阪神(☆5対2★)DeNA =リーグ戦2回戦(2024.04.03)・京セラドーム大阪=
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DeNA
1100000002601
阪神
00010202X5802
勝利投手:伊藤 将司(1勝0敗0S)
(セーブ:岩崎 優(0勝0敗1S))
敗戦投手:濵口 遥大(0勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】オースティン(1号・1回表ソロ)
【阪神】森下 翔太(2号・6回裏2ラン),近本 光司(1号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は1点を追う6回裏、森下の2ランで逆転に成功する。そのまま迎えた8回には近本のソロと佐藤輝の適時打で2点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・伊藤将が7回2失点の力投で今季1勝目。敗れたDeNAは、打線が4回以降は2安打と振るわなかった。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が早出特打を行った。原口文仁内野手(32)、糸原健斗内野手(31)、小幡竜平内野手(23)、小野寺暖外野手(26)とともに試合前練習よりも早くグラウンドに姿を見せた。打撃練習では先端が赤、黄色、青の特殊なバットを振り込んだ。その後は通常のバットでフリー打撃に入り、50スイング中6本をスタンドイン。前日2日のDeNA戦まで4試合で15打数、1安打。今日こそ豪快な今季初アーチをかける。また、梅野隆太郎捕手(32)も早出でマシン捕球を実施。青色の新ミットを手に汗を流した。

◆阪神は昨季10勝を挙げた伊藤将司投手(27)が今季初先発。3月26日の練習試合オリックス戦では京セラドーム大阪のマウンドで4回無失点と好投し、準備は万全。横浜高の後輩、度会隆輝外野手(21)との対戦にも注目だ。相手先発は左投手の浜口で、2試合連続シェルドン・ノイジー外野手(29)がで「6番左翼」に入った。捕手は梅野隆太郎捕手(32)。

◆DeNAタイラー・オースティン外野手(32)が2シーズンぶりのアーチをかけた。1回、先頭の度会が見逃し三振に倒れた直後の1死走者なし。2ボールから139キロ高め直球を仕留めた。左中間席中段に軽々と運ぶ1号ソロ。「バッティングカウントだったので、甘いボールがきたら一振りで仕留める気持ちでいました。しっかり力強くコンタクトすることができました!先制することができうれしいです」と笑顔で振り返った。これが公式戦では22年8月30日の中日戦(横浜)以来のアーチ。21年は打率3割3厘、28本塁打と主軸として活躍したが、22年は度重なる負傷で38試合のみの出場にとどまった。昨季は右肘手術の影響で開幕から出遅れ、さらに交流戦で肩を痛めて9月に帰国した影響もあり、22試合の出場にとどまっていた。今季は強打の2番として出場を続ける助っ人の一打で開幕戦を除いた4試合連続で先制に成功。24年ぶりの開幕2カード連続勝ち越しへ幸先の良いスタートを切った。

◆阪神のゴールデングラブコンビが鮮やかな併殺を決めた。5回1死一塁。石上泰輝内野手(22)の二遊間への打球に、遊撃手・木浪聖也内野手(29)が飛びついて捕球。倒れたままベースカバーの中野拓夢内野手(27)に逆手でトスし、中野が素早く一塁転送。50メートル走5秒9とされる俊足ルーキーでも間に合わなかった。ネット上は「すごいものを見た」「かっこよすぎ」「これで流れが変わるかも」と絶賛の声であふれた。

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◆阪神森下翔太外野手(23)が衝撃の逆転2号2ランをたたき込んだ。1-2の6回。1死二塁から浜口遥大投手(29)のチェンジアップを強振。打球は左翼5階席のDeNA応援団のエリアに飛び込んだ。打った瞬間に本塁打と確信した森下は、しばらく歩いて一塁に向かい、ベンチに向かって人さし指を突き出した。その強烈な弾道に、その後の攻撃中もドーム内のざわめきが収まらなかった。2年目のスラッガーは巨人との開幕3戦目に決勝の1号3ランを放ち、チームを初勝利に導いている。

◆阪神伊藤将司投手(27)が今季初登板で粘りの好投を見せた。初回、いきなり横浜高の後輩、ドラフト1位度会と対戦。3球でカウント2-1と追い込むと、最後は外角141キロ速球で見逃し三振。しかしその直後、2番オースティンに高め速球を捉えられ、左中間席への先制アーチを被弾。2回にも2死二塁からドラフト4位石上に左前適時打で追加点を許した。しかしその後は守備にも助けられながら粘投。尻上がりに調子を上げ、以降5イニングは無失点投球を継続した。7回4安打2失点と役割を果たし、2番手ハビー・ゲラ投手(28=レイズ)にマウンドを託した。

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◆阪神が主催試合で初勝利を飾った。ヒーローインタビューを待つ間、ドーム内が暗転。客席で色とりどりのペンライトが光る中、ハイライト映像が流れるなど、幻想的な雰囲気に包まれた。文句なしのヒーローは森下翔太外野手(23)。1-2の6回、左翼5階席への特大の逆転2号2ランを放った。お立ち台に上がった背番号1は「打撃練習でもあそこまでなかなか飛んでなかったので、打撃練習以上のものが出ちゃいました。もう、手応えがあったので、走らなくていいやと(笑い)。3、4、5番が打てばチームは勝てると思うので、これからも絶対打ちたいです」とファンを喜ばせた。投手のヒーローは伊藤将司(27)だった。2回までに2失点したが7回まで粘り抜き、打線の逆転を促した。プロ4年目で通算30勝の節目に到達した。「今日は本当に野手のみんなに助けてもらった1勝。本当にうれしく思います。翔太が豪快なホームランを打ってくれたので、ここは点を取られたら先輩として情けないなと思った。なんとかゼロに抑えられました」と、ホッとした表情だった。

◆阪神が逆転勝ちを飾った。序盤に2点先行される苦しい展開だったが、4回に大山悠輔内野手(29)の今季初打点となる左前打で1点を返した。少しずつ打線にエンジンがかかり始めた。6回。1死二塁で森下翔太外野手(23)が左翼5階席まで飛ばす2号の逆転2ラン。球場の雰囲気ががらりと変わった。8回には近本光司外野手(29)が右越えに1号ソロ。さらに1死一、三塁とチャンスを作り、佐藤輝明内野手(25)が狭い一、二塁間を抜く適時打をマーク。当たりがなかった大砲も初打点を挙げた。立ち上がり不安定だった伊藤将司投手(27)はその後持ち直し、7回2失点にまとめた。8回はハビー・ゲラ投手(28)9回は岩崎優投手(32)がきっちり締めた。勝利投手は伊藤将。シーズン5試合目で先発投手にようやく白星がついた。踏ん張る先発投手を、打線が援護する理想の展開。「ホーム」での今季初勝利で阪神ファンを喜ばせた。

◆阪神に役者がそろってきた。主軸3人にようやく初打点がついた。2点を追う4回1死二、三塁では大山悠輔内野手(29)が三遊間を抜く適時打を放った。逆転後、8回の先頭で打席に入った近本光司外野手(29)は右越えに1号ソロで今季初打点。さらにこの回、1死一、三塁とチャンスを作り、佐藤輝明内野手(25)が狭い一、二塁間を抜く適時打をマーク。当たりがなかった大砲も打点を挙げた。

