巨人(☆5対0★)阪神 =リーグ戦2回戦(2024.03.30)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:グリフィン(1勝0敗0S)
敗戦投手:大竹 耕太郎(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】岡本 和真(1号・6回裏2ラン),坂本 勇人(1号・6回裏ソロ)

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◆巨人は0-0で迎えた6回裏、岡本和と坂本の2者連続本塁打が飛び出し、3点を先制する。続く7回には、1死二三塁の好機から松原が適時打を放ち、2点を加えた。投げては、先発・グリフィンが7回途中無失点の好投で今季初勝利。敗れた阪神は、打線が無得点と振るわなかった。

◆巨人坂本勇人は昨季、デーゲームで35試合に出場して127打数42安打、9本塁打、24打点、打率3割3分1厘の好成績。本塁打9本は同僚で本塁打王だった岡本和(6本)よりも多く、両リーグでも堂々トップ。対する阪神先発の大竹耕太郎も、昨季はデーゲーム8試合で5勝1敗、防御率0・89。勝ち星は才木(阪神)森下(広島)と並んでリーグ最多だった。昨季はデーゲームを得意とした2人だが、今年はどうか。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が、通常通りフリー打撃を消化した。20スイングのうち4本をスタンドインさせた。アップは別組で行い、入念に体をほぐすと、打撃ケージには森下翔太外野手(23)と同組で、交互に快音を響かせた。オープン戦のラスト4試合を下半身の張りで欠場した大山は、29日の開幕戦で実戦復帰するも、4打数無安打3三振に倒れていた。岡田彰布監督(66)も「大山はちょっとなあ。踏ん張れてないなあ。そら万全じゃないなあ。今日のスイングを見とったら、万全じゃないよな」と心配し、30日の出場については「明日の状態見な分からへんな」と話していた。

◆阪神岡田彰布監督(66)が、シェルドン・ノイジー外野手(29)をスタメンに起用した。この日の巨人先発は左腕のグリフィンで、前日の前川右京外野手(20)に代わり「6番左翼」に入った。その他は開幕戦と同じオーダーで、指揮官がコンディションを心配していた大山悠輔内野手(29)も通常通り「4番一塁」に入った。先発は大竹耕太郎投手(28)で、東京ドームでの登板はソフトバンク時代の22年以来、2度目となる。

◆落語家林家木久扇(86)が始球式を行った。31日に歴代最長の約55年間出演した日本テレビ系演芸番組「笑点」(日曜午後5時半)を卒業する。「マイカラーの、これで55年やってきたので」と笑点と同じく黄色の着物で登場。1度、センター方向に投げようとするボケで球場の笑いを取って、マウンド前から投球した。満員の東京ドームを観衆の視線を浴びながら、人生で2度目の始球式。家族が巨人ファンという木久扇は「寄席と違って、(観客が)人の壁のように、ふすまの模様みたいにでした。あのぐらい入ったらもうかりますよね」とかみしめた。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が守備で魅せた。2回無死一塁、5番坂本が放った一塁後方ファウルゾーンへのフライだった。大山は懸命に背走し、そのままグラブを伸ばして後ろ向きでキャッチ。左翼席に大挙した虎党からは大きな歓声と拍手が送られた。その後は先発大竹が空振り三振、一ゴロで仕留め、無失点で切り抜けた。SNS上でも「守備範囲えぐい」「何年ファーストやったらできるの?」「ナイスキャッチ!!」など称賛の声が寄せられた。

◆阪神が初球スクイズで先制点を狙ったが、好守に阻まれた。0-0の4回。4番大山、5番佐藤輝の連打で作った1死一、三塁の好機だった。7番坂本の打席で、ベンチは初球スクイズを敢行。しかし打球は一塁ライン際への小フライとなり、巨人岡本和がこれをダイビングキャッチ。スタートを切っていた三塁走者大山は戻ることができず、併殺となった。4、5番で作った得点機だったが、今季初得点とはならなかった。

◆東京ドームが異様な空気に包まれた。4回無死一塁。阪神大竹耕太郎投手(28)が一塁にけん制するたび、右翼席の巨人ファンからのブーイングが響いた。3番梶谷の打席で計3度けん制を入れたが、いずれが、そのたびに右翼席からも"けん制"が入った。左翼席の阪神ファンからは大竹を後押しするように拍手が起きていた。

◆巨人岡本和真内野手(27)が守備でチームを救った。4回1死一、三塁から阪神坂本にスクイズを仕掛けられた。ふわり上がった打球に、一塁・岡本和は反応よくダッシュ。前に飛び込んでキャッチした。三走は飛び出しており、併殺でピンチを脱した。最初の1点を防いだスーパープレー。先発グリフィンからも尻をパチンとたたかれ、感謝された。

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◆開幕2戦目の先発託された阪神大竹耕太郎投手(28)は、6回途中を5安打3失点、90球で降板した。0-0の6回に巨人の4番岡本和、5番坂本勇に2者連続本塁打を浴び、マウンドを後にした。「相手に先に点を与えないようにという気持ちで投げていました。5回まではなんとか粘ることができましたが、先頭バッターを四球で出してしまったところから点を取られてしまった」と反省した。初回を3者凡退でスタートし、3回まで1安打に抑える好投。4回の2死満塁のピンチでは7番丸を遊飛で打ち取り、ほえた。だが6回につかまった。先頭の3番梶谷に四球を与え、4番岡本和に1ボールからの2球目、135キロを中堅スタンドへ運ばれる先制2ランを献上。続く5番坂本にも3球目を左翼へ運ばれ、3失点でマウンドを降りた。大竹は「悔やむというか、それが今の実力なんで、次は打たれないように頑張るだけですね」と気持ちを切り替え、次回登板を見据えた。

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◆巨人岡本和真内野手(27)と坂本勇人内野手(35)が2者連続アーチを描いた。同点の6回無死一塁からは岡本和が先制の1号2ランを放った。阪神大竹の真ん中高め135キロカットボールをバックスクリーン左に運んだ。「つなごうと思って打席に立ちました。それがホームランとなり良かったです」と話した。主砲の1発で均衡が破られ、余韻が残る中で坂本が1号ソロで続いた。真ん中高めに吸いこまれてきた135キロカットボールを捉え、左翼スタンド中段に飛ばした。

◆球団初のセ・リーグ連覇を目指す阪神が、88年以来の開幕から2戦連続の完封負けとなった。過去これまで阪神が優勝した年は連敗スタートはなかったが、今年はどうなるか。序盤の再三の好機を生かせなかった。初回、1死から2番中野拓夢内野手(27)の右中間二塁打から2死一、三塁の好機をつくるも、5番佐藤輝が左飛。2回も先頭のノイジーが四球で出塁し2死三塁まで進むも、得点はできず。4回は4番大山、佐藤輝の連打から1死一、三塁としたが、初球スクイズを敢行した坂本の打球は小フライとなり、巨人岡本和がダイビングキャッチ。スタートを切っていた三塁走者の大山も戻れず、併殺となった。先発の大竹耕太郎投手(28)は初回をテンポ良く3者凡退でスタートすると、3回まで被安打1。4回は2四球がからみ2死満塁のピンチを招いたが、最後は丸を遊飛に打ち取り切り抜けた。しかし0-0のまま迎えた6回、先頭の梶谷に四球を与えると、4番岡本和に先制2ランを被弾。さらに坂本に2者連続本塁打を許し、ここで降板となった。代わった桐敷は3人を打ち取ったが、7回に3番手で登板した石井が先頭の代打萩尾に右翼への二塁打を浴びると、自らの失策も絡んでダメ押しの2点を失った。阪神は29日の開幕戦も0-4の完封負け。好機をつくりながらもあと1本が出ない。前回開幕2戦連続完封負けだったのは88年。当時は広島に0-3、0-2で敗れ、開幕4連敗だった。今年はどうにか3戦目で断ち切り、ホームに帰りたい。

