阪神(★2対6☆)広島 =リーグ戦2回戦(2024.04.10)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:アドゥワ 誠(2勝0敗0S)
敗戦投手:伊藤 将司(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】森下 翔太(3号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆広島が連敗を4で止めた。広島は1点リードの2回表、會澤の適時打で追加点を挙げる。さらに野間、菊池、小園の3者連続適時打が飛び出し、この回一挙5点を奪った。投げては、先発・アドゥワが6回途中2失点で今季2勝目。敗れた阪神は、先発・伊藤将が乱調だった。

◆阪神は10日、巨人との「伝統の一戦」の共通ビジュアル完成とイベントを実施すると発表した。5月24~26日(甲子園)と7月15~17日(東京ドーム)の巨人戦は「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」と題して試合を実施。5月25日巨人戦(甲子園)の試合前には、阪神OB桧山進次郎氏(54=日刊スポーツ評論家)と巨人OB斎藤雅樹氏(59)の「OB一打席対決」が行われる。また、「甲子園歴史館」と「野球殿堂博物館」による相互展示も実施。歴史的な資料が期間限定で出張展示され、江川卓氏の使用グローブや掛布雅之氏のバットが展示される。

◆両軍のスタメンが発表された。前日9日に出場のなかった前川右京外野手(20)が「3番左翼」、今季初マルチ安打だった佐藤輝明内野手(25)が「5番三塁」に入り、クリーンアップは前川、大山、佐藤輝の並びとなった。また、阪神岡田彰布監督(66)は現在阪神の監督として通算483勝。勝てば歴代2位の吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)に並ぶ。阪神は昨季広島戦2戦2勝の伊藤将司投手(27)が、広島はアドゥワ誠投手(25)が先発する。

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◆「侍ジャパンDAY」として開催された広島との2回戦で、女子硬式野球クラブチーム「阪神タイガースWomen」の三浦伊織外野手(32)が、始球式を行った。女子侍ジャパンのユニホームで登場。しなやかなフォームで、左腕から力強く投げ込んだ。捕手・梅野のミットに吸い込まれるようなストライク投球。球場はどよめき、マウンドで笑みをこぼした。「コントロール重視で頑張りました。100点です」と笑顔で振り返った。三浦は昨年5月から6月に香港で開催された「第3回BFA女子野球アジアカップ」に外野手として出場し、日本の3連覇に貢献。首位打者と外野手でのベストナインを獲得した。大役を務め、「女子野球を多くの方に知ってもらうチャンスだったのでそれをボールに込めて投げました」と語った。

◆4試合連続無得点だった広島が、1回に37イニングぶりに得点した。1回表1死三塁で小園海斗内野手(23)が、阪神伊藤将の2球目を打ち、遊ゴロの間に得点した。1番野間峻祥外野手(31)が右翼線への二塁打で出塁し、2番菊池涼介内野手(34)が送って作ったチャンスを得点に結びつけた。広島は5日中日戦からセ・リーグワーストタイの4試合連続完封負け。この日も完封負けなら、プロ野球記録の53年大映の5試合連続に並ぶところだった。また甲子園球場では昨季から8連敗中で、ポストシーズンを含めると11連敗中。無得点記録を止めると、2回には5得点のビッグイニング。次は甲子園での連敗も止める。

◆阪神伊藤将司投手(27)が不運すぎるヒットから大量失点した。2回2死二塁から低めに落ちる球を投手のアドゥワ誠(25)に当てられた。バットは真っ二つに折れたが、打球は低い小飛球となって、二塁ベースにダイレクトでぶつかった。ベースに当たらなければ遊撃の木浪聖也内野手(29)が追いついていたとみられるが、逆を突かれる形になった(内野安打)。投手アドゥワでこのイニングを切れなかったのが大誤算。続く野間峻祥外野手(31)の右前打で1点。菊池涼介内野手(34)の二塁打で2点、小園海斗内野手(23)の左前打で1点と、3連続適時打を浴びてビッグイニングになってしまった。

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◆先発アドゥワ誠投手(25)が珍安打を放った。2回2死二塁から阪神伊藤将の低めに落ちる球に反応。バットを真っ二つに折られたが、打球は低い小飛球となって、二塁ベースに直撃した。直後、2死一、三塁から野間のタイムリーが飛び出すなど1イニング5得点の大量得点につながった。

◆阪神伊藤将司投手(27)が立ち上がりから、まさかの大量失点を喫した。初回、1死三塁から遊ゴロの間に先制点を献上。2回には1死から6番上本にポトリと落ちる右前打で出塁を許すと、直後会沢の左二塁打で一気に生還を許した。その後も、投手アドゥワの二塁ベースに直撃する不運な安打など、この回だけで6安打を浴びて一挙5点を奪われ、2回終了時点で8安打6失点。直後の攻撃で代打が送られ、2回49球での降板となった。「決めに行ったボールも甘くなってしまい、相手の流れを止めることができませんでした。早いイニングで交代となり、ゲームを作ることができずに申し訳ないです」伊藤将の6失点はプロ最多タイで3度目。22年3月30日広島戦(マツダスタジアム)以来となった。

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◆阪神の森下翔太外野手(23)が3号ソロを放ち、今季甲子園1号を飾った。0-6の4回2死。広島先発アドゥワの144キロ直球を捉えて左中間スタンドへ放り込んだ。打った瞬間の豪快なアーチは今季甲子園1号。打った時点で中日細川と並んでリーグトップタイの3本目となった。「捉えた感触も良かったですし、しっかり自分のスイングができました。このあと、逆転できるように頑張ります!」と振り返った。甲子園は今年で開場100周年を迎えるメモリアルイヤー。虎の22年ドラフト1位が記念すべき年の1本目を飾った。

◆広島会沢翼捕手(35)が6回に放った「本塁打」について、審判団がリプレー検証せずに判定をファウルに覆すレアケースが起きた。会沢の打球は右翼ポール際ぎりぎりの客席に吸い込まれた。一塁塁審はすぐに右手を回して本塁打のジェスチャー。会沢もベースを1周してベンチまで戻った。阪神岡田彰布監督(66)はすぐにリクエストのジェスチャーをしたが、審判団はリプレー検証には入らず、グラウンド上で4人が集まって協議した。結果、責任審判でもある敷田球審が両手を横に広げて「ファウル」とした。広島新井貴浩監督(46)がベンチから出て球審に確認したが、判定は変わらなかった。

