阪神(★2対3☆)DeNA =リーグ戦3回戦(2024.04.04)・京セラドーム大阪=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:上茶谷 大河(1勝0敗0S)
(セーブ:山﨑 康晃(0勝0敗2S))
敗戦投手:西 勇輝(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆DeNAが逆転勝ち。DeNAは2点を追う6回表、関根の適時二塁打で1点差に迫る。その後1死満塁とすると、代打・楠本が2点適時打を放ち、試合をひっくり返した。投げては、2番手・上茶谷が今季初勝利。敗れた阪神は、打線が再三の好機を生かせなかった。

◆スタメンが発表され、阪神は「5番左翼」に前川右京外野手(20)が入った。「6番三塁」は佐藤輝明内野手(25)となった。阪神の先発マウンドに上がるのは、西勇輝投手(33)。今季初登板で初勝利をつかみ、チームも今季初連勝となるか。

◆阪神青柳晃洋投手(30)が、今季初勝利を目指し5日のヤクルト戦(神宮)に先発する。開幕投手を務めた前回巨人戦は5回3失点で負け投手。「1つ勝ちがつくまでは、ちょっと緊張感はあると思う。まず勝てれば」と引き締めた。昨季は4番村上に打率4割4分4厘と打ち込まれ、2本塁打を許した。「左バッターは全員嫌いです」と笑わせつつ「村上は日本でトップのバッター。その前後を抑えられるように」と力を込めた。

◆DeNAがフレッシュバッテリーで24年ぶりの開幕2カード連続勝ち越しを狙う。先発はオリックスから戦力外通告を受けて新加入した中川颯投手(25)が移籍後初登板。プロ2登板目でプロ初先発初白星を狙う。先発マスクをかぶるのは2年目の松尾汐恩捕手(19)。これまで、代打で3打数1安打で、プロ初マスクをかぶる。三浦監督は、開幕ローテーションの1人として選んだ中川颯に「冷静に見ていけると判断して任せてる。先発として自分の役割をしてくれればいいと思います」と開幕6戦目を託した。松尾についても「やってきことを出すのが一番勝利に近づく近道だと思う。思い切ってやってくれれば良いです」と期待を込めた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が美技でチームを救った。両軍無得点の3回1死二塁、DeNA佐野の強烈なライナーを、グラブを目いっぱい伸ばしてつかんだ。抜けていれば1点は確実は場面。好守備で先制点を与えなかった。

◆阪神近本光司外野手(29)が、プロ通算150盗塁に到達した。阪神在籍中に通算150盗塁達成は赤星憲広氏以来、5人目となった。吉田義男らレジェンドも通った道だ。両軍無得点の3回に二失で出塁。けん制を1度もらい、2番中野への2球目でスタートを切った。鋭いスライディングでセーフ。これが今季初盗塁となった。過去4度盗塁王に輝いた男は、まだまだ走り続ける。阪神在籍中盗塁数5傑(1)赤星憲広381(2)吉田義男350(3)三宅伸和199(4)金田正泰187(5)近本光司150

◆阪神梅野隆太郎捕手(32)が、完全復活を印象づける適時打を放った。両軍無得点の4回1死一、三塁。DeNAの下手投げ右腕、中川颯から中前打。三塁走者前川が生還した。梅野は死球を受けて離脱した昨年8月13日ヤクルト戦以来、235日ぶりとなる打点をマーク。今季11打席目で初の適時打となった。これで阪神が先制。3月31日の巨人戦では、同じアンダーハンドの高橋礼に6回無失点に抑えられていた。アンダースローの投手に対し、今季10イニング目で初得点となった。

◆阪神岡田彰布監督(66)が1イニング2つのリクエストを成功させた。0-0のまま迎えた4回1死一、三塁、梅野が先制の中前適時打を放つと、一塁走者の佐藤輝が三塁へ。当初はアウト判定も、指揮官はすぐさまリクエストを要求。数分のリプレー検証の末にセーフにくつがえり、チャンスは1死一、三塁と続いた。さらに、続く木浪は一塁へのゴロ。三塁走者の佐藤輝は本塁へスライディングし、当初はまたもアウトの判定。それでも佐藤輝はセーフとアピールし、指揮官がこの回2度目のリクエスト。再び数分のリプレー検証が行われると、またもセーフにくつがえり、大きな2点目が入った。

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◆阪神中野拓夢内野手(27)が、痛恨の併殺打に倒れた。1点ビハインドの7回1死一、二塁。DeNAウェンデルケンに二ゴロ併殺打に仕留められ、チャンスを逃した。中野は初回にも併殺打に倒れており、1試合2併殺打はプロ初のこと。併殺崩れの多い俊足選手だが、好機をつぶしてしまった。

◆阪神が逆転負けを喫し、ホーム開幕カードで負け越しとなった。開幕から2カード連続の負け越しは22年以来。岡田彰布監督(66)がチームを率いるシーズンでは初となった。先制は阪神だった。4回1死一、三塁、梅野が先制の中前適時打を放つと、一塁走者の佐藤輝が三塁へ。当初はアウト判定も、岡田監督がリクエストを要求し、セーフにくつがえった。さらに1死一、三塁から、続く木浪は一塁へのゴロ。三塁走者の佐藤輝は本塁へスライディングしまたもアウトの判定だったが、再び指揮官がリクエストを要求し、またもセーフに。大きな2点が入った。しかし5回まで5安打無失点に抑えていた先発の西勇輝投手(33)が6回につかまった。牧、宮崎、関根に3連打を浴び1点をかえされると、続く松尾に死球。迎えた代打大和を右飛に仕留めたところで、2番手桐敷に交代。代打楠本を追い込むも、フォークをはじき返され、逆転の2点適時打を浴びた。阪神は巨人との開幕カードで1勝2敗。ホームでも1勝2敗と勝ち越すことはできなかった。

