中日(☆4対3★)阪神 =オープン戦3回戦(2024.03.16)・バンテリンドーム=
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阪神
10000001131000
中日
01100110X4902
勝利投手:髙橋 宏斗(1勝1敗0S)
(セーブ:マルティネス(0勝0敗1S))
敗戦投手:大竹 耕太郎(0勝1敗0S)

本塁打
【中日】石川 昂弥(1号・2回裏ソロ),細川 成也(2号・6回裏ソロ)

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◆中日は細川が特大のソロを含む3安打3打点の活躍。移籍2年目のスラッガーが、バットで存在感を示した。一方の阪神は先発・大竹が5回5安打2失点のピッチング。昨季チームトップの12勝を挙げた左腕が、まずまずの仕上がりを見せた。

◆阪神のスタメンが発表され、佐藤輝明内野手(25)が先発オーダーを外れた。前日15日の中日戦では0-0の9回無死一、三塁で、空振り三振。岡田監督から「そら打たなあかんやん。どんな当たりでもバットに当てて、前飛んだら何かが起きるけどな。三振は何も起きない。空振りは。それだけのことや」と苦言を呈されていた。2月24日ヤクルト戦以来、10試合ぶりとなるベンチスタートだ。先発は大竹耕太郎投手(28)。6日楽天戦(甲子園)以来、10日ぶりの登板に向かう。

◆中日石川昂弥内野手(22)がオープン戦1号を左翼席に運んだ。6番三塁で先発出場。2回2死無走者で打席に立ち、阪神先発大竹の122キロチェンジアップを完璧にとらえた。「うまく残して打つことができました。なんとかスタンドに入ってくれてよかったです」とコメントした。石川昂はここまでオープン戦7試合で22打席に立って1安打。14日の全体練習後には「めちゃくちゃ悪いわけじゃないのに、これだけ打ってない。感覚以上に何かが悪い。いろいろ考えてやっているけど、いつハマるか分からない」と苦しい胸の内を明かしていた。昨季121試合に出場し13本塁打を放った。今春の沖縄キャンプは2軍読谷組で調整し、2月27日に1軍に合流。代表デビューした3月6日の欧州代表戦で2安打を放ったものの、オープン戦では結果が出ない日々が続き、立浪監督からは「(尻に火が)ついてもらわないと困る」とハッパをかけられていた。

◆/待ち望んだ一発\石川昂弥のOP戦1号弾20打数1安打の不振を振り払う一撃?#プロ野球(2024/3/16)??中日×阪神??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #dragons"野球一本" 新プラン登場「DAZN BASEBALL」月々2,300円 (年間プラン・月々払い)でプロ野球だけを、このプライスで。 pic.twitter.com/kNKXkHF3lU

◆阪神先発の大竹耕太郎投手(28)が、5回5安打2失点で今季初の先発登板を終えた。1点リードの2回2死に石川昂から左翼へのソロを被弾。3回は1死三塁から細川の適時打で追加点を喫した。それでも、いずれの回も最少失点に留めて粘投。今季最多85球を投げきった。今年1月に左肩のガングリオン(良性のしこり)を除去。前回登板の6日楽天戦(甲子園)以来、10日ぶり2度目の登板で粘りを見せた。

◆阪神は打線にもう一押しがなかった。10安打を放ち、6四球をもらったが3得点にとどまった。初回、先頭近本光司外野手(29)の右前打からチャンスをつくり、2死満塁から糸原健斗内野手(31)が左前打を放って1点先制。その後は制球に苦しむ中日高橋宏斗投手(21)から得点できなかった。9回、中日ライデル・マルティネスから3連打。前川右京外野手(20)が適時打右前打を放ち、1点差に詰め寄った。先発した大竹耕太郎投手(28)は2回にソロアーチを浴び、3回も長短打で1点を失った。だが最後2イニングは無安打。尻上がりに調子をつかみ、今年最長の5回を2失点でまとめた。7回、ドラフト5位の石黒佑弥投手(22=JR西日本)が地元愛知で凱旋(がいせん)登板を果たした。2四球で走者をためて適時打を浴び、1回1失点だった。13日のロッテ戦(ZOZOマリン)でオープン戦10試合目で初勝利を挙げた阪神。前日15日の中日戦は引き分けで、成績は1勝10敗1引き分けとなった。

