オリックス(☆8対0★)阪神 =日本シリーズ2回戦(2023.10.29)・京セラドーム大阪=
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阪神
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ORIX
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勝利投手:宮城 大弥(1勝0敗0S)
敗戦投手:西 勇輝(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆オリックスが対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。オリックスは3回裏、西野の適時三塁打で1点を先制する。続く4回に3者連続適時打でリードを広げると、7回には代打・ゴンザレスが走者一掃となる適時二塁打を放ち、試合を決定づけた。投げては、先発・宮城が6回無失点の好投。敗れた阪神は、投打ともに振るわなかった。

◆阪神西勇輝投手が日本シリーズ第2戦に先発する。09年から18まで年在籍した古巣オリックスとの対決。先発を任されたことに「重圧も緊張もない。前の仲間ともいろいろ話しましたけど、すごくワクワクしている」と自然体だ。今季レギュラーシーズン10勝のオリックス宮城との投げ合いにも「いい投手なのでスキを与えないように自分のことをするだけ」と冷静だった。

◆第2戦の予告先発が発表され、オリックスは宮城大弥投手(22)が先発する。日本シリーズには過去2年で3度登板し、1勝2敗。CSを含めて短期決戦の経験は多く、冷静さを失わない。「対戦相手も違いますし、状況だったり周りの応援も全然違うと思う。そこはのみ込まれずに1つ1つ冷静にやりたい」と平常心でマウンドに上がる。セ覇者との戦いに「盗塁もありますし、つながる打線だと思いますので、つながれないように意識してやりたい。選球眼も皆さん素晴らしいと思うので、攻めてしっかり投球できたらなと思います」と攻めの投球を約束した。心構えもシーズン同様を強調した。「気持ちは基本はずっと一緒。先発としてチームに貢献できるようにしたいと考えています」と10勝を挙げたペナントレースと変わらない。日本シリーズ連覇へ向けて、「本当に短期決戦なので、早めに勝つというか、勝ってた方が勢いもあると思う。そういうのを受け取ってやりたいなと思います」と流れを呼ぶ投球を心がける。

◆阪神加治屋蓮投手(31)、大竹耕太郎投手(28)の元ソフトバンク勢が、古巣の先輩で、この日京セラドーム大阪に訪れた内川聖一氏(41)、松田宣浩氏(40)にあいさつするシーンがあった。笑顔で談笑し、エールを送られた様子だった。

◆59年ぶりの「関西シリーズ」の第2戦の試合前、両軍選手が交流するシーンが見られた。阪神木浪聖也内野手(29)、オリックス頓宮裕真捕手(26)が亜大出身つながりでトーク。阪神熊谷敬宥内野手(27)、オリックス大城滉二内野手(30)の立大出身の2人も会話するシーンがあった。阪神渡辺諒内野手(28)、木浪、オリックス石川亮捕手(28)はオフにソフトバンク近藤と自主トレを行っており、「近藤塾」メンバーもグラウンドで集まっていた。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、「日替わりDH」で第2戦に臨む。前日28日に「7番DH」で先発し、先制&決勝の適時打を放った渡辺諒内野手(28)に代わり、ヨハン・ミエセス外野手(28)が同打順にDHで入る。大勝発進の前夜の流れそのまま...ではなく、オーダーを変更し連勝発進を期す。先発は西勇輝投手(32)。古巣オリックス相手に大舞台で白星なるか。なお、阪神が日本シリーズで敵地連勝発進なら、球団唯一の日本一となった85年以来のこととなる。

◆逆襲の中嶋オーダーだ! 第1戦は黒星だったオリックスは引き続き日替わりオーダーで巻き返しを図る。4番レアンドロ・セデーニョ内野手(25)はCSファイナル第2戦で一時逆転となる2ランを放つなど1発が期待できる。9番に入った広岡大志内野手(26)は今季交流戦で阪神先発の西勇と対戦があり、3打席で2打数1安打1打点1四球と相性がいい。先発は過去2年の日本シリーズでも先発経験のある宮城大弥投手(22)が任される。左足首負傷の杉本裕太郎外野手(32)は第1戦に続きベンチ外となった。

◆ソフトバンク育成右腕の大竹風雅投手(24)が、小久保監督をうならせた。6回から2番手で登板。2軍戦初登板も2回を無安打、2奪三振で打者6人を完全に抑えた。小さいテイクバックで最速150キロ直球に落差のあるフォークがさえた。指揮官は「今日は大竹だけが収穫。初めて見たけど、あんないい投手とは思わなかった。十分、戦力になりそうなものが見えました」と称賛の嵐だった。

◆俳優の吉高由里子(35)が、日本シリーズ第2戦の始球式を行った。SMBCの特別ユニホームを身にまとい、投球を行った。サウスポーから投じたボールは、バウンドしながらも捕手がキャッチし、場内は大きな拍手に包まれた。始球式後「今回、SMBC日本シリーズでの始球式の機会をいただき、光栄に思います。3回目の始球式となり、今までで一番うまく投げられたのですが、惜しくも、キャッチャーの森選手まで届かなくて、悔しかったです! 緊張しましたが、大勢の観客の皆さんの前で投げられ、楽しませていただきました! SMBC日本シリーズの熱戦、私も応援します! 」とコメントした。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が遅球打ちに成功した。初回1死、オリックス宮城大弥の85キロスローカーブを中前打。グッとボールを呼び込み、体勢が崩れることなくセンターへ打ち返した。京セラドーム大阪はどよめきに包まれた。日本シリーズで早くも4本目の安打。リーグ最多安打男が短期決戦でも力を発揮している。熱戦!日本シリーズ スコア速報

◆阪神岡田彰布監督(65)が抗議に出た。初回1死一塁。オリックス森の打球は一塁ベース付近へ飛んだ。これを大山が二塁転送。さらに一塁へ返され併殺が完成...したように見えた。 ただ、福家一塁塁審はファウルを宣告。1度は市川球審がフェア判定していただけに、審判団がグラウンド上に集まり協議した。その後、責任審判から「協議した結果、ファウルとして再開いたします」と説明があった。この判定に、すぐさま岡田監督が三塁側ベンチから飛び出した。阪神ファンは盛り上がり、指揮官も1分超、話し込んだが判定は覆らなかった。微妙な判定に指揮官もしぶい表情だった。

◆オリックスの森友哉捕手(28)が打ち直しも、見逃し三振に倒れた。1死一塁から西勇が投じた2球目が一塁線へと転がった。3-6-3のダブルプレーと思われたが、球審がフェア、一塁塁審がファウルの判定と分かれた。審判団が協議の結果、ファウルで試合が再開された。責任審判から「協議した結果、ファウルとして再開いたします」と場内アナウンスがあった。森はカウント2-2から外角変化球に見逃し三振。打ち直しも、実らなかった。第1戦では右翼への特大飛球が天井のリングに入り、二塁打と判定されていた。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、前夜の"反省"を生かすも凡退した。初回1死一塁、フルカウント。一塁走者中野拓夢がスタートを切ると、オリックス宮城の高めの148キロ直球に手を出し、右飛に倒れた。中野はすぐさま帰塁。2死一塁とランナーを進めることができなかった。前日28日は初回1死一塁。1ボール2ストライクから一塁走者中野がスタート。ただ、森下は低めの直球を見送り「三振ゲッツー」でチェンジとなった。試合後、岡田監督は「(サインは)盗塁、盗塁。振らんからや、森下が」と説明していた。追い込まれていたシーンでスイングをかけなかったことを指摘していた。この日はスイングを仕掛けたものの、最高の結果とはならず。岡田監督はベンチで苦笑いだった。

◆オリックスの1回の攻撃中に、打球を巡って審判員同士の判定が食い違うという場面があった。1死一塁の場面で、3番打者の森が一塁線へのゴロを放った。市川球審がフェア、福家一塁塁審はファウルと判定が分かれた。公認野球規則では、こういった場合に取り決めがある。「一つのプレイに対して、2人以上の審判員が裁定を下し、しかもその裁定が食い違っていた場合には、球審は審判員を集めて協議し、その結果、通常球審が、最適の位置から見たのはどの審判員であったか、またどの審判員の裁定が正しかったかなどを参酌して、どの裁定をとるかを決定する」今回のケースでも、審判員がこの規則に従って協議。ファウルという最終判断がくだり、試合が再開された。