◆阪神が逆転負けを喫し、ホーム開幕カードで負け越しとなった。開幕から2カード連続の負け越しは22年以来。岡田彰布監督(66)がチームを率いるシーズンでは初となった。最後まで好機をつくるもあと1本が出ず。ここまでのチーム状況に指揮官は「ちょっと想定外やな。ちょっとやな。おーん。おーん。別にまだ2カードやから。まだ当たってない3球団あるから。そこまでやな」と冷静に話した。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-糸原の当たりは紙一重だったなあ。なんか、ファインプレーにあうなあ。チャンスでなあ。まあ、しゃあないけど。それは。-桐敷も完全に崩していたがそうやなあ。あれで、コースよかったけどなあ。ちょっとズレとったらなあ。ゲッツーとれとったけどなあ。まあ、ええとこ飛んだっていうかな。でもあっこ、1点でな、ビハインドでしのいだからな。後も。あれは責められへんよ。そらあな。まあ、きつい場面やけどな。そら。-あそこは打たれたが、ナイスリリーフそれはしょうがないよ。まだでも、6回で1点やからね。あのあとな、2人抑えて、それが大きいよ。だから1点やったら、そんなぜんぜんな。4イニングあるんやから、まだ。あれでオッケーと思ったけどな。-その後の岡留は初登板だったがしっかり投げたブルペン陣は抑えたけど、あとはもうなあ、チャンスばっかりつくってて、どっかで1本出ればなあ。ヒットの数からいってな、もうちょっとヒットが出んと、タイムリーが出ないということやな。-4回は前川の長打から打線がつながっただから、うまいことなあ、久しぶりやろ。先制なんかするのは。-西は5回まではしっかり投げた。ちょっとあそこでなあ。連打なあ。2点入って、ちょっと変わったかもわからんけどな。-3周り目に入っていた。あの回が終われば継投に入ったそうやなあ、あそこまでやったけどなあ、おーん。-打線の雰囲気は出てきた雰囲気はなあ、だからあと最後に1本が出えへんやんか、おーん。1本タイムリーが出えへんから、なああそこで追加点なあ。まあしゃあないわ。-チームの状態は上がってきているかいやそら、開幕の時よりはそらお前、まだ点取れるようになってるから、まあだから、チャンスでなあ、まあ1本出たらっていう、誰に回るかも分からへんけど、そのチャンスが、そこの打席やろな、おーん。もうちょっとやっぱりヒット出んとあかんわなあ。-佐藤輝と前川の打順を変えてうまくいったまあそやなあ、前川の方が今やったら前川の方が調子いいからなあ、おーん。-佐藤輝は引っ張る打球が増えてきたこっち、引っ張る打球を打ったからな。おーん。-2四球も選んで上がってきそうな雰囲気まあ上がってこなあかんやろ、そら。今なんか、そら、どん底やろ、そらお前、佐藤だけやないけど。-開幕2カード終了。想定よりいやいや、まあちょっと想定外やな。ちょっとやな。おーん。おーん。別にまだ2カードやから。まだ当たってない3球団あるから。そこまでやな。ちょっと分からん部分が多いし。今年の戦い方というかな。-門別は門別は先発さすよ。(2軍戦の)由宇で。

◆中川颯が移籍後初登板もプロ初勝利はお預けになった。昨季まで所属したオリックスの本拠地で公式戦初登板。特徴的なアンダースローで序盤は走者を背負いながらも試合を作ったが、4回に1死から3連打を浴びて先制を許すなど2失点。5回途中4安打2失点で地元球団での初登板を終え「全体的に逃げの投球になってしまった。本来の長所を伸ばせるように」と前を向いた。▽DeNA松尾(プロ初スタメンマスクで中川颯とバッテリーを組み、2回無死一塁ではプロ2安打目となる左前打)「良い経験にもなりましたし、自分のこれからの成長につながる」

◆阪神桐敷拓馬投手が今季3戦目の登板で、火消しに失敗した。先発西勇の後を受け、1点リードの6回1死満塁で登板。代打楠本と左対左の対決となったが、138キロの落ち球を運ばれ、2点中前適時打を喫した。ここまでの登板2試合は、ともに打者3人で無安打無失点。今季初めて浴びた安打が、逆転打となった。「いいボールが投げられてはいたけど、それでも結果は結果なので。切り替えてやるしかない」と前を向いた。

◆阪神梅野が完全復活を印象づける適時打を放った。両軍無得点の4回1死一、三塁。DeNAの下手投げ右腕、中川颯から中前打。三塁走者前川が生還した。死球を受けて離脱した昨年8月13日ヤクルト戦以来、235日ぶりとなる打点をマーク。今季11打席目で初の適時打となった。「自分自身も前の打席で打ち取られていたので、なんとか必死に食らいついて事を起こすという気持ちでした。タイムリーになってくれてよかったです」。3月31日の巨人戦では、同じアンダーハンドの高橋礼に6回無失点に抑えられていた。アンダースローの投手に対し、今季10イニング目で初得点となった。

◆阪神中野拓夢内野手が痛恨の併殺打に倒れた。1点ビハインドの7回1死一、二塁。DeNAウェンデルケンに二ゴロ併殺打に仕留められ、チャンスを逃した。中野は初回にも併殺打に倒れており、1試合2併殺打はプロ初のことだ。「自分の実力です」と受け止め「今日のことは引きずらず、切り替えて頑張りたい」と力を込めた。併殺崩れの多い俊足選手だが、好機をつぶしてしまった。

◆阪神佐藤輝明内野手の足が光った。4回1死二塁で右前打。先制劇をお膳立てし、梅野の中前適時打で一気に三塁を狙いヘッドスライディングを決めた。アウト判定もリクエストの末、セーフに。さらに木浪の一ゴロで本塁にスライディング。こちらも当初はアウト判定も、リクエストでセーフに覆った。「事前に打球がどこに飛んだらどうするか準備している。リプレーがあって助かりました」。この日は三塁守備でもライナーにとびつき好捕。2四球を選ぶなど、走攻守で存在感を示した。

