阪神(☆4対2★)広島 =クライマックスシリーズ3回戦(2023.10.20)・阪神甲子園球場=
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広島
00011000021000
阪神
00020110X4710
勝利投手:桐敷 拓馬(1勝0敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝0敗2S))
敗戦投手:床田 寛樹(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆阪神が3連勝で日本シリーズ進出を決めた。阪神は1点を追う4回裏、ノイジーと坂本の連続適時打で2点を挙げ、逆転に成功する。直後に同点とされるも、6回に坂本が適時打を放ち、再びリードを奪った。敗れた広島は打線が相手を上回る10安打を放つも、つながりを欠いた。

◆甲子園では午後3時ごろから強い雨が降り始め、阪神は野手陣を中心に室内練習で試合前練習を行った。グラウンドには内野部分に全面シートが敷かれ、雨対策はバッチリ。午後4時前時点でまだシートははがされておらず、ここから「神整備」として知られる阪神園芸が、どう準備を進めていくかにも注目だ。

◆大雨降太郎さん発動...。阪神大竹耕太郎投手(28)の登板日にまたも、どしゃ降りの雨に見舞われた。練習開始時の甲子園は曇天だったが、午後3時ごろに突然雨が降ってきた。次第に雨は強くなり、グラウンドで調整していた投手時が室内練習場に避難した。過去に何度も雨で登板日が流れている大竹。青柳に次ぐ「大雨男」の呼び声高く、「大雨降太郎さん」フェースタオルも公式グッズとして販売されている。左腕は今季レギュラーシーズン広島戦の成績は7戦で6勝0敗とコイキラー。日本シリーズ進出がかかる一戦に向け、室内練習場で最終調整を行った。その後、1度雨はやみ、開門は予定通り行う。

◆午後3時ごろから甲子園に降り始めた雨がやみ、阪神園芸による素早い対応がなされた。午後4時26分、内野を覆っていた巨大シートの撤去が開始。阪神園芸のグラウンドキーパーを含む、球場スタッフ総勢37人で行われた。撤去の際に垂れ落ちたシートの雨水にも対応。遊撃付近に若干できた水たまりには、すぐさま土が投入された。トンボで丁寧な整備が行われ、バンカーと呼ばれる整備車で内野を回って仕上げ。午後4時55分には普段と変わらないグラウンドに整えられた。CSスコア速報はこちらから

◆日本シリーズ進出をかけた戦いの第3戦、アドバンテージを含み0勝3敗と後がなくなった広島は、今季11勝を挙げた左腕エース床田寛樹投手(28)で必勝を期す。王手をかけた阪神は、今季12勝のうち広島戦で6勝(7戦)を稼いでいる好相性の左腕大竹耕太郎投手(28)で勝負。プレーオフ、CSでは無傷で王手をかけた過去22チームはすべて日本シリーズ進出を決めており"突破率100%"だが、広島はデータを覆せるか。

◆阪神木浪聖也内野手(29)の華麗なダイビングキャッチとともに、試合が始まった。初回、1ボールから広島1番菊池が放った打球は遊撃右へ。木浪は懸命に飛び込み、ボールをつかんだ。プレーボールから1分も経たないうちにファインプレーを決めてみせた。前日19日にはサヨナラ打を放ったCS男。3連勝でのファイナルステージ突破へ、背番号0から目が離せない。

◆秋風のいたずら? 阪神佐藤輝明内野手(24)が大飛球を放つも、フェンス手前の左飛に倒れた。同点の2回無死一塁、広島床田から快音を響かせ、左翼後方への打球を放ったが、西川に捕球された。スタンドインを予感させる当たりに甲子園はどよめきが起こったが、一歩届かず。佐藤輝は思わず天を仰いだ。普段なら、甲子園には右翼から左翼方向へ特有の「浜風」が吹く。左打者泣かせの浜風だが、この回の佐藤輝の当たりには「フォロー」になる。ただ、この時の風は、左翼から右翼方向へ吹く普段とは逆のもの。「アゲンスト」の風に押し戻され、本塁打とはならなかった。日本シリーズ進出なるか?阪神-広島 オリックス-ロッテ/スコア速報中

◆/インハイを引っ張った\詰まりながらもライト前坂倉将吾が先制タイムリー?プロ野球クライマックスシリーズ(2023/10/20)??阪神×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球#carp pic.twitter.com/wPrgmwIAkJ

◆コイキラーの阪神大竹耕太郎投手(28)が3連打を浴びて、先制点を献上した。左腕は今季レギュラーシーズン広島戦で7試合に先発し、6勝0敗、防御率0・57と好相性を誇っている。4回2死から上本に二塁打を献上。続く秋山の遊撃内野安打で2死一、三塁とされ、坂倉に右前適時打を浴びた。チームはCSファイナルステージでは3試合連続で広島に先制点を取られている。

◆シンガー・ソングライターの岡崎体育(34)がファーストピッチセレモニーに登場した。タテジマのユニホームに身を包み、ノーバウンドのストライク投球を披露。「少年野球(の頃)の右肩の痛みが出ることなく、10点満点中、6億点ぐらい(笑い)」と振り返った。この日は日本シリーズ進出がかかった重要な一戦。「サブスクで1番再生回数がある『なにをやってもあかんわ』は絶対に口にしたらあかん」と代表曲を引き合いに笑いを誘った。今季の阪神に合う自身の楽曲を問われると、ハードロックな楽曲「感情のピクセル」を選択。「それぐらいの勢いを感じている」と語った。阪神の本拠地甲子園がある兵庫・西宮市生まれの虎党。「応援歌やチャント(チャンステーマ)を作ってみたい。機会があったら、いつでもオファーしてください」とアピールも忘れなかった。【中島麗】日本シリーズ進出なるか?阪神-広島 オリックス-ロッテ/スコア速報中

◆広島が先制した。0-0の4回、阪神大竹に対して2死から上本が二塁打で出塁すると、7番秋山も遊撃内野安打でつなぎ一、三塁のチャンスを築く。続く坂倉将吾捕手(25)が右前へ詰まりながら落として1点を先取した。坂倉は「打ったのはストレート。まず1点! 先に点を取れて先制することができて良かったです」とコメントした。レギュラーシーズンでは大竹に7戦6敗と苦戦していたが、もう後がない戦いで3試合連続の先制点を奪った。

◆/セ界を制した王者の野球\慌てず動じずすぐさま逆転坂本誠志郎がタイムリー?プロ野球クライマックスシリーズ(2023/10/20)??阪神×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/mS7HZF8rFp

◆阪神坂本誠志郎捕手(29)が値千金の勝ち越し打を放った。1点ビハインドの4回、シェルドン・ノイジー外野手(28)の適時打で同点に追いついた直後だ。なおも2死一、三塁で広島床田から左前適時打を放ち、1点リードを奪った。坂本は打球が三遊間を抜けたことを確認すると、ベンチを思い切り指さしながら一塁へダッシュ。甲子園は大熱狂に包まれた。この回は先頭の中野拓夢内野手(27)が、今CS初安打となる遊撃への内野安打で出塁。リーグ最多安打男がチャンスメークし、一気の逆転につなげた。

◆コイキラー阪神大竹耕太郎投手(28)が5回7安打2失点、105球の粘投で降板した。レギュラーシーズン広島戦で無傷の6勝、防御率0・57と好相性を誇っていたが、この日は苦しい展開が続いた。4回表に先制点を献上した。打線が4回裏にノイジー、坂本の連打で一気に逆転。1点リードをもらった直後の5回表、先頭菊池、小園の中前打で1死一、三塁とされ、4番堂林の左犠飛で同点とされた。その後、2死一、二塁では西川を直球で空振り三振に仕留めた。勝ち越しは阻止したが球数がかさみ、5回裏の打席で代打を送られた。

◆リードは一瞬だった。先制した直後の4回裏、先発床田寛樹投手(28)がノイジー、坂本に連続適時打を浴びて逆転を許した。このシリーズでは3戦連続で先制しているが、過去2戦は逆転負けしている。5回に堂林翔太内野手(32)の犠飛でいったん同点とする。堂林は「チャンスでつないでもらったので何とか最低限、点を取ることが出来てよかったです」と振り返った。だが、同点も長くは続かない。6回2死一、二塁から、床田がまたも坂本に適時打を打たれ再び勝ち越された。

◆/ラッキーボーイとなるか\詰まりながらも落とす坂本誠志郎が2打席連続タイムリー?プロ野球クライマックスシリーズ(2023/10/20)??阪神×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/ab7CGUMMeI

◆また坂本だ! 阪神坂本誠志郎捕手(29)が、今試合2本目の適時打を放った。2-2で同点の6回2死一、二塁。広島床田の148キロ直球に詰まらされながらも、打球は右翼前にぽとりと落ちた。値千金の勝ち越し打。阪神が1点リードを奪った。坂本は4回にも一時勝ち越しの適時打を放っていた。追いつかれても、再びコイに一撃を浴びせ、甲子園を沸かせた。

