中日(☆4対1★)阪神 =オープン戦1回戦(2024.02.25)・アグレスタジアム北谷=
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阪神
0100000001410
中日
00202000X4910
勝利投手:土生 翔太(1勝0敗0S)
(セーブ:松山 晋也(0勝0敗1S))
敗戦投手:才木 浩人(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆中日は、カリステが2点適時二塁打を含むマルチ安打と躍動。開幕スタメン入りへ、バットで存在感を示した。対する阪神は、2番手・ゲラが1回無失点。初実戦のマウンドで結果を残した一方、打線は4安打1得点と沈黙した。

◆阪神才木浩人投手が25日の中日戦(北谷)に先発する。18日の広島との練習試合では2番手で2回を投げ、1安打無失点。「真っすぐとフォークを決めきられるように意識したい。今は結果よりも内容というか、自分の感覚とボールが合っているか、バッターの反応がどうかを見ながらできればいい」と投球の質にこだわる。

◆中日春季キャンプ最終日は昨季日本一の阪神とのオープン戦。チケット売り上げも過去最高に迫る勢いを見せている。前売り券は内野4000席に対して、3100枚が販売済み。外野席を合わせて3900枚を売り切った。試合を主催する沖縄・北谷町担当者は「二十数年数年前に当日券含めて5000枚超えを販売したのが最高だそうです。もっと天気が良ければ、当日券も伸びるんでしょうけど...」と心配顔。この日は曇天だが、当日券購入者が伸びれば、史上最高6000人突破の可能性もある。

◆阪神、中日ともにオープン戦2連敗スタート。初勝利をかけて阪神は才木浩人投手(25)、中日は柳裕也投手(29)の両右腕の投げ合いで始まる。試合開始は午後0時半開始予定。

◆最速160キロ超を誇る阪神新外国人のハビー・ゲラ投手(28)が初実戦で1回無失点と上々のデビューを果たした。4回から2番手でマウンドに上がった。先頭の宇佐見にフルカウントから四球を許すも冷静だった。木下からカットボールで空振り三振を奪うと、続く山本の打席では素早いけん制で一塁走者の宇佐見を刺した。山本も右飛に仕留めて、1回無安打1奪三振無失点。最速は153キロだった。「最初、浮き足だったじゃないですけど、緊張感というのがあった。感じとしては、悪くなかったですし、最後は心地よく投げられたというか、いい感じでイニングを終えることができた。ちょっと寒かったですけども、それでもいい投球ができて良かった」と振り返った。得意だというけん制ではタッチアウトに仕留め「自分でやってアウトにできるなと思ったので、本能で投げました。もちろんけん制も練習でしっかりやってること。それも今日はいいタイミングでいいところに投げられました」としてやったりだった。今春キャンプでは2度、フリー打撃の打撃投手として登板。来日最速の159キロを計測するなど順調な調整を見せていた。開幕まで残り約1カ月。「まだ1カ月ありますから。1つ1つの毎日を大切にして、しっかりと準備していきたい」と力を込めた。

◆阪神のハビー・ゲラ投手(28)が初実戦で1回無安打1奪三振無失点と上々のデビューを果たした。一塁走者をけん制で刺す場面もあるなど、他球団のスコアラーも警戒感を強めた。対外試合初登板に巨人中里スコアラーは「フォームも力感なくスムーズに投げているわりには軽く投げているように見えて球が速い。スライダーも速く曲がりますし、けん制でアウトを取るとか野手上がりで細かいプレーとかは上手。慣れてくればスピードも上がると思うし、精度も上がると思うのでいいピッチングだったと思います」と振り返った。先頭の宇佐見に四球を出したが慌てることなく落ち着いた投球。「今日はランナー宇佐見でクイックして投げたりとか、今日のけん制とか見る限り、あまり問題はないのかなと思います。全然細かい技術も持っているし、日本の野球にもすんなり入ってこれる」と警戒した。

◆阪神は貧打が響いて中日に敗れ、オープン戦開幕3連敗を喫した。先発の才木が3回に今春実戦3試合目で初失点。3本の安打を集められるなど2失点し、3回4安打2失点でマウンドを降りた。2番手の新外国人ゲラが実戦デビューで1回を無失点。四球で出した走者をけん制で刺すなど落ち着いた投球だった。ただ、1-2から3番手で5回に登板した石井が1回3安打2失点でリードを広げられた。打線は2回、2死から森下の左中間二塁打などで一、二塁とすると、8番坂本が三遊間を破る適時打で先制に成功する。しかし、4回に佐藤輝にチーム3本目の安打が出てからはなかなか快音が響かず、四死球で出塁した走者も生かし切れなかった。チームは矢野監督時代の19年以来となるオープン戦3連敗。初戦は巨人打線に投手陣が打ち込まれ、2戦目はヤクルト投手陣にわずか1安打で完封負け。3戦目も投打がかみ合わず、白星とはならなかった。