◆ローテの柱が期待される中日高橋宏人投手(21)が3回73球、5安打3四球の厳しい投球内容で開幕に向けて大きな不安を残した。立浪和義監督(54)は「あれだけ制球が定まらないと。リリースが少し低いという印象。ちょっと考えないといけない」と開幕当初のローテーション起用を再考する意向を示した。スピードガンの最速は156キロ。しかし、制球は乱れ、甘く入ったストレートはことごとく合わされた。失点こそ糸原の適時打による1点で踏ん張ったが、不安定な投球が続き、早期降板に追い込まれた。降板後はそのままブルペンで50球。キャンプから思うような投球ができない4年目の右腕は「リズムが悪い。コントロールが悪い。今の状態では(開幕から)マウンドに上げさせてもらえないと思う。しっかり修正したい」と危機感をあらわにした。

◆阪神は打線にもう一押しがなかった。10安打を放ち、6四球をもらったが3得点にとどまった。前日15日に岡田彰布監督(66)が「三振は何も起きない。空振りは。それだけのことや」と苦言を呈していた佐藤輝明内野手(25)は、スタメンを外れ出場機会はなかった。指揮官は「使わなかっただけやんか。なんでや。使わなあかんの?」と話すにとどめた。今季2度目の実戦登板となった阪神先発の大竹耕太郎投手(28)は5回5安打2失点。現時点で開幕2戦目となる30日巨人戦(東京ドーム)の先発が有力だが、指揮官が「予備1番手」と話す、門別啓人投手(19)もこの日ウエスタン・リーグ広島戦に先発し5回3安打2失点。岡田監督は「(判断は)全然してないよ、そんなん」と話し、ギリギリまで見極める方針だ。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-大竹は5イニング投げた4回ぐらいからやな、ようなったんわな。コントルール悪いしのう、高めばっかりいくしな。4、5は良かったよな。球数少なかったから5回まで。-状態はもうちょっと状態ってまだ2回目やんか。2イニング投げて、お前。2回目の登板やで。まあ、まだ投げなあかんからな、そらな。ちょっと、まだボールもいってなかったしな、ストレートな。4回ぐらいちょっとリズムもテンポもやっとようなってきたって感じやな4回、5回でな。-来週の京セラで長いイニングというイメージかまあ、そら投げると思うけどなあ。予定ではな。まあまだ分かれへんからな、そらな。投げ終わった後とかな、いろいろ。-中日の印象は印象なんかないよ、まだ。そんなん昨日、右左でなあ、こんだけツープラトンでやるわけやから。-2軍では門別が投げた。見とったよ、ずっと。またホームラン打たれとったけどなあ。まあまあ普通ちゃうか。最後まで見てないけどな、何回投げたか知らんけど。4回ぐらいまで見とったけど。-判断は開幕ギリギリまでしてない、してない。全然してないよ、そんなん。してないよ。-2人とも最後まで見極めた上で、開幕ギリギリで決めるそうやん。まあこれはもう雨で流れた分やからな、昨日今日はなあ、おーん。-佐藤輝はベンチスタートベンチスタートて、使わなかっただけやんか。なんでや。使わなあかんの? なんでそこまで言わなあかんの。選手起用まで言われたらかなわんわ。-前川は打つ方でアピール続いているがおーん。あんまり使ってなかったからのう。-やっぱり打力は魅力あるいやいや、使うたら打つよ、外野が激しいからなあ、それだけや。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が今季2度目の実戦登板に臨み、5回5安打2失点とまとめた。中日戦に先発。2回に石川昂から左翼へのソロ、3回には細川に適時打を許したが、いずれの回も最少失点で留める粘投。後半2イニングは無安打無失点と、尻上がりに調子を上げた。「外低めの強い真っすぐをもう1回見直して。前半より後半の方ができていた。その精度だったり球の威力だったり。そのへんを突き止めて、やっていきたい」と振り返った。今年1月に左肩のガングリオン(良性のしこり)を除去。前回の6日楽天戦以来、10日ぶりの登板で今季最多の85球を投げた。岡田監督は「4回ぐらいに、リズムもテンポもやっとようなってきた感じやな」と後半の投球を評価。ちょうど2週間後にあたる、開幕2戦目の30日巨人戦(東京ドーム)先発が有力。しかし、この日は2軍戦で「予備1番手」の門別も5回2失点と好投。指揮官は「(起用の判断は)全然してないよ」とギリギリまで両左腕の状態を見極め、結論を出す考えだ。現時点で大竹の次回登板は23日オリックス戦(京セラドーム大阪)の見通し。「今日のピッチングを踏まえて、もちろん100点ではない。まだまだ上げられると思うし、上げなきゃいけない」。開幕に向け、総仕上げにかかる。【波部俊之介】