◆点がとれない...。阪神が開幕から2試合連続で完封負けを喫した。4回1死一、三塁で坂本誠志郎捕手(30)がセーフティースクイズを試みたが、岡本和のダイビングキャッチに阻まれ一邪飛に。三塁走者でスタートを切っていた大山悠輔内野手が帰塁できず、ダブルプレーとなった。岡田彰布監督(66)は「スクイズちゃうよ」と説明。通常のスクイズとは違い、打球を見てから走者が本塁に走るセーフティースクイズのサインだったことを明かした。それでも、大山は飛球を見て帰塁することができなかった。指揮官は「戻るって。セーフティースクイズやから戻る。行ったらあかんやんか、スクイズちゃうんやから。スタートを切るんちゃうんやから」と疑問符をつけた。坂本は「僕の失敗なので。決めていたら点が入っていた。しっかり練習します」と反省。大山は「明日良い準備をして、明日に向けて頑張ります」と前を向いた。阪神が開幕2連敗。セ・リーグ過去74度の優勝チーム中、開幕連敗スタートから優勝したケースは13度あるが、阪神は過去6度の優勝では必ず開幕2戦目までに1勝はしている。1リーグ時代の4度も含め優勝年には1度も連敗スタートがなく、連覇を目指す阪神には気になるデータだ。阪神の開幕2戦連続完封負けは88年以来、球団2度目。88年は仲田、キーオが連続完投も、広島に0-3、0-2で敗れ、開幕連敗は4まで伸びた。同年は最下位に終わっている。

◆阪神が開幕から2戦連続の0封負けを喫した。岡田彰布監督(66)は打線の奮起を求めた。6回に、先発の大竹耕太郎投手(28)が連続被弾で3失点した。打線はコンディションが心配された大山悠輔内野手(29)が4回にシーズン初安打。続く佐藤輝明内野手(24)も初安打を放ち、先制機をつくったが、前日に続いて巨人の好守の前に無得点に終わった。岡田監督の一問一答は以下の通り。-大竹は立ち上がりはスムーズだった「いやあ、ちょっともうあの回(6回)からは、ボール高かったもんなあ」-6回先頭への四球も痛かった「なあ」-抑えれば、継投に入るところだった「球数がなあ、80な、100近くいっとったからな。あっこで」-序盤はテンポよく「そんな投げてなかったからな。やっぱりな」-大山は状態が心配されたが1本出た「大丈夫言うからさ」-走る方はしんどそう「いやいや、それは大丈夫言うんやから。それは本人に聞いてくれ」-スクイズのところはフェアグラウンドにいけば「いや、スクイズ違うよ。セーフティーよ」-坂本は前の打席で初球に犠打を決めていた「なあ、ああなるんやなあ。やっぱりなあ。先に点を取っていたら、全然違う展開やけど」-1つのプレーで流れが変わる。「そら変わるよ。昨日もそうやんか。昨日、今日とな」-三塁走者の大山はフライを見て戻るのは難しかったか。「戻るって。セーフティースクイズやから。行ったらあかんやんか、スクイズちゃうんやから、スタートを切るんちゃうんやから」-石井の状態が「ああ、石井なあ。ちょっとしんどいなあ。あんな2ストライクからな。あんなフォークが、ど真ん中いくんやもんなあ」-門別は中継ぎでもいいところを「いやあ、1回投げさせとかななあ。おーん。まあなあ、こんなゲーム展開やけど、とにかく、どっかで投げさせようと思っとったけどな、1回でもな」-ビハインドで桐敷を投入したのも「いや、3点やからまだ分からへんから、そら」-2連敗。明日仕切り直し「そうやなあ、3連敗はあかんよなあ。まあ点取らなあかんわな。おーん、ほんま。全然、お前、入らへんもんな。入りそうにないもんな」-硬くなっているのか「いや、そんなヒット出んやんか。つなぐとかいう問題じゃなしに。つなぐだけじゃ点入らへんからな。ある程度もっとヒット出んと。まあちょっとボール振りすぎやな。高めはな」-役割が発揮できていないか「まあ役割というか、もっとやっぱり塁をにぎわして後ろにとかな。そういうのがないやんか」-また明日徹底して「徹底というか、そら毎試合そないしてやるつもりでおるんやけど。まあ2試合0点やからな」-巨人は活気づいている「おーん。そら勝ち方とかしたらなあ。0-0でホームランは止められへんもんな。まあ...まあまあまあ」

◆阪神大山悠輔内野手(29)の状態について、岡田彰布監督(66)は「大丈夫言うからさ」と本人の言葉を代弁した。下半身の張りを抱え、オープン戦ラスト4試合は欠場。前日29日の開幕戦で実戦復帰したものの、指揮官は「踏ん張れてないもんな」と心配していた。この日は「大丈夫言うんやから。それは本人に聞いてくれ」と繰り返した。大山は今季初安打となる中前打を放つなど、3打数1安打だった。

◆点がとれない...。阪神が開幕から2試合連続で完封負けを喫した。4回1死一、三塁で坂本誠志郎捕手(30)がセーフティースクイズを試みたが、岡本和のダイビングキャッチに阻まれ一邪飛に。三塁走者のスタートを切っていた大山悠輔内野手が帰塁できず、ダブルプレーとなった。岡田彰布監督(66)は「スクイズちゃうよ」と説明。通常のスクイズとは違い、打球を見てから走者が本塁に走るセーフティースクイズのサインだったことを明かした。それでも、大山は飛球を見て帰塁することができなかった。指揮官は「戻るって。セーフティースクイズやから戻る。行ったらあかんやんか、スクイズちゃうんやから。スタートを切るんちゃうんやから」と疑問符をつけた。試合後、三塁コーチャーを務める藤本内野守備走塁コーチは「いいスタートを切ろうという結果なのかなと思いますけど。もちろん、1点をとりにいこうって気持ちがああいうふうに出てしまったっていうのもあるし、なかなか難しい判断だと思うけど。冷静に考えてみて、ゲッツーになるのが一番ダメなので、僕らも考えていきます」と前を向いた。

◆巨人松原聖弥外野手(29)が2年ぶりに"開幕"した。3点リードの7回1死二、三塁、阪神石井から2点中前適時打を放った。2ストライクと追い込まれたが、落ちきらないフォークを逃さずにはじき返した。22年8月24日中日戦以来の安打で同5月28日の日本ハム戦以来の打点をマーク。昨季は21試合の出場にとどまり12打数無安打だった。今季初打席で初安打に追加点をもたらし「2年ぶりに開幕しました。プロ初ヒットぐらいうれしい」と破顔した。

◆阪神3番手石井大智投手が今季初登板で2失点を喫した。3点ビハインドの7回に登板。安打と自らの失策で1死二、三塁とし松原に適時打を浴びた。これでオープン戦から3試合連続失点と状態が上がってこない。「次があるか分からないけど、修正できるようにしたい」と誓った。岡田監督は「石井なあ、ちょっとしんどいな。2ストライクからな、フォークがど真ん中いくんやもんな」と嘆いた。

◆阪神坂本誠志郎捕手(30)がセーフティースクイズ失敗を反省した。4回1死一、三塁から変化球を当てたが、ライナー性の小飛球になり一塁岡本がダイビング捕球。痛恨の併殺になった。打球を見てから判断するはずの三塁走者大山はスタートが早すぎ、すでに本塁まで走っていた。坂本は「僕の失敗。決めていたら点が入っていたので。しっかり練習します」と厳しい表情だった。