◆阪神の開幕ローテ候補、才木浩人投手(25)が今春実戦で初失点。3回4安打2失点(自責1)だったが、収穫の多いマウンドとなった。初回2死からカリステに中前に運ばれたが、細川を直球で押し込んで中飛に仕留めて無失点。2回も3者凡退に抑えた。しかし、1-0の3回、先頭山本の二塁打から2死三塁とされると、三好に直球を中前にはじき返されて同点。続くカリステの二ゴロを渡辺が後逸し、一、三塁とピンチが広がると、細川に甘く入ったカーブを左前に運ばれて勝ち越しを許し、この回限りでマウンドを降りた。才木は「結構自分の中では感触良かった。カーブとかスライダーとかのストライク率もだいぶ高かった。打たれたのも結局コースが甘いボール。普通に自分の中ではいい感じかな」と振り返った。課題は明確だ。それと同時に手応えをつかんだマウンドだった。「(坂本)誠志郎さんとかと話して、今日真っすぐとかフォークとか感じが全然悪くなかったので、これで抑えても何の収穫にもならないから、変化球とか続けてみようかと話していた」と2回以降は変化球を続けるなど普段とは違う配球を試した。「バッターの反応とかを試せたのですごい良かった。こういう配球ができるとか、組み立てがある程度できたらシーズン中も生きてくることなので良かった」と坂本とのバッテリーでシーズンではできない配球で新たな引き出しを探った。今春キャンプでは12日紅白戦で1回無失点、18日練習試合広島戦で2回無失点と好投。実戦3試合目にして初失点を喫したが、実り十分だった。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が2試合ぶりの安打をマークして好調をキープした。「5番三塁」で2試合ぶりの先発出場。4回の第2打席で左腕橋本から中前にはじき返し、2試合ぶりの安打をマークした。「手応えのある打席だった」と好感触。6回の第3打席で四球を選び、代走を送られて交代。3打席で2打数1安打1四球と好調を維持した。今春実戦では18打数9安打、2本塁打、4打点で打率5割。確実性の増した打撃に変身を遂げている今キャンプの実戦はこれで終了。「収穫もあった。まだまだやることあると思うので、戻ってからまたしっかり頑張ります」と27日のキャンプ打ち上げまでさらに沖縄で進化を続けるつもりだ。

◆阪神の大卒3年目、岡留英貴投手(24)が1回を2奪三振で3者凡退に仕留め、今春キャンプ実戦で4試合連続無失点とした。3点ビハインドの8回から登板。後藤をシンカーで空振り三振に仕留めると、続く板山は直球で押し込んで遊飛、最後は石橋をスライダーで見逃し三振と打者3人でピシャリと封じた。「しっかり投げきろうと思ったところに投げきれたり、カウントを取るときに取れたりとか、やりたいことができてそれは良かった。キャッチャーの意図していることを理解して投げようというのができた。結果3人で抑えられて良かった」とアピールに成功した。今春キャンプの実戦では紅白戦を含む4試合でいずれも無失点。「自主トレでオフシーズンやってきたことをしっかり継続してできている。これからオープン戦も続いていくので、しっかり自分のやることを継続してやって、課題をつぶしていけたら」と今後を見据える。21年ドラフト5位で亜大から入団。23年に1軍デビューし、8試合に登板。今年はここまで1軍キャンプでアピールを続けている。

◆阪神岡田彰布監督(66)が、森下翔太外野手(23)をもう少しだけ"放牧"する。「6番右翼」で先発した森下は、2回2死の第1打席で左中間へ二塁打を放った。今キャンプではメジャー最多安打のピート・ローズモデルのバットを使うなど試行錯誤してきた森下。この日は昨年型のモデルに戻して長打をマークした。岡田監督は「俺は侍まで放っておこうと思ってるから(笑い)。だから別に打ち方とかそんな悪ないやんか。バットが悪かった(笑い)」ときっぱり。3月6、7日に京セラドーム大阪で行われる「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 欧州代表戦」が終わり次第、修正に着手する。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-森下はバットを代えた成果が出ているかいや、森下は、俺は侍まで放っておこうと思ってるから(笑い)。侍から帰ってからや。侍まではあんまりいらんこと、いじらんとこ思てるから(笑い)。侍帰って甲子園からやろ。-打球の角度もついてきたと思うがまあもうちょっとポイントが悪いわな。ちょっとさされ気味の打球がやっぱりな、あれはスイングの速さであそこまで持っていっとるけど。もうちょっとボールをな、半分くらいポイントが良かったら、もっと軽くな、スタンド行くんちゃうかな、おーん。まあそのへんは徐々に。まだ1カ月あるから。自分のタイミングやろな。-侍から帰ってきてからでも間に合う全然間に合う。だから別に打ち方とかそんな悪ないやんか。バットが悪かった(笑い)。そうやん。-それはもっと早くやっていればこの引っかかりいうのは大事なんやで。ここの、グリップエンドいうのは大事なんやで。なあ。グリップエンドあれへんやん。だから(練習中に)バットこないだも抜けとったやんか、空振りして。バット飛んどったやろ。その分やっぱり強く握らなあかんから。バットが出ないとかな。そういう悪影響も出るわな。

