日本ハム(☆6対5★)阪神 =オープン戦2回戦(2024.03.03)・札幌ドーム=
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阪神
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日本ハム
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勝利投手:上原 健太(1勝0敗0S)
敗戦投手:及川 雅貴(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆日本ハムは、3年目の水野が2安打2打点をマーク。開幕一軍入りに向けて、首脳陣へのアピールに成功した。一方の阪神は、大山が2本の適時打を放つ活躍。打線の中軸として期待されるスラッガーが、持ち前の打棒を発揮した。

◆阪神のスタメンが発表され、森下翔太外野手(23)が「1番右翼」で出場する。近本光司外野手(29)は、昨季1度も入っていない「3番中堅」での先発出場。ここまでチームはオープン戦4連敗で白星なし。前日2日の日本ハム戦とは、ガラリと変えたオーダーとなった。

◆阪神の侍ジャパンコンビが鮮やかにたたみかけた。4回。それまでパーフェクトに抑えられていた日本ハムの新外国人マーフィーに対し、先頭の森下翔太外野手(23)が右前打。続く中野拓夢内野手(27)が右越え二塁打を放ち、二、三塁の大チャンスを作った。そこから先制の2点が生まれた。2人はこの日、チームより一足早く帰阪予定。岡田彰布監督(66)が移動に配慮して組んだ「森下1番」という特別オーダーがはまった形になった。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が、オープン戦初安打を放った。1点を先制した直後の4回1死三塁、日本ハムマーフィーから右前適時打を放った。オープン戦5試合13打席目で、4番が初のHランプをともした。

◆阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)が今度は好守を見せた。「6番左翼」で先発。3回の守備で今川の少し詰まった左翼ファウルグラウンドへの飛球に全力で走り、フェンスもおそれず、フェンス手前で手を伸ばしてランニングキャッチした。2日は同点の8回2死一塁で、飛球に無理にチャージして球をそらし、決勝点を献上。痛恨のミスを反省していた。

◆忍者のような軽快さだ。熊谷敬宥内野手(28)が、美技でルーキー椎葉を救った。5回の守備。代わったばかりの2番手椎葉が日本ハム万波に二塁へのライナーを打たれた。この回から二塁に入った熊谷は、ジャンプ一番でキャッチ。一塁側ベンチの岡田監督も思わず笑みをこぼす美技で、身体能力の高さをアピールした。

◆阪神才木浩人投手(25)がヒヤリとする打球を受けた。3回2死、9番伏見が放ったピッチャー返しの打球が、左足首からふくらはぎ付近を直撃。後方へ大きく跳ね、遊撃への内野安打となった。直後にベンチへ戻り手当てを行ったが、大事には至らなかった。再びグラウンドに登場し、球場からは拍手が送られた。

◆阪神が逆転負けでオープン戦5連敗となった。1番森下翔太外野手(23)、3番近本光司外野手(29)と打順を入れ替えて臨んだ一戦。打線は4回。先頭の森下が右前打。2番中野拓夢内野手(27)が右翼フェンス直撃の二塁打で無死二、三塁とチャンスを作った。3番近本の二ゴロ間に先制。4番大山悠輔内野手(29)がオープン戦初安打となる右前適時打で2点目を追加した。さらに6番ヨハン・ミエセス外野手(28)が左中間へ運び、3点目。一塁上で右手を挙げ、ピースサインを送った。6回には大山の右中間へ適時三塁打などで5-1とリードを広げた。投げては先発の才木浩人投手(25)が4回1安打無失点、3奪三振と好投。3回に左足首付近に打球が直撃するアクシデントも、続投。変化球を織り交ぜて4回までわずか41球で日本ハム打線を封じた。だが、7回。6回から3番手で登板した及川雅貴投手(22)が一死満塁のピンチを招き、7番今川に左2点適時打、8番水野の中前適時打を許し、1点差に迫られた。さらに2死二、三塁で1番郡司に140キロのツーシームを右翼へ運ばれ、2点適時打で逆転を喫した。今季先発転向も視野に入れる高卒5年目左腕が3回4安打5失点と乱れた。

◆阪神及川雅貴投手(22)がまさかの大量失点を喫した。4点リードの6回から登板。1イニング目は2三振を含む3者凡退で抑えたが、2イニング目だった。先頭浅間に左前打を許すと、その後2四球などで1死満塁。今川、水野の適時打で1点差に詰め寄られ、2死二、三塁から1番郡司の右前2点適時打で勝ち越し点を許した。今季から先発として調整する及川はこの試合が実戦4試合目。3試合で7回無失点と好投を続けていた中での乱調となった。

