ヤクルト(★3対4☆)阪神 =リーグ戦2回戦(2024.04.06)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:大竹 耕太郎(1勝1敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝0敗2S))
敗戦投手:吉村 貢司郎(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】近本 光司(2号・4回表ソロ),佐藤 輝明(2号・7回表2ラン)

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◆阪神が接戦を制した。阪神は2点を追う4回表、近本のソロと大山の適時打で同点とする。そのまま迎えた7回には佐藤輝の2ランが飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、先発・大竹が6回2失点の好投で今季初勝利。敗れたヤクルトは、打線が好機を生かしきれなかった。

◆阪神岡田彰布監督(66)が、試合前練習で木浪聖也内野手(29)と会話をかわした。遊撃でノックを受ける木浪に歩み寄り、ときおり身振りもまじえていた。普段はコーチを介して選手にアドバイスなどを送る指揮官だが、試合前練習で直接選手と会話する珍しいシーンだった。

◆前日5日に延長10回の末に劇的逆転勝利を飾った阪神は2日連続白星なるか。ヤクルトとの2戦目へ、スタメンが発表された。.「5番左翼」では、前川右京外野手(20)が出場。前日5日のヤクルト戦(神宮)でも代打で右前打を放った。また、小幡竜平内野手(23)が「8番遊撃」で今季初スタメン。前日にV弾を決めた佐藤輝明内野手(25)は3戦連続で「6番三塁」で出場する。同日にヤクルト西川と激しく交錯した大山悠輔内野手(29)も「4番一塁」でスタメン起用され、出場に問題はない模様だ。先発は、大竹耕太郎投手(28)。開幕2戦目以来の登板で、今季白星を狙う。

◆阪神の攻撃前、神宮で連日の応援に関する注意のアナウンスが放送された。「観戦マナーのお願い」と題し、ビジョンに文字が並んだ。「『チーム、選手を誹謗(ひぼう)中傷するようなヤジ』や『屈辱的な替え歌の合唱』はお止め頂きますようお願いいたします。選手を勇気付ける温かいご声援をよろしくお願いいたします」とアナウンスされた。

◆卓球女子で五輪3大会連続のメダルを獲得し、昨年5月に現役を引退した石川佳純さん(31)が、始球式に登場した。サウスポーから近本光司外野手(29)の外角へワンバウンド投球を見せた。試合前には虎ナインとの交流も見られた。近本と談笑。小野寺暖外野手もあいさつしていた。

◆卓球女子で五輪3大会連続のメダルを獲得し、昨年5月に現役を引退した石川佳純さん(31)が、ヤクルト-阪神で始球式を務めた。始球式前の練習では同じ左の球界最年長44歳石川雅規投手と神宮こぶし球場で入念に練習で準備し、大舞台に備えた。背番号「2024」のヤクルトのユニホームを着込み、大歓声を受けながら登場。ボールはストライクゾーンから大きく外れワンバウンドする形となったが、笑顔いっぱいで大役をまっとうして拍手を受けた。また、フジテレビ系「パリ2024オリンピック」中継のスペシャルキャスターに就任すると発表され、「4年に1度の大舞台、パリでの熱い戦いを全力でお伝えできればと思います」とコメントした。現在はバドミントン、スケートボード、新採用のブレイキン(ブレイクダンス)などの事前取材を熱心に行い、大会本番に向けて準備している。「パリではできるだけ多くの競技会場に行ってみたいですし、オリンピックを迎えるパリの雰囲気、現地の人や世界中から来ている人がどのようにオリンピックを楽しんでいるのか、そういったことに触れられることが今からとても楽しみです」と意気込んだ。

◆阪神近本光司内野手(29)が今季2号ソロを放った。先発大竹が2点を先制された直後の4回。先頭でヤクルトの先発、吉村に2球で追い込まれながら、ボール球を見極め、5球目だ。131キロのカットボールを完璧にとらえて右翼スタンドに運んだ。3日DeNA戦(京セラドーム大阪)以来となる本塁打を決めた。「追い込まれていましたが、うまく打つことができました。先制された直後に点数を返すことができてよかったです」阪神はここまで8試合で8本塁打と、両リーグトップ。さらにこの回、2番中野の中前打、3番森下の四球で無死一、二塁となり、4番大山が右前に同点打を放った。前日に12安打7得点で延長10回を制した打線がこの日もつながった。

◆今季初めて「8番遊撃」で先発出場した小幡竜平内野手(23)がファインプレーで起用に応えた。2-2の6回。先頭6番長岡の二遊間抜けようかという打球に飛びつき、グラブに収めた。開幕からこれまで7試合はいずれも木浪聖也内野手(29)が遊撃スタメン。若虎の今季初スタメン起用に応える美技に、虎党から拍手が送られた。

◆阪神が佐藤輝明内野手(25)の2日連続となる2号2ランで勝ち越した。2-2同点の7回、先頭の5番前川右京外野手(20)が9球目を中前にはじき返し、無死一塁で打席が回った。ヤクルト先発吉村の初球ストレートを完璧にとらえ、右中間スタンドへ豪快な1発を運んだ。「いいスイングができました。打った瞬間の感触もよかったけど、風もあったのでスタンドまで届いてくれてよかったです」前日5日のヤクルト戦では延長10回に今季1号の決勝弾を放った。背番号8が完全に目覚めた。

◆/虎が目覚めた\右中間の深いところへ佐藤輝明が勝ち越しホームラン?プロ野球 (2024/4/6)??ヤクルト×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #hanshin"野球一本" 新プラン登場「DAZN BASEBALL」 月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/17まで pic.twitter.com/cTIKFm4NTX