◆阪神はオープン戦開幕3連敗となったが、新助っ人が好投を見せた。新外国人のハビー・ゲラ投手(28)が初実戦で1回無安打1四球無失点と上々のデビュー。素早い身のこなしで一塁走者をけん制で刺すなど、投球以外の武器も披露した。また、今キャンプで好投を続けている岡留英貴投手(24)は8回を3人斬りとこの日もアピール、指揮官も高く評価した。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り。-ゲラはまあ、1イニングやからな。セ、パ関係なしに投げさせたけど。こっちで1回な、こっちでと思ったけど、こんなに寒なるとは思わへんかったけど。まあちゃんとな、もし何かあったらアカンと思ったけど、ちゃんと1イニング投げてよかったと思ったけど。-けん制のうまさをみせたああ、あんなん見せんでええのにな。-このまま調整していってくれたら最初から入れる選手やから、そんなんもう。ただうまく開幕にな、合わせるようにこっちはやるだけやからな。-岡留はよかったおお。だからこれはもう、なあ。ブルペン陣も徐々に、絞っていかなあかんからな。そういう感じで1日おきで投げているけど、なんていうんかなあ、ブルペンでいい感じで投げとる、このキャンプ中にちゃんと投げているピッチャーは実戦でもちゃんと投げているよな、結果も出ているということやから、これははっきりしてるよな。だって、(今)14人で8人やからな、6人外れるんやで。いてる中で。まだ6人までいってないわ。まだわからへんわ、2~3人は。まあそれは徐々に、甲子園に帰ってからやろな。甲子園から離れるとなかなか本拠地ででけへんからな、高校野球があるから。そのへんではある程度な、プラス1、2(人)くらいの感覚でいかなあかんやろな。-岡留は勝ちパターンも考えられるか。いやいや、全然、勝ちパターンっていうか、俺は敗戦処理のピッチャーなんか考えてないから。そういう言葉を使わへんから、敗戦処理とかな。まあ、1点差で負けてる時のピッチャーにしとくわ(笑い)。そういうことやからの。-以前も言っていたが自信を持って投げているいやあもう、だって1年前を見てみいよ。2、3回言うてるけど1年前の姿とこの1年後の姿、こんだけ変わるんやから。すごいやんか。俺はそう思うよ。だからまあ、ストライク入らんと、1年前悔しいなあ、実戦でやって、1年後ここまで成長してるわけやからなあ、そらもう、自分の努力じゃないか? みんなが認めてるやんか。こんだけ抑えたら、やっぱり結果出したら、そらもう使わんとしょうがなくなってるわ、こっちものお。これ使わんかったら怒られるよ俺(笑い)。こんだけちゃんとやってるのになあ、そういうことやからなあ、抑えてるピッチャーはやっぱり使うたげないと。それはもう勝負の世界や、勝ち抜いたピッチャーやもんな、やっぱり。すごいと思うよ。

◆阪神はオープン戦開幕3連敗となった。育成ドラフト2位の福島圭音外野手(22)は3回の中堅守備から途中出場。5回に立った打席では空振り三振に倒れた。今キャンプで快足を買われてきた新星も、実戦ではアピールしきれず。岡田彰布監督(66)は「やっぱりもう1回2軍でやらなあかんと思うよな」と話した。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-福島も1打席いやもうちょっと、これな、やっぱりもう1回2軍でやらなあかんと思うよな。三振してなかったら、もうちょっと出していかしたんやけどな。あの三振の仕方で代えたけどな。-井上、野口あたりいや、もうそこが線引きの一番あれのとこやで。-1打席で結果を出せというメッセージを感じたまあ、そのへんはもうちょっと見てからやな。-ミエセスは昨年4打席あった方がという感じで言っていたがまあどっかで甲子園の時にな。ちょっとフォームのな。ちょっと立たしてもええけどなあ。なかなか打席の数がなかなか増えへんやんかな。それは向こう帰ってからやな。札幌から帰ってからやわ。札幌帰って、甲子園からやな。2試合は2人おらんからな。ある程度なDHとかも使えるかも分からんけどな。-オープン戦は勝ちはなかったけど、収穫はたくさんあった収穫いうかなあ。-あかんとこはあかんとこて。お前。あかんとこは点取られたピッチャーがあかんとこや。-そんなに気に留めないまあ別にそんなお前。まあ収穫も何も。まあな実戦慣れていくいうことやろ。それのスタートやったいうことやろな。

◆中日の三好大倫外野手(26)がオープン戦3戦目、21イニング目でチーム初得点を呼んだ。3回2死三塁で阪神才木から中前に同点適時打。マルチ安打と好守で存在感を見せた。「自分のやりたいことができたキャンプだった。(走攻守)3拍子でアピールして熾烈(しれつ)な外野陣に食い込みたい」。岡林が右肩炎症で別メニュー調整中でもあり、4年目で初の開幕スタメンに向けてアピールを続ける。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、打率5割をキープして沖縄での実戦を締めくくった。中日とのオープン戦(北谷)に「5番三塁」で先発。4回の第2打席で中日の左腕橋本から中前打を放ち、自身2試合ぶりのHランプをともした。6回には四球で出塁。「収穫もあった。よかったです」と手応えを口にした。紅白戦、練習試合を含む今春実戦は18打数9安打、2本塁打、4打点で打率5割。オープン戦初戦となった23日の巨人戦では右中間へ特大の1発を放った豪快さもありながら、実戦8試合のうち7試合で安打を記録した確率の高さも見せつけている。オフに米シアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」を訪れ、打撃フォームを解析。本塁打になりやすい打球の角度を追求し、フォーム改造に着手した。ややお尻を突き出し、前傾気味で始動。手だけでなく体全体を使ったスイングを、ティー打撃から体に染みこませてきた。「方向性は間違っていない」と繰り返し言ってきた。キャンプも残り2日。「まだまだやることがあると思うので、戻ってからまたしっかり頑張ります」と、ここからは総仕上げに入る。沖縄でやり残したことはつくらない。【中野椋】