◆阪神原口文仁捕手が代打で今季初安打を放った。7回1死二塁、木浪に代わって打席へ。巨人グリフィンから三遊間を破る左前打を放ち、今季初打席でHランプをともした。「つないでいきたい場面だったので、ヒットが出たのは打席の内容としてはよかったです。準備を続けていきたい」と引き締めた。プロ15年目、好スタートを切った。

◆阪神梅野隆太郎捕手が、死球を受けて離脱した昨年8月13日ヤクルト戦以来、230日ぶりに1軍の打席に立った。7回無死二塁で坂本の代打で登場。空振り三振に倒れ、9回も三ゴロで最後の打者となったが、マスクもかぶりプロ11年目が始動した。「チームが連敗しているけど、自分たちがやることは変わらないと思う。気持ちは変わらない」ときっぱり。今後のスタメン起用へ不安はない。

◆阪神大山悠輔内野手が今季初安打を放った。4回にグリフィンにバットを折られながらも中前打。2回の一塁守備では巨人坂本のファウルフライを背走しながら好捕した。ただ、4回の走塁ではセーフティースクイズのサインが出ている中、飛球に帰塁できないミスもあった。下半身のコンディションに不安を抱える4番について岡田監督は「大丈夫言うからさ」と本人の意思を説明。大山は「いい準備をして明日に向けて頑張ります」と短い言葉に力を込めた。

◆前川には負けん。阪神シェルドン・ノイジー外野手(29)が初スタメンで存在感を示した。2回先頭で四球を選び、7回は中越えの二塁打。開幕の左翼スタメンは前川に譲ったが、左腕のグリフィン相手にきっちり起用に応えた。「いい形で、試合に出た時に打つことができたと思う。連敗してしまったけど、しっかり勝ち続けていければ」とクールに振り返った。当面は併用になりそうだ。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)に初安打が出た。4回、中前打の先頭大山に続いて右前へ。グリフィンから狭い一、二塁間を鋭く抜いて先制機を作った。「よかったんじゃないですか」とうなずきながら、いまだ無得点の打線には責任も感じている。「何とかして、もっと早めに点を取って。いい投球をして、いい打撃をしないと勝てないので、明日から頑張ります」と前向きに話した。

◆阪神桐敷拓馬投手は上々の初登板だった。6回、大竹が2連発を浴びて0-3とされた場面で救援。左打者3人を危なげなく片付けた。勝ちパターンでの起用が想定されるが、岡田監督は「3点(差)やからまだ分からへんから」と説明した。左腕は「本塁打を打たれた後で、流れもあっちに行っていた。ちゃんと食い止めて攻撃につなぐのが役割だと思った」と胸を張った。

◆巨人西舘勇陽投手(22)が歴史的完封リレーの重役を担った。3点リードの7回1死一、三塁、2試合連続のマウンドに向かった。代打糸原をフルカウントから150キロ直球で浅い左飛、近本はフェンス際いっぱいの右飛で仕留めた。「四球にするイメージはわかなかったので、ゾーン内で自分のボールを投げれば最悪ファウルでもカウントを進めるんじゃないかなと思って投げました」と無失点でしのぎきった。チーム内ではひそかに狩猟犬を意味する「レトリバー」の愛称が根付きつつある。名付け親のグリフィンは「ノックで転がっていったボールを走って取りにいったのを見て『レトリバー』というあだ名をつけた」と明かした。この日も役目をしっかりと果たし、助っ人左腕に今季初勝利をもたらした。開幕から2試合連続完封勝ちは41年の須田(スタルヒン)、沢村の2試合連続完封以来、83年ぶり。阿部監督は「バッテリーが我慢して先に点をあげなかったっていうのが一番だと思います。いつかは失点しますけど、なんとか最小失点でいけるようにね」と堅守をたたえた。巨人が開幕戦に続いて完封勝ち。開幕戦から2試合連続完封勝利は昨年のヤクルトとソフトバンク以来13度目。巨人では41年以来、83年ぶり2度目。41年は開幕戦が須田(スタルヒン)、2戦目が沢村の完封勝利で、2試合連続完封リレーは球団初になる。また、開幕から2試合連続完封勝利の新人監督は、15年田辺監督(西武)以来5人目。過去4人は1リーグとパ・リーグの監督で、セ・リーグの新人監督では阿部監督が初めてだ。

◆球団初のセ・リーグ連覇を目指す阪神が開幕から屈辱の2試合連続ゼロ封負けだ。序盤から好機をつくるもあと1本が出ず。4回のセーフティースクイズ失敗から負のスパイラルに陥った。開幕から2戦連続のゼロ行進は最下位だった88年以来36年ぶり。岡田彰布監督(66)も「(点が)全然、入らへんもんな」とボヤキ節だ。またも1プレーが試合の流れを変えた。「そら変わるよ。昨日もそうやんか。昨日、今日とな」。岡田監督が振り返ったのは、0-0で迎えた4回のシーンだった。大山、佐藤輝の連打から1死一、三塁と好機をつくったが、初球でセーフティースクイズを試みた坂本の打球は小フライ。一塁岡本和がダイビングキャッチすると、スタートを切っていた三塁走者の大山も戻れず、痛恨の併殺となった。その前の打席で、坂本は初球で犠打をきっちり成功。「ああなるんやなあ。やっぱりなあ。先に点を取っていたら、全然違う展開やけど」。開幕戦となった前夜29日も、好機で森下の長打コースの当たりを右翼梶谷に好捕されてから、勢いは巨人に傾いた。序盤のチャンスを生かせなかったこの日も、流れは阪神に来なかった。12球団で唯一の18イニング無得点。岡田監督のため息も深い。「全然、入らへんもんな。入りそうにないもんな。まあ2試合0点やからな」。初回は中野の二塁打から2死一、三塁、2回も2死三塁まで進めたが今季1点目が遠い。7回は先頭のノイジーが二塁打で出塁し、梅野、原口、糸原と3人連続の代打攻勢も、スコアボードには無情にも0が並んだ。「つなぐだけじゃ点入らへんからな。ある程度もっとヒット出んと。まあちょっとボール振りすぎやな。高めはな」。沈む打線に奮起を促した。球団初の偉業を目指すシーズンで、最下位だった88年以来となる開幕から2戦連続の完封負け。「伝統の一戦」で、やられっぱなしでは終われない。「3連敗はあかんよなあ。まあ点取らなあかんわな」。これまで阪神が優勝した年で連敗スタートはなかったが、そんな負のデータも吹き飛ばす快勝が見たい。【磯綾乃】▽阪神平田1軍ヘッドコーチ(4回のセーフティースクイズについて)「(大山の)スタート? まあ足の状態もあんまり万全ではないっていうところも含めて。でもそこは難しいとこよ。当たってからゴーやろ、セーフティースクイズいうとこやからね」阪神藤本1軍内野守備走塁コーチ(4回の大山の走塁について)「いいスタートを切ろうという結果なのかなと思いますけど。もちろん、1点をとりにいこうっていう気持ちがああいう風に出てしまったっていうのもあるし。なかなか判断が難しいところだと思うけど、あれで(打球がフェアゾーンで)ショートバウンドになってセーフってなったら、それはオッケーってなるわけやし。難しいところですけど。やっぱり冷静に考えてみて、ゲッツーになるのが一番ダメなので、僕らも考えていきます」セーフティースクイズ 走者を三塁に置き、無死または1死で行うプレー。三塁走者が投手の投球に合わせてスタートを切り、打者はどんな球でもバットに当てて転がそうとする通常のスクイズと違い、走者は打者がバントをした瞬間にスタートし、打球を見て本塁突入か否かを判断する。通常のスクイズよりリスクが少ない。