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が6回を5安打4奪三振3四球で2失点と粘投し、今季初勝利の権利を持って降板した。両チーム無得点の3回、5番サンタナの左前適時打、6番長岡の右犠飛で2点を先制された。それでも中盤は繊細な制球を取り戻し、追加点を許さなかった。打線が2-2の7回、6番佐藤輝が勝ち越し2ラン。大竹はこの回の打席で代打を送られた。「余計な四球から失点してしまった部分が反省ですが、その後しっかりと切り替えてバッターと勝負できたのは良かったかなと思います。長打が打てる打線なので、そこをケアしながら、単打ならOKと割り切って攻めることができました」現役ドラフトでソフトバンクから加入した昨季は21試合登板で12勝2敗、防御率2・26。今季初登板した3月30日巨人戦(東京ドーム)は5回3失点で黒星を喫していた。

◆阪神岡留英貴投手(24)が24年初失点を喫した。2点リードの7回裏に登板。代打宮本に四球を与えると、1死一塁から2番青木に左翼線二塁打を浴び、1死二、三塁から3番オスナの遊ゴロの間に失点した。2/3回を1失点で降板した。今春は2月の紅白戦から無失点投球を続け、シーズン初実戦となった4日DeNA戦も1回無失点。試合前時点で実戦10試合12イニング連続無失点だった。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)に連日の1発が生まれ、今季初の連勝を決めた。2-2の7回だ。先頭前川の右前打で無死一塁。6番佐藤輝が右腕吉村の直球を強振。打球は右中間スタンドへ一直線に吸い込まれる、2号決勝2ランとなった。前日5日のヤクルト戦でも、延長10回に今季1号となる決勝弾。連日のアーチで勝負を決めた。今季2戦目の先発となった大竹耕太郎投手(28)は3回に2点を先制されるも、その後は無失点。味方の逆転を呼び込む粘投で、今季初勝利を手にした。開幕カード巨人戦、次カードのDeNA戦は、ともに1勝2敗で負け越しが続いていた。まずは同一カード勝ち越しを決め、勝率を4勝4敗の5割に戻した。

◆ヤクルト青木宣親外野手(42)が、松井稼頭央(現西武監督)を抜いて歴代単独5位となる日米通算2706安打を放った。「2番右翼」でスタメン出場。2点リードされた7回1死一塁、右腕岡留の3球目に食らいつき、左翼線に二塁打を放った。1死二、三塁とチャンスを広げ、代走を送られてベンチに退いた。5回の第2打席では左前打を放ち、日米通算歴代5位タイの2705安打としていた。

◆「GIリレー」で試合を締めくくった。1点リードの8回に新助っ人のハビー・ゲラ投手(28=レイズ)が登板し、3者凡退で1回を無失点。9回には岩崎優投手(32)が登板し、無失点で今季2セーブ目を挙げた。打者6人での2回パーフェクトリレーとなった。前日5日ヤクルト戦では9回岩崎、10回ゲラのリレーで劇的な逆転勝利を演出。ゲラが来日初セーブを挙げていた。ともに連投となったこの日は、前日と逆の継投。開幕前に岡田監督は両投手でのW守護神プランも示唆。開幕8戦目にして早速、柔軟な継投策が実現した。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が、連日の決勝弾で2戦連続のヒーローに選出された。2-2の7回に試合を決める右中間への2号2ラン。手応えについては「もうちょっと飛ぶかなと思ったんですけど。ギリギリでした」と明かした。佐藤輝のヒーローインタビューでの一問一答は以下の通り-2試合連続のお立ち台「いや、もう最高です」-この歓声は「昨日に引き続き大きい声で応援してくださって。本当にありがたい限りです」-ホームランの手応えは「そうですね、もうちょっと飛ぶかなと思ったんですけど。ギリギリでした」-自身の状態は「いい状態だと思います」-今季初の連勝。チーム状態は「だんだん上がって来たんじゃないかなと思います」-ファンへ一言「明日も勝ちます!応援よろしくお願いします!」

◆ヤクルトの主砲・村上宗隆内野手(24)は、自己ワーストを更新する開幕から32打席でノーアーチとなった。第1打席は、初回2死二塁で四球。3回1死一、二塁の第2打席は右前打を放ち、満塁に好機を広げ、先制点のきっかけを演出した。続く第3打席の2-2の5回1死一塁から放った打球は高々と舞い上がったが、右飛だった。最終打席は2点を追う7回。1点を返し、2死三塁。一打同点の場面だったが、一ゴロに終わった。高津監督は「ホームラン出る、出ないはちょっとよく分からないんですけどね。本人しか分からないでしょうし、ちょっとバッティングの技術のことなんでよくわからないですけども、どうなんですかね。それだけでチームが勝つわけじゃないので、いい出塁だったり、ヒットであったり、守備も含めてね。一生懸命やっている結果、まだホームランになってないっていうところだと思いますけど」とフォローした。

◆最下位ヤクルトが、痛い4連敗を喫した。これで2カード連続の負け越し。勝率5割復帰を逃し、借金は2となった。先発吉村が3回まで無安打無失点も、2点リードの4回に近本に1発を浴びた。5、6回は3者凡退に抑えたが、7回に佐藤輝に2ランを許した。高津臣吾監督(55)は「(吉村は)いい時とねえ、なんていうかな、やられるイニングとすごいはっきりしてたね。球自体は非常に去年に比べていいしね。スタミナも少しずつついてきたとは思うけれども、ほとんどまっすぐ打たれてるのでもっと勉強するところはあるかなと思いますね」と苦言を呈した。前夜は3時間51分の延長戦を落としただけに、白星が欲しかった。高津監督は「まあズルズルいっちゃいけないってズルズルいってますね。もう是非、ズルズルズルと行かないように明日頑張り、明日止めたいなと思いますけど」と先を見据えた。