◆阪神がオープン戦開幕5連敗を喫した。日本ハムに逆転負け。沖縄、北海道での計5試合で勝利を挙げることができず、5日からは甲子園でのゲームとなる。岡田彰布監督(66)の試合後の一問一答は以下の通り。-才木は打球直撃後の投球を見ると心配はない「大丈夫、大丈夫。なんか(当たったのは)肉のところ言うとったから。まあ予定通り4回投げられたからな。球数少なかったけど、おーん」-投球そのものは順調「まあ、そうやな。まあ才木は順調で、なあ。逆算したらいけると思うけどな」-森下はだいぶいい状態に「おーん。まあ、なんとかなあ、1回の打席立たせてのう、変な格好で行かされへんから、日の丸つけるのに。1回でも、はよ回って来いって思ってたら、3回、回ってきたからな。1番にして良かった。ちょうど。ええ形でなあ、中野にもヒットが出たし」-森下には侍行くまでは何も言わずにと言っていた「言うてるやん、ピート・ローズって言うてるやん。それで察するやろ」-彼なりに取り組んできたことが形になっている「いやだから、打ち方とバットが合ってないっていうことやからな。結局な。目指していることとバットがおまえ、ピート・ローズは合わんやろ」-大山は取り組んでいる右方向の打撃「なあ、1本出たら。打つ方はしかし、だいぶヒットも出だしたし、こっちで近本も4打席立てたしな、ドームっていうのもあったし、そういう意味では良かったよな。甲子園に帰ったら雨とか、寒いとかでな、なかなかフルで出るのは難しいかもわからんし、良かったわ。ドームで良かったよな。この2日間は」-及川はあの回以外は良かったが。「だからあれや、向こうの最初のピッチャーと一緒や。えらい速いなって思ったよ。バットを折ってな。でもセットになったらあんなんになるんやから、結局、だから、及川も一緒や、結局な。2段モーションみたいに重心をためてな、ランナーがいてないときはそれはええけど、ランナーがいてるときのほうが投げる球は多いからな。1人出たら、そのイニングはずっとセットで投げなあかんわけやから。そのへんはもう1回ちょっとやらなアカンな。ギャップが大き過ぎる。ゆったりしたモーションとクイックで投げなアカンから、コントロールも悪なる、球威もなくなる、そのへんはやっぱりクリアせんと、なかなか1軍ではな、長いイニングしんどいよな。絶対ランナー出さへんことなんかないからな、絶対出るからな、やっぱり。だからブルペンで足上げてゆっくり気持ち良く投げてるばっかりじゃアカンいうことやな。セットでな、クイックとかそういう精度を上げなアカンわな」-引き続き構想としては先発調整「そうや、おーん。ちょっとセットのあれはな、やり直さなアカン思うよ」-そのへんは投手コーチと「そうや、そうなるよな。まあ、これから徐々にそんなお前、投げるイニングなくなってくるからな。あのへんはな、余計そうよ。今度な、良かってもまあ、なかなか雨で1日流れたらまだ投げるとこなくなってくるからな」-ミエセスが2試合レフトを守ったが「いやいや、あんなもんやろ。昨日蹴ってたボール、蹴ったらアカン言うたったけど、ボールは蹴ったらアカン、野球のボールは」-新庄監督は3年目。日本ハムはどういうチームになったという印象「いやいや、どういうチームって外国人ばっかり出てくるなと思とったよ(笑い)。まあでも、そんな選手知らんしのお、誰がレギュラーで、昨日と今日でどんなメンバーでやるんかもちょっと見えんしのお。わからへん。誰がレギュラーで、昨日と今日でどんなメンバーでやるんかいうのも、ちょっと見えんしな。外人はえらいボール速いなと思ったけどな。でも、俺も全然何のあれもないし。俺らにな、新外国人の2人とも、ええのとったなっと思ってたけどな。うん。ボール的にはな。まあランナー出てあんなんなるとは思わんかったけど」-近本の二ゴロ、徐々にああいうのは大事になってくる「まあまあまあ、あれは公式戦入ってうまいこと点を取るいう意味での、だけどな。うん。まあもうちょっと先やでそんなの、お前な、ちょっとな、短いイニングのそのブルペン陣の今日なんか及川なんかもう先発で考えてな、もうええやん。もう1イニング行かしたらって。最初は3イニングやったからな、まあまあまあ、あれは公式戦入ってうまいこと点を取るいう意味での、だけどな。うん。まあもうちょっと先やでそんなの、お前な、ちょっとな、短いイニングのそのブルペン陣の今日なんか及川なんかもう先発で考えてな、もうええやん。もう1イニング行かしたらって。3イニングやったからな。後ろのピッチャー2人、ちょっと投げられんかったからな、1イニングずつ少なかったから。もうしゃーない。どっかでな、やっぱり投げるようにせんとあかんけど」-野口、井上甲子園でもう1回「いや、誰か来るよ、だって、2人いてないなるんやから。どっちか。内野外野で1人、2人ずつ呼ばんと人数が15人なるしな、今17しか来てないからな、こっちもな、少ないからな。ノイジーが試合無理やろな。シートノック入ったって言ってたけど、試合まではまだ。またまあ寒かってあれやけど。シートノックとか入りたい言うとるけどな、ノイジーは。いけるみたいやな。スルーしたみたいやし」-実戦は再来週ぐらいまあ、いけるんやったら別にな。分かってるんやからそんな慌てることないよ。新外国人ちゃうんやからな、ある程度分かってるから」