◆阪神森下翔太外野手(23)が押し出し四球を選び、終盤で貴重な追加点をあげた。1点リードの7回。広島矢崎から先頭木浪が左前打で出塁。1死一塁から近本が申告敬遠されると、中野も四球を選んで1死満塁となり、森下が押し出し四球をゲットした。森下はベンチのナインへ、小さく拳を握りしめた。日本シリーズ進出がかかる一戦。ルーキーが、冷静にボール球を見極めた。

◆二遊間コンビで好捕連発!阪神中野拓夢内野手(27)が8回に痛烈な打球に横っ跳びキャッチするスーパープレーを披露した。2点リードの2回1死一塁。広島代打末包が石井の149キロ直球を痛烈なライナーの打球で飛ばしたが、中野が横っ跳びして好捕。同期入団右腕を助けるプレーにファンも大歓声を送った。初回には先頭菊池のライナーの打球を遊撃手・木浪が横っ跳びキャッチ。二遊間コンビが守備でもり立てた。日本シリーズ進出なるか?阪神-広島 オリックス-ロッテ/スコア速報中

◆広島が阪神に3連敗でアドバンテージ含め0勝4敗となってファイナルステージで敗退し、日本シリーズ進出はならなかった。0-0の4回2死一、三塁から坂倉将吾捕手(25)が、阪神大竹から右前へ詰まりながら落として1点を先制。このシリーズ3戦連続先制点を奪ったが、直後の4回裏に先発床田寛樹投手(28)がノイジー、坂本の連続適時打で逆転された。5回に1度は追いついたが、6回にまたも坂本に適時打を浴びて勝ち越され、7回にも2番手矢崎が押し出し四球を与えて4点目を失った。新井監督1年目の戦いが終わった。

◆阪神が無傷の3連勝でアドバンテージを含む4勝とし、14年以来、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。セ・リーグ優勝球団によるCSファイナルステージ無敗突破は、昨季のヤクルトに続いて過去5度目。3試合連続の逆転勝利で、チャンピオンチームの底力を見せつけた。2-2で同点の6回2死一、二塁。坂本誠志郎捕手(29)が右翼前にしぶとく落とす適時打で勝ち越しに成功した。4回にも一時勝ち越しとなる左前適時打を決めており、2打席連続のタイムリーとなった。7回には1死満塁から森下翔太外野手(23)が押し出し四球を選び、さらに1点を追加。終盤での貴重な追加点を決めた。投げては先発大竹耕太郎投手(28)が105球を要しながらも、5回7安打2失点の粘投。リードを渡さなかった。後を受けた2番手桐敷拓馬投手(24)も回またぎの2イニングを無失点。8回には2死一、二塁のピンチも招いたが、ブルペン陣が踏ん張り、守りきった。18年ぶりのリーグ優勝を決めた今季。次なる目標は1985年以来の日本一だ。38年ぶりの頂点に向け、またひとつ歩を進めた。

◆阪神が無傷の3連勝でアドバンテージを含む4勝とし、14年以来、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。セ・リーグ優勝球団によるCSファイナルステージ無敗突破は、昨季のヤクルトに続いて過去5度目。3試合連続の逆転勝利で、チャンピオンチームの底力を見せつけた。阪神がアドバンテージの1勝を含め4勝0敗で、14年以来7度目の日本シリーズ出場を決めた。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで無敗突破は22年ヤクルト以来15度目になる。<1>戦から3連勝の阪神だが、3試合ともスコア0-1から逆転。ファイナルSで3度の逆転勝ちは05年ロッテ(<1>、<2>、<5>戦)に次いで2度目となり、3試合連続は初めてだ。また、阪神のV打は<1>戦が9番の村上、<2>戦が8番の木浪、<3>戦が7番の坂本。ファイナルSで7番以降の打者が3V打は初めてで、下位打線が活躍した阪神が3試合連続逆転でファイナルSを突破した。

◆阪神岩崎優投手が9回を締め、日本シリーズ進出を決めた。2点リードで登板し2死一、二塁のピンチを作ったものの、最後は西川を左飛に仕留めた。今CSは3連投で1勝2セーブとフル回転。「腕が取れそうなんで、コンディショニングして備えたい」とおどけ、笑いを誘った。岡田監督は「ランナー出すけど打たれない。最後はやってくれると思っていた」と全幅の信頼を寄せていた。▽阪神島本(8回2死一、二塁のピンチで代打松山を右飛)「(好捕した)森下に助けてもらいました。ちょっと甘かったけど、結果が良かったのでよかった」▽阪神石井(3連投でオール無失点)「この3試合はこれからに生かせる試合。日本シリーズもそうですけど、来年また今年より成長したピッチングができるように、経験を糧に頑張っていきたい」

◆阪神が無傷の4連勝(アドバンテージ含む)で14年以来、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。セ・リーグ優勝球団によるCSファイナルステージ無敗突破は、昨季のヤクルトに続いて過去5度目。3試合連続の逆転勝利で、チャンピオンチームの底力を見せつけた。試合後、ファンに向けて実施された岡田彰布監督(65)のインタビューは以下の通り。-9年ぶりの日本シリーズ。この大歓声を聞いてどんな思いか「18日からのね、今日で3試合なんですけど、この超満員の、9割以上の方が阪神ファンで、スタンド埋めてもらって、シーズンよりも、もっとすごい歓声があるというか、それで震えながら投げてたみたいですけど、それほど大きい声援をいただいて、本当にありがとうございました」-特別な環境の中でもシーズン通りの野球を展開「投手陣はね、シーズン通りやってくれたんですけど、打つ方はあんまりシーズン通りいかなかったですね。だから3戦とも苦しいゲームが続いたんですけど、最後はやっぱり優勝チームとして負けられないという気持ちがあったので、僅差のゲームですけど、本当に勝ち切れたと思います」-今日の試合では先発大竹が5回2失点で粘った「今日だけじゃないですけど、3人先発ね、10勝した投手が投げましたけど、もうほとんど初めてのね、こういうステージで、緊張しないというのはうそになるんですけど、その中で3人とも調子そんなによくなかったですけど、本当に2点でしたけど、あとは1点、1点ということで、本当に粘り強く投げてくれたことが3連勝につながったと思いますね」-その後を受けた桐敷はイニングまたぎ。堂々としたマウンドさばきだった「何であんなによくなったのか僕もわからないですけど、オールスター明けからブルペンに入って、短いイニングですけど、なんかそのポジションが合ったみたいで、今日は2イニングで酷だったですけど、あれで流れがね、同点からだったので、こっちに流れがくる、そういうピッチングをしてくれましたね」-ノイジー、中野、森下の守備力も光った「いやいやもう、守り勝ったというね、そういう3試合ね、そういうゲームが続いたので、最後は紙一重のプレーだと思うんですけど、今年やってきたね、守りから入るというか、守備において、最後ね、一番いいプレができたと思いますね」-岩崎が最後を締めくくった「ランナー出すけど、打たれないんですよ。出すけど点をやらないというね、そういう意味でも、最後3-2になった時はちょっとドキドキしましたけど、岩崎ですから、最後はやってくれると思ってましたけど」-坂本が2打点の大活躍「その2打点が、4-2の2点差になったと思うので、守りだけでね、打つ方は期待してないんですけど、でもそういう選手が打ってくれると、やっぱり勝ちますよね」-今日は四球が絡んで得点につながった「この3試合ね、広島のピッチャーがどんどんストライクで、フォアボールを出さないというか、そういう感じだったですけど、早い仕掛けでということをミーティングで話したんですけど、最後の最後で、競ってると甘いボールを投げられないので、そういうフォアボールが絡むというか、今年1年でね、そういう得点したそういうスタイルがね、最後の最後、一番大事なところで出ましたね」-岡田監督が選ぶCSファイナルステージの投打のMVPは「打は、やっぱ木浪ですかね。投は誰だろ...投は誰だろ、まあ全員ですけどね。まあ今日一番大事なところで、2イニング投げてくれた桐敷で」-4勝0敗でカープを退けました「期間が空いたのでね、そういう意味では準備は大変でしたけど、やれることだけはやっておこうということで、宮崎のフェニックスリーグにいったりそういう実戦を踏んで、だから打つ方はちょっと離れてたんで最初から心配でしたけど、ヒットはないけど、ある程度得点はとれたので、そういう意味ではこの期間というは難しいですけど、結果的に3連勝で来れたので、それは非常によかったと思います」-9年ぶり、岡田監督としては18年ぶりの日本シリーズ。ファンは85年以来のアレのアレに期待。最後にメッセージを「クライマックスのファイナルステージですけど、たくさんの声援をもらいました。本当にありがとうございました。まずは第1段階、最初のステージをクリアしたので、パ・リーグの覇者はまだ決まってないですけど、どこでやるかわからないですけど、甲子園では3試合やるので、あと1週間ですが、28日からですね、ちょうど1週間くらいですけど、もう1度打つ方も調子を上げて、相手わからないですけど、とにかくもう1つ上のステージで勝ち上がれるように、頑張りますので、また28日から応援よろしくお願いします」