◆/忍者かスパイダーマンか\フェンス激突を恐れない秋山翔吾がファインプレー?プロ野球 (2024/4/10)??阪神×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #carp"野球一本" 新プラン登場「DAZN BASEBALL」 月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/17まで pic.twitter.com/YygthJXJq7

◆阪神が広島に敗れ、今季初の貯金はならなかった。先発の伊藤将司投手(27)が打ち込まれた。初回に長打からピンチを招くと内野ゴロの間に先制点を献上。2回には打者一巡を許して6本の安打で5失点を喫した。直後に代打を送られて2回8安打で自己ワーストタイの6失点。先発の役割を果たせなかった。打線は4回に森下翔太外野手(23)が今年開場100周年を迎える甲子園での1号となるソロ本塁打。6回には佐藤輝明内野手(25)に適時二塁打が飛び出したが反撃は及ばず。序盤の失点が大きくのしかかった。勝てば岡田彰布監督(66)が阪神での監督通算484勝目となり、歴代2位の吉田義男氏(90=日刊スポーツ評論家)に並ぶところだったが持ち越しとなった。

◆阪神森下翔太は「感覚」という言葉をよく使う。感覚というと抽象的な印象を受けるが、まったく逆で繊細だ。ビデオ映像など研究も熱心。感覚を起点にして、理想に近づけていくことにこだわりを持つ。昨オフ、ミズノ社のバット工房を訪れた時のこと。「体で打つ」新しい打撃スタイルを頭に描き、そのために必要となる湾曲の少ないバットを作ろうと思っていた。まず、ベースになるバットを探した。歴代の名選手が使ったバットが数十本、飾ってある。ひと通り眺め「これを」と手にとったのが、メジャー通算4256安打のピート・ローズ型だった。グリップが太く、近年の日本では例がないほど異質な形状。インスピレーションで決めた。そこから細かい改良を何度か加えてシーズンイン。当初とは形状が変わったが、求めているスタイルは不変。ここまで3本塁打と一定の手応えはつかんでいる。理想はまだまだ上。これからも感覚と現実のすり合わせを続けていくはずだ。【柏原誠】

◆阪神伊藤将司投手(27)がまさかの大量失点で完敗の要因をつくってしまった。初回に長打からピンチを招くと、内野ゴロの間に先制点を献上。2回には打者9人に6本の安打を許すなど5失点と打ち込まれた。直後に代打を送られて降板。2回8安打で自己ワーストタイの6失点に「真ん中に集まった。それを打たれました。変化球が浮いてしまった。真っすぐも甘かった」と反省の言葉が並んだ。前回3日のDeNA戦(京セラドーム大阪)では7回2失点で今季初白星をつかんだがよもやの暗転。甲子園では通算15勝5敗、広島戦は昨季2戦2勝だっただけに、誤算は大きい。安藤投手コーチも次回登板について「終わったばかりなのでわからない」としつつ、「状態はまあまあ、いい状態ではないね」と表情を曇らせた。勝てば岡田彰布監督(66)が阪神での監督通算484勝目となり、歴代2位の吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)に並ぶところだったがお預け。11日こそ甲子園のファンの前で初代日本一監督に並びたい。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が、5番復帰にタイムリーで応えた。3日DeNA戦(京セラドーム大阪)を最後に6番に下がっていたが、6試合ぶりに定位置で出場。中軸らしい勝負強さを発揮した。1-6の6回。先頭の2番中野が右安打で出塁し、2死後、走者一塁で広島先発アドゥワの2球目だ。外角135キロの変化球を振り抜き、遊撃手の頭を越えるタイムリー二塁打。「しっかり振っていこうと思って、いいバッティングができたと思います」。塁上で手をたたき、逆転を信じるファンを沸かせた。前日9日の広島戦では2安打を放ち、プロ通算100度目のマルチ安打を達成するなど調子を上げていた。5番復帰にも変えたところは「ないです」と平常心で2日連続の快音。主砲が甲子園から再び波に乗る。

◆広島が快勝で最下位を脱出した。4試合連続完封負けと、昨季からポストシーズンを含む甲子園11連敗が止まった。試合後、疲れた表情で現れた新井監督は1回、遊ゴロで37イニングぶりの得点となった先制点を生んだ小園をたたえた。「あのショートゴロ見て、小園...。小園も成長したなって感じた。追い込まれていないのに狙ってショートゴロ打ちにいって。いろんなものを背負っての打席だったと思う。見ていて成長を感じたというか。いいバッティングだった」としみじみ語った。2回には、指揮官が「(4戦連続完封負けで)重苦しい空気だったので今日はベテランの力を借りよう」と、5試合ぶりに先発起用した会沢が左適時二塁打でリードを広げた。呪縛から解き放たれた打線はこの回5得点。チームはこれまでのうっぷんを晴らすかのように今季最多の13安打。甲子園での連敗も止めた。

◆阪神前川右京外野手(20)が甲子園の1軍公式戦で初めて左翼を守った。「3番左翼」で出場。飛球やフェンスのクッションボールなど数回打球を処理し、いずれも無難にこなした。バットでは初回に一塁手のグラブをはじく安打。6回には広島秋山の好守に阻まれたが、左翼へ大飛球を飛ばした。11日の次戦に向け「良かったこと悪かったことを反省して、また挑みたい」と引き締めた。