◆DeNA関根大気外野手(28)が汚名返上した。3試合連続「6番中堅」で先発出場すると、2点を追う6回無死一、三塁から阪神西勇の内角141キロ直球を捉えて右翼への適時二塁打。反撃ののろしを上げ、代打楠本の決勝打につなげた。前日の同戦から6打席連続安打で3試合連続猛打賞。前日には1点を追う8回に痛恨の盗塁死となった男が、バットで24年ぶりの開幕2カード連続勝ち越しへ導いた。関根が懸命に食らいついた。2点を追う6回無死一、三塁。阪神西勇の内角141キロ直球を芯で捉えた。「好投手で三振だけは避けたかった。何とかバットに当てようとしていました」と右翼への適時二塁打。3連打で流れをグッと引き寄せた。ドラフト1位の度会や若手の梶原の台頭もあって、開幕スタメンから外れたが、先発起用された阪神3連戦で3試合連続猛打賞。さらに前日の同戦から6打席連続安打と大暴れした。打率は6割6分7厘と異次元の数字をたたき出す。好調の要因には「脳内の迷いを消すことができている。状態はいいかなと思います」と手応えを口にした。絶好調男は前夜の盗塁死にも、すぐに前を向いた。前日の同戦、1点を追う8回1死二塁と同点のチャンス。二塁走者の関根が積極的な姿勢で三塁を狙うも、阪神ゲラのけん制に挟まれて盗塁死となり、接戦で流れを持っていかれた。一夜明け、チームを勝利に導く3安打の活躍ぶりに三浦監督は「もちろん昨日のミスは本人が一番悔しい思いをしてるし、反省しながら今日は試合にしっかり準備して臨んで結果を出してくれた」とたたえた。4試合連続の猛打賞となれば、黄金期を支えた石井琢朗チーフ打撃兼走塁コーチと並ぶが「たまたま打っていることですし、狙ってやるよりも1打席1打席しっかり準備していきたい」と地に足をつけた。24年ぶりの開幕2カード連続勝ち越しでスタートダッシュに貢献した関根が、しぶとく安打を重ねていく。【小早川宗一郎】

◆阪神西勇輝投手が今季初先発での白星を逃した。梅野と昨季7月以来のバッテリーを組み、5回までは走者を出しながら無失点。6回先頭の4番牧、5番宮崎に連打を浴びて無死二、三塁。6番関根から右翼線への適時二塁打を浴びて失点した。1死満塁とした場面で降板し、6回途中8安打3失点だった。それでも、今季初マウンドでの初回の無失点には手応え。「ローテーションを投げていて、どの試合、どのイニングの中でも(今後を)1番左右するというぐらい大事なイニング。その中で自分のボールが投げられたのは、17年投げてきて、一番安心できる部分」と振り返った。

◆阪神前川右京外野手(20)が、流れを呼び込む2安打で5番スタメン起用に応えた。3試合ぶりに左翼のスタメン出場。打順は今季初めて5番に入った。2日と3日のDeNA戦(京セラドーム大阪)は先発左翼をシェルドン・ノイジー外野手(29)に譲り、代打出場。この日は相手先発が下手投げ右腕の中川颯で、チャンスが巡ってきた。これまで先発した2試合は5番佐藤輝の後ろ。岡田彰布監督(66)は「今やったら前川の方が調子いいからなあ」と打順を上げ、見事に起用に応えた。クリーンアップの一員にも前川は「全然(普段と)変わらないです」と冷静に試合に入った。0-0の4回。先制につなげる突破口を開いた。1死走者なしからDeNA中川颯の2球目、129キロを左中間へ運び、二塁打。6番佐藤輝の右前打で1死二、三塁と好機を広げ、7番梅野の中前適時打で生還した。「ある程度狙い球を搾って入れたのでよかった。結果出たので、明日からもう1回準備したい」1点を追う8回にも2死から4番手森原に2球で追い込まれるながら、152キロ高めの直球を振り抜き、中前にはじき返した。この日2安打の活躍に「次にもつながると思いますし、また明日からちゃんと数字残せるように」と5日からのヤクルト戦(神宮)へ気合を入れた。2回の第1打席では背中付近に死球を受け、苦悶(くもん)の表情を浮かべたが、その後2安打でアピール。これで開幕から5試合に出場して打率4割だ。猛虎打線の欠かせぬ1ピースへ。20歳の若虎が活躍を続ける。【村松万里子】

◆阪神の中継ぎとして1軍ベンチ入りしていた門別が、2軍戦で先発調整に回ることが決まった。岡田監督が「門別は先発さすよ。由宇で」と明かし、7日のウエスタン・リーグ広島戦(由宇)で登板する見込みだ。「もともと先発で投げるつもりでいた。しっかりまた調整して先発で結果出せるように準備したい」。現状、1軍の先発ローテーションは青柳、大竹、才木、村上、伊藤将、西勇の6人で回っている。門別は「先発7番手」の立ち位置で、1軍先発陣が打ち込まれた場合など有事にも備え、ブルペン要員として1軍に同行していた。ここまで2試合に中継ぎとして登板し、計3イニング無失点。ここからは先発一本で調整していくことになった模様だ。

◆阪神岡留英貴投手が今季初登板で、無失点投球を見せた。1点ビハインドの7回にマウンドへ。3番から始まる打順だったが、佐野を一ゴロ、4番牧を遊ゴロで2死。5番宮崎には中前打されたが、続く関根を左飛に打ち取った。「真っすぐも走っていると思うし、ある程度狙ったところにも(投げられた)。ちょっと抜けているボールもあったけど、全体的には良かった」。2月の紅白戦から数えて、無失点投球を実戦10試合12イニングに伸ばした。

◆阪神が痛い逆転負けで開幕から2カード連続の負け越しを喫した。岡田彰布監督(66)にとっては第1次政権、オリックス時代も含む指揮10年目で初の屈辱。開幕から5番の佐藤輝明内野手(25)を6番に下げるなど試合前から動き、4回には執念のリクエストを2度成功。だが、勝利には結びつかなかった。並んでいた巨人が勝利したため、再び単独最下位となった。流れをつかめそうでつかめない。追加点が入りそうで、入らない。開幕から続く、上がりきらないチーム状況。試合を終えた岡田監督は「ちょっと想定外やな。ちょっとやな。おーん」と率直な心情を吐露した。京セラドーム大阪にため息が充満した。1点を追う8回2死一、二塁。糸原の一、二塁間への痛烈な打球は、DeNA牧のダイビングキャッチに止められた。「なんか、ファインプレーにあうなあ。チャンスでなあ。まあ、しゃあないけど。それは」。苦しい現状を象徴するようなシーンだった。試合前から動いていた。佐藤輝を今季初めて6番に下げ、成長株の前川を昨年6月13日オリックス戦(甲子園)以来となる5番に起用。「今やったら前川の方が調子いいからなあ、おーん」。狙いははまり、4回1死、前川の二塁打から3連打で先制劇をつくった。4回の攻撃では、2度のリクエストに成功。1死一、三塁から、梅野が先制の中前適時打を放つと、一塁走者の佐藤輝が三塁へ。当初はアウト判定もセーフにくつがえった。さらに1死一、三塁で木浪の一ゴロの間に、三塁走者の佐藤輝が本塁へ。またもアウトからセーフに変わり、大きな2点目が入っていた。執念のリクエスト連発で虎党は大盛り上がり。しかし、あともう1歩届かなかった。「チャンスばっかり作って、どっかで1本出ればなあ。ヒットの数からいってな、もうちょっとヒットが出んと、タイムリーが出ないということやな」。勝ちきるあと1本が出ない状況に、百戦錬磨の虎の将も、もどかしい。打率1割4分3厘と苦しむ佐藤輝について問われると「そら、どん底やろ、そらお前、佐藤だけやないけど」と吐露した。開幕から2カード連続の負け越しは、監督としてはオリックス時代、第1次政権も含めて自身初。「想定外」が続くも、先を見据える指揮官は冷静だ。「別にまだ2カードやから。まだ当たってない3球団あるから。そこまでやな。ちょっと分からん部分が多いし。今年の戦い方というかな」。球団初のセ・リーグ連覇を目指すシーズンで、今は辛抱の時期かもしれない。【磯綾乃】

