた。開幕直後は振るわなかったが、試合に出ながら状態を上げ、現在5戦連続安打。打率も今季初めて3割台に乗せた。バットを立てながら、体が打球と反対方向を向くことも減り、指揮官も満足そう。「右の方にもうまいこと打ちよるしな。『あっち向いてホイ』あったけど、『あっち向いてホイ』ちゃうよな。今日なんか、しっかり打ってるよな」。頼もしさを増してきた助っ人が、猛虎打線にどっしりと座る。【磯綾乃】

◆阪神中野拓夢内野手が二塁打で好機をつくった。3-1の7回1死から広島2番手益田の6球目、内角高めの150キロをはじき返し、右翼線へ痛烈な二塁打。この回一挙3得点の口火を切った。右方向への安打は20日中日戦以来7戦ぶり。「強く引っ張って打てたというのは、自分としても良かったバッティング」とうなずいた。

◆3試合ぶりにスタメン復帰した阪神木浪が攻守で活躍した。4月26日のヤクルト戦(甲子園)で3失策し、27、28日はスタメン落ち。4日ぶりの「8番遊撃」先発で存在感を放った。2回の第1打席では広島床田の4球目、145キロ内角直球に詰まりながらも左翼線に落とした。前回対戦した4月9日にも3打数2安打と結果を残していた相手からこの日もしぶとく決めた。2回裏には守備で堅守を披露した。広島矢野が放った二遊間の打球が目の前で大きくはねたが、冷静に反応してアウトをもぎ取った。打っては9回1死一、三塁から二ゴロの間に7点目もゲット。「試合に出られる喜びであったり、チームが勝つことが全てなので、そのために自分ができることをしっかり準備してできた」と笑みを浮かべた。

◆阪神は村上頌樹投手(25)が先発する。広島とは4月9日の対戦(甲子園)で7回無失点と好投。プロ未勝利のマツダスタジアムで白星を目指す。野手では佐藤輝明内野手(25)が2試合ぶりにスタメンに名を連ねた。広島の先発・床田とは昨季7打数4安打2本塁打、今季3打数2安打と好相性で、再度の活躍に期待がかかる。「8番・遊撃」には木浪聖也内野手(29)が3試合ぶりに入った。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(25)は一回、秋山に初球を捉えられるソロ本塁打で失点した。マツダで初勝利を目指す右腕がいきなりつまずいた。マウンドに上がって投じた最初の1球、144キロの直球を秋山に右翼スタンドに運ばれ、先制を許した。続く野間に中前打を許すと、小園の二塁へのゴロを中野がファンブル。無死一、二塁とピンチを招いた。続く松山を左飛、坂倉を空振り三振に打ち取ると、宇草も投ゴロに仕留めなんとか最少失点にとどめた。

◆広島・大瀬良大地投手(32)が今季初勝利を懸けて5月1日の阪神戦(マツダ)に先発する。4月11日の甲子園で7回4安打無失点と好投している右腕は「自分の登板結果は関係ない。相手チームの状態は悪くないと思うが、自分のブルペンの球を見つめたい」と自身の投球に集中する。前回登板の巨人戦(マツダ)は5回4安打無失点で勝敗は付かず。通算1000奪三振に8と迫っている。

◆阪神は0―1の二回、坂本誠志郎捕手(30)の適時打で同点とした。女房役が今季初の適時打で試合を振り出しに戻した。1死からノイジーが四球で出塁し、佐藤輝の1ゴロで2死二塁として坂本が打席へ。床田の145キロ直球を捉え、中前に運んでノイジーが生還した。坂本はこれが今季初打点。一回に先制を許した先発・村上をバットで援護した。

◆広島・秋山翔吾外野手(36)が今季1号となる先制の初回初球先頭打者本塁打を放った。「1番・中堅」で出場し、昨季セMVPに輝いた右腕・村上の真ん中寄りの直球を右翼席にたたき込み、「村上投手から全然点が取れていなかったので、今日は腹をくくって初球から思い切っていきました」と振り返った。初回先頭打者弾は在籍3年目の広島では初めてとなる。西武時代を含めると通算22本とし、野村謙二郎(広島)を抜き山崎裕之(西武など)に並ぶ歴代9位に浮上した。

