1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 1 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1X | 2 | 10 | 0 | 0 |
勝利投手:加治屋 蓮(1勝0敗0S) 敗戦投手:大勢(0勝1敗4S) |
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◆阪神は1点を追う8回裏、森下の適時打で試合を振り出しに戻す。そのまま迎えた延長10回には、無死満塁の好機から佐藤輝が適時打を放ち、サヨナラ勝利を収めた。投げては、4番手・加治屋が今季1勝目。敗れた巨人は、打線が5安打1得点と振るわなかった。
◆スタメンが発表された。1引き分け1敗でカード勝ち越しを狙う阪神は3日連続で基本オーダーを組んだ。6番にはシェルドン・ノイジー外野手(29)が入った。先発は今季初勝利を目指す西勇輝投手(33)。ここまで甲子園5試合での本塁打は森下翔太外野手(23)が10日の広島戦で放った1本だけ。大山悠輔内野手(29)佐藤輝明内野手(25)の両大砲が本拠地のファンに1発を届けられるか。
◆阪神大山悠輔内野手(29)に本塁打が出ない。この日も第1打席が中飛、第2打席が空振り三振。開幕からの連続打席ノーアーチは「69」になり、自己最長を更新した。大山の開幕からのノーアーチは21年の68打席が最長だった。昨季は年間チーム2位の19本塁打を放った。
◆阪神中野拓夢内野手(27)がまた超美技を披露した。2回1死一塁。泉口友汰内野手(24)が強く引っ張った一、二塁間への打球に横っ飛び。グラブの先でつかんで、素早く一塁送球してアウトにした。結果的に先制の1点を奪われたが、前日の得点を防ぐ逆シングル捕球からのバックホームに続き、守備から投手をもり立てた。
◆阪神がついに菅野智之投手(34)の「0行進」を止めた。チーム1のクラッチヒッターが面目躍如の一打を放った。0-1の8回、先頭の代打前川右京外野手(20)が左前打。近本光司外野手(29)の左前打とバント失敗で1死一、二塁として、森下翔太外野手(23)が左前打を放ち、1-1に追いついた。菅野は今季、2試合連続で計13回を無失点。この試合も7回まで無失点を続け、今季21イニング目での初失点となった。
◆/この勝負強さ\値千金の同点打は森下翔太のバットから三遊間を破るタイムリー???#プロ野球(2024/4/18)??阪神×巨人??Live on DAZN #DAZNプロ野球 pic.twitter.com/UsG9DHpcOT
◆阪神が今季初のサヨナラ勝ちで、3カードぶりの勝ち越しを決めた。これで8勝8敗2分けとなり、勝率5割となった。前夜に決勝打を放った森下翔太外野手(23)が、この日も流れを変えた。序盤は巨人先発の菅野を前に、阪神打線が沈黙。7回までわずか3安打に抑え込まれ、9三振を喫した。2回に先制を許し、0-1のまま迎えた8回。代打前川が左前打で出塁すると、近本も左前打で続き無死一、二塁。中野は犠打失敗となったが、ここで打席に立った森下が初球のスライダーを捉え、同点の左前適時打を放った。そして迎えた延長10回、中野、森下の連打で無死一、三塁の好機をつくると、4番大山は申告敬遠。最後は佐藤輝明内野手(25)が、自身初めてとなる右翼線へサヨナラ適時打(23年にサヨナラ犠飛あり)を放った。先発の西勇輝投手(33)は2回に小林の先制適時打で1点を失うも、その後は無失点に抑えて8回4安打1失点。今季初白星は次戦に持ち越しとなったが、8回5安打無失点だった前回11日広島戦(甲子園)に続き、粘り強く好投を見せた。守備では2回に二塁手の中野拓夢内野手(27)が、巨人泉口の一、二塁間への打球に横っとびし好捕。7回には大山が泉口の外野へ抜けそうな打球に、グラブを目いっぱい伸ばしてキャッチ。持ち味の守備からリズムをつくり、逆転劇を呼び込んだ。佐藤輝が10回にサヨナラ安打。佐藤輝は23年8月12日ヤクルト戦でサヨナラ犠飛を打っているが、サヨナラ安打は自身初めてだ。また、阪神は7日ヤクルト戦から続く2得点以下が、これで10試合連続。連続2得点以下の記録は62年国鉄と93年巨人がマークした12試合が最長だが、阪神では59年と12年に記録した10試合に並ぶ球団ワーストタイ。阪神のサヨナラ勝ちは今季初。巨人戦に限れば、21年9月4日に大山がビエイラから逆転2ランを放って以来、3年ぶり。阪神は7日ヤクルト戦から続く2得点以下が、これで10試合連続。連続2得点以下の記録は62年国鉄と93年巨人がマークした12試合が最長だが、球団では59年と12年に記録した10試合に並ぶ球団ワースト。なおこの期間中の阪神は、59年は1勝8敗1分け、12年は2勝6敗2分けと苦戦したが、今季は4勝4敗2分けと健闘している。
◆/今季初のサヨナラ!\決めたのは佐藤輝明連夜のロースコアゲームを制し勝率5割復帰???#プロ野球(2024/4/18)??阪神×巨人??Live on DAZN #DAZNプロ野球 pic.twitter.com/LyGu8RU6Lt
◆阪神が今季初のサヨナラ勝ちで、3カードぶりの勝ち越しを決めた。これで8勝8敗2分けとなり、勝率5割となった。延長10回、無死満塁から阪神佐藤輝明内野手(25)が自身初めてとなる右翼線へサヨナラ安打(23年にサヨナラ犠飛あり)を放った。お立ち台での一問一答は以下の通り。-ナイスバッティング「最高です!」-打席での気持ちは「回ってきたら絶対決めてやろうという気持ちで入りました」-狙いは「振り負けないように、しっかりスイングすることを心がけて打席に入りました」-大勢「真っすぐ勝負してきてくれていたので、振り負けないように頑張りました」-サヨナラ打は「それまでチャンスで凡退とかあったので、最後は決められてよかったと思います」-投手戦。西勇の投球は「さすがだなと思って見ていました」-投手陣のみなさんのピッチングは「野手陣がなかなか打てていないので、これから打てるように頑張ります」-巨人3連戦の戦いは「厳しい試合が続いたんですけど、最後勝ちきることができて、いい流れが来ているんじゃないかなと思います」-メッセージを「最後までご声援ありがとうございます。明日からも甲子園なので、頑張っていきます。応援よろしくお願いします」
