阪神(☆2対0★)巨人 =リーグ戦5回戦(2024.04.17)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
00200000X2310
勝利投手:伊藤 将司(2勝1敗0S)
(セーブ:ゲラ(0勝1敗3S))
敗戦投手:赤星 優志(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆阪神は3回裏、2死一二塁から森下の適時二塁打で2点を先制する。投げては、先発・伊藤将が6回無失点の好投。その後は桐敷、岩崎、ゲラの継投でリードを守り、伊藤将は今季2勝目を挙げた。敗れた巨人は、打線が相手を上回る8安打を放つも、つながりを欠いた。

◆巨人の岡本和真が苦手の伊藤将司と今季初対戦。伊藤将には通算33打数5安打の打率1割5分2厘で、本塁打が0。5安打はすべて単打で、本塁打どころか長打を打ったことがない。岡本和が30打数以上対戦して本塁打0は床田(広島)と伊藤将の2人だけ。ただし、対床田は通算41打数12安打の打率2割9分3厘で、長打は二塁打を2本記録している。30打数以上で長打0は伊藤将しかいないが、今日は長打を打てるか。

◆阪神のスタメンが発表された。前日と変わらずクリーンアップには3番森下翔太外野手(23)、4番大山悠輔内野手(29)、5番佐藤輝明内野手(25)が並んだ。17日は1985年(昭60)の同日に3番バース、4番掛布雅之、5番岡田彰布の「バックスクリーン3連発」が生まれた伝説の記念日。今年は「甲子園&巨人戦&水曜日&ナイター」のすべてが39年ぶりに重なる巡り合わせだ。令和のドラ1クリーンアップが、再現なるか。

◆東京2020パラリンピックの車いす陸上の400メートルと1500メートルで金メダルに輝いた佐藤友祈(34)が、ファーストピッチセレモニーに登場した。金メダルを2つ首から下げながら投球。投球はワンバウンドになったが、「皆さんはスリーバンぐらいで投げるイメージでいたのかも」と安堵(あんど)の表情を見せた。この日の試合は佐藤選手の所属先で大阪市内に本社を持つ、株式会社モリサワが初めて協賛。創業者が開発した、独自の印刷技術「邦文写真植字機」の発明と甲子園球場の開場がそれぞれ100周年を迎えることから実現した。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が、先発伊藤将司投手(27)を救うビッグプレーを決めた。2回表の守備。先頭の丸に右中間への三塁打を許した。その後、1死三塁となり、吉川の打球は二塁へ。前進守備を敷いていた中野は体勢を崩しながら逆シングルで捕球すると、ホームにストライク送球し、滑り込んだ三塁走者丸をタッチアウトに仕留めた。立ち上がりからなかなか波に乗りきれない伊藤将を助ける好守備。序盤のピンチを無失点で切り抜けた。

◆痛恨の"お見合い"で阪神のピンチが広がった。2点リードの4回無死一、二塁。岸田の犠打は伊藤将司投手(27)とチャージをかけた一塁大山悠輔内野手(29)のちょうど間に転がった。この打球処理を両者が一瞬、見合わせる形に。大山が慌てて捕球し一塁へ送球も、一塁カバーに入った中野拓夢内野手(27)にハーフバウンドのスローイングとなってしまった。中野は捕球できず、打者走者もオールセーフ(記録は犠打+大山悪送球)。無死満塁のピンチをつくってしまった。ここから伊藤将が踏ん張った。8番吉川を一ゴロ。9番投手の赤星を空振り三振に仕留め、最後は1番萩尾の一、二塁間の打球を大山が好捕し、一塁カバーに入った伊藤将へ送球を決め、スリーアウト。なんとかピンチを乗り切った。

◆/虎の勝負師\ほしいところで打つ森下翔太が先制タイムリー?プロ野球 (2024/4/17)??阪神×巨人??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #hanshin"野球一本" 新プラン登場「DAZN BASEBALL」 月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/17まで pic.twitter.com/JkibF01QmR

◆ABC朝日放送が粋な演出で"伝統の一戦"を盛り上げた。この日は、39年前の1985年(昭60)4月17日に「伝説のバックスクリーン3連発」が生まれた同じ日で、同じ曜日だった。そこで85年入社の中邨雄二氏(62)、伊藤史隆氏(61)の両シニアアナウンサーが実況担当に起用された。当時の2人は新人として社内研修中だったが、今や"全国区"の名物スポーツアナウンサーとして知られる。ABCラジオを実況した伊藤アナウンサーは現場で「60歳を過ぎても、こういう場に立ち会うことができてありがたいです」としみじみと語った。「当時はテレビが植草貞夫さん、ラジオが武周雄さんの実況でしたが、後で振り返っても、1本、1本が素晴らしい放送だと思いました。あの年は阪神もまだ試合数が少ないし、乗り切れていなかったですが、あの一戦が起爆剤になりましたね」またBS朝日の実況を担当した中邨アナウンサーは、ゲスト解説の当時4番打者だった掛布雅之氏と軽妙に語り合った。「バックスクリーン3連発は翌日のスポーツニュースで知りました。隔世の感がありますね。あの一戦が山本和さん、球道(中西清起氏)のWストッパーが誕生した記念日のようなものでした。そういう、えにし(縁)を感じてもらえるような放送ができればと思います。3連発は難しくても、三者連続ヒットぐらいは見たいですね」この日の地上波放送は若手の福井直人アナウンサーが実況を担当。それぞれが熱いトークでメモリアルを伝えた。

◆阪神伊藤将司投手(27)が、耐えに耐えて6回無失点ピッチングで終えた。毎イニング走者を許し、4回には無死満塁のピンチも背負ったが、要所で踏ん張った。6安打を浴び、2つの四球も出したが、102球を投げきった。甲子園での巨人戦では3連勝中。相性の良さを結果で示した。

◆阪神が接戦を制した。岡田彰布監督(66)は、虎の監督通算勝利数を485勝とし、恩師でもある吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)が挙げた484勝を超え、球団歴代単独2位となった。愛弟子が勝利を運んだ。3回2死一、二塁で3番森下翔太外野手(23)が中越えの2点適時二塁打。この先制打が決勝点となった。岡田第2次政権の「ドラフト1期生」で1位指名を受けた男が、バットで甲子園を沸かせた。17日は1985年(昭60)の同日に3番バース、4番掛布雅之、5番岡田彰布の「バックスクリーン3連発」が生まれた伝説の記念日。今年は「甲子園&巨人戦&水曜日&ナイター」のすべてが39年ぶりに重なる巡り合わせだった。3番森下、4番大山悠輔内野手(29)、5番佐藤輝明内野手(25)と令和のクリーンアップは全員ドラフト1位。3番の若武者が、かつての先輩たちも躍動した聖地で、新時代の主役であることを証明してみせた。先発伊藤将司投手(28)は耐えに耐えて2勝目をつかんだ。6回6安打無失点。毎回走者を背負うも、要所を締めた。4回には無死満塁のピンチもあったが、ゼロで切り抜けた。甲子園での巨人戦はこれで磁針連勝。相性の良さも発揮した。夏のイベント「ウル虎の夏」で着用する限定のグリーンユニホームをお披露目する3連戦。前夜は降雨コールドゲームで引き分けに終わっていたが、この日は4万2585人のファンに勝利を届けた。チームは3位に浮上。これで7勝8敗2分けで借金完済まで、あと1勝となった。阪神が4月17日の巨人戦に勝ったのは、バックスクリーン3連発の出た85年以来39年ぶり。13、15、22年と3連敗していた。阪神は4月7日ヤクルト戦から、9試合連続で2得点以下。球団ワーストは10試合で、59年と12年の2度ある。18日巨人戦も2得点以下なら最長タイとなる。