◆阪神は2―1の六回、坂本誠志郎捕手(30)の犠飛でリードを広げた。試合前まで打点0の坂本がチャンスでことごとく得点を重ねた。大山が四球、ノイジーが中前打で塁に出ると、佐藤輝の二ゴロで1死一、三塁。ここで打席に入った坂本は床田の140キロカットボールを捉え、右翼へ運んだ。ライン際で右翼手が捕球し大山がタッチアップ。2点差をつけ、坂本は「打ったのはカットボールかな。(村上)頌樹が頑張ってくれていたので、なんとかもう1点と思っていました。しっかり勝ち切れるようにこの後も頑張ります」とコメントした。坂本は第1打席で今季初打点となる中前適時打。第2打席は二ゴロ併殺の間に走者が生還し、勝ち越しに成功していた。

◆阪神が3試合連続となる逆転勝利で、今季2度目の3連勝。貯金を今季最多の6とした。坂本誠志郎捕手(30)が今季初打点を含む2安打3打点とバットで勝利に貢献した。0―1の二回、今季初打点となる同点中前打。四回無死満塁で二ゴロ併殺の間に三走が生還(打点なし)して勝ち越した。坂本は六回1死一、三塁から右邪犠飛を放った。七回は1死満塁からシェルドン・ノイジー外野手(29)が左前適時打。続く佐藤輝明内野手(25)の一ゴロの間に加点。さらに坂本が、この日3打点目となる左前適時打で、広島を突き放した。先発した村上頌樹投手(25)は一回、秋山に先頭打者弾を浴びたが、二回以降は緩急自在の投球で広島打線を翻弄。チームでは今季初となる9回を一人で投げ切っての1失点完投で、今季2勝目を挙げた。チームは開幕連敗スタートも3、4月を15勝9敗3分けで終えた。

◆村上頌樹投手(25)が9回1失点で完投し、マツダスタジアム初勝利となる今季2勝目を挙げた。打線は0-1の二回に坂本誠志郎捕手(30)が同点の中前適時打。四回は無死満塁から坂本の二ゴロ併殺の間に勝ち越した。チームは全て逆転で3連勝を飾った。一回表 近本は投ゴロ、中野と森下はともに左飛に倒れて三者凡退一回裏 秋山が初球を捉えて右翼へ先頭打者本塁打を放つ。野間は中前打、小園のゴロを二塁手の中野が失策し、無死一、二塁。4番・松山は左飛、坂倉は空振り三振、宇草は投ゴロ二回表 1死からノイジーが四球で出塁し、佐藤輝の一ゴロで二塁へ。坂本の中前打で生還し同点。木浪は左前打で2死一、二塁。村上は一ゴロ二回裏 1死から菊池が左前打。床田は犠打失敗。秋山は四球を選んで2死一、二塁。野間は三飛四回表 大山が四球、ノイジーが左前打、佐藤輝が死球で無死満塁。坂本の二ゴロ併殺の間に三走・大山が生還して勝ち越し六回表 大山が四球、ノイジーが中前打。佐藤輝は二ゴロで1死一、三塁となったが、坂本の右犠飛で追加点を挙げた七回表 広島は2番手・益田が登板。1死から中野が右翼線へ二塁打、森下が死球、大山が四球。1死満塁からノイジーが左前適時打。佐藤輝の一ゴロの間に1点を追加。坂本が代わった3番手・黒原から左前適時打八回裏 2死から小園が二塁内野安打も松山は右飛九回表 広島は4番手・森浦が登板。ノイジーが右前打、佐藤輝が左前打で無死一、二塁。坂本は右飛。1死一、三塁から木浪の二ゴロの間に1点を追加

◆勝利し喜ぶ阪神・村上頌樹(右)と坂本誠志郎=マツダスタジアム(撮影・根本成)