◆阪神木浪聖也内野手(29)がセCSファイナルステージのMVPに選ばれ、賞金100万円が贈られた。大会冠協賛社である「JERA社」から贈られる100万円と併せて、計200万円獲得となった。木浪は第2戦でサヨナラ打を放つなど、3試合で打率5割の大活躍。「本当大事な試合ばかりで。一戦一戦しっかり自分の役割をしようと、試合前に意気込んで入っていた。それがしっかりできてましたし、何より3試合、守備よかったのが全部いい方向につながった」試合直後のインタビューでは岡田監督も野手MVPに選出。ダブルの喜びとなった。

◆/今年の秋は長い。\38年ぶりの日本一へ向けて阪神が日本シリーズ出場決定?プロ野球クライマックスシリーズ(2023/10/20)??阪神×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/XIPCB0Exde

◆CSでは逆転の虎よ-。岡田阪神が「2023JERAクライマックスシリーズ セ」のファイナルステージ第3戦で3連勝(アドバンテージ1勝を含めると4連勝)を決め、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。同点で迎えた6回、7番坂本誠志郎捕手(29)が2打席連続適時打となる決勝打を決めた。セ・リーグチームのファイナル無敗突破は5チーム目。ファイナルステージでの3試合連続逆転勝ちは両リーグで史上初の快挙だ。あかん、日本シリーズが待ち切れへん!3試合連続逆転勝ちで、無傷のファイナルステージ突破を決めた。3戦ともスタメン野手の並びは同じ。先発10勝トリオが試合をつくり、ブルペン陣が踏ん張り、打線は少ないチャンスをモノにした。シーズン同様の「普通の」岡田野球で、高校野球ばりの全員野球でぶつかってきた新井カープをあっさりはね返した。満面の笑みでお立ち台に上がった指揮官は「シーズンよりもすごい歓声、本当にありがとうございます」と満員の虎党に感謝した。「守りの野球」で突破に導いた。2点リードの8回、1死から上本に三塁線を破られた。セ・リーグ補殺王の左翼ノイジーが低く素早い返球で二塁打にしなかった。続く代打末包の二塁へのライナーには中野がダイビングキャッチ。その後2死一、二塁とピンチが広がったが、最後は代打松山の浅い飛球を右翼森下がスライディングキャッチした。3つの好守で勝利を決定づけ、指揮官は「最後、紙一重のプレーと思うんですけど、守備で最後、一番いいプレーができたと思いますね」と納得顔だ。遊撃手木浪も初回先頭菊池のライナーに飛びついた。この日は試合前の雨のため、シートノックを行わなかったが、シーズン中から可能な限りノックを続けたレギュラー陣が大舞台で最高の守備を見せた。得点した3イニングはすべて四球が絡んだ。7回の4点目は森下の押し出し四球だった。広島投手陣はCSでストライク先行を貫いてきた。それでも阪神打線は最後、きわどい球をしっかり見極めた。「今年1年得点したスタイルが、最後の最後で出ましたね」。レギュラーシーズンでリーグトップ494四球を選んだ打線が、普段通りに得点を重ねた。胴上げもビールかけもなし。あくまでCSは日本シリーズまでの通過点でしかない。「もうひとつ上のステージで勝ち上がれるように頑張ります」。いよいよ85年以来球団2度目、38年ぶりの日本一に挑戦する。【石橋隆雄】阪神がアドバンテージの1勝を含め4勝0敗で、14年以来7度目の日本シリーズ出場を決めた。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで無敗突破は22年ヤクルト以来15度目になる。<1>戦から3連勝の阪神だが、3試合ともスコア0-1から逆転。ファイナルSで3度の逆転勝ちは05年ロッテ(<1>、<2>、<5>戦)に次いで2度目となり、3試合連続は初めてだ。また、阪神のV打は<1>戦が9番の村上、<2>戦が8番の木浪、<3>戦が7番の坂本。ファイナルSで7番以降の打者が3V打は初めてで、下位打線が活躍した阪神が3試合連続逆転でファイナルSを突破した。

◆広島菊池涼介内野手(33)がCSファイナルステージ第3戦(甲子園)で、腰の疲労のため8回の守備から交代した。

◆広島矢崎拓也投手は7回に登板も押し出し四球で1失点。「単純に実力不足かなと。自分で修正することができなかった。ただそれだけかなと思います」

◆広島床田寛樹投手の6回3失点の粘投も、阪神の勢いを止められなかった。1点先制直後の4回裏はノイジーに同点打、坂本に勝ち越し打を浴びた。2-2の6回は、またも坂本に勝ち越し打を許した。自己最多11勝を挙げたシーズンだったが「いいところで終わっていないので。後半も勝てなかったですし、このままなら来年は多分きつい。何とか来年もっといいものを見せられるように考えてやりたい」と向上を誓った。

◆阪神が無傷の4連勝(アドバンテージ含む)で14年以来、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。セ・リーグ優勝球団によるCSファイナルステージ無敗突破は、昨季のヤクルトに続いて過去5度目。3試合連続の逆転勝利で、チャンピオンチームの底力を見せつけた。2-2で同点の6回2死一、二塁。坂本誠志郎捕手(29)が右翼前にしぶとく落とす適時打で勝ち越しに成功した。4回にも一時勝ち越しとなる左前適時打を決めており、2打席連続のタイムリーとなった。7回には1死満塁から森下翔太外野手(23)が押し出し四球を選び、さらに1点を追加。終盤での貴重な追加点を決めた。投げては先発大竹耕太郎投手(28)が105球を要しながらも、5回7安打2失点の粘投。リードを渡さなかった。後を受けた2番手桐敷拓馬投手(24)も回またぎの2イニングを無失点。8回には2死一、二塁のピンチも招いたが、ブルペン陣が踏ん張り、守りきった。18年ぶりのリーグ優勝を決めた今季。次なる目標は1985年以来の日本一だ。岡田彰布監督(65)は試合後のインタビューで「まず第1段階というか、最初のステージクリアしたんで。甲子園では(日本シリーズ)3試合あるんで。もう1度打つ方も調子上げて、みんなで。相手分からないけど、もうひとつ上のステージで勝ち上がれるように頑張るので、応援よろしくお願いします」と語った。38年ぶりの頂点に向け、またひとつ歩を進めた。

◆阪神森下翔太外野手が押し出し四球&スライディングキャッチで貢献した。1点リードの7回1死満塁、広島矢崎から押し出し四球をゲットすると、ベンチに向かって小さく拳を握りしめた。右翼守備では8回2死一、二塁で代打松山の前方への飛球をスライディングキャッチ。「四球をとったり、守備で貢献できたりすることも短期決戦では重要なのが体感できた」。攻守で奮闘し、日本シリーズ進出を呼び込んだ。

◆広島が阪神に3連敗でアドバンテージ含め0勝4敗となってファイナルステージで敗退、日本シリーズ進出はならなかった。試合後の新井貴浩監督(46)の一問一答は以下の通り。-先制から同点、粘りは見せた「みんなよくね、最後の最後まで頑張ってくれたと思います」-3試合とも接戦、振り返って「みんな最後まで諦めずに戦ってくれて、3試合ともいい試合だったと思うと同時にタイガース強いなと。両方ね」-シーズンにない難しさを感じた「それはすごくみんな、初めての選手はいい経験になったと思う」-来季にむけて「みんな本当によく頑張ってくれたから、しっかりと体をリセット、またスタートしていきたい」-敵地甲子園で応援はプレッシャーに「選手の動き見てもいい動きをしていた。そこら辺はあまり選手の動き、表情見ても感じなかった。頼もしいなと思いながらベンチで見ていた」-戦いながら強くなると「若い選手たちも成長してくれたと思う。チームも成長したと思う。開幕時点のチームの力と今、現時点のチームの力は全然成長していると思う」-監督の采配、ファイナル含めて采配に悔いは「どうなんですかね。んー。悔いはない? やっぱりその、チームを預かるものとして勝てなかったのは悔いがある」-チームに感謝「本当にあの、なんていうか、選手の頑張りは戦っていく中ですごく感じた、選手全員にありがとうと言いたい。開幕前はすごく評価が低いチームだったけど、選手が何くそと頑張ってくれて、優勝できなかったけど、2位でクライマックスをできた。本当にみんな頑張ってくれたと思います。この経験を来年につないでいかないといけないなと、思います」-成長は想像を上回るものだった「想像通りかな。想像通りだと思うし、今言ったけど、シーズン前は評価低かった。自分はみんなはこんなもんじゃないと思っていたし、その辺はね。戦いながらも成長してくれたゴールだった」