◆ヤクルト青木宣親外野手(42)が、現西武監督の松井稼頭央(48)を抜いて日米通算2706安打を放った。6歳年上の偉大なる先輩の記録を抜いたことに「すごく光栄なことです」と喜びをかみしめた。「2番右翼」で今季初のスタメン出場。2点を追う7回1死一塁。右腕岡留の3球目ツーシームに食らいつき、左翼線に二塁打を放った。1死二、三塁とチャンスを広げ、代走を送られてベンチに退いた。5回の第2打席でも左前打を放っていた。球界最年長44歳石川雅規投手から借りている「俺用になった」バットを自在に操り、今季初のマルチ安打をマーク。「とにかく自分のプレー機会に集中してやりましたけど、結果が出てよかった」と振り返った。守備でも見せた。今季初の守備機会は、NPB公式戦で初となる右翼の位置だった。ボールの見方やフェンスの感覚、傾斜など「神宮という場所はたぶん一番守りづらい」と感じているが、名前をコールされるたびに沸きかえるスタンドの興奮が勝った。「自分も待ち望んでいたこと」と実感を込めた。開幕から7戦を終えてチームは2勝4敗1分と最下位だが、元気バリバリ42歳は「まだ始まったばかり。とにかく自分たちがやってきたことをそのまま出すだけ。まだまだ先は長いですから、こんな時はみんなでやっていくことが必要」とベテランの口ぶりは頼もしいばかり。高津臣吾監督(55)は「元気に頑張ってくれましたね」とたたえながら、「この年でまたスタメンで出るというところがすごい。一番すごいところは精神力。そこはもう誰にもまねできないものを持ってる。やっぱりチームをピリッとさせますよ」と大絶賛。42歳ベテランの活躍が、不調のチームに活力を与えることを願った。【平山連】

◆阪神大山悠輔内野手(29)が力強いタイムリーで周囲を安心させた。2点を先制された直後の4回だ。1番近本の右越えソロで1点差に迫り、なおも無死一、二塁。1ボール1ストライクからヤクルト吉村の内角高め直球を押し返し、右前に同点打を運んだ。「もう1点1点というところだったので。良かったと思います。得点が入ったことが1番です」。すぐさま試合を振り出しに戻し、チームを落ち着かせた。下半身に張りを抱えた状態でシーズンイン。前日5日のヤクルト戦では一塁守備の最中、打者走者と激しく衝突して立ち上がれない場面もあった。一夜明け、体への影響が心配されたが、この日も元気にフル出場。何より150キロ前後の高め直球を踏ん張ってはじき返した打席内容に、首脳陣もホッとひと安心だろう。直近の4試合で16打数5安打、打率3割1分3厘と徐々に状態を上げている。昨季はリーグ最多の99四球と最高出塁率4割3厘も記録したが、唯一納得できた数字は4年ぶりに達成した全143試合出場だったという。今季もストップをかけられない限り、グラウンドに立ち続けるつもりだ。試合後は「まあ、勝てたことが1番なので」と柔らかな笑顔。泰然自若の4番は24年も猛虎打線の柱であり続ける。【佐井陽介】

◆阪神近本光司外野手が森下に並ぶチーム最多の2号ソロで反撃ムードを高めた。2点を先制された直後の4回無死。ヤクルト先発吉村のカットボールを完璧にとらえ、強い飛球で右翼席に運んだ。「追い込まれていましたが、うまく打つことができました。先制された直後に点数を返すことができてよかったです」。打線はこの回2得点で試合を振り出しに戻し、接戦を制した。シーズン自己最多は21年の10本塁打。昨季は8本塁打のリードオフマンが、今季は8試合終了時点ですでに2発を決めている。この日は3日DeNA戦(京セラドーム大阪)以来、3試合ぶりのアーチ。どこまで数字を伸ばすかにも注目が集まりそうだ。

◆阪神岡留英貴投手はプロ3年目で初ホールドを記録した。2点リードの7回裏に登板。先頭への四球と二塁打で1死二、三塁とされ、遊ゴロの間に失点した。2/3回を1失点。2月の紅白戦からの実戦連続無失点が10試合12イニングで止まったが、初ホールドに「あっそうなんですか」とびっくり。「(バトンを託した)島本さんに本当に助けられた。チームが勝てて良かったです」と安堵(あんど)した。

◆阪神島本浩也投手(31)が、さすがの火消しでピンチを救った。7回だった。2番手岡留が今季初失点を喫し、1点リードに迫られた2死三塁。4番村上を迎えた場面でマウンドに上がった。「全球、勝負球というか。全部、厳しいところに投げようと思って、思い切って投げました」。主砲相手に初球外角直球で見逃しストライクを奪取。フルカウントまでいったが、最後は再び直球で一ゴロに仕留めた。計6球で今季初ホールドを挙げ、ゲラ、岩崎への必勝継投を担った。昨季は勝負どころの火消し連発に、岡田監督から「島本さまさまよ」と評価された。今季は不調で開幕を迎えたが、シーズンは4試合無失点と完全復調。「左のところは僕がいけるように。しっかり抑えたいです」。昨季、対左打者の被打率は1割5分8厘。今季も左キラーぶりを発揮し、ピンチを救う。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)に連日の1発が生まれ、今季初の連勝を決めた。2-2の7回だ。先頭前川の右前打で無死一塁。6番佐藤輝が右腕吉村の直球を強振。打球は右中間スタンドへ一直線に吸い込まれる、2号決勝2ランとなった。前日5日のヤクルト戦でも、延長10回に今季1号となる決勝弾。連日のアーチで勝負を決めた。佐藤輝の2試合連続本塁打は、23年10月1日広島戦、4日ヤクルト戦の2試合連続本塁打以来8度目。シーズン1号からの2試合連続本塁打は4年目で初めて。昨年までの3年間で、シーズン1号を放った次の試合で12打数1安打、0本塁打、1打点、打率0割8分3厘と沈黙していたが、今季はその壁を破った。佐藤輝は通算70号。プロ4年目での到達は球団最速タイで、田淵幸一、岡田彰布と並んだ。