◆/圧倒的なストレート\ゲラが最後を締めくくる阪神が引き分けを挟んで2連勝?プロ野球 (2024/4/17)??阪神×巨人??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #hanshin"野球一本" 新プラン登場「DAZN BASEBALL」 月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/17まで pic.twitter.com/5nNKpHFJik

◆阪神が接戦を制した。岡田彰布監督(66)は、虎の監督通算勝利数を485勝とし、恩師でもある吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)が挙げた484勝を超え、球団歴代単独2位となった。岡田監督のテレビインタビューでの一問一答は以下の通り。-3回に2死から3連打。試合を振り返って「いやいや、もう、2点しか入らないからね。まあ、もう伊藤もね、本当、全然あんまりよくなかったんだけど、本当、守り勝ちというか、本当、しのいでしのいで、そういうゲームだったですね」-毎回ランナー。無死満塁もあった。本人も粘ってと言っていた「それはもう粘って粘ってですよ」-リリーフ陣はタイガースの強み。桐敷、岩崎、ゲラ「いやいや、桐敷は久しぶりだったんですけどね、岩崎とゲラは、2点しか取れてないのでね、勝ちゲームも僅差ばっかりなので、まだね、ちょっと勝つ時も休ませたいんだけど、まだチームが波に乗れないというか、点を取れないので。ちょっと今はね、2人には酷だけど頑張ってもらわないと。いつか休めるときが来ると思いますけど」-岩崎とゲラの起用順は流動的か。「まあまあ、まだ流動的ですね」-攻撃は万全ではないかもしれないが、あの場面で決めた森下の打撃は「いやいや、もうね、昨日もそうだけど、チャンスで点がまだ入っている方なので...。ノーヒットで終わるとはあの回では思わないじゃないですか、結局ね、それはツーアウトからの点だったので、まあ久しぶりのね、先制点というか、2点というのも久しぶりでしょ、ねぇ、ホント、まあそういう意味でね、ツーアウトだったしね、ホント大きな2点だったですね。-開幕前に監督は巨人は変わったとおっしゃっていた「そうですね、メンバーがだいぶ変わったんで、あのー、リリーフ陣もホント初めてのピッチャーも多いし、なかなかね、ちょっと取れない部分はあるんだけど、まあ、ねぇ、去年とはだいぶ違うチームにはなってると思いますね」-阪神監督歴代2位の勝ち星「あぁ、それはまだね。試合あるんで、それはまあ、あまり関係ないですね」-今日がバックスクリーン3連発以来の4月17日の水曜日の巨人戦「試合が終わってね、並んでる時に平田とかと話したけど、3連発の日にね、3連打だけで終わったでしょ」-こういう勝ちは「勝つのは一番大きいんでね、こんなけ打てないんでね、ええ。今のこの成績にいてるっていうのはピッチャー陣の頑張りだし、僅差のゲームで守りの方もしのいでしのいでというね、そういうのを続いてるけど、そこを乗り切ればね、もうちょっと楽なゲームできるとおもいますね」-明日は実績ある投手「久しぶりにね、勝ち越せそうなね、そういうふうになったんで、みんなでもうちょっとヒット打ってね、いいゲームしたいですね」

◆巨人は今季2度目の完封負けで連勝が7で止まった。2回に無死三塁、4回に無死満塁の絶好機をつくるも決定打を欠いた。3者凡退は9回だけで、8安打も11残塁で1点が遠かった。阿部監督は「紙一重。どうやったら点が入るか、今日寝る前に考えて寝ようかなと思います」と話した。

◆阪神岡田彰布監督はメモリアル星にも、いつも通りだった。「それはまだね。試合あるんで、それはまあ、あまり関係ないですね」。テレビインタビューで話を振られても冷静だった。宿敵巨人から甲子園での今季初勝利を挙げ、虎の監督通算勝利数は485勝。恩師でもある吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)が挙げた484勝を超え、単独2位となった。トップ514勝の藤本定義氏まで、残り29勝。ただ、目先の1勝ではなく、まだまだ先を見続けるシーズン序盤だ。一喜一憂はしない。昨季38年ぶりに日本一となった猛虎だが、ここまで派手さはない。チーム打率は1割台目前の2割2厘で12球団最下位。それでも借金1で3位の位置にいる。この夜もワンチャンスをものにし、3人のリリーフでゼロ封勝ち。「勝つのは一番大きい」と勝利が良薬になると信じる。「これだけ打てないんでね。今のこの成績にいてるっていうのは、ピッチャー陣の頑張り。僅差のゲームで守りの方も、しのいでしのいでというね。そこを乗り切ればね、もうちょっと楽なゲームができると思いますね」昨年も3、4月は貯金3でフィニッシュした。勝ち続けていたわけではない。指揮官の節目の1勝から、虎が徐々に浮上していく。【中野椋】

◆阪神の新・勝利の方程式「KIG」継投がハマり、接戦をモノにした。2点リードの8回から桐敷が登板。2死から門脇に左翼線への二塁打を許すも、4番岡本和に「四球OKくらいで、広くボールを投げられた」と最後は外角いっぱいに149キロ直球を決め、見逃し三振でピンチを脱した。8回にバトンを受けた岩崎は、2死から代打オコエに遊撃への内野安打を浴びるも、吉川を三ゴロに料理。これで開幕から9試合連続無失点を継続し、巨人戦での登板した際は19試合連続で負けなしと「不敗神話」を継続させた。左腕は「こういう(接戦の)試合を取っていけるように続けていきたい」と力を込めた。ラストは新助っ人ゲラが「3人で終わらせるつもりでいった」と注文通りの3人斬りで3セーブ目をゲット。今季初の並びとなった「KIG」の鉄壁リレーを完成させた。ダブルストッパー体制について岡田監督は「まだ流動的ですね」と継続することを示唆した。

