阪神(☆6対2★)オリックス =日本シリーズ5回戦(2023.11.02)・阪神甲子園球場=
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ORIX
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阪神
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勝利投手:湯浅 京己(1勝0敗0S)
敗戦投手:山﨑 颯一郎(0勝1敗0S)

本塁打
【オリックス】ゴンザレス(1号・4回表ソロ)

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◆阪神が38年ぶりの日本一に王手をかけた。阪神は2点を追う8回裏、近本の適時打で1点差に迫る。なおも1死二三塁の好機で森下が適時三塁打を放ち逆転に成功すると、大山と坂本にも適時打が飛び出し、この回一挙6点を奪った。敗れたオリックスは、救援陣が振るわなかった。

◆阪神が「日本一記念日」に、シリーズ王手を目指す。阪神が球団史上初の、そして現状では唯一の日本シリーズ優勝を果たしたのは、1985年(昭60)11月2日。西武との第6戦だった。この年の阪神は、ランディ・バース、掛布雅之、そして岡田彰布らの強力打線を擁し、セ・リーグ制覇。日本シリーズでは3勝2敗とし、西武球場(現ベルーナドーム)へと戻ってきた。阪神は初回から、2死満塁と好機をつかむ。ここで打席には長崎啓二。強烈な逆風が吹き付ける中、西武先発の高橋直樹から、右翼席へグランドスラムをたたき込んだ。球場の左半分が狂喜乱舞する中、長崎は悠然とダイヤモンドを一周。日本一へ大きく近づいた。さらに阪神は、2回に真弓明信がソロ本塁打を放つなど、着々と加点。9回には、阪神ファンで黄色く染まった左翼席へ、掛布雅之が駄目押し2ランをたたき込んだ。投げてはリッチ・ゲイルが完投。阪神が球団初の日本一を決めた。シリーズ3本塁打のバースが、公式戦に引き続きMVPを受賞した。ゲイル、真弓、そして長崎が優秀選手賞となった。ナインは球場にほど近い、東京・立川市の立川競輪場に移り祝勝会を開催。約2000本のビールが、瞬く間に泡と消えた。阪神が11月2日に試合を行うのは、このとき以来。公式戦やCS含め、37年間にわたり試合はなかった。球団最高の記念日を、新たな歴史へ前進する日にしたい。

◆連勝での日本一王手へ、阪神のスタメンが発表された。佐藤輝明内野手(24)は前夜と同じく「6番三塁」で先発出場。前日1日の第4戦では3打席で3三振を喫し、2点リードの7回に三ゴロを失策。同イニング途中に糸原に交代していた。ここまで日本シリーズでは15打数2安打と苦しむ中、第2戦以来の快音に期待がかかる。先発は今季12勝を挙げた大竹耕太郎投手(28)。ソフトバンク時代の18年以来となる、同シリーズ登板となる。

◆日本シリーズ第5戦の両チームのスタメンが発表された。阪神の先発は現役ドラフトで加入し12勝を挙げた大竹耕太郎投手(28)。オリックスは田嶋大樹投手(27)。左腕同士の顔合わせとなった。オリックスは左足首痛でベンチ外が続いていた杉本裕太郎外野手(32)が、シリーズ5戦目にして初めてベンチ入りし「5番左翼」で即スタメン出場。2試合連続でベンチを外れていた山崎颯一郎投手(25)も3試合ぶりに戦列に復帰した。初戦に先発した山本由伸投手(25)もベンチに入った。前日、サヨナラ負けを喫したが、主力メンバーがそろい、勝って王手を狙う。

◆左足首痛で4試合連続ベンチ外の杉本裕太郎外野手(32)、2試合連続でベンチを外れた山崎颯一郎投手(25)が、ともに戦列に復帰した。そろってベンチ入りし、杉本は「5番左翼」でスタメン出場。昨年のシリーズMVP男が、今シリーズ初出場する。試合前練習では通常メニューを消化。杉本はフリー打撃での強度が上がり、終了後は中嶋監督とグータッチ。ベースランニングも行い、左翼での打球捕では力強い返球も披露。練習を終えて引きあげる際には、心配するファンの問いかけに、笑顔でサムアップする姿も見せた。山崎颯も他の救援陣と同じメニューをこなした。杉本と最速160キロ右腕の山崎颯。チームにとって心強い2人が戻ってきた。

◆オリックスのエース、山本由伸投手(25)が第5戦でベンチ入りした。ブルペン待機するとみられる。山本は10月28日の日本シリーズ第1戦(京セラドーム大阪)で先発。自己ワーストタイ7失点を喫し、6回途中103球で降板していた。試合後には「立ち上がりはいい調子で入れたんですけど、途中ちょっと、失点してしまったので。こういう大事な試合なので、この負けはすごく大きいなと感じています」と話していた。シーズンで中継ぎ登板となれば、18年9月19日楽天戦以来、約5年ぶりとなる。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)を強烈な打球が襲った。2回先頭の4番頓宮のライナー性の当たりは、三塁へ。ハーフバウンドとなった打球を処理することができず、ボールは左翼前へ転がった(記録は左安)。前日1日の7回には先頭広岡のゴロを失策。その後の失点につなげると、糸原との交代を告げられていた。この日は、2試合連続「6番三塁」でスタメン出場。2試合連続3三振を喫しており、バットでリベンジなるか。

◆楽天渡辺翔太投手が新守護神に名乗りを上げる。1年目の今季は51試合に登板し、8勝3敗、25ホールド、1セーブ、防御率2・40。中継ぎの軸を担った。2年連続セーブ王の松井裕が海外FA権を行使する意向を示し、来季去就は不透明。だからこそ「まずは争いに勝ち、クローザーのポジションに座れたらと思う」。来年1月には松井裕の自主トレに参加予定。「後継者」としてレベルアップする。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます[速報] 序盤から際どい判定...!/一度はセーフの判定もオリックスのチャレンジで覆り三振ゲッツーの判定!!\SMBC #日本シリーズ 2023 第5戦??#阪神 vs #オリックス アベマで無料生中継!!#阪神タイガース??#オリックスバファローズ ??無料視聴はこちら??

◆阪神岡田彰布監督(65)がベンチで怒りをあらわにした。3回の守りだ。先発大竹耕太郎投手(28)が1死で1番広岡を迎え、カウント2-2とした場面。投球動作に入る前に広岡はタイムを要求し、打席を外した。テンポよく投げ込む大竹のリズムが崩れるとみたのか、指揮官はベンチ前列から感情をあらわにした。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます[速報] オリックスが均衡を破る...!!/4回表 #ゴンザレス が左中間への先制ホームラン!!得意のひき肉ポーズも!!\SMBC #日本シリーズ 2023 第5戦??#阪神 vs #オリックス アベマで無料生中継!!#阪神タイガース??#オリックスバファローズ ??無料視聴はこちら??

◆オリックス田嶋大樹投手(27)が、プロ6年目で公式戦初安打を放った。1-0で迎えた5回、先頭で阪神投手の大竹を強襲する安打。大竹が打球の行方を見失う間に懸命に一塁に走り、スコアボードにHランプをともした。中嶋監督が記念球の回収を求めるなど、オリックスベンチも沸いた。

◆阪神がまさかの「ダブルエラー」でオリックスに追加点を献上した。1点ビハインドの7回2死一塁。3番森の二塁へのゴロを中野拓夢内野手(27)がはじくと、カバーに入った右翼の森下翔太外野手(23)も捕球できなかった。両者に失策がつき、一塁走者の宗が一気に生還。終盤の痛恨プレーで2点ビハインドの状況となった。

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◆オリックス田嶋大樹投手(27)が慣れない走塁で、見事にだまされた。7回先頭で四球で出塁。1死後、宗佑磨内野手(27)が放った中前へのライナーに、近本光司外野手(28)が前進しながらグラブを上げるフェイク。田嶋は塁間で一度止まり、打球が落ちたのを見て、あわてて走り始めたが二塁に間に合わなかった。記録はセンターゴロ。ベンチの中嶋聡監督(54)も苦笑いするしかなかった。SNSでは「日本シリーズでセンターゴロを見られるとは」「近本うますぎ」「パ・リーグの投手は慣れてないから仕方ない」と同情の声も多かった。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます[速報] オリックスが追加点!!/阪神の守備の乱れから1塁ランナー 宗が一気にホームイン!!接戦の中、オリックスが貴重な追加点!!\SMBC #日本シリーズ 2023 第5戦??#阪神 vs #オリックス アベマで無料生中継!!#阪神タイガース??#オリックスバファローズ ??無料視聴はこちら??

◆阪神湯浅京己投手(24)が2点ビハインドの8回に登板し、1イニング無失点に抑えた。先頭ゴンザレスを二ゴロ、紅林を151キロ直球で空振り三振に仕留めると、最後は若月を149キロ直球で空振り三振に仕留めた。前日1日は3-3で同点の8回2死一、三塁で登板し、中川圭を二飛に仕留め「1球火消し」に成功。チームはその後、サヨナラ勝ちし、岡田監督は「ファンの声援でね、ガラッとムードが変わると思ったんでね。だから湯浅にかけましたね」とたたえていた。再び勝利の使者となれるか。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が5回6安打1失点で試合を作った。2回2死一、三塁の先制機ではオリックス若月から見逃し三振。4回にゴンザレスにソロ本塁打を浴びたが、テンポのよい投球で追加点を与えなかった。5回を投げきった時点で球数が82に到達。直後の攻撃で代打が送られ、降板となった。左腕は「攻める気持ちを持って投げることができました。4回のホームランは悔やまれますが、普段通り自分の持っている力を出すことができたと思います」と振り返った。ソフトバンク在籍時代に7試合で対戦経験のあるオリックス。自身18年以来となる日本シリーズのマウンドで粘りの投球を見せた。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます[速報] 阪神が反撃開始!!/8回裏、無死1,3塁の場面このシリーズ好調を維持する#近本光司 がタイムリーヒット!!\SMBC #日本シリーズ 2023 第5戦??#阪神 vs #オリックス アベマで無料生中継!!#阪神タイガース??#オリックスバファローズ ??無料視聴はこちら??

◆オリックスが終盤に逆転を許して、日本一へ王手をかけられた。2点リードの8回に阪神打線にのみ込まれた。コンディション不良でベンチ外だった山崎颯一郎投手(25)が8回に登板も3安打を浴びるなど1死しか取れず。後を受けた宇田川優希投手(24)も今季初の3日連続登板だったが逆転打を浴びた。この回一気に6点を奪われて試合をひっくり返された。打線は4回にマーウィン・ゴンザレス内野手(34)のソロ本塁打で先制。7回には四球に相手のダブルエラーも重なりノーヒットで1点を追加した。先発の田嶋大樹投手(27)も7回4安打無失点と好投していたが、リリーフ陣が打ち込まれた。2勝3敗となり、2年連続日本一へ後がなくなった。第6戦は本拠地・京セラドーム大阪へ戻り、逆襲を期す。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます[速報] 試合終盤に阪神逆転!!/近本のタイムリーに続き1死2,3塁のチャンスの場面で#森下翔太 が逆転のタイムリー3ベース!!\SMBC #日本シリーズ 2023 第5戦??#阪神 vs #オリックス アベマで無料生中継!!#阪神タイガース??#オリックスバファローズ ??無料視聴はこちら??

