中日(2対2)阪神 =リーグ戦1回戦(2024.04.12)・バンテリンドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
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◆中日は1点リードで迎えた7回裏、2死一三塁から村松の適時打が飛び出し、追加点を奪う。対する阪神は8回、2死二三塁から近本の適時打で2点を挙げ、試合を振り出しに戻した。その後は延長戦に突入するも、両軍の救援陣が踏ん張り、試合は規定により引き分けに終わった。

◆中日は5日広島戦から5連勝中。今日の阪神戦でも勝利すれば、20年10月11~17日以来の6連勝となる。21年以降の最近3年でチーム6連勝以上がないのは中日だけだが、白星を続けられるか。また、この連勝間は投手陣の奮闘が目立っており、失点数が0→0→0→1→1。6試合連続1失点以下は昨年オリックス(7試合)と阪神が記録しているが、中日では61年5月14~25日(7試合=球団記録)が最後。4年ぶりの6連勝と同時に63年ぶりの失点記録にも注目したい。

◆中日は12日、本拠地バンテリンドームで23年シーズンの「ドラ恋ユニホーム」(写真)を発表した。同ユニホームは、15年から始まった企画ユニホームで、今年は6月8日・楽天戦、8月16日・阪神戦での女性来場者に配布予定だ。モデルを務めた中日のオフィシャルパフォーマンスチーム「チアドラゴンズ」のMEIさんは「キュートなデザイン」と絶賛した。

◆両軍のスタメンが発表された。阪神の「3番」には前日のシェルドン・ノイジー外野手(29)に代わって、森下翔太外野手(23)が入った。また、前日にベンチスタートだった前川右京外野手(20)は「6番左翼」で先発となった。先発マウンドには、開幕投手を務め今季3戦目で初勝利を狙う青柳晃洋投手(30)が上がる。また、阪神岡田彰布監督(66)は虎の指揮官として現在通算483勝。あと1勝で、歴代2位の吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)に並ぶ。連敗ストップで節目の勝利なるか。

◆阪神森下翔太外野手(23)が「天井ファウル」で敵地ファンをどよめかせた。4回の第2打席で、カウント2-2からの変化球を強振。こすり上げた打球は、バックネット付近の天井を勢いよく直撃した。同球場のグラウンドルールではファウルエリアの天井に打球が触れた場合はファウルになる。天井をかすめることはあるが、勢いよくぶつかるのは珍しい。森下はその後、三ゴロに倒れた。ここまで早くも3本塁打を放っている成長株。10日の広島戦(甲子園)で本塁打を放った際には打球速度が175キロと場内表示され、その打球の速さも注目されている。

◆阪神前川右京外野手(20)が左翼守備でフェイクを成功させた。4回無死二塁から高橋周平内野手(30)の完全に詰まった浅い飛球が左翼前に上がった。前川が前進しながらグラブを上げて、一瞬捕れるようなモーションを見せると、俊足の二塁走者・田中幹也内野手(23)はハーフウエーで自重。ボールが落ちて安打となっても三塁ストップとなった。その後、併殺崩れの間に先制の1点を与えた。

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◆阪神が劣勢の8回に、近本光司外野手(29)の快足を生かした安打で同点に追いついた。2点を追う8回1死から、代打糸原が四球で出塁し、木浪が左前打でつなぐと、ノイジーの左飛の間に2人が進塁し2死二、三塁の好機。打席に立った近本がカウント1-2と追い込まれたところから中日勝野のフォークを打ち返した。打球は一、二塁間に飛び、二塁手田中が追いついてランニングスローを見せるも、ベースカバーに入った勝野より近本の足が勝り、この間に2人が一気に生還した。阪神は中日先発の柳を前に、7回まで散発2安打。苦しい流れを1番の一打で変えた。

