1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 5 | 7 | 0 | 2 |
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 |
勝利投手:桐敷 拓馬(1勝0敗0S) 敗戦投手:中川 皓太(0勝1敗0S) 本塁打 |
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◆阪神は両軍無得点で迎えた8回表、森下が3ランを放ち、試合の均衡を破る。続く9回には、小幡のソロなどで2点を挙げ、リードを広げた。投げては先発・才木が6回4安打無失点の好投。敗れた巨人は、先発・高橋礼が試合をつくるも、打線が無得点と振るわなかった。
◆今季初勝利へ、阪神のスタメンが発表された。「7番捕手」では梅野隆太郎捕手(32)が今季初先発。昨季8月13日ヤクルト戦(神宮)以来、231日ぶりのスタメン出場だ。今季初先発の才木浩人投手(25)とバッテリーを組み、連敗の流れを食い止める。「6番左翼」には前川右京外野手(20)が名を連ねた。今季初安打を放った、開幕戦以来の出場。相手右腕高橋礼に対し、目の覚める一打に期待がかかる。
◆開幕から2戦連続の完封負けを喫した阪神が、開幕3戦目の初回も得点できず、セ・リーグ最長の開幕から19イニング連続無得点となった。阪神は開幕戦となった29日に0-4、2戦目の30日は0-5で敗れていた。初回、先頭の近本が巨人先発高橋礼の116キロスライダーに二飛。続く2番中野もスライダーを打ち上げ左飛に倒れると、3番森下が四球を選んで出塁。2死一塁で、4番大山がフルカウントから三ゴロに打ち取られた。30日は初回に中野の二塁打から2死一、三塁、2回も2死三塁まで進めるなど好機をつくるも、あと1本が出なかった。試合後、岡田彰布監督(66)は「全然、入らへんもんな。入りそうにないもんな。まあ2試合0点やからな」となげいていた。開幕戦は好機で森下の長打コースの当たりを右翼梶谷に好捕されてから、勢いは巨人へ。2戦目も0-0で迎えた4回1死一、三塁で、初球でセーフティースクイズを試みた坂本の打球は小フライに。一塁岡本和がダイビングキャッチすると、スタートを切っていた三塁走者の大山も戻れず併殺となり、2日連続で1プレーで試合の流れが変わっていた。4月2日からホーム、京セラドーム大阪で迎えるDeNA3連戦にいい形で向かうためにも、なんとか流れを変えて今季初白星をつかみたい。セ・リーグの開幕から連続イニング無得点 これまでの最長は88年の阪神、23年の広島の18イニングで、ともに3戦目の初回に初得点を挙げた。今年の阪神が初回に得点できず19イニングとなり、リーグ最長となった。
◆開幕から2戦連続の完封勝ちの巨人が開幕3戦目の8回で今季初失点を喫した。40年阪神、96年近鉄の25イニング連続無失点の日本記録タイでストップした。巨人は開幕戦となった29日に4-0、2戦目の30日は5-0で勝利。30日は先発戸郷が6回無失点。西舘、中川、大勢の新方程式で完封リレーを完成させた。31日は先発グリフィンが6回1/3無失点。7回1死一、三塁のピンチを2番手西舘が火消しして、バルドナード、堀田で完封リレー。開幕から2試合連続完封勝ちは41年の須田(スタルヒン)、沢村の2試合連続完封以来、83年ぶりだった。阿部監督は2戦目後に「バッテリーが我慢して先に点をあげなかったっていうのが一番だと思います。いつかは失点しますけど、なんとか最小失点でいけようにね」と話していた。この日は移籍後初先発の高橋礼が6回まで無失点の好投。7回はバルドナードは無失点だったが、8回2死一、三塁から中川が森下に3ランを浴びた。
◆阪神梅野隆太郎捕手(32)が231日ぶりに1軍の公式戦で安打を放った。昨年8月13日ヤクルト戦(京セラドーム)の第1打席以来。この試合の第3打席で死球離脱後、公式戦初スタメンとなった。0-0の2回。走者なしから巨人高橋礼の2球目を左翼へ痛烈なライナーで左前打。これがこの日のチーム初安打となった。今春の沖縄・宜野座キャンプでは右肩肉離れで別メニュー調整を進めたが、開幕に間に合った。才木浩人投手(25)とバッテリーを組み、初回を無安打に抑えた。前日には「チームが連敗しているけど自分たちがやることは変わらない」と気合を入れていた。
◆お笑いコンビの紅しょうがが始球式を行った。熊元プロレス(33)がサウスポーから投球。稲田美紀(35)がチアリーダー姿で盛り上げる中、ワンバウンド投球を見せた。熊元プロレスは「この日のために練習してきた。完璧ではなかったですけど、何とか投げ切れたかなと思います」と振り返った。「女芸人No.1決定戦 THE W 2023」で7代目女王に輝き、権利をもらっていた。漫画「ドカベン」の明訓高校の帽子をかぶり、ファーストミットを装着。熊元プロレスは「野球初心者なのですけど、ドカベンだけ小学校の時から見ていた。力をもらいたいとドカベンの帽子をかぶりました。(ドカベンの)ファーストの土井垣選手が好きなので」と説明した。
◆阪神は開幕から24イニング連続無得点で、21世紀最長となる開幕から連続イニング無得点となった。開幕から2戦連続の完封負けを喫した阪神。開幕3戦目の初回も得点できず、セ・リーグ最長の開幕から19イニング連続無得点となっていた。2回に7番梅野が左前打を放ったが、その後は安打なし。開幕から23イニング目となる5回も6番前川、7番梅野と凡退し、8番木浪が四球。だが9番の才木が二ゴロに倒れ、23年のロッテに並ぶ開幕23イニング連続無得点。6回は1番近本、2番中野、3番森下の上位打線も、巨人の先発、アンダースローの高橋礼に手玉に取られ、3者凡退。1967年東京の36イニングに続くプロ野球単独2位の記録となり、今世紀では最長となった。
◆阪神大山悠輔内野手(28)が好守で先発才木浩人投手(25)を救った。0-0の6回。2死一、三塁から代打梶谷。一、二塁間を抜けようかという当たりを逆シングルでつかみ、グラブに収めた。一ゴロで先制点を許さず、阪神ファンからは大歓声。開幕から2連敗の中、4番大山が勝利への執念を見せた。
◆/今季初ヒットがこの一発\意地を見せたのは森下翔太タイガース今季初得点はこの3ランホームラン???#プロ野球(2024/3/31)??巨人×阪神??Live on #DAZN #DAZNプロ野球"野球一本" 新プラン登場「DAZN BASEBALL」 月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/17まで pic.twitter.com/pwjkt0rLgF
◆阪神岡田彰布監督(66)が、今季初得点にバンザイした。8回に森下翔太外野手(23)が先制の3ランを放つと、ベンチで喜びを爆発させた。阪神は開幕から2試合連続で完封負け。この回まで開幕から25イニング連続無得点は、セ・リーグワースト記録となっていた。鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、明るい笑顔を見せた。
◆阪神森下翔太外野手(23)が3ランで開幕から26イニング目で今季初得点となった。6回2死一、三塁から巨人中川の初球を左中間スタンドに運ぶ3ラン。一塁をまわると右手を突き上げ、喜びを爆発させた。阪神は開幕から2試合連続完封負け。7回まで25イニング無得点で、21世紀最長となる開幕から連続イニング無得点を記録していた。
