ヤクルト(☆1対0★)阪神 =オープン戦1回戦(2024.02.24)・ANA BALLPARK浦添=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
0000000000110
ヤクルト
10000000X1700
勝利投手:石川 雅規(1勝0敗0S)
(セーブ:嘉弥真 新也(0勝0敗1S))
敗戦投手:村上 頌樹(0勝1敗0S)
  DAZN
チケットぴあ ヤクルト戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆ヤクルトは先発・石川と2番手・木澤がともに2回無失点と好投。その後も4人の継投で完封リレーを展開した。対する阪神は、先発・村上が3回1失点。まずまずのピッチングを見せた一方で、打線は1安打無得点と不安を残す内容だった。

◆阪神のオープン戦2戦目となるヤクルト戦のスタメンが発表された。先発マウンドには昨季セ・リーグMVPで新人王を獲得した、村上頌樹投手(25)が上がる。昨日の巨人戦から7番と8番の糸原と坂本をのぞき、7人の野手が新たに入れ替わった。中でも、1番の小野寺は今季から三塁と中堅の守備に就き、連日の実戦で安打を放っている。ヤクルトの先発は現在NPB最年長の石川雅規投手(44)が務める

◆"初回の鬼"の牙城が崩された。阪神村上頌樹投手(25)が、ヤクルトとのオープン戦に先発。初回先頭の西川に右前打を許すと、青木にも右前打を浴びて連打を許し、無死一、三塁のピンチを招いた。続く3番サンタナを三ゴロ併殺打に打ち取ったが、その間に先制点を献上した。4番村上との「村上対決」では中前打を浴びたが、追加点は許さなかった。村上は昨季レギュラーシーズン21試合に加え、ポストシーズンのCSファイナルステージ1試合、日本シリーズ2試合に先発していずれも初回を無失点に抑えていた。2回以降は昨季セ・リーグMVPの貫禄を示した。2回1死から長岡の遊ゴロを遊撃手の小幡が後ろにそらす失策で出塁を許したが、後続をピシャリ。3回は初回にヒットを許した西川を内角直球で空振り三振に仕留め、青木を二ゴロに料理。最後はサンタナを外角高め147キロ直球で空振り三振に斬り、お役御免となった。

◆球界最年長44歳のヤクルト石川雅規投手が、今季初実戦となる阪神とのオープン戦(浦添)に先発し、2回をわずか22球でパーフェクトに抑えた。初回先頭から2者連続で遊ゴロに抑えると、原口には内角126キロ直球で見逃し三振。直球の最速は130キロに満たない129キロ。それでも、変化球とのコンビネーション、コースへの投げ分けで料理した。「今日のテーマで、真っ直ぐをしっかりと両サイドっていうのができたので、それは本当に最初の登板でしたけど、すごく良かったと思います」と振り返った。球数が少なかったこともあり、登板後にはブルペンで24球の投げ込み。カットボール系の変化球の軌道などを確認した。今後は投球回、球数を増やして、開幕に向けて仕上げていく。「体のコンディショニンが一番ですけど、状態のいい時ばかりではないと思いますけど、その中でどういうふうにゲームを作れるかが先発ピッチャーは大事だと思うので、今日はたまたま良かったかもしれないですけど、そうじゃない時にどういうピッチングをするか、毎試合毎試合、必死に投げていきたいなと思ってます」と先を見据えた。

◆ヤクルト西川遥輝外野手(31=楽天)が24日、実戦初安打を放った。阪神とのオープン戦(浦添)に「1番中堅」でスタメン出場。0-0の初回先頭から6球粘り、7球目を右前打とすると、第3打席の1点リードの5回1死走者なしからは右翼への二塁打をマークした。「やっぱり、どんな試合でも、ヒット打ってうれしいことですし、野球やってる上で、野球やめるとね、味わえないうれしさなんで、数多くはこういうのを積み重ねていけたらなというふうに思います」とかみしめるように言葉を発した。昨季限りで楽天を戦力外となり、ヤクルトに新加入。この日は休日ということもあり、多くのファンが駆け抜けた。西川の応援歌も流れたが「本当にもう何も聞こえないぐらい、ほんとに集中していたんで、聞ける余裕がね、出てくればいいなと思いますけど、今日は土曜日なんで、たくさん子供たちが来てたんで、いい姿を見せられたんで、ま、覚えてもらえれば」と笑った。