◆阪神青柳晃洋投手(30)は3度目の先発でも白星をつかめなかった。球威、制球とも良く、中日柳裕也投手(29)との投げ合いになった。先に失点したのは青柳。4回に詰まらせた打球が連続して安打になり、併殺崩れの間に先制の1点を失った。その後も好投したが7回に制球が甘くなり、3安打を集中され、痛い2点目を与えた。0-2で入った次の攻撃で代打を送られたが、この回に同点。黒星はまぬがれた。今季は開幕の巨人戦が5回3失点、5日のヤクルト戦が6回3失点、今回が7回2失点。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、中日守護神の"幻惑"投法にぶぜんとした。2-2の9回先頭で打席に入ったが、ライデル・マルティネス投手(27)は森下が構えるとすぐに投球。2球連続でタイミングをとれず、フォークで見逃しストライクをとられると、たまらず打席を外した。間をとってから、ゆっくりと構えに入ったが、その瞬間に右腕はまたも素早いモーションで投げ込んできた。ボール球の直球に対して森下は中途半端なスイングしかできず空振り三振を喫した。マナー違反すれすれの投球に、打席に少しとどまり、受け入れがたい様子を見せた。

◆虎が土俵際で踏ん張った。2-2で同点の延長11回裏。先頭の中日中田翔の三塁線へのゴロを阪神佐藤輝明内野手(25)が好捕するも、一塁への送球がそれた。一塁に入っていた小野寺暖外野手(26)も前に止めることができず、後逸。打者走者は一気に二塁を陥れた。その後、1死三塁のサヨナラ負けの危機。加治屋蓮投手(32)が上林を三ゴロに仕留めると、佐藤輝が今度は落ち着いて本塁へ送球し、三塁走者をタッチアウトに成功した。ミスからピンチをつくったが、最後はストライク送球で脱した。

◆阪神が首位中日を相手に今季初の引き分けに終わった。バンテリンドームでのシーズン初戦で勝利すれば18年以来6年ぶりだったが、延長戦をものにできなかった。中盤まで劣勢が続いた。打線が中日先発の柳を前に沈黙。2回1死から佐藤輝明内野手(25)が放った右翼への二塁打、5回2死から坂本誠志郎捕手(30)がマークした中前打のみと、7回まで散発2安打に抑え込まれた。今季3度目の先発で初勝利を目指した青柳晃洋投手(30)は好投を続けるも、打線の援護に恵まれず。4回先頭の田中に右翼への二塁打を浴び、無死一、三塁から三ゴロの間に先制点を献上。7回に先頭の中田から連打で2死一、三塁とされ、最後は村松に初球を捉えられ、2点目の左前適時打を許した。しかし、2点を追う8回。2死二、三塁の好機で、打席に立った近本光司外野手(29)がカウント1-2と追い込まれたところから中日勝野のフォークを打ち返した。打球は一、二塁間に飛び、二塁手田中が追いついてランニングスローを見せるも、ベースカバーに入った勝野より近本の足が勝り、この間に2人が一気に生還した。青柳に続く投手陣は踏ん張りを見せたが、打線が中日投手陣を打ち崩すことができなかった。阪神はベンチ入り野手では「第3捕手」の長坂拳弥捕手(29)以外を使い切る総力戦も、名古屋の虎党に勝利を届けることができなかった。

◆阪神熊谷敬宥内野手(28)が好機を演出するも、あと1本が出なかった。2-2で同点の延長12回表。この試合阪神最後の攻撃だった。1死から左前打で出塁すると、すかさず次打者の初球で二盗に成功。中日立浪監督がリクエストを要求する微妙な判定も、鋭いスライディングでタッチよりも足を先にベースにつけた。1死二塁で梅野隆太郎捕手(32)は空振り三振。その後、2死二塁となり、打者は小幡竜平内野手(23)。最後は中日松山のフォークに空振り三振を喫し、勝ち越し点を奪うことはできなかった。

◆中日は今季2度目の延長引き分けとなった。先発柳が2点を守り7回無失点好投。8回には守備の乱れもあり、2番手勝野が同点に追い付かれたが、後続リリーフが阪神打線を封じた。立浪監督は「野球だからミスはあるが、今日は勝たなければいけなかった」とがっくり。4年ぶりの6連勝は持ち越しされた。

◆阪神岩崎優投手(32)が球団歴代2位タイとなる通算154ホールドポイントを挙げた。伝説の勝利の方程式「JFK」の一角を担ったウィリアムス(現阪神駐米スカウト)に並んだ。5人の救援陣で引き分けに持ち込み「できることはみんなやったと思います」と仲間の思いを代弁した。岩崎は2-2で同点の延長10回裏に登板。三好を空振り三振に仕留めると2番田中も見逃し三振。高橋周は中飛に仕留め、危なげなく3者凡退に仕留めた。これで今季は登板6試合無失点。被安打もわずか2と絶対的な安定感を誇っている。