◆「ゲラザキ」でも「ザキゲラ」でもOK! 阪神が新助っ人ハビー・ゲラ投手(28=レイズ)と岩崎優投手(32)の鉄壁リレーで、1点リードを守り切った。この日は1点リードの8回、まずは右腕のゲラが登板。先頭の右のサンタナを遊ゴロに斬るなどぴしゃりと抑え、今季3ホールド目を挙げた。続く9回は左腕の岩崎が登板し、こちらも3者凡退で2セーブ目。コンビで2回パーフェクトリレーを決め、ハイタッチの列で喜び合った。前日5日ヤクルト戦は同点の9回に岩崎、1点をリードした延長10回にゲラが登板し、来日初セーブを挙げた。ゲラ→岩崎が基本パターンとみられるが、岩崎→ゲラもいける。開幕前に岡田監督は「(相手打線の)右左の関係でもええわけやからな」とダブル守護神構想を明かしていた。順番を入れ替えたこの日、その強みをしっかり証明した。 2投手の継投は4度目だが、オール無失点リレーでともに防御率0・00を誇る。相手打者との相性や左右など、展開を見ながら柔軟に両投手を起用できる終盤戦。昨季までなかった必勝パターンは大きな武器で、この日初めて連投も難なくクリアした点も頼もしい。岩崎は、自身の状態について「まだまだ。ぼちぼちです」と満足せず。ゲラは「今日も展開は違うけど、自分のすることは一緒。ゼロを並べることだね。今日のように3人で抑えられたのは、いい仕事ができたと思うよ」と胸を張った。左右の強力ストッパーで、僅差を守り抜く。【波部俊之介】

◆今季8試合目で初スタメンの阪神小幡竜平内野手(23)がファインプレーで起用に応えた。「8番遊撃」で出場。同点の6回、先頭長岡の二遊間抜けようかという打球に飛びつき、グラブに収めた。「その後に点が入ったので、よかったです」と充実だ。開幕から木浪が遊撃で先発していたが「常にスタートで出ることは意識してやっているので、頑張りすぎずにやりました」と準備はできていた。若虎の好守が勝ち越しの流れを引き寄せた。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が今季初勝利を挙げた。ヤクルト相手に6回5安打2失点の粘投。1月に左肩のガングリオン(良性のしこり)の除去手術を受けて出遅れたが、今季2度目の先発でしっかり勝ち切った。0-0の3回、1死から四球と連打で満塁のピンチを招くと、5番サンタナの左前適時打、6番長岡の右犠飛で2点を先制された。それでも4回以降は立て直し、3イニングで1安打。持ち味の制球力が光った。「崩れなかったことが大きいと思う。諦めずに投げることでチームは勝つし、自分も勝てる。1人1人勝負していく大切さをいま1度感じました」タテジマ2年目の今季は試練のスタートだった。昨季現役ドラフトでソフトバンクから移籍し、勝ち頭の12勝で38年ぶりの日本一に貢献。だが、オフの検査でガングリオンが見つかった。神経を圧迫し、筋肉が働きにくくなる場合もある厄介な症状だ。1月に除去手術を受けると、約2センチほどの脂の塊のようなものが出てきた。その影響で今春の沖縄・宜野座キャンプは調整が遅れた。2月10日にブルペンで初の本格投球を行うと「改めて普通に野球できるっていうのが、ありがたいことだなという、感覚はありました」と明かした。思うように投げられないもどかしい期間。向き合ったのは自分自身だった。自宅で瞑想(めいそう)の時間をつくって心身を整えてきた。「今季は楽しく投げることを大切にしたい」。イメージするのはマウンドで楽しさをかみしめながら投球する姿だ。ひと安心の1勝をつかんだが、まだ始まったばかりだ。「昨年は(相手も)僕のことよく分かってない状態で1年間投げられたけど、今年は分かられた状態での勝負。去年と同じようにやってもダメな部分もある。探り合いというか、それはずっと1年通して、やっていかないと」。ノーモア"2年目のジンクス"へ気合十分。心身ともにたくましくなり、今季も白星を量産する。【村松万里子】

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が今季初勝利を挙げた。ヤクルト相手に6回5安打2失点の粘投。1月に左肩のガングリオン(腫瘤)の除去手術を受けて出遅れたが、今季2度目の先発でしっかり勝ち切った。大竹の癒やしは「お香」だ。交感神経の活動を沈静化させ、リラックス効果がある。今春キャンプにも持ち込むほどの日課で、夜にお香をたいて疲れた体をリフレッシュしている。五感の中の普段使わない部分を意識的に研ぎ澄ますことを心がけ、嗅覚にはお香が欠かせないアイテムになっている。リフレッシュ以外の効果もあった。お香の炎の揺れを見る時間が増えた分、睡眠前にスマホを見る時間が減ったという。「状態は良いです」とすっきり。寝る前に脳も休まり、良質な睡眠にもつながっているようだ。大竹から誕生日プレゼントにお香をもらったことがある木浪も、自らのリラックス方法の1つにしている。お香に瞑想(めいそう)。自分の心と向き合い、タフな精神力を保っている。【阪神担当=村松万里子】

◆超速70号で連勝ダーン! 阪神佐藤輝明内野手(25)が、ド派手なアーチで連日のヒーローになった。2-2の7回、ヤクルト先発吉村から決勝2号2ラン。シーズン1、2号の2試合連続本塁打は自身初で、プロ4年目の通算70号到達は田淵幸一、岡田彰布と並ぶ球団最速だ。今季初の2連勝&カード勝ち越しを呼び込み、勝率は初の5割に。球団史上初のセ・リーグ連覇へ、量産態勢に入った大砲が虎に勢いを与える。まるで前夜のリプレー映像を見ているようだった。佐藤輝が打球を右中間席へ突き刺した。その弾道も、神宮の歓声も、19時間前のナイターで放った1号決勝アーチにそっくりだった。「もうちょっと飛ぶかなと思ったんですけど、ギリギリでした」。最前列へ飛び込んだ一撃にホッとした。2-2の7回無死一塁で先発吉村の初球、内角直球をしばいた。決勝2号2ラン。シーズン1、2号の2戦連発はプロ4年目で初めて。いずれも「(自身のものと)長さも一緒。ちょっと違うだけ」という大山のバットを借りて決めた。ベンチでは先輩と握手し「大山さんのバットで打てました」と感謝、感謝だ。4年目の通算70号到達は田淵幸一、岡田彰布に続き球団3人目で最速タイ。レジェンドが通った道を、令和の長距離砲もたどっている。阪神のドラフト1位って大変だよね-。入団後、そう聞かれたことは1度や2度ではない。関西の人気球団。打てば称賛、打てなければたたかれる。先人たちも味わってきた世界だ。それでも「僕はあんまりそう思わない」と首を横に振ったことがある。「チームメートにボロカス言われるなら、めちゃくちゃキツいですけどね。別にそうじゃない。ちょっと悪口言われたからって気にしていたら、メンタルもたないでしょ。周りに何を言われても、しっかりと応援してもらえる声は僕に届いているので」本拠地甲子園の地元、西宮市で生まれ育った男は、阪神ファンの思いが肌感覚で分かるのだろう。記録も、そしてメンタルも並ではない。「大きい声で応援してくださって、ありがたい限りです」と、試合後も感謝は尽きない。打率はまだ1割台で3試合連続6番に下がっているが、4試合連続安打の上昇モードで、量産態勢に入った。チームも8戦9本塁打は12球団トップ。今季初の連勝&カード勝ち越しを決め、勝率も初の5割に上げた。球団史上初のリーグ連覇へチームも佐藤輝もリスタート。「最高です! 明日も勝ちます!」。ヒーローインタビューでホームさながらの大歓声の中、叫んだ。佐藤輝明が最高だ。【中野椋】

