阪神(★2対5☆)ヤクルト =オープン戦3回戦(2024.03.09)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:石山 泰稚(1勝1敗0S)
(セーブ:星 知弥(0勝0敗1S))
敗戦投手:岩貞 祐太(0勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】内山 壮真(1号・2回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神は、前川が適時二塁打を放つなどマルチヒットを記録。守備でも好プレーを見せ、首脳陣へのアピールに成功した。一方のヤクルトは、新加入の北村拓が適時打を含む2安打2打点をマーク。開幕スタメンを目指し、バットで存在感を示した。

◆阪神がスタメンを発表した。ここまでオープン戦球団ワースト7連敗と苦しんでいるが、前日2桁安打の好調打線で今日こそ初勝利する。打線は右肘痛で春季キャンプ途中から別メニュー調整だったシェルドン・ノイジー外野手(29)が「6番左翼」で先発。オープン戦で初めて守備に就く。また、8日のヤクルト戦(甲子園)で失策した前川右京外野手(20)と小幡竜平内野手(23)はそれぞれ「7番右翼」と「8番遊撃」で出場する。先発は富田蓮投手(22)。先発予定だった才木が6日に発熱し、登板を回避。3日の教育リーグ広島戦(由宇)以来の先発でアピールする。

◆愛称「ペコちゃん」のヤクルト新外国人ミゲル・ヤフーレ投手(25=ジャイアンツ3A)が、大好きなドラゴンボール愛を語った。前日8日に「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」などの作品で世界的な人気を誇った、漫画家の鳥山明さんが急性硬膜下血腫で1日に急逝したことが発表された。68歳だった。ベネズエラ出身の右腕もそのニュースを知り「ずっと小さい頃から見てきた漫画だったので、昨日のニュースを知ってすごく、悲しいですし、本当に残念です」と言った。大好きなキャラクターは孫悟空。「漫画の中でもすごく自分自身が強くなろうとして、努力してるところがすごく見てて好きになれたのと、あんまり孫悟空には敵がいないじゃないですか。そういうキャラクターっていうか、性格がすごい好き」と海を越えて、世界中で愛される作品のファンの1人。10日オリックスとのオープン戦(京セラドーム)に先発する。前回登板の3日中日戦(バンテリンドーム)は2回3安打1失点。「前回同様にストライク先行で、あとはどういう風に日本のバッターが自分の球に反応しているかってところを体感してやっていきたい」。かめはめ波は出せそう? という質問には「ノーチャンス!」と豪快に笑い飛ばした。自慢の"元気球"をぶち込む。

◆甲子園に雪が舞った。2回裏の阪神の攻撃中、突如雪が降り始めた。3月に入っても厳しい寒波が続いており、この日は気温10℃を下回る寒空。X(旧ツイッター)でも「甲子園雪」がトレンド入りしていた。ネットでは雪ではなく「あられ降ってる」という声もあった。

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◆阪神富田蓮投手(22)は先発で4回4安打2失点に終わった。先発予定だった才木が発熱で6日の練習を欠席。大事を取ってこの日の先発を回避し、回ってきたチャンスだった。初回は危なげなく3者凡退に仕留めたが、2回1死から5番内山に先制ソロを被弾。3回には2四球でピンチを招くと、2番北村の左前適時打で2点目を献上した。4回で83球を投げ、マウンドを降りた。沖縄キャンプでは1軍スタートも2月11日の紅白戦で2回3失点を喫し、次クールから2軍合流。岡田監督の前での投球はその日以来だった。

◆阪神前川右京外野手(20)がトリックプレーで追加点を防いだ。2点ビハインドの4回、1死二、三塁で8番松本直のライナー性の打球が右翼へ。この日「7番右翼」で先発出場の前川は直接捕球と見せかけ、打球を前に落としキャッチ。三塁走者の内山は一度三塁に戻りかけて滑り、打球が落ちたことを確認して再び本塁へ。だが、本塁タッチアウト。3点目は許さなかった。「ノーバンで無理かなと思ったので、フェイントやって、カットまでつなげられた。落ち着いてできたのでよかったかなと思います」と瞬時の判断が功を奏した。前日8日のヤクルト戦(甲子園)では8回、右翼ファウルゾーンへの飛球を落球。小幡竜平内野手(23)の適時失策なども絡み、1イニング4失策で6失点し逆転負けを喫していた。「昨日、本当にチームにも悪いことをしてしまった。ちゃんと1日1日、チームのために貢献できるようなプレーをこれからもしたい」と反省を忘れなかった。バットでも2安打で貢献した。4回裏1死一、二塁で右翼へ適時二塁打。9回にも右前打を放ち、攻守で甲子園を沸かせた。

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◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(29)が、軽快な守備で周囲を安心させた。「6番左翼」で先発。キャンプ中に発症した右肘痛の影響で、ここまではDHでの起用が続いており、今試合が今春初の左翼守備となった。5回は"背走キャッチ3連発"でわかせた。まずは浜田の左飛を無難にキャッチ。続く北村拓の当たりは後方への強い打球だったが瞬時に反応。最後は軽くジャンプしてつかんだ。塩見の当たりも左翼後方の当たり。素早く落下地点に入り、3つのアウトをつかんだ。2回の第2打席ではオープン戦初安打となる左前打を放っていた。来日2年目の助っ人が、徐々に状態を上げてきた。

◆阪神の新外国人ハビー・ゲラ投手(28=レイズ)が"カット魔神"と化した。6回から3番手で登板。先頭の武岡を142キロカットボールで空振り三振。続く内山を140キロカットボールで遊ゴロ。最後は長岡を甲子園自身最速となる156キロ直球で空振り三振に仕留めた。12球のうち、半数以上の7球がカットボールだった。これでオープン戦は3試合連続無失点。寒空の甲子園で、再び実力を証明してみせた。

◆ヤクルト内山壮真捕手(21)が、オープン戦1号を放った。0-0の2回1死。阪神先発の富田の真ん中高め141キロ直球を左翼ポール際へ運んだ。「甘い球でしたがしっかり一発で仕留めることができました」とコメントした。この日は、指名打者で先発出場。小柄ながら、持ち前のパワーを見せつけた。