◆阪神森下翔太外野手(23)が値千金の勝ち越し打でミスを取り返した。2点を追う8回。近本光司外野手(28)の右前適時打で1点差に迫り、なお1死二、三塁。オリックス3番手宇田川の低め直球を振り抜き、前進守備の左中間を真っ二つに割る適時三塁打を放った。3-2と勝ち越した直後はに大山も中前適時打で続いた。ベンチ総出のお祭り騒ぎとなった。森下は7回に右翼守備でファンブルして一塁走者の生還を許し、悔しい表情を見せていた。自らのバットで汚名返上した。

◆阪神が劇的な逆転勝利で38年ぶりの日本一に王手をかけた。初回から無得点に抑えられてきた中、2点ビハインドの8回だ。2番手山崎颯に連打を浴びせ、近本光司外野手(28)の右前適時打で1点差。なおも1死二、三塁で森下翔太外野手(23)の左中間適時三塁打で逆転に成功した。前進守備の外野を真っ二つに割る一打。その後4番大山悠輔内野手(28)、坂本誠志郎捕手(29)も適時打で続き、一挙6得点。1イニング6得点は日本シリーズで球団最多となった。終盤のビッグイニングで試合を決めた。先発大竹耕太郎投手(28)は4回にゴンザレスから先制ソロを浴びたが追加点は許さない粘投。5回6安打1失点で役割を果たし、救援陣にマウンドを託した。相手先発田嶋も7回無失点の好投を見せる中、好左腕同士の対決で1歩も引かなかった。第3戦から始まった、甲子園3連戦の最終戦。超満員の虎党へ勝利で飾り、王手を決めた。4日の第6戦からは再び敵地の京セラドーム大阪が舞台。1985年以来の日本一へ、あと1勝だ。

◆阪神が「日本一記念日」に、シリーズ王手をかけた。阪神が球団史上初の、そして現状では唯一の日本シリーズ優勝を果たしたのは、1985年(昭60)11月2日。西武との第6戦だった。1985年11月2日 阪神は西武との日本シリーズで、3勝2敗と王手をかけて西武球場に乗り込んだ。初回から2死満塁と好機をつかむと、長崎啓二が西武先発の高橋直樹から逆風を突く右越え満塁弾。2回にも真弓明信がソロ本塁打を放つなど着々と加点した。9回には掛布雅之が左翼席へダメ押し2ラン。投げてはリッチ・ゲイルが完投し、球団初の日本一を決めた。ナインは球場にほど近い東京・立川市の立川競輪場で祝勝会を開催した。阪神が同日に試合を行ったのは公式戦、ポストシーズン試合も含めて85年以来。

◆コンディション不良でベンチを外れていたオリックスの山崎颯一郎投手(25)が8回にマウンドに上がったが、1イニングをもたず逆転を許した。2-0の8回に2番手で登板。先頭の木浪を失策で出塁されると、代打糸原につながれて無死一、三塁のピンチを招く。1番近本につまりながら右前に運ばれて1点を返されると、犠打で1死二、三塁とされた場面で交代した。山崎颯は日本シリーズでは4戦ともにベンチを外れていた。復帰登板は1死しか取れず、3安打3失点(自責2)と苦いマウンドとなった。後を受けたのは宇田川優希投手(24)。今シリーズ4戦連続登板で、シーズンを通して3日連続登板は今季初。森下に逆転の三塁打を浴びると、続く大山にも中前適時打を許してKO。3日連続登板を解禁したが勢いを止められなかった。

◆オリックスの助っ人、マーウィン・ゴンザレス内野手(34)がチームを助ける日本シリーズ第1号を放った。0-0のまま迎えた4回1死、阪神大竹の低め142キロ直球を捉えて、左中間スタンドへと運んだ。打った瞬間に分かる完璧な当たり。ベンチで祝福されると、チーム内でも流行中の人気中学生YouTuberの決めポーズ、両腕を広げる「ひき肉ポーズ」を披露し喜んだ。初回2死一、三塁の守備では、盗塁を試みた阪神森下に、若月の矢のような送球を受けてタッチ。1度はセーフ判定もしっかりアピールすると、リクエスト判定の末にアウトに覆った。今季加入した助っ人が、攻守でチームを助けた。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、今年の流行語大賞に「アレ(A.R.E.)」がノミネートされたことを喜んだ。この日、「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が発表され、その中に「アレ(A.R.E.)」も入った。練習開始前に聞いた岡田監督は「ええ、そうか。まあ、はやったよな。ほかの競技でもアレ言うてるやん」とニヤリだ。リーグ優勝から18年間遠ざかっていたことから、岡田監督は昨秋の就任時に「簡単に優勝という言葉を使わない」と「優勝」ではなく「アレ」という言葉を使っていた。チームはセ・リーグで2位に11・5ゲーム差をつけ、18年ぶりのリーグ優勝を達成。ようやく「アレ」を封印して「優勝」を解禁していた。ただ「流行語大賞を取れるか」と問われると「ないよ。そんな。別にええわ」と照れ笑いした。

◆阪神が85年以来の日本一に王手をかけた。シリーズで先に王手をかけたチームは過去73度のうち62度が優勝。2勝2敗から王手は昨年のオリックスに次ぎ29度目で、過去28度のうち21度優勝しており、V確率は75%になる。阪神の王手は64、85、03年に次いで4度目。いずれも2勝2敗から先に王手をかけたが、<6>戦に勝利した85年は日本一、<6>戦に敗れた64、03年は連敗でV逸しているだけに、<6>戦が重要になってきた。

◆阪神が劇的な逆転勝利で38年ぶりの日本一に王手をかけた。2点ビハインドの8回。近本光司外野手(28)の右前適時打で1点差。なお1死二、三塁で森下翔太外野手(23)の左中間適時三塁打で逆転した。その後4番大山悠輔内野手(28)、坂本誠志郎捕手(29)も適時打で続き、一挙6得点。1イニング6得点は日本シリーズで球団最多となった。阪神は8回に一挙6得点。シリーズのイニング最多得点は63年巨人が<7>戦の4回に記録した9点があるが、阪神では14年<1>戦5回の5点を上回り、球団最多得点となった。この回は森下、坂本の2人が三塁打。チーム1試合2三塁打は16年<6>戦日本ハム以来9度目になるが、イニング2三塁打はシリーズ史上初めて。

◆オリックス6番マーウィン・ゴンザレス内野手の1発は空砲に終わった。両軍無得点の4回、2死走者なしから阪神大竹の142キロ直球を捉えると、左翼スタンドへ吸い込まれた。先制ソロに「少し甘く入ってきたストレートをしっかりと捉えることができたし、いいスイングができたよ!」とコメント。チーム内で流行中の人気中学生YouTuberの決めポーズ、両腕を広げる「ひき肉ポーズ」を披露し喜んだ。日米シリーズで本塁打 オリックス・ゴンザレスが日本シリーズ初本塁打。ゴンザレスはアストロズ時代の17年にドジャースとのワールドシリーズ<2>戦で、9回表にジャンセンから同点ソロを放っている。日本シリーズとワールドシリーズで本塁打を記録したのは、ローガン(ブレーブス、南海)、ホワイト(ヤンキース、巨人)、松井秀喜(巨人、ヤンキース)、ジョーンズ(ブレーブス、楽天)に次いで5人目。

◆オリックスは終盤に逆転を許し、日本一へ王手をかけられた。8回に山崎颯一郎投手(25)と宇田川優希投手(24)がリードを守り切れず逆転を許した。ただ中嶋聡監督(54)は、今季初の3日連続登板の宇田川について「状態はいいと聞いていたので、ここ三振取ってくれるのは宇田川」とマウンドへ送り出した。打たれはしたが、「相手もうまく打ちましたし、しょうがないです」と振り返った。この日は第1戦で先発した山本由伸投手(25)もベンチ入り。登板はなかったが、今後の起用については「予告見たら分かるじゃないですか」と話した。日本一へ王手をかけられた。「追い込まれたわけですから。開き直るわけじゃないですけど、京セラ帰りますし、2つ勝たないといけないわけですから。何とか頑張りたいです」と2戦必勝を誓った。

◆阪神大竹耕太郎投手が5回6安打1失点の力投で先発の役割を全うした。140キロ台中盤の直球に80キロのチェンジアップを織り交ぜるなど、緩急自在の投球でオリックス打線を翻弄(ほんろう)。4回2死からゴンザレスに左中間席への先制のソロを浴びたが、その後は追加点を許さなかった。ソフトバンク時代の前回21年3月31日の対戦で、3回7失点KOされた相手。「ホームランは悔やまれますが、全体を通して、攻める気持ちを持って投げることができました」と胸を張った。

◆阪神が終盤の大逆転勝利を収め、38年ぶりの日本一に王手をかけた。岡田彰布監督(65)は試合後のお立ち台で「1年間やってきた後ろにつなぐ(野球)というかね。みんなで点取れたんでね。最後、本当よかったですね」と選手たちをたたえた。お立ち台での一問一答は以下の通り。-今の気持ちは「いや、まあ今年最後のね、甲子園のゲームなんですけど。7回までね、ちょっとふがいなかったんですけど。最後の最後にね、この1年の集大成というか、1年間やってきた後ろにつなぐ(野球)というかね。みんなで点取れたんでね。最後、本当よかったですね」-森下の逆転打「いや、今日はね、全然ダメな方だったんですけど。最後の最後にね、もうみんなからね、もうセンターに打て、センターに打てとね、みんなから言われて。最後の打席でね、やっとこう3番らしい働きしましたね。はい」-8回の攻撃が今年を象徴する形だったと。今のチームはどんなチームか「いやいや、もうね、1年間みんながね、自分の役割というか、そういうのをきっちり守ってね。まあ、そういう結果がね、この最後まで来たと思うんで。まあ今日は甲子園最後なんでね、そういう形でね、皆さんにね、素晴らしいね打撃を見せられたのはね、本当によかったです。はい」-オリックスとの日本シリーズ。甲子園3連戦を振り返って「そうですね、やっぱりあの劣勢でね。初戦はね、最後、追いつけなかったですけど。まあなんとかピッチャーも踏ん張ってね、まあ目に見えないエラーっていうかね、出ましたけど、まあそこはもうね、この緊張感の中で仕方ないと思うんで。まあまあ、最後の最後までね、みんながこう昨日もそうですけどね、やっぱり諦めないでやった結果が、昨日今日とね、一番いい形で終われたんでね。本当よかったと思いますね」-今日で日本一に王手。日本一に向けて一言「いや、もうあと1つなんでね、まあ1日空くんですけど。明日はちょっとゆっくり休みたいですね。はい。明日もうね、休んで、また新たな気持ちでね。明後日、京セラドームでもう1年の集大成をね、ゲームにぶつけたいと思うんで、またよろしくお願いします」

◆阪神が逆転勝利で3勝2敗とし、85年以来38年ぶりの日本一に王手をかけた。阪神の<5>戦までの失策数は0→3→1→1→3で8個。シリーズで8失策以上は83年西武以来40年ぶりで、<5>戦までに8個は61年南海、74年ロッテに次いで3度目の最多失策だ。また、オリックスも1→0→0→3→2で6個。両チームそろって6失策以上は、83年(巨人7、西武8)以来6度目。<5>戦までに両軍6個は74年(中日7、ロッテ8)に次いで49年ぶり2度目となった。

◆阪神大山悠輔内野手が2戦連続でトドメの一打を決めた。森下が逆転三塁打を放った直後の8回1死三塁。カウント1-2から3番手宇田川の140キロフォークを捉えて中前に運んだ。「勝ててよかった。まだ決まったわけではないですし、次に勝たないといけない。まだまだ反省すべきことは多いので、また1回から気を引き締めて次の試合に向けて準備していきたいと思います」初回は1死一、三塁の先制機で三振併殺に倒れるなど、3打数無安打。後輩の一打に続き、この回の4得点目をたたき出した。前日1日の第4戦でも9回1死満塁から左前サヨナラ打を放った主砲。またもここ一番での勝負強さを発揮した。

◆阪神近本光司外野手の反撃打から逆転劇が始まった。2点ビハインドの8回無死一、三塁。山崎颯から右翼へのタイムリーを放ち1点差に迫った。「なんとかなれと思いながら、そんな気持ちでした」と執念で快音を響かせた。7回1死一塁の中堅守備では「トリックプレー」で珍しい「中ゴロ」を決めピンチ拡大を阻止。「ランナーがピッチャーでパ・リーグなので、そんなに走塁の場面もないので。もうちょっとうまくできたかな」と照れ笑いした。

◆阪神の守護神岩崎優投手(32)が最後を締めた。チームが8回裏に6点を挙げ逆転に成功し、9回のマウンドに立った。「もう準備してたんで、最初から。普通でしたけど」とクールだった。先頭の代打大城を右飛に仕留めると、1、2番の上位打線もピシャリ。3人で仕事を果たしてみせた。「最後もね、しっかり野球ができるように頑張ります」と頂点を見据えた。

◆阪神坂本誠志郎捕手がダメ押しの三塁打を含むマルチ安打&2打点で日本一王手に貢献した。5回先頭でオリックス田嶋から左前打。森下の逆転2点三塁打などで2点を勝ち越した直後の8回2死一、二塁では阿部の直球を捉え、右越え2点三塁打で4点差に広げた。「オリックスの中継ぎは簡単に点を取れるピッチャーじゃない。でも、そんなこと言ってたって点取らないと勝てないので」。強い気持ちで快打を放った。