◆阪神はヤクルト投手陣に1安打無得点に抑えられ、オープン戦2連敗となった。開幕投手候補の先発・村上頌樹投手(25)は3回3安打1失点と上々の投球。初回は先頭の西川に右前打、2番青木に右安打を許し、無死一、三塁のピンチを迎えたが、3番サンタナを併殺打に打ち取り、1失点に抑えた。2回以降は立て直し、最後は3番サンタナから147キロ直球で空振り三振を奪い、役目を終えた。救援陣は4回から島本、漆原、及川と無失点リレーを続けた。ただ、打線は途中出場の熊谷の1安打にとどまった。阪神のオープン戦での1安打完封負けは03年3月16日巨人戦(0-2、甲子園、5回終了降雨コールドゲーム)以来。21年前は高橋尚成に5回1安打無得点。唯一の安打は広島からFA移籍し、実戦初出場の金本知憲が放った。また、9イニングを消化しての1安打完封負けは95年3月28日オリックス戦(神戸)以来29年ぶり。星野ら4投手の前に8回久慈の左前打のみで、スコアも今回と同じ0-1で敗れている。

◆阪神はオープン戦連敗となったが、開幕投手候補の先発・村上頌樹投手(25)が3回3安打1失点と上々の投球を見せた。岡田彰布監督(66)は「ブルペンでも去年と遜色ないようなボールを投げとるから、ある程度はな。抑えられると思う」と昨年の新人王&MVPに変わらぬ信頼を口にした。この日は両翼レギュラー争い中の野口恭佑外野手(23)が「5番左翼」、井上広大外野手(22)がが「6番右翼」で先発するも、ともに2打数無安打とアピールできなかった。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-村上の投球はおーん。ヒット2本打たれた時、きのうのまたアレかな思うたけど、まあ1点でよかった。-本人は試したいことを試せたと。キャンプ通じて昨年と変わらずキャンプ通じてというか、ブルペンでも去年と遜色ないようなボールを投げとるから、ある程度はな。抑えられると思うけど、まだまだや。きょうが初めて3イニングやから。-及川は先発の準備として3イニングまあ、そういうことやろうな。-及川は実戦でいい投球を続けているそれは見ての通り、今日も良かったし。-村上は逆算はまだ先か。いや、そんなんは全然、してない。-次はイニングを伸ばすまあイニングを伸ばすって、3回を投げたら次は5回やろ。そんなん、だいたいの流れやからな。今度は甲子園になると思うけどな。甲子園では5試合あるからな。みんなだいたい1回は投げておかんとな、マウンドでな。その後、甲子園になかなか帰ってけえへんからな。

◆阪神はオープン戦連敗となったが、開幕投手候補の先発・村上頌樹投手(25)が3回3安打1失点と上々の投球を見せた。この日は両翼レギュラー争い中の野口恭佑外野手(23)が「5番左翼」、井上広大外野手(22)がが「6番右翼」で先発するも、ともに2打数無安打とアピールできなかった。岡田彰布監督(66)は「(沖縄で)もうあとこれ1試合やからなあ。今日なんかええチャンスやったけど、そのへんやわなあ」と口にした。阪神岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り。-野手は若い方を先に出した。そうや、逆にしたんや。ちょっとなあ、交代して、後で出るやつのありがたみを分からせようと思ったやけどな。後から出て行くとなかなか後から出ても打てんやろ? え? 他の代わったやつな、いつもと逆やけどな、それだけ難しいということよ。1打席いうのはな、準備しかりなあ。-結果的に1軍クラスの投手との対戦にそうや。あとはちょっと中継ぎと当たるしなあ。いつも先発陣しか当たらんからなあ、先行くとなあ。そういう意味ではな、だいぶまた違ったピッチャーと当たるしなあ。-野口、井上も結果残したかったいやいや、だってもうあとこれ1試合やからなあ。これ終わったらもうな、だから、1、2軍両方でゲームあるから、そやで。今22人もおるんやから、4人も5人も下にいかなあかんやろ。それはみんな分かってると思うからな。今日なんかええチャンスやったけど、そのへんやわなあ。まあもう、明日は(スタメンは)普通通りに行くからな。なかなかなあ、1軍と2軍で両方とも試合あるからな、2日から。そら分かれなあかんやん。今こっちに22人もおるんやから、だいたいそないして何人かは行かなあかんわけやからな。それはみんな分かっとると思うけどな。-明日25日は誰かファームにいや、もういかん、こっちおる。下もあれやろ、キャッチャーもおらんし7回でもええと言うてるけどな。そんなゲームできへんで、そらはっきり言って。