◆敗戦の光ダーン! 阪神森下翔太外野手(23)が、リーグトップタイの3号本塁打で連日満員札止めの甲子園を熱狂させた。6番に降格したが0-6の劣勢にも集中力を研ぎ澄まし、4回に広島先発アドゥワから左翼へ弾丸アーチ。昨季10本塁打だった中距離砲が今季は39発の量産ペースだ。チームは再び借金生活に戻ったが、背番号1が示した反発力は猛虎の意地の象徴。今夜はスカッと快勝して六甲おろしを歌いたい。森下は迷いなく振り切った。アドゥワの直球をガツン。乾いた快音を発した豪弾は、甲子園の大歓声に後押しされるように左翼席に飛び込んだ。0-6の劣勢だったが、甲子園の夜空に今季初めてかかったアーチに、ファンは酔いしれた。「とらえた感触もよかったし、しっかり自分のスイングができました。自分に求められているのは初球からガツガツいけるのと、ああいうところで本塁打を打てるところだと思う」8月1日に開場100周年を迎える本拠地甲子園。3月31日の巨人戦で放った今季のチーム1号も森下だったが、聖地でのチーム1号も森下だった。試合は完敗で"空砲"となったが、若武者の成長は希望の光だ。新人だった昨季は10本塁打だったが、開幕11試合で早くも3本。リーグ最多タイで、年間39本ペース。決して、まぐれではない。試合前の練習で、バットを握り、感覚を研ぎ澄ます。現在、主に使うバットは2種類。テープを巻いたグリップの厚みが違う。その差はなんと「0・6ミリくらいです」。この日、フィットしたのは黄色いテープを巻いた細めの1本。「スイングの感覚と、打球の感覚も含めて、決めています」。体調も考慮しながら選ぶ。豪快なイメージが強いが、どこまでも繊細。自分の体と技術をよく分かっている。本塁打以上に強烈だったのは第1打席の二塁打かもしれない。2回先頭。低空ライナーが左翼を襲い、名手秋山が一瞬前に出ようとしたほど。打球はその頭上を高速で超えていった。今季初めての「6番」。打率が上がらず、3番から降格となったが、破格の能力をあらためて示した。手先でバット操作してしまう悪癖を直すため、体幹を意識して振る新フォームを染みこませてきた。キャンプではなかなか打球が上がらず、岡田監督をやきもきさせたが、なじむにつれて角度もついてきた。頼もしい一振りに、指揮官の表情も緩んだ。勝てば今季初の貯金生活だったが投打がかみ合わず、1日で借金生活に逆戻り。なかなか波に乗れないが、悲観する状況ではない。「まだ明日勝てばカードを勝ち越せる。明日に向けて準備したいです」。背番号1が大きな背中を伸ばして言った。【柏原誠】

◆"虎のウルシ"があいさつ代わりの好救援だ。阪神漆原大晟投手(27)が公式戦での甲子園デビュー戦で、3回1安打無失点の好救援を見せた。先発伊藤将がまさかの2回6失点KO。重い空気の中、2番手として3回からマウンドに上がった。3、4回は難なく3人斬り。3イニング目の5回は2死から堂林に中前打を浴びたものの、直後に秋山を中飛に打ち取った。最速は150キロを計測し、4奪三振。連日超満員の虎党の前で、堂々と光り輝き、防戦一方の展開を締め直した。「早い回からの登板でしたけど。先というよりは、1人ずつ1イニングずつというイメージでいけた。結果、3回投げ切れたので良かったと思います」登板は今季3試合目。2日DeNA戦(京セラドーム大阪)以来、中7日空いていた。ビハインドや回またぎ登板など柔軟な役割を任されている中。開幕から無失点投球を継続。防御率は0・00の安定感を誇る。「どこの場面でも立場でも、やることは変わらない。1試合1試合、1人1人の積み重ねになってくると思うので。任されたところでしっかり結果を出していくのが今やるべきこと。まずは、目先の試合をしっかり抑えることだけ考えてやっていけたら」昨年12月、現役ドラフトの2期生として阪神に移籍した。オリックス時代の22年は1軍登板なしでシーズンを終え、昨季は16試合登板にとどまっていた中で新天地に招かれた。阪神では23年に同制度で移籍した大竹が、いきなりチームトップの12勝。入団会見では漆原も「あとに続けるように」と、"先輩"に続く活躍を誓っていた。ビハインドでも聖地の大声援は変わらない。「アウトを取った時だったり(ベンチに)帰ってきた時の温かい声援がある。その歓声を1回でも多く今シーズン聞けたらいいなと感じました」。快投を積み重ね、これから何度も聖地を沸かせてみせる。【波部俊之介】

◆阪神大山悠輔は一打を出せなかった。1点を追う初回1死一、二塁の同点機。新しい専用チャンステーマが右翼席で奏でられる中、7球粘ったが最後は直球に手が出なかった。次の佐藤輝も凡退し、チャンスがついえた。ビハインドはまだ1点。追いついていれば、展開も変わっていたかもしれない。4打数無安打に終わった4番は「明日も準備して頑張ります」と口元を引き締めた。

◆広島は今季から先発に転向したアドゥワが開幕から2連勝を飾った。多彩な変化球を駆使し、5回2/3を9奪三振6安打1四球で2失点。2戦連続でチームの連敗を止めた。試合後は「前回よりはまだ球を操れていた」とした上で「三振はたまたまとしか思っていない。そういう日もあっていい、ぐらいの感覚」とさらり。次戦に向けて「そんなに欲を出さず、試合をつくって先発の役割を果たしていきたい」と冷静だった。

◆敗戦の光ダーン! 阪神森下翔太外野手(23)が、リーグトップタイの3号で連日満員札止めの甲子園を熱狂させた。6番に降格したが0-6の劣勢にも集中力を研ぎ澄ませ、4回に広島先発アドゥワから左翼へ弾丸アーチ。昨季10本塁打だった中距離砲が今季は39発の量産ペースだ。チームは再び借金生活に戻ったが、背番号1がマルチ安打で示した反発力は意地の象徴。今夜はスカッと快勝して六甲おろしを歌いたい。森下は迷いなく振り切った。アドゥワの直球をガツン。ドジャース大谷ばりの時速175キロの弾丸と化して、大歓声に後押しされるように左翼席に飛び込んだ。大谷の今季最速アーチは172キロ。甲子園のトラックマンが示した驚異の数字でその豪打ぶりがよく分かる。0-6の一方的展開から、甲子園の夜空に今季初めてかかったアーチに、ファンは酔いしれた。「とらえた感触もよかったし、しっかり自分のスイングができました。自分に求められているのは初球からガツガツいけるのと、ああいうところで本塁打を打てるところだと思う」8月1日に開場100周年を迎える本拠地甲子園。3月31日の巨人戦で放った今季のチーム1号も森下。聖地でのチーム1号も森下だった。完敗で"空砲"となったが、若武者の成長は希望の光だ。トータル10本塁打だった昨季に対し、開幕11試合で早くも3本。リーグ最多タイで、年間39本ペース。決して、まぐれではない。試合前の練習で、バットを握り、感覚を研ぎ澄ます。現在、主に使うバットは2種類。テープを巻いたグリップの厚みが違う。その差はなんと「0・6ミリくらいです」。この日、フィットしたのは黄色いテープを巻いた細めの1本。「スイングの感覚と、打球の感覚も含めて、決めています」。体調も考慮しながら選ぶ。豪快なイメージが強いが、どこまでも繊細。自分の体と技術をよく分かっている。本塁打以上に強烈だったのは第1打席の二塁打かもしれない。2回先頭。低空ライナーが左翼を襲い、名手秋山が一瞬前に出ようとしたほど。打球はその頭上を高速で越えていった。今季初めての「6番」。打率が上がらず、3番から降格となったが、破格の能力をあらためて示した。手先でバット操作してしまう悪癖を直すため、体幹を意識して振る新フォームを染みこませてきた。キャンプではなかなか打球が上がらず、岡田監督をやきもきさせたが、なじむにつれて角度もついてきた。頼もしい一振りに、指揮官の表情も緩んだ。勝てば今季初の貯金生活だったが投打がかみ合わず、1日で借金生活に逆戻り。なかなか波に乗れなくても、悲観する状況ではない。「まだ明日勝てばカードを勝ち越せる。明日に向けて準備したいです」。背番号1が、大きな背中を伸ばして言った。【柏原誠】