◆阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)の好守に岡田彰布監督(66)の一言があった。前日2日の日本ハム戦(札幌ドーム)で同点の8回2死一塁で、飛球に前進して球をそらし、決勝点を与えた。痛恨のミスを反省し、すぐに汚名返上。この日は「6番左翼」で先発し、3回の守備では今川の左翼ファウルグラウンドへの飛球に全力疾走。手を伸ばしてランニングキャッチした。指揮官はミエセスの守備に「いやいや、あんなもんやろ。昨日蹴ってたボール、蹴ったらアカン言うたったけど、ボールは蹴ったらアカン、野球のボールは」と話した。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が公式戦さながらの"勘ピューター"を働かせて阪神に逆転勝ちし、オープン戦負けなしを継続した。4点を追う7回に打線がつながった。1死満塁から今川が2点左前適時打。1死一、二塁から水野の中前適時打で1点差と迫り、なお1死一、二塁の好機で新庄監督がひらめいた。「急に『準備しろ』って言った」と江越に代走準備を指示。打者進藤のカウントが1-2となった時点で、準備が完了した江越を二塁走者の代走として送り込んだ。新庄監督 なんか(進藤が)打ってくれるかなと思って一応、代えました。ポテンヒットかなんか、ライトの方向にいくんじゃないかなとか思いながら。ま、セカンドゴロでしたけど。進藤は二ゴロだったが、進塁打となって2死二、三塁となり、続く郡司が右前へ逆転2点タイムリーを放った。劣勢だった試合展開でも「なんか逆転してくれそうな雰囲気あって」と敏感に反応していた勝負勘がさえてビッグイニングをつくりだし、逆転勝利につなげた。新庄監督 ああいうね、「急にあるよ」というところも選手たちに分かってもらわないと。俺、ひらめきでいくタイプなんで。過去2年も不思議な魔力を持っていた新庄監督の"勘ピューター采配"は今季も健在だ。その中で、うれしそうに振り返ったのは、代走起用をアピールしてきた選手がいたことだ。新庄監督 細川君が、めちゃくちゃアピールしてた(笑い)。昨日(4打数1安打1打点と)打ったから大丈夫、大丈夫って。今日は違う人にアピールさせろよって。「はい、分かりました」って言っても(代走に備えて)動いてたからね。彼は出たい、出たい(という気持ちが前面に出ている)。ものすごく使いやすい選手だし、いろんなところ守ってくれるし。開幕1軍入りを目指す若手のギラギラぶりにも、目を細めていた。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が岡田阪神から多くのことを学んだ。札幌ドームでのオープン戦2連戦は連勝で終わったが、試合後の第一声は「やっぱり日本一のチーム。見習うことがたくさんあった」とうなずいた。阪神勢から見習ったプレーを次々と挙げた。「やっぱり大山君の右方向に打つバッティングとか、近本君が最低でもセカンドゴロで1点を取りにいったり、ミエセスの犠牲フライでの点の取り方とか。ああいうところはね、ほんと見習わないといけない。さすが強いチームだなと思います」。7回の集中打で逆転勝利となったが、きっちりと得点を重ねていた阪神打線に刺激を受けていた。

◆先発した日本ハムパトリック・マーフィー投手(28=ツインズ3A)は走者を出してからの投球に課題を残した。3回までパーフェクトも、4回は「失投が続いてしまった」と4安打を集中されて3失点。それでもテレビ中継の球速表示では最速158キロをマーク。「シーズンに近づくにつれて体づくりも順調。今度は失投を減らせるようにやっていきたい」と話した。

◆オープン戦3勝1分けと勝率10割をキープする日本ハムの劇的逆転勝利の中で、水野達稀内野手(23)が存在感を示した。阪神戦(札幌ドーム)に「8番遊撃」で出場。一挙5得点で試合をひっくり返した7回に中前適時打を放つなど、2安打2打点とアピールした。いまだ固定されない二遊間のレギュラー争いは、好調なチームでさらに激しさを増す。最大4点あった差を2点に詰めた7回1死一、二塁、水野が145キロ直球を中前にはじき返し、押せ押せムードを加速させた。5回のフェンス直撃適時二塁打も初球の直球を捉えたもの。「ミスショットせずに一発で仕留められた。2本出たっていうのは大きかった」。3年目となる新庄政権の公式戦では1度もない、4点差逆転勝利の立役者のひとりになった。キャンプは2軍スタートも、2月15日に昇格すると自慢の打撃でアピールを続ける。打席ではややバットを寝かせる構えにモデルチェンジ。「不安はあった」というが、コンパクトにボールを仕留めにいく中でも、「角度がつけば長打も出る」と手応えをつかみつつある。遊撃手争いのライバル上川畑は、左大腿(だいたい)部筋膜炎で10日間ほど実戦を離れることになった。新庄監督は、自身がメッツ時代、定位置を争っていたライバルが「結婚式か子どもが生まれたかでハワイに帰っている」間に打撃でアピールしてポジションを勝ち取ったエピソードを披露。「内野の子たちも、言い方は悪いですけど、今がチャンスという気持ちにならないと」とハッパをかけた。遊撃では若手の奈良間、細川、16年目のベテラン中島、二塁争いでは石井、加藤豪らとの競争。水野は「野球をやってるからにはチームのレギュラーになりたいですし、1試合でも多くスタメンで出たいと思ってる」とキッパリ。オープン戦は残り15試合。「(上川畑に)『入るところねーじゃん』って思わせるくらいの活躍ができたらなって思います」。今季だけではなく、今後の野球人生をかけた、大事な3週間が始まった。【本間翼】

◆7回の一挙5得点を締めくくったのは日本ハム郡司裕也捕手(26)だった。1点差に迫った2死二、三塁で、右前2点適時打。オープン戦は11打席目で初安打となり「めちゃめちゃ気にしていましたし、一本早く欲しいなという焦りでどんどん変になっていく悪循環だった。最後はゆったりタイミング取れてよかったです」と胸をなで下ろしていた。

◆日本ハム今川優馬外野手(27)が「憧れ」の札幌ドームで2試合連続安打をマークした。5回に中前打、7回は2点左前適時打を放って3打数2安打2打点。「アピールしなきゃいけない立場。(適時打は)自分にとってもいい1本だった」と納得。札幌出身で観戦によく訪れた球場で結果を残した。開幕1軍入りへ「自分が結果を残すしか道はない。1軍にいないと(札幌にある)家に帰ってこられないんで」と言葉に力を込めた。

