阪神(★5対6☆)ヤクルト =オープン戦2回戦(2024.03.08)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:宮川 哲(1勝1敗0S)
(セーブ:大西 広樹(0勝0敗1S))
敗戦投手:桐敷 拓馬(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆阪神は、先発・青柳が4回1安打無失点の好投。開幕投手に内定している右腕が、順調な調整ぶりを示した。一方のヤクルトは、先発・石川が9安打を浴びるなど3回途中5失点。両先発で明暗が分かれる結果となった。

◆阪神がスタメンを発表した。「6番右翼」には、侍ジャパンから帰還した森下翔太外野手(23)が入った。この日は午前7時に侍ジャパンチーム宿舎をタクシーで出発。午前9時開始の甲子園での練習に参加していた。同じく侍ジャパンに参加していた中野拓夢内野手(27)も「2番二塁」に入った。先発は青柳晃洋投手(30)。前日7日に岡田彰布監督(66)が今季の開幕投手に指名しており、この日の投球に注目が集まる。

◆阪神青柳晃洋投手(30)が、2年連続の開幕投手へ順調な仕上がりを証明した。4回56球を投じて1安打無失点、3奪三振。初回に四球と4番サンタナの中前打で2死一、二塁のピンチを招いたが、5番長岡をツーシームで二ゴロに打ち取った。2回以降は走者を出さない、文句のつけようがない投球。それでも「内容は特に気にしてなかった。どちらかというと、1アウトからフォアボールを簡単に出してしまったりとか、サンタナ選手に打たれたのも抜けたボール。そういう部分での反省点の方が大きかった」と納得はしなかった。右臀部(でんぶ)の張りで別メニュー調整を続け、2月17日の楽天戦以来20日ぶりにして、今春2度目の実戦マウンドだった。「球種もそうですけど、自分のフォーム、タイミングで試すことが多かったかなと思います。(張りは)問題なくしっかり投げられたので、次回もっと長いイニング投げられるようにしっかり調整していきたい」。前日7日、大阪市内で行われた球団の激励会で、壇上の岡田監督から開幕投手に指名された。今季初の甲子園で復帰登板をきっちり投げ抜いた。開幕へ「まだ3週間あるので、特に意識せず、どんどん上げていければ」と調整を進める。

◆阪神が3回までに10安打5得点と、寒空の甲子園でたたみかけた。初回、1番近本光司外野手(29)が、ヤクルト石川のシュートを捉えて左前打で出塁。2死二、三塁から4番大山悠輔内野手(29)が左前適時打を放ち、先制した。2回には1死から木浪、坂本、近本、中野の4連続安打で追加点。3回は先頭の佐藤輝明内野手(24)の左中間二塁打から森下翔太外野手の三塁への内野安打で無死一、二塁とすると、井上広大外野手(22)がシンカーを捉えて左前適時打で3点目を挙げた。さらに木浪が四球を選び満塁とすると、ヤクルト石川は続く坂本を遊ゴロ併殺打に打ち取ったところで降板。まだまだ猛虎打線は止まらず、代わったヤクルト沼田からこの日1軍合流した高寺望夢内野手(21)が2点適時打を放ち、この回一気に3得点とした。今季対外試合での2ケタ安打は2月18日広島戦(コザ)で15安打して以来。日本一打線のボルテージが上がってきた。

◆侍ジャパンで2試合に出場していた2人が、合流即スタメンでともに安打をマークした。「2番二塁」で先発した中野拓夢内野手(27)は2回1死一、二塁の第1打席で、ヤクルト石川の直球をとらえて中前打。一方「6番右翼」で先発した森下翔太外野手(23)は3回無死二塁で好機を広げる三塁への内野安打、4回にも中前打を放った。昨夜の欧州代表との試合を終えて合流したばかりだが、中野は「疲労とかはあまりないかなと。甲子園は今年初めてでしたし、守備もしっかりさばいて、打席でもいい感覚でいけたので、今日は良かった」と頼もしく話した。「あんまり寝てない。4時間くらい」と話していた森下も、グラウンドでは元気な姿を見せた。

◆阪神がオープン戦7戦目で今季初勝利を目前に、まさかの逆転負けを喫した。球団では初戦からの7連敗は引き分けを挟むと14年以来。初戦から7戦7敗は2リーグ分立後の50年からでは初めてとなった。5点リードで迎えた8回。2死一塁から右翼に入った前川が増田のファウルを落球。この1失策から風向きが変わった。桐敷が連続四球を与え2死満塁となると、西田の打球を遊撃手の小幡が一塁へ悪送球。この間に1点を失い、今度は浜田の飛球を中堅手の森下が落球。一気に3人の生還を許した。流れは変わらず、なおも2死一、三塁で内山に同点適時打を浴びると、続く北村の打球を小幡が再び後逸。この間に二塁走者が生還し、1イニングで4失策がからに6失点と逆転を許した。この日の先発は、前日7日に2年連続の開幕投手が決まった青柳晃洋投手(30)。4回56球を投じ1安打無失点3奪三振。4回1死ではサンタナのバットを折って遊ゴロに打ち取り、ゴロピッチャーとしての持ち味も見せるなど快投を披露していた。打線も初回に、1番近本光司外野手(29)の左前打から、4番大山悠輔内野手(29)が左前適時打を放ち先制。2回には1死から、木浪、坂本、近本、中野の4連続安打が出て追加点を加え、3回も佐藤輝の中越え二塁打からこの回4安打で一挙3得点していた。しかし5点リードで迎えた8回にまさかの展開。今季オープン戦で初の2ケタ安打を放ちボルテージが上がってきたところだったが、この日も勝利はつかめなかった。

◆阪神桐敷拓馬投手(24)が、味方の失策から逆転を許した。5点リードの8回に登板するも、前川、森下、小幡の失策などがあり、6点を与えた。1回を3安打2四球で6失点も自責は0。登板後は「球自体は良かったと思う。悪くないけど、フォークが全然、相手が反応しなかったのもあった。もっと詰めていきたい。自分も、エラー絡みもありましたけど、フォアボールもあったので。反省するところはあります」と悔しさをにじませた。「ミスはしゃーないと思ってますし、カバーできなかったのは自分なので。シーズンではカバーしきれるように、次はカバーできるように」と繰り返した。

