DeNA(☆4対3★)広島 =リーグ戦1回戦(2024.03.29)・横浜スタジアム=
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広島
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DeNA
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勝利投手:ウェンデルケン(1勝0敗0S)
(セーブ:森原 康平(0勝0敗1S))
敗戦投手:島内 颯太郎(0勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】度会 隆輝(1号・3回裏3ラン)

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◆DeNAは0-3で迎えた3回裏、度会のプロ初安打となる3ランで同点とする。そのまま迎えた8回には、代打・大和の犠飛で勝ち越しに成功した。投げては、先発・東が7回3失点の粘投。2番手・ウェンデルケンが今季1勝目を挙げた。敗れた広島は、2番手・島内が踏ん張りきれなかった。

◆/やはりただ者ではない...\開幕戦プロ初ヒットが同点3ランホームラン??ゴールデンルーキー度会隆輝から目を離すな???プロ野球(2024/3/29)??DeNA×広島??Live on #DAZN #DAZNプロ野球"野球一本" 新プラン登場「DAZN BASEBALL」 月々2,300円 (年間プラン・月々払い)初月無料!4/17まで pic.twitter.com/M8TXnpdx1T

◆DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)が、衝撃的なプロ初安打初アーチを決めた。広島との開幕戦に「1番右翼」でプロ初先発初出場。1回先頭のプロ初打席は二ゴロに倒れるも、3点を追う1死一、二塁のチャンスだった。広島九里の初球129キロスライダーをフルスイング。DeNAファンが待つ右翼席に同点の1号3ランをかっ飛ばした。一塁ベースを回って打球を見届けると、何度も豪快に拳を握って感情を爆発。ベンチに戻ると大興奮のナインと喜びを共有し、京田と猛烈ハグ。満員の横浜スタジアムを熱狂させた。度会は「チャンスの場面だったので『自分はやれる!』と信じて打席へ向かいました。角度も良く捉えられ同点に追いつくことができうれしいです。自分の思い描いていた通りのスイングができたので、今後も続けられるよう頑張ります!」と興奮気味に振り返った。前日には「らしさは変えずにいきたい。打てると思った球は積極的に自分のスイングしたい」と話していたが、言葉通り積極的なスイングで初球を捉えた。オープン戦では打率4割3分4厘の好成績を残して史上2人目となる新人でのオープン戦首位打者を獲得した。練習試合を含めて対外試合では18試合連続安打とした。

◆DeNAドラフト4位の石上泰輝内野手がプロ初安打をもぎとった。3点を追う3回無死一塁、広島九里のチェンジアップに食らいついた。バットが折れながらボテボテの一塁へのゴロになる。一塁手・シャイナーが打球処理に迷う間に50メートル5秒9の俊足を飛ばし、内野安打とした。「追い込まれていたので何とか当てて二塁に進めることを意識していました。(初安打は)うれしいです」と振り返った。

◆こんなルーキーがいるだろうか。DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)が横浜の真っ暗な夜空に豪快なプロ初安打初アーチを描いた。3点を追う3回1死一、二塁、広島九里の初球。弱気な気持ちは一切ない。「自分はやれる!」と言い聞かせた。内角高め129キロスライダーを振り抜き、DeNAファンが集まる右翼スタンドへかっ飛ばした。「思い描いていた通りのスイングができました」と納得の同点アーチ。プロ野球でのハマスタ史上最多動員となる3万3312人が集まった本拠地を熱狂させた。興奮が抑えられない。一塁ベースを回ったところで右拳を振り切り、猛烈ガッツポーズ。「よっしゃー!」と絶叫した。かつてヤクルトでプレーした父博文さんに憧れ、現在JPアセット証券でプレーする兄基輝の背中を追って3歳で野球を始めた。横浜高時代には指名漏れも経験。ENEOSでの3年の社会人野球経験を経て、ようやくたどり着いた夢舞台で鮮烈にデビューした。ポジティブ思考はいつでも変わらない。1回先頭のプレーボール直後、菊池の打球が照明にかぶって捕球できなかった。本拠地横浜スタジアムで自身初のナイターに、翻弄(ほんろう)された。記録は安打も東ら先輩たちに謝罪。初の公式戦でのみ込まれかねない状況でも自分を信じ続けた。小学生時代から変わらない。北砂リトル時代、現監督の久保喜一郎コーチに激怒されたことがあった。大事な大会でベルトを忘れ、ベンチスタートに。度会は反省して号泣しながらもベンチから全力で声を張り上げて応援した。すると同僚の投手にライナーが直撃して負傷交代。予期せずに得たチャンスを得ると、代打でライトに豪快アーチを放った。怒るに怒れなくなった久保コーチは「なんでこういう時に打つんだと(笑い)。でも、いつも何か持っている。明るくて打撃が大好きな子でしたね」。常に明るく元気よく。そんなルーキーに、初安打初本塁打という衝撃の形で、野球の神様がほほ笑んだ。【小早川宗一郎】