◆阪神が逆転勝ちでホームで連敗を阻止した。序盤に2点を先行される苦しい展開だったが、4回に大山悠輔内野手(29)の今季初打点となる左前打で1点をかえすと、6回1死二塁で森下翔太外野手(23)が左翼5階席まで飛ばす逆転の2号2ラン。8回には近本光司外野手(29)が右越えに1号ソロを放つなど、ダメ押しの2点を加えた。投げては伊藤将司投手(27)が7回2失点で今季1勝目。中野と木浪の二遊間が好守備を連発し、岡田彰布監督(66)は「守り勝ち」と胸をなで下ろした。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-今日は勝利につながる要因が多かったああ、守り勝ちですよね。-点を取ったことより、まず守備が伊藤もね、あんまりね。いつも低く、低くいくピッチャーがね、やっぱり開幕だからしょうがない部分もあるんですけどね、何とかね。2点にね。球数もね、うまくゴロを打たせて、大事なところでゲッツーを取れたのが大きかったですね。やっぱりね。-守り勝ちというのは、リードを許しながら、セカンド、ショートのプレーが素晴らしかったそうですね。まあ、どっちかいうと、打つ方はあんまり調子よくないかもわからないけど、守りからね、ちょっとリズムをつかんだみたいな、そういうゲームだったですね。やっぱりね。-4回は大山がまず1点を取ってくれたあそこは本当はね、最低でも同点に追いつきたいところですけど、なかなか3回までノーヒットだったし、2巡目になってね、やっとみんなのタイミングが合ってきた感じがしてましたけどね。-逆転は森下の見事な本塁打ああそうですね。まず同点と思ってバントをさせたんですけど、本当、効果的なホームランでしたね。-2本のヒットがいずれもホームランああそうか。あとヒットがないんやね。-8回、本当に得点がほしいところで近本の本塁打。そうですね。(伊藤将は)球数が少なかったんだけどね、シーズン中だったら当然、完投している球数なんだけど、まあねえ、初登板いうことで、まあね、ゲラと岩崎、1点だとね、ちょっと上位に回ってくるんで9回は。まず近本のホームランで2点差になったのが大きかったですね、やっぱり。-5点目は佐藤輝が打ったいやいやまあ、前進守備でね、おーん、外野抜くくらいはいくかなと思ったんですけどね。-でも1打点は大きいまあ、初めての打点でしょ。-ゲラ、岩崎の投球はいやいやもう、ゲラも(走者)出てもあんまり慌てないっていうかね、けん制というか、あれも落ち着いてランダウンまでいくんで、最後はね、三振で終わりたかったんですかね、力入れてましたね。-今日の全員でつかんだ勝利は大きいそうですね、徐々にヒットも出てきたんで、もうちょっとの部分もありますけどね、もうちょっと早いイニングからね、こういう形になればいいと思いますけどね。-明日に向けていやいや、まあ今の状態からいくとねえ、ほんと3連敗しないというか、ねえ、1つ1つ勝てるゲームは1つずつ勝っていけばいいなあというようなね、そういうチーム状況なんで、だから今日の勝ちで、明日ね、まあ明日で最後、ローテーションピッチャー西(勇)がね、まあちょっとは、ゆっくりできると言ったらおかしいですけど、ちょっと落ち着いてできると思いますね。

◆阪神が逆転勝ちでホームで連敗を阻止した。序盤に2点先行される苦しい展開だったが、4回に大山悠輔内野手(29)の今季初打点となる左前適時打で1点をかえすと、6回1死二塁で森下翔太外野手(23)が左翼5階席まで飛ばす逆転の2号2ラン。8回には近本光司外野手(29)が右越えに1号ソロを放つなどダメ押しの2点を加えた。投げては伊藤将司投手(27)が7回2失点で今季初勝利。中野と木浪の二遊間が好守備を連発し、岡田彰布監督(66)は「ホンマ守り勝ちや」と胸をなで下ろした。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-伊藤将は7回まで投げてくれたのが大きいそうやなあ、岡留ちょっと投げさせなあかんなあと思ってたけどな。もうちょっと楽な場面やったらな。-中野が送った場面は相手右投手が来ると思っていたいや、思ってたよ、うん。もう90ね、超しとったから、ねえ。でも、そのままやったからなあ。-守りからリズムを作るやりたいことができたやりたいこというか、ずーっとそないして、去年もそういうことやから、結局は。ねえ、やっぱり大事なところでゲッツーとれたのが大きいよね、やっぱりねえ。-こういう試合の積み重ねでチームが落ち着いていくかそうやなあ。まあ、もうちょっと早くな、あれや。3回まで全然やったもんな。それは選手1人1人のな、調子を上げることやからな。やっぱヒットを打ついうことやからな。-4回に攻めきれなかったが、次の回にやっぱりあれや、1点でも点が入れば全然違う展開になるから。やっぱり、そういうことやわ。今日、でもクイック速いけど、無理やり走らせた部分あるけど、やっぱ動かんとなかなか躍動しないよな。アウトになってもええから、もうねえ。ちょっと動かそうと思って。浜口なんか0秒台のクイックやけど、じっとしてても今は1人1人がヒット出ないから。動かないと躍動感というか、チームに勢いはつかんわな。-変化球の場面で盗塁そうや、ちょうどよかった。ちょうどチェンジアップやったから、いけたかなと思ったけどな。-森下は流れを変える打撃をしているうん、まあ、ええとこで打ってるからやろ。でも、2本やんか。忘れとった、2本いうのは。-らしい勝ち方いや、ホンマ守り勝ちや。早打ちにも助けられたけどな。

◆DeNAは痛恨の走塁ミスで流れを手放した。1点を追う8回1死二塁、同点のチャンスで、二塁走者の関根大気外野手(28)が阪神ゲラのけん制に挟まれて盗塁死。無得点に終わった直後、3番手のウィックが先頭近本にソロを浴びるなど2失点で突き放された。三浦監督は「あそこは慌てる必要なかったですけどね。流れが変わってしまった」と振り返った。

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◆阪神近本光司外野手(29)がリードを広げる1号ソロを放った。1点リードの8回先頭で、DeNAの新助っ人ウィックの内角への148キロ直球を捉え、右翼スタンドへ飛ばした。「何投げてるか分からないピッチャーだったんで、どの方向に打つかと、どのタイミングで打つかと」。初見の右腕から放った大きな1発に、岡田監督も「まず近本のホームランで2点差になったのが大きかったですね」とたたえた。

◆阪神4番大山悠輔内野手が反撃ののろしを上げる今季初適時打を放った。2点を追う4回、連打でつくった1死二、三塁の好機。フルカウントからDeNA浜口のチェンジアップをきっちり捉え、左翼へ適時打。苦しい展開で入った1点に、岡田監督も「1点でも点が入れば全然違う展開になるから」と振り返った。今季5試合目での初打点がチームの流れを変える1点に。ここぞで仕事を果たした主砲は「勝てたことが一番。反省と準備をしてまた明日頑張りたい」とすぐに次戦を見据えた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)に光が差した。8回1死一、三塁から右前への適時打。待ちに待った今季初打点だ。ウィックの内角球に詰まりながら前進守備の狭い一、二塁間を破った。抜けた瞬間に、小さく右こぶしを握った。塁上でも手をたたいた。「よかったと思います」とうなずいた。前日までの4試合で15打数1安打と結果が出ず、苦しんだ。この日は初めて早出特打に臨んだ。虹色の短尺バットで片手ティー打撃を繰り返し、ケージの中では力強く50スイングを繰り返した。早出は、前夜の試合後に首脳陣の判断で決まった。指揮官も「まあ、前進守備でね。初打点でしょ」と、まだまだここからといった様子。決勝2ランの森下、4回に今季初打点の大山と「ドラ1クリーンアップ」がそろい踏み。打線にエンジンがかかり出したのは間違いない。佐藤輝は左腕浜口に対して最初の2打席は空振り三振、見逃し三振。打席で少し首をかしげるようなしぐさもあった。「しっかり確認して試合に臨めたかなという感じです。(安打は)最後だけですけど。それをどんどん続けられたらいいと思います」。冬の間から一貫して取り組んできた24年型打法。まだ納得できる打席は少ないが、トンネルの出口は近いと思わせる1日でもあった。【柏原誠】阪神は3番森下、4番大山、5番佐藤輝がそろって打点を挙げた。このドラフト1位「森大佐」トリオの打点そろい踏みは今季初で、通算4度目。チームは3勝1敗だ。なお8回には近本が1号本塁打。クリーンアップ3人に近本を加えた、ドラフト1位の「近森大佐」カルテットが全員打点を挙げたのは、23年4月1日DeNA戦に次ぎ2度目となった。