◆広島が、セ・リーグワーストタイ記録の4試合連続完封負けの4連敗から脱出した。初回に阪神の先発伊藤将から37イニングぶりの先制点を挙げた。2回には連打で一挙5得点とリードを広げた。また今季の4連敗と同時に、昨季のCSを含めて甲子園での11連敗もストップ。新井貴浩監督(47)の一問一答は以下の通り。-初回に得点して「そうだね、あの。うん。あの、初回かな。小園の1アウト3塁で二遊間が下がって。内野下がってね。あの。ショートゴロ見て小園...。小園も成長したなっていうかね、そう感じたショートゴロです」-1点をとらないといけない「なんとか得点できない日が続いていたので、もちろん彼も守備の陣形っていうのはね、頭に入っていたと思うし、まだ。1ストライクだったけど追い込まれていないのに狙って、ショートゴロ打ちにいって。そういう、なんていうんかな。いろんなね、いろんなものを背負っての打席だったと思うのでね。小園は。見ていて成長を感じたというか。彼の。いいバッティングだったと思いますよ(笑い)。」-初回のバントは今季初「ツーベースだったので。ね。こういうなかなか点が入っていなかったので、そこはもう、ああいう形にしました」-先に1点とって會澤さんの2点目に「本当、重苦しいね、空気だったので。今日はベテランのアツ(會澤)の力を借りようと思ってスタメンでいったんですけど、本当打つ方も守る方もだね、攻守で引っ張ってくれたと思います。はい」-アドゥワ投手も両サイドを尽きながら「アドゥワもナイスピッチングだったと思いますよ。それもね、アツ(會澤)が的をしぼらせなかった、と思いますよ。緩急をつけながら。アドゥワもナイスピッチングだったし、アツもナイスリードだったと思います。はい」-1点入れば空気が変わると言っていた「ベンチの空気も変わったし小園がね、いろんなものを背負ったショートゴロだったと思いますよ」-新井監督自身が連敗中でも立ち振る舞いに変化や意識はあったか「ずっと応援してくれているファンの方には、4試合連続完封負けで、そこは喜ばせてあげられなくて申し訳ないという気持ちはあったんですけど、僕自身は『何でも来い』と思っていたから。別に意識して変えようとは思っていないし、そこはね。いつも通り。もちろん応援しているファンの皆さんには、申し訳ないな、喜ばせてあげられなくて、ずっと点がとれなくて盛り上がれる場所がなくて。申し訳ないという気持ちはあったけど、自分はね、何でも自分に来いと思っていたから。別に立ち振る舞いは意識して変えようとは思っていなかったです」-昨年CSファイナル含めて11連敗で甲子園で久しぶりの勝利「あのレフトスタンドの小さな一角で、一生懸命応援していただいて。なかなか勝ちを見せられなかったんで、今日久しぶりに甲子園で勝ちを見せられてほっとしている」-今季最多の13安打「最初の小園のショートゴロがみんなの気持ちを楽にしたと思います。ショートゴロで1点入ったっていうのがみんなの肩の荷が楽にさせたとういうかね。あそこでパカーンと打ち上げていたら、さらに重苦しい雰囲気になっていた。追い込まれていないけど、何とかショートゴロを打ちにいって、あの小園がいいバッティングだったと思いますよ」-初回に1点が入って2回以降は機動力も使いやすくなった?「そこは1点入ったからじゃなしに、チャンスがあればどんどん動かしていこうと思っていたんで。なかなか、そういう機会がなかなか作れていなかったので、それはずっと思っていましたよ。何かあったらやってやるぞって」-経験豊富な選手が奮闘した「やっぱりチームがね、いけいけの雰囲気の時はいいんですけど。こういうなかなかうまくいかない、投打がかみ合わない日が続くと、そこは経験があるベテランの力っていうのが大切になってくるんで。今日出たベテラン、中堅の選手がよく期待通りにやってくれたと思います」

◆"虎のウルシ"が、あいさつ代わりの好救援だ。阪神漆原大晟投手(27)が、タテジマでの甲子園デビュー戦で、3回1安打無失点の好リリーフ。一方的な展開をしっかり締め直した。先発伊藤将がまさかの2回6失点KO。だが2番手で3回からマウンドに上がり、思い空気を一変させた。3、4回は難なく3人斬り。3イニング目の5回は2死から堂林に中前打を浴びたが、秋山を中飛に打ち取り0を刻んだ。最速は150キロを計測し、4奪三振。連日超満員の虎党の前で、堂々と光り輝いた。「早い回からの登板でしたけど。先というよりは、1人ずつ1イニングずつというイメージでいけた。結果、3回投げ切れたのでよかったと思います」登板は今季3試合目。2日DeNA戦(京セラドーム大阪)から中7日で迎えた。ビハインドや回またぎなど幅広い役割に対応し、開幕から無失点投球を継続。防御率0・00の安定感を誇る。愛称は「ウルシ」。今や虎のリリーフ陣に欠かせない存在になっている。「どこの場面でも立場でも、やることは変わらない。1試合1試合、1人1人の積み重ねになってくると思うので。任されたところでしっかり結果を出していくのが今やるべきこと。まずは、目先の試合をしっかり抑えることだけ考えてやっていけたら」昨年12月、現役ドラフトの2期生として阪神に移籍した。オリックス時代の22年は1軍登板なしでシーズンを終え、昨季は16試合登板にとどまる中で新天地に招かれた。阪神では23年に同制度で移籍した大竹が、いきなりチームトップの12勝。漆原も「あとに続けるように」と、"先輩"に続く活躍を誓い、シーズンでの快投につなげている。ビハインドでも聖地の大声援は変わらない。「アウトを取った時だったり(ベンチに)帰ってきた時の温かい声援がある。その歓声を1回でも多く今シーズン聞けたらいいなと感じました」。快投を積み重ね、これから何度も聖地を沸かせてみせる。【波部俊之介】