◆愛知出身の阪神ドラフト5位、石黒佑弥投手(22=JR西日本)はほろ苦い地元初登板となった。7回に登板し先頭の鵜飼に四球を与えるなど、1回2安打1失点2四球。「結果は良くなかったんですけど、課題が見えたので、そこの課題をつぶしていって、またいい結果が出せるように頑張りたい」。1回無安打無失点だった10日巨人戦に続くアピールとはいかなかったが、経験を糧にして成長を誓った。

◆阪神小野寺暖外野手が少ないチャンスをものにした。中日戦で、6回の守備から途中出場。3点を追う、8回1死一、二塁の初打席だ。2ストライクから松山の143キロ変化球をミート。右翼ライン際にライナーで運ぶ適時打を放った。「シーズンだと、こういう形の出場があると思う。こういう打席の中で結果を残していかないといけないと思うので。今日は結果が出て良かった」と一打をかみしめた。

◆阪神佐藤輝明内野手に代わって「6番三塁」で先発した糸原健斗内野手が、第1打席から仕事をした。初回2死満塁で高橋宏から先制左前打を放った。相手が三遊間を締めていたが、その上を越える鮮やかなライナー。「しっかり直球を捉えられたのは良かった。追い込まれていたので、なんとかしぶとく打とうと思っていた。いい形でヒットになって良かったかなと」と振り返った。

◆阪神高寺望夢内野手が中日守護神から「初見撃ち」を決めた。8回の守備から出場。2点差を追う9回1死一塁でマルティネスと対峙(たいじ)した。初対戦となったが、カウント1-2から139キロの落ち球に対応。一、二塁間を破る右前打で好機を広げた。「真っすぐも速くて決め球がフォークというところで。追い込まれていたので両方意識して、なんとか対応できました」と納得の表情を見せた。

◆セットアッパー候補の阪神岡留英貴投手が8回の1イニングを無失点に抑えた。先頭に二塁打されたが、連続三振と二ゴロで切り抜けた。ボールに力はあったが、全4打者にボール先行するなど反省点が多かった。「もっとテンポとか考えないと。結果抑えられたのはよかったけど、そのあたりを考えて投げていきたい。慎重にいきすぎた部分もある」と笑みはなかった。

◆阪神前川右京外野手(20)が意地の「ライデル打ち」だ。中日戦(バンテリンドーム)の2点を追う9回。守護神マルティネスのフォークに食らいついて一、二塁間を破る適時打を放った。キャンプから続けてきた激しい左翼争いはいよいよクライマックス。3月に入って、本命ノイジーの復帰で出番が減っていたが、若武者スラッガーもマルチ安打を記録し、1歩も引くつもりはない。前川は極限まで集中力を高めて打席に入っていた。9回1死一、二塁。マウンドには昨季防御率0・39のマルティネス。その初球。鋭いフォークに必死に手を伸ばし、バットの先に当てた。「メキッ」と鈍い音を残した打球は一、二塁間を抜けていった。「簡単に、ダメなままで終わらなかったのはよかったかな、と思います」。3試合ぶりのスタメン。だが、高橋宏に対して初回に見逃し三振。5回には左腕橋本のスライダーにバットが空を切った。2三振といいところがなかったが、8回にはセットアッパー松山から左前打。そして9回は守護神から適時打を放ち、挽回してみせた。「昨日の反省を生かして、ストライクゾーンをしっかり打つという気持ちでした」と振り返った。打線がつながりを欠く中、最終回のチャンスで見せた打撃はやはり魅力だ。岡田監督は「使うたら打つよ」と、これくらいは当たり前と言わんばかりだった。キャンプから勃発した外野争い。森下が抜け出し、実質まだ空いているのは左翼だけだ。競争は野口、井上、ノイジー、ミエセスらのだんご状態でスタート。2月中旬、ノイジーが右肘の張りを訴え実戦出場が遅れた。ここぞとばかりに前川は猛アピールを続け、監督からキャンプの野手MVPと評価された。ノイジーが復帰した3月からは前川の出番が、少しずつ減っていた。N砲は前日15日の中日戦で、得意の素早い返球でダイレクト補殺。「やはりノイジーか」の雰囲気があった中で若武者が、食らいついた。「外野(争い)が激しいからなあ」と岡田監督もニンマリ。前川を後押しするデータもある。巨人の開幕投手は戸郷。前川は昨季4打数2安打と打っており、対照的にノイジーは18の3。松山、ライデルの両右腕打ちは大きなアピール材料になる。オープン戦は残り6試合。開幕スタメン、そしてその先のレギュラー獲得へ、アクセルをふかし続ける。【柏原誠】