◆ヤクルト内山壮真捕手(21)が、オープン戦1号を放った。0-0の2回1死走者なし。阪神先発の富田の真ん中高め141キロ直球を左翼ポール際へ運んだ。「甘い球でしたがしっかり一発で仕留めることが出来ました」とコメントした。この日は、指名打者で先発出場。小柄ながら、持ち前のパワーを見せつけた。

◆阪神岩貞祐太投手(32)が、勝ち越しを許した。2-2で同点の7回に登板。四球と自らの失策で無死満塁とすると、浜田への押し出し死球、さらに犠飛や適時打を許し3失点。3点ビハインドをつくり、マウンドを降りた。チームは今試合で敗れれば、オープン戦では50年の2リーグ分立後、球団ワースト記録の開幕8連敗となる。

◆阪神がオープン戦の球団ワースト記録を更新する開幕8連敗を喫した。14年のオープン戦では初戦に引き分けてから7連敗を喫していたが、これを超えた。前年のリーグ優勝チームがオープン戦開幕8連敗は、オープン戦の記録が残る65年以降では初の珍事。この日は今春初めてアルプス席が開放され、今季最多3万162人の観衆が入ったゲーム。気温10℃を下回る寒空のもと観戦した虎党から、ため息がもれた。先発の富田蓮投手(22)は4回2失点。初回の立ち上がりこそ3者凡退で発進したが、2回はヤクルト内山にソロ本塁打を浴びた。4安打3四球ながらピンチで粘り、試合をつくった。打線は4回に前川右京外野手(20)の適時二塁打で反撃。小幡竜平内野手(23)の犠飛で同点に追いついた。前日8日に大量失点の要因となる失策を犯していた若武者が、汚名返上とばかりに躍動した。ドラフト2位の椎葉剛投手(21=四国IL・徳島)が5回から登板し、プロ初の連投で1イニング無失点。新助っ人のハビー・ゲラ投手(28=レイズ)が6回に投げ3者凡退の無失点に抑えるなど、各投手も調整に励んだ。4番手の岩貞祐太投手(32)が乱調だった。7回から登板。四球と自らの失策で無死満塁とすると、浜田に押し出し死球で失点。北村拓には犠飛を許し、育成の岩田には適時打を浴びた。3失点でビハインドを許し、反撃できなかった。

◆阪神がオープン戦の球団ワースト記録を更新する開幕8連敗を喫した。14年のオープン戦では初戦に引き分けてから7連敗を喫していたが、これを超えた。前年のリーグ優勝チームがオープン戦開幕8連敗は、オープン戦の記録が残る65年以降では初の珍事となった。岡田彰布監督(66)は8四球を与えた投手陣を嘆いた。試合後の一問一答は以下の通り。-前川は昨日のミスもあり期するものが「それは分からんよ、そんなん聞いてないけど。いやいや、別に昨日関係なしで普通にライト守らせただけや。昨日のことなんか何にも関係ないよ」-ノイジーも初めて守備に「今日からやな。だからちょっと5回くらいまで守らそうと思ったけどな。まあ、徐々にな」-レフトフライも3回連続で「おーん」-心配なく「それは心配してないよ。そんなんお前。まだまだこれから守備つくんやから」-左翼のレギュラー争いはリードか「いやいや、そんなことないよ。まだ今日1日だけやんか。なんでそんな」-スタメン捕手の藤田は先発が富田だから「そうそう。坂本ばっかりいかれへんからな。まあ後ろのな、あれはゲラとかは坂本に受けさせとかなあかんけど」-ゲラは投げる度にいい「だから他のピッチャーがフォアボールバンバン出してるのにな、そういうことやんか。それはお前、寒い、いうても相手ピッチャーも一緒の条件で投げとるわけやからな。出てきてフォアボール、フォアボールはお前なあ。先頭フォアボールでなあ、それは」-昨季は四球の少なさが投手陣の成績に直結していた「そら、フォアボールの数やで。そんなもんは。ヒットと一緒やからなあ。ましてや先頭へのフォアボールなんか、そらお前、絶対に点になるよ。そら。終盤とかになるとな」-岩貞は心配か「心配って、全然、投げてないんやから」-四球が明暗を分けることは投手陣も分かっている「いやいや、分かってるっていうても、良くないやろ? ブルペンで良くないピッチャーは全然あかんやんか。だからそのブルペンのままが出ているよな。それだけのことや。今、こうやって見極めて、段々落としていかなあかんわけやから、それだけのことやで。今はそういう時期やんか。こんないっぱい中継ぎピッチャーを抱えられへんわけやから。俺らがキャンプからブルペンを見て思っているのと、このゲームでテストをしてるのと、やっぱり一緒の結果が出ているやんか。俺はそれだけよ。だから、ピッチャーはブルペンのボールを見たら、ある程度判断できるよ。ずっと言うてるやん。だから、俺が言うてる目が正しかったなって思うよ。はっきり言うて。だって、ええやつはええ結果が出る、悪いやつは結果が出ないってはっきりしているわけやからな」-ゲラは制球面で崩れる心配がない。「だってブルペンでも崩れへんもん。あのフリーバッティングでも、1カ所で投げたときでも高いボールいけへんもん。それ言うたやん、あのときでも。キャンプ中に。ボールなっても低い球しかいかんっていうかな、低めに。それをずっと、ゲームの中でもそういう感じで投げてるわけやからさ。思ってる通りのピッチングしてくれてるわけやもんな、結局は」-先発の富田は「いやいや、今日は才木やったんやからな。そんなん熱出て投げられへんてお前、富田にしてもチャンスかも分からんけど、ちょっとかわいそうな面もあったしな、おーん。そら、しゃあないやん、そんなのお前。才木に文句言いたいねん(笑い)。投げられへんねんから、お前。この時期に普通やったら投げさせへんやんか。普通やったら才木やったからなあ。熱で投げられへんわけやから。急きょな、富田。そらまあ、富田もええボール初回投げとったけど、やっぱ変化球でな、ストライク取れるとかな、そういうのが球種も含めてやけどな、おーん。短いイニングやったらいけそうな感じはするけどな、やっぱ長なると、今日でもやっぱり、球数増えてきたらガクッと落ちるもんな、ストレートでもな。キャッチャーもな、初回に比べたら全然ボールがきてないようなったら変化球要求するけど、その変化球がやっぱストライク入らんていうな、おーん、そうなってくるよな、やっぱりな」-使い方次第で戦力に「いや、なるなる。今日のボール見とったら俺はなると思うよ。短いイニングやったらいけるんちゃうかなと思たよ、それは」-去年1軍で先発した時はテンポが悪いと言っていたが変化は「いやだいぶ、そら変わってる変わってる。そらお前、エスコンではものすごい長かったやん。みんなボール取られるでアメリカやったら。1球1球お前(笑い)」-富田はロングリリーフの可能性も「いやいや、そんなロングは、中のロングは考えてないよ。それは誰かが調子悪なったりしたらな。タイプ的にな、いけるかもわからんけど、ロングいうても、今日の見とっても、ロングはちょっとしんどいんちゃうかな。球数増えてくると」-リリーフは右と左4人ずつの構想もあったが「いやいや、まだそれはわからんな。5・3になるかもわからんで。8人やからな。そらな、3、4人は削らなあかんわけやからな」-彼らの見極めは開幕前まで「いやもう、見極めなんて、そんなつれていけへんよ、いけへんいけへん、そんなん」-椎葉は「今日なんか全然やったな、腕振れんとな。どっか故障してるかなと思ったよ、今日は」-レフトへ良い当たりされてた「いやいや、あんだけ腕振れんかったらな、そらええ当たりされるよ、それはな。たまたまアウトにしただけやろ、今日は、椎葉は」-真っすぐが上がってこない「上がってこんな。今日は全然腕振れてないもんな。真っすぐも腕振れてないし。なんかあったんかなと思ったよ、今日。見とって。たまたま抑えただけやろ、今日なんかな。あんなええ打球打たれてな」-下で梅野がキャッチボール再開、どれくらいで実戦か「実戦て、そら開幕からいくつもりでおるよ。なんでそれ」。-OP戦もどれくらいから「いやいや、それはもう、バッティングしているわけやからな、投げられるようになったらこっちに呼ぶよ。昨日もちょっとな、検査とかもしとったみたいやけど。それである程度、良くなっているっていうので安心したんやろ。本人もな。それでまた悪くなってると言われたらあれやけど、そういう報告受けてるから。キャッチボール再開するみたいなことも言うてたからな」-勝敗は関係ないが、明日は満員。勝利も見せたいのでは「いやいや、勝利って。オープン戦やんか。そら勝ったらええけど、バントされても無防備やしな、まだ。そんなん向こうは一、二塁とかなったら、あのメンバーならバントとかしてくるけど、別にさせといたらええやって、こっちは何にもな。サインないから、シフトも敷かれへんやん」