◆阪神が今季初のサヨナラ勝ちで、3カードぶりの勝ち越しを決めた。これで8勝8敗2分けとなり、勝率5割となった。1-1で迎えた延長10回、中野、森下の連打で無死一、三塁の好機をつくると、4番大山は申告敬遠。無死満塁から最後は佐藤輝明内野手(25)が、右翼線へサヨナラの適時打を放った。岡田彰布監督(66)は「2ケタ安打がうれしいですね」と喜んだ。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-つないでサヨナラそうですね。2ケタ安打がうれしいですね。-佐藤が決めたいやいや、もう中野出たところで森下ずっと良かったので、そうですね、まあ、なんていうかバントをさせるような選手じゃないんで森下にかけましたけどね。よく中野も走りましたよね。-森下は8回の同点打バント失敗で嫌な感じだったですけど。ホントもうね、いいとこでずっと打ってる感じですね。-8回は前川が代打で出塁したいやいやもう、糸原かね、前川だったんですけど、前川にかけたんですけどね。-西勇が好投したいやもう、前回もね、良かったけど、今日もね、勝ち星ちょっと付かなかったけど、ずっといいピッチングしてるんでね。まあ、前の回かな、あれ回ってたらもうそのままいかすつもりだったんですけど。-桐敷も力強いボールだった。いやいやもういつも通りの、ええ。今日はもうゲラとね(岩崎)2人休ますつもりやったんで、あとはね他のピッチャーでつなぐ予定だったから。-2ケタ安打いや、こんなんで喜んでたらあかん(笑い)。まあうれしいねえ、やっとというかねえ。-引き分け挟んで今季初の3連勝、勝率5割復帰まあまだねえ、やっと1周りねえあたってねえ、巨人が今日ねえ、このカード2回目なんだけど、これからじょじょにね、大体今年のチームというか、大体分かってきたんでね、まあ、5割戻ったんはよかったと思いますけど、これからですね。-明日は初勝利がかかっている青柳いやいや、そうですね、まあそんな悪い内容じゃないんでね。先発ピッチャーは1つ勝ち星をつけるのが1番の薬だと思うので、なんとか先発に早いうちに点を取って、青柳の勝ち星がつくようにね。まぁ今日でちょっと吹っ切れたかもわからないですね、打線も。明日からもっと打ってくれるでしょう。
◆巨人は「スガコバ」が今季21イニング目で初失点を喫した。菅野智之投手(34)が小林誠司捕手(34)と今季3試合目のバッテリーを組み、7回1/3を6安打1失点。8回1死一、二塁から森下に同点適時打を浴びた。これまで2試合で13イニング連続無失点だったが、今季2人のコンビで初失点。3勝目はならずも、菅野は「同点で止められたし、そんなに悲観することはない」と次回登板を見据えた。▽巨人大勢(10回に登板し3安打1失点で1敗目)「明日も試合がある。今日できる反省をしっかりやって、次またしっかりチームの力になれるように投げたいと思います」
◆巨人が今季2度目のサヨナラ負けを喫した。甲子園は、やはり鬼門だった。延長10回、守護神大勢がつかまった。中野、森下に連打されて、大山は申告敬遠で無死満塁。1死も奪えずに最後は佐藤輝にサヨナラ打を浴びた。阿部監督は「いつも紙一重。みんな必死でやってるし、形もつくれている。ここをみんなで我慢してやっていけば」と話した。昨季3勝10敗と大きく負け越した甲子園でまたしても魔物にやられた。2回に小林の先制打で1点を先取し、先発菅野も8回途中1失点の快投で応えた。指揮官は「全然負けた気がしないんだけど、結果的にやっぱり去年のチャンピオンチームだなと。終盤の粘りはすごいなと思いながら見ていた」と冷静に分析した。6連勝で勢いをつけて乗り込んだ甲子園で2敗1分け。19日からは広島に場所を移して3連戦が続く。最後は自ら「明日、明日だよ」と言い聞かせた。▽巨人大勢(10回に登板し3安打1失点で1敗目)「明日も試合がある。今日できる反省をしっかりやって、次またしっかりチームの力になれるように投げたいと思います」
◆阪神佐藤輝明内野手(25)がプロ4年目で初のサヨナラ安打を放ち、今季初の3連勝&9日ぶりの5割復帰を導いた。1-1の延長10回無死満塁。巨人守護神大勢から右前に運び、満員札止めの甲子園を歓喜させた。打率は1割台の低空飛行だが3度のV打点はリーグ最多タイ。チームは10試合連続2点以下の球団ワーストに並んだが、この間4勝4敗2分けのしぶとさ。19日からの首位中日3連戦は背番号8の完全復活で打ち勝ちたい。誰が誰だか分からない。跳びはねて喜ぶヒーロー佐藤輝をめがけて、前川や植田から、ペットボトルの雨が降る。「寒い~」。この感覚がたまらない。チーム初のサヨナラ勝ちは、悩める男のバットだった。「うれしかったです。もう覚えてないです。めちゃくちゃ、かけられました」。ヘッドバンドから水をしたたらせ、会心の笑顔を見せた。力と力の勝負を制した。1-1の延長10回。大山が深刻敬遠され、無死満塁で巡ってきた。打率は1割台でも虎党はいつも背番号8に夢を託す。大歓声の中、大きく息を吐きながら打席に向かった。今季無失点の最強クローザー大勢は、初球から剛球勝負できた。5球目の158キロを必死に当ててファウルにし、勝負の6球目。フルカウントでも見逃すつもりはなかった。佐藤輝 真っすぐ勝負は分かっていた。振り負けないようにいきました。絶対に力が入るので、力を抜いてリラックスしていきました。なんとか抜けてくれてよかったです。熱い心のまま、頭は冷静に保っていた。内角に食い込む155キロを振り抜き、鋭く一塁手の横を抜いた。最高のフィナーレだ。実はプロ入り初のサヨナラ安打だった。今季の勝利打点は同僚の森下らに並ぶリーグトップの3個目。佐藤輝のバットが火を噴けば、阪神の勝利が近づくことを、また証明した。もがきに、もがいてきた。オフから固めてきた新フォームだが、まさかの開幕から絶不調。ただ、今の佐藤輝には頼れる「相棒」がいる。森下だ。目指す打撃スタイルが似ていることもあり、意気投合。後輩でもリスペクトを持って接する。「あの球、どうやって打った?」「どういう狙いだったの?」。印象的な快打を続ける森下に、技術面やアプローチまで、質問するのが日常だ。その森下とともに難敵の菅野、大勢から得点を奪い取った。打線の低迷はまだ底を打っていない。これで球団ワーストに並ぶ10試合連続の2得点以下。佐藤輝も責任を痛感している。「最後、打てたので、それはよかったと思います。これをきっかけにもっと打っていけるように頑張ります」と誓った。お立ち台を終えると、応援席からの大合唱が甲子園に響いた。「テ~ル! テ~ル!」。チームも今季初の3連勝で9日ぶりの勝率5割に復帰。さあ、ここからだ。【柏原誠】佐藤輝が10回にサヨナラ安打。佐藤輝は23年8月12日ヤクルト戦でサヨナラ犠飛を打っているが、サヨナラ安打は自身初めてだ。また、阪神は7日ヤクルト戦から続く2得点以下が、これで10試合連続。連続2得点以下の記録は62年国鉄と93年巨人がマークした12試合が最長だが、阪神では59年と12年に記録した10試合に並ぶ球団ワーストタイ。