◆開幕ローテーションを争っている日本ハム上原健太投手(29)が、6回から3番手で登板し、4回3安打2失点だった。最初のイニングに2点は失ったが、残り3回は1安打のみと修正。北山らライバルも好投が続いており、「もちろん気にはなりますよ」と本音を明かしつつ、「気にしますけど、自分のやるべきことだったりとか、他人のことを気にしすぎて自分を見失わないようにっていうふうには思ってます」と話した。

◆阪神大山悠輔内野手(29)のバットから快音が響いた。4回、近本の二ゴロで先制した直後。なお1死三塁のチャンスで4番打者はマーフィーの154キロをジャストミート。右前にライナーで運んだ。一気に新加入の剛腕を攻略した。オープン戦5試合目。13打席目での初安打。次の6回にも直球をとらえ、右中間フェンスにワンバウンドで飛ばす完璧な三塁打でまた走者をかえした。確かに当たりは出ていなかった。結果を見れば「心配」となるが、そんなステージにいる選手ではない。岡田監督は練習を見て「内容とか結果じゃなしに、やろうとしていることが見えるやん。開幕に照準を合わせて」と信頼しきっていた。フリー打撃ではキャンプから一貫して、右方向への打球が多かった。2安打を含め、結果的にこの日は二ゴロ、右飛と4打席すべて右方向に飛んだ。ただし、フォーカスすべきは打球方向だけではない。大山ははっきりした口調で話した。「逆方向とかではない。自分のやりたいこともありますし、いいところとまだまだなところもある。残りの試合も少なくなってくるので、しっかり自分で反省したり、しっかり見直して、1試合1試合を大事にして、やっていきたい」。大きな責任を負う4番打者はブレずに突き進んでいる。【柏原誠】

◆阪神森下翔太外野手(23)がチーム離脱前ラストの試合をマルチ安打で締めくくった。3日の日本ハムとのオープン戦(札幌ドーム)に「1番右翼」で出場。6、7日に行われる侍ジャパン欧州代表戦のメンバーに選出されており、代表合流前では最後の実戦。この試合前までオープン戦は13打数1安打。結果から遠ざかっていたが、3打数2安打と快音を響かせた。「(安打が)出ないよりは出た方がいいと思う。監督へも含めて、アピールになった。離脱する分、チャンスは他の選手に生まれてくる。いいアピールができたと思います」野口や井上ら、外野のライバルは多い。危機感を持ちつつも、定位置を譲る気はさらさらない。まずは4回の2打席目だった。マーフィーの139キロ変化球に逆らわず対応し、二塁手の頭を越える右前打。2月25日中日戦以来、9打席ぶりの安打だ。5回にはザバラの157キロ直球を初球から中前打。いずれも「こん棒型」の新バットではなく、昨季まで使用した旧型のバットで決めた。「試行錯誤している中で、いい方向に打球が出ている」。より良い形を模索する中、好感触をつかんだ。5日の日本代表全体練習に備え、4日から本隊に合流予定。その関係で5回の打席を終えると、同じく侍メンバーの中野とともに一足早く球場を後にした。岡田監督は「変な格好で行かされへんから、日の丸つけるのに。でも、はよ回って来いって思ってたら3回まわってきたから。1番にして良かった」とニヤリ。1番だからこそ巡った3打席で、指揮官を安心させた。森下は代表の試合もオープン戦同様、開幕に向けた1試合として位置づける。「選ばれたからには強化試合であろうが、自分の100%をしっかり出せるように」と気合は十分。開幕前のガチンコ勝負を最大限に生かし、虎に帰ってくる。【波部俊之介】

◆32歳の誕生日だった原口文仁内野手が9回1死から代打で登場。阪神応援席からハッピバースデーの演奏が流れると、日本ハム側からも拍手が起きた。打席の原口は冷静に選球して四球で出塁した。「聞こえましたよ。もう、ありがとうございます、という気持ちです。なかなか(例年は)試合がない時の誕生日なので聞けてうれしかったです」と照れくさそうに感謝した。

◆中野拓夢(27)が侍ジャパン合流へ景気付けの一打を放った。4回無死一塁から変化球を強く引っ張り、右翼フェンス直撃の二塁打。好機を広げ、先制の3点につなげた。自身より25センチも高い身長196センチの右腕マーフィーが相手だった。「直球の速さも、高さもあって、なかなか見ないボールの軌道。ジャパンでも外国人投手と戦うので、しっかりと対戦できたことはよかった」と振り返った。

◆阪神熊谷敬宥内野手(28)が中野にも負けない存在感を放った。侍ジャパン組と入れ替わりで出場。5回、最初の二塁守備で痛烈なライナーをジャンプして好捕。7回の打席では鮮やかな右前打に二盗も決め、走攻守で輝いた。中野が不在の2試合で出番は増えそうだが「アピールしないといけない立場。変わらず開幕1軍にいられるようにやっていくだけです」とクールに振り返った。

◆両チームのスタメンが発表され、阪神は才木浩人投手(25)が先発登板する。1番から森下、2番には中野が入り、3番には近本。森下と中野は3月の侍ジャパン強化試合に出場予定のため、上位打線で打席数を確保する見込みだ。

