楽天(3対3)日本ハム =オープン戦1回戦(2024.03.09)・静岡草薙球場=
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日本ハム
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楽天
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勝利投手:-
敗戦投手:-
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◆楽天は、2番手・松田が3回1安打無失点。即戦力として期待のかかる新人右腕が、首脳陣へのアピールを見せた。一方の日本ハムは、先発・鈴木が安定した投球で5回無失点。シーズン開幕に向け、順調な調整ぶりを示した。

◆楽天の静岡でのオープン戦初戦となる日本ハム戦のスタメンが発表された。今季の対外試合3戦で計10イニングを無失点に抑えている荘司康誠投手(23)が先発し、5イニングを投げる予定。試合は午後1時開始。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、試合前に楽天の今江敏晃監督(40)とのメンバー表交換時にハイタッチした。7日の西武戦での松井稼頭央監督(48)、8日DeNA三浦大輔監督(50)に続き、3日連続のハイタッチとなった。この日の静岡は、風は強いものの晴れわたり、徳川家康や、34年に草薙で対戦した沢村栄治、ベーブ・ルースらも浴びたであろう、まぶしい駿河の陽光が、2人の指揮官を照らしていた。

◆2試合連続の"スティーブン走"は最初の判定では成功したが、リプレー検証の末、覆された。日本ハムの新戦力アンドリュー・スティーブンソン外野手(29=ツインズ)が、3回先頭で左前打を放ち出塁。続くレイエスの打席の際、カウント2-2からの5球目でスタートを切った。際どいタイミングに判定はセーフも、楽天側のリクエストがあり、リプレー検証の結果、アウトとなってしまった。スティーブンソンは8日DeNA戦(横浜スタジアム)の3回に二盗を決め、その後、失敗とはなったが重盗で三盗も試みた。この日もアウトにはなったが、積極的な走塁を見せている。

◆先発した楽天荘司康誠投手(23)が、1イニングで緊急降板した。初回に先頭の水野に中前打を浴びると、2死一、三塁から自らの失策で先制点を献上。対外試合での連続無失点は10イニングで止まった。なおも2死満塁から野村に左前適時打を浴びたが、左翼小深田の本塁への好返球で3点目は阻止した。この日は5イニングを予定していたが、1回18球、2安打1死球2失点(自責0)で、2番手のドラフト5位・松田啄磨投手(22=大産大)にマウンドを譲った。荘司は降板理由について詳細は明かさなかったものの「試合前にちょっとアクシデントというか、大事をとってという感じです」と説明。次回登板は中6日での16日ヤクルト戦(神宮)が予定されているが「今後には影響はないかなと、自分的には」と話した。

◆侍ジャパンとして6、7日の欧州代表戦に同行していた日本ハム万波中正外野手(23)が、チームに復帰した。この日は「5番・右翼」でスタメン出場。1回2死一、三塁の場面では楽天荘司の初球を打ち、高いバウンドを荘司がファンブルした間に、三塁走者の水野が先制の生還を果たした。会心の当たりではなかったが、第1打席でいきなり得点に絡んだ。

◆「サニブラウンに勝った男」日本ハム五十幡亮汰外野手(25)が、脅威のスピードを披露した。6回1死一塁、一塁走者松本剛の代走として出場。続く野村の中飛で、楽天のセンター田中和が捕球したと同時に、ロケットスタート。一気に加速し、土煙を上げながら足から二塁に滑り込み、判定はセーフ。二塁へのタッチアップに成功した。