◆これが先輩の投球や! 阪神伊藤将司投手(27)が粘りの投球で節目の勝利を手にした。緊張感を感じた今季初先発。立ち上がりからボールが高めに行くなど制球に苦しみ、2回までに2失点を喫した。それでも大崩れはせず、以降のイニングは走者を出しても無失点。特にラストの7回は、後輩の1発に燃えた。「翔太が豪快なホームランを打ってくれたので。ここは点を取られたら先輩情けないなと思った。なんとか0点に抑えられました」 森下の特大2ランで逆転に成功し、7回は3番佐野、4番牧、5番宮崎をピシャリと3人斬り。終わってみれば7回4安打2失点と尻上がりの好投。虎の平成ドラフト入団の選手では最速となる、65試合目でのプロ30勝目を挙げた。「ワンバウンドするぐらいで」と後半は低めを徹底意識。自然とゴロも増えた中、味方野手の好守に再三助けられた。「野手のみんなに助けてもらった1勝なので」とチームで今季初の先発勝利をかみしめた。プロ4年目。後輩も年々増え、先輩としての仕事もバッチリだ。毎年、岩貞とともに行っている自主トレに今オフは、同期で2学年下の左腕岩田も参加。「右打者の内角」への投げ方を問われ「キャッチャーの左膝を狙って投げろ」。模索する後輩に送った、簡潔で分かりやすい助言だった。「ガンツ(岩田)は同期だし、一緒に1軍にいられたらと自主トレしていました。難しく考えず、アバウトな所から徐々に広げていけばいい。細かい、難しいことは言っていません」シンプルな意識だが、実行するには確かな技術も必要。自身の技術を凝縮した簡単な言葉で、後輩の背中をたたいた。満員のホームで決めた節目の1勝。だが、左腕にとってはあくまで通過点だ。「まだまだ30勝なので。どんどん投げて、100勝とか目指していけたらいいなと思います」。さらなる記録達成へ、背番号27は止まらない。【波部俊之介】▽阪神梅野(7回2失点の伊藤将をリード)「シフトチェンジしながらどの球種が低めに集まるかなと選択した。味方の逆転を待ちながら将司が粘ってくれた」

◆阪神のゴールデングラブコンビが鮮やかな併殺を決めた。1-2の5回1死一塁。石上の二遊間への打球に遊撃の木浪が飛びついた。倒れたままベースカバーの中野に逆手でトスし、中野が素早く一塁転送。快足ルーキーをしとめた。伊藤将が立ち直り、打線が反撃に転じた直後の守備。岡田監督は「守り勝ち。大事なところでゲッツーを取れたのが大きかった。守りからリズムをつかんだようなゲーム」と絶賛。木浪も「いかに投手が打ち取った打球をアウトにするかを求められている。1つ1つできれば失点も少なくなるし、攻撃もいい流れになると思う」と胸を張った。中野も「今後も投手を助ける守備をしたい」と振り返った。

◆阪神ハビー・ゲラ投手(28=レイズ)が技ありのけん制から1回無失点でつないだ。2番手で1点リードの8回にマウンドへ。1死二塁の同点機で、迎えた8番石上へ初球を投じる直前、セットポジションから上げた左足をそのまま回転。走者関根を誘い出し、挟殺プレーでアウトに追い込んだ。「ランナーの動きを見て、ちょっと、あやしかったので、様子を見る動きをしたら、ああいう形になしました」と技ありのプレー。2死から最後は空振り三振で今季2ホールド目。「今日調子も良かったですし、狙いに行きました」と充実感をただよわせた。本拠地初登板で元内野手らしい華麗な身のこなしを見せた一方、来日後最速となる160キロをマーク。頼れる助っ人は「本当にうれしい。守備でいいプレーもたくさんあったし、逆転してという形で、みんなで粘っていい勝ち方ができた」と喜んだ。

◆阪神の守護神岩崎優投手が球団歴代6位タイの67セーブ目を挙げた。3点差の9回に登板すると、先頭の代打松尾を3球目の直球で一飛。続く度会を初球で二ゴロ、最後はオースティンを2球で二飛に打ち取り、わずか6球で今季初セーブ。2試合連続のゲラからのリレーには「これからどうなるかわかんないですけど、しっかり準備はしていきたい」と頼もしかった。

◆アッパレ! 阪神森下翔太外野手(23)が衝撃の逆転2号2ランを放ち、チームにホーム初勝利を運んだ。1点を追う6回、DeNA浜口のチェンジアップをフルスイング。京セラドーム大阪の左翼5階席に突き刺した。通算12本中9本が肩書付きアーチの「持ってる男」だが、逆転本塁打は自身初。3月31日巨人戦(東京ドーム)では決勝1号3ランでチーム初勝利運んだ若虎。またも大仕事だ。どこまで飛ぶんや...。5階席まで届く決勝アーチに虎党の視線がくぎ付けになった。森下はしばらくその場を動かず。本塁打の行方を見守ると、ゆっくりと一塁へ向かった。「手応えあったので、走らなくていいやと(笑い)。その場に立ってました」。ダイヤモンドを1周すると、喜びをかみしめるようにぐっと両拳を握って生還した。確信弾は1-2の6回だ。先頭の近本が四球で出塁し、2番中野がきっちりと送って1死二塁で打席が回った。DeNA先発、浜口の2球目をファウル。続く1球を見送り、カウント2-1とすると、4球続けてのチェンジアップを完璧にガツン。左腕をマウンドから引きずり下ろした。「若干(バットの)先気味だったかなと思ったんですけど、結果的に結構飛んでたんで、ホームラン行くだろうと思った」初回の第1打席は黄色のテープを巻いたバットを使用したが、第2打席以降は黒色のものに変更していた。グリップの厚さが異なる2本を感覚によって持ち替え、2打席連続安打となった。今季2号は自身初の逆転本塁打。まだ5試合目だが、本塁打数はセ・リーグトップタイ、6打点は単独首位だ。これには岡田彰布監督(66)も「効果的なホームランでしたね」と大喜び。3月31日巨人戦でも決勝3ランを放った若虎を「ええとこで打ってる」とたたえた。思い切りの良さは私生活でも変わらない。22年ドラフト同期の門別、富田とは一緒に服を買いに行く仲だ。森下の服選びは「これいいね、じゃあ、これとこれの色違い」と即断即決。これには富田も「どっちがいい? とかじゃなくて、自分がこれだって思ったものを選ぶタイプですね」と驚く。インスピレーションを感じたらすぐに行動。今オフも相撲部屋への体験入門やピート・ローズモデルの「こん棒型」バットを試すなど、多くのことを取り入れてきた。プロ2年目は始まったばかり。チームを勝利へ導く思いは強い。「ああいう場面で打てる選手が信頼を得たり、チームを勢いに乗せるバッティングができる選手。そういう場面で打ててることはいいなと思うんですけど、課題もしっかり持ちながらやりたいなと思います」。球団史上初のセ・リーグ連覇へ、背番号1が猛虎打線に火を付ける。【村松万里子】

◆アッパレ! 阪神森下翔太外野手(23)が衝撃の逆転2号2ランを放ち、チームにホーム初勝利を運んだ。1点を追う6回、DeNA浜口のチェンジアップをフルスイング。京セラドーム大阪の左翼5階席に突き刺した。通算12本中9本が肩書付きアーチの「持ってる男」だが、逆転本塁打は自身初。3月31日巨人戦(東京ドーム)では決勝1号3ランでチーム初勝利運んだ若虎。またも大仕事だ。阪神の今季2勝は、いずれも森下の本塁打が決勝点。3月31日の先制3ランに続き、この日は逆転2ランで勝利を引き寄せた。プロ通算12本塁打中、肩書付きは9本目。価値あるアーチを量産している。また森下が本塁打した11試合で、阪神は10勝1敗、勝率9割9厘だ。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が早出特打に参加した。午後1時過ぎにグラウンドへ。打席ケージに入り、50スイングで柵越え6本。練習を見守った平田ヘッドコーチから声をかけられる場面もあった。 佐藤輝はここまで打率・067(15打数1安打)と不振。2日の同戦は3打数無安打だった。結果を残すべく必死にバットを振った。