◆実戦デビューの阪神ハビー・ゲラ投手(28=レイズ)が超速けん制で球場を沸かせた。中日とのオープン戦(北谷)に4回から2番手で登板。一瞬の隙を逃さなかった。空振り三振を奪った直後の1死一塁。次打者が打席に入りかけたタイミングで、すかさずけん制を入れた。一塁走者宇佐見は慌てて戻ったが、タッチアウト。ざわつきの後、球場からは自然と拍手が起こった。「サインではないよ。自分でアウトにできると思ったから、本能で投げたんだ。ランナー見た時かな。いけるなと思ったんだ」内野手としてメジャーデビューした経歴を持つ右腕の嗅覚だった。前日24日にはフリー打撃で柵越えも披露。他球団のスコアラーも視察する中、この日もブルペン投球だけでは分からない武器を、またチラリ。岡田監督は「あんなん見せんでええのにな」と笑った。マウンドでは安心感が漂う。先頭打者こそ四球で出塁を許したが、球数を重ねるごとに本来の姿を見せた。スライダーなどを駆使しながら、1回無安打無失点。最速は153キロを計測した。「後悔しないように、その日に出せる物は全て出し切ろうという感覚でいる。現段階では100パーセントと言える状態だね」。投球面でも高い仕上がりに胸を張った。指揮官も「最初から入れる選手やから、そんなんもう。ただうまく開幕にな、合わせるようにこっちはやるだけやからな」と実力はすでに認めている。このままいけば、勝ちパターン入りが確実だ。今後は対戦球団のリーグを問わず、実戦を重ねていく方針だ。「まだまだシーズンに向けて時間もある。1日1日を大切に、さらに(状態を)高めて準備していきたいよ」。強力ブルペン陣の中心となるべく、調整を進めていく。【波部俊之介】

◆阪神岡留英貴投手(24)が4試合連続無失点で、開幕ブルペン入りへアピールした。8回に6番手で登板。5番後藤を空振り三振に仕留めると、続く板山は遊飛。最後はスライダーで石橋から見逃し三振を奪い、1回をピシャリと抑えた。「しっかり投げきろうと思ったところに投げきれたり、カウントを取るときに取れたり、やりたいことができて良かった」紅白戦を含めた実戦4試合で計5回を投げ、2安打無失点。指揮官は「こんだけ抑えたら、そらもう使わんとしょうがなくなってるわ、こっちものお。これ使わんかったら怒られるよ、俺」とにんまりだ。勝ちパターンでの起用方針か問われると「まあ、1点差で負けてる時のピッチャーにしとくわ(笑)」と現状の立ち位置を表現。競った場面でも十分に任せられる力を感じ取った。昨季1軍デビューを果たした大卒3年目右腕は「自主トレでオフシーズンやってきたことを継続できている。これからオープン戦も続いていくので、課題をつぶしていけたら」と力を込めた。

◆阪神 ドラフト2位の椎葉剛投手(21=四国IL・徳島)が1回無失点で切り抜けた。7回に5番手で登板。1死から福永に四球を許すも、4番細川を遊ゴロで併殺打に打ち取った。紅白戦を含めた実戦4試合に登板し、計2失点。「(今日は)0で抑えられたので良かった。真っすぐで空振りとかファウルをあまり取れてない。まずは真っすぐの質を上げたい」と手応えと反省をつかんだ。

◆そら、バットのせいよ。阪神岡田彰布監督(66)がダメ出しを続けてきた森下翔太外野手(22)をついに、ほめた。6番右翼で先発した森下は2回の第1打席の場面で左中間へ二塁打を放った。今春から使い始めた安打量産型のピート・ローズモデルのバットではなく、昨年モデルに戻して対外試合初の長打。指揮官は「バットが悪かった」と笑い飛ばし、さらなる長打増を確信した。岡田監督が試行錯誤を続けてきた森下を、ついにほめた。オチをつけたがる大阪人らしく森下の話題をひと通り話し終えると、にやり笑った。「だから別に打ち方とかそんな悪ないやんか。バットが悪かった。そうやん」。すべてをバットのせいにして、笑いを誘った。痛烈な打球だった。2回2死の第1打席。森下が中日柳の直球を捉え、左中間を破った。今季オープン戦初安打はキャンプ初の長打。その手には昨年と同じ型のバットが握られていた。「自分の中では最初から徐々に根気強くやってきたことが、最後の方になって、結果として出たのは良かったかなと思う」。模索してきた時間は決して無駄ではなかった。森下は今春、メジャー最多安打を放ったピート・ローズ型のこん棒型バットを使用してきたが、なかなか打球が上がらず試行錯誤。最終クール前に昨年型のバットを取り寄せ、相棒探しを続けていた。指揮官も「(打球が)上がらんやろ? あのバットじゃ。いつか上がるバットに変えるやろ」と話していた。森下は前日24日ヤクルト戦(浦添)に代打出場した際に同型バットを使っていたが、この日は昨年モデルを全打席で使用した。ここから長打量産へ。岡田監督は現状を的確に指摘した。「ちょっと(打つ)ポイントが悪いわな。スイングの速さであそこまで持っていっとるけど。もうちょっとボール半分くらいポイントが良かったら、もっと軽く、スタンド行くんちゃうかな、おーん」。修正点はまだあるが、来月6、7日に行われる侍ジャパンの強化試合を終えるまでは、もう少しだけ「放牧」する。「侍まで放っておこうと思ってるから。侍から帰って甲子園からやろ。全然間に合う」。指揮官の頭の中には、もうしっかりと森下完成計画がある。オープン戦は19年以来の開幕3連敗となったが、指揮官に暗さはない。「まあ、(これから)実戦慣れていくことやろ」。オープン戦は開幕まで残り17試合。打球の上がってきた森下とともに、チームも開幕に向けて上昇する。【磯綾乃】レギュラーちゃうよ 1月24日に大阪市内でのトークショーで佐藤輝の三塁や木浪の遊撃に続き、森下の左翼ポジションについて言及。「分からんよ」と、レギュラー確約をしていないことを明かした。もっと走れ サンテレビの「熱血!タイガース党」に出演した1月26日、森下のキャンプでの走力向上に言及。「赤星(憲広氏)が臨時コーチ来るんでね、森下は去年盗塁1個かな。もうちょっと走れると思う」と期待した。あれじゃ打てへん キャンプ初日の2月1日に森下の打撃を見て「なんかな。変な打ち方しとったな。速攻でバッティングコーチに言っといたわ。あれじゃ打てへんのちゃうかって」と特打まで観察。打てへん思うてる 元広島監督の緒方孝市氏と、2月16日付の日刊スポーツ大阪版で対談。佐藤輝と並び「去年インパクトはあったけど(今年は)打てへんと思ってる。打ったらもうけもん」と笑った。戻すの遅いわ 森下は第4クールまで、昨年末作成のこん棒型バットを使用。実戦5試合ノーヒットを受け、22日の練習から昨季モデルのバットで打撃練習を行った森下に「遅いっちゅうねん」と苦笑い。