◆阪神ハビー・ゲラ投手(28)が初登板した。くしくも、前のイニングでは巨人に移籍した元虎戦士カイル・ケラー投手(30)が投げたばかり。虎の新旧助っ人が入れ替わりでマウンドに上がった。これにはXでも「巨人はケラー、こっちがゲラ」「ケラーに対抗してゲラやな」「名前似すぎ」と話題になっていた。
◆リクエスト弾! 阪神小幡竜平内野手(23)が今季1号本塁打を放った。4点リードの9回2死、巨人松井から右翼席へ放り込んだ。1度は「二塁打」と判断された。右翼席最前列へ飛び込んだ打球がはね返ってグラウンドへ。二塁に到達した小幡はアピールし、ベンチの岡田監督からリクエストが要求された。球場の映像では確かにスタンドインしていたことが確認され、虎党の大歓声が響いた。小幡は22年4月24日ヤクルト戦以来、プロ2年目のアーチとなった。
◆/プロ通算2本目はダメ押しの一発\小幡竜平が2022年以来のホームラン???#プロ野球(2024/3/31)??巨人×阪神??Live on #DAZN #DAZNプロ野球"野球一本" 新プラン登場「DAZN BASEBALL」 月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/17まで pic.twitter.com/iBVIWHemmn
◆阪神森下翔太外野手(23)が重くるしいムードを払拭した。0-0の8回2死一、三塁で、左中間に決勝の1号3ラン。苦しんだ昨季日本一チームに今季初勝利をもたらした。初戦、2戦目とも0封負けと沈黙してきた猛虎打線。この日も巨人高橋礼(28)からわずか1安打と手が出ず、7回まで計25イニング「0」が並んだ。開幕からの連続無得点のセ・リーグ最長記録を更新した。8回にようやく打線が目覚めた。1死から代打小野寺暖外野手(26)が右前打。近本光司外野手(29)も左前打で続き、森下が一振りでスコアボードに待望の「3」をともした。劇的な展開になったのは才木浩人投手(25)の力投も大きかった。3回、4回と満塁ピンチをしのぎ、6回無失点と粘った。勝ちはつかなかったが、終盤勝負に持ち込んだ。7回は桐敷拓馬(24)8回は新加入のハビー・ゲラ(28)、そして9回は岩崎優(32)が抑え、逃げ切った。V候補筆頭の前評判を得ていた岡田阪神がようやく笑顔に包まれた。森下が先制3ランを放ち、開幕からの連続イニング無得点を25回で止めた。2年目の森下は通算11本目の本塁打となったが、先制が6本、同点が1本、勝ち越しが1本と、11本のうち8本が肩書付きの1発で、勝利打点付きのVアーチも6本。これで本塁打を打った試合は9勝1敗となり、勝利に直結する貴重な1発が多い。
◆阪神森下翔太外野手(23)が重くるしいムードを払拭した。0-0の8回2死一、三塁で、左中間に決勝の1号3ラン。苦しんだ昨季日本一チームに今季初勝利をもたらした。初戦、2戦目とも0封負けと打線が沈黙。してきた猛虎打線。この日も巨人高橋礼(28)からわずか1安打と手が出ず、7回まで計25イニング「0」が並んだ。開幕からの連続無得点のセ・リーグ最長記録を更新した。8回にようやく打線が目覚めた。岡田彰布監督(66)は森下の一打をベンチで大喜び。「久しぶりに点入ったなあと思ってますよ。スリーランだし、そういう意味で大きかった。この3連戦の中では一番ええとこで打った」と、たたえた。森下が先制3ランを放ち、開幕からの連続イニング無得点を25回で止めた。2年目の森下は通算11本目の本塁打となったが、先制が6本、同点が1本、勝ち越しが1本と、11本のうち8本が肩書付きの1発で、勝利打点付きのVアーチも6本。これで本塁打を打った試合は9勝1敗となり、勝利に直結する貴重な1発が多い。
◆阪神が苦しんで初勝利を挙げた。8回、森下翔太外野手(23)が左中間に決勝の1号3ラン。開幕から26イニング目でようやく入った得点だった。投手陣も先発才木浩人(25)が6回無失点と粘り、桐敷拓馬(24)、新加入のハビー・ゲラ(28)、9回は岩崎優(32)と新必勝リレーでつないだ。開幕カードは1勝2敗。岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り。-心境を「いや、久しぶりに点入ったなあと思ってますよ」-森下がやってくれた「ああ、初ヒットでしょ? 森下もね。ずっとリードされての展開だったけど、きょうは同点でね、リリーフ勝負というところでね。何となく、代打とかいろんな意味で、なんかこうリズムあったですね」-昨年も印象的な一打が多かった森下「ホームランね、スリーランだし、そういう意味で大きかったですね」-8回は先頭から代打、代打、代走も送った。ここで取りにいくと「それまでヒット1本でしょ? チャンスがなかったんでね。そういうね、代打とかね、代走いけなかったけど、ちょっとリズムよくなったっていう感じはしましたね。あの回はね」-9回もノイジー、糸原で1点、小幡にも本塁打。得点とって雰囲気が変わった「そらもう、変わったのは間違いないですね。先制を取れるところで、こっちのミスで1戦目、2戦目を取れなかったので、取れるときはこんなもんでしょうね」-才木がよくしのいだ「もう何て言うか、本当にしのいで、しのいでのね、紙一重じゃないですか」-ゲラ、岩崎も開幕をした「ゲラは初登板なので、ちょっとコントロールを乱して不安やったですけど、何とか0点でいったんで。岩崎は経験があるので。次からはゲラももっと落ち着いて投げると思いますけど」-連覇を狙うシーズンが始まった。どんな野球を見せたいか「いやいや、今まで通りやるだけなんですけどね、開幕(カード)で3連敗と1勝2敗じゃね、1勝2敗じゃ1つしか負け越しがないので、今日の勝ちは本当に大きかったと思うし、やっとホームに帰れるのでね、あさってから自分らの野球をもっとできるようにしたいですね」-高橋礼が代わったのは大きかったか「いやもう、あのへんまでかなと思ってたよ。オープン戦からそんな球数投げてへんから。打順回ってきたら代わるな思てたけどね」-森下はヒットこそ出ていなかったが状態は良かった「そら状態良かったらヒット出ると思うけどな。だから出てない、やっぱ悪いんやろな。まあそらファインプレーもあったけど」-そういう場面で打ってくれる選手「うーん、まあ、この3連戦の中では一番ええとこで打ったしな。まあ初戦のが抜けてたらもっと良かったけど、そらもうしょうがない」-小野寺を含めて控え選手がいい仕事をした「いやいや、だから昨日おとといはそういうゲーム展開にならんもんね。やろうと思ってもできない、流れ的にできないから、今日なんかはね、リリーフもね、同点だからどっちも勝ちパターンのピッチャーで勝負できるわけだから。久しぶりにそういうゲーム展開になったからね、おーん。だからやっぱり動けた、代打もいけるというね」-采配ができた試合だった「おーん。久しぶりよ、そんなもん」-才木の無失点が大きい「そらもう、曲がりなりにもな。あっぷあっぷと思うよ。6回までと思ったけどな。まあそこまでいったらあと3イニングはな。左が多かったけど、桐敷がいてるんで、そらまあ安心しとったけどな」-代打梶谷は向こうの勝負手だったけど才木に託した「そら開幕で0点に抑える投手を代えれんよ。そらシーズン途中くらいで優勝争っとったら、そら左代えてたかも分からんけどな。まだそんなん開幕で、0点に抑えてるピッチャーを代えれんて」-桐敷が流れを呼び込んだ「ゲラと岩崎以外では一番やっぱり安定しているというか、その前を任せられるからな。左が3人3人になるからさ、ここもね」-8回からは打順の並びや、初登板もあって「桐敷が(走者を)出してたら岡留いっとったけどな。あそこは1人1殺でな。でも3者凡退でいったからゲラいったけど」-大山に1本出て安心「いや、まだ安心してないよ」-3タテじゃなかったのは今後に向けても大きい「いやあ、そら今日の勝ちは大きいと思うよ。でも序盤は劣勢やったからな、結局は。ヒット1本であそこまでいったからな。まあ、そういう意味では、この勝ちは大きいよな。借金3つが1つになるんやから。そら全然違うよ、1勝2敗は」-チームとしての戦いができたことも大きい「そらもう、勝ちゲームやからやん。同点やったからやん。きのう、おとといは劣勢でそんなことできへんかった」-中川を崩したのも「大きいな。西舘は入ってなかったやろ」-巨人に阪神の力を見せた「いや、そら向こうは分かってるやろ、そんなん。向こうは分かってるよ、こっち以上に分かってるよ。こっちは向こうのことまだ今年分からへんからな、メンバーとか」