◆巨人佐々木俊輔外野手(24)が中堅守備で転倒し、決勝点を献上した。3回2死一、二塁。阪神森下の中堅後方への打球を追った。守備範囲の打球と思われたが、目測を誤った。1度前進し、後方に切り返した時に足を滑らせた。慌てて体勢を立て直すも、落下点に間に合わなかった。先制2点適時二塁打としてしまった。佐々木は「自分のせいです。滑りました。前に出て2、3歩下がろうかなっていう時の切り返しで、足を滑らせた。言い訳にならない」と反省した。阿部監督は「本人も滑ろうと思って滑っているわけじゃないから。天然芝で、そういうこともあるっていう。人工芝でもあるかもしれないけど。いい経験をしたんじゃないかなと思うし。スパイクの刃をあと1・5ミリぐらい長くしとけばいいかな」と話した。4月17日。39年前に阪神戦で「バックスクリーン3連発」を浴びた日でもあった。甲子園、水曜日、ナイターが、あの85年以来に重なる巡り合わせの一戦。今度はバックスクリーン前の芝が勝敗を分けた。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、3回に決勝打を放った。先発伊藤将司投手(27)は6回無失点で2勝目。お立ち台での2人の一問一答は以下の通り。-伊藤将司投手、ナイスピッチング伊藤将 ありがとうございます。-今の気持ち伊藤将 うれしいです。-前回は悔しい思いも伊藤将 前回ふがいない投球だったので、この1週間、今日の試合に合わせてしっかりできました。-走者を背負う場面も伊藤将 前回やられてしまったので、今回は無失点で何とか勝てる試合にできるように投げて。-味方が先に援護。森下のバットから伊藤将 前回も翔太が打って勝ちついたので、今回もまた打ってくれたのでうれしいです。-後輩の活躍を直接伝えて伊藤将 翔太ありがとう。-伝統の一戦での甲子園での初勝利伊藤将 本当に今日は伝統の試合だったので、ファンの方に甲子園で勝つ姿を見せられたんで、良かったと思います。-今季もこれからももっと勝利のシーンみたい伊藤将 次回もいいピッチングできるように頑張りますので、ご声援よろしくお願いします。-森下選手は勝負強い森下 そこが自分のとりえだと思っています。-どんな気持ち森下 最近の試合でチャンスでまわってくる場面が少なかった。こういう1回でものにできて良かったと思います。-右翼から伊藤将の投球を見ていた伊藤将 先制点取れればマサシさんならゼロで抑えてくれると信じて打ちました。-去年から勝負強い理由森下 何も考えてないからじゃないですかね。平常心です。-バックスクリーン3連発は森下 はい、知ってます。-よぎったか森下 いやそれはなかったですけど、結果的に3連打でチームを勝たせることができたんで。3連発とはいかなかったですけど、3本打ってチームが勝ったんで良かったと思います。-令和の3連発を見たい森下 そのきっかけを自分から作れれば大山さん、輝さんが続いてくれると思うので、打ちたいと思います。-ファンへ森下 明日も勝ってこの甲子園6連戦全勝したいと思うので、熱い応援よろしくお願いします!

◆阪神森下翔太外野手(23)が虎の記念日に勝利を運んだ。3回2死一、二塁から巨人赤星の直球を迷いなくフルスイング。中堅手の頭を越える2点適時二塁打が決勝打になった。この日は、1985年(昭60)に3番バース、4番掛布雅之、5番岡田彰布の「バックスクリーン3連発」が生まれた伝説の日。チームは今季最少3安打ながら好機を生かして宿敵を撃破し、メモリアルデーの勝利で3位に浮上した。森下が決めた。甲子園のムードを一振りで変えた。3回。2死から近本、中野が連打でつなぎ一、二塁。赤星の速球に差し込まれた1打席目の反省を生かし、バットを少し短く持って向かった。フルカウントからの6球目。150キロ直球を思い切って振り抜いた。「1打席目の反省を生かして、真っすぐをパチンと捉えられるように。大振りせずにいくところだけは決めていました」。中堅佐々木の頭上を越える決勝の2点二塁打。三塁を狙い憤死したが、余りある活躍に虎党からは拍手が起こった。お立ち台では「3連発とはいかなかったですけど、3本打ってチームが勝ったんで良かった」とコメントして盛り上げた。この日は1985年に3番バース、4番掛布、5番岡田の「バックスクリーン3連発」が生まれた記念日。39年の時を経て「上位打線3連打」で勝負を決定付けた。伝説を作った1人である岡田監督は「3連発の日に3連打だけで終わったでしょ」と笑いつつ「ホント大きな2点だった」と殊勲打には目を細めた。新生岡田阪神の22年ドラフト"1期生"として入団した森下。この勝利で指揮官にとっては、球団監督通算485勝目。吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)を超え、単独2位となる節目の勝利を届けた。「監督も連覇を目指していると思う。その連覇を自分たちの力でやるのが一番、監督にとってもうれしいこと」とさらなる恩返しを誓った。今季から登場曲に使用するのが地元・神奈川出身のレゲエグループ・湘南乃風の「Left&Right~名も無き足跡~」。小学校の頃からの幼なじみに勧められた、ノリノリの楽曲を採用した。「野手は登場曲が短いので、バラード調よりも盛り上がる曲がいいかなと。盛り上がってくれたら」。打席前から球場のボルテージを高め、バットで最高潮に乗せる。ここぞの打撃が光る、お祭り男のルーティンだ。「ウル虎ユニホーム」をまとった1勝目。チームは3位に浮上し、借金1と5割復帰目前だ。ただ、打線は9試合連続2得点以下とまだ本来の姿ではない。森下自身も打率1割9分3厘と苦しむが、リーグ2位の10打点と勝負強さはお祭り男の持ち味。今季初の巨人戦カード勝ち越しへ向け、背番号1がノリノリで甲子園を沸かせる。【波部俊之介】

◆阪神伊藤将司投手(27)が驚異の粘りを見せた。甲子園での巨人戦は22年5月22日から4連勝。巨人キラーは健在だった。「もう、2点しか入らないからね。伊藤もあまりよくなかったんだけど、本当、守り勝ちというか。しのいで、しのいでというゲーム。粘って、粘ってですよ」。岡田監督はテレビインタビューの最初に、投手陣の踏ん張りをたたえた。左腕は「何度もピンチを作って先制してもらったあとの満塁も何とか0点で切り抜けられた。今日は粘れた、の一言」と大きく息をついた。お立ち台での「翔太、ありがとう!」にも実感がこもった。苦しすぎた。初回からピンチ。ただ2回6失点の前回広島戦(甲子園)とは違った。直球が弱く、制球も定まらなかった1週間前は、ことごとくヒットになった打球が、守備範囲に収まった。「初回は球速もいい感じで出ていた。直球の大事さを感じました」。1死一、二塁から岡本和を直球で押して左飛にしとめた。現在、打撃3部門トップの岡本和にはめっぽう強く、この日も3打数無安打。通算36打数5安打で、長打を許したことがない。坂本にも1四球のみで「そこがやっぱり一番でかい」と、得点源2人を封じたことを勝因に挙げた。2回は無死三塁。2点先制した直後の4回は無死満塁。どちらも下位打線をきっちり抑えた。6回は直球で大城卓を差し込んで中飛に抑え、あとを託した。この1週間、映像を見て投手コーチと一緒に課題をつぶした。フォームを見直し、直球の質を求めて調整を続けた。テーマは低めに、強く投げること。苦しい中でも「生命線」を6回まで意識して、実行した。「シーズンは長いので、なるべく早く(調子を)戻せるようにという感じですね」。2軍では門別が先発の予備としてスタンバイしている。簡単にローテの座を譲るつもりはない。【柏原誠】