◆両チームのスターティングメンバーが発表され、阪神は伊藤将司投手(27)が先発する。10勝を挙げた昨季はDeNAを相手に2勝(1敗)、防御率1・64と活躍。DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手(21)=ENEOS=との横浜高対決も注目される。「7番・捕手」には梅野隆太郎捕手(32)が入り、伊藤将とバッテリーを組む。

◆オリックスから戦力外通告を受けてDeNAに加入した中川颯投手(25)が、4日の阪神戦(京セラ)に先発する。3日はキャッチボールなどで調整し「縁がある。ここで勝ってチームに勢いをつけられるように」と表情を引き締めた。古巣の本拠地では2軍戦などで登板経験があるが、1軍のレギュラーシーズンで投げるのは初めて。新天地で再起を期す下手投げ右腕は「準備はできているので、それを信じてやるだけ」と意気込んだ。

◆阪神は2試合連続で一回に失点し、先手を奪われた。先発は今季初登板となる伊藤将司(27)。先頭のD1位・度会(ENEOS)は外角低め141キロ直球で見逃し三振に斬ったが、続くオースティンに出はなをくじかれた。高めに浮いた139キロ直球を振り抜かれると、左中間スタンドへ豪快な1号ソロ。伊藤将は昨季のDeNA戦登板3試合で被本塁打はゼロだった。2日の同戦は村上が一回にいきなり4失点するなどし、そのまま逃げ切られた。後続を断ち、何とか最少失点で切り抜けた伊藤将だったが、この日も追いかける展開となった。

◆DeNAのタイラー・オースティン内野手(32)が「2番・一塁」で先発出場し、一回1死で先制の1号ソロを放った。2ボールから伊藤将の浮いた直球を逃さず、豪快に左中間席へ。「バッティングカウントだったので甘いボールが来たら一振りで仕留める気持ちでいた。力強くコンタクトすることができた」と振り返った。近年は故障続きだったが、今季は3安打を放った29日の開幕戦から状態は上々。この一発で5試合連続安打とした。

◆阪神・木浪聖也内野手(29)がスーパープレーで虎党を沸かせた。1点を返した直後、五回の守備。先発の伊藤将は先頭の関根に中前打を許す。山本を打ち取って1死一塁。D4位・石上(東洋大)を打席に迎えた。その初球。痛烈な打球が二遊間を襲ったが、遊撃・木浪が横っ飛びでキャッチ。素早く二塁・中野へトスし、遊ゴロ併殺を完成させた。抜けていれば、ピンチが拡大していた場面だったが、木浪が超ファインプレーで流れを渡さなかった。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が六回に逆転の2号2ランを放った。1-2で迎えたこの回は先頭の近本が四球で出塁すると、中野が犠打で1死二塁。堅実な阪神のパターンで好機を作った。ここで森下が打席へ。カウント2-1から浜口の125キロチェンジアップを振り抜いた。完璧な一打に、森下は打った瞬間確信歩き。打球は左翼5階席に着弾し、虎党から大歓声が上がった。勝負強さの光る2年目の若虎が決勝3ランで今季初勝利を導いた3月31日の巨人戦(東京ドーム)以来の今季2号で試合をひっくり返した。森下は試合前の時点で打率・071。四回にも左翼線に二塁打を放っており、完全復活の兆しを見せた。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(27)は7回5安打2失点と試合をまとめて降板した。「立ち上がりから全体的に高く、コントロールできていないボールが多くなってしまいましたが、試合の中で修正していくことでなんとか粘り強く7回を投げることができました」一回1死でオースティンにソロを浴び、いきなり先制点を献上。二回にはD4位・石上(東洋大)にタイムリーを許して2点を先行された。苦しい立ち上がりとなった左腕だが、味方の反攻を信じて、必死に腕を振る。四回にこの試合初めて三者凡退に抑えると、その裏に打線が1点をかえした。六回も三者凡退。その裏に森下が逆転2ランを放つと七回も三者凡退。回を追うごとに本来の投球を取り戻した左腕は七回の好機で代打を送られ降板。勝ち投手の権利を持ってベンチから仲間の勝利を願った。

◆DeNA打線の〝肝〟が機能した。2番に座るタイラー・オースティン外野手(32)だ。待望の1号ソロが飛び出し、誇らしげに胸を張った。「バッティングカウントだったので、甘いボールが来たら一振りで仕留める気持ちでいた。力強くコンタクトすることができた」一回に先頭の度会が三振に倒れ、1死走者なしで迎えた第1打席。2ボールから伊藤将の浮いた直球を逃さず、左中間席に先制弾をたたき込んだ。昨季チームが1勝2敗、防御率1・64と直接対決で手を焼いた左腕からの一発で、開幕戦からの連続安打を5試合に伸ばした。来日5年目。近年はたび重なるけがに苦しみ、昨季は22試合の出場にとどまった。2020年に20本塁打、21年に28本塁打と地力の高さを誇るだけに、三浦監督は「オースティンがポイント。コンディションがよければ打線は組みやすい」とにらんでいた。佐野、牧、宮崎が並ぶ中軸の厚みは十分。昨季は固定できなかった1番に度会、2番にオースティンが名を連ねたことで打線の威力は増した。下位で出塁した走者を上位がかえし、中軸が上位を生還させる多彩な得点パターンを期待できる。打線は二回、石上の適時打で追加点。しかし、三回までパーフェクトに抑えていた先発の浜口が四回に突然崩れた。4安打を集中され大山の適時打で1失点。六回には森下に逆転2ランを浴びた。打線も三回以降はゼロを並べるだけだった。

