ロッテ(★1対4☆)日本ハム =リーグ戦1回戦(2024.03.29)・ZOZOマリンスタジアム=
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日本ハム
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ロッテ
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勝利投手:伊藤 大海(1勝0敗0S)
敗戦投手:小島 和哉(0勝1敗0S)

本塁打
【日本ハム】レイエス(1号・6回表ソロ)

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◆日本ハムは3回表、田宮の適時打などで2点を先制する。その後は5回に松本剛の適時三塁打、6回にはレイエスのソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・伊藤が6回無失点9奪三振の好投で今季1勝目。敗れたロッテは9回に1点を返すも、反撃が遅かった。

◆俳優の菅野美穂(46)が始球式を行った。右翼ポール下からリリーフカーに乗って登場。ロッテの「キシリトール オーラテクト」のCMキャラクターを務めており、背番号は「118(いい歯)」だった。セットポジションから投じたボールは、2バウンドで捕手のミットに届いた。この日は昼過ぎまで雨が降り、強い風も舞った。役目を終えると「嵐からお天気になり、選手の皆さんや開幕を楽しみにしていたファンの皆さんと一緒に球場にいられることが光栄でした。これから始まるシーズンが楽しみだなと思う前向きな雰囲気で、千葉ロッテマリーンズの皆さまにとって良いシーズンになるといいなと思いながら投げました。貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございました」とコメントした。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が得意の"新庄劇場"で勝負の3年目をスタートさせた。試合開始直前。開幕前日にロッテ吉井監督に承諾を得た"ハイタッチ・メンバー表交換"を実行。審判団とも笑顔でハイタッチする姿に、超満員の敵地も拍手と歓声で大盛り上あがり。大局を見て「力を合わせて野球を盛り上げていきたい」という思いが開幕戦から最高のムードをつくりあげ、自身初、チームとしては20年8月28日以来1309日ぶりの貯金1を目指した開幕戦が始まった。今季はパフォーマンスだけではない。考え抜いた開幕スタメンが、しっかり機能した。3回。先頭の水野が三塁打で出塁し、奈良間が四球でつないで、田宮が先制打を放った。おそらく最後まで悩んでいたであろう下位打線の3人が躍動。キャンプやオープン戦からアピールした水野と田宮に、小島から昨季プロ初本塁打を放った奈良間は2軍戦での打撃内容を見て開幕直前に1軍へ招集。指揮官の勝負眼も開幕からばっちりハマった。開幕投手に指名した伊藤も期待に応える熱投を見せた。初回こそ、初の大役に力が入って25球を要した。それでも無失点で切り抜けると2回からは奪三振ショー。夜の肌寒い海風を浴びながらも、半袖姿でロッテ打線を封じていった。昨年9月の段階で今季の開幕投手を通達した理由は「人間的に成長させて、責任感を持たせるため」。ひと冬を越えて、思惑通りに頼もしくなってくれた。過去2年で鍛え上げた選手たちと、新加入の即戦力を融合させ、最低限の目標がAクラス入り。「この3年目で選手たちが爆発してくれる予感がする。ファンと同じような気持ちで僕もどんなプレーをしてくれるか、ものすごく楽しみ」。初の貯金生活どころか、目指すは最初の20戦で16勝4敗の開幕ダッシュ。やってくれそうな予感が漂う、開幕戦となった。【木下大輔】

◆日本ハムの開幕投手、伊藤大海投手(26)が計測不能の超スローカーブを投じて、球場を騒然とさせた。4点リードの6回2死無走者の場面。ロッテ安田への初球で、大きな弧を描く超スローカーブでストライクを奪った。投球が捕手田宮のミットに届く前から場内がざわつき、ストライクとコールされると、さらに大きなざわめきが起きた。伊藤は投げ終わった後に後ろを振り返ってスコアボードの球速表示を確認も、計測されておらず。ざわめきが残ったまま投じた2球目で二ゴロに抑え、3者凡退で6回を締めくくると、ニヤリと笑って三塁側ベンチへ引き揚げた。

◆/打った瞬間の来日初アーチ\メジャー通算108発レイエスがNPB初アーチ??#プロ野球(2024/3/29)??ロッテ×日本ハム??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #lovefighters"野球一本" 新プラン登場「DAZN BASEBALL」 月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/17まで pic.twitter.com/rDq2NRLB7w