◆阪神佐藤輝明内野手が初めてオープン戦を欠場した。ここまで11試合で計41打席に立って打率1割2分8厘、1本塁打。前日15日に好機で凡退し、岡田監督は「三振は何も起きない。空振りは。それだけのことや」と苦言を呈されていた。先発外しを問われた指揮官は「使わなかっただけやんか。なんでや」と話すにとどめた。試合前練習から修正に努めた大砲は「しっかり結果が出るように頑張ります」と表情を引き締めた。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(29)が、きっちり結果を残した。中日戦に5番左翼で出場。3回1死一、二塁の好機で、高橋宏の132キロ変化球を右前に運んだ。開幕左翼へ猛アピールする前川が2安打。負けじと2打数1安打1四球で、好機を演出した。ベンチでは出番がなかった佐藤輝と打撃について話し込む姿も見られた。「打席の中での考え方とか、どういうふうにスイングしていくのかというのを、話し合っただけだよ。アドバイスとかじゃなく、本当にフランクに話しただけだね」と内容を明かした。

◆中日は17日、阪神とのオープン戦(バンテリンドーム)前に昨年10月10日、87歳で亡くなった元監督・中利夫さんの追悼セレモニーを行った。試合前練習後には立浪和義監督(54)、選手らが設置された遥拝所を訪れ、黙とうした。中さんは、55年に前橋高(群馬)から中日入り。60年に50盗塁、67年には打率3割4分3厘でタイトルを獲得。通算81三塁打は現在もセ・リーグ最多で、俊足巧打の外野手として一時代を築いた。72年に引退。通算1877試合出場で1820安打、139本塁打、541打点、打率2割7分7厘、347盗塁。ベストナイン5度。引退後はコーチに転じ、78年から3年間は監督を務めた。中利夫(なか・としお)1936年(昭11)4月28日生まれ、群馬県出身。前橋高では、東大受験と迷った末にプロ入り。60年盗塁王、67年首位打者。中日一筋でプレーし72年引退。現役時代の登録名は64年「三夫」65年以降は「暁生」。通算1820安打は球団7位、347盗塁は同3位。引退後は中日コーチ、監督、広島でコーチを務めた。現役時代は168センチ、73キロ。左投げ左打ち。

◆両チームのスタメンが発表され、阪神は佐藤輝明内野手(25)が先発メンバーから外れた。15日の同戦では、同点の九回無死一、三塁の好機で空振り三振に倒れ、岡田監督も「どんな当たりでもバットに当てて前飛んだら何かが起きるけどな。三振は何も起きない。空振りは。それだけのことや」と苦言を呈していた。佐藤輝に代わって「6番・三塁」に糸原が入った。阪神の先発は大竹耕太郎投手(28)が務める。

◆リードオフマンが止まらない。阪神・近本光司外野手(29)が一回に右前打を放ち、オープン戦は6試合連続安打とした。初球から150キロ超の直球を連発していた中日・高橋宏の145キロ変化球を捉えた。痛烈な打球は瞬く間に右前へ。これで8日のヤクルト戦(甲子園)から6試合連続安打だ。近本の一打を先制点につなげたい阪神は続く中野がしぶとく二ゴロを放って1死二塁と得点圏へ。3番に入った前川が打席に向かった。しかし154キロ直球に見逃し三振。大山、ノイジーが連続四球で2死満塁とする。6番に座った糸原が154キロをしっかりと左前に運び、近本を先制のホームへと導いた。