◆初勝利の阪神岡田彰布監督(66)はほっとした表情だった。8回、森下翔太外野手(23)が左中間に決勝の1号3ラン。初戦、2戦目とも0封負けと打線が沈黙していたが、26イニング目でようやく入った得点だった。。先発才木浩人投手(25)が6回無失点と粘り、桐敷拓馬(24)、新加入のハビー・ゲラ(28)、そして9回は岩崎優(32)と新必勝リレーでつないだ。開幕カードは1勝2敗。「今まで通りやるだけなんですけどね。開幕(カード)で3連敗と1勝2敗じゃね、1勝2敗じゃ、1つしか負け越しがないので、今日の勝ちは本当に大きかったと思うし、やっとホームに帰れるのでね。あさってから自分らの野球をもっとできるようにしたいですね」と引き締めた。
◆阪神長坂拳弥捕手(29)が、母校・高崎健康福祉大高崎(群馬)のセンバツ初優勝を喜んだ。巨人戦後に「おめでとうございます。本当にすごいなと素直にそう思います。うれしいです。ほとんど試合は見れてないですけど、すごいなと思います」と祝福のコメントを語った。長坂自身も2年夏、3年春と甲子園に出場。後輩たちの活躍は、何よりの刺激になるはずだ。
◆岡田監督の早大時代の同期、巨人や近鉄でプレーした島貫省一氏(66)には、今も覚えているシーンがある。最上級生になり、ともに繰り出した夜の町。若かりし岡田監督は言った。「将来はプロ野球の監督になるんだ」。聞いたのは1度や2度ではない。「WASEDA」のユニホームの時から、はるか先の未来を見ていた。酒を片手にしても、常に野球の話。「『次の試合、相手が何球目にホームランを打つ』とか、考えていることが1人だけ違う」。野球談議は熱を帯び「今だから言えますけど、寮の門限をやぶって...」と笑った。「岡田がいたからプロに行けたと思うんです」と島貫氏は言う。入学直後、レギュラー組が九州遠征中に行われた打撃練習。岡田監督が2年生投手から放った打球は、バックスクリーンを超えて場外へ。「高校を卒業したばかりの選手が...。4年間であんな打球を見た記憶はないです」。度肝を抜かれた姿を追い、同じプロの世界に飛び込んだ。現役時代は「伝統の一戦」で顔を合わせれば「元気か?」とよく言葉を交わした。早大の同期会は今も毎年続く。いつも中心にいた主将は、背中で引っ張るタイプ。「自分の数字よりチームに貢献することを考えていた。将来監督をやりたいというところにつながっていたかもしれないですね」。勝利が最優先のプレーは、指揮官としてのタクトに生きている。開幕カードは「伝統の一戦」となったが、島貫氏は「岡田がいる間は阪神を応援しますよ」ときっぱり。厚い信頼を受ける姿は今も同じ。20代の頃に夢見た監督として、今年もチームを頂点に導く。【磯綾乃】島貫省一(しまぬき・しょういち) 1957年(昭32)7月24日、福島市生まれ。福島商から早大。4年時には岡田監督とクリーンアップを組み、ともに日米大学選手権に出場。79年にドラフト外で巨人に入団。84年に近鉄にトレード移籍し、85年に現役引退。
◆巨人が5失点完封負けで今季初黒星を喫した。8回に中継ぎの大黒柱を担う中川が阪神森下に3ランを浴びて、今季チーム初失点。開幕からの連続無失点は日本記録タイの25イニングで止まった。阿部監督は「打たれるときはある。それをしっかり反省と対策をしてくれと今言ってきた」と責めずに切り替えを促した。ここ2試合で9得点だった打線も好機を逃した。4度の得点圏はいずれも決定打を欠くも「タラレバを言ったら、俺らの下手なゴルフと一緒になっちゃうから。悲観せずに対策を練ってやったし、粘っていくということができたから」と収穫にも目をやった。開幕3連戦は2勝1敗で勝ち越し、上々のスタートをきった。昨季は6勝18敗1分けだった王者阪神に互角以上の戦いぶりに「反省するところはして負けは負けでしっかり認めて。次のカードも勝ち越せるようにまたやるだけ」と話した。試合後はベンチ前に整列してスタンドにあいさつした。昨季までは勝利したときだけだったが、敗戦しても声援に感謝の意を示すのが阿部流。開幕カードから新しいジャイアンツを印象づけた。【為田聡史】
◆巨人杉内俊哉投手チーフコーチ(開幕から25回連続無失点の日本タイ記録に)「いつかは途切れますし、そんなに気にしていない。無駄な四球が少ないのが大きな要因だと思います。阪神才木投手のように粘り強く。それを見本にこれからも頑張っていきたい」。
◆阪神梅野隆太郎捕手が昨年8月以来、231日ぶりに安打を記録した。昨年はその後に死球で離脱し、後半戦を棒に振っていた。今季初先発で2回、高橋礼からチーム唯一の安打となる痛烈な左前打を放った。再三のピンチでの粘り強いリード、ブロッキングも光った。「連敗を止めることだけを考えていた。勝ちをつかめて本当に大きいし、ほっとしました」と笑った。
◆阪神才木浩人投手が粘りに粘り抜いて、6回無失点で勝利を導いた。3回2死満塁では岡本和に低めへのフォーク連投で空振り三振。4回の満塁、6回一、三塁でもあと1本を許さなかった。実は3回の打席で右手の指を痛め、感覚が鈍っていた。その影響でしばらく制球がおぼつかなかったが「梅野さんがどんどん攻めてこいと言ってくれたので。本当になんとか、なんとか、という感じで。フォークを決め切れたのがよかった。梅野さんと野手の方に助けていただきました」と感謝した。指は問題なし。自身に白星はつかなかったがチームを救う粘り腰だった。
◆阪神大山悠輔内野手は上り調子でホーム開幕に迎えそうだ。3打席凡退のあとの8回。昨年までの同僚ケラーからライナーで鮮やかな左翼前打。下半身のコンディション不安でオープン戦最後4試合を欠場。前日までは走塁も含め本来のプレーができていなかった。まだ万全とは言えないが、不動の4番打者は「次も頑張ります」と短く言い残して球場をあとにした。
◆巨人高橋礼投手が6回1安打無失点と二塁を踏ませない好投も、移籍後初登板初勝利はお預けとなった。テンポよくストライク先行でチームの開幕からの連続無失点の日本タイ記録に貢献。「結果的にそういう記録をつくれたのはうれしいが、意識することでもない。これからも淡々とやります」と話した。両者無得点の6回2死一、三塁の好機で代打を送られ降板。阿部監督は「『これがセ・リーグなんだ。申し訳ない』と言った。最高のピッチングをしてくれた」とたたえた。
◆阪神糸原健斗内野手がさすがの仕事人ぶりを発揮した。9回1死三塁で代打で登場。巨人の投手松井にピッチャー返しの強烈な打球を放ち、ボールが転々とする間に三塁走者植田が生還した。「(投手に触れずに)抜けるやろ~」と苦笑いも、今季初打点をマークしリード4点に広げた。「植田がランナーだったので、転がしても犠牲フライでも頑張ってくれると思った。気楽な感じで打席に入りました」と仲間に感謝した。
