◆オリックスは3点を追う1回裏、森とゴンザレスの連続適時打で試合を振り出しに戻す。その後は、3回に太田の適時打でリードを奪うと、5回には太田の適時打と中川の犠飛で2点を加えた。投げては、先発・カスティーヨが6回3失点8奪三振の好投で移籍後初勝利。敗れた日本ハムは、投手陣が振るわなかった。

◆オリックス紅林弘太郎内野手（22）が気合の丸刈りだ。試合前練習に帽子をかぶってグラウンドに登場。頭髪の様子はうかがえなかったが、この日更新されたドラフト同期・宮城大弥投手（22）のインスタグラムには丸刈りにした紅林の姿が投稿された。前日13日の試合で3失策。試合には勝ったが先発宮城を助けられなかった。そのミスを反省してのもののようだ。宮城が散髪を手伝ったようで「（紅林が）気合を入れ直したいということだったので」と話した。

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◆日本ハムが初回、「いきなり郡司」とはいかなかったが、新庄剛志監督（51）の"いきなリクエスト"が成功した。5試合連続「1番三塁」でスタメン出場の郡司裕也捕手（26）が、4点先制の口火となった9日ソフトバンク戦同様、カスティーヨの初球をフルスイングも、三塁ゴロ。すると2番五十幡亮汰外野手（25）も、初球を三塁線へ「いきなりセーフティーバント」し、快足を飛ばし一塁を駆け抜けた。審判の判定はアウトだったが早速、新庄監督はリクエスト。判定はセーフに覆り、1死一塁のチャンスになった。五十幡の二盗で1死二塁にすると、3番万波が四球を選び、4番マルティネスが左越えに1号3ランと「いきなり3点先制」に成功。今季初登板の根本悠楓投手（21）を援護した。

◆日本ハムのアリエル・マルティネス捕手（27）が、大阪名物に感謝した。初回1死一、二塁でオリックス先発カスティーヨから、先制の左越え1号3ラン。「昨日お好み焼きを食べたので打てました。次からも大阪に来た時はお好み焼きを食べ続けます。お好み焼きパワー！」と喜んだ。前日13日まで41打数4安打、打率9分8厘と低迷。苦しむ中で口にした、おいしいお好み焼きが、復調へのエネルギーとなった。

◆オリックス・ルイス・カスティーヨ投手（29）が移籍初勝利を挙げた。初回にいきなりマルティネスに3ランを被弾したが、2回以降は立ち直り、6回を5安打3失点にまとめた。ロッテから移籍し、2試合目の登板で勝利投手になり「本当にうれしい気持ちでいっぱい」と喜んだ。2回以降は捕手とも話し合い、攻め方を変えるなど工夫したのが奏功した。中嶋監督は「できれば初回からあんな感じで行ってほしい」と笑いながら注文をつけた。

◆コッテコテの大阪"粉もんパワー"ありがとう。日本ハムのアリエル・マルティネス捕手（27）が1回1死一、二塁から、先制の左越え1号3ランを放った。前日13日まで41打数4安打、打率9分8厘と低迷していたが、前夜に大阪の街中で特大お好み焼き3枚をたいらげ、エネルギーチャージ。チームは連敗し4位転落も、復調した頼れる4番が、ここからもりもりと、本塁打を量産していく。開幕13戦目で、ようやくマル砲に火が付いた。1回1死一、二塁、マルティネスは、オリックス先発カスティーヨの150キロストレートを振り抜いた。打球は美しい弧を描き、京セラドーム大阪の2階席に着弾。「長い間打ててなかったので、打てて良かったです。感触もよかったので。ファイターズは初回に点を取ると勝つことが多いんですが、きょうは残念ながら勝てなかったので次、頑張ります」と先を見据えた。油弾けるジューシーな鉄板"ぱちぱち音"が、悩める4番の目を覚まさせた。前日まで打率9分8厘と低迷する中、友人と大阪の街中に出た。食べたのはご当地名物好み焼きだ。「今まで食べた中で一番大きかった」という直径約30センチの特大サイズを注文すると「あまりにおいしくて」2度おかわりした。焼きそばが入った広島スタイルも1つ堪能。「お好み焼きを食べたので打てました。次からも大阪に来た時はお好み焼きを食べ続けます。お好み焼きパワー！」と喜んだ。1発は出ていなかったが新庄監督は、そろそろスイッチが入ると予言していた。13日オリックス戦後、第1打席で3ボールから放った大きな右飛を振り返り「ノースリーから去年も打てて。ホームランとかよく打ってたんで。まあ（調子は）上がって来ますよ」。その翌日に、しっかり24年初アーチが生まれた。16日からは本拠エスコンフィールドでのソフトバンク戦が控える。当然、今後の「勝負飯」はお好み焼きだ。マルティネスはスペイン語の高橋通訳に「札幌でおいしいお好み焼き屋をリサーチしておいてくれ」と早くも指令。まあるいお好み焼きをたらふく食べ、大量のマル弾を、かち上げ続ける。【永野高輔】