◆ピンチを火消しした阪神加治屋に今季初勝利が転がり込んだ。1-1の延長10回に登板した3番手島本が、丸に左前打を浴びた場面で11年目右腕が4番手で登板。坂本を中飛に仕留めた後、二盗を許したが小林を遊ゴロ、最後は吉川を146キロ直球で空振り三振に仕留めた。その裏、佐藤輝のサヨナラ打でソフトバンクから加入後3勝目となるプロ10勝目をつかんだ。今季も5試合で防御率1・80。ブルペンに欠かせない存在になっている。
◆阪神2番手桐敷が1回を15球で無失点に抑え、勝利を呼び込んだ。同点の9回、相手は2番佐々木、門脇、岡本和の好打順。「一発勝負の場面で4番の岡本選手もいて、本当にそこは広く広く、昨日と同じで甘いところにいかないよう、昨日以上に意識して投げた」。16日は延長10回に名前を告げられたが、降雨コールドで終了。仕切り直しの17日は1回を無失点に抑え、連投でもしっかり抑えた。
◆前夜のヒーローが、この日も勝利を呼び込んだ。阪神森下翔太外野手(23)が巨人先発の菅野から、流れを変える同点打を放った。相手右腕の前に、チームは7回終了時点で3安打無得点。1点ビハインドで迎えた8回。連打で作った1死一、二塁の好機だった。自身2四球と三振で迎えた第4打席。「バッテリー間も配球を変えてくるので」と冷静に打席に入った。「ボールは見えていたので。ああいう場面は、本当にタイミングでしかないと思う。余計なことを考えても打てないと思うので。タイミングだけをしっかり合わせて入りました」初球の133キロスライダーを捉え、三遊間を抜く同点適時打。前日17日も決勝の2点二塁打を放った背番号1が、この夜も甲子園を熱狂させた。延長10回にも大勢から、サヨナラ劇をお膳立てする中前打。今季4度目のマルチ安打で3連勝に貢献した。岡田監督も「森下にかけましたけどね。本当もうね、いいところでずっと打ってる感じですね」とえびす顔だ。菅野は東海大相模(神奈川)の11学年先輩にあたる。入団時から対戦したい投手に挙げる憧れの存在だった。昨季は対戦5打席で4打数2安打と好相性。それでも「シーズンが変わるたびに対策も変えてくるので」と新たな気持ちで今季初対戦に臨んだ。開幕から2戦2勝で無失点投球を続けてきた先輩に、21イニング目での初失点を付ける"恩返し"で存在を印象づけた。甲子園での巨人3連戦は、9打数5安打3打点の大暴れ。打率は2割1分7厘ながら、得点圏打率はチームトップの3割8分5厘で、リーグ3位の11打点が勝負強さを物語る。「やっと(勝率が)イーブンになったので。ここから連勝したいと思います」19日からは首位中日と甲子園で3連戦。大野、メヒア、松葉の難敵3先発が予想される。背番号1のバットに、今週末も乞うご期待だ。【波部俊之介】森下は打率リーグ25位の2割1分7厘の低打率だが、得点圏は7位の3割8分5厘で勝利打点3は佐藤輝らに並ぶリーグトップ。同点打や決勝打など肩書付きの5安打はリーグ2位タイの多さで勝負強さが際立っている。今季11打点はリーグ3位で、トップで12打点の岡本和(巨人)とオスナ(ヤクルト)に肉薄している。
◆阪神佐藤輝明内野手(25)がプロ4年目で初のサヨナラ安打を放ち、今季初の3連勝&9日ぶりの5割復帰を導いた。1-1の延長10回無死満塁。巨人守護神大勢から右前に運び、満員札止めの甲子園を歓喜させた。打率は依然1割台だが3度のV打点はリーグ最多タイ。チームは10試合連続2点以下の球団ワーストに並んだが、この間4勝4敗2分けのしぶとさ。今季初サヨナラ勝ちの勢いを19日からの首位中日3連戦にもぶつけて打ち勝ちたい。ヒーロー佐藤輝をめがけて、次々とペットボトルの水が飛んだ。「寒い~」。この感覚がたまらない。チーム初のサヨナラ勝ちは悩める男のバットだった。「うれしかったです。もう覚えていない。めちゃくちゃ、かけられました」。ヘッドバンドから水をしたたらせ、会心の笑顔を見せた。力勝負を制した。1-1の延長10回。大山が申告敬遠され、無死満塁で巡ってきた。打率は1割台でも虎党はいつも背番号8に夢を託す。大歓声を浴びて打席に向かった。今季無失点の最強クローザー大勢は、初球から剛球勝負。5球目の158キロを必死にファウルにし、勝負の6球目。見逃すつもりはなかった。佐藤輝 直球勝負は分かっていた。振り負けないようにいきました。絶対に力が入るので、力を抜いてリラックスして。なんとか抜けてくれてよかった。内角に食い込む155キロを振り抜き、鋭く一塁手の横を抜いた。最高のフィナーレだ。実はプロ入り初のサヨナラ安打だった。今季の勝利打点はリーグトップの3個目。佐藤輝のバットが火を噴けば、阪神の勝利が近づくことを、また証明した。もがきにもがいてきた。新フォームをオフから固めてきたが、開幕からまさかの絶不調。ただ、今の佐藤輝には頼れる「相棒」がいる。森下だ。目指す打撃スタイルが似ていることもあり意気投合。後輩でもリスペクトを持って接する。「あの球、どうやって打った?」「どういう狙いだったの?」。印象的な快打を続ける森下に、技術面やアプローチまで質問するのが日常だ。その森下とともに甲子園で11勝4敗だった難敵の菅野、大勢から得点を奪い取った。大勢には対戦11試合目で初黒星をつけた。岡田監督にも笑みが浮かんだ。「(初の)2桁安打がうれしいですね。(でも)こんなんで喜んでたらあかん(笑い)。まだまだ1回り当たってね。これから徐々にね。だいたい今年の(相手)チームというか、分かってきたんで。5割戻ったんはよかったと思いますけどこれからですね」。打線低迷はまだ底を打っていない。これで球団ワーストに並ぶ10試合連続の2得点以下だ。「最後打てたので、よかったと思う。これをきっかけにもっと打っていけるように頑張ります」と佐藤輝。お立ち台を終えると大合唱が甲子園に響いた。「テ~ル! テ~ル!」。今季初の3連勝で9日ぶりの勝率5割復帰。さあ、ここからだ。阪神は7日ヤクルト戦から続く2得点以下が、これで10試合連続。連続2得点以下の記録は62年国鉄と93年巨人がマークした12試合が最長だが、球団では59年と12年に記録した10試合に並ぶワースト。なおこの期間中の阪神は、59年は1勝8敗1分け、12年は2勝6敗2分けと苦戦したが、今季は4勝4敗2分けと健闘している。
