◆オリックスは2回裏、頓宮の適時打で1点を先制する。そのまま迎えた7回には、頓宮の2ランと中川の適時二塁打が飛び出し、一挙4点を追加した。投げては、先発・宮城が8回無失点7奪三振の快投で今季初勝利。敗れた日本ハムは、打線が好機を生かせなかった。

◆12日のオリックス戦で背中に違和感を覚え1回裏の守備から交代していた日本ハム松本剛外野手（30）が、ベンチ外となった。13日の練習は別メニューで、京セラドーム大阪の外野付近でのウオーキングや、ストレッチなど、負荷の少ないメニューで体を動かした。12日の試合後は「病院もまだ今のところは考えてないんですけど、明日の様子を見てって感じになると思います。1日でどれだけ（違和感が）抜けるか。やったことない箇所ではあるんで、ちょっと自分でも分からないところがあります」と話していたが、大事を取った格好となった。

◆日本ハム万波中正外野手（24）が、自慢の"爆肩"を披露した。2回2死二、三塁、オリックス頓宮の右前打で1点を先制されるも、2点目を狙った二塁走者の森を、捕手伏見へのストライク送球で刺し、追加点を阻止した。まるで上空を舞うタカが高速で舞い降り、瞬時に獲物を捕獲するような、鋭い球足だった。

◆オリックスが完勝した。2回に開幕から打率1割以下と不振だった昨季首位打者の頓宮裕真捕手（28）が先制打。なかなか追加点を奪えなかったが、7回にも頓宮の1号2ランと中川圭太内野手（28）の適時打で4点を加えた。先発した開幕投手の宮城大弥投手（22）は8回無失点の好投。今季登板3戦目にして待望の初勝利を挙げた。

◆"鬼門"のカード2戦目で、また星を落とした。日本ハムはオリックスに1－5で敗れ、今季2度目の2連勝を逃した。カード初戦で勝った次の試合は、これで4戦全敗。6勝6敗で、貯金は再びゼロとなったが、順位は2位を死守した。12日の試合途中に背中の違和感を訴え交代した選手会長、松本剛外野手（31）が欠場。14日も休む方向だが、何とか踏ん張り、今季初の借金生活を回避する。さあ、ここからというところで、なぜか乗っていけない。新庄監督は「カード頭取れるけど、取れんねー、2試合目。で、昨日は2安打で1点。今日は9安打で1点。面白いですね、野球って」。6回までは0－1の競り合い。4点ビハインドの9回も2死三塁から、伏見が中前適時打を放ち、さらに郡司の右前打で2死一、二塁のチャンスをつくったが、追いつくところまでには、至らなかった。先発加藤貴も決して悪くはなかった。5回1／3 1失点と上々の内容。「（先発の）役割ね、果たしてますよ。で、ちょっと捉えられ始めたんで早めにちょっと変えようと思って。北浦くんもね、今までいいピッチングをして。誰しもがずっと抑えてるわけじゃないんで」。前回登板まで6試合連続無失点と好調で中継ぎながら2勝を挙げ指揮官が「勝利の女神チック」と頼みにしていた北浦が、今回は逆に捉えられてしまった。ただ、まだ神様は、そっぽを向いてはいない。楽天－ロッテが引き分けに終わり、順位はロッテと並び2位のまま。新庄監督は「まあこれからですよ。パ・リーグも混戦というか、面白いんじゃないですか」。昨季は12試合終了時、4勝8敗、借金4の最下位だった。今季は首位ソフトバンクと2・5差の2位タイと、しっかり優勝を狙える位置をキープしている。松本剛の欠場は痛いが、この日、3度目の複数安打を放った万波は「みんなで何とかカバーして勝っていくしかないので。泣き言を言っていてもしょうがない。そこは本当に頑張りたい」。まずは今季2度目のカード勝ち越しで再び貯金をつくり、勢いを取り戻す。【永野高輔】

◆昨季首位打者のオリックス頓宮裕真捕手（27）から、やっと快音が聞かれた。2回に先制となる決勝打。2死二、三塁から、加藤貴の低めフォークを必死に拾って右前に運んだ。「めちゃくちゃうれしい。ふがいない成績でもスタメンで出していただいたので、1打席が勝負と思って死ぬ気でいきました」。開幕から打率1割以下に低迷。これが22打席ぶり安打、そして初打点だった。勢いに乗った7回には右翼ポール際へ1号2ラン。勝利を決定づけた。結果が出ずにもがいた。早出でロングティーを打ったり、前日12日には2軍戦で4打席立った。トンネルを抜け出し「いろんな人が練習を手伝ってくれたし、声掛けもLINEとかもみんなくれた。結果出るまでバットを振り続けようと思ったので、みんなに感謝です」と笑顔。中嶋監督も「頓宮にタイムリーが出て、ベンチの雰囲気が良くなった」と喜んだ。