◆2年ぶり2度目の開幕投手を務めたDeNA東克樹投手が、粘りの投球で大役を全うした。3回には1死から5連打を浴びるなど、高めに浮いた球を捉えられて3点を先制された。それでも4回以降は走者を出しながらも7回10安打3失点、8奪三振で踏ん張った。「苦しい投球が続きましたが、粘れたことはよかった。次回までに自分のスタイルや初球の入り方を考えて取り組みたい」と微調整する。

◆DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)がプロ1号。開幕戦で本塁打を放った新人は14年西浦(ヤクルト)以来14人目。DeNAでは大洋時代の60年黒木基に次いで64年ぶり2人目になる。度会の父博文はヤクルトで通算9本塁打を記録し、98年と07年の開幕戦で先発出場。親子で本塁打をマークしたのは8組目となり、親子で開幕戦に先発出場はキーオ(マーティ・マット)長嶋(茂雄・一茂)黒田(一博・博樹)ライアル(マーク・ラスティ)横田(真之・慎太郎)に次いで6組目。

◆広島新井貴浩監督の就任から2年連続で開幕黒星発進となった。同点の8回にセットアッパー島内が1死満塁から決勝犠飛を許した。接戦を勝ちきれなかったものの、昨季6戦4敗と苦戦したDeNA東から10安打3得点。「開幕戦で緊張もあったと思うんですけど、みんなよくスイングできていたと思います。(東に)"今年は違うな"と思ってもらえたんじゃないかな」と打線の内容を評価した。

◆DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21)が開幕戦でプロ初安打初本塁打を決めた。広島戦(横浜)に「1番右翼」で先発出場。3点を追う3回1死一、二塁、広島九里から同点の1号3ランを放った。▽ENEOS大久保監督(度会の試合をテレビ観戦)「中継を見ていて、力が入りました。ちゃんとプロ野球選手になっているなと画面越しに感じました。自分がプロ野球選手に憧れていたように、今度は憧れられる選手になってほしいです」

◆DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21)が開幕戦でプロ初安打初本塁打を決めた。広島戦(横浜)に「1番右翼」で先発出場。3点を追う3回1死一、二塁、広島九里から同点の1号3ランを放った。▽北砂リトル久保喜一郎監督(自宅でテレビ観戦)「東選手がバント失敗した嫌な雰囲気で初球をホームラン。やっぱり度会は持ってるなと。逆境をはね返す力は相変わらずでこちらもうれしいです。おめでとう」

◆初めて開幕投手を務めた広島九里亜蓮投手だったが、警戒していた度会隆輝外野手に痛恨のプロ初本塁打を許した。3点リードの3回1死一、二塁。初球スライダーが浮いた。「投げミスです。コースも甘かったですし、高さも甘かった。しっかりやらないといけない」。売り出し中の新人への失投が、試合の流れを変えた。直前には味方の拙守もあったが、3点を先制した直後だけに「点を取られても、取ってもらった点数よりも与えないように。そういうところもしっかりやっていかないといけない」と悔やんだ。

