巨人(★1対2☆)ヤクルト =オープン戦1回戦(2024.02.25)・沖縄セルラースタジアム那覇=
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ヤクルト
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巨人
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勝利投手:吉村 貢司郎(1勝0敗0S)
(セーブ:阪口 皓亮(0勝0敗1S))
敗戦投手:中川 皓太(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆巨人は、ドラフト1位ルーキーの西舘が3番手で登板。2回無安打無失点の好投で、上々のオープン戦デビューを飾った。対するヤクルトは、先発・小澤と2番手・吉村がともに3回無失点と好投。開幕ローテーション入りへ、そろってアピールに成功した。

◆"サカチョー"そろい踏み-。巨人の長野久義外野手が「2番左翼」、坂本勇人内野手が「3番三塁」でスタメン。いずれも実戦での出場は初めてとなる。前日の広島戦で4安打3打点のルーキー佐々木俊輔外野手(24=日立製作所)は、5番に抜てき。オープン戦2試合連続2桁安打で連勝を飾り勢いづく新風打線に、ベテラン勢が加わった。先発は山崎伊で、開幕ローテーションの柱の一角としてマウンドに立つ。

◆巨人山崎伊織投手(25)が今季初実戦で1回1安打無失点に抑えた。先頭の西川に中前打を浴びるも、武岡を右飛、宮本を一ゴロの併殺に仕留めた。ランナーこそ出したが、3人で終わらせた。球数8で予定通り1回を投げ終え、最速は149キロだった。「初めての登板だったので、力が入ってしまいましたけど、その中で力が入ってるなと自分で認識してから力を抜いて投げられた。落ち着いて投げられたと思います。初めての試合にしてはまずまずだと思う。走者は出してしまったが、実戦に近い形でクイックでも投げられた。次につながる投球ができたかな」と振り返った。

◆巨人近藤大亮投手(32)が新天地での実戦デビューで、1回1安打無失点だった。8回から6番手で登板。オフにオリックスから金銭トレードで加入した右腕は、巨人のユニホームを着て初めて試合のマウンドに立った。先頭北村拓の左前打と犠打で1死二塁のピンチとなったが、宮本を一ゴロ、内山を二ゴロで無失点に抑えた。寒空に覆われた沖縄で半袖で腕を振り、"デビュー戦"を無失点で封じた。

◆巨人が阿部新監督体制となって"初黒星"を喫した。ヤクルトに1-2で敗れた。8回まで2安打に封じられた打線は最後に粘りを見せたが、1点及ばなかった。2点を追う9回。1死二、三塁から代打萩尾の犠飛で1点差とした。ただ、9回2死二塁で秋広が見逃し三振に倒れた。投手陣は7人のリレーで2失点に抑えた。今季は18日練習試合の韓国サムスン戦に11-3で快勝。オープン戦も23日阪神戦は9-4で白星を飾り、24日広島戦も10-1と3連勝していた。昨秋の侍ジャパンとの練習試合も1-0で勝利していた。

◆巨人阿部慎之助監督(44)がドラフト1位の西舘勇陽投手(21=中大)の地球規模の"ブラジリアン・フォーク"に仰天した。登板2ニング目の4回に西川に1球、宮本に2球を投げたフォークはベース板よりかなり手前でワンバウンドした。阿部監督は「フォークを投げたら地球の裏側の人がびっくりしちゃう。ブラジルの人がびっくりしちゃう感じだけどね(笑い)」とユーモアたっぷりに表現した。3球とも打者に見逃されボールとなったが「ああやって投げていかないと練習にならない。その前に岸田がナイスストップしたしね」とバッテリーの取り組みを高評価した。

◆ヤクルト阪口皓亮投手(24)が、寒空の中で半袖で力投した。2点リードの7回から登板。2イニング連続で3者凡退に討ち取り、リズムに乗った。9回は先頭から連続四球で苦しみ、1死二、三塁から犠飛で1点を献上。何とか後続は断ち切り、3回47球を投げ、無安打3三振1失点と要所で輝きを放った。晴天が続いていた那覇も、この日は雨風が吹き荒れた。多くの投手陣が長袖や七分袖で投球する中、阪口は半袖を選択。その理由はかねてからのスタイル。「長袖は一応持ってはいるんすけど、試合の時に長袖来て、ちょっと気持ち悪くて。せめて七分袖かなと思ってたんすけど、アンダーシャツを全部、肩までノースリーブ状に切っちゃったんで」。繊細な感覚を左右する投球の一部だったことを明かした。23年7月にDeNAからトレードで移籍した右腕。この日の投球については「カーブも有効に使えましたし、まあ初見っていうのも多分あると思いますけど、スライダーに関しては、見逃してくれたり、反応してくれたりはあったんで、いい感じでした」。高津監督は「ボールはすごく素晴らしい」と評価しつつも、最終回の連続四球に苦言を呈した。「彼はね、やっぱ打ちづらいと思いますよ、バッターから見たら。ただ、ストライク入らないので、今日に関しては。打ちづらさを披露できないというのはもったいないなと思って、横から見てました」とうなずいた。前回登板の15日ロッテとの練習試合(浦添)では、2回を2安打無失点。先発候補の1人として期待がかかるだけに、次回登板では同じミスは繰り返さない。「アピールしないといけない」。半袖からほとばしる熱気を飛ばし、結果を追い求めていく。

