ソフトバンク(☆4対0★)阪神 =オープン戦2回戦(2024.03.20)・福岡PayPayドーム=
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阪神
0000000000600
ソフトバンク
00100201X41001
勝利投手:東浜 巨(2勝0敗0S)
敗戦投手:伊藤 将司(0勝3敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】栗原 陵矢(2号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆ソフトバンクは、先発・東浜が7回途中無失点の好投。開幕ローテーション入りが内定している右腕が、状態の良さを示した。一方の阪神は、先発・伊藤将が6回8安打3失点。粘りの投球で試合をつくったものの、課題を残す内容に終わった。

◆近本光司外野手(29)、大山悠輔内野手(29)の不動の1番、4番が欠場予定となった。オープン戦も佳境に入る中、疲労も考慮したとみられる。試合前練習のフリー打撃には参加せず、軽めに体を動かした。代わって1番には中野拓夢内野手(27)が入った。現在26打席連続無安打。前日19日には5三振を喫したが、上昇のきざしは見えるか。4番には佐藤輝明内野手(25)が入った。

◆阪神伊藤将司投手(27)が、強力ソフトバンク打線を相手に粘りながら試合をつくった。6回8安打3失点。3回に3番柳田に適時打を浴びて先制点を献上。6回は2本の適時打で2点を失った。横浜(神奈川)の先輩近藤には1安打2四球を許し、完敗。それでも大崩れせず、クオリティースタート(6回以上、自責3以内)をマークした。前回13日のロッテ戦(ZOZO)で5回無失点投球を見せ、周囲を安心させていた。中6日のマウンドで97球を投じ、先発が有力な開幕カード2戦目の4月3日DeNA戦(京セラドーム大阪)へ向け、最後の1軍ゲームを終えた。

◆開幕ローテーション入りが当確しているソフトバンク東浜巨投手(33)が、7回途中4安打無失点の好投を見せた。初回から150キロに迫る直球を中心に、3回までパーフェクト投球。宝刀シンカー、カーブ、カットボールなど変化球も交ぜ合わせ、無四球と制球力も抜群だった。7回先頭で佐藤輝に左前打を浴び、続くノイジーを一邪飛に抑えたところで降板。6回1/3で86球を投げ、6三振を奪った。東浜は4月3日の本拠地ロッテ戦での先発が有力視されている。

◆阪神近本光司外野手(29)、大山悠輔内野手(29)が、ともに疲労を考慮され欠場した。ベンチから外れ、試合途中に帰阪した。試合前練習でもフリー打撃、シートノックに入らなかった。平田1軍ヘッドコーチは試合後「コンディションの。ずっと人工芝も続いているっていうことでね」と説明した。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が、またも無安打に終わった。4打数無安打で、これでオープン戦30打席連続でノーヒットとなった。「最近の中では、自分の中では自分らしいスイングができているとは思ってるので。ここから徐々にって上げていければいいかなと思います」と前向き。「逆方向にいい打球が出るっていうことが自分の中では調子が上がってくるところだと思う。そこをもう1回、原点に戻って、しっかりと映像も見直して、あと3試合なので。その試合でなんとか開幕に向けていい状態で持っていければと思います」と力を込めた。オープン戦は残り3試合。22日からのオリックス戦で上昇のきざしをつかめるか。

◆ソフトバンクが阪神に4-0で勝利。オープン戦首位をキープした。試合後の小久保裕紀監督(52)の一問一答は以下の通り。-2番にウォーカーを起用小久保監督 昨日ヘッドとバッティングコーチと話ながら、(相手先発が)左の時の2番ウォーカーもおもろいかもなって。それで今日はそうしました。-オプションの1つとして小久保監督 ありかなとは思っています。どっちにしても(初回から)バントは考えていないので。初回(走者が)出て、バントとは考えていないので、ウォーカーでもいいかなということで。-序盤はウォーカーもつないでいい形が出た小久保監督 いい形になったかは分からないですけど、でも今日は(6回の)栗原が進塁打を打ちにいったヒットと、三森がしっかりセーフティーを決めて、(中村)晃が代打での1点。2球で追い込まれてから、3ボールまで持っていって打てるという。さすがやなと思いました。-中村晃が控えている強み小久保監督 1年間何があるか分からないので。どんな状況でも常に頭からいける準備はしておいてくれ、という話もしていますし。あとは、ここ一番でしっかり出せる俺の読みと野球観をしっかり伝えながら、いい準備をしてもらおうとは思っていますけど。そういう話はしています。-2番に右打者を挟みたい小久保監督 全然そんなのはないですよ。たまたまそうなっているだけ。栗原の状態が上がってくれば、もう少し選択肢は増える。-東浜は7回途中無失点小久保監督 言うことないでしょう。今は多分ローテーションのメンバーの中では一番安定している。大関もいいですけど、何の心配もしていないです。-ヘルナンデスが離脱小久保監督 そうですね。痛いのを我慢して。症状を聞くと、よくあれでここまでやっていたなというくらいです。しっかり彼が帰ってくるまでは踏ん張っておくから、という話で送り出しはしました。