◆オリックス広岡大志内野手(26)が初の日本シリーズで好相性ぶりを発揮した。この日先発の阪神西勇輝投手(32)とは今季交流戦で対戦し、2打数1安打1打点1四球。いいイメージの相手投手に対して広岡は「9番左翼」でスタメン出場。シーズン同様にヤクルトで同僚だった坂口智隆氏の登場曲で打席に入った。3回1死走者なしから2球目を左前にクリーンヒット。チーム初安打で出塁するとけん制悪送球で2死二塁とし、2番西野真弘内野手(33)が右中間を破る三塁打で生還。先制点を奪った。西野は第1戦はベンチ外。広岡も第1戦は出場しておらず、中嶋聡監督(54)の起用がズバリと的中した。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、また「つなぎ」に失敗した。1点ビハインドの3回無死一塁、フルカウント。一塁走者中野がスタートを切ったが、オリックス宮城に遊撃へのゴロを打たされ、併殺打に倒れた。前日28日は初回1死一塁。1ボール2ストライクから一塁走者中野がスタート。ただ、森下は低めの直球を見送り「三振ゲッツー」でチェンジとなった。試合後、岡田監督は「(サインは)盗塁、盗塁。振らんからや、森下が」と説明していた。追い込まれていたシーンでスイングをかけなかったことを指摘していた。この日の初回1死一塁、フルカウントでも、一塁走者中野がスタートを切ると、オリックス宮城の高めの148キロ直球に手を出し、右飛に倒れた。中野はすぐさま帰塁。2死一塁とランナーを進めることができなかった。これで今シリーズ、「一塁走者中野」がスタートを切ったシーンで仕事ができていない。この打席で「三度目の正直」とはならなかった。

◆「逆の展開」がX(旧ツイッター)でトレンドワードに入った。1戦目に集中打と無失点リレーで勝利した阪神。この日は、オリックスが攻勢を仕掛けて、5回までに4-0とリードした。オリックスは、前日とスタメンや打順を大きく入れ替えたが、阪神は7番を渡辺諒内野手(28)から、ヨハン・ミエセス外野手(28)を入れ替えたのみ。「昨日とは逆の展開」、「真逆なのね」などの声がXでは挙がった。

◆阪神はオリックスに集中打をくらって敗れ、1勝1敗の五分となった。今季のレギュラーシーズンで京セラドーム大阪では8戦全勝。前日28日の初戦も勝利していたが、京セラドーム大阪で今季「9連勝」とはならなかった。先発西勇輝投手(32)が古巣オリックス打線に捕まった。両軍無得点の3回、2番に入った西野に右中間への適時三塁打を許し、先制点を献上した。4回には7番紅林から4連打を浴び、3失点。3回2/3を投げ6安打4失点で悪夢のノックアウトとなった。4点ビハインドの7回には3番手の岡留英貴投手(23)が2死満塁のピンチをつくって降板。救援した島本浩也投手(30)が代打ゴンザレスに左中間への走者一掃3点適時二塁打を浴び、トドメを刺された。前夜は「逆の展開」だった。初戦で阪神打線は5、6回で計7得点を奪い、相手エース山本を降板させた。8-0で先勝。勢いに乗って連勝発進といきたかったところだが、敵地で昨年覇者の意地を見せられた。初戦で13安打した打線も、相手先発の宮城、救援陣に封じ込まれた。CSファイナルステージで広島を3連勝で破っていたため、今季のポストシーズンで初の黒星となった。ここから、甲子園で仕切り直すことになる。1勝1敗で互角の状況。仮に甲子園で3戦3勝なら、本拠地で38年ぶり日本一の胴上げが可能だ。30日の聖地での練習日を挟み、勝負の3連戦がやって来る。

◆阪神はオリックスに集中打をくらって敗れ、1勝1敗の五分となった。オリックス、阪神ともにまだ本塁打なし。1、2戦まで両軍0本塁打は、関西対決だった64年阪神-南海以来59年ぶり2度目となった。64年は甲子園での1、2戦が0本塁打で、大阪球場での3戦では両軍2発ずつ打っている。また、阪神は05年1戦から通算11試合連続ノーアーチで、シリーズのワースト記録を更新中。

◆オリックス杉本裕太郎外野手(32)は2試合続けてベンチ外だった。21日のCSファイナル最終戦(対ロッテ)の最終打席で左足首を負傷。2戦連続で欠場となった。この日の試合前練習ではキャッチボールなどを行った。昨年の日本シリーズではMVPを獲得。今年のCSでも14打数6安打3打点の打率4割2分9厘でMVPを獲得しており、主砲を欠いた今シリーズの2戦となった。

◆1戦に0-8で敗れたオリックスが、2戦は8-0で勝利。完封負けした次の試合で完封勝ちは94年巨人が1戦0-11→2戦1-0以来、29年ぶり6度目。今回のように「同じスコアでの完封返し」は54年西鉄が2戦0-5→3戦5-0に次いで2度目だ。また、大差負けした次の試合で大差勝ちは63年巨人の6戦0-6→7戦18-4、10年ロッテの2戦1-12→3戦7-1と、6点差以上の仕返しが2度あったが、8点差以上で負けた次の試合で8点差以上で勝ったのはシリーズ史上初めてだ。

◆オリックスが今シリーズ初勝利で1勝1敗のタイに戻した。オリックスでもプレーした阪神西勇輝投手(32)を打ち崩した。3回、西勇に好相性の広岡大志内野手(26)が左前打で出塁すると、二塁に進んでから2番に入った西野真弘内野手(33)が右中間へ三塁打を放ち1点を先制。4回には2死走者なしから4連打などで3点を追加してリードを4点に広げた。先発の宮城大弥投手(22)は気迫の投球だった。味方が先制した直後の4回。先頭に内野安打で出塁を許したが併殺に仕留める。そこから連打で2死一、二塁となったが、ノイジーを空振り三振に抑えて左拳をグッと握りしめてほえた。その後も快投を続け、6回4安打無失点でマウンドを譲った。7回には代打マーウィン・ゴンザレス内野手(34)が左中間フェンス直撃の走者一掃二塁打を放って7点差とした。リリーフ陣も大量リードを保った。初戦は大敗を喫したが、第2戦は投打がかみあって白星をつかんだ。本拠地・京セラドーム大阪では1勝1敗。第3戦からは今季交流戦で2勝1敗と勝ち越した敵地・甲子園に乗り込む。

◆マジック返しだ! オリックスが第1戦のスコアをひっくり返す「8-0」で阪神に快勝し、対戦成績を1勝1敗の五分に戻した。中嶋聡監督(54)の采配が的中。3回に今シリーズ初スタメンとなった広岡大志内野手(26)が出塁し、西野真弘内野手(33)が先制タイムリーを放った。初戦は阪神岡田監督のタクトが光ったが、ナカジマジックも負けてはいない。甲子園に舞台を移し、31日に第3戦が行われる。中嶋監督の目は間違っていなかった。0-8の完封負けから一夜明け、逆の8-0で快勝。グラウンドの真ん中でお立ち台に立った指揮官は、いつものようにひょうひょうとしていた。「昨日の試合が本当に申し訳ないなと思いましたので、何とかやり返せて良かったなと思います」前夜のスタメンから変わらなかったのは「5番DH頓宮」のみ。臆することなく8人の打順を入れ替えると、選手たちが「ナカジマジック」に応えた。3回にチーム初安打を放ったのは、日本シリーズ初出場で初先発に抜てきされた広岡。その左前打から生まれた2死二塁の好機で、同じくスタメン起用された西野が先制の適時三塁打。「負けてる分、最初の点がほんとに欲しい。それでどんどん動いていくというのもある。西野のヒットは大きかったと思います」。三塁で白い歯を見せる西野を、指揮官はベンチからガッツポーズでねぎらった。今年もレギュラーシーズンでは143試合で135通り。「ナカジマジック」とも呼ばれる打順は、綿密な準備と観察から生まれている。選手の調子はもちろん、相性も大事な要素。ただデータだけで決めるのではなく「この投手の軌道には、この選手の打ち方が合う」と、さまざまな要素を組み合わせて決定する。完封負けから一夜明けたこの日の試合前練習。アップを行う選手たちの最後尾で、中嶋監督も体を動かした。フリー打撃が始まると、一塁後方でじっと打ち込む姿を見つめた。全てが大事な判断材料になる。1勝1敗に持ち込み、いよいよ敵地甲子園へ。「こんな展開になるのは昨日も今日も本当に珍しいと思う。それはもう考えない方がいい。僅差のゲームになってくるという考えしかないです」。大歓声の聖地でも冷静に、柔軟に、目の前の一戦に全力を尽くす。【磯綾乃】

◆2番手で登板した阪神ジェレミー・ビーズリー投手(27)が、ロングリリーフの仕事を果たした。オリックスに4点目を奪われた4回2死一、二塁でマウンドに上がると、西野を右飛に仕留め火消しに成功。6回は2死満塁のピンチを招いたが、西野を三ゴロに打ち取った。2回1/3を無失点。落ち着いて試合を立て直し「自分の仕事をすることができたよ」と振り返った。

