中日(0対0)阪神 =オープン戦2回戦(2024.03.15)・バンテリンドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:-
敗戦投手:-
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◆中日は、先発・柳が5回2死までパーフェクトに抑えるなど、6回2安打無失点の好投。シーズン開幕に向け、状態の良さを示した。対する阪神の先発・青柳は、6回4安打無失点。開幕投手に内定している右腕が、順調な仕上がりを披露した。

◆スタメンが発表された。阪神は1番から8番までベストオーダーを組んだ。6番左翼はシェルドン・ノイジー外野手(29)。9番DHに糸原健斗内野手(31)が入った。先発は開幕投手が決まっている青柳晃洋投手(30)。オープン戦開幕から9連敗した阪神は前回13日のロッテ戦(ZOZOマリン)で初勝利。岡田彰布監督(66)はこの中日3連戦からベンチワークを使い、リリーフ起用も状況に応じて変えていくことを明言している。1番中堅 近本2番二塁 中野3番右翼 森下4番一塁 大山5番三塁 佐藤輝6番左翼 ノイジー7番捕手 坂本8番遊撃 木浪9番DH 糸原先発投手 青柳

◆/強肩発動\ノイジーが投手を助ける好返球?プロ野球 (2024/3/15)??オープン戦 中日×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #hanshin"野球一本" 新プラン登場「DAZN BASEBALL」月々2,300円 (年間プラン・月々払い)でプロ野球だけを、このプライスで。 pic.twitter.com/XvdMiwoD1U

◆「6番左翼」で先発した阪神シェルドン・ノイジー外野手(29)が、いきなりファインプレーで先発の青柳晃洋投手(30)をもり立てた。0-0で迎えた2回裏の守備。1死二塁から、6番後藤の打球は左翼フェアゾーンで弾むと、そのままファウルゾーンへ。ノイジーはフェンスに当たった跳ね返ったボールを落ち着いて捕ると、三塁へ矢のような送球。見事に三塁手佐藤輝のグラブに収め、一塁走者の宇佐見を刺した。前川らと続く左翼のレギュラー争い。助っ人がさすがの守備でアピールした。

◆中日藤嶋健人投手(25)が途中降板した。8回から3番手でマウンドに上がったが木浪、ミエセスを打ち取り、小野寺に2球ボールを与えたあとに変調を訴えた。大塚投手コーチ、トレーナーに付き添われベンチに下がった。治療するとのアナウンスが流れたが、直後に梅野と交代。12球で降板した。藤嶋は14日までのオープン戦4試合で4回無失点と好投。今季もリリーフの一翼を期待されており、軽傷を祈るしかない。

◆阪神の開幕投手に決まっている青柳晃洋投手(30)が本領発揮の6回無失点投球を演じた。走者を出してから、らしさが出た。3者凡退で快調に立ち上がると、2回は失策から広がったピンチをしのいだ。3回、4回は走者を出してからゴロを打たせ、5回も1死二塁から2人を完璧に抑え込んだ。

◆阪神はオープン戦11試合目で初の引き分けとなった。先発は開幕投手が決まっている青柳晃洋投手(30)。初回を3者凡退でスタートすると、危なげない投球で6回4安打無失点。4回先頭で迎えた高橋周にこの日初めて四球を与えるも、続く4番中田を139キロツーシームで二ゴロ併殺。持ち味を発揮し、開幕を任された右腕らしい安定した姿を見せた。打線は4回まで中日先発柳に無安打に抑え込まれるも、5回2死からノイジーが四球で出塁。続く坂本が左前打を放ち一、三塁と好機を拡大したが得点にはつながらなかった。6回も先頭の糸原が四球で出塁し、近本が左前打で続いて無死一、二塁とするも、後続が打ち取られた。オープン戦開幕から9連敗した阪神は前回13日のロッテ戦(ZOZOマリン)で初勝利。岡田彰布監督(66)はこの中日3連戦からベンチワークを使い、リリーフ起用も状況に応じて変えていくことを明言していた。