◆日本ハムの新戦力フランミル・レイエス外野手(28=ロイヤルズ)が来日1号を放った。3点リードの6回2死、カウント1ストライクからロッテ2番手国吉のカットボールを振り抜き、左中間スタンドに放り込んだ。4回2死では、ボテボテの当たりながら懸命に一塁まで走って来日初ヒットとなる三塁内野安打。続く打席でチーム1号と、怪力っぷりをアピールした。ベンチに引き揚げると、日本流にスタンドに向かってお辞儀。新庄監督と両手でハイタッチして喜んだ。日本での開幕戦でいきなり複数安打&1号。「ファーストボールにしっかりアジャストすることができました。ファンやチームメートの後押しがあり、気持ちが高まりました。みんなが喜んでくれてうれしいです。前の打席の安打は良い当たりではありませんでしたが、どんな形であれ結果を残すことが一番。2打席続けて打つことができて、よかったです。カバイエテ!」と喜んだ。

◆日本ハムが5年ぶりに開幕戦に勝利し、20年8月28日以来1309日ぶりの貯金1となった。就任3年目の新庄剛志監督(52)にとっても初めての開幕戦勝利、そして貯金生活となった。開幕戦から理想的な試合運びで昨季2位のロッテを圧倒した。3回に7番水野が三塁打でチャンスメークし、初の開幕スタメンの8番奈良間が四球でつないで、こちらも初の開幕マスクとなった9番田宮が中前適時打を放って先制。さらに無死満塁からスティーブンソンの併殺打の間に2点目も奪った。5回は8番奈良間が中前打で出塁し、9番田宮が犠打を決めて1死二塁から1番松本剛が適時三塁打で追加点。6回には新外国人のレイエスが来日初本塁打となる1号ソロを放った。初の開幕投手を務めた伊藤大海投手(26)が6回4安打無失点、9奪三振の快投。開幕前日の28日に選手会長の松本剛から「4点取る」と声をかけられていたが、その宣言通りの援護を受けて期待に応えた。7回からは継投でリードを守りきって快勝。伊藤は、球団では15年大谷翔平以来の開幕先発白星となった。

◆ロッテ小島和哉投手は5回5安打3失点で開幕戦勝利に導けなかった。初回は2三振と最高の滑り出しも、3回に自らの野選などから2失点。「球自体は悪くなかった。先に失点してしまったので悔しい」と振り返った。吉井監督は「一つ間違えればビッグイニングの典型的な形。慎重になりすぎてカウント悪くして重い空気を作ってしまう。それ以外は良かったので次に期待したい」と語った。

◆初の開幕投手を務めた日本ハム伊藤大海投手が、6回101球を投げ、4安打9三振無失点と好投し、球団の開幕投手としては15年大谷以来9年ぶりの白星を挙げた。道産子投手初の大役をまっとう。誕生年の97年に同郷北海道鹿部町の先輩、盛田幸妃(横浜)が開幕投手を務めたことにも触れ「(地元の)そういう思いもしっかり背負いながら投げた。勝つことができてうれしい」と喜んだ。

◆日本ハム松本剛外野手(30)が"有言実行"の4点勝利に貢献した。5回1死二塁では中堅への適時三塁打で3点目をたたき出し、8回の守備では友杉の打球をダイビングキャッチ。事前に先発伊藤に4点の援護を約束しており、「ベンチでずっとあと2点やと言っていたので、4点取れてよかったです」と喜んでいた。

◆ロッテ打線は日本ハムの先発伊藤大海投手(26)を前に苦しんだ。「そう簡単に打てるピッチャーじゃない。何人かの選手はカウント深く球数投げさせてくれて、いい攻撃はしてくれたんですけども、相手が一枚上手でうまく風を使っていて、そこを捉えられなかった」と話した。1番から藤岡、ソト、ポランコ、山口を並べた打順については「藤岡が出塁率高いんで、その後に長打打てる選手を並べていたら、得点の可能性が高くなるかなと。あの並び方はやっぱりビッグイニング狙ってる並び方。球数投げさせたのは最低限のマルです」と狙いを明かした。最終回には初めて開幕4番に起用された山口航輝外野手(23)が無死二塁から中前安打を放ち得点につなげた。指揮官は「(上から)4番目です」と話したが、「ゆくゆくは外国人挟んで3番外国人、4番山口、5番外国人みたいな、そういう打順にしたい」と期待した。