◆広島が接戦を落とし、開幕黒星発進となった。打線は3回、昨季6戦4敗と苦手とした東から5連打などで3点を先制。2桁10安打を浴びせた。だが、先制した直後に先発九里が新人度会に同点3ランを被弾。8回はセットアッパー島内が2本の安打などで1死満塁とし、勝ち越し犠飛を浴びた。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-3点先制した直後に同点新井監督 でも、ナイスピッチングだった。初めての開幕投手で緊張もあったと思うけど、ナイスピッチングだったと思います。-直前には不運な安打もあった新井監督 そうやね。でも、よく投げたと思う。いいピッチングでした。-球数89球での交代新井監督 開幕戦だから。疲れ方もすごく違うと思うし、初めての開幕(投手)なので、最初から引っ張ろうと思っていなかった。-好投手東から2桁安打新井監督 本当みんなよく振れていたと思います。開幕戦で緊張もあったと思うんですけど、みんなよくスイングできていたと思います。-小園選手が猛打賞新井監督 やっぱり彼は中軸として、1年間期待しているし、やってもらわないといけない選手なので。本当にナイスバッティングだったと思います。-1回からファーストストライクを積極的に振りにいっていたのはチームの方針か新井監督 そうやね。昨年(東に)4敗しているので、バッティングコーチが選手によって対応の仕方を伝えてくれていた。選手もよく打ったと思うし、バッティングコーチもアドバイスしたと思います。-敗れたが、東投手には嫌なイメージを与えることはできた新井監督 そうやね。途中から配球も変わってきたし、"今年は違うな"と思ってもらえたんじゃないかな。-オープン戦では1度もなかった堂林選手の4番起用新井監督 昨年、4番打っているじゃない。どういう打線がいいのかなと考えたときに、ドウ(堂林)が4番というのがハマった。-初の開幕スタメンとなった田村選手は4三振のスタート新井監督 彼もオープン戦でいいものを見せてくれているし、こちらも期待して出している。そんな簡単に打てるものじゃないと思っているので、これをいい経験にしてもらいたいですね。

◆DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21)が開幕戦でプロ初安打初本塁打を決めた。広島戦(横浜)に「1番右翼」で先発出場。3点を追う3回1死一、二塁、広島九里から同点の1号3ランを放った。DeNA三浦大輔監督は度会について「練習中に『今日打つよ』と話はしてました。『打ちます!』って言って本当に打ちましたからね。流れを引き寄せてくれました」。

◆広島田村俊介外野手はプロ初開幕スタメンも4打数4三振。「(東は)イメージと違うなとは思いました。いい結果を求めて、明日からの試合も準備したいと思います」。

◆ゴールデンルーキーが24年のプロ野球第1号アーチに、ほえた。DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21)が開幕戦でプロ初安打初本塁打を決めた。広島戦(横浜)に「1番右翼」で先発出場。3点を追う3回1死一、二塁、広島九里から同点の1号3ランを放った。新人の開幕戦本塁打は史上14人目の快挙。ルーキーながらオープン戦首位打者に輝いた背番号4が、4年目の三浦監督政権下で初の開幕戦白星を届けた。こんなルーキーがいるだろうか。度会が横浜の真っ暗な夜空に豪快なプロ初安打初アーチを描いた。3点を追う3回1死一、二塁、広島九里の初球。弱気な気持ちは一切ない。「自分はやれる!」と言い聞かせた。高めスライダーを振り抜き、右翼スタンドへ。柵越えを見届けると大興奮でガッツポーズし「よっしゃー!」と絶叫した。「夢に描いてた舞台で打てた。シンプルにうれしい」とプロ野球でのハマスタ史上最多動員3万3312人のスタンドを熱狂させた。師匠の言葉に元気な姿で応えた。この日の午前10時、ENEOSでともに自主トレしたイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)から「とうとう開幕だね。無理して頑張りなさい」と粋なメッセージをもらった。「アメリカで見てくれてると思う。打てて良かった」とかみしめた。ポジティブ思考はいつでも変わらない。本拠地で初のナイター開催。1回先頭のプレーボール直後、菊池の打球が照明にかぶって捕球できず。「何も見えなくて。顔に当たっても止める覚悟でした」。雰囲気にのみ込まれかねない状況でも「悔いなくやりたい」と自分を信じ続けた。昔から"持ってる"男ぶりは変わらない。北砂リトル時代、大事な大会でベルトを忘れて激怒された。ベンチスタートで反省して号泣しながらも、声を張り上げて応援した。すると同僚の投手に打球が直撃して負傷交代。代打で出番を得るとライトに豪快アーチを放った。怒るに怒れなくなった久保コーチは「なんでこういう時に打つんだと(笑い)。でも、いつも何か持っている子でした」と懐かしんだ。初のお立ち台ではガッツポーズをつけてノリノリで「最高でーす!」を4度繰り返した。「京田さんや大和さんから派手にいったほうがいいと言われたので、派手に行きました」と目を輝かせた。常に明るく元気よく。そんなルーキーに、野球の神様がほほ笑んだ。【小早川宗一郎】度会隆輝(わたらい・りゅうき)2002年(平14)10月4日、千葉県生まれ。横浜高では1年夏から2季連続で甲子園出場。卒業後は社会人野球のENEOSに進み、2年目の22年都市対抗では優勝に貢献し、野手で史上初めて橋戸賞、若獅子賞、打撃賞の3冠に輝いた。昨年ドラフト1位で中日、ロッテとの3球団競合の末、DeNA入団。183センチ、83キロ。右投げ左打ち。家族は両親と兄。父博文さん(52)は元ヤクルト内野手。