◆先発した阪神・大竹耕太郎投手(28)は5回5安打2失点だった。3月6日の楽天戦(甲子園)以来となる今季2度目の実戦マウンド。一回は三好、山本、細川と危なげなく抑え、三者凡退の立ち上がりとなった。しかし、1-0の二回に石川昂にソロを被弾。三回は先頭の三好に右翼線を破られる二塁打を浴びると、1死三塁から細川にしぶとく右前に運ばれた。それでも四回は三者凡退。五回は2死から三好に際どいコースを攻めるも四球を与えたが、続く山本を落ち着いて右飛に仕留めた。5回を投げて球数は85球。開幕ローテ入りへまた一歩前進した。

◆阪神のドラフト5位・石黒佑弥投手(22)が七回に登板。愛知県出身のルーキーは故郷で凱旋マウンドに立った。先頭の鵜飼は完璧に詰まらせるも、うまく右前に運ばれ出塁を許す。続く加藤匠は犠打、代打・中島に四球で1死一、二塁のピンチを背負った。迎えるはオープン戦の打率が3割超と好調の1番・三好。ここは132キロカットボールで二ゴロに仕留めて2死一、三塁。山本を四球で満塁とし、前の打席で特大ホームランを放った細川を迎えた。ただ、初球を三遊間深くに運ばれて適時内野安打で1失点。中田を遊ゴロに仕留めて最少失点で切り抜けたがほろ苦い地元凱旋登板となった。

◆阪神は中日に逆転負け。一回に先頭の近本が右前打を放つと、2死満塁から「6番・三塁」で先発した糸原が左前打を放って幸先よく先制する。しかし、三回は1死満塁から無得点。1-4と逆転されて迎えた八回も途中出場の小野寺が右翼線に適時打を放ち、なおも1死満塁としたが、後続が倒れた。九回は中日の守護神・マルティネスから1死一、二塁の好機を作ると、前川が右前適時打を放って1点差。しかし大山が遊ゴロ併殺に倒れた。先発の大竹は5回5安打2失点。実戦登板2試合目のマウンドを上々の内容で終えたが、漆原、D5位の石黒(JR西日本)がそれぞれ1失点と、開幕1軍生き残りをかけたアピールに失敗した。

◆阪神が逆転負けでOP戦10敗目(1勝1分)を喫した。大竹耕太郎投手(28)は石川昂弥内野手(22)にソロ本塁打を浴びるなど、5回85球で5安打2失点だった。D5位・石黒佑弥投手(22)=JR西日本=は七回に安打と2四球で満塁のピンチを招き、内野安打で失点した。打線は10安打6四球で3得点。九回に前川右京外野手(20)の右前打で1点差に迫ったが、1死一、二塁から大山悠輔内野手(29)が遊ゴロ併殺に倒れた。ベンチスタートの佐藤輝明内野手(25)、森下翔太外野手(23)の出番はなかった。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り。ーー大竹は5イニング投げた「四回ぐらいからやな、ようなったんわな。コントルール悪いしのお。高目ばっかり行くしな。四、五は良かったよな。球数少なかったから五回まで」ーー状態はもうちょっと「状態って、まだ2回目やんか。2イニング投げて、お前。2回目の登板やで。まだ投げなアカンからな、そらな。まだボールも行ってなかったしな、ストレートな。四回ぐらいからリズムもテンポも、やっとようなって来たって感じやな」ーー来週の京セラで長いイニングというイメージか「まあ、そら投げると思うけどなあ。予定ではな。まあまだ分かれへんからな、そらな。投げ終わった後とかな、いろいろ」ーー中日の印象は「印象なんかないよ、まだ。そんなん昨日、右左でなあ、こんだけツープラトンでやるわけやから」ーー2軍では門別が投げた(5回76球で3安打7三振2四球で2失点)「見とったよ、ずっと。またホームラン打たれとったけどなあ(三回に2ラン)。普通ちゃうか? 最後まで見てないけどな、何回投げたか知らんけど。四回ぐらいまで見とったけど」ーー判断は開幕ギリギリまで「してない、してない。全然してないよ、そんなん。してないよ」ーー2人とも最後まで見て判断「これも雨で流れたぶんやからな。昨日、今日はな。千葉の」ーー佐藤輝はベンチスタート「え? ベンチスタートで使わんかっただけやんか。なんで? 使わなアカンの? なんでそんなことまで言わなアカンの。選手起用まで言われたら、たまらんわ」ーー前川はいいアピールを「アレも使ってなかったからのお」ーー打力は魅力ある「いやいや、使こうたら打つよ、外野が激しいからなあ、それだけや」