◆日本ハム田宮裕涼捕手(23)が球団初の道産子開幕投手を務めた伊藤大海投手(26)を好リードし、チームに5年ぶりの開幕白星をもたらした。バットでも3回に決勝打となる先制打を放つなど2安打1打点1盗塁。攻守で先輩右腕を力強く援護した。6年目で初めて開幕1軍入りし、開幕マスクでも堂々とプレーした待望の正捕手候補が、故郷千葉で大ブレークを予感させる好スタートを切った。勝利の瞬間、とびっきりの"ゆあスマイル"が輝いた。田宮は「大海さんの開幕投手を勝利で飾れて良かったなって一安心しています」。最終回は1点を奪われたが、最後までマスクをかぶってリードを守りきった。球団が本拠地を置く北海道出身の投手として、チームで初めて開幕投手を務めた伊藤を攻守で支えた。「今日は大海さんを勝たせることばっか考えていた」。綿密なコミュニケーションを経て臨んだ大一番は6回までバッテリーを組んで、快投を引き出した。打撃でも3回無死一、三塁で先制適時打。「チャンスで回ってきたんで、なんとか1点っていう気持ちで打ちました」。その後は犠打も二盗も決めた。「打って走るのが、僕はやりたいこと。全部やっている捕手はなかなかいないので、そういう捕手になっていきたい」と言葉に力を込めた。緊張感も、なかった。小学生時代はロッテジュニアに選出されたこともある。「逆に試合前のセレモニーとか、ちょっとロッテファンの気分で見ちゃいました」と余裕もあったという。6回に伊藤が投げた超スローカーブは「普通にカーブのサインを出したら、大海さんが急に、すごいスローカーブを投げて(笑い)」と驚いたが、冷静にキャッチング。そんな遊び心まで引き出された伊藤からは「すごく、どっしりしていた。自信を持ってサインを出してくれたので信じて投げ込むだけだった」と感謝された。田宮も「うまくリードできて良かった」。昨季最終盤に訪れた一瞬のチャンスをつかんだ正捕手候補が、最高の形で飛躍の1年をスタートさせた。【木下大輔】

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が就任3年目で初の開幕白星を手にした。選手たちと同じように「ヨッシャー」と無邪気に喜び、自身初の貯金1に「最高やね」。チームにとっても20年8月28日以来、1309日ぶりの貯金生活となり「気分いいもんね。1位だもん」と笑みが絶えなかった。7番水野、8番奈良間、9番田宮。キャンプ中から「決めていましたよ」と温めてきた"開幕下位打線"の3人が3回に連動して先取点を奪取。ずっとアピールが続いていた水野と田宮に加えて奈良間は開幕直前で2軍から呼び寄せての抜てき。「ちょっと気合が入っていなかったので、1回わざと(2軍に)落としたんですよね。そこで(奈良間が昨季プロ初本塁打を放った)小島君に合わせて連れ戻そうと心は決まっていた」。巧みなマネジメントからゲームの流れを引き寄せ、そのまま押しきった。「努力は一生、本番は一回、チャンスは一瞬」。新庄監督が大事にする言葉だ。監督生活を当てはめると「監督のチャンスは3年だと俺は思っている。1年で(チームを)つくり上げられるものではない」。この2年間、選手たちには一瞬のチャンスを数多く与え、勝てるチームの土台を築いてきた。「まだつくり上げられていない感はありますけど(球団が)補強してくれたことによって、それが一気に縮まった」。そう自負する就任3年目の今季は「僕を監督にしてくれた恩返し」と決意する1年。目指すは最初の20戦で16勝4敗の開幕ダッシュだ。若手も多い中で「ニューヒーローたちがノリノリで突っ走ってくれたら」。手応え十分の開幕白星となった。【木下大輔】日本ハムの開幕戦勝利は19年以来5年ぶりで、新庄監督政権では初。19年は上沢が開幕投手を務め、3-3の延長10回に、中田がサヨナラ満塁弾を左中間席へたたき込んだ。以降、エスコンフィールド開幕戦だった昨年まで4連敗中だった。○...新庄監督が有言実行のパフォーマンスで場内を大いに盛り上げた。試合開始直前。開幕前日にロッテ吉井監督に承諾を得た"ハイタッチ・メンバー表交換"を実行。吉井監督も審判団も、笑顔でハイタッチする姿に、超満員の敵地も大喝采だ。「力を合わせて野球を盛り上げていきたい」という、大局を見ている新庄監督の思いが観衆にも伝わり、開幕戦がアットホームな雰囲気で彩られた。