◆広島が快勝で連続完封負けを4試合で止めた。1回1死三塁で小園の遊ゴロの間に37イニングぶりに得点。これで呪縛が解けた。新井監督は「追い込まれていないのに、狙ってショートゴロ打ちにいって。見ていて成長を感じたというか、いいバッティング」と笑顔。0敗なら1953年(昭28)に大映が喫した5試合連続のプロ野球記録に並んでいた一戦で、チームを乗せた背番号51をたたえた。2回はもう押せ押せだ。指揮官が「苦しいときにベテランの力を借りよう」と5試合ぶりにスタメン起用した会沢が左翼線への適時二塁打で2点差に拡大。「そういうところが僕の役割。勝てたのが一番」と胸を張った。この回、一挙5得点で伊藤将をKOした。チームはこれまでのうっぷんを晴らすように、今季最多の13安打。昨年5月から続いていたCSを含む甲子園での連敗も11で止めた。「点が取れなくて盛り上がれる場所がなくて。申し訳ない気持ちがあった」という新井監督もホッとひと息だ。「あのレフトスタンドの小さな一角で、一生懸命応援していただいて。なかなか勝ちを見せられなかったんでほっとしています」。最下位も脱出。反撃の1勝にする。【中島麗】

◆阪神は今季11試合目で早くも9通り目の打順を組んだ。昨年の同時期は6パターンで、頻繁に打順が変わる苦肉の策がうかがえる。特にクリーンアップに関しては、開幕5戦目まで(3)森下翔太(4)大山悠輔(5)佐藤輝明で固まっていたが、6戦目の4日DeNA戦からの6試合で5通り。この間2試合連続の同じパターンはない。

◆阪神は伊藤将司投手(27)が先発する。シーズン初登板だった3日のDeNA戦(京セラ)は7回5安打2失点の好投で勝利投手。開幕から2試合連続で勝ち投手となれば自身初だ。打線は「3番・左翼」に前川右京外野手(20)が入り、2試合ぶりにスタメン復帰。チームは勝てば今季初の貯金1。現在、監督通算勝利数を483としている岡田彰布監督(66)は、この試合に勝てば吉田義男氏と並んで球団歴代2位の監督通算勝利数となる。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(27)が一回に先制点を献上した。セ・リーグワーストタイ記録の4試合連続零敗を喫していた広島打線に37イニングぶりの得点を許した。先頭の野間に一塁線を破られる二塁打を浴びると、菊池は犠打で1死三塁。前進守備を敷かず、通常の守備位置で守っていた内野陣に対し、小園が遊ゴロを放って、わずか6球でホームを踏まれた。伊藤将は前回登板の3日・DeNA戦(京セラ)でも一回、二回と失点。立ち上がりに課題を残している。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(27)が目覚めた広島打線に捕まった。0-1の二回、1死から上本に右前にポトリと落ちる一打を浴びて出塁を許すと、続く会沢の二塁打であっさり追加点を献上。田村を三ゴロで2死とし、相手先発のアドゥワを打席に迎えた。4球目、完全に詰まらせた打球は二遊間へ。打球はそのまま二塁ベースに直撃し、記録は二塁内野安打となった。2死一、三塁とされ、野間に右前打を浴びると、菊池に2点二塁打。さらに小園にも適時打を浴びて、この回なんと5失点。一回に37イニングぶりの得点を許し、目覚めた広島打線の勢いを止められず、序盤から0-6と大量リードを許した。

◆阪神タイガースWomenで主将を務める三浦伊織外野手(32)が、試合前の始球式を務めた。「侍ジャパンDAY」として行われたこの日、女子日本代表への選出経験がある三浦が侍ジャパンのユニホームで登板した。昨年6月に甲子園で行った始球式では高めにボールが抜けたが「反省を生かしてコントロール重視で投げた」という投球はさすがのド真ん中ストライク。「女子日本代表としてこのユニホームを着てアピールができた。これからもっと多くの方に女子野球を知ってもらえれば」と声を弾ませた。女子日本代表は7?8月に開催される第9回WBSC女子野球ワールドカップ・ファイナルステージ(カナダ・サンダーベイ)に臨む。

◆先発した阪神・伊藤将司投手(27)は2回8安打6失点でマウンドを降りた。2回での降板は2022年9月21日の広島戦(甲子園)で1回1/3を5安打4失点で降板したときに次ぐ短さ。6失点は2022年3月30日の広島戦(マツダ)以来の自己ワーストタイ、自責6はプロ4年目で自己ワーストだった。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が0-6の四回に左中間へ3号ソロを放った。アドゥワの144キロ直球を振り抜いた。打球は左中間スタンドへ一直線。大量ビハインドの中、3日のDeNA戦(京セラ)以来となる一撃で反撃ムードを醸し出した。屈指の勝負強さで印象的な一打が目立つ森下だが、試合前の時点で打率・147。9日の同戦は4打数無安打に終わり、この日はスタメン出場した試合では今季初めて3番から6番に打順を下げていた。

◆阪神ファンが息をのんだシーンも判定が覆った。1-6で迎えた六回。マウンドには3番手の浜地が上がった。1死から会沢に対して6球目、高々と舞い上がった打球は右翼への大飛球。ポール際に消えた打球に一塁塁審の白井がホームランを宣告した。ため息と悲鳴が充満した甲子園。岡田監督は一塁ベンチから身を乗り出して首をかしげる。すると、審判団が集まって協議。会沢はダイヤモンドを一周し、ベンチへと戻っていたが、主審の敷田が判定を覆してファウルを宣告した。浜地は会沢を見逃し三振。田村にヒットを許したが、アドゥワを三振で無失点で切り抜けた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が1-6の六回2死一塁で左中間を突き破る適時二塁打を放った。アドゥワの135キロカットボールを捉えた。佐藤輝は6日のヤクルト戦(神宮)以来の打点。タイムリーは3日・DeNA戦(京セラ)以来。佐藤輝の一打で反撃ムードを作った阪神打線は、代わった益田から森下が四球、梅野が右前打で2死満塁と一発出れば同点の好機を作って、打席には代打・ノイジー。球場のボルテージは最高潮に上がったが、ノイジーは三ゴロに倒れた。