◆阪神は5点リードの8回に1イニング4失策で一挙6失点し、逆転を許した。2死一塁から右翼ファウルグラウンドへの飛球を途中出場の前川右京外野手(20)が落球。さらに2死満塁となり、3番西田の遊ゴロを打ち取ったかと思われたが、遊撃小幡竜平内野手(23)が二塁へ悪送球して1失点した。さらに悪夢は続き、2死一、三塁で3番濱田の中堅フェンス付近の打球を森下翔太外野手(23)がグラブに当てながら落球し、さらに3失点した。この回5番手でマウンドに上がっていた桐敷拓馬投手(24)は2死から失策が重なり、代打内山に同点適時打を献上。なおも2死一、二塁で遊ゴロを小幡が後逸し、このイニング2度目の適時失策で逆転を喫した。

◆阪神は5点リードの8回に1イニング4失策で一挙6失点し、逆転を許した。2死一塁から右翼ファウルグラウンドへの飛球を途中出場の前川右京外野手(20)が落球。さらに2死満塁となり、3番西田の遊ゴロを打ち取ったかと思われたが、遊撃小幡竜平内野手(23)が二塁へ悪送球して1失点した。さらに悪夢は続き、2死一、三塁で3番濱田の中堅フェンス付近の打球を森下翔太外野手(23)がグラブに当てながら落球し、さらに3失点した。この回5番手でマウンドに上がっていた桐敷拓馬投手(24)は2死から失策が重なり、代打内山に同点適時打を献上。なおも2死一、二塁で遊ゴロを小幡が後逸し、このイニング2度目の適時失策で逆転を喫した。試合後、2失策の小幡は「しっかり反省して次につなげたい」と猛省。2つ目の失策については「(バウンドが)合わない中で、なんとか前に落とせたらと思ったけど、そこで後ろにいっちゃったっていうことで、体を入れていかないといけない」と振り返った。大量失点のきっかけをつくってしまった前川は「やってはいけないプレーをしてしまった」と反省。試合後は筒井1軍外野守備走塁コーチと反省会を行った。筒井コーチは「やっぱり外野手のエラーっていうのは、勝敗にかかわってくるわけだから」とコメント。この日も強く吹いていた「浜風」については「言い訳にならない。ホームグラウンドだし、しっかりやらせます」と繰り返した。

◆阪神がオープン戦7戦目で今季初勝利を目前に、まさかの逆転負けを喫した。球団では初戦からの7連敗は引き分けを挟むと14年以来。初戦から7戦7敗は2リーグ分立後の50年からではワースト記録となった。5点リードの8回に4失策がからみ一挙6失点で試合をひっくり返され、この回に登板した桐敷は1イニング46球を要した。試合後、岡田彰布監督(66)は「こんなんなあ、普通は起きひんけどなあ。なんにも言わん方が気が引き締まるんちゃうか。ごちゃごちゃ言わん方が」と苦笑しながらも、冷静に話した。岡田監督の一問一答は以下の通り-桐敷がかわいそうな内容になあ。初めてやな、俺も。1イニング、4失策って。-1アウトとる間に、失策が続いた2アウトからやろ? すごいことが起きるなあ。-風もあって、外野は難しさがあった難しさっていうか、浜風は、いつものアレやからなあ。前川も久しぶりにライトを守ったけど。森下もセンターを守ってなかったけど、なあ。普通の当たりやけどな。-野球の怖さを再確認野球の怖さて。まあ、そういうことやろうなあ。-オープン戦でよかったという試合だったまあ、そうやな。シーズンでは、そんなメンバー変えへんからのお。そらな。まあ今日は外野がおらんかったからなあ。小野寺とか植田もファームの試合に行ってたから。もういてなかったんや、外野。-小幡も珍しいまあなあ。普通に、慌てることないのになあ。-追うような立場の選手のああいうミスは寂しいかまあでも、あのへんは1軍に残るような選手やからのう。ポジションはどこになるのかわからんけどなあ。外野にしても。-かえって気が引き締まる一戦になるか。気が引き締まるていうか、こんなんなあ、普通は起きひんけどなあ(笑い)。なんにも言わん方が気が引き締まるんちゃうか。ごちゃごちゃ言わん方が(笑い)。

◆阪神青柳晃洋投手(30)が、2年連続の開幕投手へ順調な仕上がりを証明した。4回56球を投じて1安打無失点、3奪三振。前日7日の球団激励会で開幕投手に指名した岡田彰布監督(66)は「去年とは雲泥の差よ」と仕上がりを称賛。「キレも違うやろな、ボールの力もな。やっぱりスライダーとか変化球はけっこう曲がりが大きくてな、コントロール良うなってるからなあ、ブルペンでもな、それでやっぱりストライク取れるから」と分析した。開幕投手については「えっ、最初から決めとったよ。正月からよ」と明かし「普通に考えたら青柳やろ。なんで? 他誰おる? そんな1年ぐらいパッとお前、なあ、2桁勝っても。そんなんもう簡単に開幕なんかいかれへんで、そんなん」と積み上げてきた実績重視の考えで決めたと明かした。

◆阪神は逆転負けでオープン戦7連敗となったが、前日7日に開幕投手に決まった青柳晃洋投手(30)が、4回56球を投じ1安打無失点3奪三振と好投を見せた。試合後、岡田監督は「コントロールも去年とは全然違うよ。去年とは雲泥の差よ、そら、キャンプからのな」と絶賛。開幕投手を決めた時期について「えっ、最初から決めとったよ。正月からよ」と明かした。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-青柳は久しぶりだったがおーん、良かったよ。ずっとブルペンもええからな。試合前も良かった言うとったから、抑えるやろな思とったけどな。-持ち味を出したまあ、今日もフォアボール出したけど荒れ球やないからな。狙ってちょっと低いとかな、そういうボールやからな。それは全然心配してないけどな、この寒さもな、あったし、それは全然、コントロールも去年とは全然違うよ、それは。-前日7日に球団激励会で開幕投手を伝えたが、キャンプのブルペンからそういうものを見せていたおーん、ずっといい、だから言うてるやん。去年とは雲泥の差よ、そら、キャンプからのな。-いつ頃決めたのかえっ、最初から決めとったよ。正月からよ。-昨年と一番違うのはコントロールかそらキレも違うやろな、ボールの力もな。やっぱりスライダーとか変化球はけっこう曲がりが大きくてな、コントロール良うなってるからなあ、ブルペンでもな、おーん。それでストライク取れるから、去年のスライダーとかカーブ、ほとんどストライク入らなかったで、おーん。大きく左に曲がりすぎてのデッドボールあるやろ、あれな。スライダーとかカーブなあ。引っかかったやつな、そういうのがないもんな、今なあ。-あらためて監督室に呼んで言ったりはしてないしてない。何にもしてない。そんなんする必要ないやん別に。-正月から決めていたというのは今季にかける気持ちを買っていやあ、でも普通に考えたら青柳やろ。なんで? ほか誰おる? そんな1年ぐらいぱっとお前、なあ、2ケタ勝ってもそんなんもう簡単に開幕なんか行かれへんで、そんなんわ。