◆7回に登板した阪神ハビー・ゲラ投手は、危なげなく1回を1安打無失点に抑えた。井上、川村を連続三振に仕留めた後、川瀬に中前に運ばれたが最後は緒方を遊ゴロ。守護神候補の右腕は「ファンの皆さんのエネルギーも感じながら、楽しめながらいい投球ができたよ」と充実感を漂わせた。OP戦は5試合の登板で、失点は失策がからんだ1点のみで防御率は0・00。自責0での開幕に「みんなそういう気持ちがあると思う」と意欲を見せた。

◆阪神1番近本光司外野手(29)と4番大山悠輔内野手(29)が今季初めてオープン戦を欠場した。ナイター明けのデーゲームだったことも踏まえた積極的休養で、ベンチ入りを外れて試合途中に帰阪した。平田ヘッドコーチは「コンディションのね。ずっと人工芝も続いてるっていうことでね」と説明。ともに1試合を除いてスタメン出場を続けてきた。リフレッシュして22日からオリックスとの開幕前ラスト3連戦に臨む。

◆阪神佐藤輝明内野手が3試合連続安打を決めた。7回に東浜から左前打。追い込まれたがしっかり直球に反応した。16日の中日戦は欠場したが、フォームを見直して直近3試合は13打数8安打、打率6割1分5厘のハイアベレージ。22日からはオープン戦ラストカードとなるオリックス3連戦(京セラドーム大阪)が控えており「大阪に帰って、しっかりやりたい」と福岡を後にした。

◆阪神左翼のレギュラーを目指す前川右京外野手は攻守とも猛省の1日になった。4回の守備は、今宮のフェンス直撃の打球を果敢に取りにいったが捕球できず。打球が転々としたが中堅植田がカバーに入り、素早い返球で三塁を狙った打者走者をアウトにした(記録は二塁打)。仲間に救われたが「引く時は(無理にチャレンジせず)引かないといけない」と反省。打っては6番で出場したが4打数無安打、3三振と見せ場がなかった。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が、またも無安打に終わった。4打数無安打で、これでオープン戦30打席連続でノーヒットとなった。「最近の中では、自分の中では自分らしいスイングができているとは思ってるので。ここから徐々にって上げていければいいかなと思います」と前向き。「逆方向にいい打球が出るっていうことが自分の中では調子が上がってくるところだと思う。そこをもう1回、原点に戻って、しっかりと映像も見直して、あと3試合なので。その試合でなんとか開幕に向けていい状態で持っていければと思います」と力を込めた。

◆阪神石井大智投手(26)は8回先頭栗原に真っすぐで1発を浴び1回1失点。「ホームランは、後悔の残る選択をした。やっぱりオープン戦も結果を残さないと。自分のできることをしっかりやりたい」

◆ソフトバンク中村晃外野手(34)がしぶとい打撃で快音を飛ばした。6回1死二塁から8番甲斐の代打で出場。左腕伊藤将に2球で追い込まれたが、フルカウントまで粘り7球目を右前適時打。「チャンスでの代打出場で、とにかくランナーをかえすことだけを考えて打席に入りました」。前日19日は代打で右飛に倒れており、雪辱の一打。小久保監督も「さすがだなと思った」とベテランの一振りを称賛した。