◆今季初の貯金を目指した阪神だったが、先発の伊藤将司投手(27)が序盤から広島打線につかまり2回6失点KO。借金生活に逆戻りした。四回には森下翔太外野手(23)が左中間へ3号ソロ。森下は昨季ポストシーズンも含めて甲子園で5本塁打を放ってチームも5戦全勝だっただけに、逆転へつなげたかったが〝不敗神話〟も途切れてしまった。一回表 先発の伊藤将は、先頭の野間が右翼線二塁打を許す。菊池の投前犠打で1死三塁とされ、続く小園の遊ゴロ間に先制を許す。広島にとっては37イニングぶりの得点となった。続く堂林が放った三塁線への当たりを三塁・佐藤輝がつかめず(記録は三塁内野安打)2死一塁となるが、ここで堂林の二盗を梅野が阻止する。神0-1広一回裏 広島の先発・アドゥワに対し、阪神は1番の近本がいきなり中前打。4試合連続安打とする。中野は中飛に倒れ1死となるが、続く前川が一塁・堂林のミットをはじく内野安打でつなぎ一、二塁となる。ここで大山は見逃し三振。佐藤輝も一、二塁間への当たりを一塁・堂林に好捕され、チャンスを逃す。神0-1広二回表 伊藤将は先頭・秋山のゴロに鋭い反応を見せ投ゴロに打ち取る。だが、上本に右前打を許すと、続く会沢に左翼線へ適時二塁打を運ばれ、追加点を与えてしまう。なおも1死二塁で田村は三ゴロに打ち取るが、続くアドゥワが放った投手上方へのハーフライナーが、二塁キャンバスにダイレクトで当たって内野安打となってしまう。アドゥワにとって2019年以来5年ぶりの安打で、伊藤将は2死一、三塁とピンチが広がってしまう。ここで野間にも右前適時打を許し、3点目を失う。なおも2死一、二塁で菊池にも左中間を破られる二塁打を許し、一気に2者が生還。さらに2死二塁で小園にも左前適時打を浴びて、6点目も失う。続く堂林は三ゴロに打ち取って攻撃終了。この回、打者9人の猛攻を受けて5点を失った。神0-6広二回裏 先頭の森下が左越え二塁打を放つ。森下は今季の6安打目で、うち5安打が長打(本塁打2、二塁打3)となった。梅野もストレートの四球を選んで無死一、二塁とするが、ここで木浪が二ゴロ併殺に倒れる。阪神は前夜も3併殺を喫しており、直近6試合では9つ目の併殺打となった。なおも2死三塁で伊藤将に送られた代打・小野寺は空振り三振に倒れ、反撃ならず。神0-6広プロワーストの自責6で2回KOとなった阪神・伊藤将 「決めに行ったボールも甘くなってしまい相手の流れを止めることができませんでした。早いイニングで交代となり、ゲームを作ることができずに申し訳ないです。」三回表 阪神はこの回から2番手の漆原が登板。先頭の秋山は三振に斬り、続く上本は遊ゴロ。会沢は右飛に打ち取り三者凡退で切り抜ける。神0-6広三回裏 6点を追う阪神は1番からの好打順だったが、先頭の近本が三振。中野も一ゴロ、前川も空振り三振で三者凡退に終わる。神0-6広四回表 漆原はこの回も田村を三振、アドゥワを一ゴロ、野間を三振に斬って2イニングをパーフェクトに封じる。神0-6広四回裏 先頭の大山が放った三遊間へのゴロは、遊撃・小園に滑り込みながら鮮やかに処理され1死となる。続く佐藤輝は三振に倒れるが、続く森下が左中間へ3号ソロを放ち1点を返す。続く梅野は三振に倒れ攻撃終了。神1-6広四回に3号ソロを放った阪神・森下 「打ったのはストレート。とらえた感触も良かったですし、しっかり自分のスイングができました。このあと、逆転できるように頑張ります!」五回表 3イニング目のマウンドにのぼった漆原は、菊池を三振、小園は二飛に斬る。続く堂林に中前打を浴びたが、続く秋山を中飛に打ち取る。神1-6広五回裏 阪神は木浪、代打・小幡、近本がアドゥワの前に3者連続三振に終わる。五回を終え、神1-6広六回表 阪神はこの回から3番手の浜地が登板。先頭の上本は二飛に打ち取るが、続く会沢に右翼ポール際の大飛球を浴びる。一塁塁審が頭上で腕を回して本塁打と判定され、会沢はダイヤモンドを一周したが、審判団の協議の結果ファウルに判定が覆る。新井監督が敷田球審と言葉をかわすが、すぐにプレー再開。打席に入り直した会沢は、見逃し三振に倒れる。2死走者なしから田村は三塁線を破る安打を許すが、続くアドゥワは空振り三振に斬って事なきを得る。神1-6広六回裏 先頭の中野が右前打を放つ。続く前川は左翼ポール際への飛球を放ったが、左翼・秋山にフェンスに飛びかかりながら好捕され1死となる。大山も中飛で2死一塁となるが、ここで佐藤輝が左中間を破る適時二塁打を放つ。2-6と阪神が追い上げ、ここで広島は先発のアドゥワが降板。2番手の益田がマウンドに上がる。なおも2死二塁で森下はフルカウントから四球を選ぶ。一、二塁から、梅野にも右前打が出て満塁となる。ここで岡田監督は投手の浜地に代打・ノイジーを送るが、ボテボテの三ゴロに倒れ3者残塁。神2-6広七回表 阪神はこの回から4番手の島本が登板する。先頭の野間は左飛に打ち取るが、菊池に中前打を許す。小園の二ゴロ併殺崩れで2死一塁となり、続く堂林のこの日3安打目となる左翼への安打で一、三塁となる。ここで秋山を空振り三振に斬り、ピンチを切り抜けた。神2-6広七回裏 広島はこの回から3番手の塹江が登板。代打での途中出場から遊撃守備に入っている小幡は、先頭でボテボテの二ゴロに倒れる。続く近本は空振り三振。中野も高いバウンドの遊ゴロに終わり、三者凡退で攻撃終了。神2-6広八回表 阪神は5番手の岡留がマウンドに上がる。先頭の上本は投ゴロ、会沢は左飛、田村は三振で三者凡退で切り抜ける。神2-6広八回裏 広島は4番手の島内が登板する。阪神は3番・前川からの好打順だったが、前川と大山は連続で空振り三振に終わる。大山は最近4試合で9個目の三振。2死走者なしから佐藤輝、森下が連続で四球を選び一、二塁となる。ここで梅野は空振り三振。チームでこの日14個目の三振を喫する。神2-6広九回表 阪神は岡留が2イニング目のマウンドに上がる。先頭の代打・宇草は三振、野間は遊ゴロで2死とする。菊池に左中間二塁打を浴びたが、続く小園は二ゴロに打ち取る。神2-6広九回裏 広島は5番手の矢崎がマウンドへ。阪神は先頭の代打・糸原が四球を選ぶ。しかし、続く小幡が二ゴロで二塁封殺。近本も左飛で2死一塁となる。中野が四球で歩き2死一、二塁となるが、前川が中飛倒れ試合終了。今季初の貯金を目指した阪神だったが、5勝6敗となり借金に逆戻りした。