◆中日柳はオープン戦初登板で2回を投げ、1失点だった。1回は3者凡退。ところが2回はボールが先行し2死から四球絡みの2安打で本塁を踏まれた。「変化球の精度はもう少し上げていける」と反省した。未経験の開幕投手候補に名が挙げられる8年目のシーズン。本人はそれほどこだわりはなく「1年間、ローテーションの軸で投げることが一番。そのためにどうしていけるか考えたい」と約1カ月後に迫った開幕を見据えた。

◆試合前の打撃練習で阪神・佐藤輝明内野手(24)が快音を連発した。27スイングで7本の柵越え。レフトに向いて強く吹く風に逆らうことなく左翼スタンドに4本、バックスクリーンに3本と、全て逆方向に打ち込んだ。23日の巨人戦(那覇)でも右翼へ特大の本塁打を記録。好調を維持したまま沖縄でのラストゲームに挑む。

◆スターティングメンバーが発表。ここまで2連敗の阪神は、昨年のレギュラーメンバーをずらりとスタメンに並べて沖縄で最後のオープン戦に挑む。先発は今季2度目の対外試合のマウンドとなる才木浩人投手(25)。救援で来日初登板の予定の新外国人のハビー・ゲラ投手(28)=前レイズ=もベンチに入った。ゲラは24日の残留練習では「最初の試合ということでとても緊張している。自分の感覚も状態もいい」と意気込んでいた。助っ人が絶好のデビューを果たし、最終ゲームを勝利でしめくくる。

◆阪神が先制に成功した。二回、2死から森下が対外試合初長打となる中越えの二塁打を放つと、前川も四球でつないで2死一、二塁のチャンスを作る。8番・坂本が柳の4球目に食らいついてゴロで三遊間を破る安打を放って、二塁走者の森下が一気に生還。24日のヤクルト戦では1安打完封に抑えられたが、猛虎打線らしい2死からのつながりで1点を先制した。

◆先発した阪神・才木は3回1失点だった。一回は先頭の尾田をフォークで空振り三振に切って滑り出すと、二回までわずか1安打に抑えた。しかし1-0でリードして迎えた三回。先頭の山本に右翼線への二塁打を浴び、その後2死一、三塁から三好に中前に運ばれ同点。なおも味方の失策で再び2死一、三塁となって細川にも左前打を浴びて逆転を許し、1ー2と追いかける展開になった。才木は予定通りの3回で降板。四回のマウンドには新外国人のゲラが上がった。

◆阪神に新加入のハビー・ゲラ投手(28)=前レイズ=が四回に2番手で登板し、実戦デビュー。1回を無失点で抑えた。半袖の背番号「00」がベールを脱いだ。先頭の宇佐見にはフルカウントから四球を与えたが、続く木下を3球で空振り三振。さらに山本へ初球を投じる前にけん制で一塁走者をアウトにした。山本も右飛でアウトにして3人で攻撃をシャットアウト。上々のデビュー戦となった。

◆中日・柳裕也投手(29)がオープン戦初先発し、2回を投げて2安打1失点。一回は10球で三者凡退に抑えたが、二回に2死から森下にセンターオーバーの二塁打を打たれ、前川には四球。一、二塁とされると坂本に左前に運ばれ、先制点を与えた。続く木浪は二ゴロに打ち取ったが、この回は制球に苦労して球数は30球とかさんだ。柳は「変化球をもうちょっと操れるようにやっていきたい」と修正の必要性をあげた。昨季後半から持ち球に加えたフォークボールを磨いている。「ストライクゾーンにどんどん投げていけるようになればまた違った結果になると思う。(持ち球に)あるだけでいい」大塚投手コーチから「軸で投げてもらわないといけない投手に投げてもらう」とこの日マウンドに送りだされた右腕。「十分、その自覚は持っている」とシーズン通した活躍する気構えを表現した。

◆阪神が3連敗。才木浩人投手(25)が三回にバックの失策もあり、2点を失った。先発陣は伊藤将司投手(28)、村上頌樹投手(25)と3戦連続して、3回を投げて得点を与えた。2番手のハビー・ゲラ投手(28)は1回無失点。四球で出塁を許した一走を、自身のけん制で刺した。3番手の石井大智投手(26)は2失点。七回に登板したD2位・椎葉剛投手(21)=四国IL徳島=は1回ゼロ封。攻撃では坂本誠志郎捕手(30)の適時打による1点のみ。大山悠輔内野手(29)は3戦で7打席無安打に終わった。