◆阪神開幕2カード目、4月3日DeNA戦(京セラドーム大阪)の先発が有力な伊藤将司投手(27)のオープン戦ラスト登板は6回8安打3失点だった。制球自慢の左腕が4四死球を与えるなど毎回走者を背負ったが、何とか粘ってクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)はキープした。「右バッターのインサイドはよかったけど、右の外、左の内はもうちょっと投げられたら」と収穫と課題を自己分析。安藤投手コーチも「真っすぐと変化球の精度。細かいところを上げていってほしい」と期待し、今後は2軍戦登板を経て仕上げる。

◆阪神は打ち合いを制した19日の10-9勝利から一転、0-4でオープン戦はヤクルトと並び12球団最多3度目の完封負けを喫した。オープン戦はオリックスとの残り3試合に全勝しても、5勝12敗1分けで勝率は2割9分4厘にとどまり、3割台未満が確定した。阪神が過去にセ・リーグ優勝した6シーズンのうち、最低勝率は23年の4割7分1厘(8勝9敗)。不吉なデータを覆してリーグ連覇はなるか。

◆ソフトバンク栗原陵矢内野手(27)がオープン戦2号ソロなど2安打2打点と復調の兆しを見せた。6回に阪神伊藤将から中前に適時打、8回は先頭で石井の初球真っすぐを右翼席に運んだ。一時は1割台に沈んでいた打率は2割2分9厘まで回復。ただ2試合ぶりの1発にも「なんかしっくりハマってないです」と打撃フォームに納得がいかない様子で、「うまくピッチャーとの勝負に集中できていない」と打ち明けた。24年型の打線は栗原がカギを握る。小久保裕紀監督(52)は「栗原の状態が上がってくれば、もう少し(オーダーの)選択肢は増える」と話した。19日の阪神戦から始まった本番モードのスタメンは、2試合連続で5番に近藤を起用。出塁率の高い近藤を2番に据える考えもあるが、今は4番山川の後を打つポイントゲッターを託している。栗原が完全復調して5番で起用できれば、2番近藤というオプションが可能。首脳陣はさまざまなパターンを模索している。栗原は「僕が打てればこのチームはすごい。しっかりやらないと」と役割を自覚しており、この試合を不振脱出のきっかけにしたいところ。「打てている以上は気分が良くなると思いますし、打てないよりは絶対にいい」。昨年のオープン戦では12球団トップの打率4割1分5厘と打ちまくり、開幕4番の座を射止めた。今季の目標は初のシーズン100打点。「自分次第です」と引き締めた。【只松憲】

◆阪神森下翔太外野手(23)が"進化発揮"の右腕打ちだ。敵地ソフトバンク戦に「3番右翼」で出場。4回に先発東浜から中前打を放ち、今春オープン戦の対右投手打率を3割4分3厘に上げた。昨季レギュラーシーズンの対右腕は同2割5分だっただけに、1割近くもアップ。オープン戦は8試合連続安打と好調もキープしている。29日の開幕巨人戦(東京ドーム)も戸郷撃ちの期待が高まる。森下の快音が止まらない。4回2死で迎えた第2打席。東浜の4球目、内角低めの直球をコンパクトに振り抜き、中前打を決めた。「(相手の)フォームがちょっと独特で、1打席目は球種も見たことなかったので難しかったですけど、うまく2打席目からは対応できました」とにっこり。第1打席の見逃し三振をしっかり修正するクレバーな対応を見せた。オープン戦自体も8試合連続安打と絶好調。「ボールがしっかり見えて、いい形で打てているので、変えずにいきたい」。勢いそのまま、シーズンインを見据える。2年目の進化も証明している。この日の東浜撃ちでオープン戦の対右投手の打率は、3割4分3厘にアップ。昨季レギュラーシーズンの対右腕の同2割5分から1割近くも上げている。前日19日にはソフトバンクのルーキー右腕、沢柳から3ランを放つなど、課題克服が際立つ。「(左右)両方打てないとあれなので、しっかり両方打てるようにしたい」と手応え十分だ。新相棒探しにも余念がない。今オフは腕力だけに頼らない新フォームを模索し、安打量産タイプのピート・ローズ型バットも導入。だが打球が上がらず、2月のキャンプ終盤には昨季モデルに戻し、さらに複数タイプのバットを発注した。現在は3種類のバットを持ち込み、さらにその時々の感覚によって、グリップにテープを巻いて太さを微妙に変えている。「シーズンは試合によっても変えたいと思っています。何を意図して変えるとかじゃなく、自分の感覚でやっています」。シーズン中に新たなバットを作ることも視野に入れるこだわりよう。どのバットを手にするかはインスピレーション次第。どこまでも感性を重視する。29日の開幕巨人戦の相手先発は戸郷が予告されている。昨季の対戦は1本塁打を含む11打数3安打、打率2割7分3厘、4打点と相性は悪くない。本塁打は8月25日の東京ドームで148キロを左翼席上段まで飛ばす会心のV弾だった。苦手としていた右投手克服で、ますます戸郷撃ちの期待が高まる。同じ敵地で、勝利を呼ぶアーチを再現できれば最高だ。【村松万里子】