◆阪神は1-2の六回に森下翔太外野手(23)の左越え2号2ランが飛び出し、逆転勝利した。0-2の四回1死二、三塁では4番の大山悠輔内野手(29)が左前適時打を放ち、今季初打点をマーク。4ー2の八回1死一、三塁からは不振にあえいでいた佐藤輝明内野手(25)にも右前適時打が出て、同じく今季初打点となった。先発した伊藤将司投手(27)は序盤に失点するも、7回2失点と粘り今季初勝利をつかんだ。一回表 阪神の先発・伊藤将は先頭で打席に入った横浜高の後輩、D1位・度会(ENEOS)を見逃し三振に斬る。しかし、続くオースティンに左中間スタンドに飛び込む特大1号ソロを浴び、いきなり失点。続く佐野は左飛、牧は三ゴロに打ち取る。神0-1De一回裏 DeNAの先発・浜口の前に、阪神は近本が一ゴロ、中野が中飛、森下が三ゴロに倒れ三者凡退に終わる。神0-1De二回表 先頭の宮崎の中堅後方への大きな当たりは、近本が背走して余裕を持ってキャッチする。続く関根に右前打を許して1死一塁となり、ここで伊藤将の一塁けん制で関根を挟む。だが、二塁へ向かった関根を刺そうと一塁・大山が二塁へ送球するがセーフと判定される。岡田監督がリクエストを行うが、判定は変わらず(記録は関根の二盗)。山本の右飛で2死となるが、続くD4位・石上(東洋大)に左前適時打を浴び1点を追加される。送球間に二塁を狙った石上はアウトにし、攻撃終了。神0ー2De二回裏 阪神は4番からの好打順だったが、先頭の大山が三ゴロ。佐藤輝、ノイジーも連続で空振り三振に倒れる。神0ー2De三回表 先頭の浜口に左前打を許すが、続くD1位・度会(ENEOS)は二ゴロ併殺に打ち取る。続くオースティンも二ゴロに封じて、伊藤将はこの試合初めてスコアボードにゼロを刻む。神0ー2De三回裏 梅野は中飛、木浪は遊ゴロ、伊藤将は空振り三振。浜口の前に、阪神打線は1巡目はパーフェクトに封じられる。神0ー2De四回表 DeNAのクリーンアップと向き合った伊藤将だったが、佐野を一ゴロ、牧を遊ゴロ、宮崎を右飛に打ち取り、この試合初の三者凡退で切り抜ける。神0ー2De四回裏 先頭の近本がチーム初安打となる左前打を放つが、続く中野の打席で二盗に失敗。中野は右前打を放って1死一塁とする。続く森下の左翼線二塁打で二、三塁となると、ここで大山が左前適時打を放って1点を返す。大山は今季初打点をマーク。なおも1死一、三塁で佐藤輝は見逃し三振。ノイジーも空振り三振に倒れて攻撃終了。神1ー2De四回に左前適時打を放ち、今季初打点をマークした阪神・大山 「打ったのはチェンジアップ。前のみんながいい流れでつないでくれたので、なんとかランナーをかえすことができてよかったです。次の打席もチームに貢献できるように頑張ります」五回表 先頭の関根にこの日2安打目となる中前打を許すが、山本は中飛に打ち取る。1死一塁から、D4位・石上(東洋大)に中前へ抜けようかという当たりを打たれるが、木浪がダイビングキャッチし二塁へ転送。ベースカバーの中野から一塁・大山へと渡り、鮮やかなダブルプレーで切り抜ける。神1ー2De五回裏 先頭の梅野が空振り三振、木浪は一ゴロ、伊藤将は空振り三振。三者凡退で、五回を終え神1ー2De六回表 1死から、D1位・度会(ENEOS)が放った一、二塁間への鋭いゴロを、二塁・中野が飛び込んで好捕。一塁へ送りアウトにする。続くオースティンは中飛で三者凡退。神1ー2De六回裏 先頭の近本が四球を選び、中野の投前犠打で1死二塁とする。続く森下に左越えの2号2ランが飛び出し逆転に成功する。ここでDeNAは浜口が降板し、2番手の徳山がマウンドに上がる。大山は左飛、佐藤輝は右飛で攻撃終了。神3-2De六回に左越えの2号2ランを放った阪神・森下 「打ったのはチェンジアップ。前の打席でストレートをとらえていたので、変化球で攻めてくることも頭に入れながら、うまく打つことができたと思います。自分のスイングができました」七回表 クリーンアップとの3巡目の対戦となったが、伊藤将は佐野を左飛、牧を二ゴロ、宮崎を投ゴロに封じる。神3-2De七回裏 1死から梅野が四球を選ぶと、続く木浪は投前犠打を決め2死二塁とする。ここで岡田監督は先発の伊藤将として、代打・前川を送る。前川は左飛に倒れ追加点ならず。神3-2De序盤に失点するも、7回5安打2失点でまとめた阪神・伊藤将 「立ち上がりから全体的に高く、コントロールできていないボールが多くなってしまいましたが、試合の中で修正していくことでなんとか粘り強く7回を投げることができました」八回表 阪神はこの回から2番手のゲラが登板。しかし、先頭の関根にこの試合3安打目となる右前打を許す。山本の捕前犠打で1死二塁となるが、ここでゲラがけん制で二走をつり出すことに成功。そのまま挟殺で仕留め、2死走者なしとする。続くD4位・石上(東洋大)は160㌔の剛速球で空振り三振に仕留める。神3-2De八回裏 DeNAはこの回から3番手のウィックが登板。先頭の近本に今季1号となる右越えソロが飛び出し、貴重な追加点を奪う。中野が四球を選ぶと、森下の右飛を挟み、大山も右前打で続く。1死一、三塁で佐藤輝にも右前適時打が飛び出し、今季初打点をマークする。DeNAはここで4番手の松本凌が登板する。なおも1死一、二塁でノイジーは右飛。2死一、三塁から梅野は三振に倒れ攻撃終了。神5-De2九回表 阪神は3番手の岩崎がマウンドに上がる。先頭の代打・松尾は一飛に打ち取り、続くD1位・度会(ENEOS)は二ゴロ。オースティンも二飛に打ち取り、鮮やかに3人で締めて試合終了。阪神が5ー2で逆転勝利した。

◆阪神が逆転勝ち。森下翔太外野手(23)が1ー2の六回に値千金の逆転2ランを放った。「前の打席でストレートをとらえていたので、変化球で攻めてくることも頭に入れながら、うまく打つことができたと思います。自分のスイングができました」。浜口のチェンジアップを振り抜き、左翼5階席に運んだ。森下は3月31日の巨人戦(東京ドーム)以来の2号。今季の2勝すべてで決勝打を放つ勝負強さを見せている。四回には不振の4番・大山が適時打で今季初打点、さらに八回は近本が1号ソロ、不振で苦しむ佐藤輝にも今季初打点となる適時打が飛び出すなど主力が躍動した。先発の伊藤将は7回5安打2失点。試合の中で修正力を発揮し、強力DeNA打線を相手に粘り強く投げ抜いた。八回はゲラ、九回は岩崎とつないで逃げ切った。

◆六回、2点本塁打を放った阪神・森下翔太=京セラドーム大阪(撮影・水島啓輔)

◆阪神がクリーンアップの打点揃い踏みで逆転勝利。2点を追う四回1死二、三塁、大山悠輔内野手(29)が左前打で今季初打点を記録すると、六回には近本光司外野手(29)の四球と中野拓夢内野手(27)の犠打から森下翔太外野手(23)が左翼席に2号2ランを放った。八回は近本の1号ソロと佐藤輝明内野手(25)の今季初適時打で2点を追加した。二回までに2点を失った伊藤将司投手(28)は7回72球5安打無四球の粘投で今季初勝利を挙げた。ハビー・ゲラ投手(28)が八回1死二塁、自身のけん制で二走を刺して、窮地を脱出。3点差の九回は岩崎優投手(32)が締めた。ホーム初白星の岡田彰布監督(66)のテレビインタビューは以下の通り(成績=2勝3敗、観衆=3万6122人)。ーー勝因がいくつもある「守り勝ちですよね」ーー点を取った場面よりも「伊藤も、いつも低く行くピッチャーがね。開幕だから、しょうがない部分もあるんですけどね。何とか2点でね。球数もね。ゴロを打たせてゲッツー打たせたのが大きかったですね」ーー二遊間の素晴らしいプレーがあった「どっちか言うと、打つ方はあまり調子よくないかもわからないけど、守りからリズムをつかんだゲームでしたね」ーー大山が1点を取った「あそこは最低でも同点に追いつきたいところでしたけどもね。なかなか、三回までノーヒットだったしね、2巡目になって、やっとみんながタイミングが合って来た感じがしましたね」ーー逆転は森下のホームラン「まず同点と思ってバントさせたんですけどね。効果的なホームランでしたね」ーー八回の近本「1点だと上位に回って来るんで、九回は。近本のホームランで2点差になったのが大きかったですね」ーー5点目は佐藤輝「前進守備で、まあ外野フライくらいは行くかなと思ったんですけどね」ーー1打点は大きい「初めてでしょ」ーーゲラと岩崎の投球は「ゲラもヒットが出てもあまり慌てない。あのけん制も落ち着いて...。最後は三振に終わりたかったんじゃないかな。力入れてましたね」ーー全員でつかんだ勝利に意味がある「徐々にヒットも出て来たんでね。まあ、もうちょっとの部分もありますけど、もうちょっと早いイニングから、こういう形になればいいと思います」ーー第3戦以降に向けて「今の状態から言うと、3連敗しないというか。ひとつひとつ勝てるゲームは勝っていく。そういうチーム状況なんで、今日の勝ちで、明日で最後のローテーションピッチャーなんで、西なんで。ちょっとはゆっくり出来ると言うたら、おかしいですけど、落ち着いて出来ると思います」