◆球界最年長44歳のヤクルト石川雅規投手が、課題を残した。初回に失策絡みで先制点を献上すると、2回も1死から3連打で失点。3回には先頭の佐藤輝に左中間への二塁打を許し、無死一、二塁から井上に適時打を許した。次打者の木浪には四球。予定の3回を投げきることが出来ず、2回2/3を67球、9安打5失点でマウンドを降りた。開幕ローテ候補の左腕は「左のインコースをしっかり投げられないと抑えられないなというところなので。右のインサイドはいいボールもありつつというところですけども、やっぱり打たれ出すと、偏りだすので、そういうところは組み立てもそうですけど、狙ったところに投げ込むのが大事かなと思います」と唇をかんだ。高津監督は「あれだけ打たれるんですから、やっぱり投げる球自体は甘かったんじゃないかなっていう風に思いますね」と渋い表情だった。逆球も多く、生命線のコントロールが乱れた。同監督は「あとはタイミングが外せてるかどうか。彼はそういうのをいろいろミックスして、抑えていくピッチャーなので、それがどこが何がずれてたのかっていうところは、ちょっと検証しなきゃいけないでしょうね」と改善を求めた。

◆侍ジャパンに参加していたヤクルトの村上宗隆内野手(24)、塩見泰隆外野手(30)は休養のため阪神とのオープン戦を欠場した。高津監督は「塩見は練習したいということだったんで。宗は休みたい。ということだったので(笑い)。明日からまたこちらに合流します」と説明した。

◆ヤクルト丸山和郁外野手(24)が、試合前練習を途中で切り上げた。ベンチ入り予定メンバーに入っていたが、そのまま欠場した。高津監督は「コンディショニングが悪くて東京に帰しました。ちょっとけがが多くて、もう人が足りないんでね。ちょっとなんかやりくりが大変ですけど、それよりも選手けがさせないようになんかいろいろ考えてやっていこうと思います」と表情を曇らせた。

◆ヤクルトドラフト5位ルーキーの伊藤琉偉(りゅうい、21=BC・新潟)が、オープン戦初出場で初安打を記録した。7回の守備から途中出場。1点を追う8回2死二塁から遊撃への内野安打でチャンスを広げ、勝ち越しのホームを踏んだ。「積極的に振りに行った結果、いいところに転がってくれた」。高津監督は「元気にプレーしてくれたんで、すごく良かった」と評価した。

◆3・29へ問題なし! 前夜に開幕投手に内定した阪神青柳晃洋投手(30)が8日、順調な仕上がりを証明した。ヤクルト戦(甲子園)に先発し、4回1安打無失点。初回2死一、二塁は長岡を二ゴロに仕留めて切り抜けた。キャンプ中に右臀部(でんぶ)の張りを訴えた影響で、2月17日の楽天戦で1イニングに登板して以来、20日ぶりにして今春2度目の実戦マウンド。56球を投げ終え「無事に帰ってきました」と笑った。7日の球団激励会のあいさつでサプライズ指名した岡田監督は「ずっとブルペンもええからな。抑えるやろなと思っとったけどな」と不安なし。2年連続で大役を任せることになるが「去年とは雲泥の差よ。そら、キャンプからな」と太鼓判を押した。さらに青柳開幕投手プランについて「最初から決めとったよ。正月からよ」と明かした。「普通に考えたら青柳やろ。なんで? 他、誰おる?」と記者陣に逆質問。「そんな1年ぐらいパッとお前、2桁勝っても簡単に開幕なんかいかれへんで、そんなんは」。開幕投手の重み、それを託すに値する実績を考慮しての選択が、青柳だった。「キレも違うやろな、ボールの力もな」。確信を持って3月29日巨人戦(東京ドーム)に送り出す。青柳は「いろいろ、何を試したいかなと考えながら、キャッチャーと話しながらいきました」と本番を想定。初回の1番西川には走者なしでクイックを試し、サンタナには1球ごとに投球間隔を変えるなど、細部にもこだわった。「選んでもらえて光栄に思いますし、気が引き締まる。やってやろうという気持ちです。これからどんどん状態も上がっていくと思う」。このまま中6日で登板を重ねれば、本番までは残り2戦。2年連続の開幕星へ、死角はない。【中野椋】

◆阪神ドラフト2位の椎葉剛投手(21=四国IL・徳島)が、甲子園デビュー戦を無失点で飾った。7回から登板し、ヤクルト打線を3者凡退で1イニング無失点。最後は宮本を「桐敷さんに握りを教えてもらった」というフォークで空振り三振に仕留めた。ただ、最速は146キロにとどまり「マジで真っすぐが遅い。垂れている」と納得せず。最速159キロ右腕が、開幕1軍へ状態アップを目指す。

◆阪神4年目の高寺望夢内野手が、1軍合流即で結果を残した。2回に中野の代走から出場。そのまま二塁に就くと、3回2死満塁で初打席が回ってきた。2球で追い込まれるもフルカウントとし、最後はヤクルト沼田の145キロを強振。左前2点打でアピール成功だ。2ストライク後も冷静さを保ち「ファームでもそこは意識してやってきた」と胸を張った。2軍戦で好調な打撃を買われ、この日から甲子園に乗り込んだ。2軍からの推薦を受けていた岡田監督は「ええとこで打ったよな」とたたえた。今後については「置いとく置いとく」と、このままの1軍起用を明言。9、10日の甲子園でのゲームでも結果を残せば、千葉を皮切りとした12日からの遠征メンバーに抜てきされる可能性もある。三塁にも就いた若武者は「バッティングでしっかりアピールしていきたい」。バットで開幕1軍をつかむ。

◆「7番左翼」でフル出場した阪神井上広大外野手が結果を残した。3回の第2打席、無死一、二塁で左前適時打を放った。24日のヤクルト戦(浦添)で凡退した左腕石川を攻略。「自分が後手にならず、ファーストストライクから打ちに行けたのが良かった」と手応えをつかんだ。この日は5打数1安打1打点。「1打席目で結果を出せるようになっていかないといけない。もっと準備していけたら」と気を引き締めた。