◆阪神岡田彰布監督(66)が先発した富田蓮投手(22)の中継ぎ配置プランを示唆した。初回は3者凡退の全く危なげない投球を見せたが、2回以降に失点。4回4安打2失点で降板した。指揮官は「ええボール初回投げとったけど、やっぱ変化球でストライク取れるとか、そういうのが球種も含めてやけどな。今日でもやっぱり、球数増えてきたらガクッと落ちるもんな、ストレートでもな」と内容についてコメント。昨季は中継ぎとして開幕1軍スタートし、5月に先発転向した左腕。今後の起用法については「今日のボール見とったら俺は(戦力に)なると思うよ。短いイニングやったらいけるんちゃうかなと思たよ」と再びリリーフとして配置するプランも示唆した。

◆小さな三刀流が、慣れ親しんだ聖地でかっ飛ばした。0-0の2回1死。ヤクルト内山壮真捕手(21)が、左腕・富田の真ん中高め141キロ直球を左翼ポール際へ放り込んだ。甲子園は、星稜(石川)時代に1年夏から3季連続で出場。遊撃手として出場した2年夏には仙台育英との準々決勝で2打席連続本塁打と相性の良さを示してきたが、プロでは初の甲子園アーチ。思い入れのある球場? 「もうなくなりました...。いや、すみません、あります(笑い)」と充実感からなのか、ちゃめっ気たっぷりだった。捕手に加え、外野手、三塁にも挑戦する4年目。昨季は「7番右翼」で、プロ初の開幕スタメンを勝ち取った。今季の開幕戦・29日中日戦(神宮)に向けて「今はライトでレギュラー争いだと思っているので、そこにしっかり開幕までに合わせて、開幕スタメンで今年も出られるようにと思ってやっています」。24年も、スタートは譲れない。大きなライバルを下からまくる。右翼手の候補は公称181センチの西川、175センチの青木、177センチの浜田ら。172センチの内山にとって、身長もキャリアも上の面々との争い。オフから体重増加をテーマに掲げ、間食を増やし、おにぎり、バナナをもぐもぐ。筋トレも継続し、約2キロ増の77、78キロをキープ。小柄ながらパンチ力を発揮する。高津監督は「彼を外野で使おうと思ってるわけですから。(青木)ノリも、今日出た浜ちゃんもみんな競争してくれたらこちらとしてはうれしい」と期待した。小さくまとまらず、大きな1発をかましていく。【栗田尚樹】

◆ヤクルトの外野手争いは、中堅・塩見泰隆外野手、左翼・ドミンゴ・サンタナ外野手の2つのポジションは、頭一つ抜けている状況。残り1枠の右翼を前楽天の西川遥輝外野手、ベテラン青木宣親外野手、1発のある浜田太貴外野手、前ソフトバンクの増田珠内野手、内山壮真捕手が争っている状況。特に西川はキャンプから好調を維持し、オープン戦で打率3割5分7厘。1番打者として存在感を示す。内山も、前日8日に代打から適時打を放つなど各打者がアピールを続けている。

◆阪神富田蓮投手(22)が4回2失点と粘った。当初先発予定だった才木が発熱したため回ってきた機会。初回は3者凡退も、その後は内山にソロを浴びるなど無失点とはならなかった。岡田監督は「チャンスかも分からんけど、ちょっとかわいそうな面もあったしな。しゃあないやん。才木に文句言いたいねん(笑い)」とかばい、今後は中継ぎ起用も示唆。2年目左腕は「(ボールの)強さで押していけたらもっと楽になる」と前を向いた。