◆阪神はオープン戦11試合目で初の引き分けとなった。オープン戦開幕から9連敗した阪神は前回13日のロッテ戦(ZOZOマリン)で初勝利を挙げたが、オープン戦2年連続の負け越しが決まった。9回に無死一、三塁の好機をつくるも、5番佐藤輝明内野手(25)が空振り三振。阪神岡田彰布監督(66)は「練習でスタンド行っても一緒や言うことやろ」と苦言を呈した。-青柳は引き続き好調そやなあ。6人ぐらい並ぶやろな。左。だいたい、そんなもんやろ。何とかな、左も抑えとったし。-今年はクイックでも乱れないコントロールええいうてるやんか。キャンプからずっと。-このまま調整してもらったら問題ないいやいや、だから、もう1回投げるやんか。それだけのことやんか。開幕いくんやから、今からそんなお前、代えられへん。-今日は球数は少なかったが、来週の京セラは、本番のように行けるところまでいやいや、そこまではいかんいかん。まあ、まだいけとったよ。きょうでも。6回でもなあ。後ろのピッチャーも投げささなアカンからなあ。-7回は島本、加治屋の継投昨日言うたやんか。右、左で変えるいうて。あの順番じゃないよ。そんなん決めてないわけやから。-リリーフもしっかり投げたしっかり投げるいうか。ほんまはシーズンしっかり投げなあかん。今はまだテストやんか。このメンバーで右、左いくっていう。-佐藤輝の状態え? 新聞ですごい書いてるやんか。何本もスタンド入ってっていうて。そういうことやろ。そらお前、もう結果やから見たら分かるやんか。状態なんか。俺が言うより結果見とったらわかるやんか、ええか悪いか。練習でスタンド行っても一緒や言うことやろ、そんなの。-9回は1点取りたかったそら打たなあかんやん(笑い)。前飛んだら1点や。何でもええやん、バット当たったらのう。そういうことやんか。スクイズで1点取りに行く? あっこで。ええ、お前、そんなな。どんな当たりでもバットに当てて前飛んだら何かが起きるけどな。三振は何も起きない。空振りは。それだけのことや。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手が得意のスローイングで青柳を救った。2回1死一塁。後藤の打球が左翼線に飛ぶと、クッションボールをスムーズに処理。迷わずノーカットで三塁に送球し、ぎりぎりで一塁走者をアウトにした。キャンプで右肘の張りを訴えていた左翼の本命が、守備で本領発揮。「自分の仕事なので。今日はよかったね」とうなずいた。

◆阪神近本光司外野手が柳への警戒感を新たにした。5回2死までパーフェクトに抑えられていた難敵に対して、1番打者は6回無死一塁の3打席目に左翼前へ。「柳はシーズン通り投げているわけじゃないし、こっちもシーズン通りに打っているわけじゃない。でも変化球でも直球でもカウントを取れていたので、そうなるとチームとしても苦しくなる」と引き締めていた。

◆阪神加治屋蓮がスクランブル登板した。7回の中日は左打者が3人並ぶ打順。2番手の左腕島本が宇佐見の代打カリステを抑え、続いて代打細川が送られると、すかさず加治屋がマウンドへ。ブルペンも本番を想定して、相手に合わせた起用が始まった。残り2人をきっちり抑えた右腕は「シーズンと一緒の感じで準備した。右は加治屋だと言われるような信頼をしっかり勝ち取りたいです」と語った。

◆阪神左腕の島本浩也投手が右打者との勝負を制した。7回に2番手で登板。代打カリステを2球で追い込み、4球目のフォークを外角低めに制球して空振りさせた。「(2ストライクから)ファウルにされたフォークはちょっと甘かった。ちゃんと1発で抑えられるようにしたい」と反省。右の代打が続いたため、打者1人でお役御免。シーズンさながらの継投だった。