◆八回、安打を放った阪神・前川右京=バンテリンドームナゴヤ(撮影・根本成)

◆中日の高橋宏は3回で73球を要し5安打1失点で降板した。3試合連続で1イニング目に失点し、立ち上がりの課題を克服できなかった。先発枠入りも危ぶまれる状況に「反省点しかない」とうなだれた。立浪監督は「中途半端な状態で開幕に入っても...」と再調整の可能性も示唆した。一回は制球が不安定で、連続四球などで2死満塁とされ、糸原に左前適時打を浴びた。以降も直球が横回転気味になる場面が目立ち、空振りを取れずに球数がかさんだ。

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)は、調整具合が不安視されていた阪神・大竹耕太郎投手(28)の5回2失点の投球を見て「昨年、12勝した『変幻自在』の投球ができていた。開幕ローテに何の心配もいらない」と太鼓判を押した。ただ、中日の〝新戦力〟に対して「しっかり研究すること」の注文も出した。大竹は、開幕2週間前の登板としては、全く問題のない「任せて安心」の合格点の投球だった。彼の持ち味は「変幻自在」。モーションの変化、強弱をつけて、打者に自分の間で打たせない。常に「大竹の間」で攻めていた。この日の中日打線も、真っすぐの球威は140キロなくても、ほとんどの打者が自分のタイミングで打てていなかったし、詰まらされていた。昨年12勝をマークしてフルシーズン活躍したときと同じ投球内容だった。春季キャンプ中に、サンスポ紙面でも対談させてもらって、意識の高さ、目標設定の高さは聞かせてもらった。昨年は21試合しか登板していないが、ことしはもっと投げられるはず。最低でも13勝はできると思うし、さらに積み重ねていけば、最多勝争いにも加われる。この日の投球で、シーズンの登板がますます楽しみになってきた。実は大竹の投球を眺めながら、同時進行の2軍戦も見ていた。ちょうど、期待の門別も投げていた。内容は決して悪くなかったし、開幕ローテの「どこか」を託せる投球をしていたが、少なくとも、大竹の登板日に「門別」の名前が入ることはないだろう。ただ、1つ指摘しておきたいことがある。それは、中日打線に新しい名前が多く並んでいたこと。メンバーがガラッと一新していて、データが十分ではない選手がそれだけ出てきたことになる。特に1番に入った三好は非常にいい。かなり手ごわそうな予感がする。言われなくても準備はすると思うが、今回の3連戦、さらにはスコアラーからの情報などをしっかり頭に入れて、研究し直す必要はあるだろう。

◆17日の中日とのオープン戦(バンテリンD)に先発する阪神・才木浩人投手(25)は鳴尾浜でメディシンボールを使ったトレーニングなどで調整した。体調不良もあって登板予定が一度飛び、3日の日本ハム戦(札幌D)以来のマウンドとなる。「自分の状態を上げていくだけ。球速をもうちょっと上げていきたい。あとは空振り率とかファウル率、フライ率ももう少し上げていければ」と、直球の質を課題に今季4度目の実戦登板に臨む。