◆阪神は広島に敗れ、昨年5月20日から続いていた甲子園での広島戦での連勝は11でストップとなった。先発の伊藤将司投手(27)が4試合連続無得点だった広島打線に捕まる。一回に長打から1点を失うと、二回には6安打を集められ一挙5失点。今季先発陣最短となる2回8安打6失点で降板した。打線は四回に森下翔太外野手(23)の3号ソロ、六回に佐藤輝明内野手(25)の適時二塁打と反撃するも届かず。広島投手陣の前に13奪三振を喫し、一夜にして借金生活に後戻りとなった。

◆広島は連敗を4で止め最下位を脱出した。一回、二塁打で出た野間が内野ゴロの間に生還。二回は野間や菊池の適時打など6安打で5点を挙げた。アドゥワが5回2/3を2失点で2勝目。阪神の伊藤将は制球が甘く2回で8安打を浴びた。

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(80)が、4打数無安打2三振で開幕から11試合&44打席に渡って本塁打ゼロの阪神・大山悠輔内野手(29)に言及した。大山は体が大きくなり過ぎている。下半身を故障して走ることができないからか、ウエートトレの影響か、バットの軌道を邪魔している。昔、清原がそうだった。外国人に負けたくないという理由で体を鍛え過ぎた。それで打球が飛ぶのであれば、お相撲さんが一番、野球がうまいはず。そうではない。内からバットが出てこなくなり、打球が伸びない。すべてが力任せに映ってしまう。バットは鞭をしならせるように使わないとダメ。内角球に詰まることを恐れてバットを早く出そうとしてしまうと、悪循環に陥る。今の大山の状態がこれ。もちろん本塁打は出ない。岡田監督にとって4番・大山を簡単には外せないし、大山自身も試合に出続けながら状態を上げていきたいはず。膝と思われる故障箇所は日にち薬。それまでに他の選手がカバーしなきゃいけないのだが、今の打線は「線」になっていない。 昨年までのしつこい野球はどこにいったのか。四球を選び、相手投手に一球でも多く投げさせ、下位打線でもチャンスメークする。こういう意識が選手に欠けているように見える。確かに伊藤将は2回で6点を失った。しかし、1点ずつでもコツコツ返せば連敗中の広島は重圧に感じたはずだ。大山が万全であればビッグイニングを作れるが、今はそうじゃない。シーズンは長く、勝ち負けの繰り返し。夏場までは勝率5割をキープすればいいと思う。今のうちに選手がオカダ野球を見直すこと。〝一日一善〟でいい。真綿で首をしめるような攻撃をしてほしい。

◆一回、見逃し三振に倒れる阪神・大山悠輔。最近4試合で9三振と精細を欠いている=甲子園球場(撮影・斉藤友也)

◆今季初の貯金を目指した阪神だったが、先発の伊藤将司投手(27)が4試合連続無得点だった広島打線に捕まり2回6失点KO。ポストシーズンも含めて昨年5月20日から続いていた甲子園での広島戦での連勝は11でストップし、借金生活に逆戻りした。主な選手、コーチのコメントは以下の通り(成績=5勝6敗、観衆=4万2560人)。森下を6番起用するなど打順が定まっていないかと問われた阪神・平田ヘッドコーチ 「それは森下とかを生かそうというあれにしているだけで、定まっていないとかいうことじゃない。適材適所じゃないかと。今の森下は6番だと打っている」先発し2回6失点でKOされた阪神・伊藤将 「(球が)真ん中に集まっていたので、それを打たれました」KOされた伊藤将について阪神・安藤投手コーチ 「状態はまあまあ、いい状態ではないね。(次回登板について問われ)それは終わったばかりなので分からない」伊藤将の投球について阪神・梅野 「先制を取られたけど、そのあとは前回同様に何とか粘れたらと思ってやろうと思ったら、ダダダッと連打を食らって、結果的にこうなっていた。今回は粘り切れず、ゲームが早い段階で6失点を食らったのは反省」2番手で三回から登板し、3回を1安打無失点に封じた阪神・漆原 「早い回の登板でしたけど、前回も回またぎしましたけど。先というよりは1人ずつ1イニングずつっていうイメージでいけたので。結果3回を投げ切れたので、そこは良かったかなと思います」3番手で1回0封。一度は本塁打と判定された会沢の右翼ポール際への当たりがファウルに覆った阪神・浜地 「僕が見ていてもファウルかなぁ、と思ったんで、判定がくつがえることを祈っていた感じでした」六回に左中間へ適時二塁打を放った阪神・佐藤輝 「しっかり振っていこうと思って、いい打撃が出来たと思います」4打数無安打2三振に終わった阪神・大山 「明日もしっかり準備して打てるよう頑張ります」四回に左中間へ3号ソロを放った阪神・森下 「自分に求められてるものって言ったら、初球からガツガツいけるのと、ああいうところでホームラン打てるところだと思う」4点を追う六回2死満塁で代打として登場するも三ゴロに倒れた阪神・ノイジー 「いいボールが来たらしっかり打っていこうと思ったが打ち損じてしまいました」

◆劣勢の展開でも力いっぱい腕を振った。オリックスから現役ドラフトで新加入した阪神・漆原大晟投手(27)が〝甲子園デビュー〟。3回1安打無失点、4奪三振の力投が光った。「アウトを取ったとき、イニングが終わって帰ってきたときに温かい声援を感じた。その歓声を一回でも多く今シーズン聞けたらいいなと改めて感じました」先発・伊藤将の乱調で三回から登板。2日のDeNA戦(京セラ)以来のマウンドも落ち着いていた。三、四回は三者凡退。五回は2死一塁で秋山をフォークで中飛に仕留めた。オリックス時代を含めても甲子園の1軍公式戦出場は初。現状はビハインドの展開での登板が続くが「どこの場面でも立場でもやることは変わらない。目先の試合を抑えることだけを考えてやっていきたい」と腕をまくる。虎にまた頼もしい新戦力がやってきた。(原田遼太郎)