◆日本ハム五十幡亮汰外野手のセーフティーバントを巡り、初回に新庄剛志監督の"いきなリクエスト"が成功し、3点リードしたが、逆転負けを喫した。今季初登板の先発根本悠楓が、マルティネスの3ランで3点援護を受けながら1回裏に3失点と崩れ、流れを持っていかれた。根本は「試合を作ることができず短いイニングで降板してしまいチームに申し訳ない」。今季2度目の連敗で2位から4位転落。13戦目で初の借金生活になった。

◆オリックスの8番紅林弘太郎内野手（22）が、気合の丸刈りで今季初の連勝＆3位浮上に貢献した。3－3同点の3回、2死から中前打で出塁すると、9番太田の右中間を割る二塁打で一気に勝ち越しのホームイン。5回にも頓宮、紅林、太田、福田の4連打などで2点を追加した。「後ろに回すつもりで。すごくいい流れで攻撃できました」。充実の表情で振り返った。髪をばっさり切り、3ミリ程度の丸刈り姿で臨んでいた。「サマーカットということで。ちょっと暑くなってきたんで」と笑わせたが、ノリで切ったわけではない。13日の試合で3失策を犯し、勝ちはしたがドラフト同期生宮城の足を引っ張った。試合後、気合を入れ直す意味で宮城にバリカンで刈ってもらった。高校（静岡・駿河総合）時代以来の丸刈りで、チームの勝利に貢献することを改めて決意。守備でも7回に逆シングルで捕球し、アウトにする美技を見せた。「髪の毛とともに昨日のことは忘れました」。気持ちを切り替え好プレーにつなげた。紅林が出て太田がつないだ。太田は3回の決勝打に「ボウズにした紅林が出てくれたんで、僕も続けてよかった」と喜んだ。頓宮を含めた7～9番で6安打し、今季初の2試合連続2桁安打。打線も上向きだ。昨年の球団企画で宮城と「ベニボウズ」というコンビを結成した紅林は「ボウズボウズですかね...」と周囲を笑わせた。中嶋監督は紅林の丸刈りに「勝手にボウズにして」と苦笑いしながらも「下（下位打線）が上（上位打線）につなぐ野球ができたのかな」と満足そうだった。まだ借金はあるが、リーグ3連覇の王者は、着実に本来の姿を取り戻しつつある。【高垣誠】オリックス平野佳（9回を締めて今季5セーブ目）「まだ負け越しているので、どんどんカード勝ち越しを狙っていくのが大事」オリックス森（1回に2点適時打）「積極的に打ちにいこうと思っていましたし、タイムリーになってくれてよかったです」

◆日本ハムは初回の3点リードを投手陣が守り切れなかった。今季初登板の先発根本は初回先頭のオリックス福田にいきなり四球。1死二、三塁からセデーニョにも四球を与え満塁とされ、森の2点中前適時打、ゴンザレスの左前適時打で、あっさり追いつかれた。根本は2回3安打4四球3失点KO。建山投手コーチは「バッターと勝負できていない。ストライク取ることで精いっぱいって感じだった」。2番手生田目は2回4安打1失点、3番手山本拓も1回4安打2失点し、突き放された。