◆阪神梅野が2試合ぶりのスタメンマスクで、投手陣の無失点リレーを演出した。先発伊藤将は毎回走者を許しながらも、6回無失点。「よく粘ってくれた」とたたえた。桐敷、岩崎、ゲラのリリーフ陣もゼロ行進で続いた。「僅差やとマウンドに上がるピッチャーも緊張する。そこをなんとか引っ張ってあげられたら」。頼れる男が充実の表情を見せた。

◆阪神大山が自らの守備でのミスを守備で取り返した。2点リードの4回無死一、二塁、岸田の犠打の処理で伊藤将と一瞬"お見合い"になり、慌てて捕球した大山は一塁へ中途半端なバウンドの悪送球で満塁のピンチを招いた。ただ、吉川の一塁への痛烈な打球を体で止めて本塁封殺。2死から一、二塁間への打球を逆シングルで好捕し、カバーに入った伊藤将へ体勢を崩しながら正確に送球してアウトに。大山は試合を通して「勝ててよかったです」と、胸をなで下ろした。

◆18日の巨人戦(甲子園)に先発予定の阪神・西勇輝投手(33)が試合前にショートダッシュなどで汗を流した。前回登板の11日の広島戦(甲子園)では8回無失点と好投。巨人打線とは今季初対戦となるが「どのチームも大事なので、自分の中でいいイメージで終わりたい」と意気込み、今季初白星を目指してマウンドに上がる。対する巨人は西勇が師と仰ぐ菅野が先発予定。2015年の侍ジャパンで意気投合すると、同年オフから18年オフまで自主トレをともに行っていた。「「お世話になった方でもあるし、すごく目標にしていたピッチャーでもある。このキャリアになっても投げ合える幸せは大事にしていきたい」と、恩返しの好投を誓った。

◆8試合連続で2得点以下と貧打に苦しむ阪神打線は5番・佐藤輝明内野手(25)に注目。巨人先発・赤星からは昨年20号2ランを放ち3年連続20本塁打を達成した。今年2月のオープン戦でも対戦し、2ラン。「しっかり対策して臨みたい」と意気込む大砲が流れを変える一発を放つ。阪神の先発は伊藤将司投手(27)。前回登板の10日、広島戦(甲子園)では2回8安打6失点の大乱調で今季初黒星を喫した。中6日の調整を経て、修正した姿を見せる。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(27)が課題の立ち上がりで球数を擁しながらもゼロを刻んだ。一回先頭の萩尾は遊ゴロ。ヘッドスライディングに巨人ベンチがリプレー検証を要求も判定は変わらなかった。しかし、続くD3位・佐々木(日立製作所)、門脇に連打で1死一、二塁のピンチ。岡本和を左飛に仕留めると、坂本はフルカウントから二直に仕留めて何とか無失点で切り抜けた。伊藤将は今季初登板だった3日のDeNA戦(京セラ)、前回登板の10日の広島戦(甲子園)でいずれも初回に失点。課題にあげていた立ち上がりを切り抜け、ここからギアを上げていく。

◆「甲子園フォントプロジェクト記念モリサワデー」として開催され、パラ陸上東京パラリンピック金メダルの佐藤友祈(37)=モリサワ=がファーストピッチに登場。車いすからワンバウンドでの投球を披露し「かなり緊張しました。一発勝負ということで、ちょっと力みすぎて。80点くらいです」と笑顔をみせた。岡山県在住で「周りにもタイガースファンの方が結構多い。私自身も大山選手に競技に対する姿勢やマインドに近いものを感じていて、応援させてもらっています」と明かした。佐藤は東京パラリンピックでは男子400メートルと1500(車いすT52)の2冠を輝き、今年8月に開催されるパリパラリンピックで2大会連続での金メダル獲得が目標。5月に行われるパラ陸上世界選手権(神戸・ユニバー記念競技場)への出場を前に「世界選手権ではマキシム選手が金メダル最有力候補と捉えられていますけど、マキシム選手に土をつけられるように調整していきたい」と抱負を語った。

◆阪神が2死からチャンスを作り、森下翔太外野手(23)の適時打で3試合ぶりの先制に成功した。巨人の先発・赤星に対してノーヒットで迎えた三回。2死から近本が15打席ぶりの安打となる右前打を放って出塁すると、中野も変化球に合わせて右前打とし、2死一、二塁とチャンスを作る。そして森下はカウント3-2から150キロの直球を力強くとらえると、打球はライナーで中堅手の頭上へ。あらかじめ深く守っていた巨人の中堅・佐々木だが、少し足を滑らせてこれに届かず。二塁から近本、一塁から中野が生還して2点を先制した。「打ったのはストレート。この試合初めて作ったチャンスでしたし、絶対モノにするんだという気持ちでした。追い込まれていましたが、しっかり自分のスイングで振りぬくことができました」。森下は一気に三塁を狙ってタッチアウトとなったが、自身23打席ぶりに打点を挙げ、貴重な先制点をもたらした。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(27)が無死満塁のピンチを無失点で切り抜けた。2点を先制した直後の四回。先頭の坂本に四球を与えると、続く丸には中前打を浴びる。そして岸田の送りバントを処理した大山の一塁送球が悪送球となり、無死満塁と絶体絶命のピンチ。それでも吉川の強い一ゴロを本塁封殺すると、赤星は直球で空振り三振に斬って2死。萩尾は一塁左へのゴロに打ち取ると、打球を処理した大山から伊藤将に送られてスリーアウト。伊藤将は四回でこの日3度目となる得点圏に走者を置いたピンチだったが、見事に踏ん張った。