◆阪神近本光司外野手が、プロ通算150盗塁に到達した。阪神在籍中の達成者は赤星憲広氏以来、5人目。吉田義男氏らレジェンドも通った道だ。「ここまで積み重ねてきて、たくさんの人に感謝したい」と語った。両軍無得点の3回に二失で出塁。けん制を1度もらい、2番中野への2球目でスタートを切った。鋭いスライディングでセーフ。これが今季初盗塁となった。「技術はすごく大事。そんな簡単なものじゃないけど、技術で足は速くなると感じています」。子どもたちに足が速くなるには?と問われると「腕をしっかり振って足の回転を速くしよう」と優しく返答するリードオフマン。過去4度盗塁王に輝いた男が技を磨き続け、プロ6年目、669試合目で節目の数字を残した。初回には中前打で出塁しており、この日は2四球も含め4出塁と1番の役割を遂行してみせた。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神タイガース岡田彰布監督がDeNA戦の4回、佐藤輝明の走塁判定で連続リクエスト。執念が実り!? アウトからセーフ判定へ2度とも成功となりました!

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が2日連続で早出特打に参加。53スイングで柵越え12本と快音を響かせた。フリー打撃の前は、レインボー色のトレーニングバットを用いてティー打撃を行った。通常のバットより半分程度の長さのレインボーバットは、2月の春季キャンプ中にミエセスが使用していた同形状のトレーニングバットが手に馴染み、契約するミズノ社に頼んで作成してもらったもの。「体を使って振るということを意識するため」と使用の意図を語っていた。カラフルな色合いについては、「面白い色で作ってくれってお願いしたら、あの色になりました」。3日の同戦は今季初打点となる適時打を放った大砲がここから状態を上げていく。

◆両チームのスターティングメンバーが発表され、阪神は前川右京外野手(20)が「5番・左翼」に入り、3月31日の巨人戦(東京ドーム)以来、3試合ぶりにスタメンに名を連ねた。高卒3年目の若虎はここまで打率・286。不振の佐藤輝に代わって5番に入り、佐藤輝は「6番・三塁」に打順を下げた。前川がクリーンアップで先発するのは2023年7月16日の中日戦(甲子園、3番・右翼)以来。5番として先発は2023年6月13日のオリックス戦(甲子園)以来。クリーンアップとしてDeNAに新加入したアンダースロー右腕・中川颯から快音を残す。阪神の先発は西勇。オリックス時代の2014年以来遠ざかっている、シーズン初登板勝利投手を狙う。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が守備で魅せた。0-0の三回。1死から先発の西勇がオースティンに二塁打を浴びて、一打先制のピンチを招いた。打席には3番・佐野。2球目、痛烈な打球が三塁線を襲った。佐藤輝はジャンプして見事に好捕。続く牧のボテボテの打球は華麗なランニングスローでアウトに仕留め、ピンチを脱した。佐藤輝は2日の同戦で一回に先制点を献上する痛恨の適時失策。打撃の状態も上がらずこの日は「6番・三塁」に打順を下げていたが、まずは守りでリズムを作った。

◆阪神・近本光司外野手(29)が三回に今季初盗塁となる二盗を成功させ、プロ6年目、669試合で通算150盗塁をマークした。三回1死から二失で出塁すると、続く中野の2球目にスタートを切った。捕手の送球が逸れ、悠々セーフ。虎のリードオフマンが自慢の足で好機を作った。近本はプロ1年目の2019年4月2日の巨人戦(東京ドーム)で初盗塁をマーク。同年は36盗塁で盗塁王、20年(31盗塁)、22年(30盗塁)、23年(28盗塁)とこれまで4度の盗塁王を獲得し、セ・リーグを代表する俊足として名をはせている。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が神走塁で2点目のホームをもぎ取った。0-0の四回1死二塁で右前打を放ち、先制機をお膳立てすると、梅野の中前適時打で一塁から一気に三塁へ。ヘッドスライディングも判定はアウト。しかし、藤本三塁ベースコーチャーがセーフとアピールし、岡田監督もリクエストした。リプレー検証のち、判定は覆ってセーフ。佐藤輝が〝神の手〟で三塁まで進むと、続く木浪の一ゴロで今度はホームへとスライディング。こちらも判定はアウト。しかし、すぐさま岡田監督がリクエストした。ベンチでじっと映像を見つめた佐藤輝。こちらも判定は覆ってセーフ。今度は〝神の足〟で2点目のホームをもぎ取った。1イニングに2度のリクエストも珍しいが、そのどちらも対象プレーに絡むのはさらにまれ。さすが〝持っテル〟男だ。

◆阪神がこのカード初めて先制に成功した。二回1死からこの日5番に入った前川が二塁打で出塁すると、佐藤輝も右前打で続いて1死一、三塁とチャンスメークする。ここで梅野がカウント1-2と追い込まれながら外角球を弾き返し、鋭い打球が二遊間を破った。「打ったのはツーシームかな。(前川)右京がチャンスメイクしてくれたし、自分自身も前の打席で打ち取られていたので、なんとか必死に食らいついて事を起こすという気持ちでした。タイムリーになってくれてよかったです」。これで梅野は今季初打点を記録し、昨年負傷離脱した8月13日のヤクルト戦(神宮)以来235日ぶりの打点を挙げた。