◆阪神の守護神候補でもある新助っ人ハビー・ゲラ投手(28=レイズ)が不変の安定感を見せた。9日ヤクルト戦(甲子園)は6回に登板。最速156キロを計測した直球に勝負球スライダーを織り交ぜ、2奪三振でピシャリと3人斬りした。計9四死球と制球難が目立った投手陣の中、この日のストライク率は75%。2度目となった甲子園での登板にも「前回よりも、もちろん慣れた部分もある。回数を重ねるごとに慣れてくると思うし、いろんな球場でも早く慣れていきたいね」と頼もしい。オープン戦は3戦連続無失点。岡田監督も「ブルペンでも崩れへんもん。ボールなっても低い球しかいかんっていうかな、低めに。それをずっと、ゲームの中でもそういう感じで投げてるわけやからさ。思ってる通りのピッチングしてくれてるわけやもんな、結局は」と信頼感をにじませた。

◆前日2失策の阪神小幡竜平内野手(23)が汚名返上の犠飛を放った。「8番遊撃」で先発。4回1死二、三塁では一時同点となる中犠飛を決めた。8日ヤクルト戦では8回に自身の悪送球と後逸が絡み、1イニング4失策6失点から逆転負けを喫していた。この日は初回に遊ゴロを冷静にさばくと、その後は安定した守備を披露。「良いイメージでいきました。スタメンで初めから行かせてもらったので良かったです」と起用に感謝した。

◆阪神岩貞祐太投手(32)が3四死球も絡んで1回3失点と崩れた。ヤクルト戦で同点の7回に登板。2四球に自身の悪送球もあり、無死満塁を招いた。押し出し死球で勝ち越し点を献上すると、その後も左犠飛、中前適時打を浴びて敗戦投手となった。試合後は厳しい表情で「もう1回、1から作っていかなければ、だいぶ厳しいかなと思います」と覚悟をにじませた。

◆腰の張りを訴えていた阪神島本浩也投手(31)が、復帰戦で1回無失点と踏ん張った。ヤクルト戦で9回に登板。患部の違和感を訴えた2月24日ヤクルト戦(浦添)以来のマウンドだ。四球と右前打で1死一、二塁を招いたが、空振り三振と二ゴロでゼロ封。それでも「真っすぐの状態がなかなか(上がっていない)。変化球は問題ないんですけど、真っすぐの強さをもっと上げていかないといけない」と課題を口にした。

◆阪神ドラフト2位椎葉剛投手(21=四国IL・徳島)がプロ初の連投に臨み、打球を捉えられながらも1イニングを無失点で切り抜けた。ヤクルト戦の5回に登板。鋭い当たりを飛ばされながらノイジーの好捕もあり、3つの左飛で3者凡退に抑えた。それでも「真っすぐが走らないです」と悔しげ。岡田監督の採点も「今日は全然腕振れてないもんな。なんかあったんかなと思ったよ。たまたま抑えただけやろ、今日なんかな。あんなええ打球打たれてな」と厳しかった。

◆阪神大山悠輔内野手が2安打で順調な調整ぶりを印象づけた。2回先頭でヤクルト吉村の145キロ高めの直球を振り抜き、左中間最深部に落ちる二塁打で出塁。続く5番佐藤輝の左中間寄りの中飛で迷わずスタートを切り、間一髪で三塁を陥れた。4回にも左前打を放ち、走攻守にスキなし。それでも「まだまだ反省してやることが多いと思うので、しっかりやるだけです」と気を引き締めた。

◆高卒5年目の阪神藤田健斗捕手(22)がオープン戦初スタメン初安打を決めた。3回にヤクルト吉村の147キロ直球をを中前にはじき返した。捕手でも同学年の富田と椎葉をリード。「連敗していたので自分がチームにいい勢いを持っていけるようにという感じで入りました。全部でアピールしていかないといけないので、1球1球食らいついてやっていけたら」とアピールを続ける。

◆阪神左翼バトルは一騎打ちの様相を呈してきた。有力候補のシェルドン・ノイジー外野手(29)は春季キャンプ中に発症した右肘痛が回復し、今春初めて左翼で先発。1安打と背走キャッチ3連発で問題なしを強調した。一方、対抗の前川右京外野手(20)も2安打1打点に加え、右翼守備でもトリックプレーを決めるなど攻守にアピールした。開幕左翼争いでは昨季133試合出場のノイジーがリードしているとみられるが、岡田監督は「そんなことないよ。まだ今日1日だけやんか」と確定は先送りした。競争はさらに激化しそうな情勢。他にも小野寺や井上ら候補はいるが、徐々に2人による一騎打ちの雰囲気が漂ってきた。5回はノイジーの美技に歓声が上がり続けた。先頭浜田の左飛を捕球すると、続く北村拓のフェンス際への強い打球をジャンピングキャッチ。3番塩見の当たりは体を右にひねらせてつかんだ。バットでも4回に痛烈な左前打。来日2年目の助っ人は「患部の状態はいい。悪い送球もあったのでしっかり修正していきたい」と目をギラつかせた。一方の前川は2点を追う4回表、汚名返上のプレーだ。1死二、三塁で8番松本直のライナー性の打球を直接捕球すると見せかけた後、ワンバウンドでキャッチ。三塁走者の内山は1度タッチアップに戻りかけ、バウンドを確認してから本塁へ再突入したが、カットマンの二塁手・中野からの本塁返球に屈した。前川は前日8日ヤクルト戦で8回に右翼ファウルゾーンへの飛球を落球し、大逆転負けのきっかけを作っていた。「昨日はチームにも悪いことをしてしまった。1日1日、チームに貢献できるようなプレーをしたい」。この日は打っても4回裏1死一、二塁から右翼ライン際へ適時二塁打を放つなど2安打。開幕まで3週間を切ったが、ハイレベルな争いの決着はもう少し先になりそうだ。【村松万里子】