◆日本ハムの新庄剛志監督(52)が就任3年目で初めて貯金をゲットした。一問一答は以下の通り。       -開幕戦を振り返って新庄監督 いや~良かったね。1回から伊藤君のオーラや落ち着きようは、去年と全然違くないですか? 安心感だらけ。きょうの伊藤君はでかく見えましたね。良かった。球数は今年に関してはあまり気にしないですけど、100球で。マーフィー、金村君といって、田中正義君。きょうは早く地に足を付けさせたいとうことで、投げさせました。ー開幕戦の勝利は5年ぶり新庄監督 5年前、俺はバリにいたからね。あまり関係ないかな(笑い)。バリで犬の散歩をしてたので、ちょっと分からないです。-先制の場面は水野、田宮と若手が起用に応えてくれた新庄監督 キャンプ中からずっと、水野君と田宮君に期待してた。きょう活躍してくれそうな気がしていた。奈良間君はちょっと気合が入ってなかったので、1回わざと(ファームに)落としたんですよね。そこで(開幕戦の)小島君に合わせて連れ戻そうと心は決まっていたので。それを本人に言ったら、涙目で「やります」っていう顔をしていましたね。-松本剛の適時打は新庄監督 あのタイムリーも素晴らしかったけど、1球目にセーフティーのサインを出して、打てのサインに切り替えても、また自分でやるっていうね。こういうプレーをどんどん他の選手もやってもらえたら、ああいう風に点につながるし、勢いもついてくる。すみません。インプラントが...。1週間待ってください。-レイエスにも一発が出た新庄監督 素晴らしかったね! 打ちっ放しの5番アイアンぐらいの打球。本人が一番うれしかったと思うし、その前の内野安打がなかったら、あのホームランは出てないですよ。あのときめちゃめちゃ足速かった。-良いスタートが切れた新庄監督 めちゃくちゃ良かったです。5回までに先に点を取って、投手で逃げ切る。この野球ができたら、すごく面白いチームになると思う。ずっとこういう訳にはいかないと思うけど、この流れで開幕ダッシュをしたいという願望はあります。-昨日は選手たちが爆発してくれる予感がすると話していた新庄監督 きょう負けていたら、143分の1じゃないですか? って言ってたけど、この1勝はめちゃくちゃでかい(笑い)。本当にでかい。(コメントを)2つ用意してたので。-強い勝ち方。やってきたことが出てきた新庄監督 本当にこの流れでね。5回までに点を取って、投手が抑えてくれて、勝ってくれたら勢いがつきそうだなとベンチの中で考えていた。田中君が投げ始めて、もしかしてこれ、一発出る? みたいな感じが去年はあった。今年、きょう抑えたことによってポンッとレベルが上がる。いい場面でしたね。本当は3対0の場面にしようと思ったけど、きょうの練習中に聞いたら「何点差でも投げたい。1回投げておきたい」って。きょう全員投げさせたいぐらいでしたけど、良いぐらいの点数だったので。あとは金村君の安定感も素晴らしいですよね。12連投ぐらいしてもらいたい(笑い)。-開幕戦の重みを、どう感じていた新庄監督 今年に関しては、この開幕戦を取らないと乗っていけないかな? というぐらいの気持ちでした。今年は必死だし、恩返し。僕を監督にしてくれた恩返し、責任を今年は果たしますという気持ちは、キャンプ中からあった。うれしくて仕方ないですね。-3年目に何かを起こすのが新庄監督新庄監督 もうちょっと待って。もうちょっとしたら、俺も乗ってくるから。1試合だから。あしたどうなるか分からないし。-水野、奈良間、田宮の下位打線は前から決めていたか新庄監督 決めていましたよ。左、左、左にならないように。打ってくれそうな気がしたんですよ、小島君に関しては。良い変化球を持っていて、右打者は打ちづらいイメージがあった。左、左でも良いと思ったけど、奈良間君が2軍で左投手から良いバッティングをしていたので。-開幕戦前に選手たちに何かを伝えたか新庄監督 言ってない、言ってない。去年、言って負けたから。俺、あまりジンクスを持たないけど、今年は去年と真逆のことをしてみようと思って。-田宮を開幕スタメンに使った決め手は新庄監督 キャンプの中盤から田宮君で行こうと決めていた。彼が僕の思うような活躍をしてくれて。(開幕スタメンを)つかんだっていうことですね。-投手との相性ではなく決めた新庄監督 去年の相性、データはあまり見ないですね。今年は今年。新たに自分たちでデータを覆すデータをつくってほしいと思う。全然打ってなくても、今年は成長してガンガン打つかもしれないから。(データを使うのは)来年からですよ、もし良い終わり方をしたら。-貯金1。初めての貯金生活は新庄監督 お~! 最高やね。1位だもん。気分良いです。この20試合が本当に大事になってくる。若い子たち、ニューヒーローたちが、この20試合ですごい成績を残せば、ノリノリで突っ走ってくれる気がするんですよ。この流れで、あしたは加藤(貴)君がやってくれると思う。