◆前日16日は延長十回表無死で降雨コールドゲームとなり、1-1で引き分け。第2戦のマウンドに上がった巨人・赤星優志投手(24)は三回、2点を先制された。2死走者なしから連打を浴びて一、二塁。3番・森下をフルカウントから150キロの直球で打ち取ったかに見えたが、中堅手・佐々木が目測を誤って打球は頭上を越えた。2者の生還を許した。開幕からロングリリーフとしての起用が続いていた右腕は、先発調整のため5日に出場選手登録を抹消された。10日のオイシックスとの2軍戦で先発して5回1失点の好投。「中継でもできるだけ(長い)イニングを、というところでやっていた。(先発しても)特に変えるところはなく、今までやってきた通りに投げられた」と手応えを口にしていた。39年前の4月17日は巨人にとって屈辱的な試合だった。1985年のこの日、甲子園で阪神の3番ランディ・バース、4番・掛布雅之、5番・岡田彰布に「バックスクリーン3連発」を浴びて逆転負けを喫した。苦い歴史はあるが、赤星にとって甲子園は昨季、好相性を誇った舞台。2試合に先発して1勝1敗、防御率1・93。9月21日には8回6安打無失点、7つの三振を奪って白星を挙げた。四回に先頭打者を歩かせたが、三振ゲッツーで切り抜けるなど、三回の失点を引きずらなかった。5回を3安打2失点で降板。今季初勝利はならなかった。

◆先発した阪神・伊藤将司投手(27)は6回6安打無失点。再三のピンチを招くも粘りの投球で巨人打線を抑えた。一回は1死一、二塁のピンチから4番・岡本和、5番・坂本を抑えて無失点で切り抜ける。二回は無死三塁の大ピンチ。それでも岸田を空振り三振に仕留めると、吉川尚は二ゴロ。二塁・中野の好守にも助けられ、三走をホームタッチアウトに仕留めた。2-0と先制した直後の四回は無死満塁のピンチ。ただ、吉川尚を一ゴロ、赤星を三振、そして萩尾を一ゴロとホームを踏ませない。六回にも二塁まで走者を進められた伊藤将は6イニングで4度得点圏のピンチを背負う。毎回走者を許しながら、粘りの投球でスコアボードにゼロを並べ、今季2勝目の権利を持ってリリーフ陣に後を託した。

◆走りながら打球を見る阪神・森下翔太外野手(23)の目に、足を滑らせる中堅手が映った。いつもと違う〝なにか〟が起きるとき、甲子園が持つ物語が顔を出す―。伝説のバックスクリーン3連発の日に、予期せぬ得点劇。中飛で攻撃終了かと思われた森下の一打が、先制の2点二塁打となった。「この試合初めて作ったチャンスでしたし、絶対モノにするんだという気持ちでした」2死から近本が14打席ぶりの安打で出塁し、中野も右前打で一、二塁のチャンス。森下はフルカウントから赤星の150キロ直球を捉えると、打球は中堅へ。白球を一度はばっちり視界にとらえていた中堅手の佐々木だったが、芝に足をとられたのか、つまずいて打球はそのまま頭上を破った。森下は勢いそのままに三塁を狙うもアウト。それでも、チームにとって3試合ぶりの先制点を生んだ。4月17日は1985年に3番・バース、4番・掛布、5番・岡田のバックスクリーン3連発が生まれた、虎党にとって伝説の記念日だ。今年は水曜日、甲子園、巨人戦と、当時と同じ条件が39年ぶりにぴったり重なり、再現の舞台が整った。一方、今季のクリーンアップは苦しみの最中にある。4番の大山は試合前まで開幕から64打席ノーアーチ。両脇を固める森下、佐藤輝も打率1割台といまだ本調子とは言い難い状況が続く。日本一を果たした昨季と同じ並びの3人がつながりを欠き、8試合連続で2得点以下と打線全体が乗り切れていない。重い現状を打破するにはうってつけのメモリアルデーに奮起が期待される中で、森下がどんな形であれ結果を出した。「追い込まれていましたが、しっかり自分のスイングで振りぬくことができました」10日の前回登板(広島戦、甲子園)で2回6失点と打ち込まれた先発・伊藤将も、ピンチを招きながら6回無失点で試合を作った。(邨田直人)

◆巨人・門脇誠内野手(23)が右へ、左へ4安打を放った。一回1死一塁から左前打を放つと、続く三回は中前へ。五回には右前にはじき返した。七回の第4打席には逆方向へ強烈な打球を放つと三塁線を抜け、二塁打とした。猛打賞は今季3度目で、1試合4安打は2023年8月6日の広島戦(マツダ)以来、自身2度目。この日の第4打席終了時点で打率は3割を超え、・344とした。チームは再三のチャンスがを作っているが、阪神の投手陣を前に無得点が続いている。

◆阪神の七回の攻撃時、ハプニングが起こった。先頭の佐藤輝が二ゴロに倒れて1死となった直後。「ただいま、申告敬遠がありましたので...」。球場アナウンスが次打者の前川に代打・ノイジーのジェスチャーを見間違えてアナウンスをしたようだった。走者なしでの申告敬遠を聞いた球場からは大きなざわめきが起こり、ベンチの岡田、阿部両監督は苦笑いを浮かべていた。

◆三回に森下翔太外野手(23)が中越えの2点二塁打で先制。打線は9試合連続で2得点以下となったが、継投でリードを守り、岡田彰布監督(66)は阪神監督として球団単独2位の485勝。吉田義男氏を超えた。1985年のこの日はバース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発が飛び出した日。近本、中野、森下の3連打で勝った。一回表伊藤将がいきなりピンチを背負った。1死後、D3位・佐々木(日立製作所)に左前に落とされ、門脇には三遊間を破られる。一、二塁とされたが、4番・岡本和を左飛。坂本を二直でピンチを脱した。神0ー0巨。二回表制球が定まらない伊藤将がつかまる。先頭の丸に右中間を破られ、三塁打を献上。続く岸田は空振り三振。吉川が放った二塁へのゴロに対し、前進守備を敷いていた中野が本塁へ送球し、丸を憤死させた。伊藤将は後続を断ち、ホームを踏ませなかった。神0ー0巨。三回裏阪神は2死後、近本、中野が連打。一、二塁で森下の打球はセンターへ。佐々木の頭上を越える2点二塁打で先制した。神2ー0巨。四回表先頭の坂本が四球。続く丸が中前に運ぶ。岸田のバントを処理した一塁・大山が一塁へ悪送球。無死三塁の大ピンチとなった。絶体絶命の場面で吉川が一ゴロで本塁封殺。続く赤星は空振り三振。2死満塁となったが、1番・萩尾を一ゴロに仕留めて、無失点。神2-0巨。四回裏先頭の大山が四球も続く佐藤輝が三振併殺。下半身のコンディション不良を抱えている大山が走り、二塁へスライディングをした。神2-0巨。六回表伊藤将は五回も打席に立ち、六回も続投。先頭の丸を歩かせ、犠打、投ゴロで2死三塁とされたが、代打・大城卓を中飛に片付けた。神2-0巨。六回裏巨人は2番手・横川。先頭・近本が四球を選ぶ。続く中野は犠打を成功。1死二塁で森下が四球。大山は遊ゴロ併殺打に倒れた。神2ー0巨。七回表阪神は2番手・桐敷が登板。2死後、門脇に左翼線二塁打を許し、岡本和を迎える。岡本和は外角直球で見逃し三振。桐敷が頑張った!神2-0巨。八回表阪神は3番手・岩崎。2死後、代打・オコエに遊ゴロ内野安打を許したが、後続を断ち、リードを守った。神2-0巨。九回表最後はゲラがマウンドへ。大城卓を遊ゴロ。萩尾を空振り三振。最後は佐々木を遊ゴロと完璧な投球で零封リレーで終わらせた。神2-0巨。