◆阪神が1分挟む6連敗を喫した2019年以来のオープン戦開幕3連敗。才木浩人投手(25)が三回にバックの失策もあり、2点を失った。先発陣は伊藤将司投手(28)、村上頌樹投手(25)と3戦連続して、3回を投げて得点を与えた。2番手のハビー・ゲラ投手(28)は1回無失点。四球で出塁を許した一走を、自身のけん制で刺した。3番手の石井大智投手(26)は2失点。七回に登板したD2位・椎葉剛投手(21)=四国IL徳島=は1回ゼロ封。打線は坂本誠志郎捕手(30)の適時打による1点のみ。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り。ーーゲラは「1イニングやからな。セ・パ関係なしに投げさせたけど。こんなに寒なるとは思わへんかったけど。もし何かあったらアカンと思ったけど、ちゃんと1イニング投げてよかった」ーーけん制も「ああ、あんなん見せんでええのにな」ーー岡留はよかった(1回2三振で無失点)「ブルペン陣も徐々に、絞っていかなアカンからな。このキャンプ中にちゃんと投げているピッチャーは実戦でもちゃんと投げているよな。はっきりしてるよな。14人で(開幕枠)8人やからな。6人外れるんやで」ーー岡留は勝ちパターンも「勝ちパターンっていうか、俺は敗戦処理のピッチャーなんか考えてないから。そういう言葉を使わへんから、敗戦処理とかな。1点差で負けてる時のピッチャーにしとくわ。そういうことやからの。こんだけ抑えたら、使わんとしょうがなくなってるわ、これ使わんかったら怒られれよ、俺」ーー森下はバットを代えた成果が出ているか「森下は侍まで放っておこうと思ってるから。侍から帰ってからや。侍まではあんまりいらんこと、いじらんとこ思てるから。侍帰って甲子園からやろ」ーー打球の角度がついてきた「ポイントが悪いわな。差され気味の打球がな。スイングの速さで、あそこまで持っていっとるけど。半分くらいポイントが良かったら、もっと軽くな、スタンド行くんちゃうかな」ーー侍から帰って来てからでも間に合う「全然間に合う。だから別に打ち方とかそんな悪ないやんか。バットが悪かった。そうやん」ーーキャンプ最後の実戦。野手を打席に「寒いから今日も、2打席言うてたんや、最初から。近本なんか2打席で終わるんでもう、DHも1回ずつにしとこう言うて。最後寒いとは思わんし、しゃーない」ーー福島も1打席(五回無死一、二塁で空振り三振)「もう一回、2軍でやらなアカンと思うよな。今日は(母校の)白鴎大の監督来たから、1打席立たせただけやで。大学の監督が挨拶来たんやから。1打席な、せっかく来たんやから立たしたらんとな。三振してなかったら、もうちょっと行かせたんやけども、あの三振の仕方で代えたけどな」ーー井上、野口は「いや、もうそこが線引きの一番、アレのとこやで」ーー1打席で結果を出せというメッセージ「まあ、その辺はもうちょっと見てからやな」ーーオープン戦未勝利だが、収穫はあった「収穫いうかなあ」ーーアカンとこですか「アカンとこて。お前。アカンとこは点取られたピッチャーがアカンとこや。まあ収穫も何も。実戦慣れていくいうことやろ。それのスタートやったいうことやろな」

◆「5番・三塁」で先発した阪神・佐藤輝明内野手(24)が四回の第2打席で左腕・橋本から中前打を放ち、沖縄での実戦8試合を打率・500の成績で終えた。「収穫もあったし、また(キャンプ)終わってからも頑張りたいなと思います」。帰りのバスへと乗り込もうとした際に岡田監督の送迎車とバッタリ。「『乗るか?』って言われました」との誘いに〝お先にどうぞ〟のポーズを見せていた。

◆中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(70)が五回に空振り三振を喫した育成D2位・福島圭音外野手(22)=白?大=ら若手に苦言を呈した。3連敗は全く気にならないし、この先も悲観していない。むしろ、あまり連勝するよりも良いとさえ思う。個人のことに置き換えても同じで、現役の時もオープン戦で成績が良過ぎると「怖いなあ」という気持ちで、ずっと「打率・250くらいでいい」と思っていた。この時期のレギュラークラスの打者は結果よりも内容だ。泳がされたり、打たされたりではなく、自分の形できっちりスイングしての凡打ならそれでよい。大山も徐々に状態が上がっているし、佐藤輝もいい形で打っているから、何も心配することはない。だがアピールするべき立場の選手が、結果も内容もどちらも示すことができていないのは非常に残念だ。象徴的だったのは近本に代わって三回の守備から中堅に入った福島だった。1-2の五回。祖父江の2者連続四球で、無死一、二塁となり打席が回った。1ボールからインコースに甘いボールが来たが、手を出さなかった。3球目も見送って追い込まれ、2-2からの5球目で簡単に空振り三振だ。2球目の甘い球を見逃したのが全てで、あれでは勝負にならない。ただ足が速いだけでなく、「打つ方もいいぞ」と評価されて与えられた打席だったはずだ。状況的にも右翼方向へ引っ張りたい場面だけに「インサイドにきたら行くぞ!」というくらいの気持ちで臨んでほしかった。沖縄から帰れば公式戦へ向けての戦いが本格化していき、若手のチャンスは減っていく。井上にも野口にも「ここで何かを見せてくれよ」と思っていただけに、もどかしい3試合だった。