◆阪神中野拓夢内野手(27)が長いトンネルを抜け出せない。前日19日の1試合5三振を含む6打数無安打に続き、この日のソフトバンク戦でも4打数無安打に倒れた。これでオープン戦は30打席連続ノーヒット。8日ヤクルト戦の第2打席で中前打を放ってから、Hランプをともせていない。7試合連続無安打でオープン戦は43打数3安打、打率は0割7分まで降下。昨季のリーグ最多安打男からは想像できない数字が並ぶ。一方で復調への手応えも感じ始めたという。「逆方向にいい打球が出るっていうことが、自分の中では調子が上がってくるところだと思う」。8回の第4打席はオスナの外角直球をはじき返しての左飛。アウトにはなったが、当たりは決して悪くない。前夜は「自分でも分からない」と大不振の原因を分析できていなかったが、前向きな感覚は救いだ。「最近の中では、自分の中では自分らしいスイングができているとは思っている。もう1回、原点に戻って。映像も見直して、あと3試合なので、その試合でなんとか開幕に向けていい状態で持っていければと思います」。22日からは開幕前最後のオリックス3連戦(京セラドーム)。長いトンネルを脱出し、開幕G倒に備えたい。【中野椋】

◆前夜19日に乱打戦を逆転で制した阪神は、開幕ローテ入りが有力の伊藤将司投手(27)が先発する。前回登板のロッテ戦(ゾゾマリン)では5回無失点の仕上がりを見せた左腕。「いい打者がいっぱいいるので、そこでもストレートで押せるようにやっていけたら」と意気込み、最終調整のマウンドに上がる。また主力の近本、大山はスタメンから外れた。19日に本塁打を含む4安打と好調の佐藤輝が「4番・三塁」で出場する。

◆阪神・伊藤将司投手(27)が先発し、三回に先制点を与えた。一、二回はともに得点圏に走者を背負ったピンチを切り抜けたが、三回は先頭・牧原大に三遊間を破られ、周東の投前バントと、2ストライクから見極められた4球連続ボールによるウォーカーへの四球で1死一、二塁。柳田に内角直球を右前に運ばれ、試合が動いた。それでも続く山川はカットボールで詰まらせて遊飛に打ち取ると、横浜高の先輩である近藤をプロでの初対決となった二回の第1打席に続いて四球で歩かせた。次打者栗原の大飛球は右翼・森下がフェンス際で背走しながら好捕。なんとか最少失点でしのいだ。

◆阪神・植田海内野手(27)が好返球で追加点の糸口を与えなかった。0-1で迎えた四回の守備で、先頭・今宮の打球が左翼の頭上を襲う。左翼の前川がフェンスに背中をつけてジャンプするが、打球はフェンスに跳ね返った。ボールが転がる間に打者走者の今宮は一気に三塁を狙う。これを植田が中堅から快足を飛ばしてバックアップに詰め、ボールを拾い上げると三塁にワンバウンドでストライク送球。ヘッドスライディングで滑り込む今宮をタッチアウトにした。あわや無死三塁の大ピンチとなりうる状況を防いだ。この日はレギュラーの近本がベンチスタートとなったが、代役で出場した植田が守備で貢献し、先発の伊藤将を救った。