◆阪神は巨人に完封勝利。岡田彰布監督(66)は阪神の監督での勝利数を485とし、吉田義男氏の484勝を超えて単独2位となった。試合は先発の伊藤将司投手(27)が粘りの投球で試合を作る。二回無死三塁、四回無死満塁など再三ピンチを背負ったが要所を占め、6回102球で無失点で踏ん張った。打線は0-0で迎えた四回。2死走者なしから近本、中野の連打でチャンスを作り、森下が放った中堅の頭を越える2点三塁打が決勝点。1985年にバース、掛布、岡田がバックスクリーン3連発を放った伝説の日に3連打で勝利を収め、引き分けを挟んで2連勝とした。

◆巨人は11残塁の拙攻で連勝が6で止まった。阿部慎之助監督(45)は決定打が出なかった攻撃に「紙一重だ。どうやったら点が入るか、今日寝る前に考えて寝ようかなと思います」と悔しさを飲み込んだ。今季初先発で5回3安打2失点の赤星には「何とか粘っていいピッチングをした」とほめた。三回2死一、二塁で中堅手の佐々木が大きな飛球の目測を誤り、芝生に足を取られて中越え適時二塁打に。決勝点を献上したが、指揮官は「本人も滑ろうと思って滑っているわけじゃないから。いい経験をしたんじゃないかなと思う。スパイクの刃をあと1・5ミリぐらい長くしとけばいいかな」と、冗談を交えてルーキーのミスをかばった。

◆1985年にバックスクリーン3連発が飛び出した日。岡田彰布監督は巨人に2ー0で勝利し、阪神監督として通算485勝とした=甲子園球場(撮影・水島啓輔)

◆阪神が1分を挟んで2連勝。1985年、3連発を飾った「甲子園での4月17日の水曜日の巨人戦」で、岡田彰布監督(66)は阪神指揮官として485勝(368敗24分)をマークし、球団単独2位に浮上した(1位は藤本定義の514勝)。三回2死、近本光司外野手(29)、中野拓夢内野手(27)の連打で作った一、二塁から、森下翔太外野手(23)の中越え二塁打で挙げた2点が決勝点となった。伊藤将司投手(28)は二回無死三塁、四回無死満塁などの窮地をしのいで、6回無失点で2勝目(1敗)。大山悠輔内野手(29)は開幕から17試合&67打席、本塁打ゼロ。チームは三回の3安打のみで、9試合連続2得点以下で1959年、2012年の球団ワーストの「10」が目前に迫った。9日以来の岡田監督のテレビインタビューは以下の通り(成績=7勝8敗2分、観衆=4万2585人)。ーー三回の2点を守り抜いた「もう2点しか入らないからね。伊藤もよくなかったんだけど、守り勝ちというか。ホント、しのいで、しのいで、そういうゲームだったですね」ーーよく粘った「粘って、粘って、ですよ」ーー七回からのリリーフ陣が強み「桐敷は久しぶりだったですけど、岩崎、ゲラは...ずっと2点しか取れていないんで、勝ちゲームでも僅差ばっかりなんで、ちょっと休ませたいんだけど、まだチームも波に乗れないというか、点取れないんで、2人には酷だけど頑張ってもらっています。いつかは休ませる時が来ると思います」ーー岩崎とゲラの順番は「まだ流動的です」ーーあの場面で決めた森下は「チャンスに点がまだ入っている方なんでね。久しぶりの先制点というか、久しぶりでしょ、2点。そういう意味でツーアウトだったし、大きい2点でした」ーー巨人と5戦「メンバーがだいぶ変わったんで、リリーフ陣も初めてのピッチャーも多いし、なかなか、捉えれない部分もあるんですけど、去年までとはだいぶ違うチームになっていると思いますね」ーー監督勝利数で球団歴代2位「まだまだ試合あるんで、それは関係ないですね」ーー1985年以来の4月17日の水曜日の巨人戦「試合終わって、平田(ヘッドコーチコーチ)と並んでいる時に話をしたんだけど、3連発の日に、3連打だけで終わったでしょ。3連発が3連打で終わったって、今年はね」ーー勝ちを拾えた「勝つのが一番大きい。これだけ打てないんでね。今のこの成績はピッチャー陣の頑張りだし、僅差のゲームで守りの方もしのいで、しのいで、続いているんだけど、乗り切ればね、もう少し楽なゲームが出来る」ーー18日の第3戦へ「久しぶりに勝ち越せそうな数字になったんで、もう少しヒットを打って、いいゲームにしたいですね」

◆三回に決勝2点打を放った阪神・森下翔太外野手(23)が今季2勝目を挙げた伊藤将司投手(27)とともにお立ち台に上がった。頼もしいヒーローはバットだけでなく、マイクでも沸かせた。勝負強さの理由について問われて「何も考えてないからですね」と応じると、場内に笑いが広がった。さらに39年前の4月17日に生まれたバックスクリーン3連発について振られると「3連発とはいかなかったですけど、(三回は近本、中野、森下)3連打でチームが勝利できたので良かったです」と胸を張った。最後は「(令和の3連発は)自分がきっかけを作れば、大山さん、(佐藤)輝さんが続いてくれると思います」と力を込め、満員の虎党から大喝采を浴びた。4・18の巨人戦でも、森下のバットに注目だ。

◆?阪神が4月17日に白星を挙げたのは2012年(○4-0ヤクルト、ほっともっと神戸、メッセンジャーの完投)以来12年ぶり。13年から続いていた敗戦を5(1分けを挟む)で止めた。?4月17日に対巨人で勝利したのは、3番・バース→4番・掛布雅之→5番・岡田彰布がバックスクリーンに3者連続本塁打を放った1985年(○6-5、甲子園、工藤一彦-福間納-中西清起の継投)以来39年ぶり。2013、15、22年と3連敗中だった。4月17日に対巨人で無失点勝利したのは1960年(○7-0、小山正明の完投)以来64年ぶり。?7日のヤクルト戦から9試合連続2得点以下。12年8月(10試合=球団タイ記録)にマークして以来12年ぶり。