◆阪神村上頌樹投手(25)が、3回3安打1失点と上々の仕上がりをみせた。ヤクルトとのオープン戦に先発。初回にいきなり西川、青木に連打を浴びるなどして先制点を献上。昨季レギュラーシーズン、ポストシーズンと24試合で初回を無失点に切り抜けていた"初回の鬼"は「今日はいろいろ試すってことだったので、あまり気にしてないです」と冷静に振り返った。失点の場面は無死一、三塁からサンタナを三ゴロ併殺に打ち取ったところで、「『1点取られてもまあいいや』っていう気持ちだった。欲を言えば三振、その次ゲッツー取れたらいいなくらいで思っていたので、そこでゲッツーをしっかり取れたのはよかった」。2、3回は最速147キロのキレのある直球と改良中のツーシームなどを試投し、「いいコースにしっかり投げ切れたのでよかった」と手応えを示した。昨季最優秀防御率、新人王に加えてセ・リーグMVPに輝いた右腕は、今後に向けて「アピールするのは変わりないので、自分の投球をしてしっかり監督にアピールできるようにやりたい」と力を込めた。

◆44歳のヤクルト石川雅規投手が、最速129キロで阪神を封じた。2回をわずか22球でパーフェクト。「球は遅いっすけど(笑い)、しっかりと投げ所だったりとか、タイミングで、抑えられると思っている」と頼もしかった。高津監督は「あれが彼のピッチング」とうなずいた。

◆円熟味を増すヤクルトのベテランコンビが、オープン戦初戦の阪神戦(浦添)で際立った。0-0の初回無死一塁。42歳青木宣親外野手が、外寄り110キロカーブを右前に運んだ。一、三塁と好機を広げ、決勝点を呼び込んだ。握りしめていたのは、球界最年長44歳の石川雅規投手(44)のバット。「(石川さんが)使え、使え、うるさいんですよ(笑い)。これじゃ打てないって言っていたんですけど、めちゃくちゃ良かったですって謝りました。今日も石川さんに『俺のバット使ったって言え』って言われて」と先輩の"セールス"に感謝した。10日ほど前から"押し売り"されていた。重さは880グラムほど。青木が使用していたバットと大差はない。ただ、形状が少し違うため、重さの感じ方が違うという。「軽くも感じるんだけど、何て言うか、自分はヘッドの重さとかを感じながら、軽いバットがいいところがあって」と相性が良かった。「本当に、良くて、いいから使っているんだけど」と笑った。先発した石川が試合をつくり、青木は2回に右翼の守備でダイビングキャッチ。バット以外でも見せ場をつくった。「同じ世代を生きてきた方なんで、思い入れはやっぱり人一倍あります」。24年シーズンも、2人での競演を何度もつくっていく。【栗田尚樹】

◆ヤクルト村上宗隆内野手が、実戦初安打をマークした。初回に中前打。4回には9球粘り、10球目に四球を選んだ。「前に飛ばしたかったですけど、これから打席に立つにつれ、前に飛んでいくのかなと思います」。キャンプ中盤に左臀部(でんぶ)の張りで一時、別メニュー調整となっていたが、徐々に状態を上げていく。