◆開幕投手に内定している阪神青柳晃洋投手(30)が無失点投球で、順調な仕上がりを見せた。中日とのオープン戦(バンテリンドーム)に先発。今季最長6回を投げ、4安打無失点の安定ぶりだ。「全体的に調子は良くなかったですけど、ストライクはしっかり取れた。良かったかなと思います」同じセ・リーグの中日に対し、普段と違った攻め方で勝負。捕手坂本とは毎イニング会話を重ねた。クイックや緩急を使いながら84球。「高低(の投げ分け)が全然」と反省しながらも、淡々とゼロを重ねた。4回1安打無失点と好投した8日ヤクルト戦以来の登板。2月17日の練習試合楽天戦も含め、今季の実戦は3試合11イニングで、無失点を継続している。「無失点でいけたのはいいこと。今日みたいに試合前のピッチングが悪くてもゲームをつくることができたのは1つの収穫」相手の先発オーダーは9人中6人が左打者。シーズン同様、青柳対策を敷かれた中での好投だ。岡田監督も「何とかな、左も抑えとったし」と評価。2年連続の大役へ、日に日に信頼は高まる。次回登板は22日のオリックス戦(京セラドーム大阪)になる見通し。2週間後に迫る開幕まで、残す登板は1試合。限られた時間で、さらに状態を突き詰めていく。「投げ分けもそうですし、カウント作りもそうですし。ヒットにされたボールはコースより中に入ってしまったり、投げミス。そういう確率を減らすという所を、詰めていけたら」本番モードのチーム同様、さらにギアを上げていく。【波部俊之介】

◆阪神森下翔太外野手が守護神マルティネスを捉えた。0-0の9回先頭で抑え右腕マルティネスの高め直球151キロ直球を振り抜き、フェンス直撃の二塁打。得点にこそ結びつかなかったが、5試合連続安打とした。角度よく打球が上がる打席も増え「フォームがだいぶ固まってきている。そこが固まれば安定してアウトの内容も良くなるのでそこだけを重視してやっていきたい」と試行錯誤が形になりつつある。選球眼を含めて自信を深めており、「バッティングの波をなるべく小さくできるようにまずはフォームから見ていきたい」と今後を見据えた。

◆阪神岡田彰布監督(66)が、状態の上がらぬ佐藤輝明内野手(25)に苦言を呈した。両軍無得点で迎えた中日戦(バンテリンドーム)の9回無死一、三塁の絶好機で空振り三振。「三振は何も起きない。空振りは。それだけのことや」とオープン戦打率1割2分8厘に沈む5番打者をばっさり切った。ベストオーダーで臨んだが、引き分けで2年連続のオープン戦負け越しが決定。2週間後のシーズン開幕に向けて、主砲がここから奮起できるか。絶好機を生かせなかった佐藤輝を、岡田監督はばっさり切った。「そら打たなあかんやん。どんな当たりでもバットに当てて、前飛んだら何かが起きるけどな。三振は何も起きない。空振りは。それだけのことや」。0-0で迎えた9回。先頭森下の中越え二塁打と大山の左前打でつくった無死一、三塁の好機。打席に立った佐藤輝は、中日の守護神マルティネスを前に、ファウルで粘りながらも最後は空振り三振。むなしくバットは空を切った。シーズンならば、なにがなんでも1点欲しい展開で、三振では何も起こらない。「前飛んだら1点や。何でもええやん、バット当たったらのう。そういうことやんか。スクイズで1点取りにいく? あそこで」。勝負どころを託した主砲の物足りなさに、苦言を呈した。ここまでオープン戦11試合の出場で39打数5安打、打率1割2分8厘と低空飛行が続く。本塁打は2月23日巨人戦(那覇)を最後に出ていない。14日にバンテリンドームで行われた全体練習で、打撃ケージに入った佐藤輝は、次々にボールをスタンドインさせていた。「新聞ですごい書いてるやんか。何本もスタンド入っていうて」。その姿にも指揮官は皮肉気味にちくりと言った。「状態なんか。俺が言うより結果見とったら分かるやんか、ええか悪いか。練習でスタンド行っても一緒や言うことやろ、そんなの」。開幕まであと2週間。結果で示していくしかない。試合後、9回について問われた佐藤輝は「頑張ります」と言葉少な。この日はベストオーダーで臨んだが、中日柳を前に5回2死まで無安打。その後好機をつくったが、得点はできなかった。打線爆発には、主砲の上昇が不可欠だ。【磯綾乃】