◆阪神漆原大晟投手が現役ドラフトで移籍後、甲子園初登板を無失点で終えた。5回から起用され、先頭宮本に四球を許したが、続く北村恵を併殺打に仕留めるなど1イニングを無失点。甲子園登板はオリックス時代の昨年6月30日ウエスタン・リーグ阪神戦以来だ。「甲子園で投げられてよかった。なんとかゼロで、というのを意識しています」。オープン戦は2試合ぶりの無失点投球となった。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が打撃好調を維持している。「5番三塁」で先発。3回先頭でヤクルト石川の126キロ内角シュートを捉え、中堅左後方への二塁打。右翼から左翼への強い「浜風」に乗り、打球はぐんぐんと伸びた。「内角の球があそこに飛ぶのは悪くない。結果的に二塁打になってよかった」。調子は上向きだ。

◆阪神中野拓夢内野手がチーム復帰戦でいきなり安打を放った。8日にヤクルトとのオープン戦(甲子園)で「2番二塁」出場。2回にヤクルト石川から中前打を放ち、2打数1安打を記録した。前日7日まで侍ジャパンとして強化試合に出場。今季初の甲子園ゲームだった。「守備もしっかりさばいて、打席でもいい感覚でいけたので。今日は良かった」と振り返った。

◆ごちゃごちゃ言わんよ。阪神がまさかの逆転負けで、オープン戦開幕から7連敗を喫した。7戦7敗は50年の2リーグ分立後では球団初。5点リードの8回に4失策から6失点と嫌な負け方だったが、岡田彰布監督(66)は責めることなく余裕の笑み。開幕まで3週間ある。どっしりと選手を見極めながら、徐々にチーム力を高めていく。まさかの逆転負けにも、試合後の岡田監督はひょうひょうとしていた。「なあ。初めてやな、俺も。1イニング、4失策って。2アウトからやろ? すごいことが起きるなあ」。止まらなかった失策を責めることなく、どこか余裕の口ぶりだ。5点リードの8回2死一塁、右翼ファウルゾーンへの飛球を途中出場の前川が落球した。「やってはいけないプレーだった」。猛省の1失策から流れが変わった。2死満塁から今度は遊撃手の小幡が二塁へ悪送球して2失点。さらに2死一、三塁で、中堅フェンス際の飛球を森下が落球して2人の生還を許した。重い時間は続き、同点適時打を許した2死一、二塁、またも小幡がゴロを後逸してこの回6失点目。気づけば勝敗は逆転していた。オープン戦での1イニング4失策は球団では95年3月5日のオリックス戦(日生)以来。2リーグ分立後では球団初となるオープン戦開幕7戦7敗につながったが、指揮官はどこまでも冷静だった。「前川も久しぶりにライトを守ったけど。森下もセンターを守ってなかったけど、なあ。普通の当たりやけどな」。当たり前のプレーを求めながらもニヤリと笑った。「こんなんなあ、普通は起きひんけどなあ。なんにも言わん方が気が引き締まるんちゃうか。ごちゃごちゃ言わん方が」。まだまだオープン戦。今は静かに選手の自戒を促すだけだ。2失点につながるプレーとなった森下は「オープン戦でまだ良かったかなとプラスに捉えて、シーズン中に出さないように、練習中にしっかりやっていきたい」と反省。まさかの1イニング2失策の小幡も「相手にしっかり投げること、しっかり反省して次につなげたい。練習あるのみです」と前を向いた。少しずつチームを引き締めて、開幕へチーム力を整える。【磯綾乃】○...阪神筒井1軍外野守備走塁コーチ(前川、森下の失策について)「やっぱり外野手のエラーっていうのは、勝敗にかかわってくるわけだから。(風もあるが)言い訳にならない。ホームグラウンドだし、しっかりやらせます」阪神がヤクルトに逆転負けで、オープン戦は初戦から7連敗。阪神のオープン戦開幕から7連敗は、14年に初戦に引き分けてから7連敗して以来だが、7戦7敗は50年の2リーグ分立後、球団では初めて。阪神は8回に1イニング4失策。阪神のオープン戦での1イニング4失策は、95年3月5日オリックス戦(日生)の6回に平尾、葛西、萩原、桧山が記録して以来29年ぶり。このときの6回は4失点し、試合も0-6で敗れている。

◆阪神岡留英貴投手(24)が無失点で締めた。1点ビハインドの9回に6番手で登板。先頭の岩田を149キロ直球で空振り三振。連打で2死一、二塁としたが、最後は4番浜田を直球で左邪飛に抑えた。春季キャンプ投手MVPに選ばれた期待の右腕。今季初めての甲子園での登板に「真っすぐで三振取れましたし、全体的には悪くないかなと思います」と手応えをつかんだ。

◆阪神がまさかの逆転負けで、オープン戦開幕から7連敗を喫した。7戦7敗は50年の2リーグ分立後では球団初。5点リードの8回に4失策から6失点と嫌な負け方だった。馬場敏史1軍内野守備走塁コーチ(8回、遊撃小幡が前方へのゴロをアウトにできず)「高いバウンドで左打者。足が速いから、そこはもう前に行って勝負せないかん。その状況が頭の中に入っておけばいい。それでエラーしてもしょうがない。それは積極的なエラーやから、待ってセーフにするよりはね」

◆侍ジャパン帰りの森下翔太外野手(23)は約4時間の睡眠でチームに復帰していた。前日7日は午後7時開始の侍ジャパン強化試合(京セラドーム大阪)に出場。午後9時35分に試合終了後は大阪市内で代表チームの宿舎に宿泊。深夜まで体のケアなどを行い、午前7時に甲子園へ出発していた。この日はヤクルト戦に「6番右翼」で出場。3回に三塁強襲内野安打、4回は中前打を放ち「理想のスイングに近づいている」。ただ、守備面では痛恨の失策を喫し、疲労のたまる1日となった。

◆失策のオンパレードで逆転負けだ。阪神は5点リードの8回に1イニング4失策で一挙6失点し、逆転を許した。2死一塁から前川右京外野手(20)がファウルフライを落球。筒井1軍外野守備走塁コーチは「前川のケースは、落下地点に早く入りすぎていた。もちろんライトもあるという準備はしていたので、言い訳はできない」と課題を挙げた。2死一、三塁では浜田の中堅フェンス付近の打球を森下翔太外野手(23)がグラブに当てながら落球。同コーチは「森下は完全に捕ってますからね。もっと大事に捕っていかないと勝敗にかかわりますから」と厳しい表情だ。この日は右翼から左翼へ強い「浜風」が吹いていたが「言い訳にならない。ホームグラウンドだし、しっかりやらせます」ときっぱり。「やっぱり外野手のエラーっていうのは、勝敗にかかわってくるわけだから」と繰り返した。試合後は反省会を行い、若い外野手たちと課題を共有した。