◆阪神小野寺暖外野手が打線に火をつけた。8回1死から代打で登場。中川から右前に運んだ。チーム2安打目を合図に一気に活発化した。「左投手がくるのは分かっていたので、前の回からしっかり準備して打席に入れた。点を取れてなかったけど、何かきっかけがあればこういった形になるとは思っていたので」と胸を張った。これが今季初打席。大きな仕事だった。
◆巨人吉川尚輝内野手(3安打で今季初猛打賞も8回2死一、三塁で遊ゴロ)「ヒットはよかったが、勝ちたかった。それに尽きる。チャンスで打てなかったので、しっかり練習して打てるように頑張ります」
◆これが24年版勝利の方程式! 阪神が「KGI」リレーで、7回まで両軍無得点の接戦をものにした。K=桐敷拓馬投手が先陣を切った。7回から2番手で登板。佐々木への代打浅野を中飛、2番門脇、3番松原を連続空振り三振で3者凡退だ。「ゲラと岩崎以外では一番安定しているというか、その前を任せられるからな」と岡田監督。その信頼に応え、1回無失点で8回の森下の3ランを呼び込んだ。昨季までプロ通算2勝だった男が、早くも今季1勝目。「流れをこっちに持ってこられたかなと思います」と胸を張った。岡田監督は現状、ハビー・ゲラ投手、岩崎優投手を投入する前の「7回の男」に桐敷、岡留の左右のリリーバーを相手打線に応じて起用する方針。今回は左打者が並んでいたため桐敷の出番が来た。仮に走者を許して4番岡本和に回っていれば「岡留いっとったけどな。あそこは(岡留で)1人1殺でな」。それでも桐敷は3人で片付け、後続にバトンをつないだ。昨季は指揮官から「スペードのエース」と称され、ブルペンの切り札的存在として日本一に貢献。さっそく連投をこなし、プロ3年目も安定感は変わらないことを証明した。8回を託されたG=ゲラは初登板で2死一、三塁のピンチをつくるも、無失点で来日初ホールド。最速157キロをマークし「新たな1ページと言ったらおおげさですけど、スタートできたので毎日一生懸命準備して、また頑張ります」。球団10位タイとなる通算444試合目の登板となったI=岩崎も今季初登板で5点リードの9回を締めくくり「勝ててよかったですね」と喜んだ。強固な「KGI」が、虎の終盤に待ち構える。【中野椋】
◆阪神近本光司外野手が後輩の先制弾をお膳立てした。8回1死一塁で左腕中川から左前打を放ち、チャンス拡大。その後、森下の3ランが飛び出し今季初勝利につながった。「球種とかコースコースじゃなくて、しっかりタイミングを合わせて、そのコースに対してしっかり振っていくことだけ意識していましたね」と冷静に分析。「日曜日に勝つのも大きいし、1勝、とにかく勝てたのも大きい」とうなずき、帰阪した。
◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(7回代打から出場し、四球と二塁打で好調をアピール)「いい感覚で振ることができている。チームの勝利に貢献できるように。少しでも長く続けていけたらと思います」
◆阪神小幡竜平内野手が今季初打席、初本塁打を決めた。4点リードの9回2死で巨人松井から右翼席へ放り込むソロアーチ。「打った感覚がなかったんですけど、いい角度で行ってくれていたので、びっくりしてます」と笑みを浮かべた。右翼席最前列へ飛び込んだ打球はグラウンドへはね返り、1度は「二塁打」の判定。岡田監督からのリクエスト要求で判定が覆った。本塁打は22年4月24日ヤクルト戦以来、プロ2本目だ。8回には同学年の森下が先制3ランを放ち、00年生まれのアベック弾。「それが今年初勝利だったので、余計に良かった」と充実の表情だった。
◆阪神森下翔太外野手(23)が重くるしいムードを払拭した。0-0の8回2死一、三塁で、左中間に決勝の1号3ラン。苦しんだ昨季日本一チームに今季初勝利をもたらした。森下はゴルフも野球と重ね合わせる。昨オフのイベントをキッカケにゴルフを始めた。同僚の小野寺や小幡らと何度かラウンドした。趣味にする選手は多く野球とは違った打ち方でプレーすることも少なくない。その中でも森下は、極力同じ打ち方を心がけている。「体の使い方自体は同じ。野球とゴルフは違う打ち方という人もいると思うんですけど。理にかなった打ち方になれば同じ打ち方で打てると思う。つながる部分は絶対にある」打撃と同様、胸椎の部分から体を動かしスイング。体の角度を変えるだけだという。「止まっているボールを打つだけでも難しい。でも、そこでしっかり打てなかったら前から来るボールもなかなか打てないと思うので。そういう意味で、調整方法の1つとしてゴルフって全然ありだと思っています」。リフレッシュの一時からも、成長のヒントを逃さない。【阪神担当=波部俊之介】
◆バンザ~イ! 阪神森下翔太外野手(23)が虎の負の連鎖を断ち切った。開幕3戦目となる巨人戦(東京ドーム)。0-0で迎えた8回に今季初安打となる第1号決勝3ランを放った。セ・リーグ最長となる連続無得点記録を25イニングでストップ。岡田彰布監督(66)もベンチで思わずバンザイだ。2年目の若虎が、開幕からゼロ地獄に陥ったチームの呪縛を一振りで解き放った。森下はファンの思いを代弁するように、両手を強くたたき、右手人さし指を突き上げた。巨人中川から放った第1号決勝3ラン。開幕3戦目、26イニング目でのチーム初得点だ。負の連鎖を断ち切るアーチに、東京ドームの虎党はもうお祭り騒ぎ。「(チームが)チャンスで1本出なかったところで自分が出せば、勢いに乗れると思っていた。そういう気持ちで挑みました」。この日一番の歓声をかみしめ、ゆっくりとダイヤモンドをまわった。0-0と停滞していた8回だった。小野寺、近本の連打で作った2死一、三塁の好機。「この3連戦で1回対戦していたので。ツーシーム系と、真っすぐ。ここを狙っていました」。初球から狙いを定めていた。29日の開幕戦では二飛に打ち取られた直球を初球から強振。中堅左に弾丸ライナーで突き刺した。自身にとっても、今季12打席目で決めた初安打。ルーキーだった昨季も重要局面で価値あるアーチをかけてきた若虎に、思わずベンチで両手を突き上げた岡田監督も「この3連戦の中では一番ええところで打ったしな。初戦のが抜けてたらもっと良かったけど、そらもうしょうがない」とえびす顔。開幕戦では3回1死一、二塁から右中間を破ろうかという当たりを右翼手梶谷に好捕されたが、今度は文句なしの得点だ。オフには安定性を求め、打撃のコンタクト率アップなどに着手。バットの出し方や体の回し方など、フォームの改良を重ねてきた。キャンプのフリー打撃でも考えながら、丁寧に打撃を確認。時にピート・ローズモデルの「こん棒型」バットを試すなど、研究熱心な姿を見せてきた。「趣味が野球みたいな形。野球について考えることが楽しくて。それが成長してできるようになった時が、うれしいんです」。小学1年で始め、野球歴は今年で18年目。「うまくなりたい」の一心で、ここまで来た。虎の3番は、今も根っからの野球小僧だ。負の連鎖を断ち切り、開幕3連敗を阻止した。「一喜一憂してもしょうがない。次、京セラでしっかり打ちたいと思います」。殊勲打にも慢心はなく、見据えたのは2日DeNAとのホーム開幕戦。球団初のセ・リーグ連覇へ、まずは森下が流れを変えた。【波部俊之介】