◆広島の祭りは、静かに終わりを告げた。歓喜の六甲おろしが鳴り響く中、新井貴浩監督(46)は1勝も挙げることなく、甲子園を後にすることとなった。4回に3試合連続となる先制点を奪い、1-2から同点に追いつく粘りも見せた。だが6回、7回に失点。セ界王者の壁は高かった。新井監督 みんな最後まで諦めずに戦ってくれて、3試合ともいい試合だったと思うと同時に、タイガース強いなと。受け入れざるを得ない結果だった。前日までの2敗はいずれもミスが流れを変え、この日はすべての失点に四球が絡んだ。投手陣は3試合を通して阪神中心打者と互角に渡り合い、2試合続けて勝ちパターンを投入する展開に持ち込んだ。だが、勝ち切ることはできなかった。4年連続Bクラスだったチームを新人監督として2位に導き、CSではファーストステージを連勝で突破した。来季の続投が決まっている新井監督は「若い選手たちも成長してくれたと思う。開幕時点のチームの力と、現時点のチームの力は全然成長していると思う」と胸を張った。だが、日本シリーズ出場を果たせず「(チームを)預かる者として、勝てなかったのは悔いがある」とも口にした。シーズンでの収穫と課題、そしてCSで感じた悔しさが、新井カープ2年目の糧となる。【前原淳】

◆阪神坂本誠志郎捕手(29)が、2度の勝ち越し打で日本シリーズ進出に貢献した。4回に左前適時打、同点に追いつかれた6回には右前適時打を放ち、試合を決めた。4回には打った直後、ベンチを指さし感情を爆発させた。「打つ方でずっと迷惑かけてたんで、なんとか貢献したい思いが、ちょっと出ちゃいました」。今CS9打席目での初安打に、思わず照れ笑い。「全然ダメだったんで、開き直っていくしかないなって言う感じで、いいところ飛んでくれてよかったです」とホッとした様子だった。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、桐敷拓馬投手(24)を称賛した。この日は同点の6回から登板し2イニング無失点。回またぎを難なくこなした左腕に「今日は2イニング酷だったけど、あれで流れがね。同点からだったので、こっちに流れが来る、そういうピッチングをしてくれた」とたたえた。指揮官は「何であんなによくなったのか僕も分からない」とプロ2年目の覚醒の理由は分析しきれず...。「短いイニングですけどなんかそのポジションが合ったみたい」と笑った。

◆阪神佐藤輝明内野手が大飛球を放つも"逆浜風"に阻まれた。同点の2回無死一塁、広島床田から左翼へ打ち上げたが、西川に捕球された。普段は右翼から左翼方向へ左打者泣かせの浜風が吹くが、この回は左翼から右翼方向に風が吹いていた。本塁打を予感させる放物線も、一歩届かず天を仰いだ。それでも6回に中前打を放ち、坂本の同点打を呼び込んだ。「つながったのでよかったです」と胸をなで下ろした。

◆阪神大山悠輔内野手が2四球を奪って持ち味を発揮した。2回に7球を投げさせて1個目を勝ち取ると、4回1死一塁ではストレートの四球で好機を拡大。この回2得点の逆転劇を呼び込んだ。今季、セ・リーグ最多99四球を選んだ主砲。CSファイナルステージは3戦で計9打数1安打に終わったが、チーム最多の3四球で貢献した。試合後は「日本シリーズ頑張ります!」と球場を後にした。

◆阪神坂本誠志郎捕手(29)が感情を爆発させた。1-1で迎えた4回2死一、三塁。床田の初球142キロ直球を捉え、三遊間を破った。ほえた。ベンチの仲間へ向かって力強く指さし、一塁へ走った。「打つ方で迷惑かけてたんで、思いがちょっと出ちゃいました」。今CS9打席目での初安打が、一時は勝ち越しとなる左前適時打。気迫で甲子園を熱狂させた。再び同点となった6回2死一、二塁。右前に落とすタイムリーで今度こそ決勝打だ。「どんな形でもランナーをかえすことができてよかった」。床田から今季初安打どころか、適時打2本。梅野の負傷離脱後、扇の要を務めてきた男がCS突破の立役者となった。優勝争い真っただ中の夏、原点を思い出した1日がある。8月19日のDeNA戦。栄枝が代打で犠打を成功させた。試合後、そっと後輩捕手に語りかけた。「俺も思ってたよ。『ダイバン(代打バント)するためにプロ野球選手なったんちゃうぞ...』って」新人だった16年の8月4日DeNA戦。2点ビハインドの9回無死一、二塁で代打犠打を決めた。直後に同点に追いつき、延長戦の末に勝利。坂本にとってプロ通算6打席目だった。原口、岡崎、梅野、鶴岡...。坂本を含め8選手が1軍で捕手として出場したシーズンだった。ルーキーが自らのバットでアピールしたいのは、ごく自然なこと。あれから7年。今だから分かることもある。「悔しい思いはあると思う。でも、キャッチャーって、そういう細かいことの積み重ねで信頼を得て、試合に出させてもらえるようになるんやで」与えられたポジションでの積み重ねが未来につながると知っているから、後輩に捕手として生きる道を説いた。初戦は死球から得点を呼び、前日19日の9回には四球出塁からサヨナラ劇につなげた。「大事なゲームを勝ち切れて、ちょっと自信にもなりました」。つないで、つないで、つないできた男が、ついにヒーローになった。【中野椋】

◆CSでは逆転の虎よ-。岡田阪神が「2023JERAクライマックスシリーズ セ」のファイナルステージ第3戦で3連勝(アドバンテージ1勝を含めると4連勝)を決め、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。同点で迎えた6回、7番坂本誠志郎捕手(29)が2打席連続適時打となる決勝打を決めた。セ・リーグチームのファイナル無敗突破は5チーム目。ファイナルステージでの3試合連続逆転勝ちは両リーグで史上初の快挙だ。あかん、日本シリーズが待ち切れへん!短期決戦に弱かった第1次岡田政権は昔の話だ。猛虎がCS史上初となる3試合連続逆転勝ちで、無傷のファイナルステージ突破を決めた。シーズン同様の「普通の」岡田野球で、高校野球ばりの全員野球でぶつかってきた新井カープをはね返した。「最後は優勝チームとして負けられない気持ちがあったので、僅差ですけど勝ち切れたと思います」。指揮官は満面のお立ち台で胸を張った。球団最速のリーグ優勝を果たした9月14日から1カ月以上が経過し、中33日でCS初戦を迎えた。「そら長いよ」。苦心して調整したが、やはり打線の実戦感覚は急には戻らなかった。それでも「目」は裏切らない。レギュラーシーズンでリーグトップの494四球を選んだ打線が、CSでも少ないチャンスをモノにした。ストライク先行の広島投手陣を相手にこの日、7四球を選んで追い込んだ。10勝トリオの村上、伊藤将、大竹が第1戦から先発で試合をつくった。3人とも100パーセントの出来とはいえなかったが、「守りの野球」が粘りを生んだ。この日は2点リードの8回、1死から上本に三塁線を破られながら、セ・リーグ補殺王の左翼ノイジーが素早い返球で二塁打を阻止。中野にダイビングキャッチが飛び出し、2死一、二塁では代打松山の浅い飛球を右翼森下がスライディングキャッチした。3つの好守で勝利を決定づけ、指揮官は「紙一重のプレーと思うけど、最後、一番いいプレーができた」と納得顔だ。05年はリーグ優勝から中22日の日本シリーズでロッテに4連敗。07、08年のCSもファーストステージで敗退。岡田監督はこれまで短期決戦で1勝8敗だった。今回の調整期間も「打者は難しい」と心配していたが、宮崎でのフェニックスリーグに主力全員を遠征させるなど手を尽くした。3戦とも野手スタメン8人は不動。「代える必要ないやんか。珍しくない。それが普通やろ」。レギュラー固定の王道野球を貫き、若虎たちはますます強くなり続けている。胴上げもビールかけもなし。日本シリーズまでの通過点でしかない。「もうひとつ上のステージで勝ち上がれるように」。85年以来球団2度目、38年ぶりの日本一に挑戦する。【石橋隆雄】阪神がアドバンテージの1勝を含め4勝0敗で、14年以来7度目の日本シリーズ出場を決めた。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで無敗突破は22年ヤクルト以来15度目になる。<1>戦から3連勝の阪神だが、3試合ともスコア0-1から逆転。ファイナルSで3度の逆転勝ちは05年ロッテ(<1>、<2>、<5>戦)に次いで2度目となり、3試合連続は初めてだ。また、阪神のV打は<1>戦が9番の村上、<2>戦が8番の木浪、<3>戦が7番の坂本。ファイナルSで7番以降の打者が3V打は初めてで、下位打線が活躍した阪神が3試合連続逆転でファイナルSを突破した。