◆ロッテ藤岡裕大内野手(30)が「1番」で気を吐いた。昨季までは主に2番で起用されていたが、前日の練習中に開幕戦での打順を伝えられた。「びっくりした」が、すぐに気持ちを固めた。「絶対初球は振る」。そのとおり、初回先頭で日本ハム伊藤の初球147キロをフルスイングしてファウル。ストライクゾーンに来た球は全部振っていた。最後は8球目のスライダーを中前に落とした。3回の第2打席では、右翼線へ二塁打を放った。遊撃からコンバートされた二塁守備では3度の併殺を決めた。「まだまだ始まったばかりなので、よく分からないですけど、いい滑り出しができたんじゃないかなと思う。あとはチームを勝たせられるように頑張りたい。(二塁守備は)無難にこなせたかなと思う。まだまだ成長しないといけない部分たくさんある。シーズン通して成長できれば」と意欲的に話した。3月初めのオープン戦で左足首を捻挫。実戦を離れた期間もあったが、開幕に間に合わせ、存在感を見せた。

◆4年目で初の開幕投手を務めた日本ハム伊藤大海投手(26)が起用に応えた。6回4安打無失点で勝利投手に。日本ハムの開幕投手に白星がつくのは15年の大谷(現ドジャース)以来。「そんなに勝ってないんだなって」と苦笑いしたが、「でも、いいシーズンになるっていう、そういうスタートが切れたと思う。しっかり明日からまた次の登板に向けて準備しながら、他の試合はしっかり応援して盛り立てていきたい」と頼もしく話した。風速8~9メートルの中、スライダー、スプリットが切れた。「マリンの風を味方につけられたかな」と、9三振を奪った。開幕投手を告げられたのは、昨季の最終登板となった昨年9月25日。半年も前に告げられたことで「自覚と責任という意味ではものすごく感じてました」。責任感の裏返しか、1回を終えてベンチに戻ると手が震える感じがしたという。「WBCでもないです。マウスピースを今日、何回か落として。緊張してんのかな、と思いながら投げました」と初めての感覚も味わった。それが良かった。緊張の中でも、ロッテ岡への「ひろみコール」を「どっちが応援されているのか分からない」と思いながら、最終イニングとなった6回には、2死から安田への初球にスローボールを投じた。「(緊張を)楽しめました」とも振り返り、こう言った。「手が震えてるような、そんなゲームだったので、その気持ちを忘れずにこれから先の野球人生をしっかり取り組んでいきたい」。伊藤も、チームも、最高のスタートを切った。

◆日本ハム伊藤大海投手の勝負強さはマウンドだけではない。釣りの腕も一級品で、開幕前には北海道の釣り専門誌「North Angler's(ノースアングラーズ)」3・4月合併号の表紙を飾った。全身黒の"戦闘服"に身を包んだ写真と「伊藤大海 故郷の海でフルキャスト」の見出しが、躍った。取材は昨年12月末、伊藤の故郷、北海道・鹿部町の港で行われた。担当した同誌編集部・池田仁編集長(32)は「冬の釣りは厳しい。1回で釣れないこともある。伊藤投手は忙しい方だし、釣れなかったら、過去の釣果をいただいて記事を構成しようかと、覚悟していました」。結果は3~4時間で30~35センチのアイナメを3尾ゲット。池田編集長は「かなりのハイペース。投球同様、勝負強いなと思いましたね」と話した。得意のスタイルは「ラン&ガン」。1カ所で釣り糸を垂らしひたすら待つのではなく、1回打ち込んだら、すぐ別の場所に移動して手早く魚がいそうなエリアを探って攻める。同編集長は「投球にも共通する点はあるかもしれませんね」。時には超スローボールをまじえ翻弄(ほんろう)するなど、"釣り上げる"打者次第で巧みに攻め手を変え打ち取る姿にも、重なる。好きなルアーは「ジャッカル社」のもの。個としても優秀だがグループになることで狩りの幅を広げ、自分より大きな動物さえも獲物にするジャッカル。独特の間、指先の器用さだけでなく、チームとして白星を"狩る"洞察力を備える"ジャッカル伊藤"が、パ・リーグの強打者を、追い詰める。【日本ハム担当=永野高輔】