◆阪神が3連勝で最多貯金を「6」とした。二回の中前打で今季48打席目で初打点をマークした坂本誠志郎捕手(30)が六回の右邪犠邪、七回の左前打で、2017年9月8日DeNA戦(4打点、甲子園)以来の1試合3打点を挙げた。シェルドン・ノイジー外野手(29)の1試合4安打は23年5月16日中日戦(豊橋)以来で、19度目の得点圏打席で初の適時安打。村上頌樹投手(25)は一回、秋山翔吾外野手(36)に浴びた先頭打者弾による1点のみ。完投でマツダ初勝利を記録し、2勝目(1敗)。2試合ぶりスタメンの佐藤輝明内野手(25)、3戦ぶり出場の木浪聖也内野手(29)はいずれも1安打で内野ゴロによる1打点。3戦連続、10度目の逆転勝利で2位に今季最大の2・5差とした岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=15勝9敗3分、観衆=2万8357人)。ーー村上は一回の1失点でしのいだ「2回目やな、初球ホームラン」ーー2点目を取られなかった「そんな調子が悪くなかったと思うしね。1点でしのいで、徐々に。三回くらいからやな。カーブとかな。うまくタイミング外すというか、持ち味が出だしたんがな」ーー最後まで投げた「球数も少なかったし、もう七回でこれ120(球)までに収まるなって言うとったから。最後まで行かせようと思って」ーー連戦で完投した「連戦言うても昨日空いたからな。この展開じゃ2人ね。投げさせても、あの2人(ゲラ、岩崎)は休ますこと出来たかもわからん」ーー四球から得点「久々につながったな。ノイジーはえらいな。どしたんやろ。分からんけど。ちょっとバット立って来たよな、言うてたようにな。寝かしてないもんな。打つ前に浮かしとるもんな、ちょっとな」ーー状態を上げて来た「開幕の時、そんなええことなかったけどな。ここ何試合かは、右の方にもうまいこと打ちよるしな。アレはちょっと『あっち向いてホイ』あったけど、アレ『あっち向いてホイ』ちゃうよな今日なんかお前、しっかり向こうにな、打ってるよな」ーー逆転勝ちが多い「この間の大竹にしてもな、一回、二回で取られとるけど1点、1点とかな、最少点に抑えとるから、そのくらいやったら2点打線じゃなしに、アレから抜け出しとるからな」ーー四死球がらみの得点は昨年の戦い方「向こうピッチャー、相手次第やけどな。ボール球もな、悪い頃に比べたら選んでな、振らんようになってな、全体的にな」ーー坂本にチャンスを生かした「アイツら2人、バッティング練習の時からようなっとるから、梅野と坂本が。だからヒットが出そうな感じやもんな」ーーゲッツーや犠飛で点を取ったことが大きい「そや。大事なところで三振せえへんやんか。前に転がしたらなあ、ほんとゲッツー崩れでええんよ、1点でええんよ、結局七、八、九で1点とか取れるだけでいいわけやからな」ーー3点目の犠飛はファウルゾーン「そら向こうが捕りはったから。捕ったなあと思ったけど」ーー4月が終了。チーム状態も上向いてきた「何試合か続けて2点しか取れん時に比べたら、つながって点が取れるようになってるから、先発も、ある程度点取ってくれると分かったら、先に取られても最少点で抑えて行ったら、逆転してくれると。逆転勝ちが多いと言っても、そんな劇的な逆転じゃないからな。やっぱり1点1点の積み重ねの逆転やからな。その方が相手にはダメージ大きいかも分からんけどな、1点1点取られていく方が」

◆投打がガッチリかみ合い、3連勝を飾った。シェルドン・ノイジー外野手(29)は七回1死満塁で左前適時打。今季初めて得点圏で安打を放った。(成績=15勝9敗3分、観衆=2万8357人)七回に今季初めて得点圏で安打を放ったノイジー 「1カ月出なかったところは悲しいですけど(笑)、よかったです」完投し、マツダスタジアムで自身初勝利の村上 「マツダで勝てたのは良かったですし、去年は勝てなかったので、今年は勝てて良かったなと思います」二回に同点打を放った坂本 「床田くんと(村上)頌樹でロースコアになると思っていた。先に点を取られてしまいましたが、何とか早く追いついて、そこから頌樹も粘って投げてくれて、こうなった」スタメン復帰で1安打1打点の木浪 「本当に、初心の気持ちって大事だな、って改めて思いましたし、この気持ちを持ち続けることが大事だと思った一日でした」連続試合安打が11で止まった森下 「チームが勝てばなんでもいいので、チームの勝ちのために明日も頑張ります」

◆中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(70)が2試合ぶりにスタメンに復帰し、九回に左前打を放った阪神・佐藤輝明内野手(25)に苦言を呈した。抜群に強いとか、特定の選手が活躍する戦いではないが、3、4月だけで6つも貯金を作ることができた。地力があるということなのだと思う。打線が10試合連続で2得点以下だった4月7-18日を4勝4敗2分けで耐えたのが大きかった。リリーフ陣がしっかりしている阪神からは早い回に点を取らなくてはと、他球団もかなり意識して怖がっているような印象さえ受ける。これ以上を望むのは贅沢だし、今年もペナントレースは阪神を中心に進んでいくのだろうと十分に感じられた4月だった。一つだけ言わせてもらうならば、スタメン復帰して九回に左前打を放った佐藤輝は、まだ期待する姿にはほど遠い。どんなカウントでもボール球を振ってしまう。私なら打者優位のカウントでは球種とコース両方の狙いを絞って、その球が来なければ見逃す。佐藤輝も一度でいいから「1試合ボール球を振らない」という姿を見たい。幸い、糸原が結果を残してくれているし、チームとしては佐藤輝の起用にこだわる必要はない。この先も「しっかり状態が上がってから使う」という考え方でよいのではないか。