◆先発した阪神・才木浩人投手(25)に1度ベンチに引き揚げるアクシデントが起こった。三回2死までパーフェクトピッチングを続けていたが、9番・伏見が初球の直球を強振し、打球が才木の左足付近に直撃。プレーが終わる前から自らタイムを要求し、マウンドに駆け寄った安藤投手コーチとともに歩いて1度ベンチに下がった。それでもすぐに登場し、マウンドに駆け足で戻ったときにはライトスタンドの虎党から才木コールが起こった。先発ローテ候補の一人であるだけにヒヤリとした瞬間だったが続く1番・郡司を外角への直球で空振り三振を奪い、心配を吹き飛ばす投球を見せた。

◆阪神が3点を先取。三回までパーフェクトに抑えられていた日本ハムの先発・マーフィーに、2巡目となった打線が襲い掛かった。四回の先頭でこの日1番に入った森下が追い込まれてから右前に運んでチーム初安打を放つと、続く中野が右翼フェンス直撃の二塁打を放って無死二、三塁とチャンスを拡大。3番の近本が丁寧に二ゴロを転がす間に1点を先制すると、なおも三塁に走者を置いて大山がオープン戦初安打となる右前打で2点目。さらに2死二塁となって6番・ミエセスが左中間へ2点二塁打を放ち、この回一挙3点を奪った。

◆阪神の先発・才木浩人投手(25)が予定通りの4回を投げ切って降板した。初回から力強い直球を集めて三回2死までパーフェクトピッチング。9番の伏見に投手強襲の打球を左足付近に受けて1度ベンチに下がったが、すぐにマウンドに戻って続く郡司を三振に抑えた。続く四回も三者凡退で切り抜け、4回を投げて許した走者はわずかに1人のみ。二塁も踏ませぬ投球で3つの三振を奪い、順調な調整ぶりを披露した。五回のマウンドには2番手としてD2位ルーキー・椎葉(四国IL・徳島)が上がった。

◆阪神・熊谷敬宥内野手(28)がファインプレーで魅せた。五回に代走から出場すると、直後の守備から二塁のポジションに就いた。見せ場はいきなり訪れる。この回先頭の万波がはじき返した逆方向への当たりに素早く反応。抜けていれば右中間を破った可能性が高い鋭いライナーを大ジャンプでつかみ捕ってみせた。登板したばかりのマウンド上のD2位・椎葉(四国IL徳島)を助けるプレーに、スタンドの虎党も拍手を送った。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が3―1の六回、右中間に適時三塁打を放った。4番の一撃だ。日本ハムの3番手・上原に対し六回、先頭の近本が右前打。続く大山が146キロ直球をはじき返した。打球は札幌ドームの右中間を破る一撃で、大山は三塁に激走。この試合前までオープン戦で4試合安打がなかった主砲がこの日2本目の適時打で2打点目をあげた。一死後、ミエセスの犠飛で大山が生還しさらに1点を加えた。

◆阪神が5-1で迎えた七回に、まさかの逆転を許した。六回から3番手として及川が登板。六回は2つの三振を含む三者凡退におさえるも、ラッキーセブンの日本ハム打線に捕まった。先頭の浅間に左前打を浴びる。1死を奪うも2つの四球で1死満塁となり、ここから2者連続で適時打を浴びて3点を失い、5-4と1点差に詰め寄られる。なおも2死二、三塁から1番の郡司に右前2点適時打を許した。この回4安打、2四球で一挙5失点し、5-6と逆転された。

◆阪神は逆転負けを喫し、オープン戦開幕5連敗となった。四回に森下&中野の〝侍コンビ〟による連打を起点とし、大山の右前適時打などで3点を先制。先発した才木が二塁を踏ませない4回1安打無失点の好投で流れを作ると、打線は六回にも近本の右中間適時三塁打、ミエセスの中犠飛で2点を追加し、5―1とリードを広げた。しかし、登板した六回を2奪三振を含めて三者凡退に抑えた及川が2イニング目の七回に暗転。連続四球などで満塁のピンチを招くと今川、水野の連続適時打で1点差に迫られ、その後の2死二、三塁では郡司に右前への逆転2点打を許した。チームは春季キャンプ中の2月23―25日に沖縄でオープン戦3連敗。続く今回の札幌遠征も2連敗と白星が遠く、2019年(1分け挟み6連敗)以来5年ぶりのオープン戦開幕5連敗となった。