◆巨人阿部慎之助監督(44)が"初黒星"を喫した。ここ2戦はいずれも2ケタ安打で2連勝だったが、ヤクルトに2安打1得点と小休止。2点を追う最終回に2四球に犠打と犠飛で1点をもぎとり「最後にいい形もつくれた。負けはしたけど、いい試合だったかなと思います」と評価した。一方で9回2死二塁から見逃し三振で最後の打者となった秋広には「今日は天気も悪かったし、何か変なお告げがきてたんでしょうね。最後の打者は...。そう思います」と話した。

◆ヤクルト北村拓己内野手(28)が、古巣との試合で結果を出した。昨年12月に現役ドラフトで巨人から加入した男は、1点リードの5回1死満塁の場面で代打で登場。"初対戦"となった、巨人中川から右犠飛を放った。8回先頭では、左前打。「オープン戦ですけど、ちょっと、いつも以上にというか、不思議な感じもありました」とかみしめた。これまでは一塁で相手を迎え入れている立場だった。「ジャイアンツのユニホームを着て、今までやっていましたし、ジャイアンツのユニホームが、敵という、この部分に関しては本当に不思議な思いはありましたけど、僕自身もいい結果を残せるようには頑張っていきたいなと思います」と恩返しを誓った。

◆開幕ローテ候補のヤクルト吉村貢司郎投手(26)が収穫と課題を得た。4回から2番手で登板し、3イニングを1安打無失点。テーマに掲げていた直球は最速152キロ。緩急を使い分けることで、各打者へのタイミングの取り方で学びがあった。一方で4回先頭での四球を猛省。「出しちゃいけないタイミング。シーズン中ではやってはいけない」と先を見据えた。

◆ヤクルトは「高津再生工場」が軌道に乗っている。巨人とのオープン戦では、前ソフトバンクの増田が先制打。守備でも1回に巨人坂本の左翼への飛球をダイビングキャッチ。「レギュラーとりたいという気持ちは強くあると思いますし。なかなかホークスではいい結果を残せなかったので、ヤクルトではしっかり恩返しも込めていい成長をしていきたい」。前楽天の西川も24日の阪神戦に続き2試合連続安打。戦力外を味わった2人がアピールを続ける。昨年12月に巨人から現役ドラフトで加入した北村拓も、古巣相手に犠飛を放つなど存在感を示した。投手陣では前ソフトバンクのリリーフ左腕・嘉弥真が21日の楽天との練習試合(浦添)、24日の阪神戦(同)で2試合連続無安打無失点。新天地にやって来た男たちが、数字を残している。かつて「野村再生工場」という言葉がうまれた。高津監督も「一度クビになった、でも、もう1回新しく頑張ろうと思う人に対しては、やる気を出さしてあげたくて。野球って楽しいなとか、ここでプレーできてうれしいなとか、そういう気持ちでグラウンドに立ってほしい」と歓迎する。「間違いなくチームに確変を起こそうとしてくれている存在」。地盤は出来ている。【栗田尚樹】

◆三塁手としてシーズンを迎える巨人・坂本勇人内野手(35)が今季初実戦に臨む。阿部慎之助監督(44)が年間通しての起用を明言している「3番・三塁」でスタメンに名を連ねた。同じく初実戦となるチーム最年長の長野久義(39)は「2番・左翼」で先発する。24日の広島戦で4安打3打点と活躍したドラフト3位・佐々木俊輔外野手(24)=日立製作所=は5番に入った。

◆巨人・山崎伊織投手(25)が対外試合初先発し、1回を無失点に抑えた。先頭の西川に変化球を拾われ、中前打こそ許したが後続の武岡を右飛、宮本を一ゴロ併殺打に仕留めた。直球は最速148㌔を計測。昨季自身初の2桁?勝を挙げた4年目右腕は「ランナーを出してしまったけど、クイックでも投げることができたので、次につながる」と前を向いた。