◆巨人坂本勇人内野手が1号ソロで追撃した。岡本和が先制2ランを放った直後の6回無死から大竹の真ん中135キロカットボールを左翼席中段まで運んだ。「ボールの見極めだったり、タイミングは全然あっていないなという中で1本出てくれて、とりあえずよかった。チームが勝っているので、いいんじゃないですか」と自身の1発よりもチームの勝利を喜んだ。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が2者連続アーチを浴びてKOされた。0-0の6回。無死一塁から2球目変化球を4番岡本和に中堅左に運ばれると、続く5番坂本には左翼席中段にソロを浴びた。「相手に先に点を与えないようにという気持ちで投げていた。5回まではなんとか粘ることができましたが、先頭バッターを四球で出してしまったところから点を取られてしまった」。6回途中5安打3失点。中盤に暗転した。初回は3者凡退でスタートし、3回まで1安打に抑える好投。4回の2死満塁のピンチでは7番丸を遊飛に打ち取り、ほえた。だが6回に先頭の3番梶谷に四球を与えると、悪夢が待っていた。岡田監督も「いやあ、ちょっともうあの回からは、ボール高かったもんなあ」と、5回まで投手戦を続けてきた左腕の変化に首をかしげた。大竹は「良かったこともあるし、悪かったこともある。しっかり反省して、来週もっといいパフォーマンスできるように頑張るだけ」と前を向いた。次回登板予定の4月6日ヤクルト戦(神宮)へ気持ちを切り替えた。【村松万里子】

◆ノリノリムードの東京ドームが、一瞬静まった。阪神門別啓人投手(19)が今季初登板で1回1安打無失点の快投を見せた。5点ビハインドの8回に登板。初めて味わう伝統の一戦だ。味方が直前に3者凡退に倒れたことも相まり、球場の雰囲気は完全に巨人一色。完全アウェーにも臆することなく、堂々と投げきった。「ランナーを出しながらでも、しっかり冷静に投げられたと思う。そこはすごく良かったと思います」1死から丸に左前打を浴びたが、慌てなかった。続く吉川を左飛、代打郡をこの日最速146キロ直球で空振り三振。「真っすぐの反応は投げていていい感じだと思った」と全12球中10球で直球を投じた。「あとは変化球でカウントを取れれば、もっと楽に投げられると思う」と課題も明確だ。今季は中継ぎとして開幕1軍入り。昨季は2試合に登板したが、いずれも3回以上を投球。1イニング限りの登板は初めてだった。「ずっと、どういう場面で行くのか考えながら(試合を)見ていた。気持ちの準備はできていたので。だから投げられたのかなと思います」前日29日には加治屋が1失点。この日は石井が2失点を喫した。連日中継ぎで失点を喫した中での好投。春季キャンプから岡田監督から高い評価を受けてきた19歳。指揮官が言う「先発予備1番手」としての立場は変わらないが、リリーフとして臨んだ今季初登板で存在感を示した。【波部俊之介】

◆巨人が強い。主砲の岡本和真内野手(27)が今季1号先制2ランを放った。王貞治、松井秀喜以来の7年連続30発超えへ快調発進。坂本勇人内野手(35)も2者連発となる1号ソロで続いた。投手陣は先発グリフィンから7回1死一、三塁のピンチでバトンを受けたドラフト1位の西舘勇陽投手(22)が無失点で火消しした。開幕から2試合連続の完封勝ちは球団では41年以来83年ぶり。歴史的な猛攻堅守で開幕2連勝を決めた。アーチストの放物線で均衡を打ち破った。両軍無得点の6回無死一塁、岡本和が阪神大竹の真ん中高め135キロカットボールをかち上げた。芯を少し外されたが、パワーで押し込んだ。高く舞い上がった打球をバックスクリーン左まで運び「上がりすぎたかなと思ったが、入ってくれてよかった」。昨季はカード勝ち越しがなかった虎から開幕2連勝を呼び込んだ。昨季は11試合目だった1号アーチを2試合目でマークした。18年の過去最速タイの好発進に「打てるにこしたことはない。出ないよりも、出た方がいい」とうなずいた。今季は打点を重視し、143打点を大きな目標に設定する。走者一塁の場面で2打点を稼ぎ、それが勝利打点となった。打棒の前には守備で失点も防いだ。4回1死一、三塁、スクイズを試みた坂本の一塁線への小フライに巨体を投げ出してダイビングキャッチ。併殺で重要局面の流れを引き寄せた。1軍に定着し始めた若手時代、東京ドームのロッカーは阿部監督の隣だった。主将、主砲を担ってきた大きな背中を見て、その生きざまを吸収してきた。ドラフト1位でプロ入りした岡本和も堂々と王道を歩んで、主砲にまで成長。阿部監督からも「チームにとっても大きなホームランだった。みんなが多分、勇気づけられたホームランだったんじゃないか」とたたえられた。昨季は自己最多41本塁打で自身3度目の本塁打王を獲得し、6年連続30発をクリアした。球団では王、松井の2人だけ、日本球界全体でも野村克也、秋山幸二、山本浩二を含めた5人しか達成していない7年連続に挑む。「もっといい状態に持っていけるように。チームに貢献していきたい」。主砲が打てば、巨人の白星も増えていく。【上田悠太】巨人が開幕戦に続いて完封勝ち。開幕戦から2試合連続完封勝利は昨年のヤクルトとソフトバンク以来13度目。巨人では41年以来、83年ぶり2度目。41年は開幕戦が須田(スタルヒン)、2戦目が沢村の完封勝利で、2試合連続完封リレーは球団初になる。また、開幕から2試合連続完封勝利の新人監督は、15年田辺監督(西武)以来5人目。過去4人は1リーグとパ・リーグの監督で、セ・リーグの新人監督では阿部監督が初めてだ。

◆昨季日本一の阪神が、巨人との開幕カードで2連敗を喫した。しかも2試合連続の完封負け。開幕2戦連続完封負けは、球団では88年以来2度目という珍事だった。阪神にとっては嫌な黒星2つだ。50年の2リーグ分立後、セ・リーグの優勝チームは昨年の阪神まで74チームある。そのうち開幕2戦連続黒星スタートから優勝したのは、21年のヤクルト(開幕3連敗)など13チーム。しかし、阪神は過去のリーグ優勝6度で、1度も連敗発進がない。○○、●○のどちらかで、2戦目までに1勝はしている。1リーグ時代の4度の優勝を含めても開幕連敗はない。つまり、連敗発進だと優勝したことがないともいえる。開幕数試合でシーズンの行方を占うのは時期尚早だが、スタートはいいに越したことがない。セの優勝74チーム中、開幕3戦(同一カード3連戦でない場合もあり)を勝ち越したのは7割超の52チーム。やはり、好発進しているチームが多い。逆に開幕3連敗したとしても、そこから盛り返した例はある。開幕3連敗以上からセ・リーグ優勝したのは過去7チーム。08年の巨人は5連敗しているし、60年の大洋(現DeNA)はなんと開幕6連敗から優勝している。開幕カード負け越しが決まった阪神が、今後どんな軌跡を描くのか興味深い。ファンも一喜一憂する143試合が、今年も始まった。【遊軍 高垣誠】