◆自慢のブルペン陣に暗雲が漂い始めた。阪神がヤクルトに敗れ、球団ワーストを更新するオープン戦開幕8連敗を喫した。前年リーグ優勝チームでは、記録が残る65年以降で初の屈辱。同点の7回に4番手・岩貞祐太投手(32)が3四死球と崩れ、3失点で勝ち越しを許した。岡田彰布監督(66)は9四死球と乱れた投手陣に危機感を募らせ、先発した富田蓮投手(22)の中継ぎ配置転換を示唆。リリーフ要員を再編し、開幕へ向かう可能性が出てきた。アルプス席を開放した1日。今季最多3万162人の観衆が入った甲子園が、ため息に包まれた。同点で迎えた7回。岩貞が四球と自らの二塁悪送球で無死満塁とし、浜田に押し出し死球を献上。さらに犠飛、適時打で3失点し、一気に勝ち越しを許した。椎葉、ゲラ、岩貞、加治屋、島本を投入した中、岡田監督が褒めたのはゲラだけだ。「他のピッチャーがフォアボールバンバン出してるのにな、そういうことやんか。寒い言うても、相手ピッチャーも一緒の条件で投げとるわけやからな。出てきてフォアボール、フォアボールは、お前なあ」オープン戦開幕8連敗で球団ワースト記録を更新した。前年リーグ覇者では65年以降なかった屈辱だ。ただ、指揮官が連敗記録以上に危機感を募らせたのは9四死球を与えた投手陣。雪がちらつく寒さも言い訳にはならなかった。「ましてや先頭へのフォアボールなんか、絶対に点になるよ、そら。終盤とかになるとな」岩貞も先頭に四球を与えてからの失点だった。昨季レギュラーシーズンのチーム与四球は12球団最少の315。制球自慢の強固なリリーフ陣はリーグ優勝の一翼を担ったが、今春はここまで不安が残る。先発で4回2失点だった左腕富田を「短いイニングやったらいけるんちゃうかな」と中継ぎに配置転換させる可能性まで浮上。ブルペン要員を再編するプランが挙がるほど、現状メンバーに物足りなさがある。1軍の中継ぎは8人構想で「3、4人は削らなあかん」と今後は絞り込み作業に入る。左右4人ずつの配置が基本線も「"5・3"になるかもわからんで」と左腕の「1減」もにおわせた。「ブルペンで良くないピッチャーは全然あかん。ずっと言うてるやん。俺が言うてる目が正しかったと思うよ。はっきり言うて」開幕まで約3週間。勝てない虎に、中継ぎ再整備の課題が突きつけられた。【中野椋】

◆阪神中野拓夢内野手が今季初の甲子園での「伝統の一戦」となる10日巨人戦の必勝を誓った。チームはオープン戦開幕8連敗。10日のゲームは満員状態が予想され、オープン戦では異例の4万人が入場する可能性もある。「なかなかファンの皆さんの前で勝ちを見せられていないので、何とか見せられるように、チーム一丸となって頑張りたいと思います」とナインの思いを代弁した。

◆中畑清氏と佐々木主浩氏が10日、TBS系テレビ「サンデーモーニング」にご意見番として出演。球団ワーストを更新するオープン戦開幕8連敗を喫した阪神について語った。佐々木氏は「心配ないです。今のうちに悪いのが出た方がいい。これが開幕1週間前だと嫌ですけれども、この時期なんで大丈夫です」とコメントした。中畑氏は「1イニング4個のエラーは喝ですよ。ただ魔神が言うように、オープン戦はオープンなんですよ。我々も良いときはあった。断トツの13勝2敗でオープン戦優勝ですよ。さあ強いチームはいないのかという雰囲気で開幕はいりました。3連敗。弱いチームはいないのか、に急に変わりましたけれどもね。そんなもんですよ」と自虐。「いい緊張感を持って、切り替えていけるんじゃないですかね。もともと力のあるチーム状態なので、阪神は心配ないと思います」とコメントした。

◆両チームのスタメンが発表され、オープン戦開幕から7連敗中の阪神は富田蓮投手(22)が先発する。当初先発予定だった才木が発熱のため調整が遅れ、チャンスをつかんだ2年目左腕が1軍マウンドに立つ。野手では前川右京外野手(20)が「7番・右翼」で先発。8日のヤクルト戦で2失策だった小幡竜平内野手(23)が「8番・遊撃」で先発する。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が激走でチャンスメークだ。0―1の二回先頭で打席へ。カウント3―1から吉村の145キロ直球を捉えた。打球を左翼・増田が目測を誤り、大山は二塁へ(記録はヒット)。続く佐藤輝は初球を打ち上げると、大山は三塁へタッチアップを試みた。ほぼ定位置のセンターから送球は三塁へ。判定はセーフ。ヤクルトがリクエストを要求も判定は変わらなかった。後続は倒れ、同点にはならなかったが、主砲が持ち前の全力疾走でオープン戦開幕から7連敗中のチームを鼓舞した。

◆ヤクルト・内山壮真捕手(21)が「5番・DH」で先発出場し、二回の第1打席にオープン戦1号となる先制ソロをマークした。1死走者なしで右打席に入ると、カウント1―1から141キロの直球をたたいた。豪快に引っ張り、左翼ポール際へ運び、「一発で仕留めることができました」とうなずいた。

◆阪神の先発、富田蓮投手(22)は4回2失点だった。当初先発予定だった才木が発熱のため調整が遅れ、チャンスをつかんだ2年目左腕は一回を三者凡退と好発進。二回は先頭の村上を遊飛に打ち取ったが、続く内山に左翼へソロ本塁打を浴びて1点を失った。三回は1死から2つの四球でピンチを招き、北村に左前適時打を浴びてさらに1失点。四回も四球と安打から1死二、三塁とピンチを招いたが、なんとか後続を断った。3四球で4回まで83球を要する苦しい投球となった。

◆阪神・前川右京外野手(20)が反撃の一打を放った。0―2の四回1死一、二塁の好機で打席へ。吉村の130キロスライダーを引っ張った。打球は右翼線を弾む適時二塁打。前川は8日の同戦で右翼守備のミスを喫していたが、直前の三回1死二、三塁のピンチでは右前打にフェイクモーションから二塁へ返球し、アウトにする好プレーも見せていた。阪神はなおも1死二、三塁の好機で8日に2失策の小幡が中犠飛を放って同点。若虎が汚名返上とばかりに奮起した。

◆シェルドン・ノイジー外野手(29)がオープン戦初安打を放った。 第1打席空振り三振の後、1点を追う1死一塁の第2打席。カウント0-1から、ヤクルト先発・吉村のツーシームを左前に運んだ。来日2年目の助っ人はオープン戦初出場となった6日の楽天戦(甲子園)では1打数無安打1四球。前日8日のヤクルト戦(甲子園)では2打数無安打1四球。「ボールは良く見えているのでタイミングを調整したい」と話していた。そろそろ快音を響かせたいところで、待望の1本が飛び出した。続く前川の同点の適時二塁打を呼び込み、自身も小幡の犠飛で生還した。