◆阪神平田勝男ヘッドコーチが円陣で虎ナインにゲキを飛ばした。2点ビハインドの7回裏の攻撃が始まる前に、岡田監督から「気合を入れろ!」と指示があったと明かし、ベンチ前の円陣で「残り3イニングあるんだから、まだまだ慌てることはない。2点差はワンチャンスあるから、勝負はこれからだ」とカツを入れたという。その後8回に6点の猛攻が生まれ、「その通りになった。(守備の)ミスが災い転じて福となった。湯浅がリズムをつくってくれた」とたたえた。

◆阪神は2日、日本シリーズ第6戦が行われる4日に甲子園でパブリックビューイングを開催すると発表した。内野スタンドのみ開放する。入場無料。3日午前10時からローソンチケットで申し込みを受け付ける。

◆阪神の代打糸原健斗内野手が8回の攻撃をつないだ。先頭木浪は二塁へボテボテのゴロで内野安打。安達の一塁悪送球を誘い、二塁まで進んだ。「木浪が"汚いヒット"を打ったので、自分も"汚いヒット"を打ってつなごうと」。ここで背番号33は湯浅の代打で出て、山崎颯の高め直球を左前にはじき返した。一、三塁として近本につなげ「上位に回せば2点差はなんとかなると思った」と胸を張った。

◆攻守に存在感を見せているオリックスのにマーウィン・ゴンザレス内野手(34)が甲子園での守備の難しさを語った。ここまで日本シリーズではユーティリティープレーヤーとして攻守を連発。メジャー時代にはバッテリー以外の守備位置を経験し、今シリーズでも二塁と一塁で堅守を披露している。ただ、甲子園は特別なようで、「この球場はとても難しい。何とか自分のところにラッキーバウンドが来ているので、何とかできている。今のところは運がいい」と笑った。打席でもスイッチ-ヒッターとして存在感を増しており、4回には先制ソロ本塁打。「打った後は試合も勝っていたので、すごくうれしかったですけど、結果的に負けてしまった。いま大事なのは自分の成績よりチームの勝ち。負けたら何も言えない」と1発にもチームの敗戦に反省の言葉が並んだ。17年のアストロズ時代にはワールドシリーズも経験。1発も放っており、史上5人目の日米でのシリーズ弾となった。日本シリーズについては「とにかくファンの声援がすごい。ファンの声援のおかげで、いつもの自分の力より少し大きい力が出せる。今はワンプレーワンプレー楽しんでできている」とワールドシリーズとの違いを感じ、声援に感謝した。日本一へ王手をかけられたが、「4勝した方が勝ち。まだ生き残っている。最後の4勝目を先に取れるように頑張ります」と前を向いた。

◆阪神岡田彰布監督(65)は試合後、試合のない3日を「オフ」にすると明かした。「もう今日あれよ。野手は明日休みにしとったよ。もうピッチャーだけよ。先発だけ」と先発投手のみ調整にあてると説明。「こんな緊張感ある中でずっと休んでなかったからな。最初から今日、勝ち負け関係なく明日休もうと思ってたよ。ここまできて、ちょっと、万全の態勢にしたいしな、あさって。そら、みんな気が張り詰めてここまで5試合きたわけやから」と続けた。休養をしっかりとって、日本一へ王手をかけた状態で臨む4日の京セラドーム大阪でのゲームに備える。選手会長の近本光司外野手(28)は「しっかり休んで、しっかり休んで、しっかり休みます」と言い残し、クラブハウスへと向かった。

◆阪神が劇的な逆転勝利で38年ぶりの日本一に王手をかけた。新人の森下翔太外野手が8回に逆転の2点三塁打。新人のV打は10年<4>戦大島洋平(中日)以来11人、12度目。阪神の新人では初めて。過去11度のV打内容を見ると、先制5度、勝ち越し6度で、新人の「逆転V打」はシリーズ史上初めてだ。V打以外でも新人の逆転打は62年<1>戦青野修三(東映=逆転三塁打)82年<3>戦上川誠二(中日=逆転本塁打)に次いで3度目だった。これで森下は<2>戦から2打点→1打点→2打点。シリーズで新人が3試合以上連続打点は62年<3>~<6>戦岩下光一(東映=4試合)81年<4>~<6>戦原辰徳(巨人)に次いで3人目になる。森下は今シリーズ計5打点で、両軍を通じ最多だ。過去の日本シリーズでの新人最多打点は6で、前述の62年岩下、81年原、82年上川に加え、10年清田育宏(ロッテ)の4人。森下には更新の期待がかかる。

◆阪神が劇的な逆転勝利で38年ぶりの日本一へ王手をかけた。8回に流れを呼び込む3人切りを見せた湯浅京己投手(24)、逆転三塁打を決めた森下翔太外野手(23)がお立ち台に上がった。湯浅は前日1日の第4戦で139日ぶりの1軍復帰登板。開口一番に「ただいまー!」と虎党へあいさつした。お立ち台での一問一答は以下の通り-久しぶりの甲子園お立ち台。おかえりなさい!湯浅 ただいまー!-お立ち台の景色湯浅 アツアツでーす(笑い)-日本シリーズの投球湯浅 シーズン中、本当に何も力になれなくて迷惑かけてきたので、なんとか日本シリーズで少しでも力になろうと思って一生懸命腕で振りました。-点数は湯浅 100点です。-森下へ。湯浅投手の投球は森下 もう久しぶりに湯浅さんが投げてる姿を見れたので、すごく奮い立たせられました。-久しぶり甲子園のマウンド湯浅 そうですね、やっぱり甲子園でしか聞けないような大歓声での中で投げることができてすごい幸せですし、本当にこの応援があるからこそ、あの大逆転につながったと思うんで、皆さんありがとうございます。-ファンの存在湯浅 心の支えです!-明日以降湯浅 はい、そうですね。少しでもまた力になれるように、自分は腕を振るだけだと思ってるので、皆さんも応援よろしくお願いします。-森下へ。適時打の打席での意識森下 その前にエラーして、迷惑かけたんで、なんとか自分の前にランナーを出そうって先輩たちが必死になってくれたんで、あそこは絶対返すっていう強い思いで立ちました。-打った瞬間森下 感触はあったんで、本当に抜けてくれと思って祈りました。-3試合連続。好調要因森下 甲子園っていうホームの球場でやりやすい環境を作ってくれてるんで、もう自分もそれの期待に応えられるように必死にやってるだけです。-今年のチーム森下 もう最強の先輩方で、それに自分は引っ張ってもらってる立場なんで。下の底上げっていうのがチームの勝ちに繋がると思ってるんで、自分もそこに負けじと、気合出してやってます。-日本一王手。意気込み森下 もうあと1勝して必ず日本一になりますので、熱い応援よろしくお願いします。

◆阪神が劇的な逆転勝利で38年ぶりの日本一に王手をかけた。2点ビハインドの8回に湯浅京己投手(24)を投入し、1回ピシャリ。その裏1点差まで迫った1死二、三塁から森下翔太外野手(23)が値千金の逆転適時三塁打をマーク。その後打線がつながり一挙6得点の猛攻で日本シリーズ3勝目を手にした。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-甲子園で最後の試合で、すばらしい戦い「なあ、最後の最後になあ」-湯浅を投入して流れがガラっと変わった「いやいや、流れっていうか、もう最初からいくつもりやったからな」-あらためて集中力がすごい「おーん。やっぱりな。最初、糸原のあれが大きかったな」-そういう意味では投手、野手ともにベンチスタートの選手が「いやいやまあ、それはもう1年間やな、それは。だから、なんていうか、メンバー代えんかったけど、前もいったけど、ベンチで見てるもんもな、みんなでやってるっていう、そういう感じやからな」-8月から強くなる感じと言っていた「もう11月やからなあ(笑い)。強くなるんちゃう」-7回は監督の方から気合を入れろって「2点目、ああいう感じで入ったからなあ。平田に言うたんよ、『円陣かけえ、気合を入れろ』って。2回目や今年」-監督は森下に声をかけていた「みんな言うとったよ、それまではまた、逆に戻ってしまいそうで、全然狙い球じゃないのに」-監督からは「言うたよ、でももう1試合あるから何かは言われへんけど、お前。もう1試合あるから」-森下が打った瞬間は「いやいや、追い込まれたからなあ、とにかく転がせ思うた。ゴロGOやったからな。バットに当てろ思とったよ」-あの瞬間は「あそこはあんなええ当たり打たんでええよ。良すぎたよな、当たり、おーん」-森下はミスもあったがチャンスで打った「いやいや、やっぱ回ってくるんよ。クリーンアップ打ってるからな」-このシリーズは両軍の失策が多い「何かな、ピッチャーエラーが多いわな。西純にしても、先頭のピッチャーもあんなん"エラー"やもんな、ピッチャーのフォアボール。両方ともピッチャーのエラーが多いやろ。4つか5つくらいあるんちゃう。伊藤(将)の二塁のあれ(悪送球)もそうやったし」-7回までで田嶋が代わった「いや、もう代わると思っとったよ。7回も代打来るかなとな。野口かな。まあT(岡田)は先頭では来んと思たから。もう野口来たらそこ島本行く予定やったんよ。そのままやったからな。そのままやったらもう西を行かす、あの宗から島本やったからな」-今日オリックスは山崎颯、山本らをベンチに入れてきたが「いやいや、別に。何で入れてるんやと思とったけどな」-明後日は集大成と「そらそう、まあ、もう一緒。まあどっちにしてもあと2試合で1つ勝ったらいいわけやからな」-明日休みを決めたのはいつか「いや、もう今日あれよ。野手は明日休みにしとったよ。もうピッチャーだけよ。先発だけ」-しっかり休んで「そうそうそう。まあな。こんな緊張感ある中でずっと休んでなかったからな。最初から今日勝ち負け関係なく明日休もうと思ってたよ。ここまできて、ちょっと、万全の体勢にしたいしな、明後日。そら、みんな気が張り詰めてここまで5試合きたわけやから」-オリックスは追い込まれたが、次は京セラドーム大阪で「今日で甲子園最後やけど、京セラでスタートしたからな、うちも開幕で。それでまた京セラで終わるわけやからな」

◆オリックス田嶋大樹投手(27)の好投は勝利に結びつかなかった。立ち上がりからピンチの連続も、点は与えなかった。1回は自らのバント処理のミスで無死一、二塁。それでも若月が二盗を刺し、4番大山は空振り三振に切って脱出。2回2死一、三塁も、5回2死三塁もしのいで7回4安打無失点。勝ち試合への流れは作った。「とにかく後悔だけはしないように、思い切って腕を振っていこうと思って投げていました。しっかりと投げ切れたところはよかったと思います」。今季は左前腕の張りなどの影響で6月上旬に離脱し、約2カ月戦列を離れた。日本シリーズは3年連続の登板で、過去2年は5回途中で降板しており、先発としての責任回数(5回)を投げたのは今回が初めてだった。降板後にまさかの暗転で好投は報われなかったが、中嶋監督は「本当にすごいピッチングだった」とたたえた。

◆4年目22歳の阪神西純矢投手は日本シリーズ初登板で1回1/3 1安打1失点(自責0)だった。0-1の6回に2番手で登板。2死から味方のミスと安打で一、三塁を招いたが、若月を空振り三振に切った。イニングをまたいだ7回は先頭の投手田嶋に四球を与え、1死を取って島本と交代。失点はついたが「ピッチャーにフォアボールを出したのは反省。シーズンとは違う独特の雰囲気の中でやれたのは幸せ」とかみしめた。1軍登板は9月27日の中日戦(甲子園)以来。

◆オリックス山崎颯一郎投手が救援失敗した。コンディション不良で2試合登録外だったが、2-0の8回から復帰登板。先頭を内野安打で出すと、悪い流れを止められず3失点(自責2)。残した走者を3番手の宇田川がかえされ、黒星がついた。「自分のせいで負けてしまい、すごく悔しい。ウダ(宇田川)は悪くない。コンディションは問題なかった。このままじゃ終われません」と唇をかんだ。