◆中日の中田翔内野手は阪神戦でベンチ入りせず、室内練習場で打ち込みを続けた。「いろいろやりながら感覚のいいフォームを試したかった」。オープン戦初戦から2試合で4打数無安打。フォームを見直し、日本ハムで打点王に獲得した2020年の背筋を伸ばした構えに戻して練習した。フリー打撃では30スイング中5本を柵越えと感触は悪くない。「自分の中での気持ちよさ、気持ち悪さの確認作業。もうちょっと練習で試してみたい」と試行錯誤する。(北谷)

◆中日はオープン戦開幕から2戦連続零封負けを喫していたが、3戦目で初勝利を挙げた。立浪監督は「きょうは少ない点数かもしれないが非常にいい形で点は取れた」と攻撃陣を評価した。1点を追う三回に4年目の外野手・三好が才木の直球をセンターにはじき返すタイムリーを放ってオープン戦21イニングで初得点をあげた。指揮官は「大いに自信にしてもらいたい」とさらなる成長に期待した。(北谷)

◆九回1死で代打出場した阪神・小幡竜平内野手(23)が松山の直球をはじき返して中前打を放った。「1打席しかなかったので、ヒットというよりしっかり真っすぐに対して振れたのが良かった」。昨季は打率・282も打棒アップは今キャンプのテーマの一つ。沖縄での実戦は打率・357と成果を残し「自主トレからやってきたことを継続して、また新しいものを取り入れられるようになった」とうなずいた。

◆「8番」に入った阪神・坂本誠志郎捕手(30)が二回2死一、二塁で先制の左前適時打。チームに12イニングぶりの得点をもたらした。「ヒットが出ているのはいいこと。これからもう少し開幕に向けて、違うこともやっていかないといけない」。沖縄での実戦は打率・500と好調だ。新助っ人ゲラともコンビを組み「やっぱり球が速いと相手もそれを考えてスライダーも効果的になる」と手応え。攻守で存在感を放った。

◆七回に登板した阪神D2位・椎葉剛投手(21)=四国IL徳島=は味方の好守に感謝した。先頭の三好が放った痛烈な打球を二塁・植田が好捕。四球で1死一塁となったが、三遊間の深い打球を遊撃・木浪が併殺に仕留めた。「野手に助けられたなと思っています。(感触は)すごくいいわけでもないし、悪くもなかった」。収穫は習得中のフォークを試せたこと。「これからもどんどん使っていきたい」と力を込めた。

◆先発した阪神・才木浩人投手(25)は手応えをにじませた。「(坂本)誠志郎さんと『これで抑えても何も収穫にならないから、変化球とか続けてみようか』と話をして、打者の反応だったり試せたのですごくよかった」。三回2死一、三塁で細川に変化球を3球続けて左前打を浴びたが、予想の範囲内。3回4安打2失点(自責1)の結果以上に内容の濃い登板となった。

◆六回のマウンドに上がった阪神・浜地真澄投手(25)は先頭から連打で無死一、二塁のピンチを背負った。それでも、後続を抑えて無失点。「試合の中で一番状態がよくなかったけど、ゼロで抑えられたのはよかった」と胸をなでおろした。昨季は右肩のコンディション不良などで30試合の登板にとどまり、防御率は5・86。「いい感覚はある。調子を上げていきつつ内容も求めていきたい」と先を見据えた。

◆守備から途中出場した阪神育成D2位・福島圭音外野手(22)=白?大=は無念の沖縄ラストゲームとなった。五回の第1打席、四球2つで無死一、二塁のケースで空振り三振。途中交代となり、「相手の思うつぼだった。すごく悔しい」と唇をかんだ。育成で入団しながら自慢の足で1軍キャンプまで昇りつめてきた。岡田監督は「あの三振の仕方で代えたけどな」と厳しかったが、外野手争いに最後まで食らいつく。

◆岡田監督が1軍生き残りを懸けた若手野手陣の今後について言及した。1-2の五回無死一、二塁で空振り三振を喫した福島については「もう一回、2軍でやらなあかんと思うよな」と、キャンプ終了後はファームで再調整させる方針だ。16日から1軍に合流。50メートル5秒8の俊足を生かした代走や守備固めで期待していた。だが、代走でスタートを切るまで5球を要した23日の巨人戦(那覇)に続き、この日も「(母校の)白?大の監督来たから1打席立たせただけやで。三振してなかったらもうちょっと出したんやけどな。あの三振の仕方で代えたけどな」と不満が残った。また外野の定位置争いに加わる5年目の井上は1打数無安打2四球、2年目の野口は七回に代打で死球だった。「そこが線引きの一番あれのとこやで。その辺はもうちょっと見てからやな」と、3月2、3日の日本ハム戦(札幌ドーム)で〝追試〟を課す。