◆巨人が強い。主砲の岡本和真内野手(27)が今季1号先制2ランを放った。王貞治、松井秀喜以来の7年連続30発超えへ快調発進。坂本勇人内野手(35)も2者連発となる1号ソロで続いた。投手陣は先発グリフィンから7回1死一、三塁のピンチでバトンを受けたドラフト1位の西舘勇陽投手(22)が無失点で火消しした。開幕から2試合連続の完封勝ちは球団では41年以来83年ぶり。歴史的な猛攻堅守で開幕2連勝を決めた。巨人が開幕戦に続いて完封勝ち。開幕戦から2試合連続完封勝利は昨年のヤクルトとソフトバンク以来13度目。巨人では41年以来、83年ぶり2度目。41年は開幕戦が須田(スタルヒン)、2戦目が沢村の完封勝利で、2試合連続完封リレーは球団初。新人監督では、15年田辺監督(西武)以来5人目。過去4人は1リーグとパ・リーグの監督で、セ・リーグの新人監督では阿部監督が初めてだ。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が試合前の練習に参加した。通常と同じく個別でアップを開始し、ランニングの合間は両足を重点的にストレッチ。一塁でノックを受け、フリー打撃に臨んで20スイング中4本の柵越えを放ち、その後走塁練習に参加した。大山はオープン戦終盤は下半身の張りで別メニュー調整が続き、29日の開幕戦は10日ぶりの実戦で4打数無安打。岡田監督は試合後、「大山はちょっとなあ。踏ん張れてないなあ。ちょっと明日の状態見な(出場は)分からへんなあ」と心配していた。

◆両チームのスターティングメンバーが発表され、阪神は大竹耕太郎投手(28)が開幕2戦目の先発マウンドに上がる。昨季はデーゲーム8試合で5勝1敗、防御率0・89と活躍した左腕が、2024年のチーム初勝利に向け腕を振る。打線は大山悠輔内野手(29)が「4番・一塁」で先発。オープン戦終盤は下半身の張りで欠場が続き、29日の開幕戦は10日ぶりの実戦で4打数無安打。岡田監督は試合後、「踏ん張れてないなあ。ちょっと状態見な(出場は)分からへんなあ」と心配していたが、この日も打線の中心に名を連ねた。「6番・左翼」には前川に代わってノイジーが入った。

◆阪神の先発・大竹耕太郎が危なげなく一回を無失点に抑え、好スタートを切った。先頭のD3位・佐々木(日立製作所)から1度もバットを振らせずに外角への直球で見逃し三振を奪う。続く門脇は変化球を打たせて遊ゴロ、前夜、本塁打を放っている梶谷も変化球で二ゴロ。持ち前の緩急で三者凡退の立ち上がりを見せた。

◆落語家の林家木久扇さん(86)が始球式を行った。トレードカラーである黄色の着物を身にまとい登場。自身2度目となる大役を務め、「寄席と違ってあんなに人がいて、壁みたい」と観客の多さにびっくりした様子を浮かべ、「これぐらい入ったらもうかりますよね。大勢の声はすごいですね」と笑顔で話した。林家木久扇氏は、55年にわたって出演してきた演芸番組、日本テレビ系「笑点」(日曜後5・30)をあす31日の放送をもって卒業する。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が四回先頭の第2打席で今季初安打となる中前打を放った。カウント2-1からグリフィンの135キロカットボールを振り切った。バットを折られながらも打球は中前へ。大山は29日の同戦で4打数無安打3三振。オープン戦終盤は下半身の張りで欠場しており、岡田監督は29日の試合後「ちょっとあした(30日)の状態を見な、分からへんな」と話していた。ファンの不安を一掃する今季初安打。続く佐藤輝も今季初安打でつなぎ、無死一、三塁の好機を作ったが、先制点には結びつかなかった。

◆阪神が先制のチャンスを生かせなかった。0-0で迎えた四回。先頭の4番・大山と5番・佐藤輝のいずれも今季初安打となる連打で、無死一、三塁と先制のチャンスを作る。しかし続くノイジーは外角の直球に手が出ず見逃し三振。1死一、三塁となって坂本の初球でスクイズを仕掛けるも、小フライになった打球を巨人の一塁・岡本和がノーバウンドでダイビングキャッチ。スタートを切っていた三塁走者の大山はすでに本塁を駆け抜けており、ボールを三塁へ転送されて3アウトに。今季最初の得点は持ち越された。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)が0―0の四回、満塁のピンチを無失点で切り抜けた。先頭の門脇に遊撃内野安打で出塁を許すと、梶谷の二ゴロで走者がスタートを切っており1死二塁。岡本には四球を与えたが、次の坂本を遊ゴロに打ち取り2死一、三塁となった。大城にはフルカウントから四球を与え、2死満塁で打席には丸。3球目に投じた内角への1球で遊飛に打ち取り、大竹はガッツポーズ。ピンチを脱した。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)は六回途中3失点で降板した。抜群の制球で5回まで無失点と投手戦を演じたが、0―0の六回に暗転した。先頭の梶谷に四球を与え、4番・岡本と3度目の対戦。甘く入った2球目を捉えられた。高く舞った打球は中堅スタンドへ届く2ラン本塁打。先制を許すと、続く坂本にも左翼に本塁打を許した。ここで桐敷との交代を告げられ、悔しそうな表情を浮かべながらマウンドを降りた。

◆巨人・岡本和真内野手(27)が1号2ランを放った。0|0の六回無死一塁。阪神・大竹が投じたカットボールを捉え、バックスクリーン左までかっ飛ばした。主将の今季1号となる貴重な先制アーチ。今季の目標に打点王を掲げる主砲が、豪快な一撃で欲しかった先取点を奪った。旧主将も続いた。続く5番に座る坂本勇人内野手(35)もカットボールを完璧にとらえ、打った瞬間に本塁打を確信する2者連続の一発。〝新旧主将〟のアベック弾で好投を続けていた阪神・大竹をKOした。

◆阪神の梅野隆太郎捕手(32)が230日ぶりの打席に立った。昨年は8月13日のヤクルト戦(神宮)で死球を受けて左尺骨を骨折し、そのまま離脱を強いられた。復帰を目指す今季も春季キャンプ中に右肩の肉離れを発症。懸命なリハビリで22日のウエスタン・くふうハヤテ戦で実戦復帰し、開幕に間に合わせた。3点を追いかける七回無死二塁で登場し、結果は高めの直球で空振り三振だった。梅野はこのあと、そのまま捕手の守備に就いた。

◆またも阪神がチャンスで無得点。先発した大竹が3点を失った直後の七回。この日スタメンに入った先頭のノイジーが中堅の頭を越える二塁打で出塁する。1死となって代打・原口が左前打を放って1死一、三塁とし、0点に抑えられていた巨人の先発・グリフィンから反撃のチャンスを作った。しかしここで巨人はドラフト1位・西舘(中大)にスイッチすると、代打の糸原は浅い左飛で2死。続く近本も2球目を右翼へ高々と打ち上げるも、打球はフェンスに体をつけた右翼手のグラブに収まった。これで阪神の無得点は開幕から16イニング連続となった。

◆巨人・松原聖弥外野手(29)が2点中前打で2季ぶりの安打を記録した。代走で途中出場し、3-0の七回1死二、三塁で迎えた今季初打席。右腕の石井からカウント0-2と追い込まれながら、外角のシンカーを中前へ運び、貴重な追加点をもたらした。2021年に135試合に出場し、チームトップの打率・274、12本塁打をマークするも、22年は50試合出場で打率・113に終わり、昨季は12打数無安打と1本も安打を放てなかっただけに、2季ぶりの安打となった。今季はオープン戦で打率・320とアピールして開幕1軍をつかんだ育成出身の俊足外野手。勝負所で与えられたチャンスで、しっかりと結果を残した。