◆オリックスのエース、山本由伸投手(25)が第5戦でベンチ入りした。ブルペン待機したが登板はなかった。山本は10月28日の日本シリーズ第1戦(京セラドーム大阪)で先発。自己ワーストタイ7失点を喫し、6回途中103球で降板していた。シーズンで中継ぎ登板となれば、18年9月19日楽天戦以来、約5年ぶりとなるところだったが登板はなかった。ベンチ入りを告げられたのは前日1日だと言い、「できるところでしっかり投げると。しっかり準備してました」と準備はバッチリだったが出番がなかった。チームは逆転負けを喫し、日本一へ王手をかけられた。自身は終了後もブルペン投球を行い調整した。「もう勝つだけ。しっかり勝つためにやっていきたいと思います」と次戦を見据えた。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、復活の兆しをみせる一打を放った。両軍無得点の2回1死。オリックス田嶋の初球、高めの甘い133キロカットボールを振り抜いた。打球はグングン伸びて左中間の芝生で弾み、迷いなく二塁へ激走。自身9打席ぶりのヒットで、日本シリーズ初の長打に「良かったと思います。それ(初球から)はいつも思っています」。得点にこそつながらなかったが、久々の快音に甲子園が沸き上がった。前夜の第4戦は苦杯を喫した。3打席連続三振で、守備では2点リードの7回に三塁線のゴロを捕球ミスする痛恨の失策を犯した。直後に同点に追いつかれ、懲罰的にイニング途中で交代。ベンチから戦況を見守った。岡田監督は前夜の試合後、「奮起待つて、もうあんまり試合ないで。そんなもん」と厳しく指摘。ベンチスタートも予想されたこの日は、前夜に続いて「6番三塁」で出場。指揮官の起用にバットで応えた。発奮材料があった。前日1日に母校近大の硬式野球部の光元一洋コーチ(48)が、同大学の新監督に就任することを発表。在学時、打撃コーチと部員として二人三脚で技術を磨き、ロングティーなど日々の鍛錬に付き合ってくれたという恩師の1人。野球以外で礼儀も学んだといい、「お世話になった方です。自分も頑張ります」と刺激を受けていた。祝砲とはいかなかったが、復活の一打と勝利が何よりの吉報だ。【三宅ひとみ】

◆オリックスは終盤に逆転を許し、日本一へ王手をかけられた。中嶋聡監督の一問一答は以下の通り。-先発の田嶋いや本当にすごいピッチングでしたけどね。-7回まで投げてくれたのは助かる非常にいいですし、いつもでしたら行ってたと思うんですけど。まあちょっと芯に当たりだしたかなと。迷わずといえば迷わずです。-山崎颯は期待したと思うがそりゃあ期待しますよ(笑い)。そんな期待しない人、そんな人いないでしょ。-宇田川は踏ん張っていたが3連投だったんですけどね。状態はいいと聞いていたので、ここ三振取ってくれるのは宇田川ということで。相手もうまく打ちましたし、しょうがないです。-攻撃はミスを逃さずそうですね。なんかどちらも言えるかもしれないですけど、ミスした方がちょっと絡むというのがあるのでね。それでガチガチになるわけじゃないですけど。そういうゲーム展開になってますよね。-日本シリーズや甲子園の雰囲気は雰囲気的にはそんなこともないんですけどね。土の感じが、なんか交流戦のあたりと違いますよね、湿り方とか。それはちょっと感じますけど。-杉本も戻ったこの段階まできたかなと。-山本もベンチ入り入れちゃだめですか。-あと2試合もう追い込まれたわけですから。開き直るわけじゃないですけど、京セラ帰りますし、2つ勝たないといけないわけですから頑張りますよ。

◆涙の逆転負けだ。中嶋オリックスが接戦を落として窮地に追い込まれた。2点リードの8回に登板した山崎颯一郎投手(25)が、1死しか奪えずに3失点。さらに3日連続のマウンドに上がった宇田川優希投手(24)は打ち込まれて目に涙を浮かべた。チームが誇る剛速球右腕コンビが返り討ちにあうショッキングな敗戦。4日の第6戦からの本拠地・京セラドーム大阪でやり返す。マウンドを降りた宇田川の目は潤んでいた。仲間たちから背中をたたいて労われた後、ベンチの最前列で静かに続く戦いを見守っていた。「監督の期待にも応えられなかったのは一番悔しいです」。2-1の8回1死二、三塁でマウンドへ。迷わず投じた152キロ直球を、森下にはじき返された。「真っすぐを自信を持って投げてたので、もう打たれてしまったならしょうがないというか、相手が上だった」。日本シリーズでフル回転してきた右腕も思わずうなだれた。2点リードで迎えた8回。3試合ぶりに登板した山崎颯が、3連打を浴び1点差に詰め寄られた。ここでレギュラーシーズンでは1度もなかった3日連続の3連投を解禁。中嶋監督自らマウンドに行くと、4試合連続登板となる宇田川への交代を告げた。「3連投だったんですけどね。状態はいいと聞いていたので、ここ三振取ってくれるのは宇田川ということで。相手もうまく打ちましたし、しょうがないです」。託した指揮官は試合後、淡々と振り返った。この日は試合前から総動員モード。エース山本をブルペン待機させるスペシャルプランを発動した。約5年ぶりとなる中継ぎでの登板機会こそなかったが、総力戦で挑んだ。連敗を喫し王手をかけられたが、1日挟んで4日から本拠地京セラドーム大阪へ戻る。「もう追い込まれたわけですから。開き直るわけじゃないですけど、京セラ帰りますし、2つ勝たないといけないわけですから頑張りますよ」。指揮官はいつもと変わらぬ様子で前を向いた。宇田川も「もう後がないので、1試合1試合引きずらずに強気なピッチングでやり返したい」と切り替えた。あと2試合、勝てばいい。【磯綾乃】

◆今度は「13球」に魂を込めた。阪神湯浅京己投手(24)の名前がコールされると、甲子園が一気にどよめいた。2点ビハインドの8回に登板し、1イニングを無失点。直後にチームが逆転し、勝利投手になった。お立ち台で「おかえり!」と振られると「ただいま!」と破顔。「アツアツで~す!」と決めゼリフも飛び出した。先頭ゴンザレスを二ゴロ、紅林を151キロ直球で空振り三振に仕留めると、最後は若月を149キロ直球で空振り三振。力強く3人で料理した。左脇腹筋挫傷から復活後、1軍登板では初めて1イニングをクリア。奪三振も同じく初だ。背番号65の連投に聖地が揺れた。「3人で抑えて、いい流れをつくりたかった。日本シリーズで少しでも力になろうと思って、一生懸命腕を振りました」前日1日は3-3で同点の8回2死一、三塁で登板。139日ぶりの1軍戦で中川圭を二飛に仕留め「1球火消し」に成功し、その後のサヨナラ劇を呼んだ。実は、岡田監督の起用に誰よりも驚いていたのは、他でもない湯浅本人だった。「正直、こんな場面でいかせてもらえるんやって...。そういう気持ちもありましたよ」同時に平常心も保てていた。「WBCの(準決勝)メキシコ戦を経験してるんで。あそこまでの緊張ってないんで」。世界を舞台に腕を振った経験が、ここ一番で生きる。「メキシコ戦はアウェーだったけど、ここはホーム。歓声に力もらいました。打たれると思ってマウンドには上がっていないので」この日も虎党の熱狂に背中を押され、連日の「勝利の使者」となった。岡田監督は「流れというか、最初からいくつもりやったからな」と信頼を寄せた。日本一まで、あと1勝。負傷に苦しんだ男は、何度でもヒーローになっていい。【中野椋】湯浅がシリーズ初勝利。今季の湯浅は公式戦で0勝2敗だった。シーズン0勝の投手がシリーズで勝利を挙げたのは、21年<3>戦の石山(ヤクルト)以来8人目。セ・リーグの投手では石山に次いで2人目。

◆ついに来た! あと1勝や! 阪神が劇的勝利を飾り、3勝2敗で38年ぶり日本一へ王手をかけた。1点ビハインドの7回表はダブルエラーの間に2点目を奪われたが、8回裏に痛恨の適時失策を喫した森下翔太外野手(23)の逆転2点三塁打などで一挙6点を奪った。85年に日本一に到達した11月2日に、感動的な1勝。23年ラスト甲子園となる可能性が極めて高い一戦で、岡田阪神がいよいよ頂点まで残り1歩とした。森下が三塁ベース上で闘志をむき出しにした。2点ビハインドで始まった8回。1番近本の右前適時打で1点差に迫り、なおも1死二、三塁だった。カウント2-2から宇田川の152キロ低め直球を振り抜き、左中間を真っ二つ。値千金の逆転2点三塁打を決め、初対決のオリックス鉄壁投手を打ち砕いた。「なんとか、走者を絶対かえそうと思って打席に立った。本当に食らいつきました」大歓声に包まれながら、三塁ベースをたたいて渾身(こんしん)のガッツポーズを決めた。「集中しすぎて(歓声が)聞こえなかった」。それほど集中力を研ぎ澄ませていた。7回の右翼守備では2死一塁から二塁中野のゴロ後逸のカバーをミス。自身も捕球に失敗する間、一塁走者の生還を許していた。「失策をした後に、ああいうところで打席が回るのが野球。取り返したい思いしかなかった」決勝打の打席に入る前には岡田監督からセンター方向を狙うように助言をもらっていた。指揮官にも導かれ、痛恨の適時失策を3試合連続打点で挽回。球団新人では初の日本シリーズ勝利打点も記録した。CSファイナルステージを突破した直後、家族と入寮前以来10カ月ぶりの再会を果たした。父善文さん(55)、母ゆりさん(52)を連れ、大阪市内で焼き肉を楽しんだ。野球談議からたわいもない雑談まで...。大好物の肉を頬張りながら、家族だんらんの会話に花を咲かせた。「初めて両親にご飯をごちそうしたんですけど、喜んでくれたかな。でも、野球での親孝行が一番です」この日、両親は今季最後となる可能性が極めて高い甲子園ゲームに足を運んでいた。試合後は2人とも感無量。息子は最高の舞台で親孝行に成功した。11月2日は85年、虎が日本一まで上りつめたメモリアルデーでもあった。時を経てルーキーが11・2に輝きを放ち、岡田監督も「最後に3番らしい動きだった。良すぎたよな、当たり、おーん」とニンマリだ。チームは2連勝で38年ぶりの日本一にいよいよ王手をかけた。「あと1勝して必ず日本一になりますので、熱い応援をよろしくお願いします!」。お立ち台でルーキーが放った宣言が、甲子園にどこまでも力強く響いた。【三宅ひとみ】

◆阪神岡田彰布監督(65)が勝負どころで今季初めて円陣を指示し、ナインの闘志に火をつけた。7回表にまさかのダブルエラーで2点差とされた直後、7回裏の攻撃前に円陣を指示。意気消沈気味だったチームを平田ヘッドコーチの言葉で奮い立たせ、8回の一挙6得点を呼び込んだ。「1年の集大成」と納得した「つなぎの野球」で劇的勝利。3日を休養日として万全の態勢を整え、4日敵地京セラドーム大阪での第6戦で球団2度目の日本一をつかみにかかる。7回裏が始まる直前、岡田監督が沈むナインの闘志に火をつけた。「2点目、ああいう感じで入ったからなあ。平田に言うたんよ。『円陣かけえ、気合を入れろ』って」。7回表に中野、森下のダブルエラーでオリックスに2点目を許した。打線も田嶋に無得点に抑え込まれ劣勢ムード。「(円陣は)2回目や今年」。巧みにきっかけを用意し、流れを変えた。相手に困っていると思わせたくない指揮官は円陣を好まない。今季1度目は6月4日の交流戦ロッテ戦で5回、今岡打撃コーチが集めたもの。岡田監督自身が指示するのは今季初だった。「7回までちょっとふがいなかったんで」。今季最後となる可能性が高い甲子園で、このまま王手をかけられるわけにはいかなかった。「もう代わると思っとったよ」。無得点に抑えられた先発左腕田嶋が交代した8回、相手リリーフ陣に襲いかかった。「糸原のあれが大きかったな」。無死二塁から代打で左前に落とし、一、三塁にチャンスを広げた切り札をほめた。森下の逆転2点三塁打で生還した近本らをベンチで出迎えた際には感無量の表情にも映った。「最後の最後にね、この1年の集大成というか、1年間やってきた後ろにつなぐ(野球)というかね。みんなで点を取れたんでね」。14戦連続ノーアーチでシリーズワースト記録を更新しても構わない。つなぐ野球で6得点のビッグイニングをつくれるナインの成長がうれしかった。3日はNPBが敵地京セラドームでの公式練習を予定していたが、休養を選んだ。先発投手だけが甲子園で調整し、野手やブルペン陣の休養を優先した。「こんな緊張感ある中でずっと休んでなかったからな。ちょっと万全の態勢にしたいしな、あさって。そらみんな気が張り詰めてここまで5試合来たわけやから」。激闘につぐ激闘で疲れ果てているナインは日本一を決めるため、いったん英気を養う。指揮官はお立ち台で「新たな気持ちで、京セラドームで、1年の集大成をゲームにぶつけたい」と虎党に誓った。選手として味わった日本一まで、あと1歩だ。【石橋隆雄】