◆阪神はオリックスに集中打をくらって敗れ、1勝1敗の五分となった。今季のレギュラーシーズンで京セラドーム大阪では8戦全勝。前日28日の初戦も勝利していたが、京セラドーム大阪で今季「10連勝」とはならなかった。前日の8-0の完勝の正反対で0-8で完敗した。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-西勇は悪送球と四球のあとに失点「なあ。2アウトからフォアボールであれやからなあ。4連打か。用意してなかったよ。ほんま」-立ち上がりはシュートもよかった「よかったよ。ずうっとよかったからな。シート(打撃)も。だから、今日にしたんやからな」-突然崩れた「まあそら、自分のな。一塁におったら、別に、そんなお前、けん制な。だから、自滅みたいなもんやからな、結局はな。ツーアウトからのフォアボールも、自滅やん。ピッチャーな。下位打線にいくところでな」-初回は審判への抗議もあったが、無失点で切り抜けた「なんか知らん。協議するんやてな。一塁の塁審と。みんな審判団で協議したとか言うとったけどな。レフトから見られるんかって言うたんやけどな。そうやろ? 2人でやるんやってなあ? そんなルールあった? ベースまでは主審(球審)の判断ちゃうの? ルールは。そんな協議のルールなんか知らんよ、審判の。シリーズやから何にも言わんかったけど、どういうことやろな、協議って初めて聞いたわ。審判の協議でフェア、ファウルを決めるんやて。そんなルール、野球やってて初めて聞いた」-宮城は良かったか「まあ、な、1巡目な、もうちょっとな、そんな捉えたみたいなのもあったけどなあ、うーん。もう後手後手いってるからなあ、もうああいう展開なったらアカンよなあ、やっぱりなあ」-4回のゲッツーなど流れが悪かった「結局ずうっと森下がキーになってるからな。初回にしてもそうよ、何でゴロ打たんのやろなあ、あれ。だからそういう見えないのか昨日からもな、昨日の見送りにしてもお前、ホント初回からあれで流れが変わってしまうもんなあ」-甲子園では考えないといけないか「いやいや、まだだから聞いてないから分かれへんけどな、どういう考えでな、打ってるかいうことやろな」-中野が打っているだけに目立つ「そうよそうよ、おーん。それこそ野球言葉やもんな。エンドランいうたらバッターはゴロ転がすんとちゃうの、なあ。だからそういうことやんか。昨日の初回もそうや、なあ。昨日今日と、初回でガクッとくるようなそういうね、ヒット打つだけとバッターちゃうからなあ。それがなんかなあ、打ちたい打ちたいってもうそれしかないからなあ、見てたら」-1勝1敗ですけど「おう1勝1敗でも、おーん、もう1つはなあ、1勝1敗でええと思ってたけど、まあ、なあ、えらい極端な2試合になったけど(笑い)。別にしゃあない、もう勝ち負けだけよ、勝った負けたや」-スコアがどっちも監督の番号に「そやろ。番号的にはよかったなあと思ったよ、ちょうど。まあまあ、甲子園帰ってからや」

◆オリックスはスイッチヒッターのマーウィン・ゴンザレス内野手(34)がダメ押しの3点打を放った。4-0の7回2死満塁で代打で登場し、右打席に入った。追い込まれてから島本の3球目を捉えると、確信歩き。フェンスオーバーとはならなかったが、左中間フェンスに直撃する走者一掃の二塁打に笑顔を見せた。第1戦では「7番二塁」で先発出場3打席もノーヒット。2戦目でシリーズ初ヒットを記録した。

◆オリックスは投打がかみ合って、1勝1敗のタイに戻した。先発の宮城大弥投手(22)が6回4安打無失点と好投。「2番二塁」でスタメン出場した西野真弘内野手(33)が3回に先制で決勝の三塁打で快勝に導いた。宮城と西野のヒーローインタビューの一問一答は以下の通り宮城-敗れた後の第2戦まあそうですね。由伸さんが負けてしまったので、勝ったらやり返せると思って気合入れました。-その中で6回104球無失点テンポも良かったですし、周りの守備の方に助けられながらいい投球できたと思います。-阪神戦での勝利はなかったが、そういう意識はまあよく周りの人に言われましたけど、仕方なかったので、何とか勝てるようにと思いながら投球はしました。-先制点を取ってもらった直後の4回、ピンチを背負ったが、ゼロにさえた。ガッツポーズ野手の方が点を取ってくれましたし、いいリズムで抑えたかったですけど、なかなかうまくいかずでしたけど、本当に無失点で帰るのと、失点して帰るのは違いますし、西野さんが声懸けてくれたので良かったです。-ちなみに何と声頑張れよっと。-追加点を取ってくれた本当に何とかしてくれると思いながら見ていましたし、それが通じたというか、点も入ってくれたので、もう少し楽に投げられたのかなと思います。-これで1勝1敗となった。ファンへまずは遅くまで応援ありがとうございます。明後日からビジターになりますけど、負けないように応援よろしくお願いします。西野-ナイスバッティングありがとうございます。-昨日はベンチ外で今日はスタメン使って頂いたんで、それに応えられるように必死にやりました。-第2打席は広岡が二塁に進んだあとチャンスの場面になって、でも後ろにはいいバッターがいっぱいいるんで、つなごうと思いながら打ったんですけど、いいところにいったんで良かったです。-打球は右中間を抜けたはい、久しぶりに三塁ベースまで走ったんで、足フラフラしていたんですけど、何とかアウトにならなくて良かったです。-西野選手は昨季の日本シリーズでも活躍。得意なイメージはそうですか。まあ去年は去年、今年は今年でいい成績が残せたらなと思うんで、頑張ります。-火曜日からは甲子園はい、甲子園は阪神ファンの声援がすごいと思うんですけど、うちのファンの皆さんも負けていないと思うので、大きな声援よろしくお願いします。

◆阪神が日本一を達成した85年以来の日本シリーズ連勝発進を逃した。西勇輝投手(32)が古巣相手に先発したが、4回途中で4失点KO。岡田彰布監督(65)は初回から審判の判定に猛抗議し、執念を見せたが、勝利には結びつかなかった。初戦と同じ8-0スコアをやり返され、対戦成績は1勝1敗。本拠地の甲子園に舞台を移す第3戦(31日)で再び白星を先行させる。まさかの「8-0」返しを食らった。第1戦と正反対のスコアに、岡田監督は思わず苦笑した。「1勝1敗でええと思ったけど、まあ、えらい極端な2試合になったけど。まあ別に勝ち負けだけよ」と苦笑いだ。初回から猛抗議に出て勝利への執念を見せた。初回1死一塁でオリックス森の一塁線のゴロを一塁手大山が捕球し、一-遊-一の併殺に仕留めたに見えたが福家一塁塁審はファウルを宣告。市川球審がフェア判定していただけに、審判団がグラウンド上に集まり協議。その後、責任の嶋田審判が「協議した結果、ファウルとして再開いたします」と場内マイクで説明した。指揮官はすぐさま三塁側ベンチを飛び出した。身ぶり手ぶりで1分超の抗議。審判の判定が食い違った場合、公認野球規則には「協議し、どの裁定をとるかを決定する」あり、適応された。だが、指揮官は「ベースまでは主審の判断じゃないの? 審判の協議のルールなんて知らんよ。シリーズやから、何も言わんかったけど」と判定が覆らず、納得がいかなかった。活発だった打線は沈黙。7番指名打者に第1戦の渡辺諒ではなくミエセスを入れたが、3打数無安打2三振と不発に終わった。それ以上に深刻なのが3番森下だ。初回1死一塁、ランエンドヒットで右飛。「エンドラン言うたら打者は転がすんとちゃうの。昨日、今日と初回でガクッとくるようなね。打ちたい打ちたいって、もうそれしかないからな」。2試合で9打数1安打、焦ってチーム打撃ができていない姿を嘆いた。京セラドーム大阪はこの日も両チームの応援がほぼ半分に分かれていた。そんな敵地で1勝1敗は想定内。CSからのポストシーズンの連勝も4でストップしたが、31日からは本拠地で3連戦。「甲子園に帰ってからよ」。今季甲子園では36勝23敗3分けの勝率6割1分。指名打者制のない本来の姿で戦える。勝負はまだこれからだ。【石橋隆雄】

◆日本シリーズに初登板した阪神岡留英貴投手(23)は、ホロ苦デビューとなった。4点ビハインドの7回から登板。先頭森を二ゴロに仕留めたが、セデーニョに中前打、亜大の3学年先輩頓宮に左前打を許した。宗を右飛に打ち取るも、紅林に四球を与えて2死満塁で降板。島本にスイッチしたが、代打ゴンザレスにダメ押しとなる左中間フェンス直撃の走者一掃3点適時二塁打を浴び、これが決定打となった。岡留は「抑えられなかったのがすべて」と反省した。