◆7日の3回戦が今季2度目の先発登板となる阪神・才木浩人投手(25)はキャッチボールなどで調整。昨季3登板で1勝1敗1Hだったヤクルト打線に対し、「一本がある選手も多いですけど、あまり考え過ぎずにどんどん攻めていければ問題ないかなと思う。神宮なら昨日(5日)みたいな点の取り合いになる可能性があるので、1点取られても次の1点を抑えられるように、最少失点で抜けられるように自分のできることをしっかりできたら」と意気込んだ。前回は3月31日の巨人戦(東京ドーム)で先発し、ピンチを背負いながらも6回無失点。今シーズンチーム初勝利を呼び込んだ。打席では右手の親指を詰めてしまい感覚がないまま投げていたというが「「全然問題ないですね。普通にいつも通りの感じでやります」」と調整は万全。自慢の直球で押し込み、今季自身初白星を狙う。

◆阪神・岡田彰布監督(66)が試合前練習で遊撃守備をこなす木浪聖也内野手(29)に歩み寄り、身振りを交えながらコミュニケーションをとった。岡田監督はコーチを介して選手の指導にあたることが多い中、珍しい光景が神宮で見られた。

◆卓球女子で五輪3大会連続でメダルを獲得し、今年5月に現役を引退した石川佳純さん(31)が神宮を訪問し、練習を見学した。現役時代、「世界で最も美しい」と言われるフォームから放たれるドライブが武器だった石川さんに、阪神の選手もすぐに反応。近本らがあいさつをし、笑顔の花を咲かせた。

◆両チームのスターティングメンバーが発表され、阪神は大竹耕太郎投手(28)が先発する。初登板となった3月30日の巨人戦(東京ドーム)では五回まで無失点も、六回に2本塁打を許し3失点で敗戦投手になった。自身の今季初勝利とチームの今季初の連勝を目指して腕を振る。打線は5日のヤクルト戦で1本塁打3打点のノイジーに代わって前川右京外野手(20)が「5番・左翼」で出場。「8番・遊撃」には小幡竜平内野手(23)が開幕8試合目で初めてスタメンに名を連ねた。勝てばチームは初の勝率5割。

◆卓球女子で2012年ロンドンから五輪3大会連続でメダルを獲得した石川佳純さん(31)が「すぽると!DAY」として開催される一戦で始球式に登場した。阪神・近本が左打席に立つ中、捕手のヤクルト・中村に向かってワンバウンドで投球し、「練習ではノーバンでいけていたんですけど...。70点くらいですかね。ワンバンしちゃったので」と笑顔を見せた。本番前には神宮外苑で、同じサウスポーで球界最年長44歳の石川とキャッチボール。球の握り方や「投げる方向は真っすぐ」というアドバイスを受けていた。「(助言を)生かせたかはわかりませんが...真っすぐはいったのでよかったです」と振り返った。背番号は「2024」。今夏開催されるフジテレビ系パリ五輪スペシャルキャスターに就任したことが発表された。既に、パリ大会で初採用されるブレイキン(ブレイクダンス)男子の半井重幸(ダンサー名・SHIGEKIX)やスケートボード・パーク女子の四十住さくららの取材にも挑戦。「迫力がすごい。人間技とは思えない技術を間近で見られるのはスポーツ取材ならでは」と目を丸くし、「オリンピックという特別な舞台の興奮や感動を全力で伝えたい。自分自身もオリンピックという舞台で大きく成長できたので、熱い戦いを精いっぱいお届けしたい」と意気込んだ。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)が先制を許した。両軍無得点で迎えた三回。先頭の青木に2ストライクから四球を許すと、オスナ、村上に連打を浴びる。1死満塁となって前夜3打点だったサンタナを迎えると、左前打を浴びて3連打で1点を失った。さらに犠飛でもう1点追加され、2点を追いかける展開となった。

◆阪神・近本光司外野手(29)が0―2の四回にソロ本塁打を放った。「打ったのはカットボール。追い込まれていましたが、うまく打つことができました。先制された直後に点数を返すことができてよかったです」と振り返った。三回までチームが無安打に抑えられた先発・吉村と、この日2度目の対戦。5球目のスライダーを引っ張り、打球を右翼スタンドに運んだ。5日の試合では失点に絡む落球があった中堅手の2号ソロで、先制された直後に1点差に詰め寄った。続く中野が中前打、森下が四球で無死一、二塁とチャンスを作り、4番・大山悠輔内野手(29)が詰まりながら右前に落とす当たりで二塁走者が生還する適時打。こちらも5日の試合では満塁で2度の併殺があったが、この日はチャンスで結果を出した。