◆歓声が鳴りやまない甲子園で、阪神大山悠輔内野手(28)が2戦連続でトドメの一打を放った。8回に森下の逆転打が生まれ、なお1死三塁。すでに聖地の熱気は最高潮だった。宇田川に2球で追い込まれても、集中力は乱さない。カウント1-2。4球連続で来たフォークは低めだったが、片手で丁寧にすくい上げた。前進守備の内野の頭上を悠々超え、中前に返した。2点差に広げる一打で、第3戦で三振にやられた相手にやり返した。「勝ててよかったです」。安堵(あんど)し、球場を後にした。第4戦では9回に2者連続申告敬遠で迎えた満塁機でサヨナラ打を放っており、2戦連続で勝負を決めた。初回は1死一、三塁の先制機で空振り三振に倒れ、森下は盗塁死でゲッツーなど3打席無安打だった。6回には西純の送球を落球する失策もあった。最終となった第4打席。4番がここぞの勝負強さを発揮した。この一打で日本シリーズ第2戦から4試合連続安打。日本一に王手をかけても決して気は緩めない。「まだ(日本一が)決まったわけではないですし、次に勝たないといけない。まだまだ反省すべきことは多いので、また気を引き締めて次の試合に向けて準備していきたい」。38年ぶりの悲願を自身のバットで導いて見せる。【波部俊之介】

◆頼んだ! 由伸! オリックスが4日の第6戦(京セラドーム大阪)の先発をエース山本由伸投手に託す。6回途中7失点KOされた10月28日第1戦の雪辱を期し、再び本拠地で阪神を迎え撃つ。山本は、この日はブルペン待機。「(ベンチ入りを)ちゃんと言われたのは昨日(1日)かな。できるところでしっかり投げると、しっかり準備していました」と実現すれば18年9月19日楽天戦以来となる中継ぎに備えていた。結果的に登板機会はなく、試合後にブルペン投球を行い、4日の先発に向かうことになった模様だ。山本は今オフ、ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦が濃厚。状況次第で、4日が現チームでの最終登板になる可能性が高い。「もう勝つだけなんで。しっかり勝つためにやっていきたいと思います」と必勝を約束。何度もチームの逆境を救ってきた3年連続沢村賞右腕が、勝ち星をタイに戻し、第7戦の宮城につなぐ。

◆阪神は終盤に痛い「ダブルエラー」が出た。0-1の7回2死一塁。3番手島本が森を変化球で打ち取ったゴロは一、二塁間に飛び、これを二塁手の中野が後逸し右翼に転がった。さらにカバーに入った右翼の森下も球をつかみ損ねファンブル。一走・宗は三塁を回ったところで処理にもたつく森下の姿を確認した上で一気に本塁に生還した。中野と森下に失策が記録された。これで0-2。岡田監督はすぐさま4番手石井をマウンドに送り込んだ。石井は1四球を出したものの中川圭を右飛に仕留め、この窮地を脱した。ミスが絡んだ傷口を最少失点で踏ん張り、打線の反発を我慢強く待って、8回の6得点逆転劇につなげた。ただ激勝の中で6回には大山のエラーもあり、チームに第2戦から4連続で失策がついた。阪神第5戦までの失策数は0→3→1→1→3で8個。シリーズで8失策以上は83年西武以来40年ぶりで、第5戦までに8個は61年南海、74年ロッテに次いで3度目の最多失策だ。また、オリックスも1→0→0→3→2で6個。両チームそろって6失策以上は83年(巨人7、西武8)以来6度目。第5戦までに両軍6個は74年(中日7、ロッテ8)に次いで49年ぶり2度目。

◆阪神が劇的勝利を飾り、3勝2敗で38年ぶり日本一へ王手をかけた。1点ビハインドの7回表はダブルエラーの間に2点目を奪われたが、8回裏に痛恨の適時失策を喫した森下翔太外野手(23)の逆転2点三塁打などで一挙6点を奪った。日本シリーズ・ニッカンMVP査定 王手の阪神は逆転V打の新人森下に3ポイント。森下は<4>戦の先制二塁打もあり、阪神で1人だけ殊勲安打を2本マーク。通算5打点はチームトップだ。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神タイガース日本一へ王手!日本シリーズ第5戦は湯浅京己の好投から8回に打者一巡の猛攻で阪神が逆転!近本光司、森下翔太らが躍動しました!

◆「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」の候補30語が2日、発表された。18年ぶりにリーグ優勝を果たした阪神の「アレ(A.R.E.)」がノミネート。岡田彰布監督(65)は試合前練習のグラウンド入りの際に「そうか。まあ流行ったやろ。ほかの競技でもアレ言うてるやん」とノミネートを確信していた。選ばれたいか問われると「そんなんないよ。別にええわ」と話した。大賞発表は12月1日。

◆両チームのスタメンが発表され、阪神は第4戦と同じメンバーで第5戦に挑む。注目は「6番・三塁」の佐藤輝明内野手(24)。1日の第4戦では3三振に倒れ、七回の守備でも痛恨の失策。途中から退いていた。今シリーズ15打数2安打、打率・133の不調を抜け出し、王手をかける一打に期待がかかる。

◆オリックスは左足首を負傷していた杉本裕太郎外野手(32)が「5番・左翼」で先発復帰。10月31日の試合前に打撃練習を開始し、1日には、さく越えを披露していた。第3戦から2試合連続でベンチを外れていた山崎颯一郎投手(25)もベンチ入り。態勢を整え、虎との真っ向勝負に挑む。

◆阪神が一回の好機を逃した。先頭の近本が右前打を放つと、中野の犠打を投手・田嶋が失策。無死一、二塁と好機を作った。森下は二ゴロで1死一、三塁。1日の第4戦(甲子園)でサヨナラ打を放った大山が打席に向かった。フルカウントから7球目、134キロフォークに空振り三振。スタートを切っていた一走・森下。判定はセーフ。しかし、オリックス・中嶋監督がリプレー検証を要求する。タッチが認められて判定は覆りアウト。一回の先制機で無得点に終わった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が10月29日の第2戦(京セラ)の第2打席でマークして以来、9打席ぶりの安打を放った。二回1死から田嶋の初球133キロカットボールを振り抜いた。左中間で弾む二塁打に両手をパンッとたたいて喜びを表現。第4戦(1日、甲子園)は3打数3三振に同点につながる失策を喫して途中交代。4打席連続三振中と苦しんでいた大砲が意地をみせた。

◆阪神が一回の好機を逃した。先頭の近本が右前打を放つと、中野の犠打を投手・田嶋が失策。無死一、二塁と好機を作った。森下は二ゴロで1死一、三塁。1日の第4戦(甲子園)でサヨナラ打を放った大山が打席に向かった。下記X(旧ツイッター)ロゴをクリックすると動画が流れますフルカウントから7球目、134キロフォークに空振り三振。スタートを切っていた一走・森下。判定はセーフ。しかし、オリックス・中嶋監督がリプレー検証を要求する。タッチが認められて判定は覆りアウト。一回の先制機で無得点に終わった。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)は四回、ゴンザレスのソロ本塁打で1点を失った。好投の中の1球を見逃してくれなかった。低めに投じた142キロ直球を完璧に捉えられ、ゴンザレスは打った瞬間にスタンドインを確信。打球は左中間スタンドまで届いた。オリックスはこのシリーズ2本目の本塁打。いまだ本塁打のない阪神に対し、一発で先制した。

◆日本シリーズ第1戦で先発したオリックス・山本由伸投手(25)がベンチ入りした。第1戦で先発するも六回途中、10安打7失点と阪神の勢いを止められず、敗戦投手となっていた。2019年から先発に転向し、中継ぎでは、2018年9月19日の楽天戦(京セラ)で登板したのが最後。今季のレギュラーシーズン最終戦となった10月9日のソフトバンク戦(京セラ)でも先発はせずベンチに入ったが登板はなかった。5年ぶりの中継ぎ登板があるか、注目だ。

◆オリックスのゴンザレス内野手(34)のソロで先制した。0-0の四回2死。カウント2-1からの4球目、大竹の142キロの速球を左中間へはじき返し、打った瞬間、本塁打を確信。ゆっくりとダイヤモンドを一周した。「少し甘く入ってきたストレートをしっかりと捉えることができたし、いいスイングができたよ!」と球団を通じ、コメントした。シリーズを通じて、球際の強さが光るが、第4戦まで打率・385(13打数5安打)と当たっている助っ人。完全アウェーの中、まずは一発で先取点を奪った。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)は5回6安打1失点で降板した。先制こそ許したが、踏ん張った。二回、三回と走者を許すも無失点。四回は2死を簡単に奪ったが、ゴンザレスのソロ本塁打で1点を失った。五回も先頭の田嶋に内野安打を浴びたが、広岡、宗、森の1番から3番を抑えて無失点。その裏の攻撃で代打・渡辺諒を送られた。今季12勝を挙げた左腕が、大一番でも最少失点で試合後半の戦いにつないだ。

◆オリックスはゴンザレス内野手(34)のソロで先制した。0-0の四回2死。カウント2-1からの4球目、大竹の142キロの速球を左中間へはじき返し、打った瞬間、本塁打を確信。ゆっくりとダイヤモンドを一周した。ベンチに戻るとチームで流行中で、「2023ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされた「ひき肉です」のポーズも披露した。下記X(旧ツイッター)ロゴをクリックすると動画が流れます「少し甘く入ってきたストレートをしっかりと捉えることができたし、いいスイングができたよ!」と球団を通じ、コメントした。シリーズを通じて、球際の強さが光るが、第4戦まで打率・385(13打数5安打)と当たっている助っ人。完全アウェーの中、まずは一発で先取点を奪った。

◆阪神・西純矢投手(22)が0-1の六回のマウンドに上がった。先頭の頓宮は遊撃・木浪のファインプレーにも助けられて遊ゴロ。杉本は左飛に仕留めた。しかし、2死からゴンザレスの打球はボテボテの投ゴロ。一塁へと送球した西純だったが、この送球を大山が落球してしまう。失策で2死一塁。紅林に右前打を浴び、一、三塁とピンチを背負った。打席には若月。カウント2-2から5球目だった。134キロフォークで空振り三振。日本シリーズ初登板となった若虎は雄叫びをあげ、力強く右手を握りしめた。

◆阪神が痛恨の失策で追加点を奪われた。0-1の七回。2番手の西純が先頭の田嶋に四球を与える。広岡は三邪飛に抑えたところで岡田監督は左腕・島本にスイッチ。続く宗の打球は中前に弾んだが、中堅・近本が一度捕球態勢をとる頭脳的なプレーで一走・田嶋を二塁封殺に仕留め、中ゴロで2死一塁とした。打席には森。痛烈な打球に二塁・中野が追いつくも、足に当たってボールは右翼外野芝生を転々とする。一走・宗は一気に三塁へ。芝生で止まった白球を右翼・森下が捕球しようとしたが手につかない。これを見て一気に宗はホームへ。記録は中野と森下に失策。痛恨のダブルエラーで0-2とリードを広げられた。

◆阪神・湯浅京己投手(24)が0―2の八回に登板し、1回を無失点に抑えた。ゲームチェンジャーの役割を再び担えるか―。湯浅が気迫のピッチングをみせた。この日先制の本塁打を放ったゴンザレスを二ゴロに仕留めると、紅林、若月をともに直球で空振り三振。甲子園が大歓声に包まれた。1日の第4戦でもピンチを1球で乗り切り、九回のサヨナラを呼んだ右腕が最終盤の攻撃につなげた。

◆阪神が痛恨の失策で追加点を奪われた。0-1の七回。2番手の西純が先頭の田嶋に四球を与える。広岡は三邪飛に抑えたところで岡田監督は左腕・島本にスイッチ。続く宗の打球は中前に弾んだが、中堅・近本が一度捕球態勢をとる頭脳的なプレーで一走・田嶋を二塁封殺に仕留め、中ゴロで2死一塁とした。打席には森。痛烈な打球に二塁・中野が追いつくも、足に当たってボールは右翼外野芝生を転々とする。下記X(旧ツイッター)ロゴをクリックすると動画が流れます一走・宗は一気に三塁へ。芝生で止まった白球を右翼・森下が捕球しようとしたが手につかない。これを見て一気に宗はホームへ。記録は中野と森下に失策。痛恨のダブルエラーで0-2とリードを広げられた。