◆先発転向を視野に入れていた阪神及川が猛アピールした。6回に4番手で登板し、3回1安打無失点、2奪三振。最速は148キロを計測し、カーブやツーシームを織り交ぜ、得点を与えなかった。今季実戦最長の3回を投げ、「あまり疲労感なく投げられた」と手応え十分だ。ここまで紅白戦を含めた3試合で、計7回2安打無失点。昨季中継ぎで32試合に登板し、7ホールドを挙げた5年目左腕は、今季先発の一角をうかがう。岡田監督は3イニングの起用について、先発の準備かと問われると「まあ、そういうことやろうな」と説明。「今日も良かったし。3回投げたら次は5回やろ」とイニングを伸ばしていく方針だ。及川は「3イニングまではなんとかなります。5(回)とかなると、全く違うものになるので、それはちょっとまだ自分の中ではわからない」と実戦で感覚をつかんでいく。

◆高卒5年目の阪神井上広大外野手が対外試合初スタメンも、2打数無安打に終わった。「6番右翼」で先発。2回にはヤクルト石川の120キロシンカーを空振り三振。5回は遊ゴロに倒れた。「1打席目に1球で仕留められなかったというのがまだまだ課題。何球も甘い球は来ないですし、初球のファーストストライクが全てだった」と悔しさをにじませた。

◆激しい外野のレギュラー争いの中、阪神野口恭佑外野手がアピールできなかった。「5番左翼」で先発。第1打席はヤクルトのベテラン左腕・石川から痛烈な打球を放つも、好守に阻まれて右飛。5回は石山の初球を三ゴロで、バットが真っ二つに折れた。「1軍のピッチャーに投げられたら経験になりますし、次戦ったときに自分でわかるのでいい経験させてもらった」と前向きに捉えた。

◆開幕投手最有力候補の阪神村上頌樹投手(25)が、自身初の大役へ大前進した。ヤクルトとのオープン戦(浦添)に初先発。3回3安打1失点と上々の仕上がりを証明した。3月29日の巨人との開幕戦(東京ドーム)まで、あと1カ月強。岡田監督は開幕ゲームまでの逆算について「いや、そんなんは全然、してない」としたが、順当にいけば昨季の新人王&リーグMVP右腕に託されることは確実だ。同じく開幕投手候補に挙がる伊藤将は、前日23日の巨人戦で3回7失点と巨人打線に打ち込まれた。青柳は17日の今季初対外試合となった楽天戦に先発し1回無失点も、先に3イニングを消化した村上の順調さが際立つ。この日は43球を投じ、今後は「イニングと球数が増える。疲れたところでコースに投げ切れるように」と見据える。次回は3月5日から予定されている本拠地甲子園での5試合のいずれかで登板予定。5イニングを託される見込みで、さらにギアを上げる。新たな武器も試した。キャンプ序盤からシュート成分の増したツーシームを試投。昨季は縦変化の強かった球種を改良し、この日も2回に中村の懐を突いてストライクを奪った。「コースにしっかり投げ切れた」とうなずく。昨季はレギュラーシーズン、ポストシーズンと先発24試合で初回を無失点に抑えてきたが、この日は初回に失点。それでも無死一、三塁のピンチで併殺を奪い「『1点とられてもまあいいや』という気持ちでいた。アウトカウントをとろうと切り替えられた」と涼しい顔だ。隙をつくらず、3・29へ向かう。