◆阪神が逆転負け。1分挟む6連敗を喫した2019年以来のオープン戦開幕5連敗を喫した。4点リードの七回、2イニング目の及川雅貴投手(22)が4安打2四球で5点を失った。先発の才木浩人投手(25)は打球直撃のアクシデントに見舞われながらも、4回1安打無失点。打線は四回、大山悠輔内野手(29)のオープン戦13打席目の初安打が適時打となり、六回には三塁打で打点を挙げた。「6番・左翼」のヨハン・ミエセス外野手(28)も2打点。日本代表の活動でチームを離れる中野拓夢内野手(27)は1安打、森下翔太外野手(23)は2安打。D2位・椎葉剛投手(21)=四国IL徳島=は2番手で1回1失点。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り。ーー才木の投球を見ると心配はない「大丈夫。(当たった箇所は)肉のところ言うとったから。まあ予定通り4回投げられたからな。球数少なかったけど。順調で、逆算して、いけると思うけどな」ーー森下はいい状態に「(1番で)一回の打席立たせてのう、変な格好で行かされへんから、日の丸つけるのに。はよ回って来いって思ってたら、3回回ってきたから、1番にして良かった。ええ形でな、中野にもヒットが出たし」ーー森下には侍行くまでは何も言わずにと話していた「言うてるやん、ピート・ローズって言うてるやん。それで察するやろ」ーー取り組んできたことが形になっている「打ち方とバットが合ってないっていうことやからな。目指していることとバットがお前、ピート・ローズは合わんやろ」ーー大山は取り組んでいる右方向の打撃「1本出たら。だいぶヒットも出だしたし、こっちで近本も4打席立てたしな、甲子園に帰ったら雨とか、寒いとかでフルで出るのは難しいかもわからんし、ドームで良かったよな。この2日間は」ーー及川はあの回以外は良かったが「だからアレや、向こうの最初のピッチャーと一緒や。えらい速いなって思ったよ。バットを折ってな。でもセットになったらアカンようになるんやから。及川も一緒や。2段モーションみたいに重心をためてな。ランナーがいてない時はええけど、ランナーがいてる時の方が投げる球は多いからな。1人出たら、そのイニングはずっとセットで投げなアカンわけやから」(さらに続けて)「ちょっとやらなアカンな。ギャップが大き過ぎる。ゆったりしたモーションとクイックで投げなアカンから、コントロールも悪なる、球威もなくなる、そのへんはクリアせんと、1軍で長いイニングしんどいよな。絶対ランナー出さへんことなんかないからな、絶対出るからな。だからブルペンで足上げて気持ち良く投げてるばっかりじゃアカンいうことやな。セットでな、クイックとかそういう精度を上げなアカンわな」ーー構想としては先発調整「そうや、おーん。セットのアレは、やり直さなアカン思うよ」ーー投手コーチと「そうや、そうなるよな。これから徐々に投げるイニングなくなってくるからな。あのへんはな、余計そうよ。今度良かっても、雨で流れたらまだ投げるとこなくなってくるからな」ーーミエセスが2試合レフトを守ったが「いやいや、あんなもんやろ。昨日蹴ってたボール、蹴ったらアカン言うたったけど、ボールは蹴ったらアカン、野球のボールは(2日の一戦で失策)」ーー日本ハム・新庄監督は3年目。どういうチームになったという印象「どういうチームって外国人ばっかり出てくるなと思とったよ。そんな選手知らんし、誰がレギュラーで、昨日と今日でどんなメンバーでやるんかも見えんしのお。外国人はえらいボール速いなと思ったけどな」ーー野口、井上は甲子園で「誰か来るよ、だって、2人いてないなるんやから。どっちか。内野外野で1人、2人ずつ呼ばんと人数が15人なるしな、今17しか来てないからな、こっちもな、少ないからな。ノイジーが試合無理やろな。シートノック入ったって言ってたけど、試合まではまだ」

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(76)は才木浩人投手(25)の投球を絶賛すると同時に「第3捕手」にも言及した。才木の成長を感じたのは三回2死から伏見の打球が左足首付近に当たった(内野安打)が、そのまま続投したこと。以前の才木の性格から推測して、オープン戦だから無理はしないだろうとみていたら、マウンドに戻ってきた。強い気持ちが感じられ、心配していた精神的な部分で1ランク上の姿を見せてくれたのは頼もしかった。相手先発の外国人投手と、力と力の投げ合いを演じても全く引けを取らない。むしろ上回っていた。力強い球は順調。あえて注文をつけるなら、荒れ気味になった際の変化球の制球だ。低めへのフォークは問題ないのだが、スライダーの精度がもう少し上がれば安定感を増すだろう。岡田監督は性格的に決断が早い。才木が日曜日に投げたということで、順調に調整が進めば、開幕3戦目での先発が想定される。31日の巨人戦(東京ドーム)で才木先発の可能性は高い。気になったのは捕手のリード。2日の試合で岡田監督が栄枝に苦言を呈していたが、藤田も残念だった。七回に一気に5点を失った及川は悪い内容ではなかった。ただ投手はピンチを招くと早く抑えたいから投げ急ぎがち。余計に力が入って真ん中に投球が集まることもある。そんな時に、うまくリードしたり、間を取って落ち着かせるのが捕手の仕事。投手を助けてあげなければいけない。そういう意味では、藤田はまだまだ勉強が必要だろう。坂本、梅野に続く控え捕手層の薄さがこの2試合で顕著になったのは事実だ。

◆オープン戦初勝利がスルリ...。先発調整中の阪神・及川雅貴投手(22)は4点リードの六回から登板するも、七回に一挙5失点で試合をぶち壊し、反省した。「全ての原因は四球からだと思う。そこは本当に見つめ直さないといけないと思います」暗転の始まりは1死一塁からの2者連続四球。満塁のピンチを自ら招くと連打を浴びて1点差とされ、さらに2死二、三塁で郡司に右前2点打を許し、あっという間に逆転された。チームは2019年以来、5年ぶりのオープン戦開幕5連敗だ。六回と八回はともに2奪三振を含む3人斬りだっただけに、七回だけ後悔の残る3回4安打5失点だ。試合後の岡田監督が苦言を呈したのは、走者の有無による投球モーションの違い。「(無走者では)ゆったりしたモーションと、(走者を出すと)クイックで投げなアカンからコントロールも悪なる、球威もなくなる。そのへんはやっぱりクリアせんと、なかなか1軍では長いイニングしんどいよな」と、別人となった原因を冷静に分析し、修正を求めた。左腕は「また次にチャンスをもらえるかは分からないけど、終わったことはしようがない。しっかりと反省していきたい」。雪国での炎上を受け止め、今後につなげる。