◆阪神は0―2の八回、近本光司外野手(28)の適時打で1点を返した。〝得点圏の鬼〟がまた仕事を果たした。この回先頭の木浪が内野安打と失策で無死二塁とすると、代打・糸原が左前にポトリと落とす当たりで無死一、三塁。田嶋から代わった2番手・山崎颯を追い詰め、近本がこの日4度目の打席に入った。2球目のフォークを捉え、右前にはじき返した。今季得点圏打率・374を誇るリードオフマンが、終盤にオリックスに詰め寄る一打を放った。

◆阪神がついに逆転。森下翔太外野手(23)が値千金の2点三塁打を放った。近本の一打で1点差に迫り、なおも1死二、三塁の好機で打席へ。カウント2-2から7球目、宇田川の152キロ直球を捉えた。左中間を深々と破る三塁打に甲子園が大歓声に包まれる。今季何度も虎を救ってきたルーキーが3試合連続打点で試合をひっくり返した。さらに1死三塁の好機で今度は4番・大山が140キロフォークを捉えて中前打。4-2とリードを広げた。

◆阪神が逆転勝利をおさめ、日本一に王手をかけた。先発の大竹は5回まで1失点で試合を作り、西純、島本、石井と必死の継投で七回まで0-2でつなぐ。八回にあとを受けた湯浅が2つの三振などで3者凡退に抑え、試合の流れを変えた。裏の攻撃は先頭の木浪が失策で出塁すると、代打・糸原も安打で続き無死一、三塁とし、近本の中前打で1点を返す。中野が送って1死二、三塁から、森下が粘って7球目の直球をとらえて左中間を真っ二つに破る三塁打で一気に逆転に成功した。大山も中前適時打で続き、坂本の2点三塁打でダメを押した。九回は岩崎が3人で締め、1985年以来38年ぶりの日本一まであと1勝とした。

◆阪神が八回、一挙6得点のビッグイニングで試合をひっくり返した。下記X(旧ツイッター)ロゴをクリックすると動画が流れます2点を追いかける八回、近本の適時打で1点差に迫り、なおも1死二、三塁の好機で森下が前進守備の左中間に逆転の2点三塁打を放ち、逆転に成功。さらに1死三塁の好機で今度は4番・大山が中前適時打を放ち4-2。7番・坂本も前進守備を破る2点三塁打を放ち、一挙6得点を挙げた。

◆第3戦からベンチを外れていたオリックス・山崎颯一郎投手(25)が2-0の八回に登場した。2点リードでマウンドに上がるも、先頭の木浪の二ゴロを安達が一塁へ悪送球で無死二塁に。続く代打・糸原の左前打でピンチが広がると、1番・近本の右前打で1点差に詰め寄られた。さらに中野の犠打で1死二、三塁になると、中嶋監督自らマウンドへ向かい、交代を決意。3連投となる宇田川を送るも3番・森下に左中間を破る逆転の2点三塁打、そして大山にも中前打を許した。4番手の阿部にスイッチするも坂本にも2点三塁打などを浴び、この回一挙に6失点した。打たれた宇田川はマウンド上で涙ぐむ場面も。第2戦以来の登板となった山崎颯は茫然とグラウンドを見つめ、事態を受け止められずにいた。

◆阪神が連勝で対戦成績を3勝2敗とし、38年ぶりの日本一に王手をかけた。2点を追う八回、近本光司外野手(28)の適時打で1点差とし、1死二、三塁から森下翔太外野手(23)の三塁打で逆転。さらに大山悠輔内野手(28)、坂本誠志郎捕手(29)もタイムリーで続き、打者10人の猛攻で6安打を放ち、6点をもぎ取った。七回に中野拓夢内野手(27)と森下のダブル失策で2点目を献上したが、一気の攻撃で逆転勝利を収めた。八回に登板し三者凡退に抑えた湯浅京己投手(24)が初勝利。球団2度目の日本一まで、あと1勝としたチームは4日、京セラで第6戦を行う。岡田彰布監督(65)の勝利監督インタビューは以下の通り(観衆=4万1031人)。ーー今の気持ちから「今年最後の甲子園のゲームなんですが、七回まで不甲斐なかったですが、最後の最後に、1年の集大成と言うか、1年間やって来た、後ろにつなぐと言うか。みんなで点を取れたんで、最後、ホント、良かったですね」ーー八回のビッグイニング。森下の逆転三塁打は「今日は全然ダメな方だったですけど、最後の最後に、みんなからセンターに打て、センターに打てと言われて、最後の打席でやっと3番らしい働きしましたね」ーー日本一に王手がかかった今のタイガースはどんなチームですか「1年間、みんなが自分の役割と言うか、きっちり守って、そういう結果が、最後まで来たと思うんで、今日は甲子園最後なんで、こういう形で、みなさんに素晴らしい打撃を見せられて、ホント、良かったです」ーー甲子園3連戦振り返って「初戦は追いつかなかったですけど、ピッチャーが踏ん張って、目に見えないエラーも出ましたけど、この緊張感の中で仕方がないと思うんで、最後の最後で、昨日もそうですけど、あきらめないでやった結果が一番いい形で終われたんで。良かったと思います」ーー38年ぶり日本一に王手です「あと1つなんで、一日空くんですけど、明日ちょっとゆっくり休みたいですね(場内爆笑)。明日休んで、また新たな気持ちで、明後日、京セラドームで、1年の集大成をぶつけたいと思うんで、またよろしくお願いします」

◆第3戦からベンチを外れていたオリックス・山崎颯一郎投手(25)が2-0の八回に登場した。2点リードでマウンドに上がるも、先頭の木浪の二ゴロを安達が一塁へ悪送球で無死二塁に。続く代打・糸原の左前打でピンチが広がると、1番・近本の右前打で1点差に詰め寄られた。さらに中野の犠打で1死二、三塁になると、中嶋監督自らマウンドへ向かい、交代を決意。3連投となる宇田川を送るも3番・森下に左中間を破る逆転の2点三塁打、そして大山にも中前打を許した。4番手の阿部にスイッチするも坂本にも2点三塁打などを浴び、この回一挙に6失点した。下記X(旧ツイッター)ロゴをクリックすると動画が流れます打たれた宇田川はマウンド上で涙ぐむ場面も。第2戦以来の登板となった山崎颯は茫然とグラウンドを見つめ、事態を受け止められずにいた。

◆阪神が連勝で対戦成績を3勝2敗とし、38年ぶりの日本一に王手をかけた。2点を追う八回、近本光司外野手(28)の適時打で1点差とし、1死二、三塁から森下翔太外野手(23)の三塁打で逆転。さらに大山悠輔内野手(28)、坂本誠志郎捕手(29)もタイムリーで続き、打者10人の猛攻で6安打を放ち、6点をもぎ取った。八回に登板し三者凡退に抑えた湯浅京己投手(24)が初勝利。湯浅と森下のインタビューは以下の通り。ーー湯浅投手、お帰りなさい「ただいま!」ーーお立ち台の景色は「アツアツで~す」ーーアツアツのピッチングでした「シーズン中、何も力になれなくて、迷惑かけたので、何とか日本シリーズで少しでも力になりたくて、一生懸命、腕、振りました」ーー今日のピッチング何点ですか「100点です」ーー森下選手、湯浅投手のピッチングを見て「久しぶりに湯浅さんが投げている姿を見れたんで、すごく、奮い立たせられました」ーー湯浅選手、久しぶりの甲子園のマウンド、甲子園のファン。どんな思いですか「甲子園でしか聞けないような大歓声の中で投げることができて幸せですし、この応援があるからこそ、大逆転につながったと思うんで、みなさん、ありがとうございます!」ーータイガースファンはどんな存在「心の支えです」ーー日本一が見えて来た「少しでも力になれるように、腕を振るだけだと思っているので、応援よろしくお願いします」ーー森下選手、ナイスバッティングでした「その前にエラーして迷惑かけたんで、自分の前にランナー出そうと先輩たちが必死になってくれたんで、あそこは絶対に返すという強い思いで立ちました」ーー逆転三塁打「感触あったんで、抜けてくれと思って祈りました」ーー3試合連続適時打「甲子園というホームの球場でやりやすい環境を作ってくれているんで、期待に応えられるように必死にやってるだけです」ーー今年のタイガースはどんなふうに見ていますか「最強の先輩方で、自分が引っ張ってもらっている立場なんで、下の底上げが勝ちにつながると思うんで、そこに負けじと気合出してやっています」ーーあと1勝「あと1勝して、必ず日本一になりますので、熱い応援よろしくお願いします!」

◆阪神が連勝で対戦成績を3勝2敗とし、38年ぶりの日本一に王手をかけた。2点を追う八回、近本光司外野手(28)の適時打で1点差とし、1死二、三塁から森下翔太外野手(23)の三塁打で逆転。さらに大山悠輔内野手(28)、坂本誠志郎捕手(29)もタイムリーで続き、打者10人の猛攻で6安打を放ち、6点をもぎ取った。七回に中野拓夢内野手(27)と森下のダブル失策で2点目を献上したが、一気の攻撃で逆転勝利を収めた。八回に登板し三者凡退に抑えた湯浅京己投手(24)が初勝利。球団2度目の日本一まで、あと1勝としたチームは4日、京セラで第6戦を行う。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り(観衆=4万1031人)。ーーすばらしい戦い「最後の最後になあ」ーー湯浅で流れが変わった「流れって言か、最初から行くつもりやったからな」ーー改めて、集中力がすごい「最初、糸原のアレ(八回無死二塁で代打で左前打)が大きかったな」ーー投手、野手ともにベンチスタートの選手が「最初は戸惑いもあったかもしれんけど、徐々にな。メンバー代えなかったんやけど、前も言ったけど、ベンチで見てるもんも、みんなでやって感じやからな」ーー8月から強くなる感じと言っていた「もう11月やからな。強くなるんちゃう?」ーー七回は監督の方から気合いを入れろって「2点目、ああいう感じで入ったからなあ。平田に言うたんよ、円陣で気合を入れろって。2回目や今年」ーー監督は森下に声をかけていた「みんな言うとったよ、それまではまた、逆に戻ってしまいそうで、全然狙い球じゃないのに」ーー監督からは「それは言われへんけど、お前、もう1試合あるから」ーー森下が打った瞬間は「追い込まれたからな。とにかく転がせ思うた。ゴロゴーやったからな。バットに当てろ思とったよ」ーーあの瞬間は「あんなエエ当たり打たんでエエよ。良すぎたよな、当たり、おーん」ーー森下はミスもあったがチャンスで打った「やっぱ回ってくるんよ。クリーンアップ打ってるからな、おーん」ーーこのシリーズは両軍の失策が多い「何かピッチャーエラーが多いわな。西純にしても、先頭のピッチャーもエラーやもんな。ピッチャーのフォアボール。両方ともピッチャーのエラーが多いやろ。4つか5つくらいあるんちゃう。伊藤の二塁のアレもそうやったし」ーー田嶋が七回で交代「もう代わると思っとったよ。七回も代打来るかなとな。野口かな。まあT(ー岡田)は先頭では来んと思たから。もう野口来たら、そこ島本行く予定やったんよ。そのままやったからな。そのままやったら西を行かす。宗から島本やったからな」ーーオリックスは山崎颯一郎、山本由伸らをベンチに入れてきたが「別に。何で入れてるんやと思とったけどな」ーー4日は集大成と「そらそう、もう一緒。まあどっちにしてもあと2試合で、1つ勝ったらいいわけやからな」ーー3日の休みを決めたのはいつか「もう今日アレよ。野手は明日休みにしとったよ。もうピッチャーだけよ。先発だけ」ーーしっかり休んで「こんな緊張感ある中、休んでなかったからな。最初から勝ち負け関係なく明日休もうと思ってたよ。ここまできて、万全の態勢にしたいしな。みんな気が張り詰めてここまで5試合きたわけやから」ーーオリックスは追い込まれたが、京セラで「甲子園最後やけど、京セラでスタートしたからな、うちも開幕で。それでまた京セラで終わるわけやからな」