◆オリックスは「9番左翼」で日本シリーズ初出場初先発した広岡大志内野手(26)が、4打数2安打1打点と期待に応えた。阪神先発の西勇は、今年の交流戦でも2打数1安打1四球と好相性。「何とか結果を出してやろうとぶつかっていけたかなと思います」。この日は自主トレをともにしていた内川聖一氏が仕事で球場を訪れ「もうここまで来たら本当思い切って行くだけやぞ」と声をかけられていた。「その言葉通り、思い切っていこうと思って行けました」と満足そうに話した。

◆オリックスは快勝で1勝1敗のタイに戻した。第1戦は「0-8」だったが、第2戦では「8-0」と全く逆の展開となった。、中嶋聡監督(54)は「昨日の試合が本当に申し訳ないなと思いましたので、何とかやり返せて良かったなと思います。こんな展開になるのは昨日も今日も本当に珍しいと思う」と振り返った。先発の宮城大弥投手(22)が6回無失点と好投。「山本が打たれちゃったので、宮城にプレッシャーかかったと思うんですけど、しっかりやり返してくれたかなと思います。リズムも、しっかり攻めた投球でしてくれた」とたたえた。広岡大志内野手(26)を「9番左翼」でスタメン起用した策もハマった。起用の意図を問われると「そんなん言うわけないじゃないですか」と報道陣をかわした。広岡のチーム初ヒットから西野真弘内野手(33)の先制打につながり、「(初戦)負けている分、最初の点がほんとに欲しいですし、それでどんどん動いていくというのもあるんでね。西野のヒットは大きかったと思います」とたたえた。1勝1敗で敵地・甲子園での試合を迎える。「なかなか厳しい展開になると思うんですけど、しっかりといいゲームをして、喜んでもらえるようなゲームをしたいと思います」と必勝を誓った。

◆阪神西勇輝投手(32)がオリックス打線に返り討ちにあった。シーズン終盤で調子を上げたこともあり、第2戦の先発に抜てきされた。09年から10年間在籍した古巣との頂上決戦でのマウンドで、まさかの4回途中6安打4失点で降板。「自分の球を投げきることができなかったのがすべて。攻めにいったボールが甘かった」。前夜は相手エースの山本に10安打を浴びせて8-0で完勝したが、逆襲を食らった。自らのミスで相手に流れを渡してしまった。両軍無得点の3回2死一塁から一塁へけん制悪送球。二塁へ進塁されると、西野に右中間へ三塁打を食らって先制点を献上。さらに4回は2死から宗に四球を与え、下位打線から4連打を浴びてKO。岡田監督は「4連打か。(中継ぎ)用意してなかったよ。(けん制ミス、四球で)自滅やん」と渋い表情だった。プロ15年目で初めて出場した大舞台は、悔しいマウンドとなった。日本シリーズスコア速報はこちらから

◆阪神岡田彰布監督(65)が、走者を一塁に置いた場面で3度凡退した3番森下翔太外野手(23)の奮起を促した。「結局ずうっと森下がキーになってるからな。初回にしてもそうよ、何でゴロ打たんのやろなあ、あれ。だからそういう、見えないのか、昨日からもな。昨日の見送りにしてもお前、ホント初回から、あれで流れが変わってしまうもんなあ」と指摘。「それこそ野球言葉やもんな。エンドランいうたらバッターはゴロ転がすんとちゃうの、なあ。だからそういうことやんか。昨日の初回もそうや、なあ。昨日今日と、初回でガクッとくるような、そういうね、ヒット打つだけとバッターちゃうからなあ。それがなんかなあ、打ちたい打ちたいってもうそれしかないからなあ、見てたら」と続けた。今後の起用については「いやいや、まだだから聞いてないから分かれへんけどな、どういう考えでな、打ってるかいうことやろな」とした。前日28日は初回1死一塁。1ボール2ストライクから一塁走者中野がスタート。ただ、森下は低めの直球を見送り「三振ゲッツー」でチェンジとなった。試合後、岡田監督は「(サインは)盗塁、盗塁。振らんからや、森下が」と説明していた。追い込まれていたシーンでスイングをかけなかったことを指摘していた。この日の初回1死一塁、フルカウントでも、一塁走者中野がスタートを切ると、オリックス宮城の高めの148キロ直球に手を出し、右飛に倒れた。中野はすぐさま帰塁。2死一塁とランナーを進めることができなかった。3回無死一塁、フルカウントでは、一塁走者中野がスタートを切ったが、オリックス宮城に遊撃へのゴロを打たされ、併殺打に倒れていた。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が2試合連続マルチ安打をマークした。初回1死。オリックス宮城の初球147キロを見逃してストライク。ただ、カウント0-1から左腕が投じる球速差62キロの85キロ超スローカーブにも動じなかった。グッとこらえ、タイミングを合わせて、瞬時に対応。「反応で軽く合わせば打てると。粘りながら打てたと思います」。中前打となり、球場もドッと盛り上がった。前日28日の同戦では、侍ジャパンとしてともにWBCで戦った山本から2安打。「自分の中でも入りは本当に大事だと思っていた。追い込まれてから、余裕を持って打席でしっかりとアプローチすることができたことが、いい結果につながったと思います」。猛打賞の結果に手応えを見せていた。この日もWBCでチームメートだった宮城をきっちりと打ち抜いた。4回の先頭でも投手強襲の内野安打を記録。CSファイナルステージでは打率1割に満たなかった。だが、日本シリーズ計2試合で早くも5安打、打率6割2分5厘。きっちり状態を合わせてきた。第3戦から本拠地甲子園。「本当に甲子園の初戦をとる、とらないで大きく変わる。もう1回気を引き締めて、良い流れをいけるようにしていきたいです」。セ・リーグ最多安打を記録した虎のヒットマンが「日本一」を目指し、ホームでも安打を量産する。【三宅ひとみ】

◆オリックス森友哉捕手が宮城の快投を支えた。前日は右翼で先発し、この日は捕手で先発。4回無死一塁で森下に対して3ボールからフルカウントまで持っていき、遊ゴロ併殺に仕留めた。「あれが宮城の持ち味だと思う。ボール先行になってからでも、真っすぐもスライダーでもストライク取れますし」とピンチを断った。2試合連続安打も放った。31日からの甲子園で右翼を守る可能性もあるが「一生懸命まずやりたいな」と最善をつくす。

◆阪神森下翔太外野手が自身の打席を反省した。初回1死一塁では、右飛で走者を進めることができず、ベンチにいた岡田監督も思わず苦笑い。1点ビハインドの4回無死一塁でも、宮城の直球に遊併殺打とチャンスをつぶしてしまった。「正面に飛んでるのも、打たされてるのかなと思う。1日期間が空くので、修正して甲子園での試合に臨みたい」と必死で修正していく。

◆オリックス紅林弘太郎内野手が宮城大弥の好投を喜んだ。遊撃の守備位置から見ていて「(4回2死一、二塁の)三振取ったところでいつもしないようなガッツポーズしてたので、相当気合入ってるなと思ったんですけど。そういう気持ちに応えないとなと思ったので、あいつの頑張りを後ろで見てて、すごい刺激になっています」と4回2死一塁の打席では右翼線への安打。2死一、三塁に好機を広げ、3点奪取につなげた。

◆オリックスが1勝1敗のタイに戻した。1勝1敗のシリーズは通算35度目。過去34度は●○スタート(△●○を含む)の優勝が18度、○●スタートが16度で、13年楽天からは●○チームの優勝が4度続いている。また、オリックスの1勝1敗は阪急時代を含めて7度目。●○が69、71、84年、○●が68、78、21年とあり、過去6度はすべてV逸。1勝1敗から日本一になったことがないオリックスだが、今年はどうか。

◆巨人赤星優志投手が日の丸の背番号17をまとって勝負する。29日、川崎市のジャイアンツ球場での秋季練習でシート打撃に登板。計39球を投げ、打者16人に安打性6本、3四球3三振だった。侍ジャパンメンバーに初選出され、11月に開催するアジアプロ野球チャンピオンシップに向けて調整。11月1日からの秋季キャンプにも参加する右腕は「今日は結構打たれちゃった。感覚はそんなに悪くないので、変化球をもうちょっと合わせていけるようにしたい」と、約1カ月ぶりの実戦形式で出た課題をつぶしていく。縦じまの侍ジャパンユニホームでは、かつて三浦大輔、田中将大、岸孝之らが背負った背番号17を選んだ。15や30などの複数の候補があったが「一生に1度なので、今後呼ばれる可能性がないって考えたら、(候補の)番号の中で一番カッコいい数字を選びました」と説明した。