◆阪神が、4年ぶりのオープン戦連敗発進となった。井上広大外野手(22)、野口恭佑外野手(23)らがスタメンに並んだヤクルト戦(浦添)は、9イニング終えてのオープン戦では95年3月28日オリックス戦(神戸)以来、29年ぶりの1安打完封負け。岡田彰布監督(66)はアピール不足の若虎に苦言を呈した。岡田監督が歯がゆさをにじませた。オープン戦2戦目となったヤクルト戦は1安打完封負け。そんなチームの結果より気になったのは、若虎のアピール不足だ。「だってもうあと1試合やからなあ。今(野手が)22人もおるんやから、4人も5人も下にいかなあかんやろ。それはみんな分かってると思うからな」。沖縄での実戦は25日中日戦(北谷)がラストゲーム。1、2軍の分岐点はもう目の前に迫っているのだ。日本一に輝いた昨季の主力をベンチスタートにし、途中出場が多かった若手をスタメンに並べた。両翼争い中の野口が5番左翼、井上が6番右翼で先発。しかし、ともに2打数無安打と音なし。ここまでの実戦で目に見える結果は残せなかった。指揮官は「今日なんかええチャンスやったけど、そのへんやわなあ」と指摘。25日中日戦は近本、大山、佐藤輝ら主力を先発に戻す予定。もらったチャンスをつかみきれなかった若手へ、現実を突きつけた。野口も井上も、今キャンプでは新戦力として期待を受けてきた。左翼と右翼のレギュラーは白紙スタート。序盤のフリー打撃では互いに長打力を見せ、自らの手で定位置をつかむ可能性を示した。「1軍と2軍で両方とも試合あるからな、(3月)2日から。そら別れなあかんやん。だいたいそないして何人かは(2軍に)行かなあかんわけやからな。それはみんな分かっとると思うけどな」。このままなら、帰阪後は2軍戦から再び結果を残して好機をうかがうしかない。チームはオープン戦2連敗発進。9イニングの1安打完封負けは、95年3月28日オリックス戦(神戸)以来、29年ぶりだった。残された沖縄の1軍戦はあと1試合。南国に漂うモヤモヤを若虎に吹き飛ばしてほしい。【磯綾乃】阪神が1安打で0-1敗戦。オープン戦では95年3月28日オリックス戦(神戸)以来、29年ぶり。星野-長谷川-牧野-平井とつながれて8回久慈の左安のみに抑えられた。オープン戦連敗発進は、19年●●●●●△●以来、5年ぶり。この年は5勝11敗1分けの11位でオープン戦を終えた。

◆阪神・村上頌樹投手(25)が先発としてオープン戦に初登板する。今春実戦初登板だった前回18日の広島との練習試合(沖縄市)では2回無安打無失点と好投。再び同一リーグ球団との対戦になるが、23日には「打線、相手がどうこうではなくて、まずいまのところは自分の球がしっかりと投げられるように、ということがテーマ」と話し、自分自身にフォーカスして腕を振る。4番には23日の巨人戦(セルラー)でソロ本塁打を放ったヨハン・ミエセス外野手(28)が入り、スタンドからは驚きの声とともに歓声があがった。

◆阪神・村上頌樹投手(25)が先発でオープン戦に初登板し、3回3安打1失点だった。一回は先頭の西川に7球目の147キロ直球を右前に運ばれると、続く青木にもカーブをとらえて右翼へ引っ張りこまれて一、三塁。サンタナを三ゴロ併殺に仕留める間に先制の1点を献上した。昨季はレギュラーシーズン、みやざき・フェニックスリーグ、クライマックスシリーズ、日本シリーズと25試合の先発で一度も許さなかった一回の失点を、珍しく許す形となった。だが、一発のあるサンタナから確実に2つのアウトを奪ったように、この回を最少失点で乗り切ると、二回は味方の失策による走者は背負いながらも力で詰まらせるなどして無失点。再び1番から始まる三回は西川、サンタナからで直球で空振り三振を奪うなどしっかりと立て直してみせた。

◆2番手で四回のマウンドに上がった阪神・島本浩也投手(31)が絶体絶命のピンチをしのいだ。先頭の村上に四球を与えた左腕はオスナ、中村に連続安打を浴びて無死満塁。長岡に対して、初球だった。131キロフォークを引っ掛けさせ、注文通りの内野ゴロ。一塁・原口から捕手・坂本へ、再び原口へと送球され、一ゴロ併殺で一気に2死を奪った。最後は北村恵を一邪飛に仕留めて無失点。走者を出しながら、さすがの投球でホームを踏ませなかった。

◆阪神は打線が振るわず、零封負け。オープン戦は23日の巨人戦(セルラー)から連敗発進となった。先発の村上は一回無死一、三塁から三ゴロ併殺の間に先制の1点を失うも、立ち直って3回3安打1失点。その後も六回から3イニングを投げた及川を含めて投げたほかの3投手がピンチを招きながらも粘りを見せて、無失点でつないだ。しかし、打線はベテラン左腕・石川らの前に五回まで無安打。途中出場の熊谷が六回先頭で中前打こそ放ったが得点にはならず、この1安打のみの無得点で敗れた。

◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(70)が期待の若手・野口恭佑外野手((23)、井上広大外野手(22)をチェック。無安打に終わった打撃以上に、守備の意識づけを課題に挙げた。アピールしなくてはいけない面々が先発出場して、途中出場の熊谷の1安打のみというのは寂しい。何かを見たかったけど、何も見られなかったという気持ちだ。野口は無駄がない形でテークバックが取れて、始動してからミートまでに間(ま)があるときには良い形で打つ。だが、五回の石山にバットを折られた場面(三ゴロ)のように、まだ体からグリップが離れて差し込まれてしまうときがある。井上はインサイドに詰まりやすい弱点がはっきりしたスイングになっていて、きっちりとコースに投げ込んでくる1軍レベルの投手には苦しむことになりそうだ。ただ、2人について打撃以上に気になったのは外野守備での「一歩目への意識」だ。五回に漆原が西川に右中間二塁打を許した場面。右翼の井上はスタートも追い方も遅かった。左翼を守った野口も、三塁側へのファウルなのに一歩も動かないような場面があった。テニスのサーブを受けるときのような姿勢で、投手が投げるコースを見て、バットに当たる前に動くつもりで守ってほしい。広い甲子園を本拠地とするチームでレギュラーを奪うなら、その意識は欠かせないはずだ。

◆主砲のヤクルト・村上宗隆内野手(24)は「4番・DH」で先発出場し、1安打1四球。一回の第1打席で同姓の村上から中前打を放って、今季の実戦では初めてHランプをともし、「打席の中での見え方は最初の方に比べたらよくなっている」とうなずいた。今キャンプでは一時、左臀部の張りで別メニューの時期があった中、状態を上げてきており「しっかり(開幕の)3月29日に合わせていけるようにやっていく」と頼もしかった。

◆球界最年長の44歳、ヤクルト・石川雅規投手が24日、オープン戦初戦となった阪神戦(浦添)に先発し、2回を完璧に抑えた。直球の最速は129キロながら、巧みな投球術で打者6人を無安打とし「タイミングを外して詰まらせるとか、抜くとかというのがピッチングだと思う。そういう意味ではすごくよかった」と声を弾ませた。一回先頭の小野寺を外角低めに制球したシンカーで遊ゴロに打ち取り勢いに乗ると、2死からは3番の原口に126キロの内角直球をズバッと投げ込み、見逃し三振。23年目のシーズンへ「最高のスタートになった」と笑った。降板後はブルペンで26球を投げ、変化球の感触を確かめた。前日は10失点の投手陣に「このまま開幕を迎えたら大変なことになるのは間違いない」と苦言を呈した高津監督は、阪神打線を1安打無失点に抑えた石川ら投手陣を「いいリレーをしたので、ほめていい」と評価した。目標とする通算200勝まで15勝とする左腕は「しっかりコンディションを維持していく」と着実に準備を進める。(武田千怜)

◆敗戦の中、左腕の快投が光り輝いた。阪神・及川雅貴投手(22)が3回無失点でまたアピール成功だ。「キャンプの疲れがとれてきたら、もう少し指にかかった質のいい球がこれから出てくると思う。でも、いまも感覚よく投げられています」六回からマウンドへ。先頭の代打・浜田に四球を与えたが、すぐに修正した。八回は北村拓を131キロのスライダーで三球三振に斬り、三者凡退に抑えた。昨季は主に中継ぎとして3勝、7ホールドをマークした左腕はここまで先発調整を続けている。実戦はいずれも複数イニングを投げ、計7回を無失点。岡田監督も「見ての通り。きょうもよかった」とうなずいた。順調にいけば次回は5イニングを投げる予定。熾烈な先発枠を勝ち取るべく、快投を続けていく。

◆八回先頭で代打出場した阪神・佐藤輝明内野手(24)は145キロ直球をはじき返すも左飛に終わった。岡田監督が言う途中出場の難しさを経験した大砲は「ずっと体を作っておかないといけないし、久しぶりに(途中出場して)いい経験ができました」。昨季、3打数無安打だったヤクルト・清水と対戦し、「次は打てるように頑張ります」と力強かった。