◆日本一打線がいよいよお目覚めだ。昨季38年ぶりの日本一を達成した野手8人に7番井上を加えた豪華メンバーが、3回までに10安打5得点と一気につながった。今春オープン戦でチーム初の2桁安打を記録。打線は6連敗中の6試合で計32安打14得点と湿り気味だったが、開幕3週間前にきて上昇気配が漂ってきた。初回は上位打線発の「黄金パターン」で先制点を奪った。ヤクルト石川に対し、1番近本が5球目の内角高めをとらえて左前打。2番中野も失策で出塁し、1死二、三塁に好機を広げる。4番大山は131キロ直球をはじき返し、痛烈なライナーで左前に適時打を決めた。主砲は「結果的に良かった。残りの試合も少なくなってくるので、打席でいろいろ考えながらやりたい」と冷静に納得。1番近本が出塁してクリーンアップがかえす-。虎打線が通常モードに入りつつある。1点リードの2回では下位打線発の「黄金パターン」も発動させた。1死から8番木浪が右前打で出塁し、1番近本の右前適時打で追加点。下位打線から得点につなげる流れは今季も健在だ。近本は2打数2安打1打点と好調。「石川さんは石川さんの打ち方があるので、それはできた」。シーズンでも戦うベテラン左腕との対戦で手応えをつかんだ様子だ。岡田監督は「自分で調子上げていけばいいだけの話や。個人個人に関してはな」と主力への厚い信頼を言葉にした。24年も虎打線は「つなぎ」がテーマになりそうだ。【村松万里子】

◆阪神富田蓮投手が平常心で1軍戦に臨む。9日ヤクルト戦(甲子園)に先発し、4イニング程度を投げる予定。もともと先発予定だった才木が発熱のため登板を回避。代わってアピールチャンスが巡ってきた。「やっぱり1軍となるだけで気も張ると思うけど、そこは気持ちを落ち着かせて。自分の投球をするだけなので。考えすぎないようにやりたい」と自然体で臨む。

◆6日に開幕投手に指名された青柳晃洋投手(30)が先発する。前回登板で1回無失点だった2月17日の楽天との練習試合(宜野座)で臀部の張りを覚えた影響もあり、中20日で実戦登板に臨む。開幕をちょうど3週間後に控えるマウンドでのテーマは「ブルペンではいいボールがいっているので、打者が立ったときにどれだけ投げられるか」。開幕カードから1週間後に対戦が組み込まれているヤクルト相手に、感覚を確かめる。また、7日まで2日間にわたって「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024」に日本メンバーとして出場していた2選手もチームに合流。中野は「2番・二塁」、森下は「6番・右翼」でゲームに臨む。

◆オープン戦は開幕から6連敗中の阪神が幸先よく先制した。一回先頭の近本が、ヤクルトの先発・石川から左前打を放つと、中野の打球が三塁手の失策を誘って無死一、二塁。ノイジーのニゴロで1死二、三塁とした。打席には4番・大山。カウント1-0から2球目、131キロ直球を振り抜いた。打球は左前に弾む先制打。4番が2試合ぶりのヒットを放って先制点をもたらした。

◆「7番・左翼」の阪神・井上広大外野手(22)が三回に左前適時打を放った。無死一、二塁の好機で打席へ。石川の117キロシンカーを引っ張った。右前に運ぶ適時打。アピール必須の若虎は第1打席は石川の前に見逃し三振に倒れていた。開幕1軍生き残りへ、期待される右の大砲候補が意地の一打を放った。「1番・中堅」で出場した近本光司外野手(29)が二回の第2打席に右前適時打を放った。1死から木浪が右前打を放つと、坂本がつないで一、二塁の好機。近本は石川の120キロスライダーを引っ張った。打球は一、二塁間を抜け、木浪が一気にホームに生還。キナチカが追加点をもたらした。近本は第1打席も左前打と早くも2安打。虎のリードオフマンは元気だ。

◆若虎がアピールのチャンスで快音を響かせた。代走から途中出場した阪神・高寺望夢内野手(21)が三回2死満塁の絶好機で第1打席へ。沼田の145キロ直球を逆らわず弾き返し、左前に2点打を放った。2月の春季キャンプは2軍スタートも実戦で猛アピールし、この日から1軍に昇格。巧みなバットコントロールが自慢の若虎が、持ち味を岡田監督に見せつけた。

◆今季の開幕投手を務める阪神・青柳晃洋投手(30)が先発し、4回1安打無失点だった。一回は四球と安打で2死一、二塁を招くも、長岡を二ゴロに抑えて無失点で発進し、二回も四球で走者を出しながら武岡を遊ゴロ併殺に仕留めてピンチを作らず。スライダーを外角のボールゾーンからストライクゾーンに曲げて西川から見逃し三振を奪った三回、中村、サンタナ、長岡のクリーンアップと対した四回と最後の2イニングは三者凡退に封じた。ツーシーム、シンカーなどの変化球の感触も確かめながらの56球だった。青柳は今季初実戦で1回無失点だった2月17日の楽天との練習試合(宜野座)で臀部の張りを覚えた影響で調整ペースを落としたが、中20日のマウンドで好投。3週間後に迫る大役に向けて、上々の仕上がりを示した。

◆阪神のドラフト2位・椎葉剛投手(21)が七回に4番手で登板。甲子園デビューを果たした。先頭の浜田は144キロ直球で中飛。続く長岡はカウント3-0としながらも一邪飛に抑えた。最後は宮本をフォークで空振り三振。上々の本拠地デビューを飾った。

◆阪神が守備のミスを連発した。5-0の八回、2死一塁から、右翼の前川が目測を誤り、ファウルフライを落球。そのまま四球で一、二塁とされると、桐敷が突如乱れて続く北村拓にも四球を与えた。満塁で迎えたのは西田。平凡な遊ゴロに見えた打球だったが、遊撃の小幡が二塁への悪送球。一気に走者2人が生還した。さらに、続く浜田の打球を中堅・森下が落球。さらに2点を追加され、一気に一点差に詰め寄られた。何とか後続を断ちたい桐敷だったが、伊藤の打球を遊撃・小幡が大事にいきすぎて遊撃内野安打に。一、三塁から代打・内山に中前打を許し、5点のリードを守りきれなかった。さらに北村恵の打球を小幡がファンブルして、逆転...。1イニング4失策と若虎が守備の課題を露呈した。