◆阪神・伊藤将司投手(27)が先発し、6回8安打3失点だった。一、二回はなんとか無失点にしのいだが、三回に1死一、二塁から柳田に右前適時打を許して先制点を献上。五回は1死一、二塁で山川を投ゴロ併殺に仕留めるなどピンチを断つシーンもあったが、六回は先頭の近藤に右中間方向への二塁打を浴び、続く栗原に二遊間を破られると、天を仰いだ。この一打で二走が生還して1点を追加されると、さらに1死二塁で代打・中村晃にも一、二塁間を破られて3―0と差を広げられた。ここまで順調に段階を踏み5度目の登板で6回は最長。ただ、得点圏に走者を背負ったのは5イニングを数え、ピンチの連続だった。

◆阪神の新外国人、ハビー・ゲラ投手(28)=前レイズ=が安定感のある投球で1回を無失点に抑えた。七回に2番手として登板。この日の最速は156キロを記録した直球で先頭から2者連続三振。2死から中前打を浴びて走者を背負うも、続く打者を変化球で遊ゴロに仕留めた。17日の中日戦(バンテリン)では来日初失点を許していた右腕だが、修正力を発揮し、スコアボードにゼロを刻んだ。

◆阪神はソフトバンクから1点も奪えずに敗れた。先発の伊藤将司投手(27)は三回1死一、二塁から柳田に右前適時打を許して先制点を献上。六回は先頭の近藤に右中間方向への二塁打を浴び、続く栗原に二遊間を破られた。この一打で二走が生還して1点を追加されると、さらに1死二塁で代打・中村晃にも一、二塁間を破られて3―0と差を広げられた。5度目の登板で最長の6回を投げたが、うち5イニングで得点圏に走者を背負った。打線は主力の近本、大山がスタメンを外れ、この試合まで26打席連続無安打の中野拓夢内野手(27)が「1番・二塁」で先発。4番には佐藤輝明内野手(25)が出場したが、得点を奪えなかった。中野は4打数無安打でトンネルを抜け出せず、開幕まで残り3試合となった中で不安が残った。

◆ソフトバンクの中村晃が2―0の六回1死二塁で代打として登場し、右前適時打を放った。伊藤将に2球で追い込まれたが粘り、7球目の変化球を捉えた。「打つ球はあれしかなかった。フルカウントまで持っていけたのがよかった」と内容を評価した。一塁手として昨季まで4年連続でゴールデングラブ賞を獲得したが、今季は新加入の山川が一塁で起用される見込み。代打としての出番が多くなりそうだが、「スタメンで出られるよう頑張るだけ」と闘志を燃やしている。

◆七回に登板した阪神・ゲラ(前レイズ)は1回無失点。オープン戦5戦連続自責ゼロとなった。「三振も2つ取れましたし、いい投球ができた。満足しています」。先頭の代打・井上は155キロ直球で見逃し三振、川村も同じ155キロ直球で空振り三振に斬った。川瀬に中前打を許したが、緒方を落ち着いて遊ゴロに打ち取った。オープン戦は残り3試合。「もう1試合くらい投げられたらシーズンに向けて準備できる」と総仕上げに臨む。

◆阪神・近本光司外野手(29)、大山悠輔内野手(29)がソフトバンクとのオープン戦を欠場した。近本は19日の同戦では2安打をマーク。五回の3打席目に右翼への三塁打を放つと、その裏の守備から途中交代した。この日は球場を訪れたが打撃練習は行わず、外野で守備練習などを行った。ここまでオープン戦14試合に出場し打率・366、0本塁打、4打点だった。大山も19日は2打数無安打で交代。この日はウオーミングアップ後はグラウンドでの練習は行わなかった。同じくオープン戦14試合に出場し打率・186、0本塁打、4打点だった。平田ヘッドコーチは「ずっと人工芝も続いているというのもあって」と、コンディション面を考慮しての欠場であることを明かした。

◆阪神先発の伊藤将は6回3失点。三回1死一、二塁から柳田に右前適時打を許して先制点を献上すると、六回にも2本の適時打を浴びた。6回のうち5イニングで得点圏に走者を背負う投球となり、「そういう場面で最少失点で切れるようにできたら」と課題を残した。次週は2軍戦などの登板を挟み、シーズンへ臨む見込みで「カット(ボール)が良かったので、しっかりとコースに投げられたのでよかった」と収穫も口にした。