◆巨人・佐々木俊輔外野手(24)=日立製作所=は、決勝点となった三回の中越え二塁打の場面の中堅の守備について、「「(足が)滑りました。自分のせいです」」と反省した。0―0の三回2死一、二塁。阪神の3番・森下の飛球がセンターへ。佐々木は「多少前かなと思って」と前進。打球が伸び、「(後ろに)下がろうかなという時に切り返しで足を滑らせた」と状況を説明した。打球は頭上を越えて走者2人が生還し、結果的に決勝点となった。「あのプレーは自分の実力。しっかり反省したい」と語った。

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)が6回無失点で今季2勝目を挙げた阪神・伊藤将司投手(28)に苦言を呈した。勝つには勝ったが喜べる勝利ではない。まず伊藤将は内容的には全く良くない。六回までゼロに抑えたので、よく粘ったといえるのかもしれないが、投げ合った赤星と比較して球威、制球ともに完全に劣っていた。失点しなかった要因の1つは梅野の好リード。相手の狙いを微妙に外していた。一歩間違えれば大量失点していたかもしれない。さらに気になるのは、左打者にばかり打たれていたこと。六回2死三塁で巨人が送り出してきた代打(大城卓=結果は中飛)まで左だった。伊藤将の得意球のチェンジアップを消せるという要素があるかもしれないが、必ず理由がある。しっかり検証する必要がある。2試合続けて好投できれば、合格点を与えたかったが、次回登板も再び背水の先発だ。門別との入れ替え危機を感じながら、どう立て直せるか。接戦をモノにできた理由に、阿部監督のさい配もある。四、六回の攻撃で、いずれも7番に送りバントをさせてきた。打撃のいい岸田に打ってこられた方が嫌だった。さらに言えば、送って、1番に回ったとしても萩尾では力不足。8番からつないで1番に近本がいる阪神とは違う。表現は良くないかもしれないが、阿部さい配に助けられた勝利だった。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)のつなぐ意識が得点を呼び込んだ。三回、先頭で安打を放った近本に続いて右前打を放って無死一、二塁とチャンスを広げると、森下の二塁打で一塁から生還。2得点以下の試合が9試合続いているが「打線はホームランや長打が出にくい状況。後ろの打者にいい形でつなぐ意識をチーム全体で持っていけば得点力もどんどん上がってくる」と得点力不足解消を掲げた。

◆阪神の4番・大山悠輔内野手(29)は六回1死一、二塁で遊ゴロ併殺打に倒れるなど2打数無安打1四球。開幕から自己ワーストタイの67打席ノーアーチとなった。打率も・169と主砲の低空飛行が続く中、チームは9試合連続で2得点以下と得点力不足に悩んでいる。過去7シーズンで123本塁打を放ってきた男の目覚めの一発が待ち望まれる。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(32)が伊藤将の投球をたたえた。「いまの状態からしたらバンバン三振を取れるような感じでもないけど、〝らしさ〟をピンチのときでもなんとか出してくれた。いい粘りの投球だった」。左腕は前回2回6失点と崩れただけに、汚名返上に心を燃やし、良さを引き出した。西勇が先発する18日の巨人戦に向けて「先頭打者(を抑える)というのは心がけていきたい」と話した。

◆阪神・近本光司外野手(29)は三回2死から12日の中日戦(バンテリンドーム)の第4打席の内野安打以来、15打席ぶりの安打となる右前打を放ってチャンスメーク。2得点の起点となった。「打てた結果がそういう形になったんじゃないかな」。開幕から17試合で打率は・242とバットに勢いはまだ出てこないが「勝てばいいので」と言い切り、勝利最優先を強調した。

◆阪神は巨人に2ー0で勝利し、3位浮上。三回2死から連打でチャンスを作り、森下翔太外野手(23)が先制の2点二塁打を放った。1985年に伝説のバックスクリーン3連発が生まれた「4・17」。当時と同じ水曜日の伝統の一戦で、今度は3連打で白星をたぐりよせた。主な選手のコメントは以下の通り(成績=7勝8敗2分、観衆=4万2585人)。三回に2点二塁打を放った森下 「最近の試合でチャンスで回ってくる場面が少なかった。一回をものにできてよかった」岩崎とのダブルストッパー。九回を無失点で3セーブ目を挙げたゲラ 「自分の投球が何回であれ変わるわけではないし、自信を持って投げるという意味では八回であれ九回であれ一緒だと思うので、慣れたと言えば慣れたし、あまり意識していないと言えば意識していないかなと思う」八回を任された岩崎 「そういう場面なんで、任される。いつもなんで。それだけです」七回に登板した桐敷 「将司さんがいい流れを作ってくれていたので、自分が止めちゃいけないなっていうのもありましたし、それを本当にゲラとかザキさんとかにつなげるっていうところは、意識してました」走者を背負うも粘りの投球で6回無失点。今季2勝目を挙げた伊藤将 「初回は球速もいい感じで出てたんで、ストレートの大事さを感じました」三回2死から右前打。2得点につなげた近本 「打てた結果がそういう形になったんじゃないかなと思っています」

◆七回に登板した桐敷拓馬投手(24)が好救援した。「(伊藤)将司さんがいい流れを作ってくれていたので、自分が止めちゃいけないというのもありました」。2死二塁を招き、一発同点の場面で岡本和との対戦を迎えたが、外角低めへの149キロで見逃し三振に退け「四球もオッケーと思って広く攻められた結果、あのボールを投げられた」と胸を張った。登板2試合連続での2ホールド目と、結果を積み重ねている。

◆阪神・岩崎優投手(32)は八回を任され、淡々と無失点。坂本、丸の強打者コンビをフライアウトに仕留めると、代打・オコエには遊撃内野安打で出塁されたが、吉川を三ゴロに斬って仕事を完了させた。打撃陣の得点力が乏しい中でも「投手で頑張ってこういう試合を取っていけるように続けていきたい」。ゲラとのWストッパーで、4ホールド目を挙げた。

◆阪神・ゲラ(前レイズ)は九回を締め、3セーブ目を挙げた。「3人で終わらせるつもりでいったので、終わらせられて良かった」。先頭・大城卓の遊ゴロ、萩尾から奪った空振り三振はともに156キロ。最後のD3位・佐々木(日立製作所)はこの日最速の157キロで詰まらせ、遊ゴロに斬った。「自信を持って投げるという意味では八回であれ九回であれ、一緒」と冷静だった。