◆阪神がオープン戦開幕7連敗。先発した青柳晃洋投手(30)が4回1安打無失点と好投した。7日の激励会で岡田監督から2年連続の開幕投手に指名された右腕は持ち前の打たせて取る投球でゴロを量産。大役任命に結果で応えた。打線は一回に4番・大山が先制打を放つと、その後も安打を量産し、12安打5得点。しかし、悪夢は5-0で迎えた八回。2死一塁から右翼の前川がファウルフライを落球すると、満塁で遊撃・小幡が悪送球。中堅・森下が落球、小幡が今度はファンブルと1イニング4失策で一気に逆転された。阪神はこれでオープン戦は開幕から7連敗。オープン戦とはいえ、不安の残る内容が続いている。

◆阪神が守乱で球団ワーストのオープン戦開幕7戦7敗を喫した。5点リードの八回、前川右京外野手(20)の邪飛落球、小幡竜平内野手(23)の二塁悪送球、中堅・森下翔太外野手(23)の飛球落球に最後は小幡がゴロを後逸し、1イニング4失策で6点を失った。OP戦初の2桁安打を放った打線は井上広大外野手(22)と高寺望夢内野手(21)の適時打などで、三回までに5点を奪ったが、四回以降は無得点。開幕投手に選ばれた青柳晃洋投手(30)は4回1安打無失点だった。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り。ーー桐敷がかわいそう(八回に6点失うが自責はゼロ)「初めてやな、俺も。1イニング4失策って。2アウトからやろ? すごいことが起きるなあ」ーー野球の怖さを再確認「野球の怖さて。まあ、そういうことやろうなあ」ーー小幡も珍しい「まあなあ。普通にお前、慌てることないのになあ」ーー追う立場の選手のミスは寂しいか「あのへんは1軍に残るような選手やからのう。ポジションはどこになるのかわからんけどなあ。外野にしても」ーーかえって気が引き締まる「気が引き締まるていうか、こんなん普通は起きひんけどなあ。何にも言わん方が、気が引き締まるんちゃうか。ごじゃごじゃ言わん方が」ーー青柳は久しぶりだったが「良かったよ。ずっとブルペンもええからな。試合前も良かった言うとったから、抑えるやろな思とったけどな」ーー持ち味を出した「今日もフォアボール出したけど、荒れ球やないからな。狙ってちょっと低いとかな、そういうボールやからな。全然心配してないけどな」ーー開幕投手を伝えたが、キャンプのブルペンからそういうものを見せていた「だから言うてるやん。去年とは雲泥の差よ。そら、キャンプからのな」ーーいつ頃決めたのか「えっ、最初から決めとったよ。正月からよ」ーー昨年と一番違うのはコントロールか「キレも違うやろな、ボールの力もな。スライダーとか変化球は結構曲がりが大きくてな、コントロール良うなってるからな」ーー改めて監督室に呼んで言ったりは「してない、してない。何にもしてない。そんなんする必要ないやん別に」ーー正月から決めていたというのは今季にかける気持ちを買って「いやあ、でも普通に考えたら青柳やろ。なんで? ほか誰おる? 1年ぐらいパッと、お前、2桁勝っても、そんなん簡単に開幕なんか行かれへんで、そんなんわ」ーー侍から帰ってきた2人もスタメンで「そうやん。ファーム行かしたから、森下も使わんと外野おれへんからな。中野も高寺使いたかったからな、もう2打席でええわと思ったから最初から」ーー高寺は打つ方でいいモノを「そうやなあ、おーん。ええとこで打ったよなあ」ーー追い込まれた後の打席もよく見えた「結果として、一番いい場面でヒット出たわけやからな。サードも出来る言うから、最後サードも試したんやけど」ーーこのまま週末は「置いとく」ーー主力の状態は上がっているか「まあ今日は、石川やからな、わからんわ」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)が4回無失点の阪神・青柳晃洋投手(30)に言及。3・29巨人戦(東京D)へ向けた残り2戦の重要性を力説した。今年の青柳にはこれまでと違う印象を持っている。どちらかというと曲げるボールの使い方がうまい投手ではなかったが、今年は左打者の外角へカーブを、右打者の内角にはスライダーを投げるなど、バリエーションが豊富になったと感じる。開幕戦の相手となる巨人には坂本、岡本和ら右の強打者がいるが、インスラ攻めができれば効果的だ。開幕投手に指名されて逆算が始まっている中、このまま中6日で登板していくならば、15日の中日戦(バンテリンD)で中田や石川昂、22日のオリックス戦(京セラ)では杉本や頓宮といった同タイプ相手に投げて、好感触をつかんでほしい。青柳が厳しく内角を突くことで2、3戦目に投げる投手が楽に投げられる好循環にもつながるはずだ。今回の登板で出た課題といえば、4回で2四球はもったいない。バッテリーを組んだ坂本のキャッチングに助けられたところもあった。青柳の過去の好成績の要因として一つ挙げられるのは、与四球数の減少。その課題は残り2度ある登板で修正してもらいたい。

◆二回に代走から出場した阪神・高寺望夢内野手(21)が鋭い打球で三遊間を破り、1軍合流ですぐさま結果を出した。1安打2打点で猛アピールだ。「その打席だけは良かったんですけど、あと2打席は見逃せば四球だった(2三振)。反省しています」3打数1安打を冷静に振り返ったが、センスは見せつけた。二回に代走から二塁に入り、3―0の三回2死満塁の第1打席だった。冷静にボールを見極めながらフルカウントに持ち込み、外角の145キロ直球に反応。快音を残して走者2人をホームに迎え入れた。2軍首脳陣からの推薦を受けて1軍に呼んだ岡田監督も「(スタメンの)中野も、高寺を使いたかったから、もう2打席でええわと思ったから」と、グラウンドには期待を寄せて送り出した。見せてくれた実力には「一番いい場面でヒットが出たわけやからな」とご満悦で、9、10日のゲームでも1軍に残すことを決めた。2年目の2022年に1軍デビューするも、昨季昇格なし。巡ってきたチャンスに、高寺は「なにがなんでもアピールしたい気持ちはある。空回りしないように」と気を引き締めた。(須藤佳裕)