◆阪神・原口文仁内野手(32)は九回に代打で登場して四球を選び、オープン戦8打席目で初出塁を果たした。この日に32歳の誕生日を迎え、スタンドからは日本ハムファンも加わってハッピーバースデーの大合唱が響いた。集中力を高めながらも「聞こえましたよ。もう、ありがとうございます。なかなか試合がないときの誕生日なので、聞けてうれしかったです」と表情を崩した。

◆五回に2番手で登板した阪神D2位・椎葉剛投手(21)=四国IL徳島=は1回2安打1失点。「フェン直を打たれたところは入りが高いと思ったし、その前の打者(中前打)もカウントを悪くしていた。ストライク先行でやっていきたい」と、2死一塁から右越え二塁打を許してのオープン戦初失点から課題を持ち帰った。一方で「初めてのドーム球場(での登板)だったので楽しく投げられた」と経験は前向きにとらえた。

◆途中出場の阪神・熊谷敬宥内野手(28)が走攻守で躍動した。代走から二塁に就いた五回の守備で万波のライナーをジャンピングキャッチすると、七回の打席では右前にはじき返し、二盗にも成功。存在感を示しながらも「変わらず1軍でいられるようにアピールするだけ」と気を引き締めた。中野が侍ジャパンに合流するため出番の増加が見込めるが「いつも通り結果にこだわってやっていきたい」と冷静に先を見すえた。

◆「3番・中堅」で出場した阪神・近本光司外野手(29)は状況に応じた打撃を見せた。四回無死二、三塁では二ゴロで先制点をもたらし、二走の中野を三塁に進めて大山の右前適時打をお膳立て。六回先頭では右前打で起点となり、大山の右越え三塁打で一気に生還した。札幌での2試合連続安打を決め、「状態というよりも、自分のやりたいことができたのでよかった」と胸を張った。

◆「7番・左翼」の阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)は1安打2打点と結果を出した。「チャンスだったので、自分の状況と試合の場面を考えながら打てたのでよかった」。四回に外角球に食らいつく左中間二塁打で3点目を刻むと、六回には中犠飛と、ポイントゲッターの役割を果たした。2日の一戦で失策を犯していた左翼守備に就き、懸命にプレー。岡田監督は「あんなもんやろ。昨日(2日)蹴ってたボール、蹴ったらアカン言うたったけど」と話した。

◆「5番・三塁」で出場した阪神・佐藤輝明内野手(24)は3打席に立つも快音なし。スタメン出場したオープン戦では4試合目にして初の無安打だった。「ちょっとズレていたので、また修正してやります」。六回無死三塁の第3打席は見逃し2球で追い込まれると、3球目の内角高め変化球に手を出して二飛に倒れ、近本、大山に続けず。修正点については「これから考えます」と話し、敵地を後にした。

◆力強い球をミットに突き刺し、北の大地でも「0」を刻み続けた。先発した阪神・才木浩人投手(25)が4回無失点でピシャリ。開幕に向けて順調な投球を見せた。「まあまあ、よかったと思います。真っすぐもそれなりにいって、変化球も(ストライクが)取れてよかった」シーズンと同じ中6日でのマウンド。一回はわずか8球で三者凡退に斬って滑り出すと、二回も3人で片付けた。三回2死で9番の伏見にとらえられた鋭い打球が左足首付近を直撃するアクシデントもあったが(結果は内野安打)、動じなかった。自らタイムを要求して一度ベンチに下がったが、すぐに再びマウンドへ。続く郡司を三振で斬ると、四回も三者凡退に抑えた。打球を受けた足については「全然大丈夫。治ります。治りました(笑)」と笑顔。最速は151キロを計測し、予定どおりの4回を1安打3三振で投げ切った。開幕まで1カ月を切り、シーズンを意識した投球だった。直球で押してファウルでカウントを稼ぎ、仕留めるときにしっかりフォークを落とす。スライダー、カーブは相手の反応も見ながら織り交ぜた。「もうそろそろ開幕も近い。ある程度はしっかり結果も(求めて)という感じでやっていけたら」と、得意な形で打者を押さえ込む配球にシフトさせた。岡田監督も「才木は順調。(開幕まで)逆算していけると思うけどな」と評価した。このまま中6日で投げていけば、巨人との開幕カード3戦目(東京ドーム)の先発が濃厚。2年連続の開幕ローテ入りはほぼ確実なものになり、才木もそこに照準を合わせていく。

◆虎を離れる前に、壮行をそれぞれ快音で飾った。札幌ドームで阪神・森下翔太外野手(23)&中野拓夢内野手(27)の侍コンビが躍動。まずは森下が口火を切った。「(ヒットが)出ないよりは出た方がいい。離脱する分、チャンスが他の選手に生まれてくると思う。いいアピールができた」四回の第2打席。球速150キロ超を連発していたマーフィーのカットボールを捉えた。右前に運んだ一打は、先制点を導くチーム初安打。五回にはザバラの初球157キロをいとも簡単に中前にはじき返した。中野も続く。四回無死一塁ではマーフィーの144キロチェンジアップを強振。あまり調子が芳しくない中でも右翼フェンス直撃の二塁打を放ち、「あそこまで打球が飛んだこともよかったですし、なにより後ろにつなげたことが一番よかった」とうなずいた。ともに6、7日に京セラドーム大阪で行われる日本代表の強化試合、欧州代表戦のメンバーに選出され、一旦チームを離れて日の丸を背負う。合流が4日ということもあって、試合途中に札幌ドームを離れ、関西への帰路についた。打席数を確保するため「1番」に入った森下が2安打、そして2番・中野も2試合連続安打と虎戦士は侍合流を前に頼もしい。11月に開催されるプレミア12への試金石となる今回の2試合。森下は「選ばれたからには自分の100%をしっかり出せるように準備をしてやっていきたい」と力を込めた。サッポロで〝一番〟に輝いた背番号1が、日の丸のユニホームでも強烈なインパクトを残す。(原田遼太郎)