◆森下の打球が左中間へ飛んだ瞬間、阪神岡田彰布監督(66)はすぐに立ち上がった。スタンドインが分かると、両手をいっぱいに上げてバンザイのポーズ。ここまでの険しい表情から一変、白い歯がこぼれた。「いや、久しぶりに点入ったなあと思ってますよ」。2戦連続完封負けからの劇的な完封勝利。指揮官らしい率直なコメントだった。接戦でこそ自慢のタクトが光る。「久しぶりにそういうゲーム展開になったからね、おーん。だからやっぱり動けた」。0-0で迎えた8回。先頭から代打原口、小野寺と連続攻勢を仕掛けた。小野寺に右前打が出ると、代走小幡を投入。一気にたたみかけ、森下の3ランにつなげた。勝ち越せば、信頼するブルペン陣を送るだけ。「きょうは同点で、リリーフ勝負というところでね。なんとなく、代打とかいろんな意味で、なんかリズムがあった」。開幕戦は好守に阻まれ、第2戦はセーフティースクイズを決められず、紙一重のプレーで流れをつかめずに連敗。「おーん。久しぶりよ」と采配を振る機会は逃さず、お得意の展開に持ち込んだ。試合の機微を見逃さないのは、いつも周囲に目を配っているから。昨季日本一に輝き、待ちに待ったハワイ優勝旅行。「ねぎらってやらなあかんからな」。指揮官が感謝したのは、いつも行動をともにする監督付の藤原広報だった。ともにショッピングモールを訪れ「なんでも好きなもの買えよ」とプラダのバッグをプレゼント。1年間の気持ちを形にした。「伝統の一戦」で一矢報い、ホーム開幕の4月2日DeNA戦(京セラドーム大阪)へ。「この勝ちは大きいよな。借金3つが1つになるんやから。そら全然違うよ、1勝2敗は。明後日から自分らの野球をもっとできるようにしたい」。球団初のセ・リーグ連覇という偉業へ。岡田阪神らしい1勝目から勢いに乗る。【磯綾乃】
◆巨人はチーム最年長の長野久義外野手(39)が「3番・左翼」で初先発する。先発のマウンドは現役ドラフトでソフトバンクから加入した高橋礼投手(28)が移籍後初登板を果たす。浅野翔吾外野手(19)は今季初めてベンチ入りした。
◆両チームのスターティングメンバーが発表され、阪神は梅野隆太郎捕手(32)が「7番」で先発。才木浩人投手(25)とバッテリーを組む。チームは開幕から2戦続けて零封負けを喫し、セ・リーグのワーストタイ記録となる開幕から18イニング連続無得点中。不名誉な記録の更新阻止が懸かる一回の攻撃が注目される。
◆阪神のスコアボードにまた〝0〟が刻まれた。開幕から本塁が遠い阪神はこの日も一回に得点できず、開幕からの連続イニング無得点記録を更新してしまった。巨人の先発・高橋礼を前に、近本が二飛、中野が左飛でツーアウト。森下が四球を選ぶが、続く大山が三ゴロに倒れ、またも無得点。29日、30日も巨人に2試合連続での完封負けを喫しており、セ・ワーストタイの18イニング無得点となっていた。これで無得点は19イニングに伸び、不名誉なワースト新記録となってしまった。現状を打破する一打に期待したい。
◆「7番」で今季初先発した阪神・梅野隆太郎捕手(32)が二回の第1打席で左前打を放ち、今季初安打をマークした。アンダースロー右腕・高橋礼の133キロを引っ張った。痛烈な打球は左翼線へ。梅野は昨年8月に死球で左尺骨を骨折し離脱。30日の同戦で代打出場し、1軍公式戦に230日ぶりに戻ってくると、この日快音を響かせた。
◆今季初勝利に向け、阪神の先発・才木浩人投手(25)が粘りを見せた。0-0で迎えた四回。先頭の吉川に、巨人の初ヒットとなる右前打を浴びて走者を背負う。その後2死二塁とするが、門脇、長野に連続四球を与えて満塁となり、打席には30日の試合で本塁打を放っている4番・岡本和。捕手の梅野も体を張って低めの変化球を止めながら、最後はカウント2-2から外角低めへのフォークで空振り三振を奪った。初白星へ、力投が続く。
◆阪神の先発・才木浩人投手(25)が6回無失点で降板した。ピンチを背負いながら粘りを見せた。三回は2死満塁で4番・岡本和と対戦。梅野も体を張って低めの変化球を止めながら、最後はカウント2-2から外角低めへのフォークで空振り三振を奪った。四回も安打と四球で満塁を招いたが、佐々木を三邪飛に仕留めて無失点。六回は2死一、三塁で代打・梶谷の当たりを大山が好捕し、一ゴロで先制を許さなかった。5四球を与える苦しい投球となったが、107球を投げて勝負所で踏ん張った。2番手は桐敷拓馬投手(24)。
◆巨人・吉川尚輝内野手(29)が3本の右前打で猛打賞を記録した。三回の第1打席、無死から阪神の先発・才木が投じた147キロの直球を弾き返して右前へ。2死から二盗を決め、今季チーム初盗塁を記録した。続く四回、1死一、二塁の好機で打席に入ると、カウント2-2から直球を弾き返して右前へ。六回にも安打を放ち、猛打賞となった。
◆阪神の先発・才木浩人投手(25)が6回無失点で降板した。ピンチを背負いながら粘りを見せた。三回は2死満塁で4番・岡本和と対戦。梅野も体を張って低めの変化球を止めながら、最後はカウント2-2から外角低めへのフォークで空振り三振を奪った。四回も安打と四球で満塁を招いたが、佐々木を三邪飛に仕留めて無失点。六回は2死一、三塁で代打・梶谷の当たりを大山が好捕し、一ゴロで先制を許さなかった。5四球を与える苦しい投球となったが、107球を投げて勝負所で踏ん張った。「初回からいい感覚を持って投げることができました。ランナーを溜めてしまいましたが、梅野さんや野手の方の守備に助けてもらいながら、なんとか無失点で切り抜けることができました」とコメントした。
◆阪神・森下翔太外野手(23)が0-0の八回、左中間へ3ラン本塁打を放った。これが千両役者の一撃だ。1死から代打・小野寺が右前打、近本が左前打でつないで一、二塁。中野が二ゴロで2死一、三塁となり、森下が打席に入った。初球を迷いなく振り抜き、打球は左中間スタンドの最前列へ。森下は右手の人差し指を高く掲げ、岡田監督は万歳でベンチを飛び出した。開幕から25イニング無得点だったが、26イニング目でストップ。自身12打席目の初安打となる一振りでチームを勝利へ動かした。
◆開幕戦から続いていた巨人の連続無失点記録が25イニングでストップしたが、プロ野球記録に並んだ。0-0で迎えた八回、中川皓太投手(30)が投じた速球を阪神・森下が左翼席へ運び、先制3ラン。これが今季のチーム初失点となり、開幕からの連続無失点が途切れた。新記録樹立とはならなかったが、開幕から25イニング連続無失点は1940年の阪神、1996年の近鉄に並ぶタイ記録となった。
◆新加入の阪神のハビー・ゲラ投手(28)が3―0の八回に3番手で来日初登板。1回無失点で抑えた。先頭の岡本和に初球を左前に運ばれたが、続く坂本を156キロ直球で空振り三振に仕留め1死を奪う。大城に右前打を浴び、丸の二ゴロで2死一、三塁。2安打の吉川と対戦となった。2球で追い込み、最後は155キロの直球で遊ゴロ。リードを奪った直後に役割を果たした。
◆阪神が終盤に力を見せ、今季初勝利をあげた。2試合連続完封負けを喫していた打線は七回まで無得点で、開幕から25イニング連続無得点はセ・リーグ新記録となったが、八回に試合が動く。代打・小野寺と近本の連打などで2死一、三塁と好機を作ると、3番・森下が左中間へ3点本塁打。今季12打席目での初安打が貴重な先制弾になると、九回にも小幡のソロ本塁打などで2点を追加し、今カードの鬱憤を晴らすように5点を挙げた。投げては先発の才木浩人投手(25)が5つの四球などでピンチを作りながらも6回無失点。桐敷、ゲラ、岩崎とつないで完封リレー。投打に噛み合う好ゲームで3連敗を阻止した。
◆八回2死一、三塁で3ランを放ち、ナインから祝福を受ける阪神・森下翔太=東京ドーム(撮影・塩浦孝明)