◆阪神中野がサヨナラ勝利の口火打を含む今季2度目の猛打賞で歓喜を演出した。延長10回先頭で巨人大勢の外角フォークを逆方向にはじき返し、左前打で出塁。無死満塁から佐藤輝の一打で決勝のホームを踏んだ。「前の打席でバント失敗してというのがあったので。どんな当たりでもいいから何とか塁に出ようという気持ちがあった」。8回無死一、二塁の第4打席で犠打を試みるも、投ゴロに倒れチャンスを逃しかけており、挽回の一撃となった。初回1死では菅野の高め直球を左翼線へ華麗に流す二塁打。3回2死からも外角フォークに食らいつき、中前に運んだ。打率は2割8分8厘に上げた。「接戦を勝ち切れることがチームの強さだと思う。まずは守備からというところを第一に考えて、ピッチャーをもっと楽に投げさせてあげられるような展開を作っていきたい」と引き締めていた。
◆阪神佐藤輝明内野手(25)がプロ4年目で初のサヨナラ安打を放ち、今季初の3連勝&9日ぶりの5割復帰を導いた。1-1の延長10回無死満塁。巨人守護神大勢から右前に運び、満員札止めの甲子園を歓喜させた。復調を目指す阪神佐藤輝を支えるのがド派手な「レインボーバット」だ。長さ60センチ、重さ500グラムの短尺で、もちろん練習用。試合前のルーティンになっている片手でのティー打撃に欠かせない。ミズノの担当者に「どうせなら目立つ色はどうか」と提案され「レインボーとか、できます?」と依頼したお気に入りだ。スイング矯正のため短尺バットが必要になり、キャンプ中はミエセスに借りていた。だが、借りてばかりで申し訳ないと、自前の1本を準備して開幕した。試合で使うのは先輩大山のバット。もちろん、サヨナラ打もこのバットから生まれた。5日のヤクルト戦(神宮)から切り替えると、その試合で第1号の決勝アーチを描き、翌日も2号が出た。大山バットは旧モデルで、現在本人は使っていないため、佐藤輝の愛用品になった。レインボーにも大山バットにも技術だけでなく気分転換の意味合いがある。細かい感覚を大事にする佐藤輝の個性が、バット選びにも表れている。【阪神担当=中野椋】
◆阪神前川が代打で森下の同点打を呼び込んだ。8回先頭で好投の先発西勇に代わって登場。巨人菅野に2球で追い込まれたが、5球目の149キロ直球を左前へ運んだ。そこまでわずか3安打に抑えられていたが、突破口を開いた。「ある程度、全球種を待ちながら、対応して打ててよかったです」。3年目の若手が試合終盤での貴重な仕事で、サヨナラ劇に貢献した。
◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神・森下翔太外野手(23)が「3番・右翼」に入った。17日の同戦は決勝の2点二塁打を放つなど勝負強い打撃が光る若虎は、巨人先発の菅野に対して打率・500(4打数2安打)といいイメージを持つ。東海大相模高の先輩にもあたる右腕との対戦に「いい投手なので打ちたいなと思っています」と力こぶ。チームは現在9試合連続2得点以下で10試合連続となれば1959年8月20日の巨人戦-30日の中日戦、2012年4月26日の広島戦-5月6日の巨人戦と並んで球団ワーストだ。貧打の流れを先輩撃ちで変える。
◆19日の中日戦(甲子園)に先発予定の阪神・青柳晃洋投手(30)が試合前練習でショートダッシュなどを行い調整した。中日とは前回登板の12日にも対戦し、7回6安打2失点。首位を走る好調竜打線と2週連続で戦うことにも「先週よりいい投球ができればなと思います」と意気込んだ。今季はまだ勝ち星に恵まれていない右腕は、今季初の本拠地・甲子園の登板に「やっとホームで投げられるんで。しっかり投げられるように。ひとりひとり丁寧に行きたいなと思います」と話した。
◆巨人・高梨雄平投手(31)が、出場選手登録日数が7年に達して国内フリーエージェント(FA)権の資格取得条件を満たした。阪神戦の前に報道陣に対応し、「取れるように産んでもらった両親と、妻。あとは僕は毎日ケアを受けるのでトレーナーさんとか。(前所属の楽天と)2球団でお世話になった関係者のみなさんに本当に感謝です」と語った。2017年にENEOSからドラフト9位で楽天に入団。2020年7月に巨人へトレードで加入し、昨季まで3年連続で50試合以上に登板した。今季は3試合の登板で1勝0敗、防御率0・00。FA権の行使については「僕はジャイアンツが大好きなので、ジャイアンツがいい評価をしてくれたらそれが一番うれしい。ただ、その権利をちゃんと価値ある形で持っておかないとダメだなと。ちゃんと今年しっかり働きたい」と気合を入れ直した。楽天時代から仲のいい松井裕樹(現パドレス)から「社会人で入ってきて、まだ全然働ける時期にFA取れる選手はって、なかなかいないから狙ったほうがいい」と激励されていたというだけに、「ドラフト9位で入ってきて、ずっと取りたいなと思っていた」と喜びを隠さなかった。また、早大の同級生でソフトバンク・有原がくしくもこの日、同じくFA権の資格取得条件を満たした。高梨は「(自分は)社卒で入って、同じ日というのは、なかなかおもろいですよね。1日もずれていないのが。あとでLINEしようかな」と感慨に浸っていた。
◆阪神が初回の好機を生かせなかった。一回1死から中野が左翼線へ二塁打を放ってチャンスメーク。森下が四球でつないで1死一、二塁の好機を作った。しかし、4番・大山は中飛で2死。大山はこの打席で開幕から自己ワーストの68打席ノーアーチとなった。続く佐藤輝も空振り三振に倒れ、甲子園はため息に包まれた。
◆3試合ぶりにスタメン起用された巨人・小林誠司捕手(34)が二回に先制の中前適時打を放った。「7番・捕手」で先発した小林は0-0の二回2死二塁で右腕の西勇のチェンジアップを中前に転がし、二塁走者の丸が生還。〝スガコバ〟バッテリーの相方、先発の菅野へ援護点をもたらした。小林は前回菅野とバッテリーを組んだ11日のヤクルト戦(神宮)でも決勝の適時打を放っており、今季は14打席で2安打ながら2本とも適時打をマークした。守備が持ち味のイケメン捕手がバットでも躍動している。
◆阪神の先発・西勇輝投手(32)は二回に1点先制を許した。1死から丸に左前打を許し、続く泉口の当たりは一、二塁間へ。これを中野が飛びついて止め、一塁に送球するファインプレー。西勇も中野をたたえる合図を送り、2死二塁で小林との対戦となった。4球目に投じたチェンジアップを捉えられ、打球は中前へ飛ぶ適時打に。11日の広島戦(甲子園)で8回無失点と好投した右腕が早々に1点を失った。