◆「5番・左翼」で先発出場したヤクルトの助っ人砲、ドミンゴ・サンタナ外野手(31)が3試合連続となるタイムリーをマークした。0ー0の三回、1死満塁から左腕の大竹が投じた2球目を引っ張り、左前適時打とし、先制点をもぎ取った。一回の第1打席は2死一、二塁の好機で1度もバットを振ることなく、3球で見逃し三振。「前回の打席で三振してしまったので、甘い球に積極的に仕掛けにいきました。先制できて良かったです」とコメントした。来日4年目となる右打者は試合前の時点で、リーグトップの打率・450、同トップタイの7打点と好調を維持している。

◆阪神・小幡竜平内野手(23)が美技を披露した。2-2の同点で迎えた六回の守備。先頭・長岡が放った二遊間への痛烈な打球に飛びつき捕球すると、素早く立ち上がって一塁へ転送。接戦の中で重要な先頭打者の出塁を防いだ。この日、小幡は開幕8試合で今季初のスタメン起用。日頃の練習の賜物からなる好プレーで、神宮球場に詰めかけた虎党をわかせた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が2―2の七回、勝ち越しの2号2ランを放った。「打ったのはストレート。いいスイングができました。打った瞬間の感触もよかったけど、風もあったのでスタンドまで届いてくれてよかったです」2日連続の一撃で、また白星をぐっと引き寄せた。前川が中前打で出塁した直後、先発・吉村が初球に投じた直球を振り抜いた。打球はぐんぐん伸びて右中間スタンドの最前に着弾。5日の同戦で6―6の延長十回に勝ち越し弾を放った主砲が2日連続の一発。ベンチに戻って大山と固く握手を交わした。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)は6回98球2失点で交代した。三回の先頭に四球を許すと、オスナ、村上、サンタナの3連打と犠牲フライで2点を失う。それでも味方が同点に追いついた四回からは力投。四、五、六回で許した走者は一人のみで、計4つの三振を奪った。七回の攻撃で阪神は佐藤輝の2ランで勝ち越しに成功。同回に回った打席で代打が送られ、大竹は今季初勝利の権利を持ってマウンドを降りた。

◆球界野手最年長42歳のヤクルト・青木宣親外野手が松井稼頭央(現西武監督)を超える歴代5位の日米通算2706安打をマークした。「2番・右翼」で今季初めて先発出場し、五回に左前打。日米通算2705安打として松井稼頭央に並ぶと、七回1死一塁からは左翼線への二塁打を記録し、〝稼頭央超え〟を果たした。

◆阪神はヤクルトに逆転勝ちで今季初の連勝とした。0―2の四回に近本のソロ本塁打、大山の適時打で同点に追いつき、七回に佐藤輝明内野手(25)が無死一塁で先発・吉村から2号2ラン。初球を右中間スタンドにたたき込んで2試合連続の本塁打を放ち、勝ち越しに成功した。先発の大竹耕太郎投手(28)は6回2失点で初白星。三回の先頭に四球を許すと、オスナ、村上、サンタナの3連打と犠牲フライで2点を失う。それでも味方が同点に追いついた四回からは力投。四、五、六回で許した走者は一人のみで、計4つの三振を奪った。七回からは岡留、島本、ゲラ、岩崎とつないでリードを守り、勝率を5割に戻した。

◆七回、本塁打を放った阪神・佐藤輝明(中央)と生還した阪神・前川右京(左)を迎える阪神ベンチ=神宮球場(撮影・渡辺大樹)

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が七回、右中間へ2試合連続の2号2ランを放ち、チームを勝利に導いた。以下、佐藤輝のデータ。?阪神・佐藤輝が七回に放った勝ち越し2ランが決勝打。勝利打点は5日のヤクルト戦(十回に勝ち越し弾)に続いて通算27度目。チーム2試合連続で記録したのは初めて。?阪神の選手が2試合続けて本塁打で勝利打点をマークしたのは、マルテが2021年10月2、3日の中日戦(甲子園、ともに先制弾)で記録して以来3年ぶり。生え抜き選手では梅野隆太郎が19年6月2日の広島戦(マツダ、先制弾)、4日のロッテ戦(ZOZOマリン、勝ち越し弾)で挙げて以来5年ぶり。

◆これぞ、レスキューだ。阪神・島本浩也投手(31)がワンポイントとして村上を封じた。「全球、勝負球というか。全部、厳しいところに投げようと思って、思い切って投げました」七回、佐藤輝の2ランが飛び出して逃げ切りを図るときに2番手・岡留がつかまった。1点差にせまられ、2死三塁で島本の出番がやってきた。厳しくコースを突いて、フルカウントから6球目の直球で一ゴロに-。マウンド上で雄たけびを上げた。「左(打者)のところは僕がいけるように、しっかり抑えたいです」昨季は村上に対して2打数1安打だったが、対左打者では打率・158(対右は・286)と得意にしてきた。正念場で左殺しの持ち味を発揮。登板4試合連続無失点と起用に応え続けている。「僕が任せてもらえるように、しっかり仕事したい」2020年オフに左肘内側側副靱帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けるなど、育成枠も経験した苦労人。〝119番〟を受け、これからもマウンドに走っていく。(新里公章)

◆投球するヤクルト・吉村貢司郎(撮影・長尾みなみ)

◆不動のリードオフマンが、神宮の曇り空に反撃ののろしを上げた。阪神・近本光司外野手(29)が右翼スタンドに着弾させる2号ソロ。前夜は痛恨のミスを味方に救ってもらった男が、自らのバットで逆転勝利につなげる道筋をつけた。「(意識は)打てるボールがきたらしっかり打つ、くらいです。しっかりボールに入っていけています」2点を先制された直後の四回先頭で、これまで無安打に抑えられていた吉村のスライダーを捉えた。この一発が呼び水になり、この回に大山の同点打が飛び出す。七回の佐藤輝の2試合連続弾で勝ち越しまでつながったが「結果的にはそういう風になっていますね」と笑みを浮かべつつ、サラリと話すだけだった。5日の初戦では中堅に飛んだライナー性の当たりを取り損ねる適時失策を犯した。打線の粘りで九回に追いつき、延長十回に佐藤輝のソロで逆転勝利。一丸でつかんだ白星に「勝ったからよかった。本当にそれだけ。みんなに感謝したい」と話していた。一夜明け、汚名返上の一打となった。