◆未来の正捕手候補が、プロ初となる先発マスクを被った。昨年に大阪桐蔭高からドラフト1位でDeNAに入団した松尾汐恩捕手(19)は、オリックスから移籍した中川颯とバッテリーを組んだ。三浦監督は「思い切ってやってくれればいい」と送り出した。松尾は今季1軍デビュー。これまで出場した3試合はいずれも代打で起用され、2日の試合でプロ初安打となる左翼フェンス直撃の二塁打を放った。オープン戦から持ち味の打力をアピールし、19歳にして開幕6戦目の扇の要を託された。守っては下手投げ右腕の中川颯を導き、序盤は直球を軸に打者の手元で球を動かす配球で打たせて取った。打っては二回の第1打席で西勇の初球を捉えて左前打を放った。京都府出身で家族が応援に駆け付けた中、攻守に堂々とプレーした。昨季は2軍で104試合に出場し、打率・277、7本塁打、51打点。サイクル安打も記録したが、1軍での出場はならなかった。昨オフは先輩捕手の戸柱に師事。午前6時半に起きて朝からウエートトレーニングに励み、徹底的に捕球練習を繰り返した。大阪桐蔭高では正捕手として3年の春にセンバツを制し、夏に甲子園通算5本塁打を記録した。「今年こそ1軍で勝負したい」と決意を込めるホープが、プロの世界で前進した。

◆阪神が2点のリードをひっくり返された。先発・西勇は無失点で迎えた六回。牧、宮崎の連打で無死一、三塁とされると、関根に右翼線への二塁打を浴び、1点を失う。なおも死球で満塁とされ、1死をとったところで2番手の桐敷にスイッチ。しかし代打・楠本に2人を迎え入れる中前適時打を浴びて逆転を喫した。阪神がリードした展開から逆転を許したのは、開幕6戦目で初めてとなった。西勇は降板後、広報を通じて「リズムの良い野手陣の守備と、梅野のリードに引っ張られながら、なんとか粘り強く投げようという気持ちでした。次回はもっと良い投球ができるように修正していきたいです」とコメントした。

◆阪神はDeNAに逆転負け。岡田彰布監督(66)にとっては、オリックス時代も含めて、監督として初の開幕2カード連続の負け越しとなった。借金は2。並んでいた巨人が勝利したため、再び単独最下位となった。阪神はスコアレスで迎えた四回、この日5番に入った前川右京外野手(20)の二塁打、佐藤輝明内野手(25)の右前打でチャンスを作ると、梅野隆太郎捕手(32)の中前適時打で先制。さらに内野ゴロの間にも得点し、2点をリードした。先発の西勇輝投手(33)は五回まで無失点投球を見せるも六回、牧、宮崎、関根の連打で1点を失う。このあと1死満塁となって2番手・桐敷拓馬投手(24)にスイッチするも、代打・楠本に逆転2点打を浴びた。1点を追いかける阪神は八回に2死一、二塁のチャンスを作るも、相手の好プレーに阻まれ、一歩及ばなかった。

◆DeNAが24年ぶりに開幕から2カード続けて勝ち越した。0―2の六回に関根の適時二塁打、代打楠本の2点適時打で逆転した。2番手の上茶谷に白星が付き、さらに4投手で逃げ切った。阪神は序盤、終盤の好機を逃した。

◆DeNAは4日、阪神に3-2で勝利した。試合後、桑原将志を迎える山崎康晃=京セラドーム大阪(撮影・安部光翁)

◆2点を先取した阪神が逆転負け。岡田彰布監督(66)はオリックス時代を含め、指揮官10年目で、初の開幕2カード連続負け越しを喫した。西勇輝投手(32)が六回、3連続長短打で1点を失って降板。1死満塁で後を継いだ桐敷拓馬投手(24)が代打・楠本泰史外野手(28)に中前へ2点打を浴びて、逆転を許した。佐藤輝明内野手(25)に代わって「5番」を務めた前川右京外野手(20)が2安打。近本光司外野手(29)が三回の二盗で通算150盗塁。中野拓夢内野手(27)の一、七回の2度の併殺打が響いた。5位タイから再び単独最下位に転落した岡田監督の主な一問一答は以下の通り(成績=2勝4敗、観衆=3万6117人)。ーー糸原の当たりは紙一重(八回2死一、二塁でDeNAの二塁・牧が二遊間へのゴロを好捕)「なあ。なんか、ファインプレーにあうなあ。チャンスでなあ。しゃあないけど。それは」ーー桐敷も完全に崩していたが「そうやなあ。コース良かったけどなあ。ちょっとズレとったらなあ。ゲッツー取れとったけどなあ。ええとこ飛んだっていうかな。でもあっこ、1点でな、ビハインドでしのいだからな。後も。責められへんよ。きつい場面やけどな。そら」ーー打たれたが、ナイスリリーフ「それはしょうがないよ。六回で(ビハインドが)1点やからね。あの後2人抑えて、それが大きいよ。1点やったら、そんな全然な。4イニングあるんやから、あれでオッケーと思ったけどな」ーー岡留は初登板だったがしっかり投げた「ブルペン陣は抑えたけど、あとはチャンスばっかり作ったけど、どっかで1本出ればなあ。ヒットの数からいってな、もうちょっとヒットが出んと、タイムリーが出ないということやな」ーー四回は前川の長打から打線がつながった「だから、うまいことなあ、久しぶりやろ。先制なんかするのは」ーー西勇は五回まではしっかり投げた「あそこで連打なあ。2点入って、ちょっと変わったかもわからんけどな」ーーあの回が終われば継投に「そうやなあ、あそこまでやったけどなあ、おーん」ーー打線の雰囲気は出てきた「雰囲気はな。最後に1本が出えへんやんか、おーん。1本タイムリーが出えへんから。そこで追加点なあ。まあしゃあないわ」ーーチームの状態は上がって来ているか「開幕の時よりは、そら、お前、まだ点取れるようになってるから。チャンスで1本出たらっていう。誰に回るか分からへんけど、そのチャンスが、そこの打席やろな。もうちょっとヒット出んとアカンわなあ」ーー佐藤輝と前川を入れ替えた「まあそやなあ、前川の方が今やったら調子いいからなあ」ーー佐藤輝は引っ張る打球が増えてきた「引っ張る打球を打ったからな。おーん」ーー2四球。上がって来そうな雰囲気「まあ上がって来なアカンやろ、そら。今なんか、ドン底やろ、そらお前、佐藤だけやないけど」ーー開幕2カード終了。想定より?「まあちょっと想定外やな。ちょっとやな。別にまだ2カードやから。まだ当たってない3球団あるから。そこまでやな。ちょっと分からん部分が多いし。今年の戦い方というかな」ーー門別は「門別は先発さすよ。由宇(5日から広島3連戦)で」