◆阪神は敗れたが「3番・右翼」でスタメン出場した前川右京外野手(20)は、九回にマルティネスから意地の右前適時打。前夜のリベンジを果たし、し烈な外野の定位置争いでアピールした。オープン戦は残すところ6試合。竜の守護神を捉えた若虎は、このまま開幕スタメンに向かって突き進む。前夜の光景が鮮明によみがえる。ただ、結末は違った。白球は鋭く一、二塁間を抜ける。竜の守護神ですら、この若虎を2度は抑えられない。たった一夜でマルティネスにリベンジを果たし、前川は右手を高く突き上げた。「きのう(15日)も対戦して、アウトになったので、きょうはちゃんときのうの反省をいかして、〝ゾーンを打つ〟という感じでいきました」2-4で迎えた九回1死一、二塁の好機。2日連続となったマルティネスとの勝負に鼻息荒く打席に向かう。その初球、139キロスプリットを引っ張った。15日も九回1死一、三塁の好機で、2022年のセ・リーグセーブ王で通算123セーブを挙げる竜の守護神と相対した。同じスプリットを完璧に捉えたが、無情にも白球はファーストミットに吸い込まれ、飛び出した一走もアウト。痛恨の併殺に唇をかんだが、同じ轍は踏まない。さっそく巡ってきたリベンジの機会で右前適時打を放って意地を示した。「初めの3打席で2三振してしまったので、何とか簡単に終わらないように4打席目、5打席目にヒットが出て、切り替えがうまくできたと思います」10日の巨人戦(甲子園)以来となるスタメン出場では、試合中の修正能力が光った。1、3打席目で三振だったが、八回の第4打席では反撃の起点となる左前打。岡田監督が「あんまり使ってなかったからのう。使こうたら打つよ」と評価したように、先発出場すればこれで3試合連続のマルチ安打と頼もしい。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)は今季の実戦で初めて試合出場なしに終わった。試合前にフリー打撃やノックなどの練習はこなし、ベンチ入りもしたが、出番は訪れず。2月の実戦は好調だったが、オープン戦は打率・128(39打数5安打)と低空飛行。大砲は「しっかり結果が出るように頑張ります」と力を込めた。

◆六回から左翼に入った小野寺暖外野手(25)は、3点を追う八回1死一、二塁で右翼線への適時打。追い込まれながら松山のフォークを捉え、追い上げムードを高めた。「シーズンに向けて、こういった(途中)出場の中で結果を残していかないと」と気合を入れ直した。昨季は43試合出場で打率・347をマークした大卒5年目がバットで存在感を示した。

◆八回に4番手として登板した阪神・岡留英貴投手(24)は1回を無失点。先頭の石垣に二塁打を許したが、後続は2つの三振と二ゴロで切り抜けた。これで今季の対外試合は5戦連続の0封だ。「カウントを自分で苦しくしてああいう状態を作ったので反省したい。結果抑えられたのでそこはいいですけど、もっとテンポなど考えて投げていきたい」とさらに高みを目指す。

◆愛知・江南市出身の阪神D5位・石黒佑弥投手(22)=JR西日本=の〝凱旋登板〟は、1回2安打2四球1失点とほろ苦い内容になった。七回から登板し、2死満塁から細川に遊撃への適時内野安打を許した。「結果は良くなかったですけど、課題が見えた。配球面や打者の攻める場所だったり。投球以外での課題を潰していきたい」と成長を誓った。

◆「6番・三塁」で出場した阪神・糸原健斗内野手(31)が一回2死満塁で左前に先制打を放った。「しぶとく打とうとは思っていたので。いい形でヒットになってよかった」。欠場した佐藤輝に代わって、三塁守備もそつなくこなした。代打の切り札に甘んじるつもりはない。シーズンに入ってからも勝負強い打撃で先発出場のチャンスをうかがう。

◆少しほっとした。阪神・大竹耕太郎投手(28)が5回85球を投げ、5安打2失点の粘投。調整遅れの不安を振り払った。「目標だった5イニングを投げることができてよかった」二回は石川昂に左翼席に運ばれ、三回1死三塁では細川に右前適時打を許した。だが、四回は三者凡退に仕留めると、五回も0を刻んで降板した。1月に左肩のガングリオン(良性腫瘍)を除去した影響で、実戦登板は6日の楽天戦(甲子園)で2回1失点だった以来の2度目。岡田監督は「ちょっと、まだボールもいってなかったしな。ストレートな」と語り、次回の登板予定は23日のオリックス戦(京セラ)とした。昨季チームトップの12勝を挙げた左腕は「駄目と思われれば、(2軍で)やり直すし、評価してもらえれば期待に応えるように投げるだけ」と力を込めた。開幕2戦目となる30日の巨人戦(東京ドーム)を見据えながら一歩ずつ進んでいく。(三木建次)