◆阪神のドラフト2位・椎葉剛投手(21)=四国IL徳島=が五回に2番手で登板。8日の同戦に続く連投テストで1回を三者凡退に抑えた。先頭の浜田は捉えられたあたりも左翼・ノイジーの正面。北村、塩見とすべて左飛で抑えた。椎葉はこれで2試合連続の無失点。開幕1軍生き残りへアピールした。

◆阪神は2試合連続で守備のミスから失点し、オープン戦は8連敗となった。先発した富田は4回4安打2失点。0-2の四回に前川右京外野手(20)が反撃の適時二塁打を放つと、小幡が犠飛で一時同点に追いついた。しかし、七回に登板した岩貞が乱調。先頭を四球で歩かすと、バスターを仕掛けてきた松本直を投ゴロに打ち取るも、二塁への悪送球、さらに送りバントの構えを見せる赤羽には四球と無死満塁とされた。浜田に死球で勝ち越しを許し、北村拓の犠飛、岩田の中前打でこの回3失点。守備のミスからリズムを作れず、勝てない日々が続いている。

◆九回、空振り三振の阪神・佐藤輝明=甲子園球場(撮影・安部光翁)

◆阪神が観衆3万162人の甲子園で、オープン戦開幕8連敗。初戦ドロー後7連敗を喫した2014年の球団ワーストを更新した。同点の七回、岩貞祐太投手(32)が自身の二塁悪送球もあり、押し出し死球、犠飛、適時打で3点を失った。攻撃では失策から一夜明けた前川右京外野手(20)のタイムリーと小幡竜平内野手(23)の犠飛による2点のみ。富田蓮投手(22)は4回2失点だった。1965年以降のOP戦開幕8連敗は85年の中日(13連敗)、近鉄(11連敗)以来。また7連敗以上チームのリーグ優勝はない。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り。ーー前川は8日のミスもあり、期するモノが「それは分からんよ、そんなん聞いてないけど。関係なしで普通にライト守らせただけや。昨日のことなんか何にも関係ないよ」ーーノイジーも初めて守備に「今日からやな。五回くらいまで守らそうと思ったけどな。徐々にな」ーーゲラは投げる度にいい「だから他のピッチャーがフォアボール、バンバン出してるのにな。そういうことやんか。寒いいうても、相手ピッチャーも一緒の条件で投げとるわけやからな。出て来てフォアボール、フォアボールはなあ。先頭フォアボール(七回の岩貞)でなあ」ーー岩貞は心配か「心配って、全然、投げてないんやから」ーー四球が明暗を分けることは投手も分かっている「分かってるっていうても、良くないやろ? ブルペンで良くないピッチャーは全然アカンやんか。ブルペンのままが出ているよな。それだけのことや。今、こうやって見極めて、段々落としていかなアカンわけやから、それだけのことやで。今はそういう時期やんか。キャンプからブルペンを見て思っているのと、このゲームでテストをしてるのと、やっぱり一緒の結果が出ているやんか。俺はそれだけよ。ピッチャーはブルペンのボールを見たら、ある程度判断できるよ。ずっと言うてるやん。俺が言うてる目が正しかったなって思うよ。はっきり言うて。だって、ええヤツはええ結果が出る、悪いヤツは結果が出ないって、はっきりしているわけやからな」ーー富田は「今日は才木やったんやからな。そんなん熱出て投げられへんて、お前...富田にしてもチャンスかも分からんけど、かわいそうな面もあったしな。しゃあないやん。才木に文句言いたいねん」ーー起用法次第で戦力に「なるなる。今日のボール見とったら俺はなると思うよ。短いイニングやったら行けるんちゃうかなと思たよ」ーーリリーフは右4左4の構想があったが「それはわからんな。5・3になるかもわからんで。8人やからな。3、4人は削らなアカンわけやからな」。ーー椎葉は「全然やったな、腕振れんとな。どっか故障してるかなと思ったよ、今日は。たまたま抑えただけやろ、今日なんかな」ーーファームで梅野がキャッチボールを再開したが、実戦は「実戦て、そら開幕から行くつもりでおるよ。なんで、それ」ーーOP戦もどれくらいから「バッティングしているわけやからな、投げられるようになったら、こっちに呼ぶよ。昨日も検査もしとったみたいやけど。良くなっているっていうので安心したんやーー10日は巨人戦。勝利を見せたいのでは「いやいや、勝利って。オープン戦やんか。そら勝ったらええけど、バントされても無防備やしな、そんなん向こうは一、二塁とかなったら、あのメンバーならバントとかしてくるけど、別にさせといたらええやって」

◆試合前、打撃練習中に跳ね返ったボールが当たったヤクルト・村上宗隆=甲子園球場(撮影・林俊志)

◆幼少期から『ドラゴンボール』を見て育ったヤクルトの新助っ人ヤフーレ(前ジャイアンツ傘下3A)は、漫画家の鳥山明さんの訃報に接し「悲しいし、本当に残念です」と悼んだ。主人公の孫悟空が大好きで「強くなろうとして努力しているところが好きになった」と尊敬のまなざしを向けた。この日は甲子園で練習し、10日のオリックスとのオープン戦(京セラ)に先発登板する。

◆開幕投手を目指す2年目のヤクルト・吉村貢司郎投手は4回6安打2失点。ストライク先行の投球をテーマに掲げたが、変化球の制球が定まらなかった。2-0の四回1死一、二塁で前川に右翼線への適時二塁打を浴びるなど失点し「変化球でストライクを取ることができず、苦しい投球になった」。高津監督は「合格点ではないかな...。セットポジションになってからの投球は、もっと練習しなきゃいけない」と辛口だった。(甲子園)

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(58)が阪神守護神候補のゲラの投球に注目した。オープン戦3度目の登板となったゲラは、内容もボールの切れも上がってきている。六回先頭の武岡から空振り三振を奪い、続く内山に遊ゴロを打たせたのはいずれもスライダーだったが、速く切れがあり曲がりどころもいいから打者は直球のタイミングで思わずバットが出てしまう。3人目の打者・長岡から空振り三振を奪った球は156キロとこの時期としてはかなりの数字だ。開幕後も150キロ台後半を安定して投げられるだろうし、抜けてしまうような球もなく安定している。この日のような投球を続けられれば昨季セーブ王を獲得した岩崎との併用で、試合を締める役割も託せると見ている。欲をいえば、直球とスライダーなど横の変化の他にもう1種類、縦に落ちる球がほしい。今は好調のスライダーも、登板を重ねると打者に対応されて苦しくなる。そこに落ちる球が一つあれば、シーズンを通して活躍できる可能性が広がる。昨季まで在籍したカイル・ケラー(現巨人)は来日当初の直球とカーブ主体の投球では思うように結果が出なかったが、日本でフォークを習得して成績を上げた。同じようにゲラも日本でもう一つ武器を身に着けられれば、勝ちパターンのリリーフとして楽しみな存在になる。(本紙専属評論家)