◆阪神は巨人に開幕から2試合続けて無得点で敗れた。またしても1点が遠かった。0-0で迎えた四回。先頭の4番・大山と5番・佐藤輝がいずれも今季初安打となる連打で、無死一、三塁と先制のチャンスを作る。しかし続くノイジーは見逃し三振。1死一、三塁となって坂本の初球でスクイズを仕掛けるも、小フライになった打球を巨人の一塁・岡本和がダイビングキャッチ。スタートを切った三塁走者の大山はすでに本塁を駆け抜けており、ボールを三塁へ転送されて3アウトに。その後もチャンスを作れなかった。先発の大竹は5回まで無失点も六回、無死一塁から4番・岡本、5番・坂本に連続本塁打を許して3失点でマウンドを降りた。七回に3番手で登板した石井も2失点で差を広げられた。

◆巨人は四回に好守を見せた岡本和が六回に先制2ランを放つと、続く坂本もソロ。七回に松原の2点適時打で突き放した。グリフィンが七回途中6安打無失点で白星。阪神は2試合連続の零敗。大竹は六回に手痛い2本塁打を浴びた。

◆四回、丸佳浩を打ち取り、吠える阪神・大竹耕太郎=東京ドーム(撮影・松永渉平)

◆阪神が開幕4連敗を喫した村山実監督時代の1988年以来の連続零敗を喫した。両軍無得点の六回無死、大竹耕太郎投手(28)が四球の走者を一塁に置いて、岡本和真内野手(27)、坂本勇人内野手(35)に連続本塁打を浴びて、3点を失った。七回、石井大智投手(26)が自身の失策などがあり、奪われた2点がダメ押しとなった。門別啓人投手(19)は九回に登板し、1安打無失点だった。打線は四回1死一、三塁でセーフティスクイズを試みた坂本誠志郎捕手(30)の打球が一邪飛となり、併殺。七回無死二塁での梅野隆太郎捕手(32)、原口文仁内野手(32)、糸原健斗内野手(31)の3者連続の代打攻勢も実らなかった。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(観衆=4万1665人)。ーー大竹は立ち上がりはスムーズだった「あの回(六回)からは、ボール高かったもんなあ」ーー先頭の四球も痛かった「なあ」ーー抑えれば継投に「球数が100近く行っとったからな。あっこで」ーー序盤はテンポよく「そんな投げてなかったからな。やっぱりな」ーー大山は状態が心配されたが、一本出て(四回に中前打)「大丈夫言うからさ」ーー走る方はきつい「いやいや、それは大丈夫言うんやから。それは本人に聞いてくれ」ーースクイズの場面はフェアグラウンドに行けば「いや、スクイズ違うよ」ーーセーフティースクイズ「セーフティーよ」ーー坂本は前の打席で初球に犠打を決めていた「なあ、ああなるんやなあ。やっぱりなあ。先に点を取っていたら、全然違う展開やけど」ーー一つのプレーで流れが変わる「そら変わるよ。昨日もそうやんか。昨日、今日とな」ーー三走の大山はフライを見て戻るのは難しかったか「戻るって。セーフティースクイズやから戻る、行ったらアカンやんか、スクイズちゃうんやから、スタートを切るんちゃうんやから、そら」ーー石井の状態が「ああ、石井な。ちょっとしんどいなあ。2ストライクからな。あんなフォークが、ド真ん中行くんやもんなあ」ーー門別は中継ぎでもいいところを「一回投げさせとかななあ。こんなゲーム展開やけど、とにかく、どっかで投げさせようと思っとったけどな、1回でもな」ーービハインドで桐敷を投入したのも「3点やからまだ分からへんから、そら」ーー2連敗から仕切り直し「そうやなあ、3連敗はアカンよなあ。まあ点取らなアカンわな。おーん、ホンマ。全然、お前、入らへんもんな。入りそうにないもんな」ーー硬くなっているのか「いや、そんなヒット出んやんか。つなぐとかいう問題じゃなしに。つなぐだけじゃ点入らへんからな。ある程度もっとヒット出んと。ちょっとボール振り過ぎやな。高めはな」ーー役割が発揮出来ていない「役割というか、もっと塁を賑わして、後ろにとかな。そういうのがないやんか」ーー3回戦は徹底して「徹底というか、そら毎試合そないしてやるつもりでおるんやけど。まあ2試合0点やからな」ーー巨人は活気づいてる「おーん。そら勝ち方とかしたらなあ。0ー0でホームランは止められへんもんな。まあ...まあまあまあ」

◆阪神が開幕4連敗を喫した村山実監督時代の1988年以来の連続零敗を喫した。両軍無得点の六回無死、大竹耕太郎投手(28)が四球の走者を一塁に置いて、岡本和真内野手(27)、坂本勇人内野手(35)に連続本塁打を浴びて、3点を失った。七回、石井大智投手(26)が自身の失策などがあり、奪われた2点がダメ押しとなった。門別啓人投手(19)は九回に登板し、1安打無失点だった。打線は四回1死一、三塁でセーフティスクイズを試みた坂本誠志郎捕手(30)の打球が一邪飛となり、併殺。七回無死二塁での梅野隆太郎捕手(32)、原口文仁内野手(32)、糸原健斗内野手(31)の3者連続の代打攻勢も実らなかった。主な選手のコメントは以下の通り(観衆=4万1665人)。四回について坂本誠志郎 「僕の失敗なんで。決めてたら点が入っていたので。しっかり練習します」三走でスタートを切っていた大山悠輔 「明日いい準備をして、明日に向けて頑張ります」三塁コーチの藤本敦士内野守備走塁コーチ 「冷静に考えてみたら、ゲッツーになるのが一番ダメなところなので、僕らも含めて、改善していきます」四回に今季初安打の佐藤輝明 「いいバッティングしないと勝てないので」四回無死二塁で昨年8月13日以来の出場(代打で空振り三振)となった梅野隆太郎 「結果が出ればまた気持ちも違うやろうし、みんな同じ気持ちだと思うので、変わらずにやっていきたいと思います」四回1死二塁で代打で今季初安打を左前に運んだ原口文仁 「凡打でも、いい結果でも一喜一憂せずに、継続的にやっていきたい」六回、巨人・岡本和に2ランを浴びた大竹耕太郎 「悔やむというか、それが今の実力なんで」六回途中、連続本塁打後に今季初登板の桐敷拓馬 「あそこを3人で抑えられたのはよかったなと思います」七回に2点を奪われた石井大智 「次があるかどうかもわからないですけど、しっかり修正して」1回無失点の門別啓人 「真っすぐの反応は投げてていい感じだなって思ったんで、あとは変化球」

◆?巨人が開幕戦(○4-0阪神)に続いて無失点勝利。巨人が開幕戦から2試合連続で無失点勝利したのは、1リーグ時代の1941年4月3日の大洋(○3-0、須田博の完投、後楽園)、同4日の黒鷲(○6-0、沢村栄治の完投、後楽園)以来83年ぶり2度目。?球界全体での開幕から2試合連続無失点勝利は昨年のヤクルト、ソフトバンクに続く通算13度目のプロ野球タイ記録。?岡本和と坂本のアベック本塁打は昨年9月15日の中日戦(バンテリンドーム)以来、通算30度目。チーム開幕2試合目は、19年と20年の開幕6試合目を抜く最速。