◆オリックスが誇る救援陣が完全投球リレーでがっちりとリードを守った。宇田川、山崎颯、小木田の「小木田世代」が同じ98年生まれの山本の借りを返して快勝につなげた。先発の宮城からマウンドを受けた宇田川が7回から登板。先頭の佐藤輝を直球で空振り三振に抑えると、ミエセスからも三振を奪うなど1回無安打2奪三振。「中軸に僕が行く意味をシーズン中に監督さんに言われていた。期待を裏切らず、3人で抑えるという気持ちだった」と期待通りの働きで直後の攻撃につなげた。8回にはリーグ制覇時の胴上げ投手の山崎颯がマウンドに上がった。セCSのMVP木浪を一ゴロに打ち取るなど3者凡退。9回は今シーズンプロ初勝利を手にするなど飛躍を遂げた2年目小木田がマウンドへ。「今シーズンやってきたことをただ出すだけだと思っているので、いつも通り入っていきました」と落ち着いて3人で片付けた。3人は山本と同世代。宇田川が言い出した「小木田世代」はファンにも浸透する。山崎颯は「なかなか3人で投げるのも珍しい。仲の良い同級生なので、3人で締められたのはうれしい」とニッコリ。最後を締めた小木田は、初戦で6回途中7失点と本来の姿を見せられなかった仲間の借りを返し、「由伸がああいった形でやられてしまったので、こうやって3人で抑えられたのは本当に良かった」と喜びをかみしめた。若い世代が1つになり、快勝へ導いた。日本一連覇へ、頼もしいブルペン陣が控える。

◆オリックス宮城大弥投手(22)が気迫の投球で今シリーズをタイに戻した。初戦をエース山本がKOされ、重苦しい雰囲気の中で2戦目のマウンドに立った。4回2死一、二塁のピンチで際どい判定もあったが、最後はこん身のフォークでノイジーを空振り三振。6回まで4安打無失点の好投で山本のリベンジを果たした。いつもの宮城とは、別人だった。味方が1点を先制した直後、4回2死一、二塁でノイジー。2-2から投じた内角クロスファイアがギリギリでボール。膝を折り、悔しがったが、すぐに切り替えた。フルカウントから会心のフォークで空振り三振を奪った。その瞬間、普段の穏やかでちょっととぼけた表情をかなぐり捨てた。ほえ、左こぶしを握りしめ、感情を爆発させた。6回4安打無失点。鬼気迫る104球だった。「由伸さんが負けてしまったので、勝ったらやり返せると思って気合入れました。ちょっと悔しい気持ちもありましたし。しっかり勝たなきゃ、次はビジターになるので」負けられない登板だった。前日28日の開幕戦は、山本が6回途中自己ワーストタイ7失点で降板。ダメージ払拭へ力を振り絞った。同じカードで投げる時はよく「頑張れ」と声をかけてくれ、頼りになる3歳上の山本。「ついていったら問題ない」と、背中を追ってきた。大エースの無念を思い、優しきサウスポーも燃えた。4回、ノイジーを封じたフォークは完全習得を目指す変化球。「まだまだ完全ではないですし。もっともっと上を目指さなければいけない球でもあるので。そういう場面で投げられたというのはしっかり自信にしてレベルアップできたらなと思います」。勇気をふるった選択で最大の危機を切り抜け、阪神から初勝利を挙げた。リーグ3連覇の優勝のビールかけは体調不良で参加できず。仲良しの紅林が、宮城の顔がプリントされた缶バッジを左胸につけてそこにビールをかけてくれた。「面白かったです」と紅林のアイデアを喜び、ビールかけ後に「ありがとう」と連絡した。日本一のビールかけを地肌で浴びることだけは、絶対に譲れない。昨年のヤクルトとの頂上決戦。日本一を決めた最終第7戦の勝ち投手が、宮城だった。2年連続の歓喜へ。「流れをいったんこっちに持ってこられると思う」快投から、進撃が始まった。【堀まどか】

◆両チームのスターティングメンバーが発表され、阪神は西勇輝投手(32)が先発する。2018年まで在籍した古巣オリックスとの対戦で、チームの日本シリーズ連勝を目指す。「7番・DH」にはヨハン・ミエセス外野手(28)が入った。

◆虎党からねぎらいを込めた拍手がヒーローに送られた。第1戦で先発し、7回零封と好投した阪神・村上頌樹投手(25)が練習終えてグラウンドを引き揚げようと移動する際に、三塁側や左翼席のファンから拍手が沸き起こる一幕があった。それに気づいた右腕はスタンドに向かって会釈し、穏やかな笑みを浮かべた。ベンチ裏へと下がった直後には第2戦に先発する西勇輝投手(32)がウオームアップのため、グラウンドに登場。日本シリーズ連勝を期待する虎党はチーム最年長右腕にも温かい拍手でエールを送った。

◆阪神のスターティングメンバーが球場でアナウンスされた。第2戦で「7番・DH」で出場するヨハン・ミエセス外野手(28)の名前がコールされると、虎党からは「おぉ!」という驚きの声が響いた。ミエセスはレギュラーシーズンの6月14日のオリックス戦(甲子園)で先発し、3打数1安打1打点と活躍しており、先発投手は偶然にもこの日と同じ西勇だった。岡田監督も助っ人に期待を寄せる。日本シリーズ進出が決まった翌日の22日に指揮官は打順について「DHやったら9番でもえんちゃう? ミエちゃんを(9番に)入れてバントさしたらええやん。成功するやろ、転がしたら。シフトも敷いてけえへんやろ」と冗談交じりに話していた。このコメントにM砲は「やったことないけど、言われたらやるしかない。しっかり準備したい」と笑顔で回答。7番に入ったが、来日初犠打が出るか注目だ。

◆阪神・岡田彰布監督(65)がベンチを飛び出した。一回裏の守備。先発の西勇が1死から西野に四球を与えると、3番・森を迎えた。2球目、一塁線に転がった打球を大山がすくい上げ、二塁へ転送。一塁へボールが戻り、併殺が完成したかに思われた。だが、審判の判定はファウル。審判団の協議後、責任審判の嶋田から「ファウルとしてプレーを再開」と説明があった。これに岡田監督がベンチを飛び出して抗議。約2分間の抗議でホームベース付近まで詰め寄るなど、勝利への熱い姿にスタンドの虎党から大きな拍手が送られた。判定はファウルのまま変わらなかったが、西勇は森を見逃し三振。セデーニョを三ゴロに仕留め、無失点で切り抜けた。

◆阪神の先発・西勇輝投手(32)は三回に先制を許した。痛恨のミスから先手を奪われた。広岡に左前打を許すと、2死から西野を迎えた打席で一塁へのけん制を悪送球。走者が二塁に進んだ直後に投じたスライダーを捉えられ、打球は前に来ていた外野手の後ろを破る右中間への三塁打となった。

◆オリックスが三回に今シリーズ初出場の西野真弘内野手(33)のタイムリー三塁打で先制した。「2番・二塁」でスタメン起用された西野がバットで仕事を果たした。三回に広岡大志内野手(26)の左前打とけん制悪送球でつくった2死二塁で迎えた第2打席。カウント1-1から阪神先発・西勇のチェンジアップをたたいた打球は、勢いよく右中間を破った。二塁から広岡が生還。西野も一気に三塁を陥れた。昨年の日本シリーズでは11打数5安打と打撃で活躍。第1戦ではベンチを温め続けた男がスタメン出場に応えて、チームを勢いづけた。

◆阪神は0―1の四回、一打同点のチャンスを生かせなかった。先頭の中野が二塁への内野安打で出塁するも、続く森下が遊ゴロ併殺で2死走者なし。ここから大山が三塁手を強襲する安打、佐藤輝が左前打で一、二塁のチャンスを作った。打席に入ったのはノイジー。フルカウントからボールゾーンに落ちるフォークに手を出し、空振り三振に倒れた。マウンドでガッツポーズする先発・宮城を横目に、ノイジーは肩を落としてベンチに引き揚げた。

◆阪神は0―1の四回に連打で3点を失った。先発の西勇輝投手(32)が2死から捕まった。宗に四球を許すと、紅林に右前打を浴びて一、三塁のピンチ。ここで8番・野口にチェンジアップを捉えられ、二遊間を破る中前適時打。さらに広岡、中川圭にも適時打を浴びた。西勇はここで降板。日本シリーズ第2戦に抜擢されたベテランだったが、四回途中6安打4失点の苦しい投球になった。代わった2番手・ビーズリーは後続を断ったが、0―4と点差を広げられた。