◆DeNA森原康平投手が開幕戦の守護神を全うした。練習中に小杉投手コーチから9回のマウンドを伝えられ、1点差の9回に登板。先頭で牧の好守に助けられながら、3者凡退で今季初白星を締めた。三浦監督は守護神について「全員で行きます」と柔軟な姿勢。森原は「どこで投げると言われても、それが監督コーチが考えた最善の策なので」と与えられた場所で腕を振る。

◆DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21)が開幕戦でプロ初安打初本塁打を決めた。広島戦(横浜)に「1番右翼」で先発出場。3点を追う3回1死一、二塁、広島九里から同点の1号3ランを放った。大谷が本拠地ドジャースタジアムでデビューした日と同じく、度会も横浜の地で鮮烈なデビューを飾った。度会もかつてはドジャースタジアムの雰囲気に魅せられ、目を輝かせた野球少年の1人だった。ちょうど10年前の3月末。小学5年時、所属した北砂リトルの一員として米ロサンゼルスへの遠征に参加した。その休養日、チームメートとMLBを生観戦。「球場も雰囲気もすごかったです」と圧倒された。たくさんもらったサインの中に、若きエンゼルスのトラウトのものがあったと言う同僚もいたが、真相は闇の中だ。肝心のトーナメントでは準決勝まで打ちまくったが、1学年上のエース高橋卓央さんが決勝で完封&2本塁打の大活躍。MVPをかっさらわれた。度会は「5割8分くらい打ってたんですけどね...」と苦笑いで回想。MVPは取れずとも、最高峰の舞台を肌で感じる貴重な経験だった。【DeNA担当=小早川宗一郎】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】DeNAベイスターズの度会隆輝が開幕戦で躍動! 12球団最速の本塁打を放ち、チームの逆転勝利に貢献しました!

◆現役時代から験を担がないことが流儀のDeNA・三浦監督だが、就任した2021年から続けていることがある。開幕前に選手、スタッフらにサプライズであしや竹園(兵庫県芦屋市)の牛肉を贈る、通称「三浦ビーフ」だ。所帯を持っている人には鍋でも使いやすいもの、外国人選手にはサーロインステーキを選ぶなど細かい気配りが施され、今年は計180人分が贈られた。30日に先発する平良は「監督からいただいた肉を食べました!」と今季初登板へ向け、パワーを蓄えていた。

◆広島・黒原拓未投手(24)が横浜スタジアムでの試合前に練習に参加し、先発する30日の2回戦に向けてキャッチボールなどで調整した。「自分を起用していただいてすごくうれしい。緊張はすると思うが、強気で腕を振りたい」。開幕ローテ争いで一度はアドゥワに敗れたものの森下が右肘の張りで離脱したため代役で滑り込んだ。関学大を経て2022年にドラフト1位で入団し昨季は先発と中継ぎで計5試合に登板。通算4度目の先発でプロ初勝利をつかみ、救世主となる。

◆DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手(21)=ENEOS=が3点を追う三回1死一、二塁でプロ初安打となる同点の1号3ランを放った。開幕戦での新人の本塁打は史上13人目。九里が投じた初球の浮いたスライダーを振り抜き、右翼席へたたき込んだ。

◆試合の来場者数が「3万3312人」と発表され、昨年8月10日の中日戦で記録した3万3304人を上回り、本拠地最多観衆となった。チケットは完売。内外野席、ウイング席も多数の立ち見客であふれ、最大収容人数の3万3912人にも迫る動員をいきなり記録した。