◆阪神は引き分けを挟んで2連勝で3位浮上。三回2死から連打でチャンスを作り、森下翔太外野手(23)が先制の2点二塁打を放った。39年前に伝説のバックスクリーン3連発が生まれた「4・17」。当時と同じ水曜日の伝統の一戦で、今度は3連打で白星をたぐりよせた。1985年のように、ここから日本一へ勢いに乗っていくで~!!勢いよく伸びる森下の打球を追う中堅手がつまずき、ボールは頭上を越えていった。予想外のワンプレーが起こり、甲子園が持つ物語は再び息づく。伝説のバックスクリーン3連発の日に、3連打で白星をつかんだ。中飛で攻撃終了かと思われた一打が先制の2点二塁打となり、背番号1が指揮官の節目の1勝に花を添えた。「3連発とはいかなかったですけど、チームが勝ってよかった。手応え的に『抜けてくれ』っていう形で全力疾走していました」2死から近本が15打席ぶりの安打で出塁し、中野も右前打で一、二塁のチャンス。森下はフルカウントから赤星の150キロ直球を捉えた。「1打席目の(三ゴロの)反省を生かして、真っすぐをパチンと捉えられるように、大振りせずにいこうって決めていた」。狙い通りのスイングで打球は中堅へ。一度はボールを視界に捉えた中堅手のD3位・佐々木(日立製作所)だが足をとられ、打球はそのまま芝の上で弾んだ。チーム3試合ぶりの先制点が、決勝点になった。4月17日は1985年に3番・バース、4番・掛布、5番・岡田のバックスクリーン3連発が生まれた記憶に残る日だ。今年は水曜日、甲子園、巨人戦のナイターと、同じ条件が39年ぶりにぴったり重なっていた。3連発はならずも3連打で勝利をもぎ取り、この1勝で岡田監督は阪神の指揮官として485勝目。吉田義男氏を超えて球団単独2位に浮上した。

◆リベンジに燃える力投だった。1週間前に同じマウンドで味わった悔しさをボールに込める。先発した伊藤将は粘りの投球で2勝目を手にした。「(前回は)ふがいない投球だったので、きょうの試合に合わせてしっかりできた。ピンチでも低く投げられていたので、そこが良かったんじゃないかなとは思います」前回10日の広島戦(甲子園)では2回6失点でKO。挽回を期すマウンドは、楽なものではなかった。6イニングのうち4度も得点圏に走者を背負い、三者凡退のイニングはなし。それでも、とにかく粘った。一回1死一、二塁、二回無死三塁も無失点で踏ん張ると、四回には無死満塁とこの日最大のピンチを背負う。それでも吉川を一ゴロ、赤星を空振り三振、萩尾を一ゴロで抑え、今季初となる無失点投球で零封リレーを呼び込んだ。中軸を担う4番・岡本和、5番・坂本に仕事をさせず、「そこがやっぱり一番大きい」と振り返った。

◆何度も何度もピンチが襲い掛かった。それでも、師匠から学び、鍛え抜いた〝最強の盾〟ではね返した。つかみ取った価値ある485勝目。岡田監督は何度も何度もベンチで白い歯をのぞかせた。「もう、2点しか入らないからね。伊藤(将)も、あんまりよくなかったんだけど、本当、守り勝ちというか、本当、しのいでしのいで、そういうゲームだったですね」猛攻に耐え、ワンチャンスをモノにし、再び耐える。まさしく、守り勝った一戦だ。二回は無死三塁の大ピンチ。先発の伊藤将が岸田を三振に斬り、1死としたところで虎将はベンチから前進守備の指示を飛ばした。豊富な経験値から導き出した〝答え〟はさえわたる。吉川の打球を二塁・中野が好捕し、ホームへストライク送球。三走・丸をタッチアウトに仕留めると、先制直後の四回は無死満塁と絶体絶命も、一塁・大山が2度のゴロをさばくなどして無失点。盤石のリリーフ陣もホームを踏ませず逃げ切った。

◆ニヤッ!! これぞまさに、虎党が不満をタラタラ言いながらも愛してやまない「アマノジャクタイガース」なんです。1985年のバックスクリーン3連発記念日となれば、虎党のみならず「カキーン! カーン! ドッカ~ン!!」とホームランを含む猛虎打線の大爆発を望んだのではありません?ところが、終わってみればバックスクリーン3連発どころか、わずか3安打ポッキリ...。でも、その3本のヒットで2点を取ったんだから猛虎打線、恐るべし。なんて、誰が言うかーい!!巨人の赤星投手には申し訳ないが、そこまで封じ込まれる投手かー!? てか、やっぱり、猛虎打線、打てなさすぎるやろー!! いくら前年に日本一に輝いたとはいえ、この貧打は異常なのだ!!本気でアレンパを狙うのであれば、シーズン序盤だけど緊急事態が発生している意識で!! ミニキャンプとして合宿生活をして、もう一度、ゼロから野球を考えよーぜ!!(投手陣は別ですよ)

◆巨人がまたも、ひとつの守備のミスで、白星を取り逃がした。前日16日は、七回1死二塁での挟殺プレー失敗で、1-1と追いつかれ、そのまま降雨コールドの引き分け。この日は0-0の三回2死一、二塁。中堅・佐々木が森下の打球に対し、一歩目で前進し、頭上を抜かれて2点二塁打。佐々木は新人。森下のパンチ力を体感してこなかったため、目測を誤ったか。阪神に安打が出たのは、その三回のみ。終わってみれば、痛いプレーとなってしまったね。とはいえ、山崎伊に続き赤星が先発で踏ん張った。これほど状態のいい巨人の投手陣を見るのは久しぶりで、甲子園3戦目も楽しみではある。ただし、相手はディフェンディングチャンピオン。投手力で勝ってきたチームと、そうではなかったチームの差が、じわりと結果を分けるかな。前日は「阪神にもツキが残っている」と表現した。この日はちょっと、言い回しを変えよう。「阪神には日本一のおつりがある」とね。(サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
中日
1042 0.714
(↑0.022)
-
(-)
12744
(+2)
30
(-)
5
(-)
2
(-)
0.241
(-)
1.740
(↑0.11)
2
(-)
巨人
961 0.600
(↓0.043)
1.5
(↓1)
12747
(-)
33
(+2)
8
(-)
7
(-)
0.250
(↓0.001)
1.850
(↓0.02)
3
(1↑)
阪神
782 0.467
(↑0.038)
3.5
(-)
12639
(+2)
47
(-)
10
(-)
5
(-)
0.202
(↓0.003)
2.350
(↑0.15)
4
(1↑)
広島
790 0.438
(↑0.038)
4
(-)
12747
(+5)
41
(+1)
4
(-)
8
(+1)
0.234
(↑0.003)
2.550
(↑0.1)
4
(1↓)
DeNA
790 0.438
(↓0.029)
4
(↓1)
12739
(+1)
67
(+5)
5
(+1)
8
(-)
0.254
(↑0.007)
3.410
(-)
6
(-)
ヤクルト
591 0.357
(↓0.028)
5
(↓1)
12847
(-)
45
(+2)
4
(-)
9
(-)
0.231
(↓0.003)
2.820
(↑0.04)