◆オリックスが1点リードの四回に2死からチャンスを作り、さらに3点を追加して4-0とリードを広げた。2死から宗が四球で出塁し、紅林が右前打でで一、三塁と好機を拡大。野口智哉内野手(24)はカウント2-1から阪神先発・西勇の外角低めチェンジアップをセンターへはじき返して1点を追加。なお2死一、三塁で広岡大志内野手(26)がレフトにタイムリーを放って3-0。さらに一、二塁で中川圭太内野手(27)が三遊間を破るタイムリーで続いて3連打で3点を追加。西勇をKOした。野口は「とにかく必死に、なんとか食らいついていこうと思っていたので、タイムリーになってくれてよかったです!」と声をはずませた。

◆オリックス・宮城大弥投手(21)が6回無失点でお役御免。104球を投げ、4安打5三振1四球の粘りの投球で流れを作った。第1戦ではエースの山本が六回途中7失点と乱調。肩を落とす姿を目の当たりにした。レギュラーシーズンでは山本が登板した翌日に投げることが多く「基本、由伸さんの力で次の日も勝てているんで」と感謝する。それだけに阪神にリベンジしたい思いは強かった。一回からストライク先行で持ち味を存分に出した。1死から第1戦で猛打賞の中野に85キロのカーブを中前に運ばれたが、無失点で切り抜けた。三回に先制点をプレゼントされ、直後の四回、無死一塁で森下を遊ゴロ併殺。2死を奪うも、大山が左前打。なかなか3人で終わらせてくれない。佐藤輝に左前打とつながれたが、続くノイジーを変化球で空振り三振に仕留め、ほえた。レギュラーシーズンでは終盤を離脱するも、一年間戦い続けた。芸能界入りした妹・弥生さんとともに家族は大阪に引っ越してきた。宮城も頻度こそ減っているが、時間を見つけ、家族のもとへ。「体重が増え、控えることが多いです」と語るが、母の手料理のカツ丼がお気に入り。日本一を手土産に帰るまでは戦い続ける。援護の4点を死守し、2番手に託した。

◆阪神の2番手、ジェレミー・ビーズリー投手(27)が好救援をみせた。連打を浴びた西勇に代わって、四回2死一、二塁からマウンドに上がった。前の打席で適時三塁打を放った西野を右飛に打ち取ると、五回は三者凡退のピッチング。六回は四球と安打で満塁のピンチを招いたが、西野を三ゴロに抑えて乗り切った。来日1年目でクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでは登板のなかった背番号99が役割を果たし、七回からは3番手・岡留にマウンドを譲った。

◆阪神は0―4の七回、救援陣が捕まって3点を失った。痛すぎるダメ押し点を許した。この回マウンドに上がった3番手・岡留が、2安打と四球で2死満塁のピンチを招いて降板。左打者の野口に対して左腕の島本を送り込んだが、オリックスはこれに代打・ゴンザレスを起用した。2球で追い込んだ島本だったが、次の直球を捉えられて打球は左中間フェンスを直撃。走者3人が生還し、7点差とリードを一気に広げられた。

◆オリックスが4-0の七回に3点を追加し、7-0と点差を広げた。1死からレアンドロ・セデーニョ内野手(25)、頓宮裕真内野手(26)の連打と四球などで得た2死満塁のチャンスで、マーウィン・ゴンザレス内野手(34)が代打で登場。代わった阪神4番手の島本に対し、2ストライクから高め直球をたたいた打球は左翼手の頭上を越えた。走者一掃のタイムリー二塁打で3点を追加。7-0と一気に突き放した。前夜は先発出場しながら3打数無安打に終わっていた助っ人が気を吐き、チームはさらに優勢を固めた。

◆阪神は0―7の八回、ミスが重なって失点した。大差がついた終盤にエラーを重ねた。1死から大城の平凡な遊ゴロを、この回から守備についた小幡が捕球できず。走者を背負うと、5番手・加治屋が森に右翼への二塁打を許し二、三塁。続く小田は一ゴロに打ち取ったかに思われたが、これを大山が捕球し損ねて三塁走者が生還。第1戦で阪神がオリックスにつけた8点差を逆につけられた。

◆阪神はオリックスに大敗した。先発・西勇輝投手(32)が中盤に捕まった。三回、2死一塁からけん制悪送球で走者を二塁に背負うと、西野に直後の球を右中間に運ばれ先制を許す。四回にも2死から四球と安打で一、三塁のピンチを背負い、3本の適時打を浴びてこの回途中で降板した。七回にも救援陣が3点を失うなど、大差をつけられた。打線はオリックスの先発・宮城を捉えられなかった。中野が2安打1四球と出塁したものの、続く3番・森下が無安打。四回には2死一、二塁と得点圏に走者を置いたが、ノイジーが空振り三振に倒れた。宮城が降板した七回以降も、オリックスの中継ぎの前に出塁することができず。1勝1敗で本拠地・甲子園での3連戦を迎える。

◆オリックスが快勝し、対戦成績を1勝1敗とした。阪神・西勇輝投手(32)を攻め、三回に西野真弘内野手(25)の適時打で先制。四回には2死無走者からの四球後に好機を作り、野口智哉内野手(24)、広岡大志内野手(26)、中川圭太内野手(27)の3連続タイムリーで3点を加点した。七回には代打マーウィン・ゴンザレス内野手(34)の二塁打で3点を追加し、九回には敵失から1点を奪った。「5番・DH」の頓宮裕真捕手(26)以外、打順を組み替えた中嶋聡監督(54)の采配が的中した。先発の宮城大弥投手(21)は6回、104球を投げ、4安打無失点。七回から宇田川優希(24)、山﨑颯一郎(25)、小木田敦也(25)の3投手が無失点に抑えた。両チームは31日から甲子園3連戦に向かう。

◆オリックスが快勝し、対戦成績を1勝1敗とした。阪神・西勇輝投手(32)を攻め、三回に西野真弘内野手(25)の適時打で先制。四回には2死無走者からの四球後に好機を作り、野口智哉内野手(24)、広岡大志内野手(26)、中川圭太内野手(27)の3連続タイムリーで3点を加点した。七回には代打マーウィン・ゴンザレス内野手(34)の二塁打で3点を追加し、九回には敵失から1点を奪った。「5番・DH」の頓宮裕真捕手(26)以外、打順を組み替えた中嶋聡監督(54)の采配が的中した。先発の宮城大弥投手(21)は6回、104球を投げ、4安打無失点。七回から宇田川優希(24)、山﨑颯一郎(25)、小木田敦也(25)の3投手が無失点に抑えた。中嶋聡監督(54)の勝利監督インタビューは以下の通り。ーー第1戦とは正反対の展開となりました「そうですね、昨日(28日)の試合が本当に申し訳ないと思いましたので、何とかやり返せて良かったと思います」ーー三回の1点が大きかった「先取点どうしてもほしかったんですけど、西野がよく打ってくれました」ーー第1戦は試合に出ていなかった。期待に応えてくれました「ハイ、ハイ」ーー四回2死から4連打で3点「宮城がしっかり投げてくれて、あのピンチ(四回2死一、二塁でノイジーを空振り三振)を抑えて、それがしっかりつながったと思います」ーー下位打線もいい働きをしてくれた「そうですね。下から何とかつながって、下位打線がよく頑張ったなと思います」ーー宮城が6回無失点「(第1戦で)山本が打たれちゃったんで、宮城にプレッシャーかかったと思うんですが、しっかり、それをやり返してくれたと思います」ーーリリーフ陣も無失点「ハイ」ーー自慢のリリーフ陣では「自慢でもないですけど、なかなかいいピッチャーですね」ーーチャンスで点を取る。そして守るの展開になった「たまたま、こういう点差になりましたが、途中までは僅差で、どっちに流れが行ってもおかしくない試合ですので、絶対に気を抜けない試合になっていると思います」ーー1勝1敗。甲子園のゲームです「甲子園で試合ですか、厳しい展開になると思うんですけど、しっかりと、いいゲームをして、喜んでもらえるゲームをしたいと思います」