◆これぞ、スペードのエースだ。阪神桐敷拓馬投手(24)が2回無安打無失点、3奪三振の快投でCS初白星を挙げた。2-2の同点の6回から登板。3者凡退とし、直後に坂本の勝ち越し打で1点リードの展開も「心の準備はしていました」。ポストシーズン初の回またぎも動じなかった。7回1死で野間に四球を出すも、小園を内角148キロツーシームで空振り三振。最後は堂林を140キロのフォークで空振り三振に斬り、ガッツポーズを決めた。「強気に内角を攻められたので、他の球も有効に使えた」と納得顔だ。岡田監督から「スペードのエース」と称される左腕。指揮官は「何が良くなったのか分からないですけど、(中継ぎの)ポジションが合ったみたいで。2イニングで酷だったけど、流れがくるピッチングをしてくれた」とたたえた。投手MVPを問われた将は「誰にしようかな。うふふふ。全員ですけどね」と迷いながらも「今日一番大事なところで2イニング投げてくれた桐敷に」と名前を挙げた。左腕も思わず照れ笑い。「うれしいですけど、他の先輩方もいるので...。ありがたいことです」と謙遜した。首脳陣の信頼も分厚く、CSでも躍動。日本シリーズでも欠かせない存在となった。「厳しい戦いも続くと思う。短期決戦で1人1人、チームのために腕を振っていきたい」。慢心せずに臨んでいたプロ2年目が赤丸急成長。日本シリーズも流れを渡さない投球を誓った。【三宅ひとみ】

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手が連日の快音で勢いをもたらした。1点を先制された直後の4回2死一、二塁。カウント2-2から「逆らわずに逆方向に打つ意識」で、左腕床田の138キロツーシームを右翼へはじき返した。「ツーストライクに追い込まれていたし、なんとか前に飛ばそうと思っていたよ。点を取られた後だったし、すぐに得点を返すことができて良かったね」。貴重な同点打でなお一、三塁に好機を広げ、直後に坂本の適時打が生まれた。連日の"適時打"だ。前日19日の第2戦でも、1点を追う2回1死一塁で右前打を放った。右翼手が後逸し、一気に一塁走者が生還。打点はつかなかったが、同点に追いつく一打となっていた。6回には四球を選び、8回には強肩発揮で上本の二塁進塁も抑止。バット以外の活躍も忘れず、9年ぶりの日本シリーズ進出に貢献した。

◆阪神中野拓夢内野手が内野安打を放ち、今季CSの初安打を決めた。1点を追う4回先頭。遊撃への弱いゴロで激走した。同イニングの2得点を呼び込む、口火の一打となった。「先頭でもあったし、どんな形でもいいから塁に出ようという気持ちだった」。守っては2点リードの8回1死一塁。一、二塁間へのライナーをダイビングでつかむスーパープレーも披露するなど、攻守で勝利に貢献した。

◆阪神先発大竹耕太郎は勝ち負けつかずも、5回7安打2失点の粘投で勝利に貢献した。4回に3連打を浴び先制点を献上。直後に味方打線が逆転したが、5回1死一、三塁から堂林に左翼への同点犠飛を許し、この回で降板した。先発として試合をつくったが、「力が入ってしまったと思う。長いイニングを投げることができず、後ろのピッチャーには負担をかけて、申し訳ないです」と、反省していた。

◆阪神木浪聖也がCSセの最優秀選手賞を受賞した。第2戦でサヨナラ打を決めるなど、3戦計10打数5安打1打点の大活躍。JERA社から贈られる100万円と合わせ、賞金200万円を獲得した。「1戦1戦自分の役割をしようと試合前に意気込んで入った。何より守備が良かったのが3試合全部いい方向につながった」。試合後には岡田監督からも野手のMVPに選出され、会心の笑顔だった。

◆阪神がアドバンテージ1勝を含め4勝0敗で、14年以来7度目の日本シリーズ出場を決めた。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで無敗突破は22年ヤクルト以来15度目になる。<1>戦から3連勝の阪神だが、3試合ともスコア0-1から逆転。ファイナルSで3度の逆転勝ちは05年ロッテ(<1>、<2>、<5>戦)に次いで2度目となり、3試合連続は初めてだ。また、阪神のV打は<1>戦が9番の村上、<2>戦が8番の木浪、<3>戦が7番の坂本。ファイナルSで7番以降の打者が3V打は初めてで、下位打線が活躍した阪神が3試合連続逆転でファイナルSを突破した。

◆阪神坂本誠志郎捕手(29)が、2度の勝ち越し打で日本シリーズ進出に貢献した。4回に左前適時打、同点に追いつかれた6回には右前適時打を放ち、試合を決めた。捕手として投手陣をまとめ上げ、3連勝に貢献。攻守で背番号12が輝いた。悲劇の仲間を救った夜がある。5月11日ヤクルト戦(甲子園)。救援登板した石井にプロ初勝利がついた試合後のことだ。笑顔のはずの右腕が、暗い顔をしていた。腰を痛めていた。「大丈夫か? 病院紹介するで」異変を察知した坂本は駆け寄った。日付を越えても、緊急治療にも対応してくれる西宮市内の治療院に、すぐさま連絡を入れた。後輩は午前2時ごろまで治療を受けた。結果的に腰の骨に亀裂が入るほどの重傷。ただ、「誠志郎さんが紹介してくれなかったら、どうなっていたことか...」と深夜の応急処置のかいもあり、約1カ月で1軍に戻ることができた。「もちろん大智のためでもあるんだけど、早く戻ってきてくれることがチームのためでもあるから」。いつでも仲間を、チームを思う男だから、そう言える。「当たり前のことをしただけですよ」。そんな優しさで、日本一へ突き進む虎を包み込んでいる。【阪神担当 中野椋】

◆日本野球機構(NPB)は20日、クライマックスシリーズファイナルステージ第4戦の予告先発を発表。阪神先発の才木浩人投手(24)はキャッチボールやショートダッシュなどで調整し、「(出番が)回ってきたら自分の仕事ができるように、精一杯マウンドで投げられたら」と気合を入れた。20日の第3戦で阪神が広島に勝利するか引き分ければ、4勝または3勝1分け(アドバンテージ1勝を含む)となり、日本シリーズ進出が決定するため、才木の登板はなくなる。試合結果次第で登板の有無が決まる状況でも右腕は「村上(頌樹)には『絶対勝てよ、絶対勝てよ』って言ってくるんで。『やかましいわ』言うときました」と笑顔で話した。広島とはレギュラーシーズンで5月21日(甲子園)の1試合に先発し、七回途中5安打1失点(自責0)と好投している。「あまりシーズン中も対戦していなかったので、向こう(相手)もあまり(自分の投球を)見ていないという点では僕はすごくやりやすい。甲子園というのもあるし、左打者が多いのでやりやすいかなと思う」と自信をみなぎらせた。

◆両チームのスターティングメンバーが発表され、日本シリーズ進出に王手の阪神は大竹耕太郎投手(28)が先発する。今季は7度の対戦で6勝0敗、防御率0・57と好結果を残している左腕は「何勝何敗でもやることは一緒」と平常心で大一番に臨む。

◆阪神・木浪聖也内野手(29)に試合開始早々、ビッグプレーが飛び出した。一回先頭で菊池が放ったライナーは二遊間へ。これに反応した木浪は横っ飛びで好捕。先発・大竹を守備で盛り立てた。いきなりの好プレーにスタンドからは「木浪」コールが沸き起こった。木浪は19日の第2戦の九回2死満塁でサヨナラ打を放っており、第2戦の勢いそのままに遊撃の守備で魅せた。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)は四回に3連打で先制点を奪われ、広島に3試合続けて先制を許した。順調にアウトを積み重ねていた大竹が、先手を取られた。2死から上本の当たりが詰まりながらもノイジーの前に落ちて二塁打とされると、続く秋山もボテボテの当たりが遊撃の前に転がって内野安打。一、三塁とされ、坂倉には右翼手の前にポトリと落ちる適時打を打たれた。今季広島から6勝をあげた左腕が、打ち取ったかに見えた当たりを重ねられて1点を失ったが、後続は断って最少失点にとどめた。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)が0-1の四回先頭で遊撃内野安打を放った。カウント2-2からファウルで粘って6球目。床田の124キロスライダーに食らいついた。ボテボテの打球も一塁へ全力疾走。俊足を生かした内野安打で「H」ランプをともした。中野は今シリーズ10打席目で待望の初ヒット。「(チームが)勝てばいい」とビハインドの展開を変えるために、意地の一打を放った。

◆阪神は0―1の四回、シェルドン・ノイジー外野手(28)、坂本誠志郎捕手(29)の適時打で勝ち越しに成功した。全勝での日本シリーズ進出に向け、下位打線が活路を開いた。2死一、二塁でノイジーが床田のツーシームにしぶとく食らいつき、打球は右前に落ちた。二塁から中野が生還して同点に追いつくと、なお一、三塁で続く坂本は初球の直球を捉えて左前へ。鮮やかな逆転劇に、甲子園が大歓声に包まれた。

◆広島・坂倉将吾捕手(25)が先制打を放った。「まずは1点。先に点が取れて良かった」とコメント。「8番」で出場し、四回2死一、三塁で阪神・大竹が2球続けた内角高めの直球を右前へ弾き返した。チームは3試合連続で先制したが、その裏に床田が2失点で逆転を許す。追う展開となった。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)は2―1の五回、犠飛で同点とされ、この回でマウンドを降りた。虎の子のリードを守れなかった。味方が四回に2点を奪って逆転した直後の五回、菊池と小園に安打を許して1死一、三塁のピンチを背負う。ここで4番・堂林に左翼への犠飛を許し、試合を再び振り出しに戻された。なお一、二塁とピンチが続くも、「がんばれ大竹」のコールも力に上本を空振り三振に抑えてガッツポーズ。直後の攻撃で代打を送られて降板。5回まで105球を投じ、7安打2失点だった。

