1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ロッテ | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 5 | 11 | 0 | 0 |
ORIX | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 4 | 0 | 1 | X | 8 | 9 | 0 | 0 |
勝利投手:山本 由伸(1勝0敗0S) (セーブ:平野 佳寿(0勝0敗1S)) 敗戦投手:中村 稔弥(0勝1敗0S) |
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◆オリックスがファイナルステージ初戦を制した。オリックスは3点ビハインドで迎えた4回裏、紅林と宗の連続適時打で同点とする。再びリードを許した直後の6回には、杉本の適時二塁打などで4点を奪い、試合をひっくり返した。敗れたロッテは、投手陣がリードを守りきれなかった。
◆18日の公示が発表され、オリックスは平野佳寿投手(39)、山崎颯一郎投手(25)、頓宮裕真捕手(26)、宜保翔内野手(22)が出場選手登録された。胴上げ投手の山崎颯は「左腸腰筋の筋損傷」で9月27日に抹消されてから復帰。自身初の首位打者を獲得した頓宮も「左第4中足骨疲労骨折」で9月16日に抹消されていたが1軍復帰となった。一方で、安達了一内野手(35)が右ふくらはぎのヒラメ筋の筋損傷のため出場選手登録を抹消された。
◆リーグ3連覇のオリックスと、ファーストステージを勝ち上がった2位ロッテと日本シリーズをかけた戦いが開幕する。オリックスはNPB史上初の3年連続4冠山本由伸投手(25)がロッテ打線に対峙(たいじ)する。対するロッテは、ファーストステージ第3戦でサヨナラ打を放った安田尚憲内野手(24)が「5番三塁」でスタメン。4戦先勝で、オリックスにはアドバンデージの1勝が与えられている。
◆昨年までオリックスで活躍したレッドソックス吉田正尚外野手(30)が毎日放送の生放送のゲストで来場した。試合前にOBの能見篤史氏(44)とグラウンドレベルからレポート。「スーツだと違和感がありますね」と苦笑いし、メジャー1年目を「あっと言う間に終わって、振り返る時間もないまま帰ってきました。大きなケガなく完走できたのは今後につながると思う。英語も食事もアジャストが難しかったです」と報告した。能見氏から「環境が変わっても自分のペースでできるのがね。オリックスの時も遅刻しても全然でしたから」と突然暴露され「いやいや、何とか滑り込むっていうか...」と笑わせた。また、ユニホームのパンツを高い位置ではく独特の着こなしについて言及するレアな一幕も。「気持ちいいところ(ポジション)があって。骨盤に乗っかるのが落ち着くんです。上げとかないと。落ちると気になっちゃう」と理由を明かした。解説は初めて。青学大の先輩でもある杉本裕太郎外野手(32)は「正尚にほめられるプレーをしたい」と話していた。吉田は「能見大先生がいるので、横で聞いておきます。やっぱりロッテさんは勢いで来ている。試合勘が1つと、試合の入り、個人のワンプレーが大事になると思う。僕も去年経験している。乗っていけるかズルズルいくか。(杉本)先輩はいいところを持っていくので楽しみです」と重要な一戦と位置づけた。
◆昨年までオリックスに在籍し、日本一の立役者となったOB2人が特別始球式として登場した。マウンドには昨年限りで引退した能見篤史氏、打席には昨年オフにレッドソックスへと移籍した吉田正尚が入った。外角高めに投じた1球にともに笑顔。最後は両者ともに笑顔を見せて一緒に写真におさまった。
◆オリックス宮城大弥投手(22)の妹でタレントの宮城弥生(17)が、リポーターデビューした。中継を行う毎日放送のリポーターとして来場。試合前にはオリックスOBの能見篤史氏(44)、レッドソックス吉田正尚外野手(30)とともに、淡い色のワンピース姿でグラウンドレベルからリポート。「1試合1試合楽しみたい」と初々しく話していた。
◆ロッテのグレゴリー・ポランコ外野手(32)が先制打を放った。1回1死二、三塁でオリックス山本の初球ストレートを捉え、右中間へ運ぶ先制適時二塁打。右拳を挙げて喜びをあらわにした。今季26本で本塁打王を獲得したロッテの主砲は、球団を通して「昨日ずっと山本投手の動画を見て今日の対策を練ってました。ストレートを狙ってアグレッシブに振りにいった! 次も頑張る!」とコメントした。