◆日本ハム田宮裕涼捕手(23)が球団初の道産子開幕投手を務めた伊藤大海投手(26)を好リードし、チームに5年ぶりの開幕白星をもたらした。バットでも3回に決勝打となる先制打を放つなど2安打1打点1盗塁。攻守で先輩右腕を力強く援護した。6年目で初めて開幕1軍入りし、開幕マスクでも堂々とプレーした待望の正捕手候補が、故郷千葉で大ブレークを予感させる好スタートを切った。田宮が"一族"の思いを背負い、故郷千葉で決勝打を放った。母方の祖父と2人の伯父も、自身同様、強豪成田高野球部の捕手だった。伯父、篠原和浩さん(51)は90年夏、千葉大会決勝で元日本ハム小笠原擁する暁星国際を倒し甲子園出場するなど野球一家だが、プロになったのは田宮が初。希望の星が、初の開幕スタメンで輝きを放った。実家に帰ると今でも祖父から打撃の助言を受ける。今年の正月も指南されたが、言われることは決まっている。「いつも『バッティングは前で打て』しか言われないんですよ。『ボールが近すぎるから、もっと前で打て』としか言われなくって」と笑う。実は、このアドバイスはある指導者の言葉と重なっていた。「(新庄)監督にもそれ、言われるんで。おじいちゃんの言葉は合っていたんだなって(笑い)。高校時代から、ずっと言われていました、確か」。小さい頃から特長を知り尽くした祖父と同じように、新庄監督もまた、田宮開花のポイントを見抜いていた。名前の「裕涼(ゆあ)」の裕は田宮が生まれる前に亡くなった母方の祖母裕子さんに由来しているという。打撃のアドバイスから名前まで、親族の期待を一身に背負い臨んだ開幕マスク。高校時代、何度も戦ったZOZOマリンで伊藤を好投に導くだけでなく、マルチ安打1盗塁と、目いっぱい恩返しした。【日本ハム担当=永野高輔】

◆日本ハムは奈良間大己内野手(23)が「8番・二塁」でプロ2年目で自身初の開幕スタメンを勝ち取った。松本剛外野手(30)が「1番・中堅」で先発出場する。

◆ロッテは開幕を前に、選手たちの食堂には縁起物の食事が並べられた。前日28日は「運気をうなぎのぼり」とするべく、うなぎが並べられ、29日は「おめでたい」の語呂合わせから、鯛の塩釜焼きが振る舞われた。初の開幕1軍入りをつかんだ日本通運から入団2年目の救援左腕、高野脩は「うなぎはかば焼きで食べて、おいしかったです。一日でも長く1軍にいて、活躍できるように頑張っていきたい」と気合を入れた。

◆メジャー通算108本塁打のパワーを発揮した。日本ハムの新外国人、フランミル・レイエス外野手(28)が「6番・DH」で先発出場。3ー0の六回、来日初本塁打となる1号ソロを放った。「ファンやチームメートの後押しがあり、気持ちが高まりました。みんなが喜んでくれてうれしいです」カウント1ストライクからロッテ2番手右腕、国吉の甘く入った速球を一閃。左中間席に運び「ファーストボールにしっかりアジャストすることができました。どんな形であれ結果を残すことが一番」と声を弾ませた。