◆阪神がクリーンアップの打点揃い踏みで逆転勝利。2点を追う四回1死二、三塁、大山悠輔内野手(29)が左前打で今季初打点を記録すると、六回には近本光司外野手(29)の四球と中野拓夢内野手(27)の犠打から森下翔太外野手(23)が左翼席に2号2ランを放った。八回は近本の1号ソロと佐藤輝明内野手(25)の今季初適時打で2点を追加した。二回までに2点を失った伊藤将司投手(28)は7回72球5安打無四球の粘投で今季初勝利を挙げた。ハビー・ゲラ投手(28)が八回1死二塁、自身のけん制で二走を刺して、窮地を脱出。3点差の九回は岩崎優投手(32)が締めた。ホーム初白星の岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=2勝3敗、観衆=3万6122人)。ーー伊藤将は七回まで投げたのが大きい「そうやなあ、岡留、ちょっと投げさせなアカンなあと思ってたけどな。もうちょっと楽な場面やったらな」ーー中野が送った場面は右投手が来ると思っていた(浜口がそのまま続投)「思ってたよ、うん。もう90超しとったから、でも、そのままやったからなあ」ーー守りからリズムを作る。やりたい事が出来た「やりたい事いうか、ずっとそないして、去年もそういうことやから、結局は。やっぱり大事なところでゲッツー取れたのが大きいよね、やっぱりねえ」ーーこういう試合の積み重ねでチームが落ち着くか「そうやなあ。もうちょっと早くな、アレや。三回まで全然やったもんな。選手一人一人の調子を上げる事やからな。やっぱヒットを打ついう事やからな」ーー1点差とした四回攻め切れなかったが、六回に「やっぱり、アレや、1点でも点が入れば全然違う展開になるから。そういうことやわ。今日でもクイック速いけど、無理矢理走らせた部分あるけど(四回無死一塁で近本が二盗失敗)、やっぱ動かんと躍動しないよな。アウトになってもええから、ちょっと動かそうと思って。浜口なんか、じっとしてても今は一人一人がヒット出ないから。動かないと躍動感というか、チームに勢いはつかんわな」ーー変化球の場面で盗塁「そうや、ちょうどよかった。ちょうどチェンジアップやったから、行けたかと思ったけどな」ーー森下は流れを変える打撃をしている「うん、まあ、ええとこで打ってるからやろ。でも、2本やんか。忘れとった、2本いうのは(実際は3安打)」ーーらしい勝ち方「いや、ホンマ守り勝ちや。早打ちにも助けられたけどな」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)が阪神ハビー・ゲラ投手(28)が見せた1点リードの八回1死二塁のけん制を絶賛した。驚いたのは八回、ゲラが二走・関根をけん制で刺した場面だ。外国人投手に対して、俊足の選手が二塁に行ったケースは、隙あらば三盗を狙うことが多い。シーズン序盤は特に試す意味でも揺さぶってくる。関根もそういう動きを見せていた。ゲラは外国人投手が得意とする「時計回りのけん制」で飛び出した関根を挟殺でアウトに。これまで見てきた投手でもトップクラスの巧みさだった。一度、このプレーを見せれば、相手球団は一気に走りにくくなる。160キロ台の速球、フィールディングに加えて、けん制もうまい。頼もしい救援投手が加わった。今季初めて先発投手に勝ち星がついたのも大きい。伊藤将は立ち上がりは球が高く、三回ぐらいまでいい当たりをされる場面が目立った。が、経験豊富だから修正能力も高い。先発の白星で、投手陣も安定。クリーンアップにそろって打点が付くなど、勝ち方はいい。きっかけにしてほしい。

◆阪神がクリーンアップの打点揃い踏みで逆転勝利。六回に左翼席に2号2ランを放った森下翔太外野手(23)と、7回72球5安打無四球の粘投で今季初勝利を挙げた伊藤将司投手(28)がお立ち台に上がった。ーーナイスピッチングでした伊藤将「ありがとうございます」ーー日本シリーズ以来の超満員の阪神ファン。お立ち台からの景色は「いや、すごく人多いなって感じました」ーー今季初登板で初勝利「ありがとうございます」ーーきょうの投球は「そうですね、初回と二回、ポンポン(点を)取られてしまったんですけど、そこから粘ることができてよかったです」ーー隣にいる森下選手の豪快な逆転弾でテンションが上がったのでは「テンションはだいぶ上がりました」(場内笑い)ーーきょうは打撃陣も活発だった「きょうは本当に野手のみんなに助けてもらった1勝なので、本当にうれしく思います」ーー逆転後もDeNAのクリーンアップを封じた。気合が入ったのでは「そうですね、(森下)翔太が豪快なホームランを打ってくれたんで。ここは点を取られたらちょっと先輩情けないなと思ったので。なんとか0点に抑えることができました」ーー連覇へ向けて、ファンにアピールポイントを「チームに貢献できるように頑張ります!」(続いて、森下のインタビューに)ーーナイスバッティングでした森下「はい、打ちました」(場内笑い)ーー打った瞬間の感触は、完璧だったのでは「バッティング練習でもなかなかあそこまで飛んでなかったので、バッティング練習以上のものが出ちゃいました」(場内拍手)ーーあそこまで飛んだことはない「いやもう手応えあったんで、走らなくていいやと思ってその場に立っていました」ーー今季初のホームでの白星「やっぱりタイガースファンの、すごい熱い声援が自分のバッティング、守備だったり全部に後押ししてくれているので。これからも熱い声援よろしくお願いします!」ーークリーンアップの3人に打点がついての勝利「3、4、5が打てばチームは勝てると思うので、これからも絶対打ちたいと思います」ーー31日の巨人戦も決勝弾。こういった一発を期待しているファンは多い「1、2,3、打席ダメでも4打席目、期待してもらえれば、必ず良い場面で打つので応援よろしくお願いします!!」ーー連覇へ向けて意気込みを「ここからタイガースの本当の力が出てくると思うので、これからも熱い声援、よろしくお願いします!」

◆阪神は森下翔太外野手(23)が1ー2の六回に値千金の2ランを放ち、逆転勝ち。四回には不振の4番・大山が適時打で今季初打点、さらに八回は近本が1号ソロ、不振で苦しむ佐藤輝にも今季初打点となる適時打が飛び出すなど主力が躍動した。先発の伊藤将は7回5安打2失点で今季初勝利をつかんだ。主な選手のコメントは以下の通り。八回に初対戦のウィックから右越え1号ソロを放った阪神・近本 「「何を投げてくるか分からない投手なので、真っスラとカット(ボール)。そこも一緒にして、どの方向に打つかとどのタイミングで打つかだった。(大きな1点になったが)結果的にはそうなったので、結果的には」岡田監督の「守り勝ち」という言葉を伝え聞き、再三の好守で盛り立てた阪神・中野 「守備でリズムを作るというのは昨年通り変わらないのでそこからリズムを作れたことはよかったかなと思います」シーズン20本を目標に掲げる中で、ここまで5戦2本塁打の阪神・森下 「開幕する前から自信を持って挑んでたので、ヒットはあまり出てないですけど、そこまで自分の中で感覚も悪くないし不安なところもないので、このまま行きたいなと思います」0-2の四回に反撃へと踏み出す左前適時打を放ち、今季初打点を刻んだ阪神・大山 「勝てたことが一番なので、勝てて良かったと思いますし、この勢いっていうか、続けられるようにもう一回、反省と準備をしっかりしてまた明日頑張りたいと思います」八回に右前適時打を放ち、今季初打点をマークした阪神・佐藤輝 「最後だけですけど、これをどんどん続けられたらなと思います」五回にダイビングキャッチから併殺を完成させるなど、好守を見せた阪神・木浪 ああいうプレーが流れが変わるプレーでもあったのかなと思うので、しっかりとあそこでゲッツーを取れたというのは良かったことかなと思います」4年目で通算30勝に到達した阪神・伊藤将 「うれしいです。まだまだ30勝なんで、どんどん投げて100勝とか目指していけたらいいなと思います」