◆阪神が完敗し、対戦成績は1勝1敗となった。先発の西勇輝投手(32)の乱調が誤算で三回に先制点を献上し、四回には2死無走者からの四球後に4連打を浴びて、3点を失った。第1戦で13安打を放った打線は6回無失点の宮城大弥投手(21)の前に沈黙。四回2死一、二塁ではシェルドン・ノイジー外野手(28)が空振り三振に倒れ、「7番・DH」に入ったヨハン・ミエセス外野手(28)も無安打だった。九回には小幡竜平内野手(23)、大山悠輔内野手(28)の失策で1点を失い、守備でも精彩を欠いた。31日からの甲子園3連戦に向かう岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(観衆=3万3584人)。ーー西勇は悪送球と四球のあとに失点「なあ。ツーアウトからフォアボールでアレやからなあ。4連打か。用意してなかったよ。ホンマ」ーー立ち上がりはシュートも良かった「良かったよ。ずっと良かったからな。だから今日にしたんやからな」ーー突然崩れた「まあそら、自分のな。一塁におったら、別に、そんなお前、けん制な。だから、自滅みたいなもんやからな、結局はな(三回2死一塁でけん制悪送球で二進を許して先制打)。ツーアウトからのフォアボールも、自滅やん。下位打線に行くところでな」ーー一回は審判への抗議もあったが、無失点で切り抜けた(一回1死一塁でオリックス・森の一塁線への打球に主審はフェア、一塁塁審はファウルにジャッジが分かれ、協議の結果ファウル)「なんか知らん。協議するんやてな。一塁の塁審と。みんな審判団で協議したとか言うとったけどな。レフトから見られるんかって言うたんやけどな。そうやろ? 2人でやるんやってな? そんなルールあった? ベースまでは主審の判断ちゃうの? ルールは。そんな協議のルールなんか知らんよ、審判の。シリーズやから何にも言わんかったけど、どういうことやろな、協議って初めて聞いたわ。審判の協議でフェア、ファウルを決めるんやて。そんなルール、野球やってて初めて聞いた」ーー宮城は良かった「1巡目な、もうちょっとな。そんな捉えたみたいなのもあったけどなあ、もう後手後手行ってるからな。ああいう展開なったらアカンよな」ーー四回のゲッツーなど流れが悪かった「結局、ずっと森下がキーになってるからな(四回無死一塁で遊ゴロ併殺)。初回にしてもそうよ、何でゴロ打たんのやろなあ、アレ(一回1死一塁で右飛)。昨日からもな。昨日の見送りにしてもお前、ホント初回から、アレで流れが変わってしまうもんなあ」ーー甲子園では考えないと「だから聞いてないから、分かれへんけどな、どういう考えでな、打ってるかいうことやろな」ーー中野が打っているだけに目立つ「そうよそうよ、おーん。それこそ野球言葉やもんな。エンドランいうたらバッターはゴロ転がすんとちゃうの、なあ。だからそういうことやんか。昨日の初回もそうや、なあ。昨日今日と、初回でガクッとくるようなそういうね。ヒット打つだけとバッターちゃうからな。それが打ちたい打ちたいって、もうそれしかないからなあ、見てたら」ーー1勝1敗「おう1勝1敗でも、1勝1敗でエエと思ってたけど、えらい極端な2試合になったけど(笑い)。別にしゃあない、もう勝ち負けだけよ、勝った負けたや」ーースコアがどちらも監督の番号に(2戦とも勝者が8ー0)「そやろ。番号的にはよかったなあと思ったよ、ちょうど。まあまあ、甲子園帰ってからや」

◆オリックスが8得点の大勝で、対戦成績を1勝1敗のタイとした。先発した宮城大弥投手(22)は6回無失点の好投。28日の第1戦はエースの山本で大敗(●0-8)していただけに、ヒーローインタビューで「(山本)由伸さんが負けてしまったので、勝ったらやり返せると思って。気合をいれて投げました」と胸を張った。過去2戦2敗だった阪神戦の初勝利にも「よく言われましたけど、なんとか勝てるように投球しました」と笑顔。また、三回に先制の適時三塁打を放ち、宮城とともにお立ち台に立った西野真弘内野手(33)は「(スタメンで)使っていただいたので、こたえられるように必死にやりました。久しぶりに三塁ベースまで走ったので、ふらふらしました」と話し、スタンドを沸かせた。

◆?オリックスの先発・宮城が6回無失点で、昨年第7戦(先発、5回無失点)に続くシリーズ2勝目。オリックス(前身を含む)の投手でシリーズ通算2勝以上を挙げたのは、足立光宏(9勝)、山田久志(6勝)、米田哲也、山口高志、白石静生、山沖之彦(各2勝)に次いで7人目で、左投手では白石と並ぶ最多。?シリーズで先発投手が2試合続けて無失点で白星を挙げたのは、ヤクルト・高橋奎二が2021年第2戦で完封、昨年第3戦で6回無失点で勝利して以来。オリックスでは足立が1977年第2戦と78年第3戦でともに9回完封して以来45年ぶり2人目。

◆?オリックスが第2戦に勝利し、対戦成績を1勝1敗とした。シリーズで1勝1敗となったのは2021年以来2年ぶり35度目(初戦の引き分けを含む)。過去34度のうち○●スタートの日本一が16度に対し、●○スタートが18度とリード。1勝1敗から先に2勝目を挙げた球団は過去34度のうち日本一が27度で、優勝確率79・4%。?第1戦は阪神が8-0、第2戦はオリックスが8-0の無失点勝利。シリーズで無失点勝利の応酬は1994年第1戦の西武(○11-0)と第2戦の巨人(○1-0)以来29年ぶり6度目。同じスコアは54年第2戦の中日と第3戦の西鉄が5-0で勝利して以来69年ぶり2度目。?第1、2戦で両軍ともに本塁打が出なかったのは、関西ダービーだった64年の南海-阪神以来59年ぶり2度目。第3戦で両軍2本ずつの計4本飛び出した。

◆「SMBC日本シリーズ2023」は、京セラドームで第2戦が行われ、阪神はオリックスに0-8で完敗した。第1戦での快勝を同スコアでやり返され、わずか4安打に3失策といいところなく敗れたが、岡田彰布監督(65)は「甲子園に帰ってからや」と力強い。対戦成績は1勝1敗。31日の第3戦からは38年ぶりの日本一を願って虎党が集う、本拠地・甲子園に戦いの場を移す。猛抗議から始まり、投壊に失策連発...。前日28日の快勝スタートから一転、いいところなく大敗した。スコアもそっくりそのまま、0-8とやり返された岡田監督だが...。甲子園決戦を前に〝厄払い〟できたとばかり、試合後には笑みさえ浮かべた。「〝番号的〟にはよかったなあと思ったよ、ちょうど。まあまあ、甲子園帰ってからや」指揮官の背番号は第1次政権から「80」。「8」と「0」が交互に表れた京セラでの2連戦を〝岡田節〟で総括した。波乱の幕開けだった。一回の守備で一塁へのゴロのフェア、ファウルを巡って主審と塁審の判定が別れる〝アクシデント〟。審判団協議の末、ファウルとなり、激しく抗議した。前日は13安打8得点と活発だった打線は、今季レギュラーシーズンで対戦のなかった宮城の緩急を駆使した投球に沈黙。前日は「7番・DH」で起用した渡辺諒が先制打を放ったが、この日に抜てきしたミエセスはノーヒットに終わった。0-1の四回は無死一塁から森下が併殺打。その後、大山、佐藤輝に連打とちぐはぐ。一、二塁からノイジーのバットが空を切ると、その直後に先発の西勇も崩れた。2死からの四球をきっかけに一気の4連打でKO。「(次の投手を)用意してなかったよ。ほんま」。負の流れをせき止められず、中継ぎ陣も苦しい投球が続いた。0-7の八回1死では、この回から遊撃の守備についた小幡がトンネル。1死二、三塁からは一塁・大山が小田の打球を後逸するタイムリーエラーで8点目を与えた。1試合3失策を記録。最後まで見せ場らしい見せ場は作れず、今季シーズンから9戦9勝だった京セラドームでの不敗神話も途切れてしまった。

◆人懐っこい笑顔のサウスポーが京セラのマウンドで仁王立ちだ。宮城が阪神打線を手玉に取っていく。一回からゼロ行進。四回に3本の安打を集中されるピンチはあったが、それ以外はスイスイ。六回までゼロで、あとは最強救援陣にバトンタッチ。1勝1敗の五分に戻した最高殊勲選手だ。「初戦、ああいうふうな形で...。エースで負けて悔しい気持ちもあったので」大エース・山本の黒星は、弟分がしっかり返した。山本 「頑張れよ」宮城 「頑張ってきます」いつもと同じ、他愛もない先輩との会話だったが、それが力になった。今季から習得中のフォークもここ一番で決まった。四回2死一、二塁のピンチで、ノイジーを空振りに仕留めたのが、最強の決め球だった。「そういう場面で投げられたのは自信にしていきたいです。もっともっと上(のレベル)を目指さないといけない球なので」そして、気がつけばシリーズはこれで昨年から17回?を無失点。令和の時代のポストシーズン最強左腕だ。「去年は去年。ことしはことし。相手も違うので」山本で負けても、頼れる2番手は健在だった。シリーズがもつれれば、再び先発の機会が巡ってくる。頂点がかかるマウンドも、この若きサウスポーなら平然と抑えてくれることだろう。(上田雅昭)