◆阪神・浜地真澄投手(25)は3番手で六回を無失点。「(今季)2試合目で、ちゃんと修正しないといけないなと思った。そこはできたのでよかった」とうなずいた。会沢に右翼ポール際にはじき返され、一度は本塁打の判定だったが、審判団の協議の結果ファウルに。「覆ることを祈っていた」と仕切り直して見逃し三振に仕留め、その後も安打で走者を背負っても後続を斬った。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)は、一回1死一、二塁の好機で見逃し三振に倒れるなど4打数無安打。2三振を喫し、セ・リーグワーストの16三振となった。ここまで打率・200(44打数8安打)、本塁打はゼロと苦しんでいるが、虎の4番としてはね返していくしかない。「あしたもしっかり準備して打てるよう頑張ります」と言葉少なに引き揚げた。

◆甲子園が深いため息で包まれた。阪神・伊藤将司投手(27)が思いもよらぬ大炎上。2回8安打6失点でのKOを猛省した。「決めにいったボールも甘くなってしまい、相手の流れを止めることができませんでした。早いイニングで交代となり、ゲームを作ることができずに申し訳ないです」一回1死三塁で、小園の遊ゴロの間に先制点を献上。たった6球で主導権を握られると、二回はまずエンドランを仕掛けられて会沢の左翼線適時二塁打で2失点目。さらに完全に打ち取ったアドゥワのハーフライナーが二塁ベースに当たって弾む不運な内野安打を含めた4連打で一気に0―6と突き放された。前日までセ・リーグのワーストタイ記録の4試合連続零敗と眠っていた鯉打線を目覚めさせてしまった。6失点は自己ワーストタイで、2回でのKOは1回?で交代を告げられた2022年9月21日の広島戦(甲子園)に次ぐ早い回での降板。安藤投手コーチは次回登板について「それは終わったばかりなので分からない」と話すにとどめたが、チームにとって頼みの左腕だけに、一刻も早く状態を上げなければならない。(須藤佳裕)

◆阪神・梅野隆太郎捕手(32)は、伊藤将司投手(27)の悔しい結果をともに受け止めた。「粘り切れず、早い段階で6失点を食らったのは反省」。一回には強肩で堂林の二盗を阻止し、三回以降はリリーフした4投手と無得点。バットでも六回2死一、二塁でしぶとく右前打を放った。「最終的には負けてしまったけど、またいいゲームができるようにやりたい」と引きずることなく戦う。

◆2試合ぶりに3番で出場した阪神・前川右京外野手(20)は、一回に一塁強襲の内野安打を放った。六回は外角低めの球をうまく捉えるも、左翼・秋山がフェンス際で好捕。5打数1安打に終わり「(内容は)ぼちぼち。よかったこと、悪かったことの反省をしっかりしてまたあした挑みたい」と前を向いた。

◆普段、ガミガミいう会社の上司が「おはよう」とニコリとしながら、シャツのボタンを外す。下着も飛び出して、何ともだらしがない。こちらも同じような格好だけど、年に何度かある健康診断の日が何となく好きだ。読者の皆さんはお分かりかと思うが、われわれ新聞社は休刊日を除き、ほぼシフト制で動いている。つまり〝華金〟のようにみんなで飲みにいく習慣はあまりない。そりゃ年に一度ぐらいの忘年会ぐらいはあるが、それも深夜スタートで2時間ほど。エライ人もそうじゃない人も、まるで温泉につかるように〝よろい〟を外して、ああだこうだと語れるのは意外にも健康診断の日である。「入社1年目の頃、採血をされているときに気持ちが悪くなって倒れたことがあるんですよ。それ以来、採血では、ずっと目を背けていますね」小さな正方形の止血テープをつけながら編集局に戻ると、虎番の須藤佳裕が笑いながら話し掛けてきた。確かに昔は平気だった注射が今は怖くなっている。恐怖心からなのか、頭の中で血管にブスッと刺さる様子が頭の中で描かれ、それにより痛みを余計に感じたり...。血管が細く...いや、心が細くなってしまったのかしらん。年なのか。「そういえば、金本さんが1試合、3打席連発をした日ですね」須藤はおもむろに虎の歴史を出してきた。あのなぁ...こっちは朝から飲まず食わずで、体重計に乗ってはため息ばかり。辞書をひもとくような気力はなかったが、野球小僧はノンストップだった。

◆クソ~、阪神が負けたア! 貯金ができんやんけー!! 伊藤将は2回6失点...。顔も見たくないわー!(怒) でも打たれても修正できるレベルの投手だから、次は3安打完封で許したるわ!!社会は、年を重ねて実績のある者をしからなくなる。だから俺はアレンパのために、岡田さん(66歳)の采配にあえてムチをパシーンと入れたるわ!!広島は試合前まで4試合、得点がなかったのに、一回1死三塁の守備で、阪神はなぜ内野ゴロで1点OKの守備を指示する!? 結果、小園の遊ゴロの間に失点。結果はともかく、ゴロでは得点できない前進守備でプレッシャーをかけたれよ!!二回無死一、二塁の攻撃では8番・木浪の次打者、9番・伊藤将に代打を送るなら、木浪はバントでええやん。結果、打たせてゲッツー。早い回に1点でも取られるのは、連敗中のチームは嫌なものなのだ!!そして六回2死満塁。4点を追う展開だったから代打ノイジーの一発にかけたけど三ゴロ。真綿で首を絞める(時間をかけて窮地に追い込むようなさま)野球をやるべきなのだ!! 岡田はん、欲をかいたらいいことないで。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
中日
731 0.700
(↑0.033)
-
(-)
13231
(+6)
22
(+1)
5
(-)
1
(-)
0.236
(↑0.019)
1.850
(↑0.09)
2
(-)
DeNA
650 0.545
(↓0.055)
1.5
(↓1)
13231
(+1)
36
(+6)
3
(-)
5
(+1)
0.237
(↓0.011)
2.780
(↓0.33)
3
(-)
巨人
550 0.500
(-)
2
(↓0.5)
13327
(-)
23
(-)
5
(-)
3
(-)
0.246
(-)
2.000
(-)
4
(1↓)
阪神
560 0.455
(↓0.045)
2.5
(↓1)
13230
(+2)
37
(+6)
10
(+1)
4
(-)
0.226
(↓0.001)
2.780
(↓0.33)
5
(1↑)
広島
460 0.400
(↑0.067)
3
(-)
13323
(+6)
24
(+2)
1
(-)
4
(-)
0.228
(↑0.015
2.380
(↑0.04)
6
(1↓)
ヤクルト
351 0.375
(-)
3
(↓0.5)
13430
(-)
30
(-)
3
(-)
6
(-)
0.244
(-)
3.040
(-)