◆DeNAのドラフト4位・石上泰輝内野手(22)=東洋大=が1―0の二回にプロ初の適時打を放ち「一本打ててうれしく思う」と実感を込めた。伊藤将の浮いた速球を捉え、鋭い当たりで三遊間を破った。「引き付けて強く打つイメージをしていて、その通りできてよかった」。開幕戦から5試合続けて遊撃で先発出場。チームが昨季固定できなかったポジションで存在感を示している。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)の守備が光った。六回1死、一、二塁間を襲ったD1位・度会(ENEOS)の打球をダイビングキャッチ。素早く一塁へ転送し、アウトに仕留めた。「守備でリズムを作るというのは昨年通り変わらない。そこからリズムを作れたことはよかったかな」。四回は近本の盗塁死直後に右前打を放って反撃の口火。六回は犠打で森下の逆転弾を演出と、2番打者としての役割も果たした。

◆DeNAのドラフト2位新人、松本凌が上々のデビューを飾った。八回1死一、二塁のピンチで起用され、ノイジーを148キロの速球で右飛、梅野をスライダーで空振り三振に仕留めた。「気持ちは準備できていた。マウンドでも自分のパフォーマンスをしっかり出せた」と胸を張った。名城大出。変則的な右横手投げで、対右打者での期待がかかる。三浦監督は「自分の役割を分かって、いい仕事をしてくれた」とたたえた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)は八回1死一、三塁の好機でウィックの154キロ直球を右前にはじき返し、今季初打点をマークした。1-2の四回1死一、三塁の場面では痛恨の見逃し三振に倒れており、意地の一打。この日は早出特打に参加するなど、状態を上げるべく必死にバットを振る大砲は「(早出特打は)しっかり確認して試合に挑みたかったので。最後だけですけど、これをどんどん続けられたら」とうなずいた。

◆阪神の新外国人、ハビー・ゲラ投手(28)=前レイズ=が八回に登板。ホーム公式戦で初めて満員の虎党の前に立った。「忘れられないぐらいの、衝撃的で、自分の気持ちが勝手にたかぶるようなすごい声援だったよ」。先頭の関根に右前打、犠打で1死二塁とされたが「走者の動きを見て怪しかった」と巧みなけん制で二走をアウトに。D4位・石上(東洋大)は来日最速となる160キロ直球で空振り三振に仕留め、豪快にガッツポーズを決めた。

◆阪神・岩崎優(32)がホームで今季初セーブを挙げた。先頭の松尾を直球で一飛に打ち取り、度会も1球で二ゴロに仕留めてあっという間に2死。オースティンも二飛に抑え、6球で3つのアウトを奪った。守備が奮闘しての逆転勝ちに「みんなすごく調子がいいわけではないと思うんですけど、なんとか粘ってつないで。こういう試合を増やしていけたらいいんじゃないかなと思います」と手応えを口にした。

◆DeNAのドラフト2位・松本凌人投手(22)=名城大=がプロ初登板を無失点で切り抜けた。2-5の八回1死一、二塁から4番手で登板。大阪府出身の横手投げ右腕はノイジーを直球で押して右飛に仕留め、続く梅野はスライダーで空振り三振に斬った。2/3回を無失点。友人が応援に駆け付けていたといい「気持ちの準備はできていた。自分のパフォーマンスをしっかり出せた」と汗を拭った。

◆飛び出したビッグプレーに、称賛のコールが沸き起こる。阪神・木浪聖也内野手(29)は決死のダイブで勝利に貢献し、胸を張った。「ああいうプレーが、流れが変わるプレーでもあったのかなと思う。あそこでゲッツーを取れたのは良かった」1―2の五回1死一塁で、D4位・石上(東洋大)の鋭い打球が二遊間を襲った。だが、木浪は素早く飛び込んで白球をつかむと、二塁上の中野へは地面に伏したままバックトス。併殺という最高の形で伊藤将を助け、反撃ムードを築いた。岡田監督も「守り勝ちですよね。打つ方はあんまり調子よくないかも分からないけど、守りからリズムをつかんだみたいな、そういうゲームだった」と〝オカダ野球〟の真髄を見せての勝利にご満悦だ。木浪は「自分は打つよりも守る方が大事。それはしっかりとできていると思う」。今後も堅いセンターラインの一角として存在感を放っていく。(須藤佳裕)

◆阪神が今季ホーム初勝利を挙げた。1-2の六回に森下翔太外野手(23)が逆転の2号2ラン。5階席までかっ飛ばす特大弾で決勝点をたたき出した。背番号1がアーチを描けば、虎は勝つ! さぁ、これから本塁打も白星も量産や!シーズン序盤でつまづく虎をまた勝たせた。走り出す必要はない。左翼スタンドに向かって伸びる白球に目をやり、森下が確信に満ちた表情で歓喜する一塁ベンチに視線を送った。唇にきゅっと力を込め、歩き出す。逆転2ランで今季ホーム初勝利をもたらした。「練習以上のものが出ちゃいました。手応えがあったので、走らなくていいやと思ってその場に立っていました。(確信歩きは)初めてだと思います」六回1死二塁の第3打席にドラマを巻き起こした。先発・浜口が初球から続けたのはチェンジアップ。直球を左翼線に運んで二塁打とした四回の第2打席が伏線になっていた。「真っすぐにもそこまで不安はなかった。チェンジアップと2球種に絞って待っていた」。4球続けて投じられた緩球を振り抜いた。DeNAファンが陣取る5階席まで飛ばし、「若干(バットの)先かと思ったんですけど、結構飛んだ。確信ではありました」と自画自賛の一発になった。昨年は日本一に貢献するセンセーショナルな1年目を過ごし、オフもイベントやメディアに引っ張りだこ。全てが落ち着いて横浜の実家に帰ったのはクリスマスを過ぎたころだった。それでも落ち着いて英気を養ったのは約1週間だけ。1月3日から、勝負の2年目に向けた練習を本格的に再開した。

◆崩れなかった。マウンドできっちりと修正した。阪神・伊藤将司投手(27)が7回5安打2失点の粘投で、虎の先発陣初勝利だ。「きょうは本当に野手のみんなに助けてもらった1勝なので、本当にうれしく思います」森下と並んだ勝利のお立ち台で、感謝の言葉を並べた。立ち上がりは高めに浮いた球をコントロールできなかった。一回、横浜高の6学年下の後輩、D1位・度会(ENEOS)から見逃し三振を奪った直後、オースティンに外角高めの直球を左中間席に運ばれた。二回2死二塁からはD4位・石上(東洋大)に高めに浮いたカットボールを左前適時打とされたが、2点目を奪われて、いい意味で開き直った。「本当にワンバンするぐらい(の気持ち)で投げていたら修正ができた感じですかね」野手陣からも攻守で援護を受けた。1-2の五回1死一塁。石上の二遊間へ抜けそうな打球を木浪が横っ飛びでキャッチし、併殺打でピンチをしのぐと、六回には森下が逆転2ラン。左腕は「(森下)翔太が豪快なホームランを打ってくれたんで。点を取られたら、ちょっと先輩情けないなと。なんとか0点に抑えることができた」と振り返った。ルーキーイヤーの2021年に10勝をマーク。翌22年は9勝、昨季は10勝と勝ち星を積み重ね、今季初登板でプロ通算30勝に到達した。「投手と野手で違うけど、同期入団の佐藤(輝)や中野が頑張って、僕も負けたくないという思いでやってこられた」が口癖の伊藤将。「まだ30勝。どんどん投げて100勝とかを目指していけたら」。連覇を目指すチームのためにフル回転していく。(三木建次)梅野が伊藤将の粘りの投球を引き出した。序盤はボールが高めに浮いたが「球種を変えてシフトチェンジしながら、何が低めに集まるかっていうところで」と配分を調整。要所でチェンジアップを使い、DeNA打線を惑わせて7回2失点の好投につなげた。「一発を食らいたくないバッターに、緩急でいくところはいくっていうことを再確認していけたのが本当によかった」と振り返った。