◆日本ハム先発加藤貴之投手が5回1／3 79球を投げ、5安打1失点で3敗目を喫した。内容自体は悪くなかったが、打線の援護を得られなかった。自身初の開幕から3連敗で、「先制点を与えている。相手もエースのピッチャーなんで、そこは反省。リズムを作れず申し訳なかったです。打たれているのは自分のミス」。建山投手コーチは「ゲームも作ってくれましたし、加藤らしいピッチングはしてくれてます」と評価した。

◆3失策のオリックス紅林弘太郎内野手が反省の丸刈り？　普段の試合後にはかぶらない帽子をかぶり、帰りの車に乗り込んだ。後ろ髪と両サイドが明らかに刈られており、頭頂部は見えず。丸刈りにしたのかと聞かれ「また明日です」と濁した。失策に関しては「練習不足です」とぽつり。ミスをカバーした宮城については「やっぱりすごいですね。助かるというか。これからは僕が助けたいと思います」と誓った。

◆これぞ新エースの投球だ。オリックス宮城大弥投手（22）が味方のミスをカバーし、今季3戦目で待望の初勝利を挙げた。日本ハム相手に8回無失点。「なかなか勝てず申し訳ございませんでした」とお立ち台でファンに頭を下げた。「打者1人1人と向き合った結果。必死に耐えたところは良かった。流れを向こうに持って行かれないことを意識して、実行できた」。得点圏に5度、背負った。6安打に加え、同学年で仲のいい遊撃の名手紅林が珍しく3失策。そのミスが絡んだ3回は2死一、三塁、4回は無死一、二塁、そして8回は1死一、三塁とされたが踏ん張った。抑えるたびに拳を握り、ほえて、自らを鼓舞した。「もちろんミスは人間なので、ある。彼にもたくさん助けられているし、そこはお互いさま」。落ち込む紅林には「切り替えて。仕方ない」と優しく伝えた。そんな姿に責任感が見え隠れする。昨オフに絶対的右腕の山本由伸がドジャース移籍。そして宮城は開幕投手を任された。引っ張っていく立場は理解している。女房役の森は証言する。「今年はふとした時に、ああ、エースやなあと感じます。昨年までは由伸がいて、宮城はどちらかというと弟キャラというか、いじられるような立場だった。それが今年は淡々と自分のやるべきことをやって、群れない」。昨年、阪神ノイジーに3ランを打たれて敗れた日本シリーズ第7戦も、森いわく「もうリセットしていますよ。次に進むことが大事です」という。左腕はここまで2戦とも試合をつくりながら黒星。三度目の正直を果たした。「焦りはまだ、なかった。今日勝てなかったら、ちょっと怪しかったですけど」と含み笑いで喜んだ。リーグ4連覇、そして個人としては4年連続2桁勝利へ。力強く最初の1歩を踏み出した。【大池和幸】▽オリックス平野佳（9回4点リードの2死一、二塁で登場。五十幡を見逃し三振で4セーブ目）「どうなったら行くというのは伝えてもらっていた。準備はできていた。あのバッターで終わりたかったので良かった」

◆オリックスは二回２死二、三塁から、頓宮が右前にポトリと落ちる安打で１点を先制した。「８番・一塁」で６試合ぶりのスタメン復帰で、３月３０日以来、今季２安打目、２２打席ぶりの安打だった。昨年のパ・リーグ首位打者も、今季は開幕から絶不調に陥り、１２日はウエスタン・中日戦に出場（４打数無安打）するなど模索していた。

◆オリックス・カスティーヨ投手（２９）が１４日の日本ハム３回戦に先発する。登板前日の１３日は試合前の練習でキャッチボールなど軽めの調整した。２日の西武戦は六回途中２失点で敗戦投手に。中１１日で２度目の先発に備えてきた。　「しっかりと自分の休養に充てることができた。前回は球数が多くなってしまった。球数を少なく、長いイニングを目標にしたい」　。昨年のロッテ時代に日本ハム戦３試合１勝１ホールドの成績を残している。「いい打者が多いという印象。特にこの打者というのはないが、しっかり情報を得て、自分の仕事をしたい」と初勝利を誓った。

◆オリックス・頓宮裕真捕手（２７）が「８番・一塁」で６試合ぶりにスタメン復帰。二回２死二、三塁から右前にポトリと落ちる安打で１点を先制した。「打ったのはフォークボールです。とにかく無我夢中で打ちに行きました」。頓宮は３月３０日以来、今季２本目、２２打席ぶりの安打だった。

◆オリックスは七回２死一塁から、頓宮裕真捕手（２７）が右翼ポール際に今季１号２ランを放った。さらに紅林、福田の連打で一、二塁から、中川が左中間へ２点適時二塁打。一気に４点を追加して５―０とリードを広げた。開幕から不振を極めていた昨年のパ・リーグ首位打者の頓宮だが、この試合は二回に２２打席ぶりの安打を放って先制。七回には日本ハム３番手・北浦のツーシームを右方向へ１号。得点力不足に苦しむオリックスにとって、頼れる中軸打者の今季初マルチ安打は明るい材料だ。