◆オリックスは先発の山本由伸投手(25)が初回に5安打3失点とロッテ打線につかまった。初回の3失点と、1イニング被安打5はいずれも自身今季ワースト記録となった。NPB史上初の3年連続最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振の4タイトルを獲得した大エースがまさかの乱調だ。先頭の荻野貴の2球目、山本のグラブをはじく内野安打で出塁を許した。なお1死二、三塁から4番角中に右越えの適時二塁打を浴び、2点を先制された。さらに5番安田、6番岡に連打を浴び、7番山口のショートゴロの間に1点を失った。最後は8番松川から空振り三振を奪い、27球で初回を終えた。
◆昨年までオリックスで活躍したレッドソックス吉田正尚外野手(30)が毎日放送で初のテレビ解説を務めた。試合の入りをポイントに挙げていた通り、開始から山本を苦しめたロッテ打線について「ただがむしゃらに攻めているわけではないですね。チームとしてなのか、個人なのか」と、研究がものを言っていると分析。始球式にもサプライズで登場し、大歓声を浴びながらOB能見篤史氏(44)の球を空振りした。
◆オリックス中川圭太内野手(27)の死球に球場が一時騒然となった。3回2死後、ロッテ先発の美馬が投じた2球目が右手付近に直撃し、その場で数秒間動けず。親指を押さえながら、いったんベンチへと下がり、約3分後に再び登場。直後の4回表、センターへの守備に就く際は観客から温かい拍手を送られた。
◆オリックスが宗佑磨内野手(27)の「あっち向いてホイ」打法で同点に追いついた。3点を追う4回、紅林弘太郎内野手(21)の右中間二塁打で2点を返した。続く宗は内角変化球を強振。引っ張ったように体は一塁方向を向いていたが、当たりそこねの打球は不規則なバウンドで三塁線を抜けていった。毎日放送でゲスト解説のレッドソックス吉田正尚外野手(30)はVTRを見ながら「あっち向いてホイですね」と笑って解説。スイングと打球方向が違う場合によく使われる表現。SNSは「正尚さん、あっち向いてホイって何(笑い)」「あれがフェアになるの?」「ギータみたいなヒット!」と盛り上がっていた。
◆カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(26)が18日、自身のインスタグラムのストーリーズを更新し、京セラドーム大阪でCSファイナルステージを観戦していることを伝えた。この日のオリックス先発は今春WBC侍JAPANでともに戦った山本由伸投手(25)。さらにテレビ中継の解説ではレッドソックスの吉田正尚外野手(30)が訪れており、X(旧ツイッター)では「ヌートバー京セラにいる!」「正尚とヌートバーは代打よろ」など侍戦士の集結にファンも盛り上がった。
◆初回に3点の援護をもらったロッテ美馬学投手(37)は3回まで無失点投球を続けていたが、4回に同点に追いつかれて降板した。3-0で迎えた4回2死一、二塁。第1打席で鋭い当たりの右飛を放っていた7番紅林に、右中間へ適時二塁打を許して2失点。続く8番宗に127キロスライダーを左翼線へ運ばれ同点とされた。4回3失点でマウンドを降りたチーム最年長右腕は「リードを守り切れず、早い回での降板になってしまい、あとの投手に申し訳ないです。同点になってしまいましたが、チームメートをしっかりと応援したいと思います」と球団を通してコメント。チームは早めの継投策に転じた。
◆オリックスは中盤に打線がつながり、最大3点あったビハインドをひっくり返した。4回に3-3と追い付き、6回は3-4と再び1点を勝ち越しされた。その直後だった。先頭のセデーニョが四球で出塁て、続くラオウ杉本裕太郎外野手(32)が右中間を破る適時二塁打。セデーニョの激走も光って同点の追い付いた。さらに無死一、三塁では、紅林弘太郎内野手(21)が右前に勝ち越し打。紅林は2打席連続適時打で、今季初の3打点となった。さらに、1死二、三塁から9番若月健矢捕手(28)の投ゴロの間に1点を追加。1番中川圭太内野手(27)にも適時打が生まれた。この回4得点で一気に逆転した。
◆ロッテが荻野貴司外野手(37)の一打で勝ち越しに成功した。3-3の同点で迎えた6回。荻野は2死二塁で山本の初球145キロカットボールを中前に運んだ。二塁走者の山口は生還も、荻野は挟殺プレーで走塁死となった。ここまで3打数2安打1打点と存在感を放っている。