◆阪神が連勝で対戦成績を3勝2敗とし、38年ぶりの日本一に王手をかけた。2点を追う八回、近本光司外野手(28)の適時打で1点差とし、1死二、三塁から森下翔太外野手(23)の三塁打で逆転。さらに大山悠輔内野手(28)、坂本誠志郎捕手(29)もタイムリーで続き、打者10人の猛攻で6安打を放ち、6点をもぎ取った。七回に中野拓夢内野手(27)と森下のダブル失策で2点目を献上したが、一気の攻撃で逆転勝利を収めた。八回に登板し三者凡退に抑えた湯浅京己投手(24)が初勝利。球団2度目の日本一まで、あと1勝としたチームは4日、京セラで第6戦を行う。岡田彰布監督(65)の勝利監督インタビューは以下の通り(観衆=4万1031人)。下記X(旧ツイッター)ロゴをクリックすると動画が流れますーー今の気持ちから「今年最後の甲子園のゲームなんですが、七回まで不甲斐なかったですが、最後の最後に、1年の集大成と言うか、1年間やって来た、後ろにつなぐと言うか。みんなで点を取れたんで、最後、ホント、良かったですね」ーー八回のビッグイニング。森下の逆転三塁打は「今日は全然ダメな方だったですけど、最後の最後に、みんなからセンターに打て、センターに打てと言われて、最後の打席でやっと3番らしい働きしましたね」ーー日本一に王手がかかった今のタイガースはどんなチームですか「1年間、みんなが自分の役割と言うか、きっちり守って、そういう結果が、最後まで来たと思うんで、今日は甲子園最後なんで、こういう形で、みなさんに素晴らしい打撃を見せられて、ホント、良かったです」ーー甲子園3連戦振り返って「初戦は追いつかなかったですけど、ピッチャーが踏ん張って、目に見えないエラーも出ましたけど、この緊張感の中で仕方がないと思うんで、最後の最後で、昨日もそうですけど、あきらめないでやった結果が一番いい形で終われたんで。良かったと思います」ーー38年ぶり日本一に王手です「あと1つなんで、一日空くんですけど、明日ちょっとゆっくり休みたいですね(場内爆笑)。明日休んで、また新たな気持ちで、明後日、京セラドームで、1年の集大成をぶつけたいと思うんで、またよろしくお願いします」

◆阪神が連勝で対戦成績を3勝2敗とし、38年ぶりの日本一に王手をかけた。2点を追う八回、近本光司外野手(28)の適時打で1点差とし、1死二、三塁から森下翔太外野手(23)の三塁打で逆転。さらに大山悠輔内野手(28)、坂本誠志郎捕手(29)もタイムリーで続き、打者10人の猛攻で6安打を放ち、6点をもぎ取った。八回に登板し三者凡退に抑えた湯浅京己投手(24)が初勝利。湯浅と森下のインタビューは以下の通り。下記X(旧ツイッター)ロゴをクリックすると動画が流れますーー湯浅投手、お帰りなさい「ただいま!」ーーお立ち台の景色は「アツアツで~す」ーーアツアツのピッチングでした「シーズン中、何も力になれなくて、迷惑かけたので、何とか日本シリーズで少しでも力になりたくて、一生懸命、腕、振りました」ーー今日のピッチング何点ですか「100点です」ーー森下選手、湯浅投手のピッチングを見て「久しぶりに湯浅さんが投げている姿を見れたんで、すごく、奮い立たせられました」ーー湯浅選手、久しぶりの甲子園のマウンド、甲子園のファン。どんな思いですか「甲子園でしか聞けないような大歓声の中で投げることができて幸せですし、この応援があるからこそ、大逆転につながったと思うんで、みなさん、ありがとうございます!」ーータイガースファンはどんな存在「心の支えです」ーー日本一が見えて来た「少しでも力になれるように、腕を振るだけだと思っているので、応援よろしくお願いします」ーー森下選手、ナイスバッティングでした「その前にエラーして迷惑かけたんで、自分の前にランナー出そうと先輩たちが必死になってくれたんで、あそこは絶対に返すという強い思いで立ちました」ーー逆転三塁打「感触あったんで、抜けてくれと思って祈りました」ーー3試合連続適時打「甲子園というホームの球場でやりやすい環境を作ってくれているんで、期待に応えられるように必死にやってるだけです」ーー今年のタイガースはどんなふうに見ていますか「最強の先輩方で、自分が引っ張ってもらっている立場なんで、下の底上げが勝ちにつながると思うんで、そこに負けじと気合出してやっています」ーーあと1勝「あと1勝して、必ず日本一になりますので、熱い応援よろしくお願いします!」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(54)は八回の攻撃が阪神の象徴と指摘しながら、第7戦で決着と予想した。今季の「つながる阪神」の強さがすべて出た八回の攻撃だった。無死一、三塁からタイムリーを放った近本はもちろん、低めの難しいフォークを逆転三塁打した森下も素晴らしい打撃だった。流れを変えたという点では、八回を3人で抑えた湯浅も見事だった。この連勝のポイントになっている。とにかく、ワクワクする逆転勝利だった。ただ正直言って、オリックスの継投ミスに助けられた勝利だ。7回83球、被安打4の田嶋をなぜ交代させたのか。八回は木浪からの打順で、1番に回っても近本、中野と左が多い打順。田嶋で十分に押し切れただろう。宇田川を今季初の3連投させて大山に中前適時打を浴びたシーンも、あそこで代えるべき。前進守備で1点を防ぐ態勢を敷きながら、投手リレーは1点を守る継投ではなく、チグハグさを感じた。これで阪神が王手をかけたわけだが、オリックスの6戦目先発は恐らく山本。前回のような投球はないだろう。ということは、7戦目にもつれ込み、日本一は決まると予想している。

◆?阪神が勝利し、対戦成績を3勝2敗とし、シリーズ優勝に王手をかけた。シリーズで2勝2敗から先に王手をかけたケースは昨年のオリックスに続いて通算29度目。過去28度のうち、日本一が21度で優勝確率は75%。?2勝2敗に追いつき、先に3勝目を挙げて王手をかけたケースは過去12度中、日本一が9度で、優勝確率は75%。?阪神が八回に6得点のビッグイニング。1イニング6得点は2014年第1戦の五回の5点を上回る球団最多。1試合2本の三塁打(森下、坂本=ともに八回)は最多タイで、16年第6戦の日本ハム以来7年ぶり9度目。1イニングに2本の三塁打はシリーズ初。?失策数は阪神が3、オリックス2の合計5。シリーズで1試合両軍合計5失策は、1997年第2戦(西武3、ヤクルト2)以来26年ぶり。阪神はここまで合計8失点。第5戦終了時点でチーム8失策は最多タイで、61年の南海、74年のロッテに次いで49年ぶり3度目で、セの球団では最多。オリックスもここまで6失策で、第5戦までに両軍6失策以上は74年(ロッテ8、中日7)以来49年ぶり2度目。なお、1シリーズのチーム最多失策は50年の松竹の11(6試合=2→0→2→0→1→6)。

◆第4戦のサヨナラ打に続いて阪神・大山悠輔内野手が4番の働きを見せた。八回に3―2と逆転し、なお1死三塁から貴重な適時打。宇田川に2球で追い込まれながらも、フォークボールが初球から4球続いたところにバットを合わせて中前へ運んだ。第3戦では抑えられた難敵を攻略し、拳をベンチ方向に突き上げて喜んだ。振るわなかったシリーズ序盤からの復調を印象づけ「勝てて良かった」と一息。「まだ反省するところはある。切り替えて、集中して」とシリーズ制覇が懸かる次戦へ気合を入れ直していた。

◆阪神・近本光司外野手が八回に右前適時打を放った。「『何とかなれ』と思って打った」と興奮気味に振り返った。一回には右前打を放っており、これで今シリーズ3度目の複数安打。打率は4割7分4厘と絶好調だ。頼れる1番打者は緊迫した第5戦を終え「まずはしっかり休みたい」と率直に話した。

◆?阪神の新人・森下が八回に決勝点となる2点三塁打。シリーズで新人選手が勝利打点を挙げたのは阪神では初めてで、2010年のロッテ・清田育宏(第3戦)と中日・大島洋平(第4戦)以来13年ぶり11人目(12度目)。逆転打による勝利打点は新人では初めて。?第3戦から3試合連続打点。シリーズで新人選手が3試合以上続けて打点を挙げたのは、1962年の東映・岩下光一(4試合=第3-6戦)、81年の巨人・原辰徳(3試合=第4-6戦)に次いで42年ぶり3人目。86年の西武・清原和博の2試合連続(第6、7戦)を上回り、同じ東海大相模高出身の大先輩・原の記録に並んだ。?新人選手の1シリーズ5打点は10年のロッテ・清田(6打点)と中日・大島(5打点)以来9人目。阪神では最多タイで、62年の藤井栄治に次いで61年ぶり2人目。新人最多打点にあと1(清田の他に岩下、原、82年の中日・上川誠二)。

◆白球が中堅の芝生で弾むと、割れんばかりの大声援が甲子園を包み込む。大山が序盤での凡退を挽回する2試合連続タイムリー。貴重な追加点を挙げて相好を崩した。「勝てて良かったです!」見せ場は0―2の八回に回ってきた。下位打線でチャンスを作り、近本、森下のタイムリーで逆転に成功。なおも1死三塁として大山が打席に立った。2球で追い込まれても焦らない。3球目のボール球を冷静に見送ると、さらに集中力を研ぎ澄ませた。低めに沈むフォークを拾い上げるようにして中前に運んだ。リードを2点に広げる適時打で、聖地はお祭り状態だ。1日の第4戦では九回にサヨナラ打を放ったが、この試合の中盤まではその勝負強さが影を潜めていた。一回1死一、三塁の先制機で、先発・田嶋のフォークにバットは空を切った。さらに守備では六回2死で西純の低くなった送球を捕球し損ねた。チャンスで三振し、リードを奪われた展開でのエラー...。虎党のため息と悔しさばかりが充満した球場のムードは、自らのバットで払拭するしかなかった。八回に仲間たちがもう一度、作ってくれた好機で情けない姿は見せられない。意地と気合で打点をもぎとった。38年ぶりの日本一まであと1勝。だが、猛虎の4番は「まだ(日本一が)決まったわけではないし、次に勝たないといけない」と慢心せず「まだまだ反省すべきことは多いので、また一回から気を引き締めて次の試合に向けて準備していきたい」と結んだ。最後まで相手に隙は見せない。最高の笑顔は栄光の瞬間まで取っておく。(織原祥平)

◆リードオフマンが奏でた快音は奇跡のような逆転劇の幕開けを告げる。眠れる虎を近本が値千金の一打でたたき起こした。「一、三塁だったので内野は中間守備。ゲッツーを打たないようにとは思っていましたけど、外野フライを打っても1死一塁。同点にならないといけないところだったので、『何とかなれ』と思いながらそんな気持ちで打ちました」0-2で迎えた八回。2番手・山崎颯から連打で無死一、三塁の好機を作った。今季、セ・リーグトップの得点圏打率・374を誇り、最も勝負強い男が打席に向かう。138キロフォークに鋭くバットを振り切った。右前打で反撃ののろしをあげる。打者一巡、一挙6得点の猛攻を先頭に立って導いた。「投手が走者だったので。パ・リーグの投手なのでそんなに走塁も慣れていないと思った。もう少しうまくやれたらなと思いますけど」守備では頭脳プレーが光る。七回1死一塁。中堅を襲った宗のフライに一度、捕球の構え。ただ、これはブラフ。ポトリと落とした白球を拾い上げると、すかさず二塁に送球し、一走・田嶋を二塁封殺。中ゴロを完成させた。どんな場面でも冷静に、プレーでチームをまとめてきた。日本シリーズは打率・474(19打数9安打)、4打点。大舞台でも変わらないその安定感が頼もしい。攻守でブレることのない大黒柱がいるからこそ、虎は逆境をはね返すことができる。「しっかり休んでしっかり休んで、はい。しっかり休むだけです」3日は試合なし。万全の体調で再び京セラへ-。目指してきた日本一の頂はもう目の前だ。(原田遼太郎)

◆阪神・平田ヘッドコーチの言葉がナインを奮い立たせた。岡田監督の「気合を入れろ」の指示で七回の攻撃前に円陣を組んだ。円陣は佐々木朗と対戦した6月4日のロッテ戦以来、今季2度目。参謀は「3イニングあるから、まだ慌てることない。勝負はこれからだ」と鼓舞したことを明かした。次の八回に打線が奮起。逆転勝利に「みんながつないでくれたのを森下と大山が必死でかえしてくれた」とたたえた。