◆成長の跡を見せた。2年目のヤクルト・吉村貢司郎投手(26)が、2番手で3回1安打無失点、3奪三振と好投した。直球の最速は152キロを計測。120キロ台のカーブも織り交ぜた緩急自在の投球で、開幕ローテーション入りへ猛アピールした。「真っすぐの質は意識しながら、今回は緩急も使って投げていきたいと捕手と話していた。(打者の)反応もよかった」昨季のドラ1右腕は、今年の〝開幕投手〟となった15日のロッテとの練習試合(浦添)を含めて対外試合で計5回無失点。直球の力強さ、変化球の切れともに申し分なかったが「ボール先行になってしまったところもあった。まだまだ修正すべき点がある」と課題の克服にどん欲だ。高津監督は「今はいい状態」と評価。シーズンを通して活躍すべく、己の投球を突き詰める。(赤尾裕希)

◆古巣に恩返しだ。現役ドラフトで巨人から加入したヤクルトの北村拓己内野手が五回1死満塁に代打で登場し、右犠飛。移籍後〝初打点〟をマークすると、八回には左前打を放った。右打ちの内野手は、試合前に阿部監督から「お互い敵だけど、頑張ってくれ」と激励されたといい「本当に楽しみにしていたし、いつも以上に不思議な感じもあった。より一層頑張ろうという気持ちになった」と明かした。(那覇)

◆昨季6勝(4敗)を挙げた右横手投げのヤクルト・小沢怜史投手が先発し、3回1安打無失点で開幕ローテーション入りをアピール。「去年は入れなかったので、今年は開幕ローテに入れるように」と見据えた。2020年にソフトバンクを戦力外となり、再生。投球の幅を広げるため、重点的に強化したカットボールを多投した。2年前にOBの館山昌平氏から教わったものを改良して好感触を得ているといい「これからも続けていきたい」とうなずいた。(那覇)

◆巨人のD5位・又木鉄平投手(日本生命)が六回に5番手で登板し、2回無安打無失点と好投。安定した〝又木の回またぎ〟を見せ「無心で投げられたのでよかった」と胸を張った。18日のサムスン戦(那覇)では2回1失点。力みが課題となった前回登板の反省を生かした左腕に、杉内投手チーフコーチは「自分で考えて修正してくれた。いいボールを投げていた」と評価した。(那覇)

◆巨人・阿部慎之助監督(44)が25日、右脇腹の張りで別メニュー調整の丸佳浩外野手(34)を29日からの台湾遠征に帯同させない方針を明かした。「丸は連れて行かない。野手は16人で行くと思う」と新外国人のオドーア(前パドレス)とともに残留させる。丸は22日の打撃練習の際に右脇腹を負傷。「嫌な張りだったので大事をとって」と患部の状態を説明しており、この日は左翼でのノックやダッシュで体を動かしたが、スイングはしなかった。

◆三塁手として18年目に臨む巨人・坂本勇人内野手(35)が今季初実戦に「3番・三塁」で先発出場し、2打数無安打ながらも最初の守備機会で華麗なゴロ処理を披露した。「たまたまですよ。よかったです」と笑顔で振り返ったのは三回1死。増田が放った三塁線へのボテボテの打球を、素早い持ち替えと軽やかなランニングスローでアウトにした。新グラブは「まだ型ができていない」と昨季遊撃でも使用したモデルで臨んだが、特訓を重ねている三塁守備で〝進化〟をアピールした。打席では左飛、見逃し三振に倒れ「タイミングが全然合っていなかったので、これからですね」と先を見据えた。坂本を一年間「3番・三塁」で起用すると明言している阿部監督は「(守備は)素晴らしかった。脱帽します。スイッチを入れたらできる選手。僕の信頼は揺るがない」とうなずいた。(谷川直之)

◆ソフトバンクを戦力外となり、ヤクルトに新加入した増田珠(しゅう)内野手(24)が25日、巨人とのオープン戦(那覇)に「8番・左翼」で先発出場。五回に右前適時打を放ち、移籍後初打点をマークした。内野手登録ながら挑んでいる左翼の守備では一回にダイビングキャッチを披露し、チームを鼓舞。かつて、再生工場と呼ばれた新天地で再起を期す若武者が、攻守でアピールした。試合は2-1で勝利した。がむしゃらさがあふれ出た。新戦力の増田が攻守でハッスル。打撃では移籍後初打点をマークし、左翼の守備ではダイビングキャッチで沖縄のファンを沸かせた。「なかなかホークスではいい結果を残せなかった。ヤクルトではしっかり恩返しの気持ちも込めて成長をしていきたい。いい結果を出したい」最初の見せ場は一回の守備だ。強風が吹く悪条件の中、坂本が打ち上げた前方への飛球に迷いなく突っ込んだ。勢いよく飛び込み「ためらわずにいけたので捕れたと思う」と胸を張った。次は0-0で迎えた五回の攻撃だ。1死一、二塁、外角高めの直球に食らいついた。右前適時打で先制点を生み、「集中して打席に入って、ああいう形になってよかった」とうなずいた。