◆頼れる助っ人が波に乗ってきた。阪神・シェルドン・ノイジー外野手(29)が昨年5月16日以来、来日2度目の4安打と大暴れ。今季初となる得点圏での安打も飛び出した。「きょうはいい感覚で打つこともできた。結果にも残ったので、明日につなげていきたい」0―1の二回に四球を選んで同点のホームを踏むと、四回には左前打で勝ち越しにつなげた。六回にも中前打。七回には1死満塁から2番手・益田の変化球を左前にはじき返し、今季得点圏19打席目で初の安打がダメ押しのタイムリーに。「1カ月出なかったところは悲しいですけど、よかった」と笑った。九回にも右前打を放ち、打率は・303と大台に乗せた。岡田監督も「ノイジーはえらいな。ちょっとバット立ってきたよな。ここ何試合かは、右の方にもうまいこと打ちよるしな」と、昨オフ指摘したバットの構えの変化を大絶賛。5番に座る助っ人が、勢いそのままに猛虎打線を回していく。(中屋友那)

◆3―1の七回1死から阪神・中野拓夢内野手(27)が右翼線二塁打で口火を切り、チームの勝利を決定づける3得点を奪った。「近本さんが出なくて、自分も(塁に)出ないというのが続いてたので」。それまでは1番・近本とともに3打席凡退。チャンスメークができなかったことを反省すると「強く引っ張って打てたのは自分としてもよかった」と笑顔で振り返った。

◆3試合ぶりに「8番・遊撃」で先発出場した阪神・木浪聖也内野手(29)が2打数1安打1打点、3四球(申告敬遠2つを含む)と4出塁で勝利に貢献した。「本当に初心の気持ちって大事だなと改めて思った」。4月26日のヤクルト戦(甲子園)で3失策。同27日、28日の同戦は小幡にスタメンを譲り、試合出場の機会もなかった。この日は守備も無難にこなし、最後の代打・田村の遊飛でウイニングボールを手にした。

◆広島・秋山翔吾外野手(36)が今季1号となる先制の初球先頭打者本塁打を放った。一回に昨季のセMVP右腕・村上の真ん中寄りの直球を右翼席へたたき込み「村上君から全然打っていない。腹をくくって初球から思い切っていった」と振り返った。先頭打者弾は西武時代の2019年以来の通算22本目で歴代9位タイに浮上。だが、チームは逆転負けで借金1となった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)は2試合ぶりに「6番・三塁」でスタメンに復帰。九回の第5打席では自身12打席ぶりの安打となる左前打を放った。「なんとかつながったのでよかった」。すべての打席を走者を置いて迎え、四回には死球を受け、六回、七回にも泥臭くゴロで得点を呼び込んだ。前日の練習では水口打撃コーチとバットを振り込んだ。「みんなで頑張って(あしたも)勝ちたいと思います」と、久しぶりの快音を復調へのきっかけにしたい。

◆広島は逆転負けで借金1に逆戻りした。打線は一回に秋山翔吾外野手(36)が今季1号となる先頭打者本塁打で先制したが、二回以降は無得点で阪神・村上に完投を許した。先発の床田寛樹投手(29)は6回3失点で2敗目。試合後の新井貴浩監督(47)の一問一答は次の通り。──床田は6四死球と乱れ、6回4安打3失点で2敗目(2勝)「調子はあまりよくなかったと思うけど、しっかりゲームをつくってくれた。さすがだなと思って見ていました」──打線は7安打を放つも得点は秋山の先頭打者本塁打による1点のみ「ヨーイドンで速い球をパン、パンってとらえて、相手もガラッと配球を変えてきた。そこら辺(の対策)は、また自分が考えたいと思います」──秋山が初回先頭打者本塁打「間違いなく状態は上がってきていると思う。前の前のカードぐらいから、しっかりと速いボールもとらえている。いい感じだと思います。きょうもナイスバッティングだったと思います」──阪神・村上に対して右打者より被打率が低い左打者を並べた意図は「もちろん、被打率的には結構、差があるというのはこっちもわかっているけどね。うちは左バッターにいいバッターが多いから」──秋山は1番での起用を継続「彼本来のバッティングに戻ってきつつあるので、当面は1番でと思っています」──松山が「4番・一塁」で起用「ベテランだけど、必死にやってくれている姿は伝わります」─―投手陣は10四死球「あえて自分が言わなくても各自わかっていると思う。また次の登板に向けて、各自が修正して臨んでほしい」