◆中日藤嶋健人投手(25)の開幕1軍に黄信号がともった。阪神戦に8回から3番手で登板したが木浪、ミエセスを打ち取り、小野寺に2球ボールを与えた後で下半身に変調を訴え、梅野と交代した。立浪監督は「ちょっとつったみたい。病院に検査にいく。もしかしたら(時間が)かかるかもしれない」と明かした。藤嶋は昨季チーム最多の56試合に登板し、1勝1敗4セーブ、14ホールド、防御率1・07と勝利パターンの要としてフル回転。今オープン戦も5試合無失点と順調な仕上がりを見せていただけに軽傷を祈るしかない。

◆中日柳裕也投手(29)柳が初の開幕投手へ猛アピールした。主力が並ぶ阪神打線を相手に6回2安打無失点。6回には糸原に先頭四球を与え無死一、二塁のピンチを背負ったが、中野、森下、大山に対し変化球を交え落ち着いて打ち取った。「週末に投げている意味は理解している。いい内容、結果で応えたかった」。3・29開幕ヤクルト戦(神宮)と同じ金曜日のナイターで96球を投げきった右腕は、胸を張った。「セット(ポジション)はもう少し精度が上がればいいかな」と、この日の課題には登板後のブルペン調整を追加。「もっと状態を全然上げていけると思う」と、2週間後の本番を見据えた。16日阪神戦には高橋宏、17日にはメヒアら大役候補がスタンバイ。立浪監督は「開幕、開幕と皆さん気にされるけど、当然ある程度はもう決めている。あえてまだ言いませんけど。今日の柳に関しては非常にいい投球をしてくれた」と、開幕投手に煙幕を張った。【伊東大介】

◆中日アレックス・ディカーソン外野手(33)が腰の張りを訴え、阪神とのオープン戦(バンテリンドーム)を欠場した。16日の同戦は当日の様子をみて判断する。

◆両チームのスタメンが発表され、阪神は青柳晃洋投手(30)が先発する。岡田監督が開幕投手に指名した直後のヤクルト戦(8日、甲子園)で4回無失点と上々の投球を披露した右腕は、登板に向け「打者の反応を見たり使えるボールや配球、カウントの整え方を試せたら」とテーマを掲げた。

◆来日2年目を迎えた阪神のシェルドン・ノイジー外野手(29)が守備で魅せた。0-0の二回。先発の青柳は宇佐見に痛烈な打球を放たれ1死一塁とした(記録は一塁手の失策)。打席には後藤。4球目をうまく左翼線へ運ばれた。クッションボールを素早く処理した左翼・ノイジーは三塁へノーバウンドのストライク送球。一走・宇佐見をタッチアウトに仕留めた。右肘痛の影響もあり、3月上旬から実戦に復帰したノイジーだったが、昨季12球団の外野手で断トツの12補殺をマークした強肩は健在。青柳はなおも2死二塁のピンチで続く村松を空振り三振に仕留め、無失点で切り抜けた。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)が華麗な守備でスタンドを沸かせた。三回2死一塁の場面。三好の放った打球が二遊間を襲うと、横っ飛びで好捕。素早く立ち上がって二塁へと送球し、一走をアウトに仕留めた。中野は二塁にコンバートされた昨季、広島・菊池の10年連続をストップさせ、ゴールデングラブ賞を戴冠。金色のグラブに違わぬ好守備にファンから大きな拍手が送られた。

◆阪神は先制の絶好機を生かせなかった。0-0の六回。先頭の糸原がしぶとく四球をもぎ取ると、1番・近本が左前打でつないで無死一、二塁の好機を作った。しかし、続く中野は初球にセーフティーバントの構えも、左飛に終わって1死。森下は柳の141キロを捉えるも、打球は左翼フェンス手前で失速し、グラブへとおさまった。結局2死一、二塁で大山が打席へ。4番も三ゴロに倒れ、先制機を逃した。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(30)が6回無失点と好投した。一回は三者凡退の立ち上がり。3番・高橋周にはカウント3-0としながらも、最後は143キロ直球で見逃し三振に抑えた。二回2死二塁のピンチでは村松を140キロ直球で空振り三振。三回は大島に中前打を浴びるも後続を断った。四回は先頭の高橋周に四球を与えてしまう。ただ、続く4番・中田は注文通りの内野ゴロで二ゴロ併殺。五回にも1死二塁とピンチも木下拓を一邪飛、辻本を遊ゴロとホームを踏ませなかった。六回も無失点に抑えた青柳は6回4安打無失点。球数も84球と上々だった。2年連続の開幕投手に内定している右腕は順調な仕上がりで大役を見据えた。