◆阪神熊谷敬宥内野手(28)が足で好機を演出するも、あと1本が出なかった。2-2で同点の延長12回表。チーム最後の攻撃の1死から左前打で出塁すると、すかさず次打者の初球で二盗に成功。中日立浪監督がリクエストを要求する微妙な判定も、鋭いスライディングでタッチよりも足を先にベースにつけた。ただ、その後は安打が出ず、勝ち越しのホームインはならず。試合後は「次につなげることしか考えていなかった」と力を込めた。

◆阪神ハビー・ゲラ投手(28)が前夜のリベンジで1回を無失点に抑えた。同点の9回にマウンドへ。1死から加藤匠に中前打を浴び、犠打で2死二塁とされるも、最後は後藤をスライダーで空振り三振に仕留めて激しくほえた。「特に自分は昨日打たれてしまいましたし、自分のせいで負けもついてしまったので、早く切りたかった。今日はあの場面、0で抑えられて良かった」。前日11日の広島戦では来日初失点で負け投手になったが、悔しさをすぐに晴らした。

◆開幕投手が状態を上げてきた。阪神青柳晃洋投手(30)は、またも勝ち星に恵まれなかった。7回6安打2失点の力投。8回に味方が追いつき黒星は免れたが、開幕投手を務めた3月29日の巨人戦から、3試合目の先発でも今季1勝目とはならかった。それでも開幕戦5回3失点から、前回5日のヤクルト戦は6回3失点。そしてこの日の中日戦と確実に数字を良化させている。「いいテンポで投げることはできましたが、チームの状況や流れ的にも1点も与えたくないと思っていただけに、先に点を与えてしまったことは反省点です」。当然本人は納得していないが、延長引き分けに終わったロングゲームで明るい話題であることに変わりはない。4回無死一、三塁、中日4番中田の三ゴロ併殺崩れの間に先制点を失った。7回には2死一、三塁から村松に左前適時打を許し、2点目を献上。好調立浪竜に主導権を握らせてしまったが、要所を締めて味方の2得点を呼んだ。前回ヤクルト戦は6四死球と制球が安定しなかったが、今季初の無四球ピッチングで修正力の高さを証明した。「先週は全然ストライクが入ってなかったですけど、今日に関してはストライク先行でいける部分が多かった。前回はフォアボールで、自分に勝ちがつくような試合を自分で捨てるような感じだったので。練習通りにいけたかなと思います」と手応えありだ。「全体的にはいい投球ができたと思うので、これを続けていけるように頑張ります」。チームはロングゲームの末、引き分け。最後までベンチで声を出した。粘り強く投げ続ければ、白星は遠くない。【中野椋】

◆踏ん張った! 阪神が5連勝中の首位中日を相手に今季初の引き分けをもぎ取った。先発青柳晃洋投手(30)が7回2失点と力投。7回まで散発2安打に抑え込まれていた打線は8回、1番近本光司外野手(29)が執念の2点内野安打を奪い、試合を振り出しに戻した。18年以来6年ぶりとなるバンテリンドームでのシーズン初戦勝利はならずも、総力戦で価値あるドロー。13日こそ岡田彰布監督(66)に虎指揮官歴代2位タイの484勝目を贈る。近本は集中力を高めていた。2点を追う8回2死二、三塁。そのバットに全ての期待がかかっていた。12球粘って出塁した糸原。代打ノイジーの大飛球。木浪の好走塁...。それらを演出したベンチワーク。チーム全体で作った大チャンスを逃すわけにいかなかった。「粘り強くつないだチャンスだったので、どんな形でもなんとか1本という気持ちでした」勝野の快速球にバットを出しながら粘った。「直球にしっかり入っていって、変化球にどう対応するかだった」。6球目。空振りを奪いに来た落ち球を一、二塁間最深部に転がした。全速力で紙一重のセーフをもぎ取り、二塁手田中の送球がそれる間に、二塁から代走小幡も生還した。敗色ムードの8回に起死回生の2得点。一塁を駆け抜けると、息をはずませながら三塁側ベンチに向かって両手を上げ、喜びを分かち合った。あわや見殺しだった先発青柳の負けも消した。打線は長いトンネルをようやく抜けた。10日広島戦(甲子園)の6回以来、20イニングぶりの得点だった。その前の7回の攻撃前には円陣も組んだ。全員が必死でホームを目指した。「小幡がしっかり帰ってきてくれて同点になったのは大きかったと思います」。近本はそう振り返った。開幕からレギュラー陣の調子が上がらず、得点力不足を招いている。その中で不動の1番打者として安定した働きを続ける。9日の甲子園開幕戦(対広島)では決勝二塁打。この日は初回に柳から11球も粘った。2連敗後の引き分けで連敗は止められなかったが、近本はプレーでチームを引っ張っている。岡田監督の球団監督歴代2位タイとなる484勝も、3試合連続で足踏みとなった。それでもベンチ入り野手では「第3捕手」の長坂以外を使い切る総力戦で、執念の引き分けをもぎ取った。「まあ、今日の試合は今日で。しっかり追いついたのがよかったんじゃないですか」と近本。虎の意地が詰まった延長12回ドロー劇だった。【柏原誠】