◆四回、木浪の内野ゴロの間に生還する阪神・佐藤輝明=京セラドーム大阪(撮影・松永渉平)

◆阪神はDeNAに逆転負けを喫し、開幕2カード連続負け越しとなった。四回に佐藤輝明内野手(25)の好走塁が功を奏してリプレー検証で2度も判定がセーフに覆り、2点を先制したが、六回に投手陣が崩れて3失点で逆転された。打線も五回以降はわずか2安打に終わった。一回表 西勇はDeNA先頭の度会を一ゴロに打ち取る。続くオースティンには四球を与えたが、佐野を左飛、牧を遊ゴロに仕留め、無失点での立ち上がり。神0-0De一回裏 阪神は先頭の近本が中前打で出塁したが、中野は二ゴロ併殺打。森下は左飛に倒れた。神0-0De二回表 DeNAは先頭の宮崎が右飛に倒れるが、関根が中前打、プロ初スタメンの松尾が左前打で続く。しかし、石上が二ゴロ、中川颯は投直で無得点。神0-0De二回裏 阪神は大山が二ゴロで1死。前川が死球を受け、佐藤輝は四球を選び、梅野の一ゴロで2死二、三塁とするが、木浪は投ゴロに終わった。神0-0De三回表 DeNAは度会の一ゴロで1死後、オースティンが左中間フェンス直撃の二塁打を放つが、続く佐野の三塁へのライナーは佐藤輝が好捕し、牧は三ゴロに倒れた。神0-0De三回裏 1死後、阪神・近本の二塁へのゴロをDeNA・牧がはじき、出塁するも、中野は三直、森下は空振り三振に倒れた。神0-0De四回表 DeNAは宮崎、関根の連続安打で無死一、二塁とするが、松尾、石上は連続三振、中川颯は右飛で無得点に終わる。神0-0De四回裏 阪神は大山遊ゴロで1死後、前川の左中間二塁打、佐藤輝の右前打で一、三塁。梅野の中前適時打で前川が生還し先制。ヘッドスライディングで三塁を狙った佐藤輝はアウトの判定で、岡田監督がリクエスト。リプレー検証の末にセーフに判定がくつがえり、なお1死一、三塁。木浪の一ゴロで2死となり、スライディングで本塁を狙った佐藤輝はアウトの判定。再び岡田監督がリクエストし、リプレー検証でこれも判定がセーフにくつがえり、2点目が入った。西勇は中飛に倒れた。神2-0De四回に先制の適時打を放った阪神・梅野  「打ったのはツーシームかな。(前川)右京がチャンスメイクしてくれたし、自分自身も前の打席で打ち取られていたので、なんとか必死に食らいついて事を起こすという気持ちでした。タイムリーになってくれてよかったです。」五回表 DeNAは度会、オースティン、佐野が三者凡退。神2-0De五回裏 阪神は先頭の近本が四球を選び、中野の犠打で二進。DeNAの投手は2番手の上茶谷にスイッチ。森下の右飛で近本はタッチアップで三塁に進むが、大山は左飛に倒れた。神2-0De六回表 DeNAは牧の二塁打、宮崎の右前打で無死一、三塁とし、好調の関根の猛打賞となる右翼線二塁打で牧が生還して1点をかえし、なお無死二、三塁。松尾は死球で満塁となる。代打・大和は浅い右飛で三走の宮崎はタッチアップできない。ここで阪神の投手は2番手の桐敷に交代。代打・楠本は中前に適時打を放ち、宮崎と関根の2者が生還し、逆転した。度会、オースティンは凡退し、追加点はならず。神2-3De六回途中3失点で降板した阪神・西勇 「リズムの良い野手陣の守備と、梅野のリードに引っ張られながら、なんとか粘り強く投げようという気持ちでした。次回はもっと良い投球ができるように修正していきたいです。チームの逆転を信じて応援します!」六回裏 DeNAは3番手で伊勢が登板。阪神は前川、佐藤輝、梅野が三者凡退に終わる。神2-3De七回表 阪神は3番手で岡留が登板。DeNAは佐野、牧が凡退で2死後、宮崎が中前打で出るが、関根は左飛。神2-3De七回裏 DeNAは4番手でウェンデルケンが登板。阪神は木浪が空振り三振の後、代打・ノイジーが右前打。代走は熊谷。近本は死球を選び、1死一、二塁とするが、中野は二ゴロ併殺打に倒れた。神2-3De八回表 阪神は4番手で島本がマウンドへ。DeNAは1死から途中出場の桑原が四球を選び、二盗。林、度会は凡退した。神2-3De八回裏 DeNAは5番手で森原が登板。阪神は森下が空振り三振、大山が中飛の後、先頭の前川が左前打。佐藤輝は四球を選び、2死一、二塁。代打・糸原の二塁への強いゴロは牧に好捕された。神2-3De九回表 阪神は5番手の加治屋が登板。2死から牧に中前打を許し、宮崎を敬遠。一、二塁としたが、好調の関根を空振り三振に斬った。神2-3De九回裏 DeNAは抑えの山崎が登場。阪神は木浪が中飛、代打・原口が遊ゴロ、近本は二ゴロに倒れた。神2-3De

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(80)が近本光司外野手(29)の「4出塁・無得点」が象徴する打線のつながりの欠如に言及した。開幕から2カード連続負け越しの理由は、はっきりしている。打線が機能していない。先発投手陣は村上を除けば、及第点の投球をした。打線の頑張りがあれば、2勝4敗が4勝2敗になっても不思議ではない。問題点は、この日の試合でも顕著だ。1番の近本が失策を含めて4度、出塁したが、一度もホームに戻っていない。2番・中野のまさかの2併殺打。3、4番はさっぱり働かず。つながりが全くないのだ。中野は引っ張り込むような打撃にこだわっているように映る。走者一塁でも、無理に引っ張る必要はなく、逆方向を意識してもいい。ベンチが、エンドランなどで動いても面白かった。森下、大山は粘って、次の打者につなぐ意識が感じられない。去年は、四球の多さに象徴されるように「次の打者に任す」という意識が徹底されていた。自分ひとりで決める必要はない。ところが中軸の打者に、次につなぐ粘りがないのだ。ここまでの2勝は森下の一発。ホームランは大事だが、単発のホームランでチームは乗っていかない。むしろ、ホームランで決めた2試合が、悪い方に働き、大振りが目立っている。大技小技を織り交ぜて、という表現をするが、今の阪神には小技がない。つなぎの野球を思い出して、相手投手を真綿で締め付けるような攻撃をしてもらいたい。最後に、改めて感じたのは前川の非凡さ。最近の若い選手には珍しく、ひざに粘りがある打撃ができる。だから、押し込める打撃、拾える打撃ができる。現在は左腕先発の試合はベンチに下がっているが、慣れれば十分に対応できる能力を感じる。スタメン固定がチームの起爆剤になる予感がする。