◆阪神・岡田彰布監督(66)がシーズンを見据えた本気モードに突入だ。0-0の七回。2番手で登板したのは左腕の島本。中日ベンチは右打者の代打・カリステを送る。島本はカリステを130キロフォークで空振り三振に斬ると、続く後藤にはまたも右打者の代打・細川。ベンチで見つめた虎将は動く。島本に代わって右腕の加治屋を投入。加治屋は141キロフォークで細川を右飛に仕留めた。岡田監督は14日の全体練習で「あした(15日)から右(打者)のときは右ピッチャーにしたり、左が並んだら左のブルペン陣いくよ、あしたからな。それはゲーム、公式戦モードで。作り方もあるやろ、ブルペンでの」と話していた。加治屋は左打者の村松も一ゴロに抑えて無失点リレー。ついに岡田監督がシーズンに向けて采配を見せ始めた。

◆中日4年目の三好が六回、阪神の好投手、青柳から安打を放った。ファウルで粘り、やや甘く入ったスライダーを右前に運んだ。オープン戦は先発出場した9試合で無安打は1試合だけと好調を維持している。レギュラーの岡林が右肩炎症で離脱している間は主に中堅を守り、走攻守でアピールが続く。その岡林は13日に2軍戦で復帰。「外野陣に食い込みたい」と話す26歳はチャンスをつかむべく必死だ。

◆阪神は打線が決定打を放てず、引き分けた。先発した開幕投手の青柳は今季最長の6回を4安打無失点。多彩な変化球を操りながら2度招いた得点圏のピンチも断ち切ってゼロを並べ、2週間後に迫る大役に向けて上々の投球を披露した。その後、島本、加治屋、石井、桐敷の4投手も無失点でつないだ。一方の打線は相手先発の柳に苦戦し、4回までノーヒット。五回に四球と安打で2死一、三塁のチャンスを作ったものの木浪が二ゴロに倒れて無得点に終わり、六回も先頭・糸原の四球と近本の安打で無死一、二塁としたが、中野、森下、大山の上位打線が快音を残せなかった。九回は守護神・マルティネスから森下と大山が連打を放って無死一、三塁の大チャンスを作ったが、佐藤輝が空振り三振。前川は鋭い当たりを放つも一塁へのライナーゲッツーとなり、ホームが遠かった。

◆九回無死一、三塁で空振り三振に倒れた阪神・佐藤輝明=バンテリンドームナゴヤ(撮影・安部光翁)