◆開幕投手を務めたロッテ・小島和哉投手(27)は5回5安打3失点で降板した。2年連続2度目の大役を終えて「立ち上がりもうまく入れた。投げてる感じもよく、球自体は悪くなかったと思います。先に失点してしまったので悔しいです。このあとしっかり応援したいと思います」と振り返った。一回は先頭の松本剛を中飛、スティーブンソンと万波は空振り三振と完璧なスタート。スライダーを決め球に攻めの投球をみせた。三回に水野に初安打となる三塁打を浴びると無死一、三塁から田宮に先制の中前適時打を浴びた。その後無死満塁からスティーブンソンの併殺打の間に追加点を許し、五回は1死二塁から松本剛が左中間へ適時三塁打を浴びた。昨季のソフトバンクとの開幕戦は六回途中3失点で負け投手になった。今年こそは―と臨んだマウンドだったが、勝ち投手となることはできなかった。

◆23歳のニューフェースが存在感を放った。日本ハム・田宮裕涼捕手(23)が「9番・捕手」で先発出場し、プロ6年目にして自身初の開幕マスク。0-0の三回、先制の中前適時打を放った。チームに今季初得点をもたらし、一塁ベース上で右手を突き上げた。「チャンスだったので絶対に打ってやるという強い気持ちで打席に入りました」持ち前のバットコントロールを披露した。無死一、三塁の好機で迎えた今季初打席。カウント1-2からロッテ先発左腕、小島のスライダーに合わせた。ライナーで二遊間を破り「追い込まれていましたが、何とか粘ることができました」と振り返った。田宮は2019年にドラフト6位で千葉・成田高から日本ハムに入団。昨季は10試合の出場で打率・258、プロ初本塁打を含む2本塁打、9打点を挙げた。武器はシュアな打撃と強肩で「捕手としてしっかり開幕スタメンで行きたい」と語っていた田宮。ベテランの伏見やD2位・進藤(上武大)らとの開幕マスク争いを制し、有言実行した。打線は三回にさらに併殺の間に1点を追加。五回には松本の三塁打、六回にはレイエスの来日初アーチで加点した。伊藤が6回4安打無失点で今季初初勝利。日本ハムが2019年以来5年ぶり、新庄政権3年目では初となる開幕戦勝利を挙げた。

◆日本ハムが快勝。三回に田宮の適時打などで2点を先行し、五回に松本剛の三塁打、六回にレイエスのソロで加点した。伊藤は6回4安打無失点、9奪三振の快投で白星。ロッテは小島が5回3失点と粘れず、打線も振るわなかった。

◆チーム初安打はこの男だった。ロッテ・藤岡裕大内野手(30)が「1番・二塁」で出場し、一回にいきなり中前打をマーク。開幕3週間ほど前に左足首の捻挫とアクシデントに見舞われながらも驚異の回復力で間に合わせ、頼もしく先陣を切った。試合前には初陣の声出し役を担当。「勝ちにこだわっていきましょう。さあ、行こう!」とナインに呼びかけて鼓舞した。すると昨季7試合のみだった1番打者で起用された藤岡が声だけでなく、プレーでもチームを引っ張り、三回も右翼線への二塁打と活躍をみせた。昨季は93試合に出場し、打率・277、1本塁打、22打点。今季は吉井監督の考えで主だった遊撃から二塁に転向した。「人生で1回もない。初めてです」という新たなポジションに春季キャンプでは戸惑いもあった。それでも母校・亜大の先輩でもある侍ジャパンの井端監督に「遊撃だと右足で間をつくって捕りにいくけど、二塁だと逆になる。左足をちょっと意識した方がいい」と助言をもらうなどして一から意識を変えて入念にノックを受けてきた。「143試合全部出る気ではいます」。チームは九回に安田の犠飛で1点を返すのが精いっぱいだったが、藤岡は五回に四球を選んで3打数2安打1四球と孤軍奮闘。全試合に出場したのはプロ1年目の2018年のみ。チームの中心選手として迎える今季、再びその目標をかなえるべく幸先よくスタートした。

◆ロッテの小島は5回3失点と粘りきれず、2年連続で開幕戦黒星を喫した。立ち上がりから球の強さはあったものの、三回に先頭打者の水野の三塁打を起点に2失点。五回は1死二塁から松本剛に適時三塁打を許した。「球自体は悪くなかったと思う。先に失点してしまったので悔しい」と唇をかんだ。チームにとっては5年ぶりの本拠地での開幕だった。「欲をかきすぎず、自分のベストを尽くしたい」と臨んだが、味方の援護にも恵まれず、ファンに勝利を届けることができなかった。