◆阪神・岩崎優投手(32)が九回、1点のリードを守り、今季2セーブ目をあげた。通算セーブ(S)数を68とし、スアレスを抜いて球団単独6位に浮上した。「勝てて、よかったですね。(自身については)いやまだまだ。ぼちぼち、調子を上げていけるように」ゲラとダブルストッパーを務める左腕は連勝の味を静かにかみしめた。先頭の中村は直球で空振り三振、代打・北村拓はチェンジアップで二ゴロ、最後は塩見を直球で遊直に仕留め、連勝を呼び込んだ。勝利投手になった5日のヤクルト戦(神宮)から、今季初の2連投で、昨季最多セーブ投手の貫禄を示した。球団5位の中西清起(75S)を抜くのも、時間の問題だ。

◆今季初の連勝にも岡田彰布監督(66)はコメントを残すことなく、淡々とした表情でチームバスへと乗り込んだ。練習中はベンチスタートとなった木浪と遊撃の守備位置で話し込むなど、ナインの動きをチェック。試合では2試合ぶりに5番に前川を置き、小幡を今季初めて先発出場させるなど、若手を積極的に起用した。

◆前夜に2併殺打と苦しんだ阪神・大山悠輔内野手(29)が4番の役目を果たした。近本のソロで1点差に詰め寄った四回無死一、二塁で右前へ同点打。「とりあえず1点、1点というところなので。良かったと思います」。オープン戦終盤から下半身の張りがあるなど、体は万全ではないが「勝てたことが一番なので」と満足げだった。

◆4―2と勝ち越した直後の七回に登板した阪神・岡留英貴投手(24)が苦しながらもプロ初ホールドを記録した。先頭の宮本に四球を与え、1死か後、青木に左翼線への二塁打を許す。続くオスナの遊ゴロで1点差に迫られ、村上を迎える場面で島本にバトンタッチした。2022年ドラフト5位で亜大から入団した右腕は「島本さんに本当に助けられた。チームが勝ててよかった」と胸をなでおろした。

◆粘って、立ち直って、白星をつかんだ。今季2度目の先発となった阪神・大竹耕太郎投手(28)は6回2失点。昨季の初勝利と同じ燕斬りから、連勝街道に歩を向けた。「崩れなかったことが大きい。諦めずに投げることでチームは勝つし、自分も勝てるし。1イニングずつ一人一人しっかり勝負していくことの大切さを、今一度感じた」走者を背負いながらも無失点を続けていたが、踏ん張りどころは三回だった。先頭の青木に四球を許すとオスナ、村上の連打で1死満塁とされ、サンタナに左前を浴びて先制点を献上。さらに犠飛で2点目を失った。「すぐに追いついてもらったので、気持ちとしても、もう一回立ち直らなきゃな、と」四回を初めて三者凡退に斬り、本来のリズムを取り戻す。「チームとしても勝ち癖をどんどんつけていきたい。そういった意味でもいい勝ちだった」とうなずいた。昨季はチームトップの12勝(2敗)をマークしたが、今年は左肩のガングリオン(良性腫瘍)を除去したため調整が遅れていた。思うようにキャンプ序盤で状態が上がらなかったとき、西勇からアドバイスをもらった。「『目的とか目安を設定したほうがいいんじゃないか』という話をされて。だからキャンプもクールごと、日ごとに『これはできるようになろう』と選んでいた」目標を設定してクリアしていくことで体の状態も上向きになり、考え方は体にも影響することを実感。ブルペンでは多くを投げることはなかったが、オープン戦終盤に好投し、開幕ローテーションをつかんだ。3月30日の巨人戦では5回3失点で黒星を喫していたが、力投で巻き返した。「昨年は僕のことをよく分かっていない状態で一年間投げられたが、分かられた状態での勝負になる。去年と同じようにやってもダメな部分もあると思うので、その探り合いは一年通してやっていかないといけない」2022年12月、現役ドラフトでソフトバンクから移籍し、人生が変わった。〝2年目〟のジンクスは大竹には無縁だ。(中屋友那)グラブ、ミットの販売をメインに展開するアイピーセレクトは6日、大竹とグラブを使用するクレアシオンパートナー契約を締結すると発表した。大竹はプロ入り以来愛用しており、昨季はトータルプロデューサーの鈴木一平氏に試合ごとに片付けのメンテナンスを依頼していた。大竹は「革の質がとても良く、私の特長をよく知ってくれているので、とても安心感がある。今シーズンもこのグラブとともに大切な登板を戦いたい」とコメントした。

◆7日に先発し、今季初勝利を目指す阪神・才木浩人投手(25)はキャッチボールなどで調整した。ヤクルト打線に対し「一発がある選手も多いですが、あまり考え過ぎずにドンドン攻めていければ問題ないかなと思う」と意気込んだ。3月31日の巨人戦(東京ドーム)では6回無失点と好投し、今季のチーム初勝利を呼び込んだ。打席で右手の親指を詰めていたが「全然問題ない。普通にいつも通りの感じでやります」と調整は万全。チームを3連勝に導く。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)は四回に安打を放って2試合連続安打。近本の本塁打で1点差に詰め寄った直後に中前打で出塁し、同点のホームを踏んだ。打率・300と好調の選手会長は「接戦をモノにしての勝利なので、チームとして粘り勝ったという雰囲気もある。まだ2連勝なので、明日しっかり3つ勝てるようにチーム一丸となってやっていきたい」と勝率5割には満足しない。

◆「5番・左翼」で先発した阪神・前川右京外野手(20)が佐藤輝の勝ち越し2ランを演出した。七回先頭で打席に立つと、吉村の8球目を中前へ。「出塁という気持ちが一番大きかった。軽打に変えていたので。何パターンも自分で組み立てながらできていると思います」。打率は・429(14打数6安打)と好調をキープ。ノイジーとのハイレベルな左翼争いを勝ち抜く。