◆阪神・杉山健博オーナー(65)が25日、春季キャンプ地の沖縄・宜野座や中日戦が行われた北谷などを訪問。今キャンプの視察を終え、ひと足早く1カ月を総括した。「非常に中身が濃く、充実したキャンプであったなという風に私は思ってます」2月は4度にわたってキャンプ地を訪問。24日は2軍キャンプ地の具志川を訪れ「和田(2軍)監督にもいまのファームの状態であるとか、いろいろとお聞きした」と現場の声に耳を傾けた。リーグ連覇に向けて「このキャンプで頑張った成果がペナントレースで出てほしいというのが私の今の気持ちです」と願った。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が中日戦に「6番・右翼」で出場。二回にオープン戦初安打となる左中間への二塁打を放った。新旧のバットを使い分けた春季キャンプ最終クール。昨季モデルのバットを手に沖縄での最後の実戦で結果を残し、手応えを口にした。2年目の進化を誓う若虎は、南国での収穫と課題を生かしてさらに打棒を磨いていく。手になじんだバットで左中間にライナー性の当たりを飛ばした。春季キャンプ1カ月の試行錯誤の結晶となる一打で、両手に確かな感触が残った。森下が手応えを口にした。「最初から徐々に、根気強くやってきたことが最後に結果として出たのはよかった」二回2死で先発・柳に対し、フルカウントからの直球を一閃した。左中間へ鋭く伸びる二塁打に「自分の間合いでしっかり入れた。やっぱりセンター方向に飛ぶ打球が一番いい形で打てている」とうなずいた。オープン戦では3試合、6打席目での初安打。その後、坂本の適時打で先制のホームを踏んだ。

◆岡留が開幕1軍入りに大前進した。1-4の八回に登板して1回無安打無失点、2奪三振と上々の内容で地元・沖縄での最終登板を締めた。「しっかり思ったところに投げ切れた。カウントを取ろうと思ったときに取れた。やりたいことができたのでよかったです」先頭の後藤は外角低めのシンカーで空振り三振。続く板山は内角への直球で遊飛、最後は石橋から内角へのスライダーで見逃し三振を奪った。これで今季の実戦は4試合続けて無失点。昨年2月18日のDeNAとの練習試合(宜野座)では死球、暴投、四球と1死も奪えず降板した地元で、成長した姿を示した。岡田監督は「みんなが認めてるやんか。こんだけ抑えたら。使わんかったら怒られるよ。俺は敗戦処理のピッチャーなんか考えてないから。1点差で負けてるときのピッチャーにしとくわ」と評価。8人を想定する中継ぎの一角として、開幕1軍の可能性が高まった。昨季は7月に初登板し、10月に初勝利を挙げるなど全て救援で8試合に投げた。ステップアップを目指す大卒3年目。岡留は「やっていることを継続して、課題をつぶしていけたら」と力を込めた。

◆どうして午後0時半開始なんだろう...。朝にめっぽう弱い虎番キャップの新里公章には、30分だって惜しい。「24日までのゲームと同じ午後1時開始でよかったのに...」と、小さな不満を胸に抱きながら中日とのオープン戦が行われる北谷へやってきた。ところが、そこで中日担当の上阪正人から「試合後に名古屋に帰るんですよ」と聞いて納得した。どうやら中日ナインが余裕を持って帰れるように、という大事な30分だったようだ。中日はすでに22日にキャンプを打ち上げていて、あとはオープン戦を戦うだけという状況だった。オープン戦とはいえ昨季日本一の阪神に勝って、ちょっといい気分で飛行機に乗り込んだんだろうなぁ...。そして阪神の方も、27日の打ち上げへ向け2日を残すのみとなった。オープン戦は3連敗発進になってしまったけど、阪神にだって最高の気分で南国から飛び立つ男がいる。故郷沖縄での実戦全登板で力強くゼロを刻んだ、3年目右腕の岡留だ。中日ファンが半数以上を占めていたはずの北谷のスタンド全体から拍手が起き、指笛も鳴った。その光景に、人知れず胸を熱くしていたのがキャップの新里だった。沖縄県人同士の目に見えない絆で、糸満市出身の岡留がドラフト指名されたときから、那覇市出身の新里にとっては応援していくと心に決めた投手だったのだ。岡田監督がよく振り返るように、昨年の宜野座キャンプで岡留は試練にぶち当たった。2月18日のDeNAとの練習試合に登板するも、死球、暴投、四球...。指揮官はわずか10球で降板させ「悪影響およぼすからな、チームに。ああいうのは」と切り捨てていた。岡留だけでなく、新里にとってもツラい記憶だ。

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<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
200 1.000
(-)
-
(-)
3
(+2)
1
(+1)
0
(-)
1
(-)
0.246
(↑0.005)
0.500
(↓0.5)
1
(1↑)
日本ハム
101 1.000
(-)
0
(-)
6
(-)
5
(-)
0
(-)
1
(-)
0.297
(-)
2.500
(-)
1
(10↑)
DeNA
101 1.000
(-)
0
(-)
7
(-)
5
(-)
1
(-)
4
(-)
0.297
(-)
2.500
(-)
4
(3↓)
巨人
210 0.667
(↓0.333)
0
(-)
20
(+1)
7
(+2)
0
(-)
4
(+1)
0.255
(↓0.056)
1.670
(↓0.17)
5
(4↓)
楽天
110 0.500
(↓0.5)
0.5
(↑0.5)
5
(+2)
4
(+4)
0
(-)
2
(-)
0.282
(↓0.012)
2.120
(↓2.12)
6
(1↓)
中日
120 0.333
(↑0.333)
1
(↑0.5)
4
(+4)
14
(+1)
0
(-)
0
(-)
0.207
(↑0.04
4.670
(↑1.83)
6
(2↓)
広島
120 0.333
(↓0.167)
1
(↓0.5)
13
(+2)
13
(+3)
1
(-)
1
(-)
0.255
(↓0.013)
3.080
(↓0.08)
8
(3↓)
阪神
030 0.000
(-)
2
(↓0.5)
5
(+1)
14
(+4)
2
(-)
2
(-)
0.144
(↓0.008)
4.500
(↑0.56)