◆阪神はソフトバンクに0―4で敗れた。「3番・右翼」で先発出場した森下翔太外野手(23)が四回にチーム初安打となる中前打を放ち、出場8試合連続安打と好調を維持。3種類のバットでシーズンに挑む方針を明かした。〝筆を選ばず〟に2年目へ突き進む。出場8試合連続安打とジワジワ状態を上げてきた森下が、3種類のバットを握りしめて開幕を迎えると明かした。「バットが変わると、自分の感覚も、いろんなことが変わっている。シーズンも試合によって変えたいなと思います」この日は昨年も使用した型のバットにグリップテープを巻いて臨んだ。第1打席こそ三振に倒れたが、「いい形でボールがしっかり見えている。うまく対応できた」と第2打席に中前打。完璧に虎打線を封じていた初対戦の東浜からチーム初安打を放ち、オープン戦の打率を12球団2位の・311(45打数14安打)に上昇させた。オフから商売道具にこだわり、キャンプ序盤では「ピート・ローズ型」のグリップエンドが小さいバットを用いた。岡田監督に打球の角度が上がらないことを指摘されながらも試行錯誤を重ね、昨年使用していた型に落ち着いたようにも見えた。しかし、キャンプ最終盤で、同じ型でグリップを太くしたものと細くしたものを発注。さらにそれにグリップテープを巻いて太さを調整しながら〝三種の神器〟を携えて開幕を見据える。複数を使い分けることに意味がある。日々変わっていく感覚に順応していくために、一つの型にとどまらない。課題と掲げる〝調子の波〟を少なくしていくために、感覚が悪い時にも自ら突破口を切り開いていく。「本当に自分の感覚でしかない。太いと感じたら細いものを使うほうが感覚的にはよくなるとか、そういうこと。何かに固定するというのはないですね」開幕まで残り3試合。バッチリ状態を上げてきた背番号1が、研ぎ澄まされた感覚で相棒を使い分け、今年も最高のシーズンにする。(中屋友那)

◆八回に登板した阪神・石井は1回1失点だった。「ホームランは後悔の残る選択をした」。先頭の栗原に投じた初球の147キロを完璧に捉えられ、右翼席へ運ばれた。次打者からの3人はきっちりと抑えただけに悔やんだ。オープン戦は計8回を投げて6失点(自責5)で防御率5・63。「オープン戦で結果を残さないともちろん(開幕メンバーに)入れない。自分のできることをしっかりとやっていきたい」と唇をかんだ。

◆阪神・安藤投手コーチは、6回3失点だった伊藤将に精度を高めることを求めた。「状態は上がってきていると思うけど、もうちょっと真っすぐも上げてほしい」。3四球の原因はフォームのずれにあるとみて、投球練習を通して改善を図らせる予定だ。一方、1回無安打2奪三振無失点だった新外国人のゲラ(前レイズ)については「そんなに心配していない」と話した。

◆19日のソフトバンク戦で5打席連続三振を喫した阪神・中野拓夢内野手(27)は、この日も4打数無安打で30打席連続ノーヒットとなったが、必死で前を向いた。トンネルの中をさまよう中野だが、4打席目の左飛で一筋の光が差し込んだ。「最近の中では(あの左飛は)自分らしいスイングができているとは思っている。ここから徐々に上げていければいい」近本の欠場によって打順を繰り上げられ「1番・二塁」でスタメン出場したが、この日も中飛、遊邪飛、左飛と快音は響かず...。だが、最後の最後で〝らしさ〟が出かけた。0-3の八回1死一塁でオスナの直球を左翼へ弾き返し「逆方向にいい打球が出ることが自分の中では調子が上がってくるところ」と〝上昇気配〟を自ら感じ取った。昨季164安打で最多安打のタイトルを獲得した巧打者が、5打席連続三振を含む6打席凡退の屈辱を味わった19日のソフトバンク戦後に「自分でもどうなっているのかもわからない」と頭を抱えていたが、暗闇から抜け出そうとしている。平田ヘッドコーチも「最後いい感じで打ってくれたし。これをちょっとね、きっかけにっていうか」とうなずいた。中野も「もう1回原点に戻って、しっかりと映像も見直して。(オープン戦は)あと3試合。その試合で開幕に向けていい状態で持っていければ」と力を込めた。(新里公章)30打席連続無安打の中野について阪神・水口打撃コーチ 「見ればわかるでしょ。今日はちょっと良かった。まだまだこれからだから」