◆巨人から現役ドラフトで加入したヤクルト・北村拓己内野手(28)が「2番・二塁」で先発出場し、2安打2打点をマークした。1|0の三回1死一、二塁ではエンドランのサインに対応。直球をころがして左前適時打とし「ゾーンは広げて、空振りだけはしないように意識した中でコンパクトにいけた」とうなずいた。七回無死満塁では左犠飛を記録し、九回はバットを折りながらも右前打。「内容通りに自分の調子も良くなってきている」と声を弾ませた。2試合連続の複数安打で、オープン戦の打率は・316に上昇。開幕1軍へ猛アピールしており、高津監督は「いろんなことを理解してくれている選手。言葉は悪いけど、すごく使い勝手がいい」と評価した。内野の全ポジションを守れるユーティリティー選手で「そこの貢献度というか、そういう意識は絶対大事。しっかりとこれからも準備していきたい」と北村拓。好調の打撃についても「しっかり気を引き締めて、内容のある打席を続けていきたい。何とかチームの戦力になっていけるように今後もやっていく」と頼もしく話した。

◆敵に塩を送るような投球を岡田彰布監督(66)はしかめっ面で見つめた。試合途中に襲った雪は不吉な前兆だったのか-。計9四死球と乱れて散られては、虎将はリリーフを再考するしかなかった。「5-3(右5人、左3人)になるかも分からんで。8人やからな。そらな、3、4人は削らなアカンわけやからな」2月の春季キャンプから理想として掲げていたのが右投手4人、左投手4人のプルペン構成だった。しかし、この日その理想ははかなくも散る。その象徴が七回に登板した岩貞だ。「そら、四球の数やで。そんなもんは。ヒットと一緒やからなあ。ましてや先頭への四球なんか、そらお前、絶対に点になるよ。終盤とかになるとな」2-2の場面でマウンドを託された左腕は、先頭の増田に四球。自らの悪送球で無死一、二塁とすると、赤羽にまた四球で満塁とした。浜田には押し出し死球で決勝点を献上。1回1安打ながら3四死球で3失点の乱調に岡田監督は厳しい言葉を続けた。「今こうやって見極めて、だんだん(2軍に)落としていかなあかんわけやから、それだけのことやで。今はそういう時期やんか」うだつの上がらない岩貞と、1回無失点と抑えながらもすべて捉えた打球を飛ばされて、指揮官が「真っすぐも腕振れてないし。なんかあったんかなと思ったよ。たまたま抑えただけやろ」と評したD2位・椎葉(四国IL徳島)は2軍降格となる可能性が高い。「投手はブルペンのボールを見たらある程度判断できるよ。ずっと言うてるやん。俺が言うてる目が正しかったなって思うよ。はっきり言うて」中継ぎ陣において、開幕1軍に当確ランプがともっているのは右投手だとゲラ、岡留、石井、加治屋。左は岩崎、桐敷、島本か-。「5・3」にしろ「4・4」にしろ、残された枠、そして時間は少ない。「いやもう、見極めなんて、そんな(3月12日からの遠征に)つれていけへんよ。いけへんいけへん、そんなん」指揮官の言葉を借りれば、ふるいにかけるゲームは10日の巨人戦(甲子園)を残すのみ。〝オカダの目〟に留まるために、ブルペンから全力で〝結果〟を求めていくしかない。(原田遼太郎)■3失点・岩貞「もう一回、一から作っていかなければ」 岩貞はオープン戦初登板で1回3失点。七回に4番手で登板し、四球に続いて松本の投ゴロを二塁へ悪送球。赤羽にも四球で満塁とすると、続く浜田への初球が押し出し死球となるなど、制球に苦しんで自滅した。実績を買われて春季キャンプから調整を任されていた左腕は「もう一回、一から作っていかなければ、だいぶ厳しいかなと思います」と口にした。

◆阪神は9日、ヤクルトとのオープン戦(甲子園)に2―5で敗れた。球団ワーストを更新するオープン戦開幕8連敗となった中で、「7番・右翼」で出場した前川右京外野手(20)は適時二塁打を含む2安打とアピール。8日の守備のミスを取り返し、ライバルに食らいつこうと攻守で奮起した。開幕左翼争いはシェルドン・ノイジー外野手(29)との一騎打ちの様相。もう、右京は一歩も引かない!握りしめたバットを巻きつけるような勢いで、前川が体を一気に回転させてボールを捉えた。打球は速度を失うことなく右翼線へ一直線。開幕スタメンを目指す若虎が汚名返上の働きで攻守に躍動し、左翼のポジション争いでノイジーとの〝一騎打ち〟に持ち込んだ。「1打席目もチャンスで回ってきて、次もチャンスで回ってきたので、何とかして事を起こすじゃないですけど、ちゃんとつなげるという気持ちで入りました」輝きを放ったのは0―2の四回1死一、二塁の好機で迎えた第2打席。ヤクルトの先発・吉村が内角低めに投じたスライダーに反応し、思い切り引っ張ってライン際を破る適時二塁打とした。九回に迎えた最後の打席でも右前打を放ってオープン戦初のマルチ安打。集中力を切らさず「最後の打席にもう一本出たので次につながる」とうなずいた。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)は2安打した3日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来、3試合ぶりとなるオープン戦2度目のマルチヒット。「反省するところも多くあったので、しっかりまた鍛えていきます」と誓った。二回先頭では吉村から左翼へ二塁打。四回にも先頭で左前打を放った。全力疾走などハードなプレーを続け、開幕に照準を合わせていく。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)は三回1死一、二塁で二飛に倒れるなど4打数無安打。「悪い感覚はあまりない。打席の中でしっかり振ることはできた。振った中でとらえるという確率を上げていければ」と調整面での収穫を口にした。この日3万162人もの観衆が詰めかけた中、連敗がオープン戦のチーム連敗が8に伸びた。選手会長らしく「なんとか、皆さんの前で勝ち試合を見せられるようにチーム一丸となって頑張りたい」と気合を入れた。