◆五回の守備から出場した阪神・熊谷敬宥内野手(28)がチーム唯一となる安打を放った。五回まで打者16人が四球1つの無安打に抑えられていた中、六回の先頭で打席へ。ヤクルトの4番手・宮川の145キロ直球を捉え、打球は二塁手が伸ばしたグラブをはじいて中前へはねた。「一打席に集中しただけなので。数少ないチャンスを一打席で決められるように」と振り返った。

◆阪神・島本浩也投手(31)は四回に登板し、1回2安打無失点と粘り抜いた。「真っすぐも変化球も良くなかった。先頭への四球がもったいなかったので、次はしっかりと3人で抑えたい」。先頭・村上を歩かせると連打で無死満塁を背負った。だが、ここから本領発揮。長岡を一塁へのホームゲッツーに抑えると、北村恵は一邪飛に仕留めて何とか無失点。反省を次に生かす。

◆球界野手最年長の42歳、ヤクルト・青木宣親外野手は攻守で輝いた。まずは一回の攻撃。無死一塁で村上から右前打をマークし、今季の実戦初安打を記録した。二回には右翼の守備で魅せた。1死から野口の飛球をダイビングキャッチして球場を沸かせ「石川さんが投げて、(借りている)石川さんのバットで打ってという感じ。同じ世代を生きてきた方。思い入れはやっぱり人一倍」と球界最年長左腕との〝タッグ〟を喜んだ。

◆阪神はオープン戦開幕2連敗となった。先発した昨季MVP&新人王の村上頌樹投手(25)は3回3安打1失点。右横に曲がる〝新ツーシーム〟などに手応えを示し、「やりたいことができたので十分」と充実した表情だった。3月29日の巨人戦(東京ドーム)での開幕投手を目指す中、オープン戦初登板で順調なステップを踏んだ。指先から離れたボールが、思い通りの軌道を描く。オープン戦初登板は結果が3回3安打1失点でも内容は満点。南国ラスト実戦を終えた村上の表情には、満足感があふれていた。「いろいろと試せたのでいい試合になったと思います。変化球の精度とか、コースにしっかりと投げ切ることとか、やりたいことができたので十分かなと思っています」昨季はレギュラーシーズン、みやざき・フェニックスリーグ、ポストシーズンでの25試合で「一回の無失点」を完遂した〝立ち上がりの鬼〟が、無死一、三塁でサンタナの三ゴロ併殺の間に先制点を献上。〝ゼロ神話崩壊〟の滑り出しだった。だが、1点OKと開き直って着実にアウトを積み重ねるのはお手のもの。最少失点で切り抜けると三回は西川、サンタナから直球で空振り三振を奪い、MVP右腕の力を見せつけた。特に好感触が残ったのは新しいツーシームだ。昨季も多用した球種だが、8月4日のDeNA戦(横浜)では牧に浮いた一球を本塁打にされた場面もあった。「抜けたり、真ん中入ってしまってゆるい球になったりもあった。それをなくしていければと思って」。反省を踏まえ、今キャンプ中も改良を加えてきた。打者の手元で小さく沈むことが多い球種だが、村上の改良版はシュートのように右横に曲がる〝シューシーム〟。この日は二回に中村、三回にサンタナと右打者との対戦では厳しいゾーンに食い込ませ、「しっかりと内角とかコースに投げられた」と手応えは大きい。自信を持って投げられる武器として完全マスターできれば、さらなる飛躍への近道になる。岡田監督は「ブルペンでも去年と遜色ないようなボールを投げとるから、ある程度はな」と評価。次回登板について「次は5回やろ。甲子園になると思うけどなあ」と3月5日の楽天戦(甲子園)以降になることを明かした。「イニングが増えたところでどういう投球ができるかというのは、先発として大事。イニングや球数をしっかりと投げて、シーズンに向けてやっていきたい」開幕投手を目指す村上は順調な調整ぶりにうなずいた。ホップ、ステップ、ジャンプと段階を踏むキャンプもまもなく打ち上げ。関西に戻ってもアピールを続け、大役をつかむ。(須藤佳裕)★ツーシーム ボールの2本の縫い目(シーム)に沿って人さし指と中指をかけて投げる変化球。直球と球速があまり変わらず、指のかけ方で打者の手元で沈んだり、微妙に曲がることでバットの芯を外すことができる。ダルビッシュ有(パドレス)、青柳晃洋(阪神)、山崎康晃(DeNA)らが使い手として有名。

