西武(★0対1☆)楽天 =リーグ戦6回戦(2024.04.21)・ベルーナドーム=
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楽天
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西武
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勝利投手:藤井 聖(1勝1敗0S)
(セーブ:西垣 雅矢(1勝1敗1S))
敗戦投手:髙橋 光成(0勝2敗0S)
  DAZN
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◆楽天は3回表、1死二三塁から村林が適時打を放ち、先制に成功する。投げては、先発・藤井が5回無失点と試合をつくり、その後は4人の継投で完封リレー。藤井は今季初勝利を挙げ、最後を締めた西垣がプロ初セーブをマークした。敗れた西武は、好投した先発・高橋光成を打線が援護できなかった。

◆西武は21日、栗山巧外野手(40)の出場選手登録を抹消した。今季はDHで5試合に先発するなど、8試合に出場し、20打数3安打1打点で打率1割5分。通算400二塁打まであと1本と迫っているが、今季初めての登録抹消となった。そのほか、古賀悠斗捕手(24)、元山飛優内野手(25)、山村崇嘉内野手(21)も登録が抹消された。古賀は20日の楽天戦で、頭に相手打者の振り抜いたバットが直撃し途中交代。脳振とう特例措置の対象選手となり、代替指名選手として柘植世那捕手(26)、が登録された。山村も同戦の9回に内野ゴロで一塁ベースを駆け抜けた際に、右太もも裏付近を痛めた様子をみせ途中交代。試合後、自力では歩けず、トレーナーに付き添われ球場から引き揚げていたが、右太もも裏の肉離れとなったことがわかった。柘植のほか、山野辺翔内野手(29)、若林楽人外野手(26)も出場選手登録された。

◆楽天がまさかのボーンヘッドで追加点を逃した。1点を先制した直後の3回1死一、三塁。小郷裕哉外野手(27)が右翼へ大きな当たりを飛ばした。西武の右翼若林に好捕されたものの、犠飛には十分の打球。しかし、三塁走者・辰己涼介外野手(27)がアウトカウントを間違えたのか、小郷がスイングすると同時にホームへ走り出した。1度ホームを踏み、慌てて三塁に戻ろうとしたが、右翼-二塁-三塁と転送されて、まさかの併殺。ベンチの今江監督は険しい表情を浮かべた。

◆西武は楽天に完封負けを喫し4カード連続の負け越しで、単独最下位に転落した。先発高橋は3回に村林に先制打を許すも4回以降無失点。打線は4イニングで得点圏に走者を置くもホームを踏めず、援護することができなかった。今季2敗目となった高橋は「先制点を与えていなければまた流れも変わったと思う。前を向いてポジティブに捉えてやっていきたい」。チームの借金は今季最大の5となった。

◆楽天が今季初のカード勝ち越しを完封リレーで決めた。開幕から7カード目で12球団唯一勝ち越しがなかったが、西武に1-0で競り勝ち、今カードを2勝1敗で終えた。3回1死二、三塁、村林が西武高橋から右前に運び、決勝点となる先制打を放った。なおも1死一、三塁、犠飛でリードを広げる好機を迎えたが、辰己の走塁ミスでまさかの併殺。その後は7、8回と得点圏に走者を進めたが、追加点を奪えなかった。それでも、投手陣が踏ん張った。前回登板で炎上した先発・藤井が5回4安打無失点と好投。「今日は勝負しにいって、攻めた結果がいい結果につながったと思います。カウントを悪くするところがあったのは反省点ですけど、0点に抑えることができて良かったです。粘れました」とホッとした表情で話した。リリーフ陣も藤平、酒居、宋家豪、西垣と今季初の完封リレーを完成させ、虎の子の1点を守り抜いた。今江監督は「1対0っていう試合を、最後、西垣が投げてですね、ほんとに最後ハラハラしましたけど、勝ち切れたっていうのは、このチームにとってもすごく大きいし、西垣がこれを経験できたっていうのも、僕らにとっても大きいかなと思います」と振り返った。