◆オープン戦で初先発となった阪神・富田蓮投手(22)は4回4安打2失点。3四球と制球が安定しなかった。立ち上がりは三者凡退で滑り出したが、二回に内山に先制の左越えソロを許すと三回には四球2つで招いた1死一、二塁から北村拓のタイムリーで追加点を奪われた。「三回の点の取られ方は今後の課題としてなくせるようにしたい」と反省した。

◆阪神・小幡竜平内野手(23)が屈辱を乗り越え再出発だ。8日のヤクルト戦では、八回に1イニング2失策を犯し5点差を一気に逆転される要因を作った。「8番・遊撃」で先発出場したこの日は一回に北村拓のゴロを慎重にさばくと、六回には投手のグラブを弾いた当たりを素早くカバーして一塁送球。間一髪でアウトに仕留めた。「切り替えていいイメージで臨んだ。初回に(打球が)飛んできてくれて、そこから落ち着いてできた」と息をついた。

◆阪神D2位・椎葉剛投手(四国IL徳島、21)が五回に2番手で登板。8日の同戦に続く連投で1回を三者凡退に抑えた。先頭の浜田に続き、北村の当たりも左翼への飛球となったがノイジーが飛び上がって捕球。塩見も左飛に抑えて「ノイジーさん、ありがとうございます」と笑顔をみせた。2試合連続の無失点とするも「真っすぐが走らない。いい方向に向かっていけば」とまだ本調子からは遠いことをうかがわせた。

◆阪神新外国人のハビー・ゲラ投手(前レイズ、28)が六回に登板し、三者凡退に抑えた。2死からは長岡を来日最速となる156キロの直球で空振り三振に奪うとガッツポーズ。「ちょっと気持ちがたかぶったんだ」とはにかんだ。オープン戦は3試合連続無失点。球速もさることながら評価がうなぎ上りなのは制球力の高さ。「もう少し狙ったところにきちっと(投げる)というのは必要。シーズンに向けて精度を高めていきたい」と殊勝だった。

◆九回に6番手でマウンドに上がった阪神・島本浩也投手(31)は1回無失点。1死から四球と安打で一、二塁とされるも、岩田と武岡をフォークで空振り三振、二ゴロに仕留めてピンチを断った。オープン戦2度目の登板も無失点としたが、「本当はもっと真っすぐを投げたいんですけど、状態がなかなか(上がらない)。変化球は問題ないんですけど。真っすぐの強さをもっと上げていかないと」と課題を口にした。

◆コンディション不良を訴えて沖縄・浦添キャンプを途中離脱し、数週間の安静が必要となっていたヤクルト・奥川が9日、屋外でのキャッチボールを再開した。29日のシーズン開幕に間に合わせるのは厳しい状況。帰京後に「やれることをやる。慌てないように。でも慌てます」と口にしていた右腕は約2年ぶりの1軍マウンドを目指し、一歩ずつ前に進む。(戸田)

◆ヤクルト・内山壮真捕手(21)が9日、阪神とのオープン戦(甲子園)に「5番・DH」で先発出場し、二回に左翼ポール際へオープン戦1号となる先制ソロを放った。石川・星稜高時代に3度出場した甲子園でのアーチは、プロ4年目で初めて。第96回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)に出場する母校の後輩にエールを送る一発で、開幕スタメン入りをアピールした。豪快な一発で、母校の後輩にエールを送った。0-0の二回1死。5番に座った内山がオープン戦1号となる先制ソロ。高校野球の聖地、甲子園に快音を響かせ、颯爽とダイヤモンドを一周した。「一発で仕留められましたし、いいホームランだった。感覚も、ボールの見え方も、徐々に良くなってきている」左腕の富田が投じた真ん中高めの直球を逃さなかった。完璧に捉えた打球は、美しい放物線を描いて燕党が待つ左翼席へ。甲子園大会は星稜高1年夏から3季連続で出場。遊撃手として1学年上の奥川(ヤクルト)らと準優勝した2年夏には、仙台育英との準々決勝で2打席連続本塁打を記録した実力者だが、プロ入り後はこれが聖地での初アーチとなった。昨秋の明治神宮大会を制した星稜は18日に開幕する選抜大会で優勝候補に挙がる。内山自身は高3春の2020年に選抜大会出場を決めながら、新型コロナウイルスの影響で中止となった〝失われた甲子園世代〟。悔しい思いをしたからこそ、「自分たちの力で試合に勝って(出場を)決めた大会。自信を持って楽しんでもらえれば。頑張って優勝してほしい」と後輩の飛躍を強く願った。

◆午前9時過ぎの甲子園球場-。「開幕7連敗か...」「優勝確率0%か...」選手たちのグラウンド入りを待つ虎番たちの間では〝深刻〟な会話が繰り広げられていた。3月といっても、風は強く、関係者通路に立っているとヒンヤリする。今年の阪神のようなパターンでリーグ優勝をしたチームはない。そんなもの考えなくてもいいのだが、すぐにデータと照らし合わせながら取材テーマを考えるのも悲しいかな記者の性なのである。「きょうも負けるかもしれない」大阪・難波の編集局に着くと、当番デスク席にいた長友孝輔がヤクルト戦が流れているモニター画面を見ながら不吉なことを言っていた。レギュラーシーズンに入れば上司から「負けたらどう紙面を作るんや」と問われ、重い受話器を手に現場に猫なで声で電話をし、ペンペン草も生えないほどの状況からネタをあぶり出さなければいけない。デスクも辛い。「オープン戦やけど、やっぱりここまで勝たないと気持ち悪いんや。そろそろ勝ってもらわんと、こっちも取材がしにくいし、困るんや」と虎番の〝ビヤ樽〟三木建次も記者席でため息をついていた。「近本とか大山とかレギュラークラスは開幕に向けてきっちりと仕上げてくるんやけど、これからレギュラーを狙う選手の突き上げが弱すぎる」。常に若い記者の突き上げ?を食らいながら、三木節と呼ばれる原稿をシコシコと書いてきた59歳は説得力がある。

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