◆阪神・西勇輝投手(33)が五回、好守備でピンチの目を摘んだ。1死から8番・吉川に四球を与え、続く先発の菅野はバントの構え。犠打を試みて投前に転がった打球を拾った西勇は迷わず二塁に転送。アウトをひとつ奪うと、打者走者もアウトにして併殺を完成させた。打線が四回まで無得点の中、二回に先制を許した西勇だったが、その後は崩れず五回まで1失点。好プレーに甲子園のファンも大きな拍手を送った。
◆阪神打線は菅野の前に六回まで無得点。一回は1死二塁の好機を作るも、大山、佐藤輝が凡退。三回も2死から一、二塁の好機を作ったが大山が空振り三振に倒れた。五回は失策で出塁した近本が二盗を決め、得点圏に進むも、この日唯一の2安打を放っている中野が空振り三振。六回は3番・森下から始まる打順も、森下は三振、大山は三ゴロ、佐藤輝も三振に倒れた。佐藤輝はここまで3打数3三振。苦しい展開が続いている。
◆今季ここまで1勝1敗の巨人・戸郷翔征投手(24)が19日の広島戦(マツダ)に先発する。2週連続で同じ対戦カードが続くことについては「僕としてはメリット」と前向き。12日の東京ドームでは5回4失点と振るわず、「前回いいピッチングができなかったので、そのやり返しができるように」と広島打線へのリベンジを誓った。
◆阪神・大山悠輔内野手(29)が七回の守備で好プレーを見せた。1死一塁で泉口の打球は一塁への高くはね上がるバウンドのゴロ。この打球を大山が飛び上がってつかみ、倒れ込みながらも一塁のベースカバーに入る西勇にトスしてアウトにした。抜ければ長打の可能性もあった打球を止め、西勇が小林も三ゴロに打ち取って無失点。ここまで3打席凡退で開幕から70打席ノーアーチと苦しむ大山だが、守備の貢献で役割をひとつ果たした。
◆毎週木曜日は〝スガコバ〟の日だ。巨人・菅野が自身3連勝を懸けて甲子園のマウンドへ上がり、同学年の小林とコンビを組んだ。一回1死から中野に左翼線へ二塁打を浴び、森下に四球を与えて一、二塁。いきなりピンチを招いたが、後続の中軸を打ち取って立ち上がりを無失点に抑えた。直後の攻撃で1死二塁の場面で打席には7番・小林。相手先発・西勇が投じた低めの落ちる変化球を弾き返して中前適時打をマーク。「とにかく必死に食らいついていきました」と11日のヤクルト戦(神宮)に続き、2試合連続で右腕へ先制点をプレゼントした。同じ1989年生まれで、ファンから〝スガコバ〟の愛称で親しまれる2人。開幕から菅野が登板した全試合で小林が先発マスクを被り、この日は3度目。2試合で13イニング連続無失点を記録しており、前回登板ではピンチの場面でも「(配球は)誠司に任せておけば大丈夫な気がする」とサインに首を振らず、扇の要に全幅の信頼を置いている。菅野にとって1学年下の西は、かつてハワイでともに自主トレを行っていた仲。17日には「前回もすごくいいピッチングをしていた。投手戦になると思うので投げ負けないように辛抱強く投げたい」と意気込んでいた。右腕はその言葉通り、序盤からテンポよく投げ込んだ。(原田優介)
◆阪神の先発・西勇輝投手(33)は8回4安打1失点だった。スコアボードに「0」を刻み続けただけに、たった一度の「1」が余計に重く響いた。0―0の二回、2死二塁で小林に中前適時打を許して失点。これがこの日唯一の失点だった。直球、変化球ともに丁寧にコーナーに投げ分け、五回1死一塁では犠打を試みた打球を自ら処理して併殺を完成。95球で八回まで投げ切り、凡打の山を築いた。11日の広島戦では8回無失点も白星を手にできず。この日は0―1の八回、先頭で代打・前川が送られての降板となったが、打線が同点に追いつき、勝敗はつかなかった。降板後は「ロースコアの試合が続いている中で少しでも長いイニングをという思いで投げました。先制を取られてからも梅野のリードに助けてもらいながら、菅野さんもすごくいい投球をしていたのでその流れに乗っていく形で自分も投げることができました」とコメントした。
◆阪神打線がついに巨人の先発・菅野を捉えた。0-1で迎えた八回。先頭の代打・前川が左前打を放って出塁すると、岡田監督はすかさず代走・植田を送る。近本が左前打でつないで無死一、二塁。しかし、バントを試みた中野は菅野の好フィールディングで二走・植田がアウト。1死一、二塁で森下が打席に向かった。その初球、133キロスライダーを引っ張ると、打球は三遊間を抜ける左前適時打。開幕から20イニング無失点だった菅野から、東海大相模高の後輩でもある森下が価値ある一打を放ち、「打ったのはスライダー。(前川)右京と近本さんがチャンスメークしてくれて、『ここしかない』という思いでしたし、とにかく目の前の一球に集中していました。終盤でなんとか追いつくことができて良かったですし、この試合を勝ち切れるように頑張ります」とコメントした。森下は17日の同戦でも決勝の2点二塁打。2夜連続の大仕事に甲子園は大歓声に包まれた。
◆開幕から自身3連勝を懸けて先発マウンドに上がった巨人・菅野智之投手(34)が、八回途中1失点でマウンドを降りた。六回まで毎回奪三振を奪うなど、圧巻の投球を見せていた。1―0の八回、連打で1死一、二塁のピンチを招き、3番・森下に同点となる左前適時打を浴びてマウンドを降りた。この日の試合前時点で13イニングだった開幕からの連続無失点記録は、21イニング目で途切れた。
◆阪神がサヨナラ勝ちで引き分けを挟んで3連勝とし、勝率5割復帰を果たした。0-1の八回に森下翔太外野手(23)の左前適時打で同点に追いつき、延長十回無死満塁から佐藤輝明内野手(25)が右前に運んで試合を決めた。先発の西勇輝投手(33)は8回1失点で試合をつくった。
◆阪神が今季初のサヨナラ勝ちで、引き分けを挟んで3連勝。勝率を5割に戻した。延長十回、大勢投手(24)から連打と申告敬遠で迎えた無死満塁で佐藤輝明内野手(25)の右前打で試合を決めた。佐藤輝のサヨナラ打は昨年8月12日のヤクルト戦(京セラ)での犠飛以来2本目で、ヒットは初。打線は菅野智之投手(34)の前にゼロが並んだ八回1死一、二塁で森下翔太外野手(23)が左前に同点打を放った。勝ち投手は加治屋蓮投手(32)で今季初勝利。大山悠輔内野手(29)は開幕から18試合&72打席本塁打ゼロ。4月7日のヤクルト戦(神宮)からの連続2得点以下は10試合となり、1959年、2012年に並ぶ球団ワーストとなった。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=8勝8敗2分、観衆=4万2586人)。ーー劇的なサヨナラ勝ちです「そうですね、2桁安打が嬉しいです」ーー十回裏の攻撃はどのように見ていたか「(先頭で左前打を放った)中野が出たところで、森下がずっと良かったんで、何て言うのか、バントをさせる選手じゃないんでね。