◆広島・堂林翔太内野手(32)が同点の犠飛を放った。「チャンスでつないでもらった。何とか最低限点を取ることができて良かった」。19日の第2戦から2試合連続で「4番・一塁」で出場し、1点を追う五回1死一、三塁で阪神先発・大竹の4球目の直球を左翼へ打ち上げ、タッチアップで三走が生還した。今CSファーストステージを含め初打点を挙げた。チームは四回に先制したが、その裏に床田が2失点。4番の一打で振り出しに戻した。

◆阪神は2―2の六回、坂本誠志郎捕手(29)の適時打で勝ち越しに成功した。佐藤輝の中前打とノイジーの四球で2死一、二塁を作ると、先発・床田から放った打球は右前で弾み、佐藤輝が生還して勝ち越した。四回に続いて2本目の適時打で、全勝でのクライマックスシリーズ突破が現実味を帯びてきた。

◆阪神は広島に全勝で日本シリーズ進出を決めた。1点先制を許した四回、シェルドン・ノイジー外野手(28)、坂本誠志郎捕手(29)の適時打で逆転に成功。五回にも1点を失って追いつかれたが、六回に坂本がこの日2本目の適時打を放って再び勝ち越し。七回にも森下の押し出しで加点した。先発の大竹耕太郎投手(28)は5回7安打2失点。リードを守ることはできなかったが、勝ち越しは許さない粘りの投球をみせた。六回から桐敷が2回を無失点に抑えると、八回は岩貞、石井、島本が無失点。最後は岩崎が3連投でリードを守り、3連勝でCS突破を決めた。阪神の日本シリーズ進出は9年ぶり7度目。

◆レギュラーシーズンと変わらぬ強さを発揮した阪神が広島に全勝で日本シリーズ進出を決めた。3試合での決着に、SNSでは「転売ヤーから土日のチケットを買った人どうなるんやろ?」と転売チケットをめぐる返金トラブルを危惧する声が上がった。甲子園のCSファイナルのチケットは発売から1時間ほどで全席が完売となり、「J」「R」などのチケット二次販売仲介サイトで〝転売ヤー〟たちによる高額出品が相次いでいた。これらのサイトにはステージ勝者の決定後、開催されない可能性がある第4戦以降のチケットも数多く出品されており、すでに売約済みのものもある。悪質なユーザーは正規価格を大きく上回る値付けをしながら、「試合が開催されない場合は80%返金致します」といったただし書きを入れている。J社の利用規約によるとイベントが開催されない場合の取り扱いは「取引に際して特段の取り決めがない場合にはまずは売り手と買い手との取引連絡にて双方の話し合いをお願いしています」となっている。チケット仲介サイトはあくまでユーザー同士の譲渡の場を提供しているというスタンスを崩さないため、返金トラブルが起きる可能性が高い。

◆阪神がアドバンテージを含む対戦成績を4勝0敗とし、2014年以来、9年ぶり7度目の日本シリーズ進出を決めた。一進一退の攻防が続いた六回、坂本誠志郎捕手(29)の2本目の適時打で勝ち越し。さらに七回には森下翔太外野手(23)が押し出し四球を選んで、突き放した。六回からの2イニングを無失点で抑えた桐敷拓馬投手(24)がCS初勝利。九回は3連投の岩崎優投手(32)が2S目(1勝)。チームは28日、パ・リーグの本拠地で開幕する日本シリーズに向かう。岡田彰布監督(65)の球場内でのインタビューは以下の通り。ーー今どんな思いですか「今日で3試合なんですけど、もう超満員の9割以上が阪神ファンでスタンド埋めてもらって、選手もシーズンよりも、もっとすごい歓声があるというか。震えながら投げていたみたいですけど、それほど大きい声援をもらったみたいで、ありがとうございました」ーーシーズン通りの野球を展開したのでは「投手陣はシーズン通りやってくれたんですけど、打つ方はあんまりね、シーズン通り行かなかったですね(場内爆笑)。だから3戦とも結構苦しいゲーム続いたんですけど、最後は優勝チームとして負けられない気持ちがあったんで、僅差のゲームですけど、勝ち切れたと思います」ーー大竹が5回2失点「今日だけじゃないんですけど、3人、先発で10勝した投手が投げたんですけど、ほとんど初めてのステージで、調子、3人ともよくなかったと思うんですけど、本当に今日は2点ですけど、あとは1点、1点で...粘り強く投げてくれたのが3連勝につながったと思います」ーー桐敷が球場の雰囲気を変えた「何で、あんなによくなったのか僕もわからないんですけど、オールスター明けからブルペンに入って、短いイニングですけど、何か、そのポジションが合ったみたいで、今日は2イニングで酷だったですけど、あれで流れがこっちに来るピッチングをしてくれたと思いますね」ーービーズリー、中野、森下のディフェンスが輝いた「守り勝ったという3試合で、最後紙一重のプレーだと思いますが、今年やって来た守りから入るというか、最後一番いいプレーが出来たと思います」ーー岩崎をどう見守っていた「ランナー出すけど、打たれないんですよ。岩崎ですからやってくれると思いました」ーー坂本が2打点「その2打点が2点差になったと思うんで、守るだけで、打つのは期待してないんですけど(場内爆笑)、そういう選手が打ってくれると勝ちますよね」ーー四球がからんだ得点「この3試合、広島のピッチャーがどんどんストライクをね。早い仕掛けを話していたんですけど、最後の最後で競ってると甘いボールを投げられないんで、今年1年の得点したスタイルが一番大事なところで出ましたね」ーー岡田監督が選ぶ投打のMVPは「打はやっぱり木浪ですかね。投は誰だろ...投は誰にしよかな...まあ全員ですけど、今日一番大事なところで2イニング投げてくれた桐敷に」ーー3試合の総括を「期間が空いたんでね。準備は大変だったけども、やれる事はやっておこうということで。宮崎に行ったり、打つ方は最初から心配だったけども、ヒットはないけど、得点取れたんで、結果的に3連勝で終われたんで、よかったです」ーー9年ぶりの日本シリーズ「このファイナルステージで、たくさんの声援もらいまして、ありがとうございました。まず第一段階をクリアしたんで、パ・リーグの覇者と...甲子園で3試合やるんで、もう一度、打つ方も調子を上げて、相手はわからないですが、もう一つ上のステージで勝ち上れるように頑張りますので、また28日から応援よろしくお願いします」

◆阪神は広島に全勝で日本シリーズ進出を決めた。?レギュラーシーズン1位の阪神が3連勝。アドバンテージの1勝を含めて4勝0敗とし、2014年(公式戦2位、日本シリーズ敗退)以来9年ぶり通算7度目の日本シリーズ(S)出場を決めた。CSを突破しての日本S出場は2度目。?日本S出場をかけたプレーオフ、CSを無敗で勝ち上がったのは昨年のヤクルト以来通算15度目(引き分けなしは13度目)。過去14度の日本Sをみると、セ・パともに無敗で突破した21年(ヤクルトが日本一)を含めて7度で日本一、優勝確率は50%。?阪神は第1戦から3試合連続の逆転勝ち。プレーオフ、CSで1ステージに逆転勝ちを3度記録したのは最多タイで、05年第2ステージ(S)のロッテ(第1、2、5戦)以来18年ぶり2度目。3戦連続逆転勝ちはファイナルS史上初(ステージまたぎは19年のソフトバンクのファーストS第2戦-ファイナルS第1戦がある)。?日本シリーズで3試合以上続けて逆転勝ちしたのは1957年第1-3戦の西鉄、2003年第3-5戦の阪神、16年第3-6戦の日本ハム(4試合)の3度。日本シリーズを含めたポストシーズンで2度記録したのは阪神が初めて。

◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(69)は阪神・岡田彰布監督(65)の采配を絶賛。緊張感のある日本シリーズになると予想した。試合開始前から3点勝負になるのではと思っていた。0-0で迎えた四回2死一、三塁。大竹が坂倉に先制打を許した場面。次打者である投手・床田との勝負も考えられたが、阪神ベンチはそれをしなかった。結果的に打たれたが、仮に床田勝負で抑えたとしても、試合前半から守りの姿勢に入っていると選手は感じただろうし、連勝の勢いがそがれていた可能性もあった。納得のできる点の取られ方だったからこそ、直後の一時逆転劇を呼んだのではないか。逆に勝負どころとなった八回は岡田監督が細かな投手継投をした。岩貞、石井、島本と相手の代打攻勢を想定してブルペンで準備させ、無得点に抑えた。短期決戦の鉄則は迷ったら代えること。状態の悪い中継ぎ陣を引っ張っていい結果にはならない。ベンチワークが冴えわたっていた。日本シリーズの相手はまだ決まってはないが、オリックスが優勢。今の阪神打線はどこからでも点がとれる状態だが、オリックスも投手陣がよく守りの野球を掲げている。接戦になるだろうし、少しでもミスした方が負け。そういう意味ではこの日の六回2死一、二塁で一走・ノイジーが坂本の右前適時打で三塁を狙って憤死したようなミスはなくさないといけないし、もちろん采配面も大事になってくる。緊張感のある頂上決戦になりそうだ。