◆「7番・左翼」の阪神・井上広大外野手(22)は三回に左前適時打を放った。「ファーストストライクから打ちにいけたのは良かった」。無死一、二塁でベテラン左腕・石川の外角シンカーを強振。佐藤輝、森下に続く3連打となり、この回の3得点に絡んだ。右の長距離砲として求められる左腕撃ちの快音だったが、「やっぱり1打席目(見逃し三振)で結果を出せるようになっていかないと」と自らに高いレベルを求めた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が三回先頭の第2打席で石川の126キロのシュートを捉えて左中間へ二塁打を放った。内角球を仕留めた一打に「内角が向こう(逆方向)に飛ぶのは悪いことじゃないので、結果も二塁打でよかった」と胸を張る。これが3試合ぶりの安打。週末の甲子園での2試合に向け「打撃はいい当たり、守備はしっかり守る。頑張っていきます」と意気込んだ。

◆阪神・近本光司外野手(29)が一回先頭で左前打を放ち、先制点をお膳立てした。二回1死一、二塁の好機では石川のスライダーを引っ張って右前適時打。好機演出に自ら決める一打とバットで魅せ、「きょうのやりたいことはできた。石川さんは石川さんの打ち方があって、それはできた」とうなずいた。オープン戦は打率・316と好成績をキープ。虎のリードオフマンは問題なく調整を進めている。

◆九回に登板した阪神・岡留英貴投手(24)は自ら招いたピンチを脱出し、1回無失点だった。「全体的には悪くなかったんじゃないかな、と思います」。中11日の登板は2死から連打を浴びたが、浜田を直球で左邪飛に抑えた。今回の反省点を踏まえて掲げた次回以降のテーマは「追い込んでからの精度、決め球の精度」。1軍戦力としてさらに信頼されるように、腕を振る。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)は一回1死二、三塁の好機で石川の131キロ直球を捉えて先制の左前打。「結果的によかったと思いますし、残りの試合も少なくなってくるので、打席でいろいろ考えながらやりたい」と振り返った。五回の守備からベンチへ下がり、「甲子園も残り2試合。打撃だけでなくて、守備もしっかり確認して次にいきたい」。主砲として攻守で油断も隙も見せない。

◆中13日で八回に登板した阪神・桐敷拓馬投手(24)は1回で46球を要し、3安打6失点(自責0)と乱れた。「失策絡みではあるが、四球とかを出してしまった。そこは反省するところ」。味方の4失策に足を引っ張られる形となったが、2四球の制球難にも目を向けた。打者との対戦を通して「相手がフォークとかに全然反応しなかった。そこをもっと詰めていきたい」と課題の修正に取り組む。

◆オリックスから現役ドラフトで加入した阪神・漆原大晟投手(27)が五回に2番手で登板。甲子園デビューを1回無安打無失点で飾った。「投内連係から雰囲気とか感じるものはあった。甲子園で投げられたのはよかった」。2月の実戦から6試合に登板して防御率1・50とアピールを続ける右腕は「ゼロで抑えるのは、ひとつのテーマ」とこれからもスコアボードに〝0〟を刻む。

◆七回に登板した阪神D2位・椎葉剛投手(21)=四国IL徳島=は1回無失点で甲子園デビューを飾った。「直球を投げているときの感覚がよくない」。2死を奪うまでの7球は全て真っすぐで挑んだが、出力にはまだまだ不満足だ。一方、桐敷に握りを教わった新球のフォークで宮本から空振り三振を奪い、「使っていきたいと思っている。まだ練習中です」と精度向上を目指す。

◆ヤクルト・丸山和郁外野手(24)が8日、阪神とのオープン戦(甲子園)の試合前練習を途中で切り上げ、帰京した。試合後に取材に応じた高津監督は「コンディショニングが悪くて東京に帰しました。ちょっとけがが多くて、人が足りない。やりくりが大変ですけど、それよりも選手をけがさせないように、いろいろ考えてやっていこうと思う」と話した。

◆球界最年長44歳のヤクルト・石川雅規投手は三回途中9安打5失点(自責点4)。制球が安定せず、三回先頭の佐藤輝から3連打で失点するなど課題を残した。67球でマウンドを降り、「左のインコースにしっかり投げられないと抑えられない。やっぱり狙ったところに投げ込むのが大事」と唇をかんだ。高津監督は「あれだけ打たれるんですから、投げる球が甘かったんじゃないかな。何がずれたか検証しなきゃいけない」と改善を求めた。

◆8日の試合で、ヤクルトが勝利。ナインを迎える高津臣吾監督(中央)=西宮市・甲子園球場(撮影・林俊志)

◆俺が虎のエースや!! 開幕投手に指名された翌日のマウンドで、阪神・青柳晃洋投手(30)が4回を1安打無失点。今年初めての甲子園で好投した。直球は最速144キロ。3三振を奪い、ゴロアウトは7つと、力と技を織り交ぜて、復調を印象付けた。「きのう急に言われたんで。ちょっと緊張したけど、キャンプからずっと順調に調整ができていたので。しっかり投げられた」前日7日、岡田監督は激励会のあいさつで「(開幕戦の)3月29日は青柳でタイガースはスタートしたい」と発言。2年連続の大役が決まった。臀部の張りのため、実戦マウンドは2月17日の楽天との練習試合(宜野座)以来、今春2度目。重圧の中でのマウンドだったが、気迫が上回った。「(真っすぐが)よかった。しっかりとカウントもとれたし、ツーシームとの(スピード)差もあって。寒いんで球速は140キロちょっとでしたが、まだ上がっていくという感覚はあった」一回1死一塁で、中村を外角直球で見逃し三振に斬ると、2死一、二塁とされるも長岡を二ゴロに打ち取る。二回1死一塁では武岡をツーシームで遊ゴロ併殺に。三回、四回はともに三者凡退で片付けた。

◆頼もしく帰ってきた選手会長が快音を響かせる。日の丸を背負ってからわずか数時間後。縦じまのユニホームを身にまとい、阪神・中野拓夢内野手(27)が本拠地・甲子園で存在感を放った。「甲子園は今年初めてでしたし、守備もしっかりとゴロをさばいて、打席でもいい感覚で打つことができたので、きょうはよかった」ナイターで行われた侍ジャパン強化試合(京セラドーム)から一夜明け、午後1時開始のオープン戦で虎の「2番・二塁」には中野の名前があった。二回1死一、二塁の第2打席。石川の127キロ直球を捉えると、打球は瞬く間に中前へ。直後に代走を送られてお役御免となったが、わずかな出場時間で虎党を沸かせた。日本代表として出場した7日の欧州代表との強化試合は「7番・二塁」として先発出場し、3打数1安打。午後7時の試合開始とあって自宅に着いたのは日付が変わるころだった。一息ついたのもつかの間、この日は午前9時の全体練習開始に合わせて早朝に起床。日の丸から虎のユニホームに着替えてグラウンドへと向かった。「きのう(7日)の打席から感覚的には徐々によくなっていた」