◆ロッテは2年連続で黒星スタートとなった。日本ハム先発の伊藤を打ち崩すことができず、吉井理人監督(58)は唇をかんだ。「(伊藤は)そう簡単に打てる投手ではない。(打線は)球数を投げさせてくれて、いい働きはしてくれたんですけど、相手が一枚上手だった。上手く風を使ってスライダー、風がなくなくなったらチェンジアップと切り替えられた。そこを捉えられなかった」1番・藤岡、2番・ソト、3番・ポランコの新打線で臨んだが、上手くつながらなかった。五回2死満塁の好機を作るもソトが二ゴロに仕留められた。九回無死一、三塁から安田が犠飛を放って一矢報いたが反撃とはならなかった。6安打で1得点だけ。それでもトップバッターに起用した藤岡は2安打と期待通りの活躍。開幕3週間ほど前に捻挫で離脱するアクシデントもあったが開幕に間に合わせた背番号7に、吉井監督は「藤岡に関してはまったく心配はしていなかった。オープン戦に帰ってきてからもスイングは全然大丈夫だった。期待通りの活躍をしてくれた。(1番での起用は)一番打つから」と目を細めた。

◆日本ハムの4年目、伊藤大海投手(26)が6回4安打無失点と好投し、4-1で勝利。球団の開幕戦白星は2019年以来5年ぶりで、新庄剛志監督(52)は就任3年目で初めて白星スタートを切った。今季を「勝負の年」と位置づける指揮官は喜びを爆発させた。「よっしゃ! 5年前、俺はバリ(島)で犬の散歩をしていたので分からないけど。この1勝はめちゃくちゃでかい。うれしくて仕方ないですね」4カ月前に開幕投手に指名したエースが圧巻の投球を見せた。最速149キロの直球に加え、スライダーとスプリットがさえて9奪三振。伊藤は「三振が欲しいところで取れた」と胸を張った。唯一のピンチは五回2死満塁。ソトを直球でニゴロに仕留め「絶対、ホームを踏ませないという気持ちだけで投げていた。しっかり腕を振って投げることができた」とうなずいた。開幕戦の緊張感を楽しんだ。元サッカー日本代表、本田圭佑氏の「どうせ、いつか死ぬ。楽しまないと意味がない」という言葉に感銘を受けた。この日は極度の緊張から手が震えていたというが「結果も良かったし、楽しかったなと感じました」と安堵の表情を浮かべた。まだ1つだけだが、新庄政権では初の貯金。指揮官は「最高やね。(同率でも)1位だもん。気分が良い。ニューヒーローたちが(今後の)20試合ですごい成績を残せば、ノリノリで突っ走ってくれる気がする」と手応えを口にした。(加藤次郎)

◆開幕マスクを務めた日本ハム・田宮裕涼捕手(23)が三回に先制の中前適時打を放った。小島のスライダーを捉え「追い込まれていましたが、何とか粘ることができました」と胸を張った。千葉・成田高から入団して6年目の23歳。守りでも先発の伊藤を無失点に導き「本当に大海さんの開幕投手を勝利で飾れてよかった。ひと安心しています」と息をついた。

◆2年連続で開幕戦を白星で飾れなかった。ロッテは打線が6安打1得点と振るわず。吉井理人監督(58)は「(伊藤は)そう簡単に打てる投手ではない。打線は(相手に)球数を投げさせて、いい働きはしてくれたが、相手が一枚上手だった」と唇をかんだ。打順は1番に昨季打率・277の藤岡、2番に新外国人のソト(前DeNA)、3番に昨季本塁打王となったポランコを並べた。新打線に指揮官は「藤岡が一番打ってくれる。期待やOPS(出塁率+長打率)なども考えて」と送り出したが、うまくはいかなかった。藤岡は2安打するも、後続が日本ハム先発、伊藤を打ち崩せず。九回に安田が左犠飛を放ち、一矢報いたが反撃とはいかなかった。「攻撃としては臨んでいる形もあった。(最後に)打つ打たないはしようがない」と吉井監督。切り替えて次に向かう。(森祥太郎)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
ソフトバンク
100 1.000- 1423110 0.2121.000
1
西武
100 1.0000 1421001 0.2290.000
1
日本ハム
100 1.0000 1424111 0.2901.000
4
ORIX
010 0.0001 1421301 0.2193.000
4
ロッテ
010 0.0001 1421400 0.1884.000
4
楽天
010 0.0001 1420100 0.1291.000