◆広島は逆転負けで阪神のアドバンテージを含む対戦成績が0勝4敗となり、2018年以来の日本シリーズ進出はならなかった。四回に坂倉の適時打で先制したが、その裏に床田が2失点。五回に堂林の犠飛で追いつくも六、七回に1点ずつ失い、競り負けた。試合後の新井貴浩監督(46)の主な一問一答は次の通り。──四回に坂倉の適時打で先制、五回には堂林犠飛で同点と粘りをみせた「みんなよく最後の最後まで頑張ってくれたと思います」──ファイナルステージ全3試合とも接戦だった「みんな最後まで諦めずに戦ってくれた。3試合ともいい試合だったと思うと同時にタイガース強いなと(感じた)。両方ね」──短期決戦はレギュラーシーズンにはない難しさ「初めての選手はいい経験になったと思う」──敵地・甲子園の応援は選手のプレッシャーに「いや。そこらへんは選手の動きや表情を見ても感じなかった。頼もしいなと思いながらベンチで見ていた」──今季は戦いながら強くなると「若い選手たちも成長してくれたし、チームも成長したと思う。開幕時点のチームの力と今のチームの力は、全然成長していると思う」──ファイナルステージの采配に悔いは「どうなんですかね。悔いはない? やっぱりチームを預かる者として勝てなかったのは悔いがある」──チームに感謝「選手の頑張りは戦っていく中ですごく感じたし、選手全員にありがとうと言いたい。開幕前はすごく評価が低いチームだったけど、選手がなにくそと思って頑張ってくれた。優勝できなかったけど、2位でクライマックスシリーズ出場ができた。本当にみんな頑張ってくれたと思います。この経験を来年につなげていかないといけないと思います」──選手の成長は監督の予想をはるかに上回るもの「想像通りかな。今、言ったけど、シーズン前は評価が低かった。自分やみんなはこんなもんじゃないと思っていた。戦いながらも成長してくれた」──来季にむけて「みんな本当によく頑張ってくれたから、しっかり体をリセットして、またスタートしていきたい」

◆広島は3連敗でCS敗退が決まった。広島・新井監督は「みんな最後まで諦めずに戦ってくれた。3試合ともいい試合だったと思うと同時に、タイガースは強いなというのも感じた。この経験を来年につなげていかないといけない」と前を向いた。

◆阪神の木浪がCSの最優秀選手(MVP)に選ばれた。正遊撃手に返り咲いた背番号「0」の名前が呼ばれると、満員の甲子園球場が大歓声に包まれた。「選ばれると思わなかったので、すごくうれしい」と満面の笑みを浮かべた。ファイナルステージ全3試合に「8番・遊撃」で先発出場。第2戦では九回にサヨナラ打。この日の第3戦も2安打で勝利に貢献した。岡田監督も「打は木浪でしょ」と納得の受賞だった。

◆阪神がアドバンテージを含む対戦成績を4勝0敗とし、2014年以来、9年ぶり7度目の日本シリーズ進出を決めた。六回、坂本誠志郎捕手(29)の2本目の適時打で勝ち越し。さらに七回には森下翔太外野手(23)の押し出し四球で加点した。六回からの2イニングを無失点で抑えた桐敷拓馬投手(24)がCS初勝利。九回は3連投の岩崎優投手(32)が2S目(1勝)。最優秀選手には木浪聖也内野手(29)が選ばれた。チームは28日、パ・リーグの本拠地で開幕する日本シリーズに向かう。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(観衆=4万2642人)ーー優勝が決まった翌日からリリーフ陣の見極めと言ってきた「リリーフ点取られたんかな? 取られてないよな? みんな自分の仕事したんちゃう?」ーー打つ方がという話をしていたが「ずっと向こうの方がヒット多かったんちゃうか。せやろ? バッターは難しいからな。また今度は(日本シリーズまで)1週間やから、みんながいい調子になって臨めたらエエけど。ゲームになってみないと分からんからな。バッティングに関してはな」ーー坂本がいいところでタイムリー「どこからでも点を取れるというのは、今年1年ずっとあったからね。チームそら勝つよな、あのへんで点取れたらな」ーー失点後にすぐというのも多かった「何か先に1点取られんと点入らへんような展開やったな。おんなじような展開やもんな、3試合とも」ーー攻撃陣の集中力が出た「だから点は取られるからな。全部0点に抑えられへんからな。ビッグイニングを作られんからな。1点ずつやから。一気に3点、4点になってしまうと攻撃陣も大味になるけどな。1点やから。先頭出たら、バントでスコアリングポジションに送れるというかね。そういうゲームの流れが多かったから。だから先に点取られても、別に思わんかった。はっきり言って」ーー相手に主導権を握らせない3試合だった「そうよな。先発が点を取られて、その後は結果的にはみんな3試合0点に抑えているわけやからな。シーズンもそんな感じやったしな」ーー監督自身も短期決戦は久々だったと思うが、難しさは「そら、紙一重やと思うよ、初戦から言うたけど、守り勝ちかな、はっきり言うて」ーー八回の森下の守備は(2死一、二塁で松山の飛球を好捕)「一、二塁で後ろ下がってたからな。普通の守備位置やったらな、普通に捕れてると思うけど。2点差で後ろのランナー同点という感じやから、後ろ守ってたからな」ーー広島は7四球だった「あっそう。どんどん来るの分かってたからな。前日のミーティングでも言うてたけどな。でもやっぱり、接戦になって大事なところになったら、こういうふうになるいうことやんか。同点で後半行ったらな。最初から簡単にストライクは取れない、いうことや」ーーこのチームはだんだん強くなると言ってきたが、今回またそれを感じたか「うまいこと点取ったなと思うよ。だってチャンスらしいチャンスなかったやん、チャンスらしいチャンスがないところで、点が取れたからな。誰がポイントで回ってくるか分からんわけやから。坂本にしろ、な。少ないチャンスでエエ仕事したから、いろんな意味でも相手を上回ったんちゃうかな」ーー3試合とも野手8人は代えなかった「代える必要ないからな。最後、三者凡退で終わったら、ノイジーの時に岩崎行けると思ったけど、9番まで回ったからな。だから小野寺キャッチボールしとったやん」ーー最近の野球では珍しい「珍しない、それが普通やろ。接戦でいろんなことが起きたらアレやけど、まあ別に、絶対代走が要るという選手もいないし、でも試合に出てなかってもベンチも一緒にやってたで、みんな。出てないから、やってないじゃないから。何もしてないじゃないから。それは全然、出る出んはそれはもう関係ないから。ベンチに入ってる以上は戦闘員やから」

◆広島の床田は打線の奮起に応えられなかった。三回まで無安打の好投だったが、先制した直後の四回につかまり2失点。同点の六回は2死からピンチを招き、坂本に2打席連続の適時打を浴びた。変化球を振らせて追い込んだ後の速球を右前にはじき返され「あの時の持てる精いっぱいを出して打たれたので力負け」と唇をかんだ。今季は自己最多の11勝を挙げた。DeNAとのファーストステージでは初戦を任されるなど、飛躍の年となったが「結局いいところで終わっていない。このままなら来年はきつい」と自分を責めた。

◆執念が打球を押す。大歓声に乗り、白球はポトリと右前へと落ちた。自らのバットでつかんだ次への切符。歓喜の瞬間をマスク越しに感じながら坂本は冷静に勝利の輪に加わった。「全然ダメだったので開き直っていくしかないと。いいところ飛んでくれてよかった」2度の〝勝ち越し打〟が虎を日本シリーズへと導いた。まずは同点に追いついた直後の四回2死一、三塁。床田の初球142キロを狙いすまして振り切った。三遊間を破る一時勝ち越しの左前打は今シリーズの自身初安打。ここ一番の勝負強さを見せつけると、2-2の六回2死一、二塁では148キロ直球に詰まりながらも、正真正銘の勝ち越し打を放って試合を決めた。「結構、僕は大事にしている時間です。甲子園で人がいない時間も少ない中でいろんなことを考えながら走っています」試合開始の6時間前、まだ誰もいない甲子園の外野芝生を黙々と走る坂本の姿があった。捕手として大切にしている試合前のルーティン。たとえそれは、前日にナイターで延長戦を戦っても変わらない。考えるのはやはり投手のことばかり。「うちの投手が誰で、自分が捕っていたら、相手の打者はこんなことを考えながらやるかな」。投手の調子、試合状況、データ...。あらゆる場面を想定し、頭の中でイメージを膨らませる。「みんないいボール投げてくれる。こっちも自信を持ってサインを出していますし、うちの一番の強みです」CSファイナルという大舞台でも最強投手陣の力を最大限発揮させるべく、準備を怠らなかった。だから、最後までマスクをかぶり続け、虎を日本シリーズへと導くことができた。攻守で光った坂本に、岡田監督も「守るだけでね、打つのは期待していないんですけど。でもそういう選手が打ってくれると、やっぱり勝ちますよね」と最大級の賛辞を贈る。「どこが来ても自分たちのやる野球は変わらない。1点でも多く取って、1点でも少なく抑えて、チームが勝てる可能性を最後まで残しながら野球をやるのが僕の仕事」日本一の瞬間まで-。パ・リーグのCS覇者を相手に、ドシッと構える女房役が守り勝つ岡田野球を体現する。(原田遼太郎)