◆胸に「C」のマークは消えても、力強くチームを引っ張る姿は何一つ変わることはなかった。今季からDeNAの主将を牧に継承した佐野恵太外野手(29)が、開幕戦でいきなりのビッグプレーを見せチームを救った。一回、先頭の菊池の打球を右翼で起用されたD1位・度会(ENEOS)が捕球できず右安とし、そこから広がった2死一、三塁のピンチ。5番坂倉の一打は、左翼線方向へと飛んだ。左打者の切れていく難しいライナーに、左翼手の佐野は猛然と突っ込み、最後は抜群のタイミングでダイビングキャッチ。ルーキーのミス、チームの大ピンチを救うファインプレーに、ハマスタは大きな拍手に包まれた。2020年、米大リーグに挑戦した筒香の後を受け、佐野は「4番・主将」に抜てきされた。ドラフト9位、全体で87人中84番目の指名でプロ入りし、3年間は代打が主戦場でそれまでレギュラーの経験はなし。異例の登用だったが、いきなり首位打者に輝き、22年には最多安打のタイトルを獲得するなど成績、精神の両面でチームを引っ張った。4年間、責務を全うしたが、優勝できなかった悔しさが胸に残った。主将の座は引き継いでも「牧が目指すチームづくりができるように」と全面サポートを約束。六回には中前に今季初安打もマークした。ただ頂点だけを目指し、佐野は2024年も突き進む。

◆2年ぶり2度目の開幕投手を務めたDeNA・東克樹投手(28)は、7回10安打3失点でマウンドを降りた。三回1死から5連打を浴びるなど3点を先取されたが、五回無死一、二塁のピンチで坂倉を併殺打に仕留めるなど粘り強く投げ、以降は本塁を踏ませなかった。初めて開幕投手を任された2022年は、同じ本拠地での広島戦で六回途中4失点。左中指の皮がめくれ無念の降板で敗戦投手となったが、昨季の最多勝左腕が今度は意地を見せた。

◆横浜スタジアムでは今季、主催試合において試合中のジェット風船「スタージェット」の使用したを演出を再開。開幕戦の「ラッキーセブン」に青色の風船が久々にハマスタの宙を舞った。スタージェットはコロナ禍を経て、専用ポンプが付いた新仕様にリニューアル。この日は、一部座席を除く来場者にスタージェットセット(風船2本+横浜進化デザイン専用ポンプ)が配布された。

◆三回、DeNA・度会隆輝が同点の3点本塁打。DeNAが4-3で広島との接戦をモノにした=横浜スタジアム(撮影・荒木孝雄)

◆DeNAが逆転勝ちで2019年以来となる開幕戦白星。三浦大輔監督(50)は就任4年目で初の白星スタートを飾った。現役時代に7度担った開幕投手で全敗を喫した指揮官は、監督就任後も3年連続で開幕戦を落とすなど、開幕カードは0勝8敗1分けと大苦戦。昨年のドラフト会議で3球団競合の末に自らくじを引き当てたドラフト1位・度会隆輝外野手(21)=ENEOS=が起死回生の1号3ランを放ち、白星を呼び込んだ。

◆DeNA・大和内野手(36)が3―3の八回1死満塁の好機で代打で出場。島内から決勝の右犠飛を放った。「何とか前に飛ばすことだけ考えて、ちょっと浅かったですけど(三走)オースティンが一生懸命走ってくれたので助かった」昨季は打率・235ながら、得点圏では打率・328をマークした〝得点圏の鬼〟。チーム最年長、プロ19年目のベテランが開幕戦で勝負強さを発揮した。「僕もベイスターズきて7年目、なかなか優勝できていないですが、今年こそは皆さんと一緒に優勝を味わえるように」とお立ち台でファンに呼びかけた。

◆11年目で初の開幕投手を務めた広島・九里亜蓮投手は、7回8安打3失点で白星を逃した。3点の援護をもらった直後の三回1死一、二塁でルーキー度会への初球。浮いたスライダーを右中間に運ばれ、「僕の投げミス。コースも高さも甘かった」と悔やんだ。その後は追加点を許さず、独特の雰囲気のある開幕戦で試合をつくることはできた。だが自身に勝敗は付かず、チームは競り負けただけに「何とかチームを勝たせる投球をしたかった」と納得はしていなかった。

◆DeNA・度会が三回の第2打席で右中間に同点3ランを放った。?DeNA・度会が開幕戦の2打席目にプロ初本塁打。新人が開幕戦で本塁打を放ったのは2014年のヤクルト・西浦直亨(初打席初球)以来10年ぶり14人目。DeNAでは大洋時代の1960年の黒木基康(3打席目)以来64年ぶり2人目。?DeNA(前身を含む)の新人がデビュー戦で本塁打を放ったのは60年4月2日の黒木、2017年10月3日の細川成也(初打席)、22年4月12日の梶原昂希(2打席目)に次いで2年ぶり4人目。?度会の父・博文は通算9本塁打。父子そろって本塁打を放ったのは、若林親子(父・憲一=大洋1本、子・晃弘=巨人12本)に次いで8組目。?チームの開幕戦白星は19年(○8-1中日、横浜)以来5年ぶり。最大3点差以上から逆転勝利したのは61年(対広島、川崎、4点差=三回表終了1-5→最終8x-7)以来63年ぶり2度目。