森下に賭けましたけどね(結果は中前打)。よく中野も(三塁に)走りましたよね」ーー森下は八回には同点打「バント失敗(無死一、二塁で中野のバントが三塁封殺)で、イヤな感じだったんですけど、ホント、もうね、いいところで、ずっと打ってる感じですね」ーー八回は前川が代打で左前打「糸原か前川だったんですけど、前川に賭けたんですけどね」ーー西勇が好投「今日も勝ち星つかなかったんだけど、ずっといいピッチングしていますね」ーー九回は桐敷「いつも通りの...ゲラと(岩崎の)2人休ませるつもりだったんで、他のピッチャーでつなぐ予定やったんです」ーー2桁安打「こんなんで喜んでいたらダメですけど...やっとという感じです」ーー勝率5割復帰「まだ、やっと一回り当たって、巨人が2回目なんだけど、まあこれから徐々に...今年のチームがわかって来たんで、5割戻ったのはよかったと思いますが、これからですね」ーー19日は今季初勝利を目指す青柳「そんな悪い内容じゃないんで、先発はひとつ勝ち星をつけるのが、一番の薬と思うんで、何とか早いうちに点を取って、先発に勝ち星をつくように...今日で吹っ切れたかもわからないんで打線もね。明日から、もっと打ってくれるでしょう」
◆サヨナラ勝ちで引き分けを挟んで3連勝とし、勝率5割復帰を果たした。0-1の八回に森下翔太外野手(23)の左前適時打で同点に追いつき、延長十回に佐藤輝明内野手(25)が右前打を放って試合を決めた。一回表 西勇は先頭のオコエを三ゴロ、佐々木を二ゴロ、門脇を空振り三振に斬り、三者凡退で滑り出す。一回裏 1死から中野が左翼線への二塁打で出塁すると、森下が四球を選ぶ。しかし、大山が中飛、佐藤輝が空振り三振に倒れて先制ならず。大山は自己ワーストを更新する開幕68打席ノーアーチとなった。二回表 西勇は1死から丸に左前打を許すも、続く泉口の一、二塁間のゴロを二塁手・中野が飛びついて好捕してアウトに。しかし、2死二塁から小林に中前適時打を許して先制点を献上した。神0-1巨二回裏 先頭のノイジーが中前打も、続く梅野が遊ゴロ併殺に倒れる。三回裏 2死から中野が中前打、森下の四球で一、二塁。しかし、大山が空振り三振で無得点。五回表 西勇は1死から吉川に四球を与えたが、菅野のバントを素早く処理し、二塁に送球。一塁に転送されて併殺に仕留めた。五回裏 2死から近本が三塁手・泉口の悪送球で出塁すると、すかさず二盗に成功。しかし、中野が空振り三振。六回裏 3番からの好打順だったが、森下が空振り三振、大山が三ゴロ、佐藤輝が空振り三振であっさり三者凡退。八回裏 先頭の西勇の代打・前川が左前打。代走に植田が送られ、続く近本も左前打で続く。中野は犠打失敗。1死一、二塁から森下が左前適時打を放って同点。なおも1死一、二塁から大山は2番手・西舘の前に右飛に倒れる。佐藤輝が四球を選んで2死満塁も、ノイジーが一邪飛で同点止まり。神1ー1巨十回表 3番手・島本が先頭の丸に左前打を許すと、岡田監督は加治屋にスイッチ。加治屋は坂本を中飛。代走・重信に二盗を決められたが、小林を遊ゴロ、吉川を空振り三振に斬った。十回裏 先頭の中野が4番手・大勢から左前打。森下の中前打で無死一、三塁とすると、大山は申告敬遠。無死満塁から佐藤輝が右前へサヨナラ打を放った。
◆延長十回、阪神・佐藤輝明がサヨナラ適時打を放った。ジャンプし吠える=西宮市・甲子園球場(撮影・林俊志)
◆巨人は延長十回の末にサヨナラ負けを喫し、2連敗。阿部慎之助監督(45)は惜敗に悔しさをにじませ、昨季王者の粘りに舌を巻いた。「本当にいつも紙一重。みんな必死でやっているし、形も作れている。この甲子園(2敗1分けの今カード)、全然負けた気がしないんだけどね。結果的に、やっぱり去年のチャンピオンチームだなと。終盤の粘りはすごいなと思いながら見ていた。うちもああいうことができるようにやっていけたら」先発の菅野は八回に先頭から2連打を浴び、1死一、二塁で森下に同点の左前適時打を許し、降板した。これが今季21イニング目での初失点。奮投した菅野に指揮官は「すごく頑張っていた。あそこまで抑えていたから、八回は行ってもらおうと決めていた。1失点だし、何も文句は言えない」とたたえた。延長十回は守護神の大勢が無死満塁で佐藤輝に右前適時打を浴び、今季初失点を記録した。指揮官はまた、途中出場の坂本について「体調も考慮して外しました」とベンチスタートさせた理由を説明した。
◆延長十回、無死満塁で佐藤輝明内野手(25)が右前へサヨナラ打を放った。2得点以下は球団ワーストに並ぶ10試合連続になったが、引き分けを挟んで3連勝で勝率5割復帰。首位中日に2・5ゲーム差と迫った。(成績=8勝8敗2分、観衆=4万2586人)延長十回にサヨナラ打を放った佐藤輝 「(ウオーターシャワーは)ちょっと寒かったです。めちゃくちゃかけられました」八回に同点打を放った森下 「ボールは見えていたので。真っすぐタイミングでいって、スライダーをうまく前でさばけた」八回に代打で左前打を放った前川 「ある程度全球種を待ちながら対応していけたので打てて良かった」先発して8回1失点の西勇 「野手のリズムもそうですし、菅野さんがすごいいいピッチングをしたんで、そのリズムに乗れたという感じですね」九回に登板して三者凡退に抑えた桐敷 「岡本選手とかがいたので、甘いところにいかないように、昨日以上に意識して投げていました」
◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)は延長十回2死二塁での阪神バッテリーに言及。梅野隆太郎捕手(32)の配球を絶賛した。流れを変えた森下も、サヨナラ打を放った佐藤輝も褒めたいが、バッテリーに焦点を当てたい。象徴的な場面は延長十回2死二塁、加治屋が吉川に投じた2球目のフォークがワンバウンドし、梅野は後逸を阻止。そこで吉川はフォークは捨てたはずだ。梅野はカーブをはさんで再びフォークを選び、空振り。ここで勝負アリだった。最後は直球で空振り三振。連投回避のため岩崎、ゲラを使えない中、西勇、桐敷、島本、加治屋で1失点勝利したのは大きい。打線は相変わらずビッグイニングを作れない。菅野の前にスライダー、カットボールに加え、内角高めの球を振らされるパターン。二回無死一塁で梅野は初球の低めカットボールを振りにいって遊ゴロ併殺打に倒れたようにベンチとしては狙い球をしぼっていたのだろうが、あまりにもボール球を振り過ぎだ。菅野が完全復調したとなれば、今後しっかりと対策を練らないといけない。佐藤輝は最終打席で内角直球をヒットにしたのが大きい。3打席連続三振など、まったくタイミングが合っていなかったが、これで自信になるだろう。体の開きが目立っていた4番の大山も八回1死一、二塁での右飛は西舘の球の切れが勝っただけで狙いとしては悪くはない。前後を打つ森下、佐藤輝が結果を出したことで刺激を受けるはず。ここから乗ってくると信じたい。
