◆ヤクルトは、先発・吉村が5回1安打無失点の好投。シーズン開幕に向け、万全の仕上がりを披露した。一方の西武は、金子侑が7試合連続安打を記録。リードオフマン候補の12年目外野手が、好調ぶりをアピールした。

◆西武隅田知一郎投手（24）が、先発が予想される開幕2戦目の30日の楽天戦に向け、順調な仕上がりをアピールした。3回を投げ、1安打無失点。ボールのキレ、制球ともに良く、3三振を奪った。気温8度と冷え込む中で寒さ対策にも着手。ベンチでは上着をすぐに着用し、カイロで指先を温めた。「寒さは感じましたけど、うまく対応できた」と話した。

◆「2番長岡」が結果を残した。ヤクルト長岡秀樹内野手（22）は5回1死満塁から、中前へ先制適時打。「とにかくどんな形でもとりあえず、点をとる。犠牲フライでもと思い打席に入りました。良いところに飛んでくれました」。主戦場は「8番」だが、上位でも仕事を果たした。

◆オープン戦ヤクルト3-0西武ベルーナドーム観衆9994人ヤクルト村上宗隆内野手が"兼務"でチームを支える。主戦場は三塁だが、5回守備から一塁に入った。昨季も試していたオプションの1つ。「全く問題なくできています」と北村拓のミットを借りて軽快に動き回った。1点リードの8回1死二、三塁では右翼線へ2点適時二塁打。「全然いつ開幕してもいいかなと思っています」と準備はできている。

◆2年目右腕のヤクルト吉村貢司郎投手が、開幕に向けて安定した結果を示した。打たせて取る投球で5回51球1安打無失点。開幕2戦目の中日戦（神宮）での先発が濃厚で「どこでも行けるような準備っていうのはしていきます」と頼もしかった。開幕ローテ候補だったロドリゲスは、この試合から他のリリーバーとともにベンチ入り。中継ぎとして開幕を迎えることになりそうだ。2軍では開幕ローテ候補の阪口がイースタン・リーグのロッテ戦（戸田）に先発し、5回1安打無失点。一方で6四球。課題のツーシーム、スイーパーを試した結果で「逃げた球はなかった」と限られたチャンスでアピールした。

◆西武は２３日、ヤクルトとのオープン戦（ベルーナドーム）の試合前に、「ＬＩＯＮＳ　ＢＡＳＥＢＡＬＬ　ＦＯＲ　ＴＨＥ　ＷＯＲＬＤ」プロジェクトにおける、２０２４シーズン最初の野球用具の寄贈式を実施した。同活動は野球振興の一環として、選手などから現在使用していない野球用具を回収し、郵船ロジスティクス株式会社の協力のもと、カンボジア、マレーシア、スリランカなど海外へ寄贈を行っているもの。式典では、チームを代表して選手会長の外崎修汰内野手（３１）が、郵船ロジスティクス株式会社東京中央支店・佐伯和彦支店長へ自身のバッティンググローブを手渡した。外崎は「この野球用具を使ってキャッチボールなどを楽しんでもらえればと思います。また今シーズンから、ファンの皆さまからも用具を回収します。この活動を通じてファンとチームが一体となり、一緒に野球を世界中に広められたらうれしいです」とコメント。選手からは通年で野球用具の回収を呼びかけ、ファンからは４月１３日のソフトバンクホークス戦、５月２５日のオリックス戦にベルーナドームで野球用具を募集する。