◆前夜無安打だった阪神佐藤輝明内野手(25)が第1打席で長打をマークした。2回1死で中日柳のカットボールをはじき返し、チーム初安打となる右翼フェンス直撃の二塁打。「1本打てたから良かったんじゃないですか。明日からも打てるように頑張ります」。延長11回の守備では三塁線への鋭い打球を好捕するも、一塁へ悪送球しピンチを招き「ちょっと引っかかってしまった」と反省した。

◆阪神平田勝男ヘッドコーチが代打糸原健斗内野手の働きを絶賛した。「糸原だよ。あそこで粘って粘ってさ。見せてくれたよ。糸原が一番殊勲だよ」。2点を追う8回1死からの代打で、12球粘って四球を勝ち取り、同点劇につなげた。これが20イニングぶりの得点。打線がなかなか調子を上げられない状況について、ヘッドは「1年間、山あり谷ありで」とうなずいた。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が12打席ぶりにHランプをともした。同点の9回1死走者なしから中日の守護神マルティネスと対戦。2球目には頭部付近のボール球にのけぞり、3塁側スタンドの阪神ファンからどよめきが起こった。それでも4球目、155キロを振り抜き、左前にはじき返した。安打は9日広島戦(甲子園)の第3打席以来。前日11日の広島戦では4打数無安打に終わり、いまだ打率1割台と苦しんでいるだけに、絶対的守護神からの1本をトンネル脱出のきっかけにしたいところだ。その後は代走植田が送られ、23年5月3日中日戦(甲子園)以来の途中交代となった。勝負に出るも、続く5番佐藤輝が遊ゴロに倒れ、勝ち越しとはならず。それでも4番の復調打が反撃ムードを高めたのは事実だ。

◆阪神加治屋蓮投手が緊迫の延長11回を乗り切った。1点奪われればサヨナラ負け。5番手右腕は内野安打に失策が絡んでいきなり無死二塁の大ピンチ。犠打で1死三塁とされたが、続く上林の三ゴロで三塁走者カリステが突っ込み、佐藤輝が余裕をもって本塁でアウトにした。加治屋は後続も断って無失点。「何が何でもゼロ(点)で帰ってくる気持ちで投げていました」と胸をなで下ろした。

◆中日が今季2度目の延長引き分けで、4年ぶりの6連勝が持ち越された。先発柳裕也投手(29)が先制した2点を守り、7回2安打無失点と好投。8回にはセットアッパー勝野をマウンドに送る必勝パターンが崩れた。「勝ちたい試合だったが、8回に尽きる。ミスは当然、野球だからある。状況を考えた2点差で、送球を二塁につなげば、たぶん木浪選手の足だったら勝負できなかったと思う。2度とああいうことがないように、状況判断ができるようにはやっていかないといけない」。立浪監督は同点に追い付かれた8回を振り返った。1死から代打糸原に12球粘られ四球を出すと、続く木浪に左前打を許し一、二塁に。代打ノイジーの左飛に、左翼を守る尾田が三塁へ返球したことで、一走木浪にまでタッチアップを許した。直後に近本に一、二塁間への強い当たりを打たれ、田中の一塁への送球がそれ(内野安打)、一気に2人の走者の本塁生還を許した。勝野からバトンを受けた、斎藤、マルティネス、清水、梅野、松山が無失点リレー。11回1死三塁からの上林の三ゴロでのゴロゴーも不発に終わった。「追いつかれてから中継ぎが良く踏ん張ってくれた。サヨナラのチャンスもあったけど、(点を)あげなかったことはよかった」。それでも指揮官は「きょうは勝たないといけなかった」と唇をかんだ。4年ぶりの6連勝、貯金5への挑戦がまだ終わっていない。【伊東大介】