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(76)はセーフティスクイズを失敗した阪神・坂本誠志郎捕手(30)よりもシェルドン・ノイジー外野手(29)の打撃に言及した。昨年の阪神は「つなぎの野球」でリーグ優勝と日本一になった。攻撃陣は思い出してほしい。四回1死一、三塁からの坂本のセーフティースクイズが決まらず、併殺となった結果がクローズアップされるが、その前の場面が問題だ。大山、佐藤輝の連打で無死一、三塁。ノイジーが直球を見逃して三振に倒れた。巨人の二遊間は前進守備ではない。ゴロを転がせば、併殺になったとしても先制できた。開幕戦の青柳も大竹も中盤に力尽きたが、援護点があれば、もう少しイニングを投げられただろうし、違った展開になっていたはずだ。打線で今、状態がいいのは近本、中野ぐらい。ノイジーに限らず、オープン戦から全体的に状態はよくない。甘い球を見逃し、高めのボール球を振るシーンが目立った。佐藤輝にも言えることだが、結果を残さなければ、という意識が強すぎる。無死や1死で走者がいる場面では、つなぎの進塁打でいい。まだシーズンは始まったばかり。一番大事なのは、心に余裕を持つことだ。

◆阪神・大竹耕太郎投手(28)は2者連続本塁打を浴び、六回途中3失点で黒星を喫した。五回まで低めの制球がさえるも暗転したのは六回。梶谷に四球を与えると、続く岡本和に甘く入った2球目を捉えられ、中堅へ先制2ランを被弾。続く坂本にも左翼に本塁打を許してマウンドを降りた。投球イニング増を今季の目標に掲げる左腕は「昨年も六回ぐらいで点を取られる試合が多かった。しっかり反省して次はそうならないように頑張りたい」と課題を見つめ直して次戦に備える。

◆阪神・門別啓人投手(19)は八回に4番手で今季初登板し、無失点に抑えた。「ずっとどういう場面で行くのか考えながら見ていた。冷静に投げられた」。先頭の大城卓を一ゴロに斬り、丸には左前打を許したが、吉川を左飛、郡からは内角への直球で空振り三振。「真っすぐの反応はいい感じ。あとは変化球でカウントを取れればもっと楽に投げられる」と次の登板を見据えた。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(32)が七回無死二塁で代打出場。昨年8月に左尺骨骨折で離脱してから、220日ぶりに1軍公式戦で打席に立った。結果は空振り三振も「いろいろな感情もありながらのゲームだったので、これをまたスタートにしたい」。そのままマスクを被って、石井、門別をリード。「チームは連敗しているけど、自分たちがやるべきことは変わらないと思う。みんな同じ方向を向いているので、一生懸命やっていきたいですね」と前を見た。

◆阪神・桐敷拓馬投手(24)が3点を奪われた直後の六回途中からマウンドに上がった。今季初登板は大城卓を二ゴロ、丸を空振り三振、吉川を一飛と危なげなく切り抜け「ホームランで(点を)取られた後だったので、流れを食い止めて、攻撃につなげることが役割。3人で抑えられたのはよかった」。昨季、岡田監督から〝スペードのエース〟と命名された左腕は今年も安定感抜群だ。

◆状態が不安視されていた阪神・大山悠輔内野手(29)は「4番・一塁」で先発。一回に四球で出塁し、四回には中前に落とす今季の初安打を放った。三塁まで進み、坂本のセーフティースクイズでスタートを切るも岡本和の好捕でアウトに。「明日いい準備をして、明日に向けて頑張ります」と言い残した。岡田監督は大山の状態について「(本人が)大丈夫言うんやから」と話した。

◆阪神・シェルドン・ノイジー外野手(29)が「6番・左翼」で今季初の先発出場。四回無死一、三塁のチャンスはグリフィンの149キロ直球に見逃し三振だったが、七回先頭で中堅の頭上を破る二塁打を放ち、今季初安打を記録。「いい形で試合に出るときに打つことができたので良かった。連敗しましたけれど、しっかりまた勝ち続けていければ」と意気込んだ。

◆阪神・原口文仁内野手(32)が今季初打席で勝負強さをみせた。3点を追う七回1死二塁、代打で打席に入ると、追い込まれながらも3球ファウルで粘り、7球目を仕留めた。三遊間を抜くしぶといヒットでチャンスを拡大し、先発・グリフィンを引きずり下ろした。「つないでいきたい場面でヒットが出たのはすごくよかった。一喜一憂せずに、継続的にやっていきたい」。32歳のベテランが、今年も虎を結果と姿勢で引っ張っていく。

◆3点ビハインドの七回に3番手として登板した阪神・石井大智投手(26)は1回2失点(自責点1)だった。先頭の代打・萩尾に右翼線への二塁打で出塁を許すと、続く打者のバント処理をファンブル。その後、1死二、三塁となって松原に2点適時打を浴びた。後続の岡本和、坂本は連続三振に抑えるも、手痛い駄目押し点を献上。「次があるかどうかもわからないですけど、しっかり修正して臨めたら」と前を向いた。

◆巨人のドラフト1位・西舘勇陽投手(22)=中大=が3点リードの七回1死一、三塁で登板し、代打・糸原を左飛、近本を右飛に仕留めてピンチの芽を摘んだ。〝七回の男〟として勝利の方程式の一角を担う右腕は、29日の開幕戦での1回無失点に続く好投で、2試合連続でホールド。グリフィンの今季初勝利をアシストした。「厳しい場面を経験できてよかった。1年を通して続けていきたい」と語った。

◆阪神は巨人戦に0-5で敗れた。開幕2試合連続零封負けは1988年以来、36年ぶり2度目の屈辱となった。今季初安打を放った佐藤輝明内野手(25)は31日の3戦目での必勝を誓った。 痛烈な打球が一、二塁間を破る。元気のない虎打線において、いま最も頼らなくてはならない男に快音が生まれたのは救いか-。今季初安打も佐藤輝は主軸の自覚をにじませた。「(今季初安打は)まあ、よかったんじゃないですか。(2試合連続無得点は)うーん。何とかしてもっと早めに点を取っていきたいです」四回無死一塁の第2打席。カウント1-2から左腕・グリフィンの130キロスプリットを振り抜いた。今季6打席目でともした「H」ランプは先制機を演出する右前打。大砲はパンッと両手をたたいて、ナインをもり立てた。いまの虎打線にとって、ホームはこの上なく遠い。下半身の張りでオープン戦終盤を欠場した4番の大山は本調子とは言い難い。3番・森下は2試合連続無安打といまだ音なし。やはり、現状をひと振りで打破できるのは佐藤輝しかいない。オープン戦では打率・270で、3本塁打と6打点はチームトップだった。一時は打率1割前半まで低迷する時期もあったが、終盤に調子を上げてシーズンに突入。開幕2戦連続零封負けにも前を向き、表情を引き締め、球場を後にした。「いいピッチングして、いいバッティングしないと勝てないので...はい。あしたからも頑張ります」〝アレンパ〟を目指す旅路の幕開けから訪れた試練-。輝くそのスイングで、乗り越えてみせる。佐藤輝が待望の初得点と初勝利を虎にもたらす。(原田遼太郎)