◆売り出し中の阪神・前川が好投していた菅野のリズムを崩す左前打を放ち、「ある程度、全球種を待ちながら対応していけたので、打ててよかった」と胸を張った。0-1の八回先頭で西勇の代打で出場し、カウント1-2から真ん中付近の149キロ直球を逆方向へ弾き返した。直後に代走・植田を送られてベンチへ下がったが、その後に森下の同点打が飛び出した。若虎は打率・303と猛アピール中だ。
◆延長十回を抑えた阪神・加治屋が今季初勝利だ。島本が丸に左前打を打たれたところで登板。坂本を中飛に打ち取り「最後はちょっとラッキーな外野フライになったんですけど、気持ちの面で向かっていけていた」と振り返った。小林を遊ゴロ、吉川を空振り三振に仕留めてサヨナラ劇につなげた右腕は「どこで行こうが自分のできることをやろうと思って(試合に)入りました」と胸を張った。
◆開幕から無失点投球を続けていた巨人・菅野智之投手(34)が21イニング目で今季初失点を喫した。1―0の八回、森下に左前適時打を浴びて降板。「なんとか監督とかの思いに応えたかった」と肩を落とした。その後、勝ち越しを許さなかった2番手のドラフト1位・西舘(中大)に対し「ああやって助けてもらうこともある。本当に頼もしい」と感謝しつつ、「イニングは最後まで投げ切れるように」と自省した。
◆阪神・梅野隆太郎捕手(32)が僅差の接戦で扇の要として守り抜いた。1-1で迎えた十回の守備では、先頭・丸の安打から1死二塁を迎えたが、加治屋のフォークボールがワンバウンドになった球や、大きくコースを外れた球を何度も逸らさず止めてピンチをしのいだ。タイトな競り合いを守り勝ち「皆よく投げてくれて、本当にナイスゲームじゃないですか」と大きく息をついた。
◆阪神・大山悠輔内野手(29)は4打数無安打だったが、延長十回は故意四球でサヨナラ勝利のお膳立てに加わった。開幕から72打席ノーアーチで、自己ワースト更新中と打撃では苦しんでいるが、守備では七回1死一塁で泉口の一塁へ高くはね上がるバウンドのゴロを飛び上がってつかみ、一塁のベースカバーに入る西勇にトスしてアウトにするなど、堅守を発揮した。打率・159に沈む4番の復調が虎には必要だ。
◆勝てばええねん! 阪神は2x-1で巨人にサヨナラ勝ちし、引き分けを挟んで今季初の3連勝。延長十回、無死満塁で佐藤輝明内野手(25)が右前へサヨナラ安打を放った。2得点以下は球団ワーストに並ぶ10試合連続になったが、この間は4勝4敗2分けで、勝率も5割に復帰。歴史的貧打でも首位中日に2・5ゲーム差と迫り、19日からの3連戦に臨む。眠っていた大砲が目覚める。火の出るような打球は一、二塁間を抜けた。地鳴りのような大歓声。苦しみ抜いた先に待っていた歓喜のウオーターシャワー。劇的勝利を己のバットで導いた佐藤輝は、満面の笑みであの瞬間を振り返った。「最高です! (ウオーターシャワーは)いやあ、ちょっと寒かったですね。めちゃくちゃかけられました。うれしかったです」今季4度目の延長戦。1-1で迎えた十回、中野、森下の連打で無死一、三塁とすると、大山の初球で一走・中野が二進し、4番は申告敬遠。無死満塁の絶好機で打席が巡ってきた。「回ってきたら絶対に決めてやろうという気持ちで入りました」巨人の守護神・大勢の直球に食らいつく。「フォークも頭にはあったので、考えながら」。白熱の展開にも冷静さを心がける。「真っすぐ勝負だったので、振り負けないようにいきました」。カウント2-2からの6球目、155キロ直球を引っ張った。飛びついた一塁手の横を抜け、白球は右翼芝生へ。犠飛で決めた昨年8月12日のヤクルト戦(京セラ)以来のサヨナラ打。甲子園では初、サヨナラヒットも初。4万2586人の大歓声とナインからの手荒い祝福を何度も何度も飛び跳ねて受け止めた。「それまでチャンスで凡退とかあったので、最後は決められてよかったと思います」打率・194と低空飛行。この日も劇打の前は3三振と決して調子がいいとはいえない。なんとか状態を上げようと、京セラドームでの試合では「裸足の方が足の裏の感覚がつかみやすい」と素足になってバットを振り込んだ。前週の甲子園では全体練習後にブルペンに直行し、素振りを敢行した。
◆思い切りのいいスイングで、森下が張り詰めた緊張感を吹き飛ばした。打球は三遊間を抜けて、近本が二塁から悠々生還。極上のチャンスをおいしくいただく同点の適時打で、試合を振り出しに戻した。「ボールは見えていたので、甘いスライダーか真っすぐ(を狙って)。真っすぐのタイミングでいって、スライダーをうまく前でさばけた」七回まで抑え込まれた先発・菅野に逆襲したのは0―1で迎えた八回。先頭の代打・前川が左前打を放って出塁すると、近本も左前打でつないで無死一、二塁。バントを試みた中野は菅野の好フィールディングで二走がアウトとなり、1死一、二塁で森下が打席に向かった。最初の2打席で四球を選び、打てる球の見極めには自信があった。初球に投じられた133キロのスライダーを引っ張り、打球は三遊間を抜ける左前への同点適時打。開幕から20イニング無失点を続けていた菅野から、東海大相模高の後輩が価値ある一打を放った。
◆王者の粘りに屈した。巨人は延長十回に大勢がサヨナラ打を浴び、2連敗。2敗1分けで終えた今カードはすべて2点差以内の接戦とあって、阿部慎之助監督(45)は悔やみきれない表情だ。「本当にいつも紙一重。この甲子園(での今カード)、全然負けた気がしないんだけどね。結果的に、やっぱり去年のチャンピオンチームだなと。終盤の粘りはすごい」菅野と小林の〝スガコバ〟バッテリーが、1-0の八回に3安打を許して同点に追いつかれた。指揮官が「すごく頑張っていた。何も文句は言えない」とたたえた34歳の同級生コンビの奮闘に、計5安打に終わった打線が応えられなかった。昨季3勝10敗と苦しんだ甲子園での今季初カードで1つも勝てなかった。19日からの広島戦(マツダ)へ向け、指揮官は「みんな必死でやっているし、形も作れている。ここをみんなで我慢してやっていけば。明日だよ、明日」とうなずいて球場を後にした。(谷川直之)