◆阪神はDeNAに逆転負けを喫し、開幕2カード連続負け越しとなった。四回に佐藤輝明内野手(25)の好走塁が功を奏してリプレー検証で2度も判定がセーフに覆り、2点を先制したが、六回に投手陣が崩れて3失点で逆転された。主な選手のコメントは以下の通り。積極的な走塁が光った阪神・佐藤輝 「しっかり事前にどこに飛んだらどうするというのを準備しながらやってました。リプレーがあって助かりました」5番起用で2安打を放った阪神・前川 「「結果が出たので、ちゃんと明日からもう一回ちゃんと準備して入るだけかなと思います」自身初めて1試合2併殺の阪神・中野 「自分の実力不足だと思います。きょうのことを引きずらずに明日切り替えて頑張ろうと思います」三回の二盗で通算150盗塁を達成した阪神・近本 「去年最後で150盗塁にするか、今年最初で150盗塁にするかというのは(筒井)壮さんと話していたので、ここまで積み重ねてきたたくさんの人に感謝したいと思います」六回途中3失点で敗戦投手の阪神・西勇 「全体的に1週間、みんながいいゲームを作れたと思う。やっとみんな始まったので、いい展開を作れるように頑張っていきたいなと思います」七回に今季初登板し、1回無失点の阪神・岡留 「真っすぐも走ってると思いますし、ある程度狙ったところには。ちょっと抜けてるボールもありましたけど、全体的には良かったと思います」

◆DeNAは大阪桐蔭高からドラフト1位で入団した2年目の松尾汐恩捕手(19)が、プロ初となる先発マスクを被った。オリックスから加入した下手投げ右腕の中川颯とバッテリーを組み、序盤は直球を軸に打者の手元で球を動かす配球で打たせて取った。打っては二回に左前打。六回に左腕に死球を受けたが「大丈夫」と不安を一掃し、「いい経験になった。これからの成長につながる」と振り返った。

◆阪神・近本光司外野手(29)は敵失で出塁した三回に今季初盗塁となる二盗を決め、プロ6年目、669試合で通算150盗塁を記録した。「去年最後で150盗塁にするか、今年最初で150盗塁にするかというのは壮さん(筒井外野守備走塁コーチ)と話していた。ここまで積み重ねてきたたくさんの人に感謝したい」。過去5年で4度の盗塁王に輝いたスピードスターは、まだまだ立ち止まらず記録を伸ばしていく。

◆阪神・西勇輝投手(33)は六回に乱れ、5回?を投げて8安打3失点で黒星スタートとなった。「リズムの良い野手陣の守備と梅野のリードに引っ張られながら、なんとか粘り強く投げようという気持ちでした」。これでオリックス時代の2015年から10年連続で、シーズン初登板に勝てず。それでも引きずることはなく「(先発陣は)やっとみんな始まった。いい展開を作れるように頑張っていきたい」と一枚岩となって戦っていく。

◆期待に応えるように、快音を連発した。阪神・前川右京外野手(20)がスタメンに名を連ねた打順は、これまでより一つ前の「5番」。打線の活性化を託され、先制機を呼び込んだ。「狙い球を絞って入れたのでよかった。結果が出たので、明日からもう一回準備して入るだけかなと思います」この日、阪神は開幕から6試合目で初めて打順を入れ替えた。3試合ぶりにスタメンに戻った前川が「5番」に入り、試合前まで打率・105だった佐藤輝が「6番」に回った。前川は2日には代打で出場し、クローザーの山崎から左前打を記録。クリーンアップでの起用は3番で出場した昨年7月16日の中日戦(甲子園)以来だったが「(気持ちは)全然変わらなかった」と平常心を貫いて結果を出した。四回1死で打席に立つと、DeNAの先発・中川颯の直球を左中間へ運んだ。今季初の長打となる二塁打を記録。その後、梅野の適時打で先制のホームを踏んだ。1本では終わらない。八回2死でも森原から左前へ弾き返し、これも今季初となるマルチ安打を記録。打率を・400にまで上昇させ「次にもつながると思う」とうなずいた。

◆桐敷拓馬投手(24)は2-1の六回1死満塁で西勇からバトンを渡されて登板。代打・楠本に逆転の2点中前打を浴び「結果は結果なので、そこは切り替えてまたやっていくしかない」と唇をかんだ。だが、なおも1死一、二塁で後続を断ち、1点差で食い止めただけに岡田監督は「コースよかったけどなあ。エエとこ飛んだっていうかな。あれは責められへんよ」と受け止めていた。

◆DeNAは4日、阪神3回戦(京セラ)に3-2で競り勝ち、2000年以来24年ぶりとなる開幕から2カード連続の勝ち越しを決め、首位に浮上した。1-2の六回に代打で登場した楠本泰史外野手(28)が決勝の中前2点打を放ち、勝利の立役者となった。新主将の牧秀悟内野手(25)が理想に掲げる泥臭い全員野球で1点差の勝負をものにした。なりふり構わない。その打球には勝利への執念が宿っていた。代打で決勝の2点打を放った楠本は、表情を緩めずに口を開いた。「形がどうこうじゃない。追い込まれていたので根性で食らいついた」2点を追う六回。関根の3試合連続3安打となる右翼線適時二塁打で1点差に詰め寄り、1死満塁となったところで7年目の左打者に出番が巡ってきた。阪神はすかさず、先発の西勇から左腕の桐敷にスイッチ。両軍が勝負をかけた。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(32)が四回1死一、三塁の好機で中川颯の132キロ直球に食らいつき、中前打。今季初打点をマークした。「何とかいい仕事がしたいなと思って打席に入って、いい形で点も取れてよかった」。先制打を放った女房役だが、六回はリードを守り切れず逆転。「試合なので負けたことの反省はしっかりして、また次に臨みたい」と反省も忘れなかった。