◆阪神がスコアレスドロー。7試合を残して1勝9敗1分となり、OP戦負け越しが決まった。開幕投手の青柳晃洋投手(30)は6回84球で4安打無失点。岡田彰布監督(66)は七回1死で、中日が右打者を代打に送ると、島本浩也投手(31)から加治屋蓮投手(32)にスイッチするなど、本番モードの采配を見せた。攻撃では九回に無死一、三塁の好機を作ったが、佐藤輝明内野手(25)が空振り三振、前川右京外野手(20)が一直併殺に倒れた。指揮官の主な一問一答は以下の通り。ーー青柳は引き続き好調「そやなあ。6人ぐらい並ぶやろな。左。大体、そんなもんやろ。何とかな、左も抑えとったし」ーー今年はクイックでも乱れない「コントロールええ言うてるやんか。キャンプからずっと」ーーこのまま調整すれば問題ない「いやいや、だから、もう一回投げるやんか。それだけのことやんか。開幕行くんやから、今からそんなお前、変えられへん」ーー球数は少なかった22日のオリックス戦は、本番のように行けるところまで「いやいや、そこまでは行かん行かん。まあ、まだ行けとったよ。今日でも。6回でもな。後ろのピッチャーも投げささなアカンからなあ」ーー七回の島本から加治屋の継投は「昨日言うたやんか。右、左で代える言うて。あの順番じゃないよ。そんなん決めてないわけやから」ーーリリーフもしっかり投げた「しっかり投げるいうか。ホンマはシーズンしっかり投げなアカン。今はまだテストやんか。このメンバーで右、左行くっていう」ーー佐藤輝の状態「え? 新聞ですごい書いてるやんか。何本もスタンド入ってっていうて。そういうことやろ。そらお前、もう結果やから見たら分かるやんか。状態なんか。俺が言うより、結果見とったらわかるやんか、ええか悪いか。練習でスタンド行っても一緒や言うことやろ、そんなの」ーー九回は1点取りたかった「そら打たなアカンんやん。前飛んだら1点や。何でもええやん、バット当たったらのう。そういうことやんか。スクイズで1点取りに行く? あっこで。ええ、お前、そんなな。どんな当たりでも、バットに当てて前飛んだら何かが起きるけどな。三振は何も起きない。空振りは。それだけのことや」

◆阪神がスコアレスドロー。開幕投手の青柳晃洋投手(30)は6回84球で4安打無失点。九回に無死一、三塁の好機を作ったが、佐藤輝明内野手(25)が空振り三振、前川右京外野手(20)が一直併殺に倒れた。主な選手のコメントは以下の通り。九回、空振り三振の佐藤輝明 「何とか前に飛ばしたかったですけど...」九回先頭で二塁打の森下翔太 「バッティングの波は絶対あると思うので、小さくできるように、フォームから見ていきたいなと思います」中日先発・柳の感想問われた近本光司 「変化球も真っすぐもカウント取れていたので、そうなって来たらチームとしては苦しいなとは思いました」二回、左前打を処理後、一走の三進を阻止したシェルドン・ノイジー 「「自分の仕事なので」スタメンで6人の左打者を並べた中日打線に青柳晃洋 「僕とやる時はそうなんで。あまり気にはしてないですね」

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(58)は阪神・青柳晃洋投手(30)の六回の投球にスポットライトを当てた。青柳の投球で印象的だったのは六回だ。青柳自身が感覚を確認しておきたかったのか、坂本の配球なのか、五回までよりも明らかにスライダーの割合が増えたイニングだった。この回に対戦した4人への初球はいずれもこの球種だった。最後の中田には3球続け、最後は分かっていても打てない自慢のツーシームを選択。横の変化を意識させて遊ゴロに仕留め、手応えを残す対戦だったと思う。まだ引っかける場面もあり、完成はしていないように見える。開幕に向けて、より精度を高めていってほしい。開幕投手はエース級とのマッチアップが続いていく。中日・柳は内容も良かったし、簡単に失点を許す投球ではなかった。青柳にとっては相手先発が好投すると思って投げることは大事なことだ。打線で心配なのは佐藤輝。インハイとフォークを投げられて抑えられるのは毎年苦しんでいる時のやられ方だ。どちらかを見逃すことができれば甘い球がくる確率は上がる。そういった工夫や我慢が求められる。

◆中野が昨季のゴールデングラブ賞に違わぬ美技を見せた。三回2死一塁。三好の中堅へと抜けそうな打球を横っ飛びでキャッチし、素早く二塁へ送球。好プレーに「守備から入る人間。守備のミスは絶対にやってはいけない」とうなずいた。打撃は4打数無安打で4試合連続の快音なし。「いまは打撃の状態もあまりよくない。なおさら守備は丁寧にと意識してやっています」と振り返った。