◆新庄剛志監督(52)が試合後に、開幕ローテーション入りを競わせていた金村尚真投手(23)と新外国人右腕のパトリック・マーフィー投手(28=ツインズ3A)を中継ぎへ配置転換することを明言した。この日はマーフィーが7回に登板し、1イニングを無安打無失点。金村は7日西武とのオープン戦(鎌ケ谷)で7回に登板し、1イニングを無安打無失点だった。この結果を受けて、2投手を中継ぎへ配置転換させるかと問われた新庄監督は「うん。はい、そうです」と即答。続けて、その狙いについて「中(ブルペン)の厚みを出そうと」と説明した。現状で開幕ローテーションについて、新庄監督は4人が内定済みだと明かしている。ゴールデンウイークまで6連戦がないことから5枠の開幕ローテ。開幕投手を務める伊藤、本拠地開幕戦を任されるオリックスからFA加入した山崎の2人に加えて、昨季の開幕投手の加藤貴、3季ぶりに復帰して10日の楽天戦(静岡)に先発するバーヘイゲンと指揮官は明言済みだ。残り1枠を巡って上原、北山、根本に、この日先発で5回無失点と好投した鈴木も「全然チャンスはあります」と新庄監督は言う。その中で、開幕ローテを争わせてきた金村とマーフィーを開幕時は中継ぎとすることで、長いシーズンを見据えて投手陣には開幕から余裕を持った起用も可能。「先発ピッチャーが6イニング、7イニングぐらいまで行ってくれたら、中継ぎは厚みが出てるんで」と計算している。新庄監督は「今はそういう考えですけど、まだ開幕までちょっと時間があるんで、また変わるかもしれない」と前置きした上で「常にベストの状態を当てはめることしか考えていないです」と開幕から勝てる陣容を見極めていく。

◆日本ハム鈴木健矢投手は先発で5回無失点と好投し、開幕ローテ争いに生き残る。「自分の中でも自信になりました。(昨季苦手とした)左(打者)が多い中で抑えるビジョンができた」建山投手コーチ(鈴木の投球に)「ボールの力もありましたし、いろんな球種をしっかり操れていた。クイックも速くなっていたし、全てにおいてレベルアップした登板でした」

◆緊急登板した楽天ドラフト5位松田啄磨投手(22=大産大)が、開幕1軍へまた1歩前進した。先発・荘司が1イニングで降板するアクシデントがあり、2回から登板。もともとバックアップ要員で、投げる可能性が高いと伝えられたのは試合開始15分前だったというが「むしろチャンスかなと思っていた。不安より結果を残そうというワクワクもあった」。3回を1安打無失点でまとめた。危なげない投球を披露した。2回は3者凡退でスタート。4回には得意のカーブで野村を見逃し三振に封じた。オープン戦3試合で計7回を無失点。今江監督はアピールを続けるルーキーを「本当に期待通りのピッチングをしてくれた」と評価した上で、開幕1軍に「また近づいたんじゃないですか」と話した。「開幕1軍を目標にドラフトで選ばれてからやってきている。とにかくガムシャラに頑張りたい」と松田。楽天リリーフ陣で欠かせない存在になりつつある。

◆日本ハム鈴木健矢投手(26)が開幕ローテーション争いに生き残った。楽天とのオープン戦(静岡)に先発し、5回2安打無失点と好投。昨季は苦手とした左打者に痛打を食らうこともなく、二塁を踏ませなかった。普段の生活から意識する脱力をマウンド上でも体現して、開幕ローテ最後の1枠入りを大きくアピールした。5回を投げ終えた鈴木は、ゆっくりと三塁側ベンチへ引き揚げた。「今日、めちゃめちゃ力抜けた感じがありました。抜いた中でカーブを有効に使えていたのが良かったかな」。当初予定していた4回を投げ終えて52球。もう少し球数を投げたかったため、首脳陣に「もう1回、行きたいです」と志願して続投。最後まで二塁を踏ませなかった快投に、新庄監督も「完璧にゼロで抑えていますし、全然チャンスあります」と開幕ローテ入りの可能性を消さなかった。力感のないサブマリンは次々と打者を幻惑した。キャンプ中から上体が浮き上がるのが早いと感じていたため、この日は「もう1個低く、上から下につぶすイメージ」で臨んだ。ゆったりと深く沈み込んだフォームから、130キロ前後の直球に90キロ台のカーブなどをミックス。昨季は被打率2割9分9厘だった左打者対策のチェンジアップやシンカーも有効で、まともに打撃をさせなかった。日常生活からの意識付けが、少しずつ成果に表れているのかもしれない。性格的に「結構、せっかちなんで」という鈴木は、昨年から日常生活でも「歩くのを、ゆっくりにしたりしています」。ふとした瞬間に肩に力が入っていると思ったら「ちょっと肩を落として、だらーんと。気づいたら、やっています」という徹底ぶり。マウンド上でも無駄な力を極力省いてボールにキレも増し、間合いの変化もつけることで打者を差し込み続けた投球に「自分の中でも自信になりました」。日頃の鍛錬で自由自在に脱力できる修正能力を身に着けた鈴木が、残り1つの開幕ローテ枠をゆっくり確実につかみにいく。日本ハムの開幕ローテ争い ゴールデンウイークまで6連戦がない日程を考慮して、開幕ローテは5枠。すでに開幕投手の伊藤、本拠地開幕戦で先発する山崎、加藤貴、バーヘイゲンの4人は新庄監督が開幕ローテ入りを明言済み。さらに、残り1枠を争っていた金村とマーフィーが一時的に中継ぎへ配置転換となるため、現状では上原、北山、根本、鈴木の4人で最後の1枠を争っている。