◆関西ダービー、白熱! 「SMBC日本シリーズ2023」は29日、京セラドームで第2戦が行われ、パ・リーグを3年連続で制し2年連続の日本一を目指すパ・リーグ覇者のオリックスが、38年ぶりの頂点を目指すセ・リーグ覇者の阪神に8-0で快勝した。対戦成績は1勝1敗。オリックス・中嶋聡監督(54)が起用した選手が次々躍動し、第1戦の0-8敗戦のショックを一夜で振り払った。30日は移動日で、31日に甲子園で第3戦が行われる。外野で打球がはずむたび、誰もが思った。これこそがナカジマジックだと-。第1戦でのショッキングな大敗を、きれいにスコアもそろえて虎にお返しだ。シーズン同様の猫の目打線がおもしろいようにつながり、中嶋監督はお立ち台でホッと息をついた。「きのう(28日)の試合が本当に申し訳ないと思いましたので、何とかやり返せてよかったと思います」前夜は岡田虎にいいようにやられた。佐藤輝のスチールに意表を突かれて流れを失い、DHで起用された渡辺諒に先制打を許して、絶対的エースの山本を沈められた。六回途中、10安打7失点。2年連続日本一を目指すはずのシリーズは、59年ぶりとなった「関西ダービー」の異様な盛り上がりに飲み込まれるかのように、波乱の幕開けとなってしまった。それでも、中嶋監督は「打たれることもある」と微動だにせず結果を受け止めた。そして、采配で動きを見せる。3連覇したレギュラーシーズンでも、選手に魔法をかけて143試合で135通りのオーダーを組んだが、そのマジックが2戦目からさえた。スタメンに抜てきした2番・西野と9番・広岡が、そろって機能。0-0の三回には広岡の初安打から西野の適時三塁打で先制。四回にも、広岡が3点目となる適時打を放った。

◆京セラドームに意地の快音が響き渡る。中野が不振に終わった広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージから完全に調子を取り戻し、〝お祭り男〟として帰ってきた。「CSファイナルがふがいなかったので、日本シリーズは何としても自分の役割をしようと強い気持ちを持っていた。この2試合はいい仕事ができたと思います」まずは一回1死。球速差62キロをものともせず痛快にはじき返した。宮城の初球は147キロ直球。続く85キロカーブを中前に運んで、2戦連続で一回にチーム初安打をマークした。四回の第2打席は宮城の足元を突く内野安打。六回にも四球を選んで塁上をにぎわした。2試合で打率・625(8打数5安打)、出塁率・667と絶好調だ。「CSファイナルはポイントがバラバラでどうしたらいいのか分からない状態だった」CSでは11打数1安打と不振に苦しんだ。表情だけで愛息の調子が分かる母・節子さん(55)が「打てそうな顔をしていないんですよね...」と心配するほど。それでも、今季164安打でセ・リーグ最多安打のタイトルに輝いた男は修正能力もピカイチ。「この2試合は自分のポイントで打てている」と、1週間の調整期間で本来の形を取り戻した。「お祭り男になりたい」と意気込んで臨んだ日本シリーズはここまで宣言通り。今後の活躍次第で、シリーズ最高殊勲選手賞(MVP)だって狙える成績だ。甲子園で迎える31日の第3戦からは山形県から両親も応援に駆けつけてくれる。「甲子園の初戦を取る取らないでだいぶ流れも変わってくる。チームでもう一回気を引き締めて、何とか甲子園の初戦をとれるようにやっていきたい」すっかり〝打の顔〟になったヒットメーカーが、甲子園でも快音の嵐を巻き起こす。(原田遼太郎)

◆日本シリーズ初登板の阪神・西勇は、四回途中4失点の背信投球となった。「自分の球が投げ切れてなかったことが全て。全体的にボールが一個分、甘かった」三回にけん制悪送球でピンチを広げ西野に先制打を許した。四回も2死から四球を与え、その後の4連打でKOされた。岡田監督は「けん制な。自滅みたいなもんやからな、結局はな。2死からの四球も、自滅やん」と苦言を呈した。レギュラーシーズンでは9月に3戦3勝、防御率0・78と復調し、その後の実戦も好調だったことで第2戦の先発に起用されたが、期待に応えることができず。クライマックスシリーズを含めたポストシーズンでは、これで通算5試合で0勝3敗となった。「全力で応援するしかない。雰囲気を変えられるように、自分の役割を考えてしっかりやっていきたい」と仲間のサポートを誓った。(織原祥平)

◆江本 「西勇は一瞬で流れを変えてしまったよ。油断大敵。余計なことも大敵。三回2死一塁で走者は広岡。走りもしないだろうに、意味のない、けん制球を入れて、悪送球だもの」若松 「そう。必要なかった。また大山も、捕ってあげないと。いずれにしても、広岡を二進させた直後、西野に三塁打。動揺からかカットボールが甘くなった」江本 「日本シリーズでは、1つのプレーで心理、内容がガラリと変わる。四回の3失点も結局は、三回に先制されたことが招いたもの。1点や2点の差なら、どうにでもなったのにね。まあ実際は、油断したわけではないと思うけど、余計なミスにだけは、気をつけないといかん」若松 「四回の攻撃でも雑な面が出た。森下の併殺打で2死となったあと、一、二塁と再びチャンスを作りながら、ノイジーが空振り三振。フルカウントから、見逃せばボールのフォーク。ああいう局面で、しっかり見極め、つなげるのが、阪神打線の持ち味だったはず」江本 「オーソドックスを売り物にする阪神にしては、いただけないゲーム。オリックスを生き返らせ、同じ土俵に上げてしまったよ」若松 「確かに五分五分。第3戦から甲子園。パでは経験の少ない土のグラウンドが、どちらに味方するのか。そういう部分も勝敗に影響するかもしれないね」

◆初戦のお返しとばかりにオリックスが阪神を圧倒した。阪神OBでサンケイスポーツ専属評論家・上田二朗氏(76)は試合のポイントに、四回あたりからごくわずかだがストライクゾーンが狭まった市川貴之球審(42)のジャッジを挙げた。この微妙な変化に、持ち前の球の力で押し切ったオリックス・宮城に対し、阪神・西勇は両サイドを生かす投球パターンが崩れたという。勝敗の分岐点をプロフェッショナル目線で解説する。球審の判定は絶対であり、それを否定してはいけない。ただ、人間が判定している以上、微妙な変化が生じ、それに対応していくのも、プロ野球の投手の宿命だ。この試合の途中、ほんのわずかではあるが、市川球審のストライクゾーンが狭くなった。そんな気がしたのは四回あたりだ。影響を受けたのは西勇だった。ギリギリのコースでストライクを取り、左右の揺さぶりを生命線とする西勇にとっては、厳しかった。ストライクを投げたいから、どうしても少し内よりに投げることになる。四回2死から宗に与えた四球は、影響を受けた結果だ。さらに、少し甘くなった変化球を、オリックス打線がうまく拾ってヒットにした。この回の3失点だ。対する宮城も、条件は一緒だった。微妙にストライクゾーンは狭まっていた。が、宮城の場合は球に力がある。持ち前の強いボールで、打者を押し込んだ。これは、両サイドで勝負する西勇にはできない。力で阪神打線をねじ伏せた宮城が、この日に限っては上回ったということだろう。互いに大差で1勝ずつを挙げて、シリーズとしては面白くなった。阪神は本拠地で戦えるというアドバンテージがある。阪神のキーマンは森下だろう。1、2戦目ともに、シリーズの雰囲気に飲み込まれている感じがする。3番が機能しないと、やはり苦しい。本拠地に移って復活するか。代役といっても、適任が見当たらないだけに、奮起を期待したい。オリックスは主砲・杉本不在の中で、外国人がポイント。セデーニョ、ゴンザレスともに2戦目でヒットを放った。長打のある打者は、阪神投手陣も不気味だ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆第1戦に8-0で大勝して浮かれていたら、第2戦で0-8。完璧な五分に戻された~(涙)いや、一見互角に見えるけど、わが阪神は第1戦で球界ナンバーワンの山本をKOしてんのよ! そして、第3戦は本拠地甲子園...。それを考えたら、まだまだ虎は優位なのだー!!4安打で零封負けを食らった貧打線を棚に上げ、あえて(来季のためにも)心を鬼にして言うけど、先発の西勇輝、男気を見せたらんかー!!曲がる、落とす、抜くとコーナーいっぱいに決まったときは大投手だけど、投手の原点である『直球』をほとんど投げないから、直球を消している打者にアジャストされる。悪い西勇が出てしまったのだ!!でも、岡田阪神は絶対に勝てる!! その裏づけの一つが四回。西勇が連打を浴び、アップアップだったのに、しかも短期決戦なのにあえて中継ぎを投入することをせず、『日本一のための1敗』と腹をくくった采配であると俺は思ったのだ!!さあ、第3戦は甲子園だし、DHがなく投手も打席に入るのだ。最高の岡田マジックショーの舞台になると信じとるでェ!!

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