◆開幕3連勝を狙った巨人は、終盤に失点が続き、就任1年目の阿部慎之助監督(45)の初黒星となった。指揮官は試合後の取材で開口一番に「完敗でございます」と潔く認めた。0-0の八回に登板した中継ぎエースの中川が森下に3ランを浴び、プロ野球記録に並ぶ開幕戦からの連続無失点記録は25イニングでストップした。指揮官は「打たれるときはあるんだよ。リーグ戦なんだから。『しっかり反省と対策をしてくれ』と今言ってきた」と左腕を責めなかった。一方、打線は阪神・才木に苦戦。再三の好機で決定打が出なかったが、「〝タラレバ〟を言っていたら俺らの下手なゴルフと一緒になっちゃうから。そんなところを悲観せずに。対策を練ってやったし。八回に(攻撃で好機を作って)粘っていくことができたから。去年だったら『チーン』ってそのまま終わっていた」と前向きだった。現役ドラフトでソフトバンクから加入した先発の高橋礼の6回1安打無失点と好投には「最高のピッチングしてくれた」とたたえ、六回の攻撃で2死一、三塁で打席が回ってきたために代打を送ったことに触れ「これがセ・リーグなんだ、申し訳ないって言った」と振り返った。
◆阪神が今季初勝利。0―0の八回に森下が決勝の3ランを放った。先発の才木が6回無失点と粘り、2番手の桐敷に白星。九回は岩崎が締めた。巨人は高橋礼が6回1安打無失点と好投したが援護がなく、3番手の中川が打たれた。阪神は八回に森下が3ランを放ち、開幕戦の一回から続いていた無得点が25イニングでストップ。開幕戦から25イニング連続無得点は1988年の阪神、昨年の広島の18を抜くセ・リーグワースト記録。全体では67年の東京(現ロッテ)の36に次ぐ2番目。開幕戦からに限らない連続イニング無得点のプロ野球記録は53年び大映の59。巨人の開幕戦から25イニング連続無失点は1リーグ時代の40年の阪神と96年の近鉄に並ぶプロ野球記録。セ・リーグでは53年の巨人の20を更新する新記録。開幕戦からに限らない、連続イニング無失点のプロ野球記録は42年の阪神と2011年の日本ハムの52。
◆阪神が開幕3戦目で今季初勝利。25イニング無得点で迎えた八回2死一、三塁、森下翔太外野手(23)の1号3ランで均衡を破った。森下は12打席目で今季初安打。八回は糸原健斗内野手(31)の二ゴロで4点目を追加し、さらに小幡竜平内野手(23)の2022年4月24日のヤクルト戦(神宮)以来の本塁打で5点目を挙げた。才木浩人投手(25)は6回を投げ、5四球を与えたが無失点。八回にはハビー・ゲラ投手(28)が来日初登板で1回無失点。九回は岩崎優投手(32)が締めた。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(観衆=4万654人)。(テレビ編=一部抜粋)ーー今の心境を「久しぶりに点入ったなあと思ってますよ」ーー八回は開幕から26イニング目に得点。森下がやってくれた「初ヒットでしょ? 森下も。ずっとリードされての展開だったけど、今日は同点でリリーフ勝負というところでね。代打とか、いろんな意味でリズムあったですね」ーー九回も2点。雰囲気が変わった「変わったのは間違いないですね。先制を取れるところで、こっちのミスで1戦目、2戦目を取れなかったので、取れる時は、こんなもんでしょうね」ーーゲラ、岩崎も開幕「ゲラは初登板なのでコントロールを乱して不安やったですけど、0点でいったんで。岩崎は経験があるので。次からはゲラも落ち着いて投げると思いますけど」ーー連覇を狙うシーズン。どんな野球を「今まで通りやるだけなんですけどね、開幕(カード)で3連敗と1勝2敗じゃね、1勝2敗じゃ1つしか負け越しがないので、今日の勝ちは本当に大きかったと思うし、やっとホームに帰れるのでね、明後日から自分らの野球を出来るようにしたいですね」(囲み編)ーー高橋礼が代わったのは大きかったか「いやもう、あのへんまでかなと思ってたよ(6回無失点)。オープン戦から球数投げてへんから。打順回ってきたら代わるな思てたけどね」ーー森下は状態は良かった「そら状態良かったらヒット出ると思うけどな。だから出てない、やっぱ悪いんやろな。まあそらファインプレーもあったけど」ーーそういう場面で打ってくれる選手「この3連戦の中では一番ええとこで打ったしな。初戦のが抜けてたら、もっと良かったけど、そらもうしょうがない」ーー小野寺を含めて控え選手がいい仕事をした「昨日、一昨日はそういうゲーム展開にならんもんね。やろうと思っても出来ない。流れ的に出来ないから、今日なんかはリリーフも、同点だからどっちも勝ちパターンのピッチャーで勝負出来るわけだから。久しぶりにそういうゲーム展開になったからね、だからやっぱり動けた、代打も行けるというね」ーー采配が出来た試合だった「おーん。久しぶりよ、そんなもん」ーー才木の無失点が大きい「曲がりなりにもな、アップアップと思うよ。六回までと思ったけどな。そこまで行ったら、あと3イニングは桐敷もいてるんで、安心しとったけどな」ーー代打・梶谷は向こうの勝負手だったけど才木に託した(六回2死一、三塁で一ゴロ)「そら開幕で0点に抑える投手を代えれんよ。シーズン途中くらいで優勝争っとったら、左に代えてたかも分からんけどな。開幕で、0点に抑えてるピッチャーを代えれんて」ーー3連敗を阻止したのは「今日の勝ちは大きいと思うよ。ヒット1本であそこまで行ったからな。そういう意味では、この勝ちは大きいよな。借金3つが1つになるんやから。全然違うよ、1勝2敗は」ーーチームとしての戦いが出来た「勝ちゲームやからやん。同点やったからやん。昨日、一昨日はは劣勢でそんなこと出来へんかった」ーー巨人に阪神の力を見せた「いや、そら向こうは分かってるやろ、そんなん。向こうは分かってるよ、こっち以上に分かってるよ。こっちは向こうのことまだ今年分からへんからな、メンバーとか」
◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(80)が森下翔太外野手(23)を含めた阪神打線の現状に言及した。ひと振りで仕留めた森下は見事だった。腕を伸ばせば打球が一番飛ぶコースを確実に打ち返した。阪神というチームは誰かが突破口を開かないと、みんなが沈んでしまう傾向がある。逆に1人が突破口が開くと、続くタイプの選手が多い。森下の千金弾でチームが乗らないとダメだ。現状は不安材料が多い。5得点も森下以外は小野寺、ノイジー、小幡ら、途中出場の活躍で奪ったもの。スタメンが機能していないのは明らか。近本、大山はタイミングなどのズレを感じる。オープン戦終盤に試合に出なかったため、本来の感覚にまだ戻っていないのだろう。この2人に関しては、表現は難しいが、この3連戦が〝オープン戦最終盤〟だった。次のカードから上がってくる気配は伝わってきた。佐藤輝は相変わらず。絶賛したいスイングの次の球で、大ヤマを張っていたようなノー感じの空振りをする。いかにこの波を小さくするか。魅力があり過ぎる選手だけに厳しい見方になってしまう。