◆阪神の8番木浪聖也内野手(29)が好走塁で同点劇を呼び込んだ。8回1死一塁で中日勝野から左前打を放つと、続くノイジーの左飛で二塁走者の糸原とともにタッチアップ。好機を広げるプレーに「あれは行くつもりだった」ときっぱり。「とっさの判断でしっかりコーチャーの声と自分の行くという気持ちで行ったのが、ああいう点数につながったのでよかった」と振り返った。

◆途中出場の阪神梅野隆太郎捕手が5投手を好リードした。8回の守備からグラウンドに立つと、桐敷から延長12回に登板した島本まで無失点リレー。「なんとか、中継ぎ陣が0でしびれる試合でしたけど、抑えることができてよかった。本当に粘り強く、ピッチャーが投げてくれた」。打席でも延長10回無死一塁で犠打をきっちり決めた。「すごい当たり前かもしれないけど、大事なこと。しっかり続けていけられるように」と次を見据えた。

◆阪神小幡竜平内野手(23)が積極的な走塁で同点のホームを踏んだ。2点ビハインドの8回2死二、三塁で二塁走者木浪の代走として出場。1番近本の二塁内野安打の送球が乱れる間に、一気に本塁へ生還した。「藤本さん(三塁コーチャー)が回してくれていたので、スピードを緩めることなく走りました。負けなかったのは大きいと思います」と胸を張った。2-2で同点の延長10回表1死二塁では一ゴロに倒れた。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が3試合ぶりに3番に入った。11日の広島戦(甲子園)で3番起用されたノイジーはチャンスの場面で凡退するなど、4打数無安打だった。打順の変更で攻撃力を活性化させたい。また、前川右京外野手(20)は3月31日の巨人戦(東京ドーム)以来となる6番起用となった。4試合連続で2得点以下と、迫力を欠く打線のなかで、首位・中日を撃破するためにも若虎の奮起に期待だ。

◆阪神・青柳晃洋投手(30)が四回、1点先制を許した。先頭の田中に右翼線への二塁打を浴び、続く高橋周には左翼の前に落ちる安打で無死一、三塁のピンチを招く。ここで対するは4番・中田。三ゴロ併殺崩れの間に先制を許した。細川を二直、大島を中飛に打ち取って最少失点で乗り切った。三回までわずか1安打と好投を続けていたが、打線が中日の先発・柳を攻めあぐねる間に先に点を失った。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(30)は0―1の七回に手痛い2失点目を喫した。打線の重苦しさを考えると大きな1点を失った。先頭の中田、続く細川に連打を浴びて走者をためると、2死一、三塁で村松の放った当たりは遊撃手の横を抜けて左前へ。三塁走者が生還し、2点目を失った。四回に先制を許した後もスコアボードに0を刻んできた青柳だったが、打線が七回まで19イニング連続無得点の中で痛恨の失点となった。

◆阪神は0―2の八回、近本光司外野手(29)の適時内野安打で同点に追いついた。絶好機に仕事人のリードオフマンが応えた。1死から代打・糸原が粘りに粘って12球目で四球を選び、続く木浪が左前打で1死一、二塁のチャンス。ここで7回2失点と好投した先発・青柳に代打・ノイジーを送り、左飛で2人が進塁して2死二、三塁となった。近本の放った6球目は一、二塁間に絶妙に転がるゴロとなり、二塁手の田中が拾うも一塁送球が大きくそれ、走者2人が生還した。チーム20イニングぶりの得点で試合を振り出しに戻した。

◆今季3度目の先発に臨んだ中日・柳裕也投手(29)は7回2安打無失点の好投でマウンドを降りた。2ー0でリードしていた七回の打席で代打を送られて降板。98球とやや早いタイミングでの交代ながら、7回無失点で初勝利を手にした5日の広島戦(マツダ)に続き期待どおりの投球を示した。八回に登板した勝野昌慶投手(26)がリードを追いつかれ、柳の今季2勝目はお預けとなった。