◆阪神は3日、日本ハムとのオープン戦(札幌ドーム)に5―6で逆転負け。これでオープン戦は開幕5連敗となったが、「4番・一塁」で出場した大山悠輔内野手(29)がオープン戦初安打を含む2本の適時打で2打点を挙げ、取り組んでいる右方向への打撃で順調な調整ぶりを示した。札幌での2試合で大山をはじめ主力組が結果を残し、岡田彰布監督(66)も収穫を強調した。札幌ドームの右方向に高々と打ち上げ、手を伸ばす右翼手の先まで打球を飛ばした。大山がテーマのひとつに掲げていた逆方向の打球で2本の適時打を放って2打点。シーズンに照準を合わせる中で、試金石となる一打を放った。「逆方向とかではなくて、自分のやりたいこととかもありますし、いいところとまだまだなところと、両方あるので」慎重な言葉を並べたが、しっかりを結果を示した。まずは1点を先制した四回、なお1死三塁で日本ハムの先発・マーフィーの154キロを右前打。オープン戦5試合目、13打席目での初安打がタイムリーとなった。六回1死一塁の第3打席では3番手・上原の146キロ直球を振り抜き、ワンバウンドで右中間フェンスに届く適時三塁打。悠々と三塁に到達できる高い弾道の打球で、2打点目を挙げた。

◆六回に大山の適時三塁打が飛び出した瞬間、やっと勝ったなぁ...と編集局の窓際でつぶやいた。スポーツ新聞は、オープン戦であっても、勝ってハシャぐ。「岡田阪神、2024初星!」な~んて見出しが紙面の片隅に躍るんだろうと思い浮かべて、ニヤニヤしたりもした。ところが予想もしない大暗転。「初星」は遠いかなたに吹っ飛んで、「開幕5連敗」。意外にショックだ。これはオープン戦ですよ!というお叱りの声は聞こえてくる。本番だったら、七回のピンチで及川が続投していないでしょ! 岩崎を筆頭にしたタテジマが誇るゴールデン救援陣が投入されて、抑えるに決まっているでしょ!そのとおりです。それ以前に、先発・才木がずっと投げているでしょ!そのとおりです。本番だったら、試合途中に森下や中野がいなくなったりしないでしょ!おっしゃるとおり。勝ち負けを度外視して戦っているチームに勝利を義務付けてどうするんや!と言われれば、それまでだが、やっぱり勝った方が気分がいいに決まっている。「オープン戦●連敗ですが?」と歴代の虎の指揮官に尋ねて、「アホか!」と雷を落とされた回数は、自慢じゃないがトップクラスだと思っている。でも、失礼承知で聞きたくなるのが〝弱い時代〟のトラ番の習性というもの。札幌ドームのトラ番・邨田直人は「やっぱり試合前の担当記者の会話が『まだ勝ってないよな』になっているのは事実です」と苦笑いしていた。

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
日本ハム
301 1.000
(-)
-
(-)
15
(+6)
12
(+5)
0
(-)
3
(-)
0.270
(↓0.013)
3.000
(↓0.67)
1
(-)
ヤクルト
301 1.000
(-)
0
(-)
12
(+3)
7
(+3)
2
(+2)
3
(-)
0.230
(↓0.02)
1.750
(↓0.42)
1
(-)
ORIX
100 1.000
(-)
0
(-)
4
(-)
3
(-)
0
(-)
1
(-)
0.314
(-)
3.000
(-)
1
(-)
ソフトバンク
100 1.000
(-)
0
(-)
5
(-)
3
(-)
1
(-)
1
(-)
0.343
(-)
3.000
(-)
5
(1↓)
巨人
210 0.667
(-)
0
(-)
20
(-)
7
(-)
0
(-)
4
(-)
0.255
(-)
1.670
(-)
6
(1↑)
広島
330 0.500
(↑0.1)
0.5
(↓0.5)
21
(+3)
20
(+2)
2
(-)
2
(-)
0.232
(↓0.008)
2.750
(↑0.16)
7
(2↓)
楽天
230 0.400
(↓0.1)
1
(↓0.5)
12
(+2)
12
(+3)
0
(-)
3
(-)
0.249
(↓0.014)
2.250
(↑0.06)
8
(3↓)
DeNA
121 0.333
(↓0.167)
1
(↓0.5)
13
(+3)
14
(+4)
2
(+1)
5
(+1)
0.276
(↓0.02)
3.710
(↓0.25)
9
(1↓)
中日
131 0.250
(-)
1.5
(-)
10
(+3)
23
(+3)
1
(-)
0
(-)
0.200
(↓0.01)
4.600
(↑0.4)
10
(1↓)
阪神
050 0.000
(-)
3
(↓0.5)
12
(+5)
23
(+6)
2
(-)
3
(+1)
0.177
(↑0.015
4.500
(↓0.56)