◆阪神が開幕3戦目で今季初勝利。25イニング無得点で迎えた八回2死一、三塁、森下翔太外野手(23)の1号3ランで均衡を破った。森下は12打席目で今季初安打。八回は糸原健斗内野手(31)の二ゴロで4点目を追加し、さらに小幡竜平内野手(23)の2022年4月24日のヤクルト戦(神宮)以来の本塁打で5点目を挙げた。才木浩人投手(25)は6回を投げ、5四球を与えたが無失点。八回にはハビー・ゲラ投手(28)が来日初登板で1回無失点。九回は岩崎優投手(32)が締めた。主な選手のコメントは以下の通り。八回に決勝3ランの森下翔太 「(岡田監督から)何か言われた気がするんですけど、忘れちゃいましたね」八回に代打で右前打を放ち、好機を演出した小野寺暖 「きっかけがあれば こういった形になるとは思ってたので、きっかけになれてよかったです」九回に2年ぶり本塁打の小幡竜平 「絶対入ってくれって、ただただ願っていました」(二塁打の判定からリプレー検証を経て、本塁打に)九回、代打で二塁打のシェルドン・ノイジー 「いい感覚で振ることが出来ているので、この好調の状態を続けて...」九回1死三塁で二ゴロで4点目を挙げた糸原健斗 「(三走が)植田だったので、転がしても犠牲フライでも頑張ってくれるなと思っていた」開幕3戦目での勝利に近本光司 「日曜日に勝つっていうのも大きいし、1勝出来てよかった。次も頑張ります」再三窮地を招きながら無失点の才木浩人 「粘りが出来るのは、いいことですし、先発やって行く上で大事」2番手の桐敷拓馬 「ここからスタートだと思うので、また一からやって行きたい」八回に来日初登板のハビー・ゲラ 「新たな1ページって、大げさですけど、スタートで出来たので、毎日(マイニチと日本語)、一生懸命準備して」九回を締めた岩崎優 「勝てて良かったです。(初登板の特別感は)特にないです」
◆プロ野球新記録となる開幕からの3戦連続完封勝利を狙った巨人は、0-5で零封負け。就任後初黒星となった阿部慎之助監督(45)は第一声から潔かった。「完敗でございます。〝タラレバ〟を言っていたら俺の下手なゴルフと一緒になっちゃう。(無得点を)悲観せずに。八回に粘っていくことができた。去年だったら『チーン』って、そのまま終わっていた」才木の前に走者をためて決定打を欠く攻撃が続いた。0-0の八回に投入した中継ぎエースの中川が森下に3ランを被弾。1940年の阪神、96年の近鉄に並ぶプロ野球記録の開幕戦からの25イニング連続無失点は止まったが、指揮官は「打たれるときはある。リーグ戦なんだから。『しっかり反省と対策をしてくれ』と今、(中川に)言ってきた」と責めなかった。3連勝は逃しが、昨季の日本一チームを相手に12年連続の開幕カード勝ち越しを決めた。「負けは負けでしっかり認めて。リーグ戦だから、次のカード勝ち越せるようにまたやるだけ」と切り替えた。(谷川直之)
◆今季初勝利のウイニングボールを阪神・梅野隆太郎から渡される岡田彰布監督=東京ドーム(撮影・松永渉平)
◆阪神・才木浩人投手(25)が6回無失点の好投で2024年の初勝利を呼び込んだ。「ゼロに抑えられたのでよかった。しっかりフォークを決め切れたのが大きかったかな」アクシデントは三回の第1打席。遊ゴロの際にバットの根元でボールを捉え、右手にしびれが残った。「指の感覚がなかったので、コントロールが乱れてしまった」。その直後のマウンドで2死満塁とされたが、4番・岡本和をフォークで空振り三振に抑えてガッツポーズ。5四球を与える苦しい投球で四、六回も得点圏に走者を背負ったが、何とか踏ん張った。援護なく自身に勝ちはつかずも「自分ができることはゼロに抑えることしかない。粘りができたのはすごくいいこと」と手応えをにじませた。
◆グラウンドに戻ってきた審判の右手が回る。大歓声を背に、笑顔の阪神・小幡竜平内野手(23)が残り半周のダイヤモンドを駆け回った。「打った感覚がなかったんですけど、いい角度でいってくれていたので、びっくりしてます」九回2死、八回に代走起用され、今季初打席が巡ってきた。2球目、松井の138キロスライダーを一閃。打球は右翼席最前列で跳ね返る。判定は二塁打。岡田監督はニヤリと笑ってリクエストを要求した。二塁ベース上でじっと映像を見つめ「『絶対入ってくれ』って、ただただ願っていました」。判定は覆り、ホームラン。2022年4月24日のヤクルト戦(神宮)以来、2年ぶりのプロ2号で宿敵にとどめを刺した。同い年で仲のいい森下とのアベック弾に「それが今年初勝利になったので余計に良かった」。正遊撃手奪取へ、小幡の2024年も華々しく開幕した。(原田遼太郎)
◆七回に代打で四球を選んだ阪神シェルドン・ノイジー外野手(29)は、九回先頭で松井から左翼線二塁打。試合を決定づける追加点を呼び込んだ。前川と併用で、右投手が先発のためスタメンを外れたが、2日連続の長打を放った。「いい感覚で振ることができている。この好調の状態を続けていって、チームの勝利に貢献できるように」と力を込めた。
◆阪神・糸原健斗内野手(31)は3-0の九回1死三塁で代打出場。しぶとく二ゴロを放って、今季初打点をマークし、貴重な4点目をたたき出した。「追加点がほしいところで点が入れられたというのはよかった。(三走の)植田が走者だったので、気楽な気持ちで打席に入った」。どんな形であれ、求められた役割を確実にこなす。左の代打の切り札は今年も頼もしい。
◆今季初のスタメンの阪神・梅野隆太郎捕手(32)は打っては初安打、守っては零封リレーの投手陣を引っ張った。才木と何度もピンチを背負いながらも、ワンバウンド投球を後ろにそらさなかった。頼れる女房役は「最終的に勝ちをつかめたのは大きなことで、ほっとした。才木は信じて投げてくれるので、それを受けてやるしかない」とうなずいた。
◆阪神・大山悠輔内野手(29)は3点を先制した直後の八回2死で、昨季まで阪神に所属していたケラーのカーブを捉えて左前打。守備では六回2死一、三塁で梶谷が放ったゴロを好捕してピンチを救った。下半身の張りの影響もあってまだ本調子とは言い難い4番について、岡田監督は「いや、まだ安心してないよ」と細心の注意を払って見守っている。大山は「次も頑張ります」と短い言葉に力を込めた。
◆八回1死で代打出場した阪神・小野寺暖外野手(26)が今季初打席で安打をマーク。中川の145キロ直球を右前に運び、先制劇の口火を切った。「チームは点を取れていなかったですけど、何かきっかけがあればこういった形になると思っていたので、そのきっかけになれてよかった」。昨季は打率・347、代打起用で・333(9打数3安打)だった26歳が連敗ストップに貢献した。
◆阪神・近本光司外野手(29)が勝負どころの安打で森下の本塁打につなげた。0―0の八回1死一塁で中川から左前打。外角の直球を逆らわず捉え「タイミング合わせて、コースに対して、しっかり振っていくことだけ意識していました」と振り返った。先制弾を呼び込み、3連敗を阻止して「日曜日に勝つっていうのも大きいし、とにかく1勝できてよかった」と胸をなでおろした。
◆虎のダブルストッパーが八、九回を無失点で締めて、巨人に〝零封返し〟だ。公式戦初登板で初ホールドを記録した新外国人ゲラ(前レイズ)がうなずいた。「すごい歓声の中、良い試合ができて、(チームが)勝てたことに貢献できてうれしかった」森下の先制3ランが飛び出した直後の八回に登場。先頭の岡本和に左前打を許す。坂本は156キロで空振り三振に仕留めたが、大城卓には右前に運ばれた。一発を浴びれば同点の場面。「高ぶるものがあるからこそ、自分の中で(気持ちを)普通に普通にって言い聞かせたよ」。丸を二ゴロに打ち取って2死一、三塁で、ここまで3打数3安打の吉川を迎える。最後は155キロでどん詰まりの遊ゴロに抑え、岩崎に勝利のバトンをつないだ。5-0となった九回は昨季のセーブ王、岩崎がわずか8球で三者凡退に抑えた。ゲラとは対照的にスライダーやチェンジアップを駆使して、最後は門脇を138キロの直球で中飛に打ち取ると「勝ててよかった。これからです。(この1勝で)みんなで気持ちを新たにしていけると思う」。ポーカーフェースの左腕も勝利のハイタッチで笑顔がはじけた。岡田監督が「ゲラは初登板でコントロールを乱して不安やったけど、何とか0点でいった。次からはもっと落ち着いて投げると思う」と変わらぬ信頼を口にすれば、ゲラは「監督をはじめ味方に信頼されるのが大事だと思う」と力を込めた。初登板のゲラ―岩崎で締めくくった初勝利。リードして終盤を迎えられれば、今季も虎は盤石の態勢で逃げ切る。(三木建次)