◆打率・０９８と開幕から不振が続いていた日本ハム４番のアリエル・マルティネス捕手（２７）が待望の今季１号を放った。一回１死一、二塁で左翼席に先制３ランを運んだ来日７年目の助っ人は「昨日（１３日）、お好み焼きを食べたので打てました。次からも大阪に来たときは、お好み焼きを食べ続けます。お好み焼きパワー！」と上機嫌だった。

◆今季初登板で先発マウンドに上がった日本ハム・根本悠楓投手（２１）が２回３失点で早々に降板した。５四死球で２回で５５球。昨秋の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」に続き、今春の「カーネクスト　日本ＶＳ欧州代表」でも侍ジャパンに選出された左腕は「初回から制球が定まらず、二回に入っても修正することができなかった。試合を作ることができず、短いイニングで降板してしまい、チームに申し訳ないです」と肩を落とした。

◆オリックスが今季初めて連勝した。一回、３失点の直後に森の２点適時打などで追い付くと、太田が三回に勝ち越し二塁打、五回にも適時打を放った。６回３失点のカスティーヨが移籍後初勝利。日本ハムは先発の根本が乱調だった。

◆クリリン？　一休さん？　磯野家のカツオくん？　いえいえ、新たな丸刈りヒーローはオリックス・紅林弘太郎内野手（２２）だ。すっきりヘアで打って走って守って、オリックスに勝利を呼び込んだ。今季初の連勝で３位浮上。その陰に〝丸刈り〟効果あり！「気合入れるか？という感じでやりました。宮城に頼んで。比嘉さんのバリカンを借りて。３ミリです。高校時代以来かな。サマーカットです」試合後、クリクリ頭で照れくさそうにインタビューを受けた。同点の三回２死から中前打を放ち、太田の右中間二塁打で一気に勝ち越しの生還をした。五回も１死一塁から中前打でつないで、再び太田のタイムリーを呼び込んだ。だが、２４時間前は落ち込んでいた。まさか、まさかの１試合３失策。「開幕から打撃も守備も吹っ切れていないというか、イマイチで。いい機会かなと。宮城にお願いました」３年前に突然五厘刈りにするなど丸刈りでは〝先輩〟になる、同い年の大の仲良しに〝断髪〟をお願いした。コンビ名「ベニボウズ」として人気を集めていた２人。「これからは『ボウズボウズ』になりました」と笑わせた。４連覇を目指しながら、最下位に転落するなど、どうにも波に乗れなかったオリックス。だが、暗さがないのがこのチームの強さだ。懺悔の丸刈りには悲壮感が漂うものだが、紅林のサマーカットはナインの笑いを誘い、逆にチームに勢いをつけた。ただし、ひとり、不満な人が...「勝手に丸刈りになって。なんか、俺がやらしたみたいになるから、やめてくれっちゅうの！」納得いかない様子の中嶋監督。でも、上昇気配は確か。これもマジック？！（上田雅昭）

◆「９番・三塁」のオリックス・太田椋内野手（２３）がお立ち台。三回に勝ち越し打、五回には追加点の適時打を放った。「右中間方向にいい打球が打てたと思います。ヒットを欲しがらずにやっていけたら...」。守備でも、一回の先頭打者の郡司の初球、三遊間を抜けそうな打球を好捕した。「プレーボール１球目にあのプレーができて、いい準備ができているのかな」。この日もグラウンドに一番乗り。地道な努力が実ってきている。

◆２度目の先発となったオリックスのルイス・カスティーヨ投手（２９）が６回３失点で、ロッテからの移籍後初勝利を飾った。一回にマルティネスに３ランを浴びたが、二回以降はチェンジアップを効果的に使って無失点の好投だった。「たくさんのファン前で勝てたことがうれしい。森捕手から、真っすぐ中心に行こうと言われ、それがよかった」。記念球を手にして「みんなのサインをもらって、大切にしたい」とうれしそうだった。