広島(2対2)中日 =オープン戦3回戦(2024.03.09)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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中日
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広島
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勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
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◆広島は、3年目の田村がマルチヒットを記録。開幕スタメンの座をつかむべく、バットで存在感を示した。一方の中日は、先発・根尾が6回途中2失点。開幕ローテーション入りに向け、まずまずの結果を残した。

◆中日戦の試合前、新入団選手がファンにお披露目された。ドラフト1位の常広羽也斗投手(22=青学大)らドラフト入団選手やジェイク・シャイナー内野手(28=マリナーズ3A)ら新外国人、現役ドラフトで入った内間拓馬投手(25)、オリックスへFA移籍した西川龍馬外野手(29)の人的補償で入団した日高暖己投手(19)らカープの今季の新戦力16人が、スタンドのファンに紹介された。その後はグラウンドで記念撮影に臨んだ。

◆中日根尾昂投手(23)がオープン戦3度目の先発マウンドに上がり、6回途中1安打2失点(自責0)で試合を作った。初回は先頭野間を二飛に打ち取ったかに見えたが、村松の落球で無死一塁。続く田村に右前打を許すと、1死二、三塁からシャイナーの三ゴロで1点を失った。なおも2死一、三塁で暴投を喫し、2点目を献上した。だが、2回以降はストライクを先行させて無安打無失点を継続。6回は先頭シャイナーから2人を打ち取った時点で80球となり、マウンドを降りた。前回2日ヤクルト戦(バンテリンドーム)では5回途中を6安打5失点。「反省して次は抑えられるようにします」と残した言葉通りのゲームメークを見せた。

◆広島の新外国人、ジェイク・シャイナー内野手(28=マリナーズ3A)が、オープン戦初打点をマークした。4番・一塁でスタメン出場。初回1死二、三塁の初打席で三ゴロを放ち、三塁走者の野間を先制のホームに迎え入れた。オープン戦は前試合まで15打席連続無安打で、8日の中日戦(マツダスタジアム)後は「日米でさまざまな違いがある。今は、いい打者ではないと見えているかもしれないが、研究して早く日本の野球に適応できるように」と懸命に活路を見いだそうとしている様子をうかがわせていた。連続無安打は16打席に伸びたが、先制点をたたき出し、ベンチ内では笑顔で仲間の祝福に応えていた。シャイナーは3回1死二塁で空振り三振、6回の先頭では中飛に倒れ、この回で交代。この日も快音は聞かれず、オープン戦は18打席連続無安打となった。

◆広島田村俊介外野手(20)が侍帰りの成果を見せた。2番右翼で先発し、初回に先制点へつながる右安打を放つなどマルチ安打の活躍。侍ジャパンの欧州代表戦に参戦し、ヤクルト村上に対左腕の助言をもらったり「タイミングの取り方だったり、スイングの軌道だったりとかを全員の打撃練習を見て学びました」と貴重な経験を積んだ。新井監督は「試合にたくさん出したい。打席に立たせたいなと思っている」と話し、開幕の陣容を固める中で力を見極めていく。

◆中日根尾昂投手(23)が開幕ローテ入りへ希望をつないだ。広島戦に先発し、5回2/3を1安打に抑え、2失点(自責0)。3四球を出しながら80球でまとめ、6三振を奪った。先頭野間を味方の失策で出した初回は1死二、三塁からシャイナーの三ゴロ、暴投で2失点。オープン戦3試合連続の初回失点となったが、「打者を見て配球を変えたり(できた)。そこが一番かな。そこが2回以降は出た」と修正能力を発揮。カーブとフォークボール、カットボール、スライダーと変化球を使い、的を絞らせず、その後は無安打だった。立浪監督は「変化球の精度は昨年より確実に上がっている。直球がもう少し低めに集まり出せば、非常に面白い存在。後の先発との兼ね合いもあるが、十分チャンスはある」と開幕ローテ候補として1軍残留を認めた。先発ローテには柳、小笠原を筆頭に、涌井、大野と百戦錬磨の経験者が居並ぶ。「そこしか見てない。テンポ良く、こっちに流れがくるようにしっかり投げ切りたい」。残り20日を切った投手3年目のシーズン開幕へ目をぎらつかせた。【伊東大介】

◆広島の育成ドラフト1位、杉田健投手(22=日大国際関係学部)が支配下登録へ1歩前進した。9回に登板し、2死から安打を許すも最後は145キロ直球で三振斬りで1回無失点。10日以降の1軍帯同を勝ち取った。新井監督は「明日から1軍帯同します。いいものを今日見せてくれた」と即決。2軍首脳陣から推薦され、自身の目でも見ようとオープン戦のマウンドに送った。一発回答の新人に「支配下を勝ち取ってほしい」と期待した。大学時代は右肘の疲労骨折などに苦しみ、4年春にリーグ戦にデビューした遅咲き右腕は「ここからが自分にとって勝負。1試合1試合悔いのないようにやりたい」とつかんだ好機を支配下昇格につなげていく。