◆さぁ、38年ぶりの日本一へ! 「2023 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」はファイナルステージ第3戦が行われ、阪神は4-2で広島に逆転勝ち。対戦成績をリーグ優勝のアドバンテージ1勝を含めて4勝0敗とし、9年ぶり7度目の日本シリーズ出場を決めた。指揮官として2度目の大舞台に臨む岡田彰布監督(65)は「もうひとつ上のステージで勝ち上がれるよう、がんばる」と、1985年以来の日本一を誓った。28日に敵地で開幕する日本シリーズでパ・リーグのCS覇者と対戦する。セ・リーグ覇者の力量を見せつけた。レギュラーシーズンで11・5ゲーム差をつけた新井鯉に3連勝。日本シリーズ出場を決め、岡田監督は満面の笑みを浮かべて、虎党のエールに応えた。「3戦とも結構苦しいゲームが続いたんですけどね。最後はやっぱり優勝チームとして負けられないという気持ちがあったので。まあ僅差の試合でしたけどね、ホント勝ち切れたと思います」4万2642人で埋まった甲子園のスタンドからは大きな拍手とともに「岡田コール」が巻き起こった。3試合連続の逆転勝利-。この日も先制点は広島だった。0-1の四回にノイジーが同点打。続く坂本が一時勝ち越しとなる適時打を放った。同点に追いつかれるも、坂本が六回に再び勝ち越し打。桐敷が2イニングを抑えると、八回は岩貞、石井、島本と3人を一人一殺でつぎ込み、九回はCSファイナル3連投の岩崎が無失点で切り抜けた。前回リーグ優勝時の「JFK」のような絶対的な方程式はなくても、異なるタイプの好投手がそろう。今季の岡田阪神を象徴するような継投が光った。

◆日本シリーズの夢は散った。3連敗で敗退した広島・新井監督はすがすがしい表情で振り返った。「みんな最後まで諦めず戦ってくれて3試合とも良い試合だったと思うと同時にタイガースは強いなと(感じた)」四回に坂倉の適時打で先制したが、その裏に床田が2点を失い逆転を許す。五回に犠飛で追いついたが、六回に坂本に勝ち越し打を浴び、七回には2番手・矢崎が押し出し四球で追加点を献上。3試合連続で逆転負けとなった。「選手全員にありがとうと言いたい」と新井監督。すでに球団はシーズン終了後に1年契約延長のオファーを出す方針を示しており、続投は決定的な状況だ。明るいキャラクターと積極的な采配でチームを2位に引き上げた指揮官が、2年目の来季こそは2018年以来のリーグ優勝、さらには1984年以来の日本一へと導く。(柏村翔)

◆〝恐怖の8番〟が最高の栄誉を手にした。CSの最優秀選手(MVP)に選ばれた木浪は、やわらかい笑顔で激闘の3試合を振り返った。「3戦とも大事な試合で、一戦一戦、自分の役割をしようと思って入っていた。それがしっかりできましたし、なにより守備がよかったのが全部いい方向につながったかなと思います」驚異の打率・500(10打数5安打)に加えて、19日の第2戦では九回2死満塁でサヨナラ打。見せ場を何度も作り、3連勝に貢献した。MVP発表の前に行われた岡田監督インタビューの中でも「打のMVP」に指名され、目を丸くしながら帽子を取って一礼。誰も疑わない、まさに満場一致の勲章だった。自らを「緊張しやすいタイプ」と表する。それでも「そういう自分がいると分かってやるのも大事」と受け入れ、大一番で力を発揮した。試合に入っていくための〝おまじない〟は「『早く(ボール)飛んでこい』って思ってやってます」。ネガティブな感情を排し、前向きにプレーをこなして試合に入る。その思いを象徴するかのように、この日は一回先頭で菊池の打球をダイビングキャッチ。思いの強さでボールを引き寄せ、MVPまでつかみ取ってみせた。賞金合計200万円の使い道を問われ「まだ、全然決まってない」と苦笑いした。見据えるのは頂点のみ。自身初めての日本シリーズに向け、早くも気を引き締めた。「日本シリーズなんてテレビで見るばかりだった。出る以上は自分の役割をしっかりやりたい」絶好調のMVP男が攻守でがっちり支え、38年ぶりの日本一に向けて躍動する。(邨田直人)

◆午後2時過ぎ、岡田監督がゆらりとクラブハウスから姿を見せた。待っていた虎番キャップ・三木建次らは〝気をつけ〟の姿勢からペコリとあいさつ! 名将は室内練習場に歩を進めながら「この後、土砂降りらしいで。おぅ~土砂降りやで」と繰り返していた。室内での野手陣のフリー打撃が本格的に始まった。ふと外を見れば、みるみるうちに雨雲が-。そしてザザーッ! 編集局から飛び出してきた虎ソナは傘を置いてきた。焦った。だから、甲子園のグラウンドにシートを敷いていた阪神園芸・金沢健児甲子園施設部長に聞いてみた。「すぐに止むし、試合は予定通りの時間から進められそうかな」と涼しい顔。百戦錬磨とはこのこと。ご覧のように午後6時から素晴らしいグラウンドコンディションで行われた。日本シリーズ進出がかかる一戦。ピンとした空気が張りつめているかと思いきや、グラウンドレベルはいつも通りの雰囲気。原口も「久々ですね。痩せました? 会社にいるからストレスたまって?」と虎ソナにジョーク。ストレスだなんて...そんな...ゴホッ。岡田監督、金沢部長にも負けない?予言者が虎番にもいた。1年目の中屋友那。高知中3年時にU―15アジア選手権で侍ジャパンに選ばれ、高知高3年時には選抜大会で甲子園のマウンドに立った経歴の持ち主だが、中屋は試合を取材する際、必ずといっていいほど虎戦士の登場曲を聞いてから球場入りするという。

◆阪神らしく、投打の持ち味を存分に発揮した。打線はここぞのチャンスになると活性化。取られたらすぐ取り返した。この日は、2死後から奪ったのが計3点。あと一歩でチェンジというところだけに、相手に与えるダメージは深い。この打線の最大の特徴は、オーダー固定。これも、ただ固定すればいいというわけではない。選手がそれぞれ、監督の意図をくみ取り、各自の役割をこなして初めて、固定できる。いろいろなタイプがいて、バリエーションに富む、いい打線が出来上がったと思う。投手陣にしても、計算できる先発の枚数が多く、ゲームを作れる。リリーフ陣も、イニングごとを任せられるほど安定している。しかも、昨年まで活躍した湯浅、浜地らは不在。底上げされた層の厚さを感じさせる。その投手陣を支えた捕手・坂本も評価したい。シーズン終盤に梅野が離脱するという不安を、攻守にわたって払拭した。最大の成長株の1人だ。阪神をトータルで評すると、しぶといチーム。日本シリーズでも、接戦をモノにしたいところだろう。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆バモ~ス! バモ~ス! バモ~ス!! 38年ぶりの日本一へ向けてCSファイナルで完璧な全勝、まさに青写真通りやー!!てか、ペナントレースで2位広島とは11.5ゲーム差と離しているのに、このファイナルは虎の強さをあらためて見せつける『アレ祝勝会シリーズ』やんか! やらしいわ~!!(笑)でも、最後まで2023年の岡田タイガースで勝ってくれたのが俺はひたすらうれしいのだ!! 野球の原点、それは『ディフェンス』。それを貫き通した大輪の華にバンザーイ!!先発大竹が今季対広島6勝と大得意にしていたのに、緊張からか苦しい投球...それでも5回7安打を許しながら2失点のマウンド...この男、いや第1、2戦の村上、伊藤将も同じく、耐える強さがあった!! これは日本シリーズで大きな武器になるのだ!!さらに六、七回、まるでマウンドを楽しむように広島打線を封じた桐敷、さらにさらに一人一殺のベンチ采配に応えた岩貞、石井、島本のリリーフ陣、もちろんオーラスは守護神岩崎ときたもんだー!!の猛虎投手王国、サイコーでーす!!

◆今季国内FA権を取得した上本と磯村が試合後、取材に応じ、ともに残留を宣言した。今季12試合で4番を担った上本は「残留です。取りに行く球団がないんで、ここにいます」と語った。DHや代打での出場が主だった磯村は「来年もカープでお世話になります。今まで育ててもらいましたし、このチームでもう一回優勝したい」と明かした。

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