◆阪神はヤクルト戦(甲子園)に5-6で敗れ、オープン戦は球団ワーストとなる初戦から7連敗となった。5点リードの八回に4失策が絡んで大逆転され、岡田彰布監督(66)は苦笑い。若虎主体で臨んだ試合終盤に起こったびっくり仰天の守乱に対し、「なんにも言わん方が気が引き締まるんちゃうか」と〝無言の圧〟をかけることでチームを活を入れた。寒風が吹く甲子園で、〝今季初勝利〟は文字どおり吹き飛んでいった。八回に4失策という負の連鎖が続き、5点リードをひっくり返される大逆転負け。オープン戦とはいえ、昨季日本一チームが7戦全敗だ。岡田監督もあきれ果てていた。「初めてやな、俺も。1イニング4失策って。2アウトからやろ。すごいことが起きるなあ」試合中から苦笑いを浮かべていた指揮官は、あえてダメ出しなどせず、〝無言の圧〟を加えることにした。「(選手に)なんにも言わん方が気が引き締まるんちゃうか。ごじゃごじゃ言わん方が」主力がベンチに下がり、若手主体で臨んだ試合終盤に起こった守乱は、5-0で迎えた八回、5番手で登板した桐敷が2死を取ったところから起きた。育成の岩田を遊撃内野安打で出塁させると、続く増田が右翼ファウルゾーンに打ち上げた飛球を前川が捕り損ね、その後、二盗と連続四球で塁が埋まった。西田のゴロを捕球した遊撃・小幡の二塁への送球がそれる間(記録は小幡の失策)に2失点。続く浜田の中堅への飛球を森下が落球し、またも2点を献上した。ミス連発で、1万7073人の観客からはどよめきが...。

◆選手にも報道陣にも、鳥山作品とともに育った〝少年〟が大勢いた。阪神-ヤクルトのオープン戦のため甲子園球場にいた面々も、漫画家・鳥山明さんの訃報を衝撃をもって受け止めた。虎番キャップの新里公章(37)は「ドラゴンボールの漫画も全42巻持っていましたよ。そうです、背表紙を並べると『一枚絵』になっていることで有名なアレです。宝物でしたねぇ。高校を卒業してこちらへ出てきたとき、泣く泣く沖縄の実家に置いてきました」としみじみ振り返る。ちょっと上の世代のベテラン虎番、ビヤ樽こと三木建次(59)は「僕らのときは『Dr.スランプ』のアラレちゃんやなぁ。女の子たちが『んちゃ!』とよくマネしてたのを覚えてるわ」と遠い目をしている。過去には阪神でも「ドラゴンボール」に特別な思いを抱く選手のため、鳥山作品とのコラボ企画が行われたことがある。2017年、オリックスから加入したばかりだった糸井嘉男(現阪神スペシャルアンバサダー)が「ベジータが好き」ということで球団関係者が立ち上がり、アニメ「ドラゴンボール超」とのコラボが実現したのだ。選手がイラスト化されてグッズとなり、糸井があこがれのベジータとして描かれた他にも、当時中心選手だった鳥谷敬が悟空、原口文仁がピッコロ、高山俊が悟飯、北條史也が人造人間17号になった。糸井は出来上がったイラストを見て「おぉ~!!」と歓喜の声を上げていたという。同年5月5日の広島戦(甲子園)は「ドラゴンボール超デー」として開催され、選手紹介の際にはビジョンで選手それぞれの「子供の頃のヒーロー」が紹介された。糸井はもちろん「スーパーベジータ」。試合も3-4で迎えた七回に梅野の逆転2点三塁打が出て虎が8-5で勝利! 3安打3打点と大暴れした梅野は、甲子園まで駆けつけていた悟空とお立ち台に並び「かめはめ波」のポーズを決めたのだった。

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
日本ハム
402 1.000
(-)
-
(-)
26
(+4)
17
(+4)
2
(+2)
6
(+2)
0.277
(↓0.001)
2.830
(↓0.23)
2
(1↓)
ソフトバンク
310 0.750
(↓0.25)
1
(↓1)
15
(+3)
12
(+5)
4
(+1)
1
(-)
0.279
(↓0.008)
3.090
(↓0.76)
3
(1↑)
ヤクルト
421 0.667
(↑0.067)
1
(-)
22
(+6)
19
(+5)
2
(-)
4
(+1)
0.222
(↓0.004)
2.630
(↓0.24)
3
(2↑)
ORIX
211 0.667
(↑0.167)
1.5
(-)
10
(+3)
12
(-)
0
(-)
5
(+2)
0.289
(↑0.007)
3.000
(↑1)
5
(2↓)
巨人
220 0.500
(↓0.167)
2
(↓1)
20
(-)
10
(+3)
0
(-)
4
(-)
0.220
(↓0.035)
2.060
(↓0.39)
5
(4↑)
中日
332 0.500
(↑0.1)
2
(-)
23
(+4)
26
(-)
2
(-)
0
(-)
0.213
(↓0.003)
3.250
(↑0.46)
5
(5↑)
ロッテ
111 0.500
(↑0.5)
2
(-)
7
(+5)
10
(+3)
0
(-)
2
(+1)
0.227
(↑0.015)
3.460
(↑0.25)
5
(-)
楽天
330 0.500
(-)
2
(↓0.5)
17
(-)
14
(-)
1
(-)
4
(-)
0.268
(-)
2.210
(-)
5
(-)
DeNA
223 0.500
(-)
2
(↓0.5)
24
(+4)
20
(+4)
4
(+1)
13
(+3)
0.258
(↓0.007)
2.950
(↓0.18)
10
(5↓)
広島
340 0.429
(↓0.071)
2.5
(↓1)
21
(-)
24
(+4)
2
(-)
2
(-)
0.216
(↓0.016)
2.790
(↓0.04)
11
(1↓)
西武
010 0.000
(-)
2.5
(↓0.5)
1
(-)
7
(-)
1
(-)
0
(-)
0.188
(-)
7.880
(-)
11
(1↓)
阪神
070 0.000
(-)
5.5
(↓1)
19
(+5)
34
(+6)
2
(-)
3
(-)
0.194
(↑0.028
3.570
(↑0.65)