◆手痛いミスで反撃の機運がしぼんだ。DeNAは序盤に奪ったリードを守れず逆転負け。三浦大輔監督(50)が「流れが変わってしまった」と指摘したのは、2-3で迎えた八回の走塁だ。先頭の関根が2試合連続の3安打となる右前打で出塁し、続く山本が捕犠打を決めて同点機をつくった。打席には二回に左前適時打を放っていた新人の石上が入ったが、二塁走者の関根がけん制に飛び出して盗塁死。無得点に終わった直後の守りで2点を奪われ、万事休した。春季キャンプから走塁の意識改革に力を注ぎ、オープン戦では12球団最多の24盗塁を記録した。チームとして先の塁を狙う姿勢を磨いているが、八回の関根の走塁については「慌てる必要はなかった」と三浦監督。今後の教訓としたい。(鈴木智紘)

◆4番の今季初打点が打線を目覚めさせ、試合の流れをひっくり返す起点になった。阪神・大山悠輔内野手(29)が活路を切り開き、逆転勝利に貢献した。「勝てたことが一番。勝ててよかったと思います」試合後も冷静に勝利を喜んだが、追いかける展開のなかで主砲は熱く、一瞬も諦めずにあらがい続けた。0-2の四回に先頭の近本が左前打で出塁し、続く中野の打席で盗塁失敗。好機を逸しかけたが、中野、森下がつないで1死二、三塁。ここで4番がDeNA先発・浜口のチェンジアップを左前にはじき返した。「前のみんながいい流れでつないでくれた。走者をかえすことができてよかった」今季18打席目で初打点をマーク。意地のタイムリーがその後の森下の逆転2ランを呼んだ。4-2の八回1死一塁では右前打で一、三塁とチャンスメークし、直後の佐藤輝の適時打にもつながった。大山が得点源とつなぎ役を両立して、打線も一気に活性化。岡田監督も「2巡目になってね、やっとみんなのタイミングが合ってきた感じがしてましたけどね」と声を弾ませた。

◆鋭く振り抜かれたスイングから白球が高々と舞い上がる。虎のリードオフマンが強烈な駄目押しパンチ。今季1号ソロに阪神・近本光司外野手(29)は表情一つ変えず、さっそうとダイヤモンドを駆け抜けた。「(初対戦で)何を投げてくるかわからなかった投手なので、どの方向に打つかと、どのタイミングで打つかだった」3-2の八回。DeNAの新外国人・ウィックの148キロ直球を振り抜いた。大きな弧を描いて、打球は虎党の待つ右翼席へ。今季初本塁打&初打点をマークしても、ベンチに帰るとすかさず相手投手の特徴を伝えるところは近本らしい。「(連覇のためには)自分の状態を万全な状態にして試合に挑むということがひとつ大事かなって思います」まだ、スタッフもほとんどいないこの日の午前11時。京セラドームに近本の姿があった。全体練習の開始時刻は午後2時。しかも、前夜にナイターで試合を戦った次の日だ。入念なストレッチに室内での打撃練習。どんなときであれ、自分の状態をベストにするために最善を尽くす。四回にはチーム初安打となる左前打を放っており、2試合連続のマルチ安打。打率・316と状態を上げてきた。日々積み重ねる準備を怠ることはない。だから、虎のリードオフマンは変わらずにヒットを積み重ねることができる。2日の同戦では三塁打と二塁打を放った。2試合で長打を連発させて「きのう(2日)ときょうだけです」と笑顔で帰路についた。調子を取り戻しつつある猛虎打線。その先頭にはいつもと変わらず快音を響かせる近本がいる。(原田遼太郎)

◆全国の虎党の皆さん、お待たせしましたア!! 猛虎の『人事を尽くして天命を待つ野球』がやっと戻ってきましたー!!虎の先発伊藤将は立ち上がりからボールが高く、二回までによもやの2失点...。前日3回5失点で敗戦投手となった村上の二の舞いになってしまうんかァ!? と肩を落としていたら、そこから本来の投球を取り戻したのだ。守備陣も応えた。五回1死一塁ではセンターに抜けそうな打球に木浪が飛びつき、倒れたまま中野に絶妙なトスで6-4-3のゲッツーを決め、六回には度会の打球を中野が美技でさばいたのだ!!と、そこまでが「人事を尽くす」なら、その直後の六回に出ましたア!! 開幕カードの巨人戦でも3連敗を救う3ランを放ったビックリマン森下の逆転2ラン!! 天命超えの「森下命」ありがたや~。4番大山、5番佐藤輝も渋くタイムリーを放ったし、投手陣が耐え、打線がしぶとく得点を挙げる本来の岡田野球に近付いて来とるやないかあ!!

◆午後1時すぎ、京セラドームのグラウンドに佐藤輝が姿を見せた。試合開始の5時間近く前だ。やがて、トラ番サブキャップ・原田遼太郎の見ている前で、悩める主砲が特打のメンバーに混じり、スイング、復調のきっかけになってくれれば...と心の中で応援しながら眺めた。「とにかく打ってもらわないとボクの仕事も開幕以来、開店休業です」サトテルがドラフト会議で指名された2020年10月17日から、ずっと「サトテル番」を続けてきた原田。絶好調時はもちろん原稿を書きまくった。逆に信じられない絶不調の時期も知っている。だから、深刻には捉えていないが、それでも〝景気のいい〟記事が書けないのは、記者として寂しい。こんな気分になら、死ぬほど忙しいほうが歓迎だ。虎ソナが見てきたタイガース史でも、屈指のスラッガーになる可能性を秘めたスーパー逸材だから、歯がゆくなる。スターは、いつもカッコよくいてもらいたい。ちょうど42年前の1982年4月3日。阪神史に残る、とんでもない事件が起きた。この年の開幕戦。先発は「頼れるエースはアンダースロー」小林繁だった。横浜スタジアムで、大洋(現DeNA)相手に八回まで被安打2、無失点の快投を続けていた。2-0でこのまま勝利...を信じた虎党&トラ番記者の前で、悲劇が起きる。突如、乱れた小林は2死から追いつかれ、なお一、三塁。ベンチは次打者の敬遠を指示した。その3球目。小林が投じた131球目は、三塁側へ大きくそれ、バックネットに当たって跳ね返った。三走がバンザイしながら生還。球史に残る「開幕戦サヨナラ暴投」だった。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ヤクルト
211 0.667
(-)
-
(↓0.5)
13914
(-)
9
(-)
1
(-)
4
(-)
0.277
(-)
2.130
(-)
2
(1↓)
DeNA
320 0.600
(↓0.15)
0
(-)
13818
(+2)
17
(+5)
3
(+1)
2
(+1)
0.284
(↓0.014)
2.860
(↓0.61)
3
(-)
広島
220 0.500
(-)
0.5
(↓0.5)
13911
(-)
12
(-)
1
(-)
2
(-)
0.224
(-)
3.180
(-)
3
(2↑)
中日
221 0.500
(↑0.167)
0.5
(↓1)
13816
(+5)
18
(+2)
4
(+1)
1
(-)
0.239
(↓0.013)
3.190
(↑0.27)
5
(1↑)
阪神
230 0.400
(↑0.15)
1
(↑1)
13813
(+5)
16
(+2)
5
(+2)
1
(-)
0.209
(↑0.015
2.300
(↑0.08)
5
(2↓)
巨人
230 0.400
(↓0.1)
1
(-)
13814
(+2)
14
(+5)
4
(+1)
1
(-)
0.254
(↑0.006)
2.800
(↓0.61)