◆次々と策を繰り出して試合を動かし、今季初勝利をつかんだ。岡田監督の采配にナインが応え、開幕からの25イニング連続無得点の呪縛を解いた。待望の〝開幕星〟に指揮官は笑みが絶えなかった。「久しぶりに点入ったなあと。チャンスがなかったんでね。代打、代走とかいけなかったけど、ちょっとリズム良くなった。あの回はね」0-0の八回。開幕からの2戦は三塁ベンチでじっと構えて渋い表情を浮かべていた虎将が、熟練のタクトで一気に流れを引き寄せた。先頭の代打・原口は凡退したが、続く代打・小野寺が右前打で出塁。すかさず代走・小幡を投入する。停滞ムードの中で動いてうねりを生み出し、森下の先制3ランにつなげた。ここ2戦は座りっぱなしだったベンチで立ち上がり、身を乗り出して打球を追った指揮官は、笑顔で万歳して喜んだ。「(采配したのは)久しぶりよ、そんなもん」36年ぶりの開幕から2戦連続零封負けを喫した前日までは、思うように手を打てなかった。だが、均衡した試合になればなるほど勝負勘はさえわたる。九回は二塁打のノイジーに代走・植田を起用して犠打で三塁に進めると、代打・糸原の二ゴロの間に4点目。続く小幡の右翼フェンスギリギリの飛球がインプレーと判定されると、迷いなくリプレー検証を求める。判定は覆り、貴重な追加点となった。
◆救世主や!! 阪神は巨人に5―0で勝ち、開幕3戦目で今季初勝利。0―0で迎えた八回に森下翔太外野手(23)が、今季初安打の決勝3ランを放った。開幕から25イニング連続無得点と不名誉なセ・リーグ記録を塗り替えた〝ゼロ地獄〟から岡田虎を救い出す一撃だ。2年目の覚悟を示した若虎よ、これからも打って打って打ちまくって球団史上初のセ・リーグ連覇の原動力になってくれ!!25個重なった0の呪縛を破ったのは、背番号1のバットだった。打球は虎党の大歓声に吸い寄せられるように、左中間スタンドの最前席へ飛び込む。森下が今季12打席目で放った初安打は、値千金の決勝3ラン。虎に今季初得点と勝利をもたらし、大きくほえてダイヤモンドを一周した。「きょうの試合は〝絶対勝つ〟と。ずっとチャンスで1本出なかったところで、自分が出せば勢いに乗れると思った。一発で仕留められてよかったです」0―0の八回だ。代打・小野寺と近本の連打などで作った2死一、三塁の好機で打席に立った。対するはセットアッパー・中川。3月29日の開幕戦で二飛に打ち取られていたが、迷わず初球の145キロを一閃した。均衡を破る一発で、セ・リーグのワースト記録を更新する25イニング連続無得点を示していたスコアボードに「3」を刻んだ。三塁ベンチで立ち上がって打球を見届けた岡田監督は、スタンドインの瞬間に満面の笑みで万歳。「この3連戦の中では一番ええとこで打った」とたたえた。
◆ビックリマン森下翔太が開幕から続いていたゼロ行進の呪縛から解放してくれた。アリガトウ!! ホント、森下はビックリマンです!!昨年の日本シリーズで新人記録の7打点を挙げたし、ビックリの勝負強さがあるのだ!! そして本日、今季初ヒットで阪神に初得点どころか初勝利をもたらすビックリ打球。今季も虎党をビックリで歓喜させてくれー!!(森下のビックリマンシールできないかなぁ?)しかし、七回までに並べた25個の『0』にどれだけ怒りまくったことか...。えっ、ボール球に手を出し、ふがいない打撃を続ける阪神打線を見たらその気持ちが分かるって? 違うわー! 貧打は昨日、今日に始まったことやないから、今さら腹も立たん!! そーじゃなくて、最初に数字の『0』を定義したインドの数学者、ブラーマグプタに怒っていたのー!!何はともあれ、アレンパへの一歩を踏み出したのだ。先発した才木の粘投にも拍手。投手陣を完封リードした梅野もいいねェ。坂本が刺激を受け、2人の正妻争いが虎投手をさらに強くしてくれるぞー!! 開幕3連勝を狙った巨人の阿部新監督、『絵にかいたアベカワ餅』で残念でした、ウヒヒヒ~。
◆編集局の中は好きではない。できれば会社に来たくない。新聞記者は、上司の顔を見ることなく、外で取材しているときが一番楽しい。でも、編集局にもいいところがある。テレビがいっぱいあるのだ。家電ショップのような雰囲気の中、高校野球とプロ野球6試合を同時に視聴できる幸せ。ボーっと眺めていたら...。「春が来たって感じですね。やっぱり野球っていいですね」サンスポ運動部で一番の美女・編集庶務の下間徳子さんがつぶやいていた。その通りだ。報徳学園が敗れ、編集局内に落胆の声が。そして、大歓声が。森下に3ランが飛び出す。うん、これでようやく「春が来た!」と叫べる。編集局長・生頼秀基は「阪神の初勝利おめでとうございます。もう1つ、おめでたいこともありましたし」と超ゴキゲンだった。そう、レース部競馬担当・増本隆一朗がGⅠ大阪杯でベラジオオペラ、ローシャムパークの1着、2着を見事に的中させた。先週の高松宮記念も3連単をドカンと的中させた増本。「サンスポYM砲」としてGⅠ予想企画を展開する中で、2週連続の快挙に局長としてもご満悦なのだ。「4月に入って、いよいよ春のGⅠシリーズが本格化してきます。阪神が勝ちまくって、サンスポの予想が当たりまくって。そんな春になりそうな気がしています」
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (2↑) |
ヤクルト |
2 | 0 | 1 | 1.000 (-) | - (↓0.5) |
140 | 13 (+5) | 7 (+2) | 1 (+1) | 3 (-) |
0.290 (↓0.013) | 2.100 (↑0.04) |
2 (1↓) |
DeNA |
2 | 1 | 0 | 0.667 (↓0.333) | 0.5 (↑0.5) |
140 | 11 (+1) | 9 (+5) | 2 (-) | 1 (-) |
0.294 (↓0.054) | 2.000 (-) |
2 (1↓) |
巨人 |
2 | 1 | 0 | 0.667 (↓0.333) | 0.5 (↑0.5) |
140 | 9 (-) | 5 (+5) | 3 (-) | 1 (+1) |
0.245 (↓0.032) | 1.670 (↓1.67) |
4 (-) |
阪神 |
1 | 2 | 0 | 0.333 (↑0.333) | 1.5 (↑0.5) |
140 | 5 (+5) | 9 (-) | 2 (+2) | 0 (-) |
0.177 (↑0.018) | 2.880 (↑1.62) |
4 (-) |
広島 |
1 | 2 | 0 | 0.333 (↑0.333) | 1.5 (↑0.5) |
140 | 9 (+5) | 11 (+1) | 1 (+1) | 1 (+1) |
0.230 (↑0.018) | 3.960 (↑1.67) |
6 (2↓) |
中日 |
0 | 2 | 1 | 0.000 (-) | 2 (↓0.5) |
140 | 7 (+2) | 13 (+5) | 2 (+1) | 0 (-) |
0.257 (↓0.006) | 2.570 (↓1.22) |
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