◆1球ごとに微調整し、最後は照準をぴったり合わせてバットを伸ばした。六回、阪神・近本が中日の先発・柳から5試合連続安打とする左前打。打席内の工夫を存分に見せ、最後は結果につなげた。「タイミングがストレートにちゃんと合わせられていなかったので、ストレートをしっかり見て、追い込まれてから対応しようと思っていた」最初の2打席を変化球のみで打ち取られ、無死一塁で迎えた六回の第3打席。直球2球で追い込まれてからファウルで粘った。間を取ってタイミングを変え、バットをぐっと握り直し、1球ごとに球筋やコースを確認。「ファウルにした球がどうだったか、キャッチャーと審判に聞いて」。修正をかけ、最後は外角高めの141キロ直球を左前に運んだ。内容の濃い打席で、自ら見いだした課題をきっちり消化した。これでオープン戦は5試合連続安打とし、打率は全体2位の・355(31打数11安打)、ここ5戦に限ってみれば・500(14打数7安打)と申し分ない結果がついてきている。13日の試合後「(数字があるから)自分がやりたいことをやれる」と話していたように、この日も充実の打席を送った。3打席相対した柳については「シーズン通り投げていなかったので。こっちもシーズン通り打っているわけじゃないから」とまだまだ〝探り合い〟の段階を強調したが、6回無失点と好投を許した相手について、開幕後の対戦を見据えたイメージも語った。「きょうは変化球も真っすぐもカウントが取れていた。そうなってきたらチームとしては苦しいなとは思いました」虎のリードオフマンにとっては、ちょうど調整から本気モードへの途上と言うべきか。試行錯誤を重ねながら、29日の開幕に合わせていく。(邨田直人)

◆島本は七回に登板し、1死を取って役目を終えた。カリステに対し、追い込んでからフォークを続けて空振り三振斬り。続く後藤に代打・細川が送られたところで交代を告げられた。「フォークもファウルを打たれたところはちょっと甘かった。そこは修正したい」と反省を忘れず。オープン戦は3試合連続無失点と結果を残している。

◆この日最大の盛り上がりをみせた虎党の歓声と期待が、一気にしぼんだ。両チーム無得点のままで迎えた九回のチャンスで阪神・佐藤輝のバットが空を切る。〝何も起こらずに〟アウトカウントが1つ増え、最後はスコアレスドロー決着。本気モードで試合に臨んだ岡田監督は、〝マジ怒り〟で左の大砲の尻をたたいた。「そら打たなあかんやん。前飛んだら1点や。何でもええやん、バット当たったらのう。スクイズで1点取りにいく? あっこで。ええ、お前、そんなな。どんな当たりでもバットに当てて前飛んだら何かが起きるけどな。三振は何も起きない。空振りは。それだけのことや」静かな口調の端々に、沸々と煮えたぎるマグマのような感情がにじんだ。0-0の九回。竜の守護神、マルティネスの直球を捉えて先頭の森下が中越え二塁打、続く大山が左前打で続く。無死一、三塁、絶好の先制機。お膳立てはしてもらった。あとはランナーをかえすだけ。だが、佐藤輝はカウント1-1から直球、直球、スプリットの3球をファウルで捉えきれず、最後は高め152キロで空振り三振に倒れ、「何とか前に飛ばしたかった」と唇をかんだ。14日にバンテリンドームで行った打撃練習では計49スイングで柵越え7本を放ち、打撃爆発への期待感は高まっていたが...。この日は4タコで、オープン戦11試合で打率・128、1本塁打、4打点と低空飛行が続く。バースデータイムリーを放った13日のロッテ戦(ZOZOマリン)後、虎将は「いや分からへんで、そら開幕はお前、おーん」と開幕スタメン確定ではないと強調していた。挑戦者の立場だからこそ、ここぞの場面で奮起してほしかった。

◆状態も打球も〝上り調子〟だ。阪神・森下が竜の守護神から快音を響かせ、胸を張った。「いい形で振れていた。シーズンでは配球も変わってくると思うので、きょうの結果を踏まえてやっていきたい」九回先頭の第4打席。バットを立たせた構えからマルティネスの151キロを振り抜いた。角度のついた打球は中堅フェンスを直撃する二塁打。3日の日本ハム戦(札幌ドーム)から出場5試合連続安打と止まらない。「徐々にいい角度の打球も出ている。プラスして選球眼は、ずっと実戦でかなりできているので変えずに。打撃の波をなるべく小さくできるように、まずはフォームから見ていきたい」試行錯誤の成果は確実に出ている。このまま開幕まで、調子も打球も上げていく。(原田遼太郎)