◆阪神は0―2の八回、近本光司外野手(29)の適時内野安打で同点に追いついた。絶好機に仕事人のリードオフマンが応えた。1死から代打・糸原が粘りに粘って12球目で四球を選び、続く木浪が左前打で1死一、二塁のチャンス。ここで7回2失点と好投した先発・青柳に代打・ノイジーを送り、左飛で2人が進塁して2死二、三塁となった。近本の放った6球目は一、二塁間に絶妙に転がるゴロとなり、二塁手の田中が拾うも一塁送球が大きくそれ、走者2人が生還した。チーム20イニングぶりの得点で試合を振り出しに戻した。「打ったのはスライダー。粘り強くつないだチャンスだったので、どんな形でもなんとか1本という気持ちでした。(二走の)小幡もよく走ってくれました」とコメントした。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(30)は0―1の七回に手痛い2失点目を喫した。打線の重苦しさを考えると大きな1点を失った。先頭の中田、続く細川に連打を浴びて走者をためると、2死一、三塁で村松の放った当たりは遊撃手の横を抜けて左前へ。三塁走者が生還し、2点目を失った。7回2失点で降板し「いいテンポで投げることはできましたが、チームの状況や流れてきにも1点も与えたくないと思っていただけに、先に点を与えてしまったことは反省点です。全体的にはいい投球ができたと思うのでこれを続けていけるように頑張ります。今日の試合も最終的にチームが勝つことが大切なので勝ち切れるようにしっかり応援します」とコメントした。

◆阪神は延長十二回の死闘を繰り広げるも決着はつかず、今季初の引き分けとなった。先発の青柳が7回2失点と力投すると、七回まで2安打に抑えられていた打線が八回に奮起。中日の2番手・勝野に対し、1死から代打・糸原が粘って12球目を選んで四球で出塁すると、木浪も安打でつないでチャンスを拡大。その後2死二、三塁となって近本の二塁への適時内野安打で走者2人が生還し、チーム20イニングぶりの得点で試合を振り出しに戻した。その後は両者リリーフ陣が一歩も譲らぬ好投を見せ、阪神は6投手、中日は7投手の継投で互いに追加点を許さず。吉田義男氏に並ぶ岡田監督の阪神の監督としての通算484勝目は持ち越しとなった。

◆八回2死二、三塁で同点の二塁内野安打を放った放った阪神・近本光司=バンテリンドームナゴヤ(撮影・松永渉平)

◆阪神が今季初のドロー。2点を追う八回、2番手の勝野昌慶投手(26)を攻め、2死二、三塁から近本光司外野手(29)の二塁内野安打で2者が生還し、追いついた。延長十一回に登板した加治屋蓮投手(32)は佐藤輝明内野手(25)の一塁悪送球(記録は安打と失策)で招いた無死二塁の窮地を断ち切った。十二回の攻撃では1死二塁としたが後続を断たれた。青柳晃洋投手(30)は7回2失点。主な選手のコメントは以下の通り(成績=5勝7敗1分、観衆=3万410人)。延長十二回ドローに阪神・平田勝男ヘッドコーチ 「(八回1死から代打で四球を選んだ)糸原が今日は一番の殊勲」延長十回無死一塁で犠打を決めた梅野隆太郎 「やれる事をやるって事は、すごい当たり前かもしんないけど、大事なこと」延長十一回の一塁悪送球に佐藤輝明内野手「ちょっと引っかかってしまいました」八回2死二、三塁で二塁から生還した小幡竜平 「(三塁コーチの)藤本さん信じて走りました」延長十二回、今季初安打から二盗を決めた熊谷敬宥 「キャッチャーの送球がそれてくれたので、あとはスライディングに任せようかなって感じでした」九回に登板したハビー・ゲラ 「貢献できる仕事っていうのを続けていきたい」延長十回に登板した岩崎優 「またみんなで取れるように明日からも頑張ります」