◆「神の手、神の足」連発も届かず-。阪神はDeNAに2-3で逆転負け。岡田彰布監督(66)にとってはオリックス時代を含め、指揮官10年目で初の開幕2カード連続負け越しとなった。四回には佐藤輝明内野手(25)の走塁で立て続けにリクエストに成功して逆転。流れを引き寄せたかに見えたが、打線がつながらず。5位タイから再び単独最下位に転落だ。〝神の手〟が出ても、〝神の足〟が伸びても、打球が抜けそうで抜けない。紙一重のプレーに阻まれ、白星には最後まで届かなかった。岡田政権初の開幕カードから連続負け越し発進という屈辱的なスタートを切り、岡田監督も歯がゆい展開に不満をもらした。「いやいや、まあちょっと想定外やな。ちょっとやな。別にまだ2カードやから。まだ当たってない3球団あるから。そこまでやな。ちょっと分からん部分が多いし。今年の戦い方というかな」試合後のベンチ裏で冷静に振り返った指揮官が、何度もベンチを立ち上がる事態になったのは0-0の四回だ。1死一、三塁で梅野が中前適時打を放つと、一走・佐藤輝は二塁ベースを蹴って、一気に三塁へ。頭から飛び込み、懸命に右腕を出したが一度はアウト。それでも、虎将がすぐさま求めたリプレー検証で判定は覆った。三塁に触れた背番号8の〝神の手〟は、続く木浪の一ゴロの間の得点シーンにつながった。打球を処理したオースティンが一塁を踏み、本塁へ送球すると、佐藤輝が左足を伸ばしてスライディングしながら、必死に生還を試みた。間一髪のプレーの結果はアウト判定...。だが、岡田監督が再びリクエストした結果、セーフにひっくり返り、〝神の足〟で貴重な2点目をもぎとった。「リプレーがあって助かりました」好走塁連発の佐藤輝も声を弾ませたが、虎が敗れてしまっては心の底から喜べない。ビッグプレーから勝利への流れを一気に加速させたかったが...。西勇が作ったピンチに桐敷が踏ん張れずに逆転を許すと、2-3の七回1死一、二塁では中野が二ゴロ併殺に倒れた。八回2死一、二塁では代打・糸原が放った中前へ抜けそうな当たりを牧にダイビングキャッチされ、1点が遠かった。

◆開幕から2カード連続の負け越し...。「いや~、まだ始まったばかりの6試合、焦らない! 焦らない!」。それも分かる!! 分かるけど球団初のアレンパを狙う今季だから俺はあえて厳しく言うのだ!! 西勇よ! 虎の投手陣最年長33歳、16年目のベテランが2点のリードをもらい勝ち投手の権利を手中に収めながら六回、牧にツーベース、宮崎にヒット、関根にタイムリーツーベース、あげくに若手の松尾に死球で逆転を許すこととなる投球は許せ~ん!! そこで、俺は考える...。プロ野球の歴史はまだ90年、その間投手の完投からリリーフを考案したのは巨人、阪神両チームを優勝に導いた藤本定義監督、さらにそれを細かく分業性にしたのが近藤貞雄監督なのだ。ならば岡田監督が新・投手起用法で三回までなら安定のマウンドをみせる西勇を起用、四回からはピチピチの門別や岡留を第2先発として投入!! という全く新しいプロ野球をやってもええやん!!(先発西勇の評価もキチンとしてあげてください)。何? それ以前に打線が打ってやれ? そうなんだけど、それを今更言っても打たないモノは打たないのだ!! そこを割り切った戦いにしないとアレンパは夢、幻になりそーなのだ。

◆同じチームに同姓の選手がいたら、名前の1文字を付け加えるのが、新聞の慣例。阪神でいえば「伊藤将」と「伊藤稜」、「佐藤輝」と「佐藤蓮」という具合に。2年前、オリックスを取材に行って「中川」の原稿を書いたらデスクから注意された。「これ、中川圭太のことですね。もう1人、育成にいるんですよ。中川颯という投手が。気を付けてくださいね」俺に恥をかかせた(いやいや、100%筆者が悪いのだが)のは、どんなヤツかと探して、顔まで見に行った。これがハヤテ君か! 目に焼き付けたつもりだったが、戦力外を経て、DeNAの一員になり、京セラのマウンド上に立った顔に全く見覚えがない。年を取って、顔を覚えるのがすっかり苦手になっている。情けない。ふと、カラスは人間の顔を覚えるのが得意というテレビ番組を思い出した。一度見た顔は忘れないとか。ということは、虎ソナはカラス以下だ。カラスといえば、自宅マンションに大量のカラスが棲みついて、大迷惑している男がいる。カープ担当・柏村翔だ。当番デスク・長友孝輔が電話したら、背後がカーカーやかましくて、声が聞き取れなかったそうだ。柏村に尋ねると-。「屋上に巣があるようです。ヒナが生まれたらしく、一斉にピヨピヨと鳴いています(ヒナはカーカーではないらしい)。親ガラスはベランダ柵にとまって、部屋の中の僕の方を見てニヤッと笑っているような気がします。エレベーターの前とかにもいますし、あちこちにフンもしてます」

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
DeNA
420 0.667
(↑0.067)
-
(-)
13721
(+3)
19
(+2)
3
(-)
3
(+1)
0.285
(↑0.001
2.720
(↑0.14)
2
(1↑)
広島
320 0.600
(↑0.1)
0.5
(-)
13817
(+6)
15
(+3)
1
(-)
3
(+1)
0.234
(↑0.01)
3.140
(↑0.04)
3
(2↑)
巨人
330 0.500
(↑0.1)
1
(-)
13716
(+2)
14
(-)
4
(-)
1
(-)
0.252
(↓0.002)
2.330
(↑0.47)
4
(3↓)
ヤクルト
221 0.500
(↓0.167)
1
(↓1)
13817
(+3)
15
(+6)
1
(-)
4
(-)
0.275
(↓0.002)
2.540
(↓0.41)
5
(2↓)
中日
231 0.400
(↓0.1)
1.5
(↓1)
13716
(-)
20
(+2)
4
(-)
1
(-)
0.227
(↓0.012)
3.000
(↑0.19)
6
(1↓)
阪神
240 0.333
(↓0.067)
2
(↓1)
13715
(+2)
19
(+3)
5
(-)
2
(+1)
0.206
(↓0.003)
2.420
(↓0.12)