◆日米球界で通算91勝をマークした藪恵壹氏(55)=サンケイスポーツ専属評論家=が、阪神・伊藤将司投手(27)が先発ローテーションの一員で回ることに対し「安泰ではない」と指摘した。〝予備1番手〟の門別啓人投手(19)を筆頭にライバルは多い。この日も3失点でオープン戦3敗目(0勝)を喫した伊藤将に、シーズンでは「ガラリと変わる投球を見せないと」と話した。阪神の左腕の先発ローテ候補には門別も控えている。さらに言えばけがからの復帰を目指す高橋も戻ってくるシーズンになると思う。それを考えれば伊藤将も大竹も、イスを譲らないために、一層しっかりと取り組んでいかなければならない。昨季初めて規定投球回をクリアし、ここから上積みをしていきたい伊藤将であっても、決して安泰というわけではない。チーム内での競争に勝ち続けていくためにも、開幕してからガラリと変わるところを見せていかないといけない。開幕2カード目の登板が見込まれるだけに、この日のソフトバンク打線との対戦は〝仮想DeNA〟として臨めるマウンドだった。気になったのは右打者にも左打者にもカットボールを多く投げていたこと。坂本と話し合って確認したかったのか、3巡目は投じたほとんどがこの球種で、シーズンとはちがう配球だった。シーズンでも使っていくのだろうと思う。

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
941 0.692
(↑0.025)
-
(-)
59
(+4)
41
(-)
14
(+1)
13
(+1)
0.265
(↑0.005
2.950
(↑0.23)
2
(1↑)
西武
631 0.667
(↑0.042)
1
(↓0.5)
28
(+6)
31
(+5)
5
(-)
5
(+1)
0.239
(↑0.009)
3.000
(↓0.12)
3
(2↑)
中日
854 0.615
(↑0.032)
1
(↓0.5)
43
(+1)
38
(-)
6
(+1)
6
(+1)
0.221
(↓0.005)
2.030
(↑0.12)
4
(3↓)
日本ハム
645 0.600
(↓0.067)
1.5
(↓1.5)
53
(+2)
57
(+8)
4
(-)
17
(+1)
0.242
(↓0.001)
3.520
(↓0.21)
5
(1↓)
ORIX
651 0.545
(↓0.055)
2
(↓1.5)
35
(+2)
43
(+7)
3
(-)
6
(-)
0.256
(↓0.009)
3.550
(↓0.36)
6
(1↑)
巨人
760 0.538
(↑0.038)
2
(↓0.5)
49
(+6)
38
(-)
4
(+1)
7
(+1)
0.239
(-)
2.730
(↑0.24)
6
(1↑)
ヤクルト
761 0.538
(↑0.038)
2
(↓0.5)
43
(+8)
47
(+2)
9
(+1)
9
(-)
0.226
(↑0.013)
3.230
(↑0.1)
6
(1↓)
楽天
761 0.538
(↓0.045)
2
(↓1.5)
43
(-)
34
(+1)
2
(-)
15
(+2)
0.261
(↓0.006)
2.270
(↑0.08)
9
(1↑)
DeNA
555 0.500
(↑0.056)
2.5
(↓0.5)
54
(+7)
35
(+2)
11
(+1)
21
(-)
0.276
(↑0.008)
2.230
(↑0.02)
10
(1↓)
広島
574 0.417
(↓0.038)
3.5
(↓1.5)
48
(+5)
51
(+6)
8
(+1)
8
(-)
0.218
(↑0.005)
2.620
(↓0.18)
11
(-)
ロッテ
272 0.222
(↓0.028)
5
(↓1.5)
28
(-)
46
(+6)
4
(-)
6
(-)
0.215
(↓0.016)
4.100
(↓0.24)
12
(-)
阪神
2121 0.143
(↓0.011)
7.5
(↓1.5)
44
(-)
66
(+4)
4
(-)
6
(-)
0.225
(↓0.004)
3.610
(↓0.06)