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(76)は7回2失点の阪神・青柳晃洋投手(30)に言及した。青柳は低めの変化球も両サイドのコントロールも良く、粘り強く投げて先発投手として十分な仕事を果たした。だが、七回に2点目を失った場面だけは、注文を付けたい。1点ビハインドの2死一、三塁で相手は好調の村松。早いカウントから好球必打で来ることは分かっていた。外角にミットを構えた坂本が、もっと分かりやすくボールゾーンに構えても良かったと思うが、あそこで甘く入って打たれていては悔やみきれない。柳とのエース対決で、打線も調子が上がってこない状況だ。結果的には追いついたが非常に重たい2点目だった。青柳自身も重々分かっているだろうが、立ち止まって反省してほしい。ゲラ、岩崎と良い投手をどんどんと継ぎ込み、1イニンを耐えてなんとか引き分けた。怖いのは負の連鎖で、長いシーズンでは投手も頑張り切れないケースが必ず出てくる。投手が耐えている今のうちに、野手も3、4点を取れる状態をなんとか取り戻してほしい。

◆阪神は今季初のドロー。0-2の八回、近本光司外野手(29)が二塁へ同点の2点内野安打を放った。長坂以外の野手を使い、必死の継投をみせての総力戦。打線に一本が出ずに勝ちきれなかったが、広島と並んで4位に浮上した。一、二塁間に転がる打球を見ながら必死に走った。近本が自慢の足でもぎ取った内野安打で、3つ並びかけていた黒星から引き分けをひねり出した。一塁を駆け抜け、振り返って2人の生還を確認すると、大きく両手を挙げてバンザイ。価値ある同点打に白い歯をのぞかせた。「ああいう形で小幡もしっかりかえってきてくれたので、同点になったっていうのが大きかったかなと思います」0―2で迎えた八回2死二、三塁の好機。カウント1―2と追い込まれたところから2番手・勝野のフォークを打ち返した。「ストレートをしっかり入っていって変化球にどう対応するか。変化球を打ったらあそこに飛ぶだろうと思っていた」打球は一、二塁間に飛ぶ絶妙な強さのゴロとなり、二塁手の田中が追いついてランニングスローを見せるも、ベースカバーに入った勝野より近本の足が勝った。送球は大きくそれて、二走・小幡も一気にホームイン。2点打となり、試合を振り出しに戻した。入団当初から武器であり続ける、走力を生かしたプレーが光った。「いつまでこういう(走力を生かす)プレーができるかわからない」と30歳を目前に2年後や3年後まで見据えたトレーニングをこなし、打撃では一塁からの盗塁に頼らず二塁打への意識を貫く。そんな中でも今持っている能力をここぞの場面で最大限に発揮し、チームにとって20イニングぶりの得点を生み出した。この一打で自身の連続試合安打を「6」とし、ここまで13試合のうち12試合で出塁。リードオフマンの役割をこなしている。「きょうの試合はきょうで、しっかり追いついたっていうところがよかったんじゃないですかね」敗戦の色濃い展開をがらりと変えても試合後は表情は変えず。しかし、言葉にはある程度の納得感もにじませた。次は白星をつかむため、光のごとくグラウンドを駆ける。(邨田直人)

◆あと一本は出なかったが、岡田阪神が総力戦でセ・リーグ首位を走る中日とドロー決着に持ち込み、3連敗を回避した。劣勢をはね返し、捕手の長坂を残して野手は全員使い切り、延長十二回を戦い抜いた。平田ヘッドコーチもチーム一丸での粘りにうなずいた。「糸原だよ。糸原が粘って、粘って、粘って、あそこでフォアボールで粘ってさ。みせてくれたよ。糸原がきょうは殊勲じゃない」0-2の八回1死から代打・糸原が中日の2番手・勝野に対して、フルカウントから150キロを超える直球を5球続けてファウル。最後は12球目の直球を見極めて四球で出塁し、木浪も左前打で続くと、代打・ノイジーの左飛でそれぞれの走者が進塁。そして、二、三塁から岡田監督が二走・木浪に代走・小幡を送ると、近本のヒットで同点のホームを踏んだ。その裏からは桐敷、九回にゲラ、延長十回に岩崎を投入するなど必死の継投。総力を結集させてドローに持ち込んだ。一方で打線は九回以降も毎回走者を出し、十回、十二回は得点圏に進めたものの勝ち越せず。強力投手陣が奮闘しても、直近5試合を2得点以下と打線に元気がない。この日の3番・森下、4番・大山、5番・佐藤輝はいずれも打率1割台と苦しんでいる。平田ヘッドは「1年間ね。山あり谷ありで」とチーム全体の奮起に期待した。連覇に挑む岡田虎が意地を見せた総力戦を無駄にはしない。(新里公章)