◆侍ジャパンの強化試合に出場した日本ハム万波中正外野手(23)が、今季初のフル出場を果たした。この日、チームに再合流。4打数無安打も、レギュラーが確定した今季はここまで1試合2打席が最多だった。キャンプ終盤に「オープン戦は数字より、どういう打球かに重きを置きたい」と話していたように、ここから打撃内容の細部を詰めていく。

◆日本ハム浅間大基外野手が9回無死一塁で代打出場し、右前打を放った。オープン戦は5試合に出場し12打数6安打の打率5割と好調。「1試合1打席に対する考え方、集中力の持って行き方がすごく冷静にできている。今後もしっかりやっていきたい」。同学年の今川が8日のDeNA戦で本塁打を放っており「お互い2軍スタートだったので、やってやりたい気持ちは2人とも持っている」と強い口調で話した。

◆前人未到の400ホールドへあと7と迫るベテラン日本ハム宮西尚生投手が、同一リーグ相手のオープン戦では初登板し、1イニングを3者凡退に抑えた。前回登板した2日阪神戦は1回1安打1四球。「チェンジアップをキャンプからやっていて、前回はそこからのスライダーがちょっとバランスが崩れた。きょうは1球で修正できていた。課題もクリアできたし、まっすぐも体の状態もだんだん上がってきた」と手応えを口にした。

◆2年連続最下位からの脱出を図る"逆襲のSHINJO"プランが見えてきた。日本ハムが楽天戦に引き分け、オープン戦4勝3分けの勝率10割をキープ。新庄剛志監督(52)はシーズン序盤の戦いについて「開幕して20試合でウチのチームが、最高は16勝4敗ぐらいで」と勝率8割での開幕ダッシュをイメージした。より現実的な数字を挙げ、本気で下克上を狙う。昨季は選手を奮い立たせる意味も含め、開幕20戦全勝と半ば非現実的な数字を挙げていたが、今季は違う。伊藤、加藤貴、山崎、バーヘイゲンら既に開幕ローテ4人まで確定。残り1枠を上原、北山、根本に加えて、この日先発のサブマリン鈴木も5回無失点とアピール。そんな現状を把握した上で、この日中継ぎ登板したマーフィーと7日西武戦で中継ぎ登板した金村の先発候補2投手は、一時的にリリーフへ配置転換させることを決めた。「勝つために、誰がどこのポジションにいくかしか考えてない」とブルペンに厚みを持たせ、開幕ダッシュへ向けた戦力を整え始めている。万波1人だけだった野手の開幕レギュラーも、この日2四死球1安打、オープン戦打率7割超えの松本剛に"当確"ランプがともった。22年首位打者の安定感に指揮官は「もう信頼できる。打点もね、稼げる選手」。開幕まで残り3週間。詰めの作業が、始まる。【永野高輔】

◆5回を投げる予定だった楽天の荘司が、2失点した一回限りで降板した。試合前のブルペンでの投球練習中に、右膝に違和感を覚え、そのまま試合に臨んだものの制球のばらつきや打球処理のミスなども出たため、首脳陣の判断で退いた。2年目の今季へここまで順調に調整を進め、開幕2戦目の先発が有力視されている。試合中に球場を離れた際に「今後には影響はないかな」と話し、永井投手コーチは「今は無理をする時期じゃない。大事を取って降板になった」と説明した。

◆楽天のD5位・松田(大産大)が、二回から緊急登板し、3回1安打1三振無失点。先発・荘司の降板を受けて「むしろチャンスかなと思っていた。不安よりも、結果を残したくてワクワクしていた」と振り返った。これで、オープン戦3試合に登板し、7イニング無失点の好投。今江監督は開幕1軍について「また近づいた」とたたえた。(静岡)

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