◆阪神・岩崎とダブルストッパーを組むハビー・ゲラ投手(前レイズ、28)は1点リードの八回に登板。サンタナにスライダーを3球続けて遊ゴロに打ち取るなど、三者凡退で片付けた。5日は来日初セーブを挙げて、連投も問題なし。「自分のすることは一緒でゼロを並べること。3人で抑えられて本当にいい仕事ができた」と白い歯がこぼれた。

◆木浪に代わって遊撃で今季初先発の阪神・小幡竜平内野手(23)が守備で躍動した。2―2の六回、先頭の長岡が放った二遊間への痛烈な打球に飛びつき捕球すると、素早く立ち上がって一塁へ送球し、アウトにした。直後の七回に佐藤輝の本塁打が生まれ「そのあとに点が入ったので、そこがすごくよかった」。チャンスで存在感を示し「スタートで出ることは常に意識している。頑張りすぎず、普通にできました」と胸を張った。

◆球界で最年長の野手、42歳のヤクルト・青木宣親外野手が6日、阪神2回戦(神宮)に「2番・右翼」で今季初めて先発出場し、2安打をマーク。日米通算2706安打とし、西武、メッツなどで活躍した松井稼頭央(現西武監督)の同2705安打を抜き、歴代5位に浮上した。ベテランが奮闘したもののチームは3-4で逆転負け。4月は白星なしの4連敗となった。日米を渡り歩いた安打製造機が、偉大な記録を打ち立てた。球界野手最年長42歳の青木が、2安打をマーク。プロ21年目(NPBで15年、MLBで6年)で積み重ねた日米通算安打数が2706本に達し、スイッチヒッターとして活躍した松井稼頭央の記録を抜いて歴代単独5位に浮上した。「すごく光栄なこと。とにかく自分のプレー機会に集中して、結果が出てよかった」「2番・右翼」で今季初めて先発出場。五回に早大の後輩、大竹から左前打を放ち、松井氏の2705安打に並ぶと、七回には岡留から左翼線へ二塁打を記録し、抜いた。ベース上では手をたたいて笑顔を浮かべた。

◆前夜の雨もあがり、土曜日の関西は絶好の花見日和。桜の名所はどこもすごい人出だった。運動部デスクの牧慈は兵庫・西宮市の夙川に出向いた。「川沿いの桜並木がとてもきれいで、毎年行っているんだけど、今年は一段と花見客が多いなぁ。車で出かける人も多いから、付近の渋滞もひどい」夙川の桜は枝が水面の近くまでせり出していて、とても美しい。元気な子供は川の中に入って遊んでいる。「ただ、満開のピークをちょっと過ぎて、緑の葉も少し出ていたけれどね」それはしかたがない。今年は開花が例年より遅かったから、4月にきれいな桜を楽しめるだけ、もうけものです。そういえば、当番デスクの阿部祐亮は4日が長男・遥斗の中学校の入学式だった。「桜の前で写真を撮ったんですけど、そのときはまさに満開でした」近年は入学式のときには桜が散っていることが多かったから、ラッキーなことです。新生活の始まりにふさわしいじゃないか。阿部の長男は将棋が好きで、近所に住んでいる虎番最年長の三木建次と対局してはコテンパンにやっつけているのだ。すばらしい頭脳の持ち主だ。いや、相手がアレなのか。ともかく3月中旬には兵庫・加古川市で大会にも出場したらしい。「それが、小学生4年生にボロカスに負けてしまって、もう将棋はやらんと怒っています」世の中は広いなぁ。まぁ、バスケットボールや野球も好きらしいし、いろんなことに興味を持ってほしい。そして、お父さんの阿部の方はお馬さんの競走に興味津々だ。

◆ワッショイ! ワッショイ! 5割だワッショイ!! に、しても今季の4勝。およそ阪神らしからぬ~? なのだ。巨人戦、森下の3ランで初勝利。DeNA戦、またしても森下の逆転2ラン。ヤクルト第1戦はサトテルちゃんの延長十回決勝アーチ!! そして、本日も近本にサトテルちゃんのバットからスタンドインが生まれての快勝!!ちょっと待ったー! 阪神っていつからホームランをパカスカ打つチームになったァ!? 昨年わずか84本で12球団中11位のあの貧打線はどこいった~?あー、あー! そういうことか! 「お~ん、昨年はウチの四球選び作戦に他球団はやられたから、今季はストライク勝負してくるでェ。そりゃそーや、プロは裏かいてくるわ。その裏の裏でストライクフルスイングや! お~ん」ということなんじゃない? ウ~ン、岡田彰布、恐るべしなのだ!!大竹も、らしい投球で勝ったし...七回、島本の村上一殺マウンドもしびれた~!!安定した投手陣に2024年型アーチ打線が加わり、100勝アレンパありじゃねーの!?

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
620 0.750
(↑0.036)
-
(-)
13529
(+6)
24
(+4)
3
(-)
4
(-)
0.268
(↓0.011)
2.660
(↓0.19)
2
(-)
中日
431 0.571
(↑0.071)
1.5
(-)
13521
(+4)
20
(-)
5
(+1)
1
(-)
0.236
(↑0.008)
2.280
(↑0.31)
3
(1↑)
阪神
440 0.500
(↑0.071)
2
(-)
13526
(+4)
28
(+3)
9
(+2)
2
(-)
0.224
(↓0.001)
2.790
(↓0.03)
4
(2↓)
広島
340 0.429
(↓0.071)
2.5
(↓1)
13617
(-)
20
(+4)
1
(-)
3
(-)
0.233
(↑0.008)
2.800
(↓0.2)
5
(1↓)
巨人
350 0.375
(↓0.054)
3
(↓1)
13521
(+4)
22
(+6)
4
(-)
1
(-)
0.247
(↑0.001)
2.380
(↓0.09)
6
(-)
ヤクルト
241 0.333
(↓0.067)
3
(↓1)
13626
(+3)
26
(+4)
2
(-)
5
(-)
0.255
(↓0.011)
3.320
(↓0.11)