◆〝幻惑クイック〟で相手打者を翻弄した。巨人のドラフト1位・西舘勇陽投手(21)=中大=が25日、ヤクルトとのオープン戦(那覇)に三回から登板。2回を無安打無失点に抑える好投を見せた。「クイックで足を上げてみたり、セットに入ってからの間だったりを変えながら。指のかかりがよくて、フォームでも得られるものがあった」代名詞のクイック投法に加えたスパイスが効いた。三回1死、増田を相手にカウント1―0から左足を上げるフォームでファウル。続く3球目はセットポジションから間を置かずにクイックで投じた。立ち遅れた打者はタイミングが取れず、149キロの直球を見逃してストライク。最後は三ゴロに打ち取り「間を変えて有効的だった」とうなずいた。プロに入り「1球目から簡単に合わせてくる」と打者のレベルの高さを痛感してフォームの改造に着手した。宮崎キャンプでは左足を腰の高さまで上げるフォームをシャドーピッチングで練習。沖縄に入ってブルペンで試し、この日初めて打者を相手に披露した。「何個か引き出しがあればバッターの反応も違ってくる。慣れるためにも練習しないといけない」と新たな武器にさらに磨きをかける。収穫とともに課題もある。エースの戸郷直伝のフォークを試している背番号17。この日は「引っ掛けて制球できなかった」とホームベースの手前でバウンドする場面が目立った。「ツーストライクまでは投げ込めているので最後の決め球を次の課題としてやっていきたい」。試行錯誤を繰り返し、投球の幅を広げる。(原田優介)

◆〝幻惑クイック〟で相手打者を翻弄した。巨人のドラフト1位・西舘勇陽投手(21)=中大=が25日、ヤクルトとのオープン戦(那覇)に三回から登板。2回を無安打無失点に抑える好投を見せた。西舘の投球タイムをスマートフォンのストップウオッチで計ってみた。この日投じた全30球で投球動作に入ってから本塁到達までを計測。プロの投手では1・3秒台で及第点とされるクイックで最速1・11秒。左足を上げるフォームで最遅1・41秒だった。手動計測だが、最大0・3秒の差があることが分かった。球団スコアラーは「あれは彼の武器。バッターは嫌だと思う」とうなった。クイックに加えてセットポジションに入ってから投球動作に入るまでの「間」にも変化をつけており、打者はタイミングを取るのが難しいと感じているだろう。大学時代からの代名詞であるクイック投法にメスを入れるなど、試行錯誤を繰り返している西舘。フォームのみならず、進化を続けるドラ1右腕の投球から目が離せない。(巨人担当・原田優介)

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
200 1.000
(-)
-
(-)
3
(+2)
1
(+1)
0
(-)
1
(-)
0.246
(↑0.005
0.500
(↓0.5)
1
(1↑)
日本ハム
101 1.000
(-)
0
(-)
6
(-)
5
(-)
0
(-)
1
(-)
0.297
(-)
2.500
(-)
1
(10↑)
DeNA
101 1.000
(-)
0
(-)
7
(-)
5
(-)
1
(-)
4
(-)
0.297
(-)
2.500
(-)
4
(3↓)
巨人
210 0.667
(↓0.333)
0
(-)
20
(+1)
7
(+2)
0
(-)
4
(+1)
0.255
(↓0.056)
1.670
(↓0.17)
5
(4↓)
楽天
110 0.500
(↓0.5)
0.5
(↑0.5)
5
(+2)
4
(+4)
0
(-)
2
(-)
0.282
(↓0.012)
2.120
(↓2.12)
6
(1↓)
中日
120 0.333
(↑0.333)
1
(↑0.5)
4
(+4)
14
(+1)
0
(-)
0
(-)
0.207
(↑0.04)
4.670
(↑1.83)
6
(2↓)
広島
120 0.333
(↓0.167)
1
(↓0.5)
13
(+2)
13
(+3)
1
(-)
1
(-)
0.255
(↓0.013)
3.080
(↓0.08)
8
(3↓)
阪神
030 0.000
(-)
2
(↓0.5)
5
(+1)
14
(+4)
2
(-)
2
(-)
0.144
(↓0.008)
4.500
(↑0.56)