◆楽天を戦力外となり、ヤクルトに新加入した西川遥輝外野手(31)が24日、オープン戦の初戦となった阪神戦(浦添)に「1番・中堅」で先発出場し、移籍後初安打を含む2安打をマークした。今季初めて1番に名を連ねたリードオフマンは一回、昨季最優秀選手の阪神・村上頌樹投手(25)から右前打を放って先制点を演出。盗塁王4度の実績を持つ俊足好打のベテランが、外野のレギュラー入りをアピールした。試合は1-0で勝利した。積極的なスタイルでプレッシャーをかけ、突破口を開いた。「1番・中堅」で先発出場した西川が一回、昨季MVPの村上が投じた7球目を引っ張り、右前打をマーク。今キャンプ初の1番起用に応え、移籍後初安打を放って先制点の起点となった。「(安打は)野球をやめると味わえないうれしさ。どんな試合で打ってもうれしい。一本でも多く積み重ねていけたら」「攻撃的にいく」と心に決めていた。初球は外角直球を強振。バットは空を切ったが、その後、カウント2-2から内角直球を捉え、移籍後8打席目で初めてHランプをともした。続く青木の右前打で通算332盗塁の快足を飛ばして三塁へ進むと、3番・サンタナの三ゴロ併殺打の間に生還。昨季、一回の失点がなかった村上から得点し、決勝点とした。

◆「鬼の居ぬ間に洗濯」とはちょっと違うが、阪神のキャンプには昔から「野手の居ぬ間にフリー打撃」というのがある。メイングラウンドの〝主人〟である野手たちがビジターゲームで宜野座を留守にする間、投手陣で存分に屋外打撃練習をしようじゃないか、という恒例のメニューだ。宜野座に配置された虎番の中屋友那が共有してくれたメニュー表で、投手の欄に「打撃練習」と記されているのを見つけると、ヤクルトとのオープン戦取材で浦添に来ていた虎番たちからも「おぉ!」と声が上がった。沖縄入りしているデスクの長友孝輔は、ふと11年前を思い出していた-。2013年2月10日。和田監督率いるチーム本隊が日本ハムとの練習試合を名護で戦った日に、鳴り物入りで虎入りしたばかりだった藤浪晋太郎(現メッツ)も宜野座で初の屋外フリー打撃を行ったのだ。長友が述懐する。「春夏連覇を成し遂げた甲子園でも2本塁打をかっ飛ばしていましたからね。どれくらい柵越えを打つんだろうかと、必死で数えた記憶があります」。当時の藤浪にはメッセンジャーとスタンリッジという頼もしい助っ投のアニキたちがいたが、2人にヤイヤイといわれながら、競い合うようにして楽しそうにバットを振っていたという。

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
200 1.000
(-)
-
(-)
19
(+10)
5
(+1)
0
(-)
3
(+3)
0.311
(↓0.003)
1.500
(↑0.5)
1
(5↑)
ヤクルト
100 1.000
(-)
0
(-)
1
(-)
0
(-)
0
(-)
1
(-)
0.241
(-)
0.000
(-)
1
(8↑)
楽天
100 1.000
(-)
0
(-)
3
(-)
0
(-)
0
(-)
2
(-)
0.294
(-)
0.000
(-)
4
(3↓)
広島
110 0.500
(↓0.5)
0.5
(↑0.5)
11
(+1)
10
(+10)
1
(-)
1
(-)
0.268
(↓0.073)
3.000
(↓3)
5
(2↓)
中日
020 0.000
(-)
1.5
(↓0.5)
0
(-)
13
(+3)
0
(-)
0
(-)
0.167
(↑0.034)
6.500
(↑3.5)
5
(2↓)
阪神
020 0.000
(-)
1.5
(↓0.5)
4
(-)
10
(+1)
2
(-)
2
(+1)
0.152
(↓0.085)
5.060
(↑3.94)