◆雲が厚くかかったままの広島で、坂本の打撃が光った。常に最善を尽くすバッティングで、右へ左へ今季初打点から一気に3打点。守っては完投の村上を導き、攻守で大車輪の活躍を示した。「床田くんと(村上)頌樹でロースコアになると思っていた。なんとか早く追いついて、頌樹も粘って投げてくれて、こうなったと思います」最初に巡ったチャンスは二回2死二塁の第1打席。試合前まで防御率0・93でセ・リーグトップだった床田の145キロ直球を捉えて中前適時打。今季48打席目で初の打点を記録して同点に追いついた。六回は1死一、三塁で右邪飛が犠飛となり2打点目を記録。七回2死二、三塁でも左前適時打を放ってチーム6点目を追加した。実に7年ぶりの3打点以上で村上を援護した。守備では完投の村上をリード。秋山に一回先頭弾を浴びたが、80キロ台のカーブも織り交ぜて以降は的を絞らせなかった。「『早めに仕掛けてくるかも』というのは頌樹と話していて、やっぱりそうだなという中でちょっといろいろなことをしながらになりましたが、それに応えて投げてくれました」とねぎらった。

◆貧打に苦しんだ序盤が?のように、猛虎打線になった。相手のミスを突き、つながり、ボディーブローのように1点を重ねていく。思い出した王者の戦い。4月を最高の形で締めくくり、岡田監督は目尻を下げた。「何試合か続けて2点しか取れんときに比べたら、つながって点が取れるようになってるから。2点打線じゃなしに、ちょっとあれから抜け出しとるからな」昨季日本一に輝いた岡田野球を象徴するような一戦だった。先発の村上は一回先頭の秋山に初球先頭打者弾を浴びる。なおも無死一、二塁のピンチだったが後続を抑え、最少失点で切り抜けた。二回1死からノイジーが四球を選び、坂本の適時打で同点。四回も先頭・大山の四球から好機を作って勝ち越した。虎将は「だいぶボール球もな、悪い頃に比べたら、やっぱり選んでな、振らんようになってな、全体的にな」とうなずく。「先発(投手)も徐々にそういう形である程度点取ってくれると分かったら、先に取られても最少点で抑えていったら、逆転してくれると(思う)」序盤の打線は大山、佐藤輝、森下の主軸が一時打率1割台に落ち込み、4月7日のヤクルト戦から球団ワーストタイとなる10試合連続2得点以下の貧打に苦しんだ。ただ、指揮官の巧みな采配と投手陣の踏ん張りでこの期間を4勝4敗2分の五分で乗り切ったことで流れは変わった。この日も10四死球を奪い、9安打で7得点と効率的な攻めで今季10度目の逆転勝ち。4月を終えて15勝9敗3分と大きく勝ち越し、昨季の4月終了時点(13勝10敗1分けで貯金3)の2倍となる貯金6を稼いだ。「逆転勝ちが多いと言っても、そんな劇的な逆転じゃないからな。やっぱり1点1点の積み重ねの逆転やからな。その方が相手にはダメージ大きいかも分からんけどな」2位巨人に2・5ゲーム差をつけ、がっちり首位をキープ。投打がかみ合う虎の春はまだまだ続きそうだ。(原田遼太郎)

◆3連勝で4月締め! 阪神は7-1で広島に逆転勝ち。村上頌樹投手(25)が112球で9回を投げ抜き、今季初の完投勝利を挙げた。猛虎は4月を15勝9敗3分けの貯金6で首位通過。2位巨人との差は今季最大の2・5ゲームに広げた。日本一になった昨季を上回る好スタート。この勢いで5月もいくで!MVP右腕らしい堂々たる投球で虎党の胸を揺さぶり、スタンドを赤く染めた鯉党は落胆させた。今季最多タイとなる112球を投げ、1失点完投での鯉倒。虎の勢いを加速させた村上の笑顔が、敵地マツダスタジアムでキラリと輝いた。「長いイニングを投げたいと思っていた。そういう部分では9回を投げ切れたのはよかったかなと思います」一回先頭の秋山にはこの日の初球、144キロを振り抜かれ、打球はそのまま右翼席へ。「たぶんないと思います」という人生初の初球先頭打者被弾で、4試合ぶりに初回失点を喫するスタートだったが、許した得点はこれだけだった。その後は得点圏に走者を背負った一、二回のピンチを乗り切ると、投球間隔を短くして自分主導のテンポを生み出し、80キロも計測した超スローカーブも投じるなどして修正。打たせて取る投球で立ちはだかり、三回以降は二塁すら踏ませず、勝利の瞬間へ飛び込んだ。