◆オリックスの宮城は球威があり、８回６安打無失点で今季初勝利を挙げた。打線は二回に頓宮の適時打で先制。七回に頓宮の１号２ラン、中川の２点二塁打で加点した。日本ハムは九回に１点を返しただけで、計１０残塁の拙攻だった。

◆日本ハムは零敗を逃れるのがやっとで、再び貯金がなくなった。新庄剛志監督（５２）は「カード頭を取るのに、２試合目が取れんね」と渋い表情。対戦相手が一回りする中、５カード中４カードで〇●パターンを繰り返している。この日は昨季の首位打者ながら開幕から２２打数１安打と絶不調だったオリックス・頓宮が先制適時打、１号２ランの計３打点。頓宮は１２日にはウエスタン・リーグ、中日戦（杉本商事ＢＳ）に出場していた。新庄監督は「昨日（１２日）、頓宮君が上がりでファームの試合に出ていたところが、何か気持ち悪さがあって...。やられるんじゃないかなっていう。しっかり打たれましたね。ファームの方ではゆとりを持って打席に入れるから」と話した上で、「ウチもそういうのを本当はしたいんですよ。上がりを作って、（２軍で）１試合出させて、（１軍に）戻らせるというね。でも、（１軍の）北海道と（２軍の千葉の）鎌ケ谷じゃ、ちょっと難しい」と続けた。最後に指揮官は「昨日（１２日）は２安打で１点、今日は９安打で１点。面白いですね、野球って」と、苦笑いを浮かべながら球場をあとにした。（東山貴実）

◆日本ハム・伏見寅威捕手（３３）が０－５の九回２死三塁で、オリックス・吉田輝星投手（２３）から中前適時打を放った。「（吉田とは）１年しか一緒にやっていないけど、なんかかわいい後輩なんで。対戦自体はすごく楽しかったし、（オリックスの）新旧２３番対決として負けられない思いで」伏見はオリックス入団１年目の２０１３年から２２年まで背番号「２３」を付け、国内フリーエージェント（ＦＡ）権を行使して２３年から日本ハムに移籍。一方の吉田は昨年１１月にトレードで日本ハムからオリックスに移籍し、背番号「２３」となった。伏見の適時打に続き、郡司も右前打で吉田をＫＯ。守護神・平野を引っ張り出したことで、伏見は「明日（１４日）も試合があるので、気持ちよく終わらせるわけにはいかない。最後にあがけたのは意味があったと思います」と話していた。

◆悩める「昨年の首位打者」がお目覚めだ。頓宮のバットで、オリックスが最下位を脱出した。まずは二回。２死二、三塁から右前にポトリと落ちる先制タイムリー。これが何と２２打席ぶり、今季２本目の「Ｈ」だった。「ふがいない成績が続き、それでもスタメンで出していただいたので、１打席目が勝負だと思って死ぬ気でいきました」昨年１２３本の安打を重ねた男が、たった１本に苦しむとは...。それでも、１本の安打が元気の素になった。七回には試合を決定づける２ランを右翼ポール際に運んだ。もちろん今季１号。もちろん、今季初マルチ安打だ。「選手、裏方さん、手伝ってくださった方に感謝です」開幕２戦目に１安打して以降、出口の見えないトンネルに入った。そしてスタメン落ち。模索した。試合のない練習オフの８日。頓宮の姿は舞洲のグラウンドにあった。休日返上で打ち込み。前日（１２日）は２軍戦にフル出場して４打数無安打。１軍登録されながら、１軍戦のベンチに入らなかった。「（２軍戦では）感覚は良い感じでは終われませんでした。でも、（２軍の選手に）頑張れ、頑張れと言ってもらって」。声援を力にし、ちょっと遅れて復活宣言だ。誰よりも復調を願っていた中嶋監督も「（ベンチで）いつもうるさいぐらいにしゃべる人が静かだったので。これから口数が増えると、雰囲気もよくなりますね」とうれしそうだった。役者に快音が戻って、今季初の連勝といこう！（上田雅昭）

◆オリックス先発・宮城大弥投手が被安打６、７奪三振で８回を無失点。２連敗スタートだった開幕投手が、ようやく今季初勝利を手にした。「なかなか勝てずに申し訳ありませんでした」。お立ち台ではファンに詫びた。大黒柱の山本（ドジャース）、昨季１１勝の山崎福（日本ハム）が抜けたマイナスはある。が、宮城がフル回転すれば、不安は解消できる。「ミスは人間なのであります。いつも助けてもらっているんで」と３失策の紅林を励ます姿は、まさにエースの風格だった。（京セラ）

◆３失策を犯したオリックス・紅林弘太郎内野手が試合後、衝撃の丸刈り姿となった。仲のいい宮城が自身のインスタグラムのストーリー機能に、紅林の丸刈り前、丸刈り後の写真を計６枚掲載。フサフサの茶髪から高校球児のような姿に変身していた。宮城は「本人から許可済み」として「てるてる坊主」の曲を添えて紹介し「また明日からがんばろうね！」と励ました。