◆西武・隅田知一郎投手（２４）がオープン戦２度目の登板で３回を１安打無失点に抑えた。「寒いです。でも、仙台を意識してというところもあるので。カイロをポケットに入れておこうかと。ちょっと（手が）かじかむな、と思ったら、触れればいいので」。２２日にそう話していた３年目左腕は、今季は開幕２戦目となる３月３０日の楽天戦（楽天モバイルパーク）での先発が有力視される。この日の埼玉・所沢市も最高気温９度。ただ、現在の予報では３０日の楽天モバイルパークの気温は試合開始時の午後２時で１７度と仙台にしては〝異例〟の暖かさとなりそうだ。一回に１死三塁のピンチを招いたが、オスナを１４７キロで遊飛、村上を１４８キロで左飛と直球で押して仕留めた。二、三回は三者凡退。のべ１０打者中７人に初球ストライクでわずか３２球。降板後はそのままブルペンに直行し、約２０球を投げた。「開幕も近付いているので、本番だと思ってマウンドに上がった。しっかりゾーンで勝負できていたと思う」と振り返った。

◆ヤクルト・長岡秀樹内野手（２２）が、オープン戦今季初の「２番・遊撃」で先発出場。五回に先制打を放ち起用に応えた。「とにかくどんな形でもとりあえず点を取る。犠飛でも、と思い打席に入った。いいところに飛んでくれた」０―０の五回、四球と２失策が絡み１死満塁の好機で迎えた第３打席。２番手糸川に対し１ボールからの２球目、高めの直球を完璧にはじき返した。中前へ適時打を放ち、オープン戦初打点をマークした。

◆ヤクルト・吉村貢司郎投手（２６）が先発し５回１安打無失点、無四球と盤石の投球を見せ「全体的にストライク先行で投げることができたし、球数も少なく投げれたのでよかった」とコメントした。安打は二回にアギラーに許した中前打のみ。それも続く元山を併殺打に仕留めており、予定の５回を打者１５人、５１球で投げ切った。最速は１５２キロをマーク。開幕２戦目の３０日の中日戦の先発が有力の２年目右腕は「きょうのような投球をシーズンでもできるように、良い準備をしていきたい」と語った。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手（２４）が「４番・三塁」で出場。八回の第４打席に右翼線へ２点二塁打を放ち、オープン戦２試合連続打点をマークした。１―０の八回１死二、三塁の好機。西武５番手の田村に対し１ストライクからの２球目、続けられたフォークをはじき返した。４番の貫禄の一打で２者が生還。貴重な追加点を挙げた。

◆主砲の準備が整った。ヤクルトの４番、村上宗隆内野手（２４）が２３日、西武とのオープン戦（ベルーナ）の八回に右翼線へ２点二塁打。オープン戦２試合連続打点をマークし「（オープン戦）あと１試合しかないですし、全然いつ開幕してもいいかなと思っています」と胸を張った。志願して立った第４打席。１―０の八回１死二、三塁の好機に西武５番手・田村に対し１ストライクからの２球目、初球はタイミングが合わなかったフォークをきっちりと打ち返し「前に飛ばすことを考えながら打席に立ち、しっかりと捉えられたのでよかった」とうなずいた。五回には三塁から、今季初めて一塁守備にも就いた。高津監督が「前もって言っていた。シーズンに入っても可能性があるので、いつかやろうと準備していた」と語ったオプション。同僚の北村拓に借りたミットできっちりとこなした村上は「全く問題なくできています」と力強く語った。これでオープン戦は１試合を残して打率・３１３、２本塁打、７打点をマーク。２９日のシーズン開幕へ向けて、着実に状態を上げてきた。「チャンスで多く回ってくる打順だと思うので、しっかりシーズンでもたくさん打点を稼げたら」。不動の４番が、そのバットでチームを２年ぶりのリーグ優勝へと導く。（浜浦日向）

◆ヤクルトの鉄壁の救援陣がスコアボードに「０」を刻んだ。１６日の楽天戦（神宮）の七回から２４投手が連続無失点を継続。この日は、九回を嘉弥真（前ソフトバンク）が締めた。高津監督は「１点ぎりぎりのところをどうやって抑えるか、逃げ切るかが非常に大事になってくる。大事なポジションを握っているので今年も期待している」と信頼を口にした。また、先発調整をしていたロドリゲスがリリーフ調整となり、さらに厚みが増す。