◆「昭和の日」に広島で取材にあたっていたトラ番が「平成生まれ」ばかりだったという話を紹介したばかりだが、そんな状況に人知れず戸惑っている男がいた。ホームチーム側の番記者としてトラ番を迎え入れた、広島担当の柏村翔だ。「一緒に仕事をしたことがない若い記者ばかりになってきましたねぇ。共通の話題をなんとか探して、コミュニケーションを取っていきます」柏村は昭和62年生まれの37歳。2015、16年にはトラ番も務めていたのだが、17年から広島駐在となった。コイと泳ぐ〝竜宮城〟が楽しすぎてもう8シーズン目だから、たとえば来季から関西に戻ったとしても〝浦島太郎〟となるのは確実だ。この遠征でトラ番の現場キャップを務めている原田遼太郎の入社が17年。そりゃあ多少コミュニケーションを取るのに戸惑っても仕方がない。柏村といえば、先日ちょっぴり面白い原稿を書いていた。今季絶好調でヒットを重ねている広島・野間峻祥がちょっとした「風水好き」らしく、財布のお札を逆さまにしまって整理整頓する一面を持つんだとか。野間は「(無駄なお金が)出ていかないそうですよ」とニヤリと説明してくれたらしい。試合前時点で打率・307、リーグ1位の得点圏打率・500。今カードを迎えるにあたって虎が最も警戒すべき選手が野間だった。最大4あった広島の借金返済に大きく貢献し〝金運上昇〟を見せつけている。

◆『攻撃は最大の防御』。え~と、その反対の言葉って? 分かんないけど、本日はまさにそれだよ!防御(守備)の人のはずのノイジーが、タイムリーありの4安打を放つ攻撃!! 同じく守りのキーマン坂本が、2安打に犠飛と3打点!! キャッチャーとしても村上を好リードして1失点の完投ショーを演出したのだ!! え~と、だから、普段は打つ役割の主力打者より大きなダメージを与えたったことですか?あ! そー考えると、広島・秋山の初回先頭打者ホームランてのは、打ってもおかしくない打者だけど、あの一発は〝カープ打線を甘くみるなよ!〟という活を入れてくれたってこと。よっしゃ! 秋山、明日も一回の打席で一発を頼むでェ!!って、ウソ、ウソ~!!で、もう一度、攻撃の話に戻ります。4番・大山はヒットこそ打っていないけれど、選んだ3四球が全て得点に結びついたのだ。そーか、防御というのは打ち気に走る自分の気持ちを抑えること。つまり『防御(相手投手を助けない)は最大の攻撃』ということの3連勝ね!! 阪神の野球がどんどん大人になっていって難しい~!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
1593 0.625
(↑0.016)
-
(-)
11690
(+7)
70
(+1)
15
(-)
7
(-)
0.234
(↑0.001
2.090
(↑0.05)
2
(-)
巨人
13123 0.520
(↓0.022)
2.5
(↓1)
11570
(+3)
69
(+4)
11
(+1)
14
(-)
0.227
(↑0.001)
2.330
(↓0.06)
3
(-)
中日
12123 0.500
(↓0.022)
3
(↓1)
11672
(+1)
82
(+2)
12
(-)
3
(-)
0.237
(↓0.003)
2.790
(↑0.07)
4
(-)
広島
10113 0.476
(↓0.024)
3.5
(↓1)
11970
(+1)
63
(+7)
10
(+1)
12
(-)
0.232
(↓0.001)
2.600
(↓0.19)
5
(-)
DeNA
11141 0.440
(↑0.023)
4.5
(-)
11774
(+2)
106
(+1)
8
(-)
16
(+3)
0.240
(↑0.001)
3.510
(↑0.1)
5
(-)
ヤクルト
11141 0.440
(↑0.023)
4.5
(-)
117106
(+4)
92
(+3)
17
(-)
13
(-)
0.257
(↑0.004)
3.470
(↑0.02)