◆開幕ローテ6番手争いへ、広島アドゥワ誠(25)、野村祐輔投手(34)がそれぞれ結果を出した。先発のアドゥワは3回1/3を1安打無失点で「低めに強いボールをと、変化球を偏らないように投げることを意識した。結果がゼロだったのでいいんじゃないかな」。6回から投げた野村は3回を3安打2失点。キャンプでしっかり球数を投げ込み「いつでも呼ばれていいような準備だったり、そういう姿を見せたいと思っています」と語った。新井監督は「6人目は最後まで競争」と最後の1枠をギリギリまで見極めるつもりだ。

◆広島は試合前に2024年度の新入団選手を紹介するセレモニーをした。広島のD1位・常広(青学大)ら育成を含む新人8人、ハッチ(前パイレーツ)、レイノルズ(前レッズ)、シャイナー(前マリナーズ)の新助っ人3人、現役ドラフトで加入した内間(前楽天)、オリックスへFA移籍した西川の人的補償で加入した日高(前オリックス)、1日に育成契約を結んだドミニカ共和国の「カープアカデミー」出身のラミレスとロベルトがユニホーム姿で登場。ハーン(前ロイヤルズ)は不参加だった。全員は内野に集まり記念撮影、その後おのおのがスタンドへボールを投げ入れると、歓声があがった。新井監督は「お客さんがマツダで入っている試合で使ってあげたい。あいさつだけじゃなしにね」と数名の選手の起用を明言している。スタメンにはラミレスが「8番・三塁」で、ロベルトが「9番・左翼」で名を連ねた。

◆先発した広島・アドゥワ誠投手(25)は四回途中1安打無失点で開幕ローテ争いに生き残った。「持ち味は打たせて取るピッチング。持ち味は出せた」。雨が降る悪条件の中で140キロ台の直球にスライダー、カーブ、チェンジアップなどの緩急を使って5つのゴロアウトを奪った。三回先頭では遊撃・小園のファンブルで走者を背負ったが、後続を打ち取り二塁を踏ませなかった。四回1死で球数が45球に達して降板した。「結果を残して1軍を勝ち取らないといけない」。今春は対外試合3試合に登板し計9回1/3、3失点。開幕ローテは九里、床田、森下が確実で、昨秋の右肘手術から順調に回復している大瀬良、新助っ人、ハッチ(前パイレーツ)が続く。2018年に53試合に登板した経験のある右腕が、残り1枠を対外試合10イニング連続無失点の黒原らと争っている。

◆俺はあきらめない! 中日・根尾昂投手(23)が広島戦(マツダ)に先発し、六回途中を1安打2失点。6三振を奪った。投手転向3年目の開幕ローテーション入りについて、立浪和義監督(54)は「チャンスはある」と明言。アピールに成功した。ときおり冷たい雨が降る悪条件もヘッチャラだ。六回途中、1安打2失点。失策がからんで自責はゼロだったが、根尾は反省の言葉を並べた。「正直、失点も自責も違いがあるとは思っていない。失点しないピッチャーが勝てるピッチャー。先に点を与えないピッチングを目指して、しっかり次も投げたい」一回先頭では二塁手・村松が落球し、その後、内野ゴロの間に先制点を献上。2死一、三塁では自身の暴投で2点目を失った。そこから修正できるのが根尾の成長。二回以降は140キロ台の直球、カットボール、フォークがさえわたり無安打、毎回の6奪三振。六回1死で育成D2位・佐藤(静岡大)をフォークで空振り三振に仕留めて、計80球で降板した。オープン戦は3試合に登板し、防御率3・86(14回を自責6)。前回登板だった2日のヤクルト戦では4回?を6安打5失点と歯止めが利かない状態となったが、この日は投げ急ぎがないように間(ま)をつくり、宇佐見との息のあった配球で立て直した。投手転向3年目の右腕について立浪監督は「非常に良いボールも多かったですし、良かった。あとの先発投手との兼ね合いもあるが、十分チャンスはある」とうなずく。先発陣は盤石で開幕投手候補の柳、小笠原、高橋宏、メヒア、涌井の5人衆がそのまま開幕ローテに入る見込み。残り1枠に向け、根尾は「そこしか目指していない」と闘志を燃やす。大阪桐蔭高時代には春夏連覇を含む3度、全国制覇した2019年のドラフト1位。プロ6年目の今季こそは先発ローテに入り、プロ初勝利をつかみ取る。(柏村翔)★中日の開幕ローテ事情 柳、小笠原、高橋宏、涌井は順調に調整を重ねておりローテ入り当確。残りの2枠を大野、メヒア、根尾らで争う。左肘手術からの復活を目指す大野は3日のヤクルト戦(バンテリンドーム)で2回無失点。次回は10日の広島戦(マツダ)に登板予定だ。メヒアは7日の教育リーグ・オリックス戦(ナゴヤ)で今季初の実戦に臨み、2回無失点だった。

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