◆39年前(1985年)の日本シリーズ直前のこと。タテジマのセ・リーグ優勝の喜びに浸りながら「日本一は無理やろなぁ」と感じていた。なぜなら、相手が黄金時代の西武だったから。82年、所沢移転後、最初の日本一に輝き、その後も83、86、87、88、90、91、92年と、11年間で8度も日本一になっている。日本プロ野球史上、V9巨人と並ぶ最強チームだ。11年間でリーグ優勝を逃したのはわずか2度。そして、11年間で唯一、日本シリーズで敗れた相手が〝あの年〟の阪神だった。こうして振り返ると、「バース、掛布、岡田」の阪神はホントにすごかったんだ、と改めて感じる。16日、ベルーナドームでは、その最強時代の豪華メンバーが集結して、西武ライオンズ球団初のOB戦が行われた。チーム西武の監督が田淵幸一さん。チームライオンズの監督が東尾修さん。そして、ライオンズの「3番・DH」が、サンケイスポーツ専属評論家でもある土井正博さん。大打者であり、名コーチの土井さんは、参加メンバー最高齢の御年80歳。「走れない。勘弁してほしい、と断ってたんやけど...」どうしても参加してください! この場所にいるだけでいいですから!と懇願されて〝出席〟。しかも、話が違ってスタメン出場。そして一回、魔球シンカーで一世を風靡(ふうび)した潮崎投手から一、二塁間を破った。すごい。ところが、空気を読まない(?)ライト・大友が猛然と一塁送球してライトゴロに。「アウトにならないように走ろうと思ったけれど、走れなかったわ。精いっぱい生きますんで、そのうち何回、優勝を見させていただくか、楽しみにしています」久しぶりに報道陣から取材を受けて楽しそうな土井さん。80歳の〝右前打〟に対して「特別賞」も贈られた。

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
621 0.750
(↓0.107)
-
(-)
32
(-)
27
(+3)
3
(-)
6
(-)
0.285
(↓0.019)
2.930
(↓0.05)
2
(1↑)
日本ハム
525 0.714
(↑0.047)
0.5
(↓1)
46
(+5)
44
(+1)
2
(-)
15
(+1)
0.249
(↑0.004)
3.620
(↑0.24)
3
(-)
ソフトバンク
731 0.700
(↑0.033)
0
(↓1)
37
(+2)
28
(+1)
10
(+1)
8
(+2)
0.237
(↓0.011)
2.570
(↑0.16)
4
(2↓)
西武
421 0.667
(↓0.133)
1
(-)
16
(+1)
16
(+2)
4
(-)
3
(-)
0.224
(↓0.005)
2.360
(↑0.02)
5
(-)
楽天
641 0.600
(↑0.044)
1
(↑1)
36
(+3)
27
(+1)
2
(-)
6
(+1)
0.277
(↓0.002)
2.200
(↑0.13)
6
(1↑)
中日
554 0.500
(↑0.056)
2
(↑1)
35
(+4)
36
(+3)
5
(+2)
5
(-)
0.213
(↑0.006
2.470
(↓0.04)
6
(1↓)
ヤクルト
551 0.500
(↓0.056)
2
(-)
29
(+1)
40
(+3)
4
(+1)
7
(+1)
0.210
(↓0.003)
3.480
(↑0.05)
6
(1↑)
広島
553 0.500
(↑0.056)
2
(↑1)
40
(+3)
40
(+2)
6
(-)
8
(-)
0.218
(↑0.003)
2.340
(↑0.03)
9
(2↓)
巨人
460 0.400
(↓0.044)
3
(-)
35
(+1)
35
(+5)
3
(-)
4
(-)
0.226
(-)
3.280
(↓0.24)
10
(-)
DeNA
354 0.375
(↓0.054)
3
(-)
42
(+2)
31
(+3)
9
(-)
17
(+1)
0.263
(↑0.008)
2.400
(↑0.11)
11
(-)
ロッテ
242 0.333
(↑0.133)
3
(↑1)
23
(+3)
32
(-)
3
(-)
6
(+1)
0.231
(↑0.004)
3.800
(↑0.55)
12
(-)
阪神
1101 0.091
(↓0.009)
6.5
(-)
34
(+3)
49
(+4)
2
(-)
4
(-)
0.215
(↑0.007
3.090
(↓0.12)