◆これが岡田虎の底力や!! 「SMBC日本シリーズ2023」は2日、甲子園で第5戦が行われ、阪神がオリックスに6―2で逆転勝ち。劇的な2連勝で対戦成績を3勝2敗とし、2度目の日本一に王手をかけた。八回に阪神・森下翔太外野手(23)が逆転の2点三塁打を放った。3日は試合がなく、4日の第6戦から京セラドーム大阪に舞台を戻す。勢いそのままに関西ダービーを制し、1985年以来38年ぶりの頂点まで一気に駆け上がる。ぽっかり空いた左中間に、白球が勢いよく弾んだ。大歓声の中を駆け抜けた森下が、三塁ベースに頭から飛び込む。ガッツポーズ。そして、ほえた。みなぎる自信を一振りに込め、痛恨のミスを取り返した。「ああいう場面で、エラーしたやつのところに打席が回ってくるのが野球なので。本当に回ってきたなと。取り返したい思いしかなかった」名誉挽回の舞台が訪れたのは0―2の八回だ。木浪と代打・糸原が出塁し、近本の右前適時打で1点差。中野が犠打でつないだ1死二、三塁で背番号1に巡ってきた。マウンド上には初対戦の宇田川。スコアラーや対戦経験のある大山らの助言に耳を傾ける。岡田監督やベンチの選手からは「センター返し」の声が飛ぶ中で、152キロを捉えた。新人の日本シリーズ3試合連続打点は、1981年の原辰徳(巨人)以来42年ぶり。東海大相模高の大先輩に肩を並べた。七回は二ゴロを中野が捕球し損ね、右前に転がったボールを右手でうまく握れずに後逸。2点目を献上した。それでも、ベンチに戻れば木浪や熊谷が励ましてくれた。「声出しておけば、必ずチャンスで回ってくるから」。その通り、巻き返すための打席はやってきた。一、三回と走者を置いての凡退も帳消しにした。

◆阪神・中野がしびれる場面で仕事を果たした。1点差に迫った八回無死一、二塁。1日の第4戦で犠打を失敗したときと同じ状況で、今度は捕手前にしっかり転がし、森下の逆転打を演出した。七回の守備では追加点につながる失策をしていただけに「その前にミスをしていた。後ろにつなぐ意識を持ちながら、なんとか決められたのがよかった」と、1安打2犠打で打線をつないだ。

◆連夜の登板にひと際大きな歓声が沸き起こり、その右腕でさらに大きなムードに膨らませた。0―2と劣勢の八回、マウンドには湯浅。ねじ伏せるような3人斬りは、逆転劇を呼び込む見事な13球だった。「(グラウンドに)出てきたときの歓声とかもすごくて、そういった力ももらいながら『絶対に3人で抑える』という気持ちで上がりました」抑えるだけではない。勝つための投球をすると誓い、マウンドに向かった。まず四回に先制弾を放った先頭のゴンザレスを二ゴロに仕留めると、続く紅林にはこの日最速の152キロで追い込み、151キロを続けてバットの空を切らせた。灯したアウトランプが増えるたびに、スタンドは熱狂する。最後は2ボールから直球3連投だ。うなりをあげた149キロは若月のバットの上を通過。虎党の心を奮わせた2者連続三振に拳を握る。流れを引き寄せ、直後の逆転劇につなげた。白星も舞い込む好投でお立ち台へ上がると「ただいまー!! (久しぶりの甲子園のお立ち台の景色は)アツアツでーす!!」と完全復活を叫んだ。

◆阪神・坂本は八回2死一、二塁で駄目押しの右越え2点三塁打を放った。「オリックスはいつどこからでも点を取れるので、1点でも多くと思って打席に入った」。マスクを被っても6投手をリードし、強力打線を2得点に封じた。「もう1つ勝つためにみんなでできることをしっかりやるだけ。ミスもみんなでカバーして、最後は日本一を絶対取りたい」と熱い思いを口にした。

◆阪神・岩崎が逆転した直後の九回を締めた。「もう準備していたので最初から。普通でしたけど」と平常心でマウンドに上がると、代打・大城を右飛、広岡を三振、宗を中飛に抑えて付け入る隙を与えず。勝ち投手となった前夜に続く無失点投球で安定感を発揮した。「みんなで昨日も今日も2つ取っているので、最後もしっかり野球ができるように頑張ります」と気を引き締めた。

◆阪神の〝仕事人〟糸原が八回の逆転劇を演出だ。「木浪が汚いヒット(二塁内野安打と失策)を打ったんで、自分も汚いヒットを打ってつなごうと。きょう(勝利を)とれたのは大きい」。無死二塁から代打で登場し、山崎颯の速球を左前へ。一、三塁として近本、森下らの適時打を呼び、岡田監督も「最初の糸原のアレ(左前打)が大きかったな」とねぎらった。

◆マウンド上で涙ぐむ宇田川に、グラウンドを茫然(ぼうぜん)と見つめる山崎颯-。オリックス自慢の剛腕救援陣がメッタ打ちを食らった。岡田監督の執念に屈したのか。中嶋野球が崩れた。「期待して出している。相手もうまく打ったし、仕方ない。開き直るわけじゃないけど、頑張りたい」中嶋監督は選手をかばったが...。先発した田嶋を7回4安打無失点、わずか83球で降板させた。「いつもなら八回もいっていたと思うが、ちょっと芯に当たり出したかな」。危機感を抱いて、必勝パターンに持ち込もうとした。八回から山崎颯を投入。第3戦から2試合ベンチを外れていたが、明らかに本調子を欠いていた。3連打に失策も絡んで1点を失う。なおも1死二、三塁で宇田川へ。第2戦から4連投となったが、厚沢投手コーチは「一瞬でスイッチを入れられる」と火消し役に抜てき。これまで蓄積疲労を考慮し、3日連続登板も避けていたが、そのおきてを破らざるをえなかった。森下に勝ち越しの2点三塁打を許した宇田川は「打たれてしまったのは力負け。相手が上だった」と肩を落とした。その後も流れを止められず、この回6失点。まさかの大敗となった。レギュラーシーズンでは、とにかくリスク管理を徹底していた。甲子園という完全アウェーの状況で3試合で14失点。虎を封じ込められなかった。2勝3敗と相手に王手をかけられるも、4日からは本拠地・京セラドームに舞台が変わる。2年連続の日本一へは、2連勝しかない。「2つ勝たないといけないわけですから、頑張りますよ」と中嶋監督。崖っぷちに立たされても全員で戦う。第6戦はエース山本の先発が濃厚-。徳俵に足が乗った状態だが、一丸となって虎に立ち向かう。(北池良輔)

◆オリックス・ゴンザレスが先制のソロ本塁打を放った。四回2死走者なしのカウント2-1から大竹の低め直球をジャストミート。打球が左中間席に飛び込むのを確信するように、歩いて見届けた。「少し甘く入ってきたストレートをしっかりと捉えることができた。いいスイングができたよ!」第3戦の頓宮のソロに続く今シリーズ2本目のアーチは、苦い敗戦の中でも好材料だ。アストロズ時代の2017年にワールドシリーズ制覇を経験した男は上り調子。二塁や一塁の守備でも再三の好守で投手陣をもり立ててきた。「いま大事なのは自分の成績より、チームの勝ちだと思っている」。第6戦での逆襲を誓うチームにとって、助っ人の攻守にわたる奮闘は欠かせない。(上阪正人)

◆先日のドラフト会議。繰り返されるくじ引きを見ながら、改めて思ったもんだ。1年間、もし岡田監督が浅野(高松商高→巨人D1位)を引き当てていたら、ことしの阪神はどうなっていたんだろうか?もちろん、岡田監督のことだから、上手にやり繰りはしただろう。が、3番打者がいなくなるんだから、あのクジを外したことは、間違いなくプラスに作用した。そして、昨夜の森下の逆転タイムリー三塁打。最高の場面で、あの難しい球を打ち返してヒーローになる。やっぱり思うのだ。あのクジを当てていたら、どうなっていたんだろうか、と。岡田監督就任から始まった「アレ物語」。1年後には、思わぬ展開が待っていた。ことしを代表する言葉をを選ぶ「2023ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語の中に「アレ」も入っていたのだ。関西に住んで、岡田監督が照れくさそうに「アレ」と繰り返すのを耳にし、阪神タイガースの快進撃を目の当たりにした人たちは「アレ」だと信じているかも。だが、しかし。日本中の人はどう思っているのか。当番デスク・川端亮平も、全国区かどうか? に疑問の目を向けていた。「個人的には『アレ』は有力だと思うんです。関西版のサンスポ紙面では、当たり前のように『アレ』を原稿で使っています。でも、関東版になると、東京サンスポのデスクが必ず『岡田監督が優勝と言う代わりに使う...』という注釈を書き入れるんですよ。場合によっては『アレとは』という説明記事まで掲載しています。浸透していない証拠かも。関西方面では考えられないことなんですが...」そういうモノらしい。

◆選手の数だけドラマがあるのが日本シリーズ。大山のサヨナラ打で終幕した第4戦。ベンチから飛び出した2番手・桐敷は涙を流した。「ほっとしたのが強かったですね」。第3戦からの連投で六回は無失点も、七回に2失点で同点とされてイニング途中で降板。歓喜の輪の中で大山や岩崎にねぎらわれた桐敷は「切り替えてやり返せるように」と決意を新たにした。手痛い〝一撃〟を食らった選手も。サヨナラの瞬間にベンチから飛び出した植田が大転倒。ファンの間でも話題となった一幕の真相は...。「(佐藤)テルに押されていたんですよ! 手が背中に当たって(周りからは)『押されてたで』って。興奮してすごかったです、勢いが」。涙もアクシデントも笑い飛ばせる1勝に。そして第5戦の逆転勝ちにつながった。(直)

◆慌てず騒がず。失策2つで手痛い2点目を与え、自滅負けか...という展開でも、ジタバタしない。阪神ベンチの落ち着きぶりが、強烈な逆転劇を呼んだね。それができる理由は、オーダー固定。相手先発の右・左によって5、6番を入れ替えるだけ。1番から近本、中野、森下、大山―。不動のメンバーで、じっくり攻め進めるから、どこに勝機が来るか計算できる。八回がまさにそこ。8番・木浪に始まり、上位につないで、主軸に回す。今季の大きな得点パターン、そのままだ。オリックス・田嶋は素晴らしかった。シーズン中なら明らかに完封ペース。短期決戦だけに引っ張らずに交代...というオリックスの思惑も分かるけど、前日の阪神の岩崎投入という攻めの継投ではなく、守りに入ってしまったことで、阪神打線にのみこまれたね。さて、逆転三塁打の森下にも触れよう。エモトが第3戦の評論で「希望の灯」に指名すると、前日は先制打、この日は決勝打。第2戦まで3併殺(うち1つは三振ゲッツー)を喫し、スタメンから外しては? との声も多かったけど、岡田監督なら使い続けると思っていた。なぜなら、それこそが、固定オーダーを貫く、岡田の信念なんだ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆森下! モリシタ! もりしたー!! 阪神38年ぶりの日本一に王手をかける、逆転の2点タイムリースリーベース。こんなすてきな夢を...。いや、夢じゃなくて現実を心からありがとう!!そして、その八回の猛虎打線大爆発への導火線となったのは復活劇を果たした不死鳥、湯浅の3者斬りなのだ!!今年のシリーズは人間ドラマが満載だ。球界初の現役ドラフトで入った大竹がこの大舞台のマウンドに立ち、5回1失点の好投を演じると1年前に誰が予想した? 七回に致命的とも思える2点目をエラーで献上したルーキー森下が大ヒーローになると誰が...。それを許したマウンドでの宇田川の涙。いや、連投を避けてきた中嶋監督が命じた宇田川の4連投。まさに〝野球は筋書きのないドラマ〟。それに酔いまくっている俺なのだ!!さあ、わが阪神に日本一の時が来た!! このシリーズ、俺の代打で長男の甲子園(本名)を第1戦、そして本日、スタンドの応援に送り込んだのだ!! 2試合とも勝利したその験担ぎで、「東京に戻らず大阪で阪神日本一への応援をすべし!!」と〝親ハラ〟を指示したのだ!! 仕事? そんなの関係ね~!!

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