◆楽天藤井聖投手(27)が、背水の覚悟で結果を残した。5回4安打無失点で今季初勝利。1週間前の14日ロッテ戦は「悲惨だった」と4回6失点の大乱調で降板した。今回は先発ローテ生き残りをかけた"ラストチャンス"。同じミスはできないと気持ちが入った。「前回のアレがあったんで、打たれることを怖がらずに勝負した結果が良かったと思います」。粘りの投球で、今季初のカード勝ち越しへ流れをつくった。前回登板は立ち上がりに炎上した。初回、先頭の安打から走者をためられ、いきなりの5失点。この日も先頭に安打を浴びた。「笑っちゃいましたね。またかよって。逆に切り替えられましたね」と気持ちの面で余裕もあった。後続をいずれも外野フライに抑えたが、連続タッチアップで三塁に進まれた。それでも、最後は4番アギラーを145キロ直球で二ゴロに仕留めた。3回には1死満塁の大ピンチを招いたが、野手がマウンドに集まった際の浅村の言葉に救われた。「『1点くらい取られていいから気にせず、どんどん投げ込め』って言ってもらって気が楽になって、いい結果につながったかなと思います」。外崎を144キロ直球で三ゴロ併殺に打ち取り、ピンチを脱した。今江監督は藤井をいじりつつも、投球をたたえた。「ほんとに0によく抑えてくれましたし、ドキドキしながらね、見させていただいたんで、藤井くんのピッチングを。なんとか1点取って藤井にも勝ちがつけれましたし、良かったです」と笑顔で話した。

◆楽天が今季初のカード勝ち越し&完封リレーを決めた。1-0の9回。3年目の西垣雅矢投手(24)が、代役守護神として登板し、プロ初セーブを挙げた。「うれしかったというより、ホッとしました」。クローザー則本が体調不良で戦線離脱。初のセーブシチュエーションを担い、12球団唯一勝ち越しがなかったチームに勝利をもたらした。絶体絶命のピンチをしのいだ。先頭外崎に四球を与え、代走高松に二盗を許して無死二塁。それでも、4番アギラーを150キロ直球で右飛、続く中村剛をフォークで三飛、佐藤龍は151キロで三ゴロに封じた。「今日はついていた部分が多い。しっかり冷静に自分の思っているような球を投げて抑えるのが一番。そこを目指したい」と引き締めた。10日オリックス戦でプロ初勝利し、その翌日はサヨナラ負けと2日間で天国と地獄を味わった。そして、この日は初セーブ。今江監督は「1対0という試合で最後、西垣が投げ、勝ち切れたのはチームにとってすごく大きい」とたたえた。昨季はイップスや胸郭出口症候群に苦しみ、1軍出場は1試合。今季はすでに7試合に登板し、ブルペンを支える。則本復帰までは9回を託される予定。これからも代役守護神を堂々と務め上げる。【山田愛斗】西垣雅矢(にしがき・まさや)1999年(平11)6月21日生まれ、兵庫県出身。報徳学園、早大を経て21年ドラフト6位で楽天入団。公式戦初出場は22年3月25日ロッテ戦。24年4月10日オリックス戦でプロ初勝利。184センチ、88キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸820万円。

◆楽天辰己涼介外野手(27)が、追加点の好機をふいにしたボーンヘッドを謝罪した。まさかの走塁ミスだった。1点を先制した直後の3回1死一、三塁。小郷が放った右翼への飛球を、西武の右翼若林にランニングキャッチされた。犠飛には飛距離十分だったが、ここでアウトカウントを間違えた三塁走者・辰己が暴走。タッチアップせず、打球が抜けたかのように本塁を駆け抜けた。その後、慌てて三塁に戻ろうとしたが、時すでに遅しだった。右翼-二塁-三塁と転送されて併殺となった。1点を争うゲームでの痛恨のミス。本来なら犠飛で小郷に打点がつくはずだったが、それも消えた。辰己は「とにかく小郷とチームに申し訳ないです」と謝るしかなかった。テレビ解説でも「罰金もの」のプレーと指摘された。「誰かに声かけられんでも、あんなミスは起こしてはダメなんで。もう全部僕が悪いです」と反省の言葉を口にした。9回は体調不良で戦線離脱中の則本に代わり、西垣が初のセーブシチュエーションで登板した。1点差のプレッシャーを乗り越えてプロ初セーブを挙げ、「あの1点」が致命傷にはならずに済んだ。今江監督は辰己のミスについて「いや、もうあんなことは絶対にもう2度とね、ないように。しっかりチームとして起きてはならないことなので、しっかりもう1回、そこんところは厳しく、しっかりやっていきたいと思ってます」と語気を強めた。