◆状態が良くなくてもゼロを並べられるのが、本気モードの開幕投手だ。阪神・青柳は今季最長の6回84球を投げて4安打無失点。得点を許さなかったことを自画自賛した。「全体的に調子はよくなかった。試合前のピッチングが悪くてもゲームを作ることができたのは、ひとつの収穫だと思います」一回、打者3人を9球で料理。課題の立ち上がりを省エネ投球で乗り切ると〝らしさ〟が出たのは四回だ。先頭の高橋周に四球を与えたが、中日に新加入した4番・中田を外角のツーシームで詰まらせ、二ゴロ併殺に打ち取った。中田とは3度対戦し、ヒットは許さなかった。

◆七回1死で島本からバトンを受けた加治屋は打者2人を封じた。「この名古屋からどういう形でいくというのは決まっていなかった。シーズンと同じような感じで準備した」。代打・細川を右飛、村松は1球で一ゴロに抑えて好リリーフ。51試合登板で16ホールドと活躍した昨季に続き、今季も結果を残すために「『右は加治屋だ』と言われるような信頼をしっかりと勝ち取りたい」と鼻息を荒くした。

◆ノイジーが昨季、外野手で12球団トップの12補殺をマークした自慢の強肩で青柳を救った。二回1死一塁。後藤の打球は左翼線を破り、一走・宇佐見は三塁を狙う。クッションボールを処理した助っ人は、ノーバウンド送球でタッチアウトに仕留め、「あれが自分の仕事」とクールに振り返った。右肘痛の影響で出遅れ、9日のヤクルト戦(甲子園)では記録に残らない送球ミスもあったが、「きょうはよかったよ」と笑顔だった。

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
611 0.857
(↑0.024)
-
(-)
32
(+7)
24
(+6)
3
(+2)
6
(-)
0.304
(↑0.012)
2.880
(↓0.31)
2
(-)
西武
411 0.800
(↑0.05)
1
(-)
15
(+4)
14
(+1)
4
(+1)
3
(-)
0.229
(↑0.003)
2.380
(↑0.28)
3
(1↓)
ソフトバンク
631 0.667
(↓0.083)
1
(↓1)
35
(+1)
27
(+4)
9
(-)
6
(-)
0.248
(↓0.007)
2.730
(↓0.14)
3
(1↑)
日本ハム
425 0.667
(-)
1.5
(↓0.5)
41
(-)
43
(-)
2
(-)
14
(-)
0.245
(-)
3.860
(-)
5
(-)
ヤクルト
541 0.556
(-)
2
(↓0.5)
28
(-)
37
(-)
3
(-)
6
(-)
0.213
(-)
3.530
(-)
5
(1↑)
楽天
541 0.556
(↑0.056)
2
(-)
33
(+3)
26
(-)
2
(+1)
5
(+1)
0.279
(↓0.007)
2.330
(↑0.26)
7
(1↑)
巨人
450 0.444
(-)
3
(↓0.5)
34
(-)
30
(-)
3
(-)
4
(-)
0.226
(-)
3.040
(-)
7
(1↑)
中日
454 0.444
(-)
3
(↓0.5)
31
(-)
33
(-)
3
(-)
5
(-)
0.207
(↓0.002)
2.430
(↑0.2)
7
(1↑)
広島
453 0.444
(-)
3
(↓0.5)
37
(-)
38
(-)
6
(-)
8
(-)
0.215
(-)
2.370
(-)
10
(4↓)
DeNA
344 0.429
(↓0.071)
3
(↓1)
40
(-)
28
(+3)
9
(-)
16
(+1)
0.255
(↓0.005)
2.510
(↑0.05)
11
(-)
ロッテ
142 0.200
(↓0.05)
4
(↓1)
20
(+6)
32
(+7)
3
(+2)
5
(+1)
0.227
(↑0.016)
4.350
(↓0.44)
12
(-)
阪神
191 0.100
(-)
6.5
(↓0.5)
31
(-)
45
(-)
2
(-)
4
(+1)
0.208
(↓0.007)
2.970
(↑0.31)