◆良かった! 良かった!! 延長十二回の末、2-2の引き分けに終わったけど、現在の両チームの状態や阪神の〝ナゴヤ鬼門伝説〟を考えたら、負けるが勝ちならぬ「分けるが勝ち」で、ちょっとニンマリ!!とりわけ良かったのは、7回2失点で十分に先発の役割を果たしていた青柳を、八回に近本の同点2点打で見殺し(負け投手)にしなかったことなのだ!!プロ野球界には『エースの沼』というくらい、自身が力投しようがエース同士の対決や味方打線の援護がない、どーにもならない底なし沼があるんですよ。その一番分かりやすい例を挙げるなら、本日の中日先発の柳!! 昨年わずか4勝(11敗)。ところが防御率は2.44と信じられない沼でしょう~。その沼からは、どーにか、こーにか引きずり上げたのが大きかったのです。しかし、トラネコ打線、いや猛虎打線は、怒る気も起こらんくらいに打たへんねー。スタメンは大山に代えて原口、三塁の佐藤輝に代えて糸原、森下のところに小野寺なんてのは...。いや! やっぱりない! ない!! 虎のレギュラー陣、気張ったれ!!

◆同一リーグ5球団との対戦が一巡してからがペナントレースだと、昔から多くの首脳陣や先輩記者に聞かされてきた。今季の日程が発表されたときから「この中日戦がそのタイミングだなぁ」とは思っていたけど、まさか5位と1位で迎えるなんて...。正直まったく予想していなかったし、これだから野球は面白い。果たして〝首位中日〟は今どんな雰囲気なのか。プロ野球遊軍として、この日もバンテリンドームで中日側を取材したベテラン記者の上阪正人に探りを入れてみる。「用具担当としてチームを練習中から盛り上げていた平沼定晴さんが、今季から昇竜館(選手寮)の寮長になられたんです。その影響もあってか、練習はむしろ今年の方が元気がないかもしれない...。そうです、ロッテ時代の1989年に、当時西武の清原和博に死球を与えて、ヒップアタックをされたことで知られている平沼さんです」86年のシーズン後、落合博満との1対4のトレードでロッテ入りしたことでも知られる平沼さんは、近年は〝裏方兼元気印〟としてチームをもり立ててきた。上阪がその不在を嘆くのは、他にも理由があって...。「練習中のノックで、平沼さんが一塁でボールを受けてくれていたときには止まっていた悪送球が、今年はわれわれがいるカメラマン席まで突き抜けてくるんですよ。この前もボールが当たりそうでした!」普段は落ち着き払っている上阪が、語気を強めて訴えてきた。記者は自分で身を守るしかないのだが...。若竜の生活をガッチリ守るようになった平沼さんのような存在の支えがあって、この春の快進撃が生まれたのだろうと、ほんの少し伝わってきた気がした。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
中日
732 0.700
(-)
-
(-)
13133
(+2)
24
(+2)
5
(-)
1
(-)
0.233
(↓0.003)
1.820
(↑0.03)
2
(-)
DeNA
750 0.583
(↑0.038)
1
(↑0.5)
13134
(+3)
37
(+1)
3
(-)
8
(+3)
0.248
(↑0.011)
2.630
(↑0.15)
2
(-)
巨人
750 0.583
(↑0.038)
1
(↑0.5)
13141
(+9)
27
(+4)
7
(+2)
4
(-)
0.253
(↑0.002)
2.000
(↓0.18)
4
(1↑)
阪神
571 0.417
(-)
3
(-)
13032
(+2)
40
(+2)
10
(-)
5
(+1)
0.215
(↓0.003)
2.520
(↑0.11)
4
(-)
広島
570 0.417
(↓0.038)
3
(↓0.5)
13128
(+4)
33
(+9)
2
(+1)
5
(+1)
0.227
(-)
2.770
(↓0.61)
6
(-)
ヤクルト
371 0.300
(↓0.033)
4
(↓0.5)
13231
(+1)
38
(+3)
3
(-)
7
(+1)
0.231
(↓0.004)
3.240
(↓0.01)