◆今季初勝利はお預けとなったが、白星に値するピッチングだった。西勇は8回4安打1失点の好投も打線の援護に恵まれなかったが、サヨナラ勝ちしたことに満面の笑みを浮かべた。「チームが勝ったからいい。それだけでいいです」前回11日の広島戦(甲子園)も8回無失点の快投だったが、九回にゲラが打たれて0-1で敗れた。この日は二回2死二塁から小林にチェンジアップを中前に運ばれて1点を先制されたが、三回以降は巨人打線に得点を許さなかった。モチベーションになったのは巨人の先発、菅野の存在だ。「菅野さんがすごいいいピッチングをしたんで、そのリズムに乗れた。好きな先輩と長いイニングまで投げられて、本当にいい時間を過ごせたと思う」。菅野は1学年上の34歳で、2016年から4年間、合同自主トレを行った間柄。2人が投げ合うのは2021年10月13日(東京ドーム)以来、4度目。西勇に白星がついたことはないが、個人の記録はどうでもよかった。
◆まずは佐藤輝、打率はまだ寂しい1割台だけど...。本日も3打席目までオール三振だったけど...。阪神を5割に戻すサヨナラヒットを打ったから、あんたは偉い!!七回まで巨人のエースの風格をプンプン漂わせ虎打線を手玉に取った菅野から、初球を一振りで同点タイムリーを決めた森下(さすがビックリマンや!!)も偉い!!そして、忘れちゃいけない同点の口火となる代打でヒットを放った3年目の若虎、前川も偉過ぎる!!もちろん、八回まで巨人打線を4安打1失点の芸術的ピッチングを演じた先発の西勇、それを継いで巨人に得点を許さなかった桐敷や加治屋のリリーフ陣もひじょ~に偉い!!にしても、10試合連続奪った得点が2点以下って、猛虎打線は何しとんねん!!と声を荒らげながらも、その間4勝4敗2分けでキチンと勝率5割の阪神って強いんかい?それとも弱いんかい?どっちなんや~!!結論は、10試合連続貧打を見つけられても応援する全国の虎党が誰よりも偉い!!(苦しい、しんどい)猛虎打線、爆発してくれ~!!
◆「打線停滞、我慢大会」。思わず〝韻〟(いん)を踏みたくなるような展開。前日17日にちらりと予見した通り、こういう試合をモノにして日本一になっただけに、軍配は阪神・岡田監督に。先発・西勇が踏みとどまる中、戦況をじっくりと見つめ、巨人を追い込んでいったね。八回先頭に代打・前川を送り、その左前打を皮切りに同点。十回無死一塁のピンチでは、加治屋にアウト3つを任せ、無失点で乗り切る。その裏に大勢を攻めてサヨナラ。ブルペン勝負になると、えてして、誰か1人は調子の悪い投手が出てくるもの。ジタバタせず、ワンチャンスを待つ。老練な采配だよ。それにしても3日連続、2点以内の接戦とは。イニングが進むにつれ、ドキドキ感が増して見応えがあった。両軍先発が6人とも好投。打線停滞はあるにせよ、そうそう点を取れる内容でもなかった。巨人にしても、勝利へ向かう形と道筋はくっきり見えてきているしね。今季は面白いペナント争いになる-。そんな予感を抱いたよ。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆伝統の一戦に向けて阪神が練習を終えたころ、遊軍の上阪正人が鼻をひくつかせながら甲子園の外周を歩いていた。「あ、あった! 『北海道ザンギ』に『からあげ大吉』...。これ、めっちゃうまそう」2024年フードイベント第2弾として「甲子園からあげ祭」が21日まで開催されている。全国のから揚げ自慢の店が集結し、競うように並ぶ。無類の鶏好きの上阪は「すごいよ。イチ、ニ、サン...いくつ店があるんやろう。買って食べてみるわ」と財布を取り出した。いや、グルメリポーターまではよろしいゾ。それにしても球界の「フライ問題」はどうにかなりませんか? フライを上げても打球が伸びず、フェンス手前で失速。今季は全球団を通じて本塁打数が大幅に減少している。高校野球でも低反発バットが導入されて木製バットを使う選手もいたけど、野球の華は本塁打じゃないの? 春先は打者が慣れていないため、投手有利と言われるけど本当にいいのか!?米大リーグでは「フライボール革命」が再考の時期にきている。打者によって極端なシフトを敷く作戦が多く、打者は内野の頭を越える打球を打った方が安打になる可能性が高まるというものだったが、今は内野手を4人(二塁ベースを挟んで2人ずつ)配置することが義務付けられるなど制約が入った。メジャーリーガーのマネをして打球を上げようとしている日本の選手に異を唱えたのが巨人・阿部監督。2軍監督時代「フライボール革命」に一定の理解を示しながらも「アッパースイングにしろってことではないと思うし、そういう打者が必ずしもアッパーなわけじゃない」と語っていた。自分の打撃フォームを完全に見失ってしまう可能性があるのだ。阪神は大丈夫か!?
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
中日 |
10 | 5 | 2 | 0.667 (↓0.047) | - (-) |
126 | 49 (+5) | 41 (+11) | 5 (-) | 2 (-) |
0.247 (↑0.006) | 2.260 (↓0.52) |
2 (-) |
巨人 |
9 | 7 | 1 | 0.563 (↓0.037) | 1.5 (-) |
126 | 48 (+1) | 35 (+2) | 8 (-) | 8 (+1) |
0.244 (↓0.006) | 1.860 (↓0.01) |
3 (-) |
阪神 |
8 | 8 | 2 | 0.500 (↑0.033) | 2.5 (↑1) |
125 | 41 (+2) | 48 (+1) | 10 (-) | 6 (+1) |
0.207 (↑0.005) | 2.260 (↑0.09) |
4 (-) |
広島 |
7 | 9 | 0 | 0.438 (-) | 3.5 (↑0.5) |
127 | 47 (-) | 41 (-) | 4 (-) | 8 (-) |
0.234 (-) | 2.550 (-) |
4 (-) |
DeNA |
7 | 9 | 0 | 0.438 (-) | 3.5 (↑0.5) |
127 | 39 (-) | 67 (-) | 5 (-) | 8 (-) |
0.254 (-) | 3.410 (-) |
6 (-) |
ヤクルト |
6 | 9 | 1 | 0.400 (↑0.043) | 4 (↑1) |
127 | 58 (+11) | 50 (+5) | 7 (+3) | 10 (+1) |
0.241 (↑0.01) | 2.960 (↓0.14) |
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