◆巨人の投手陣が、1941年以来2度目となる開幕2戦連続の完封勝利に導いた。3―0の七回1死一、三塁でドラフト1位・西舘勇陽投手(22)=中大=が先発のグリフィンを救援し、2試合連続でホールドを挙げた。「厳しい場面を経験できてよかった。大事な場面で信頼して送り出してもらえるような存在になりたい」クイック投法を武器に勝ちパターンの七回を担う右腕は、ピンチにも動じず代打・糸原を左飛、近本を右飛に仕留めた。29日の開幕戦での1回無失点に続く好投。今季初勝利のグリフィンは「(西舘に)厳しい場面を強いてしまった。(降板後)ありがとうと言った」と感謝した。83年前は須田博(スタルヒン)と沢村栄治がそれぞれ完封したが、今回は2日間とも4投手による零封リレー。野球の進化と歴史の重みを感じさせる最高の滑り出しとなった。1941年は8球団による春、夏、秋の3季、各4回戦制で行われ、リーグ優勝は通算勝率で決定。藤本定義監督が率いた巨人は、4月3日の大洋との開幕戦で須田博(スタルヒン)が、翌4日の黒鷲戦では沢村栄治が完封勝利をマーク。開幕7連勝を飾り4月下旬に首位に立つと、7月にも8連勝を飾った。投手陣は26勝(9敗)を挙げ、最多奪三振のタイトルに輝いた中尾輝三、15勝(3敗)の須田らが盤石。野手陣は首位打者、打点王となりMVPに輝いた川上哲治ら巨人勢6人が打率10傑に入った。夏季優勝は阪急だったが、巨人が春、秋を制すなど38年秋からリーグ4連覇を果たした。

◆阪神は開幕2試合連続の零封負け。1988年以来、36年ぶり2度目の屈辱となった。岡田彰布監督(66)は6安打だった打線に「ヒット出んやんか。(点が)入りそうにないもんな」と嘆き節。四回には大山の走塁ミスで流れを手放すなど、〝無得点地獄〟から抜け出せない。今季初安打を放った佐藤輝明内野手(25)は31日の3戦目での必勝を誓った。2日続けて、ゼロ...。虎が〝無得点地獄〟にズブズブとハマってしまった。開幕2戦連続零封負けは36年ぶり。巨人相手では史上初の屈辱を味わった。あの手この手で1点をもぎとろうと思案する岡田監督は、打線の活気のなさを嘆いた。「全然、(点が)入らへんもんな。入りそうにないもんな。もっとやっぱり塁をにぎわして、後ろに(つなぐ)とかな。そういうのがないやんか」前日の開幕戦は4安打。この日は6安打を放つも、〝詰め〟の段階であと一本が出ない。ゼロのトンネルから抜け出せそうだった0-0の四回には虎党が歓喜と絶望を味わった。先頭の大山と佐藤輝の連打で無死一、三塁。しかし、ノイジーが見逃し三振に倒れると、坂本はセーフティースクイズを仕掛けたものの打球を上げてしまい、岡本和の一塁ファウルゾーンでのダイビングキャッチで2死。さらに、飛び出していた三走・大山もアウトで得点機はついえた。

◆「開幕2連敗、しかも巨人相手にって、なめとんのかー、岡田阪神!!」「ちゅ~か、オープン戦から3勝16敗1分けって勝つ気あるんかァ!!」「あげくに12球団で唯一、開幕から1点も取っていない。腹ワタが煮えくりかえってるわ!!」「まあまあ、虎党の皆さん、そうカッカしない。ニコニコ...」「なに、笑っとんねん、ダンカン!! お前、38年ぶりのアレでついにボケたかァ!?」「冷静に...ね、落ち着きましょう。ホラ、思い出してください。2022年の開幕を...。地獄の9連敗、覚えているでしょう? あれに比べれば2連敗なんて序の口」「ホウ、そー言われればなぁ...。怒りが収まってきたわ」「9連敗したけど、快進撃で勝率を5割に戻して最後は3位になったし...。コラー、3位やったらアレンパできんやんかー!! ハァハァ...」「ダンカン、落ち着け...。3戦目に勝ったらええやん」ポイントは四回1死一、三塁。坂本のスクイズ失敗での併殺が敗因になるだろうが、俺はその前のノイジーの見逃しの三振を責めるのだ!! 消極的な外国人より小野寺起用で(右投手なら前川を)。「和の虎でいいんじゃな~い!!」(by夏木マリ)

◆まだ始まったばかりなのに、視界が開けない。1点も取れないし...よくよく考えたら3月はまだオープン戦も含めて3勝しかしていないじゃないか! ポカポカ陽気の春本番がやってきたのに、虎だけポツンと取り残されてしまっているような気がする。それでも虎番のビヤ樽こと三木建次の声は沈んでいなかった。「まだまだ開幕したばかりやし僕は気にしたらアカンと思う。岡田監督も普段通りやった」。なんでも、この日の球場入りの際に指揮官と雑談する機会があったのだという。第1次政権のときから密着し、昨季まではキャップとして将を追いかけてきたビヤ樽。得意げに「朝のニュースを見ていたら、黄砂が飛んでくるらしいですね」と〝とれたての知識〟を披露すると、岡田監督に「そんなのドームの中でやっとるんやから関係ないやろ。来週もドームや」と一喝されてしまった。おっしゃる通り、4月2~4日のDeNA3連戦も京セラドーム開催。だがビヤ樽の見立てでは、こんなやりとりこそが「普段通り」の証しなんだとか。「岡田監督が僕たち記者に対して〝ああ言えばこう言う〟ときは決して機嫌が悪くないときや。試合後も嘆いてはいたけど、不機嫌という感じではなかった。第2次政権になってからは初の借金生活やけど、まだまだ大丈夫や」単純に、ビヤ樽の浅~いお天気トークなんかに付き合ってられるかという感じにも聞こえるのだが、ここは59歳の前キャップの感覚を信じよう。指揮官がドシッと構えているんだ。われわれは春を待つしかない。

◆信じていいのかな? 巨人のこれほどいい連勝を見るのは3年ぶり。阿部監督が落ち着いて、うまく駒を使っている。チームが変わったと、じわり感じるよ。2戦とも、どちらの先発投手が先にコケるかという争い。前日の梶谷、この日の岡本和とダイビングキャッチによる併殺完成が紙一重で勝敗を分けた、ともいえるけど、投手陣に課題を多く抱えていた巨人の方が連続無失点勝利とはね。打線でも梶谷、岡本和、坂本の3、4、5番がここぞの場面で働いた。佐々木と門脇の新1、2番も実戦派らしく、小技も交えてかきまわす。巨人のいいところばかり出ているね。以前にも紹介した話を、また思い出した。阪神がボロボロの時代だった1978年。監督に就任した後藤次男さんが「おい、エモ」。法政大の後輩でもある私をベンチの真横に呼び寄せて、ぼやくことしきり。「ピッチャーが完投し、1、2番が出塁し、クリーンアップがパカーンと打てば、勝つのに...なあ」。野球の王道。完投こそないが、この2戦の巨人はまさにそれ。阪神も気合を入れ直してかかるべし。開幕3連敗はさすがにキツい。31日は総力戦で取らな、あかんよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
200 1.000
(-)
-
(-)
14110
(+6)
4
(+1)
2
(+1)
1
(+1)
0.348
(↑0.035)
2.000
(↑1)
1
(-)
巨人
200 1.000
(-)
0
(-)
1419
(+5)
0
(-)
3
(+2)
0
(-)
0.277
(↓0.017)
0.000
(-)
3
(2↓)
ヤクルト
101 1.000
(-)
0.5
(↑0.5)
1418
(+1)
5
(+1)
0
(-)
3
(+2)
0.303
(↓0.041)
2.140
(↑1.86)
4
(-)
中日
011 0.000
(-)
1.5
(↓0.5)
1415
(+1)
8
(+1)
1
(-)
0
(-)
0.263
(↓0.061)
1.350
(↑0.9)
4
(-)
阪神
020 0.000
(-)
2
(↓1)
1410
(-)
9
(+5)
0
(-)
0
(-)
0.159
(↑0.034
4.500
(-)
4
(-)
広島
020 0.000
(-)
2
(↓1)
1414
(+1)
10
(+6)
0
(-)
0
(-)
0.212
(↓0.066)
5.630
(↓1.13)