◆広島は2年連続で黒星発進となった。三回に5連打と犠飛で東から3点を奪ったが、その裏にD1位・度会(ENEOS)の3ランで追いつかれ、八回には大和の犠飛で勝ち越しを許して逆転負け。試合後の新井貴浩監督(47)の一問一答は次の通り。ーー先発の九里は7回8安打3失点。3点の先制直後に追いつかれた「でも、ナイスピッチングだった。初めての開幕投手で緊張もあったと思うけど、ナイスピッチングだったと思います」ーー89球で降板「開幕戦は疲れ方がすごく違うと思う。初めての開幕だから、そんなに引っ張ろうとは思っていなかった」ーー打線は東から7回10安打3得点「みんなよく振れていたと思いますね。開幕戦で緊張もあったと思うんですけど、みんなよくスイングできていたと思います」ーーファーストストライクを積極的に「そうやね。去年、4敗している。なので、バッティングコーチがいろいろ選手によってアジャスト、対応の仕方を伝えてくれていたんじゃない。選手もよく打ったと思う」ーー今後も東と対戦する「途中から配球も変わってきた。ちょっとでもね、今年は違うなと思ってもらえたんじゃないかな」ーー小園が猛打賞「彼は中軸として、1年間期待しているし、やってもらわないといけない選手。本当にナイスバッティングだったと思います」ーー堂林は4番で2安打「去年、4番打ってるじゃん。色々考えて、どういう打線がいいのかなって考えた時に、ドウが4番というのが、はまった」ーー初開幕スタメンの田村は4三振「彼はオープン戦とかでいいものを見せてくれているし、こちらも期待して出しているけど、そんなに簡単に打てるものじゃないと思っている。これをいい経験にしてもらいたい」

◆DeNAは逆転勝ちで2019年以来となる開幕白星スタートを飾った。1点を勝ち越した直後の九回、セーブシチュエーションでマウンドに上がったのは昨季途中から抑えを務めた森原だった。二塁・牧の好守備もあり、1回を三者凡退で締めセーブを挙げた。試合後、三浦監督は開幕前から山崎らが争ったクローザーの座について「全員でやっていきます」と固定せずに戦っていく方針を明言。この日の試合前練習後に投手コーチから九回の登板可能性を告げられたという森原も「相手の相性、データもあるので、チームもその方が勝つ確率が上がると思う」と語った。

◆プロ野球は29日、セ、パ両リーグの公式戦が開幕した。DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手(21)=ENEOS=は広島1回戦(横浜)に「1番・右翼」で先発出場し、三回にプロ初安打となる同点の1号3ランを放った。新人選手の開幕戦の本塁打は、2014年のヤクルト・西浦直亨以来、10年ぶり14人目。球団では前身の大洋がリーグV、日本一に輝いた1960年の黒木基康以来、64年ぶり2人目。4-3の勝利に貢献し、就任4年目の三浦大輔監督(50)の開幕戦初白星に花を添えた。一番星のもとに生まれたのだろう。夜空を殴りつけるかのように拳を振り上げ、激しく咆哮する。ファンの夢を乗せた一発を放った度会が、史上最多3万3312人を飲み込んだ横浜スタジアムを揺らした。「これ以上の幸せはない。自分を褒めたい打席でした」3点を追う三回1死一、二塁。初球だった。高めに浮いた九里のスライダーを仕留め、青に染まった右翼席にたたき込んだ。プロ初安打が試合の潮目を変える同点3ラン。発足90年を迎えたプロ野球の幕開けを12球団第1号で彩り、一塁走者を追い抜きそうな勢いでダイヤモンドを回った。2020年秋。横浜高でドラフトの指名を待ったが、その名は最後まで呼ばれなかった。ショックは大きく、直後は家の外に出ることすら嫌だった。最短3年でのプロ入りを目指し、大学ではなく強豪ENEOSへ。技術はもちろん、人としてたくましくなった。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
DeNA
100 1.000- 1424310 0.3133.000
1
巨人
100 1.0000 1424010 0.2940.000
1
ヤクルト
100 1.0000 1427401 0.3444.000
4
阪神
010 0.0001 1420400 0.1254.500
4
広島
010 0.0001 1423400 0.2784.500
4
中日
010 0.0001 1424710 0.3242.250