◆背水の覚悟で先発した楽天藤井聖投手(27)が、今季初勝利を飾った。5回4安打無失点。「上出来ではないですけど、自分らしく粘りのピッチングはできた」。1週間前の14日ロッテ戦は4回6失点の大乱調。「前回、とんでもないピッチングをして申し訳ない気持ちでいっぱいだった。次こそ絶対に取り返すぞという強い思いだった」。先発ローテ生き残りをかけた"ラストチャンス"で、チームを今季初のカード勝ち越し&完封勝利に導いた。大ピンチも乗り越えた。1点リードの3回1死満塁。野手がマウンドに集まった際の浅村の言葉に救われた。「『1点くらい取られていいから気にせず、どんどん投げ込め』と言ってもらい気が楽になった」と外崎を144キロ直球で三ゴロ併殺。4回1死一、二塁の場面も併殺で切り抜け、無失点でリリーフ陣につないだ。三度目の正直で初勝利を挙げた。「これからどんどん勝ち続けて頑張っていきたい」。プロ4年目左腕が、さらなる飛躍を誓った。

◆楽天が三回の村林の先制打による1点を守りきり、同一カード3連戦に今季初めて勝ち越した。再三のピンチをしのいで5回を投げた先発の藤井聖投手が今季初白星。西垣がプロ初セーブを挙げた。西武は九回1死三塁を逸するなど拙攻が響いた。

◆西武は打線がつながらず今季3度目の零敗。今季2度目の先発となった高橋光成投手(27)は7回4安打1失点の好投も、打線の援護を得られず2敗目を喫した。以下、松井稼頭央監督(48)の試合後の主な一問一答。--打線にあと1本が出なかった「(高橋)光成が頑張っている中でチャンスは作れたが、そこで1本がね」--高橋は7回4安打1失点「真っすぐも高さも非常によかったと思いますし、よく1失点で投げてくれた」--試合前に栗山が登録抹消された「なかなか打席(に立つ機会も)もないので、そういう意味では(2軍で)打席に多く立って状態を上げてもらいたいということです」

◆西武・高橋光成投手(27)は7回1失点の好投が実らず、今季2戦2敗。打線の援護がなかったが「持ちつ持たれつなので全く気にしていない。先制点を与えていなければ流れも変わった」と責任を背負った。試合序盤に走者を背負う場面が多く、五回以降は「気持ち良く腕を振れるポジションを探した」とフォームを修正。四回以降は被安打1で4三振を奪った。

◆今季初のカード勝ち越し、無失点リレーで単独5位に浮上したにかかわらず、楽天・今江監督は「もうあんなことは絶対に、二度とないように。チームとしては起きてはならないこと」と厳しい表情で振り返った。指揮官が糾弾した場面は1点を先制した直後の三回1死一、三塁。打者・小郷の打球は右翼フェンス際へ。犠飛には十分すぎる飛距離だったが、三塁走者の辰己涼介外野手(27)が2死とアウトカウント間違いをして、小郷が打ったと同時にスタートを切って本塁を駆け抜けベンチに戻りかけた。その間に悠々と併殺が成立。ベンチに戻ると、浅村から「アホか、お前」と一喝された。「打ったときは集まらんのになぁ」と苦笑しながら待ち受ける報道陣の前に姿を表した辰己は「全部、僕が悪い。とにかく、小郷とチームに申し訳ない。最後は(プロ初セーブを挙げた)西垣以上に緊張していたと思います。守り抜いてくれた投手陣と引き続き使い続けてくれた監督に、感謝と謝罪の気持ちしかない」。3年連続でゴールデングラブ賞を獲得中の外野のファンタジスタは神妙な面持ちで球場を後にした。(東山貴実)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
1162 0.647
(↓0.041)
-
(-)
12476
(+1)
51
(+3)
12
(+1)
16
(-)
0.250
(↓0.005)
2.540
(↓0.03)
2
(-)
日本ハム
1071 0.588
(↑0.025)
1
(↑1)
12551
(+5)
57
(-)
11
(+2)
9
(-)
0.221
(↑0.003)
2.740
(↑0.16)
3
(1↑)
ORIX
10101 0.500
(↑0.026)
2.5
(↑1)
12268
(+3)
55
(+1)
8
(-)
4
(-)
0.240
(↓0.001)
2.500
(↑0.08)
3
(-)
ロッテ
991 0.500
(↓0.029)
2.5
(-)
12448
(-)
55
(+5)
6
(-)
9
(-)
0.244
(↑0.001)
2.680
(↓0.14)
5
(-)
楽天
8111 0.421
(↑0.032)
4
(↑1)
12358
(+1)
76
(-)
5
(-)
12
(+1)
0.230
(↓0.002)
3.600
(↑0.19)
6
(1↓)
西武
7120 0.368
(↓0.021)
5
(-)
12452
(-)
59
(+1)
10
(-)
9
(+1)
0.214
(↓0.002)
2.690
(↑0.1)