◆オリックスはロッテに逆転勝ちし、アドバンテージの1勝を含めて2勝0敗とした。序盤からまさかの展開だった。エース山本由伸投手(25)が初回に5安打を浴びて3失点。山本の初回5失点と1イニング被安打5は今季ワーストと、序盤からリードを許した。それでもリーグ打率トップの打線が中盤につながった。4回は紅林弘太郎内野手(21)の2点適時二塁打と宗佑磨内野手(27)の適時打で同点に追いつく。6回には1点を勝ち越されたが、直後の攻撃で杉本裕太郎外野手(32)の二塁打で同点とすると、紅林が2打席連続となる適時打で勝ち越しに成功する。先発山本はロッテ打線に7回10安打5失点。CS初失点となったが、打線の援護もありリードした展開で降板した。8回からは継投に入り、リードを保って1戦目をものにした。優勝のアドバンテージも含めて2勝0敗発進。打線が奮闘し、圧倒的有利な状況に持ち込んだ。オリックスは21年にも同じくロッテを相手にファイナルステージで初戦白星。このときは最短の3戦で日本シリーズ進出を決めており、2戦目以降も一気にたたみかけたい。
◆オリックスがCSファイナルステージ初戦に勝ち、優勝球団のアドバンテージと合わせて2勝0敗とした。日本シリーズ出場のかかったプレーオフやCSで、2勝0敗とした球団は昨年まで28度。うち27チームがそのまま突破しており、進出の可能性は96%。逆転で敗退したのは17年の広島のみで、パ・リーグののべ18チームは、例外なくそのまま日本シリーズへ進んでいる。オリックスが3年連続日本シリーズへ大きく前進した。
◆19日のCSファイナルステージ第2戦の予告先発が18日の第1戦終了後に発表され、オリックスは田嶋大樹投手(27)が託された。大役を任された左腕は「ちょっとびっくりしたところもあります。任せられたことは、ものすごく感謝してますし、任せられた分は、しっかり働きたい」と意気込んだ。今季は12試合に先発し、6勝4敗。左前腕の張りなどの影響で6月上旬に離脱したが、約3カ月ぶりの先発となった8月30日のソフトバンク戦(福岡PayPayドーム)で勝利。シーズン終盤戦の8、9月は4試合の先発で2勝1敗だった。先発は9月30日楽天戦()以来で、ロッテ戦は5月17日(ZOZOマリン)以来となる。ロッテが劇的勝利で突破したCSファーストステージはあえて見なかった。「変なイメージがついちゃうので。僕は見ないようにします。フラットで行きたい」と短期決戦にも平常心で挑む。
◆ロッテがオリックスに敗れ、初戦を落とした。3年連続投手4冠のオリックス山本に7回10安打で5点を奪ったが、投手陣が打ち込まれた。初回にはポランコが右中間への適時二塁打などで3得点と幸先良いスタートを切った。同点に追いつかれた6回には、2死二塁から荻野貴司外野手(37)が山本の初球145キロカットボールを中前へはじき返す勝ち越し打を放った。だがその裏、3番手中村稔が杉本に同点打を浴びると、さらに東妻が紅林に左前への勝ち越し打を許した。ファーストステージ第2戦でサヨナラ勝ちして勝ち上がった勢いのまま、敵地に乗り込んだロッテだったが、3連覇チームの強さに屈した。優勝球団で1勝のアドバンテージのあるオリックスはこれでファイナル2勝目となり、ロッテは苦しいスタートとなった。
◆オリックス杉本裕太郎外野手が"誓い"を果たした。1点を追う6回無死一塁から右中間を破る同点二塁打。一気に4点の逆転劇までつながり「うまく逆方向に打つことができました」と胸を張った。青学大の後輩でもある吉田がテレビ解説をすることになり「正尚にほめられるプレーを」と語っていたりの勝負強さ。吉田も「右中間、素晴らしかったです」と称賛していた。
◆ロッテ美馬学投手が4回に崩れた。2死二塁からゴンザレスに四球を与え、続く紅林に2点適時二塁打を献上。さらに宗には三塁線を破られる同点適時打を浴びた。打線が1回に山本から奪った3点リードを吐き出して、この回限りで降板。「なんとか勝った状態で次につなげたかった。同点にされ、4回までしか投げられなかったので、すごく残念な感じになってしまった」と振り返った。
◆高卒4年目で3度目のCSに挑むオリックス紅林弘太郎内野手(21)が自身CS史上最高の働き。決勝打を含む2安打3打点で逆転勝ちに大きく貢献した。大歓声が2度、紅林に降り注いだ。まずは3点ビハインドの4回。2死一、二塁から打席に入ると、フルカウントから右中間へはじき返した。「とにかく何とかしたい気持ちだけで打ちました」と2者を生還させる一打で嫌なムードを吹き飛ばした。さらに6回。同点に追いついてなおも無死一、三塁で打席が回ると再び追い込まれた。それでもスライダーをしぶとく右前へ運び、「食らいついていった。うまく粘って打ててよかった」とガッツポーズ。勝ち越しの右前打に再び球場が沸いた。いずれも追い込まれてから右方向へと運んだ。「逆方向にライナーが飛んでいるのはいいこと。本当は浅いカウントの甘い球をしとめたいが、ポイントに呼び込める」と不利な状況を前向きに捉えて好結果を生み出している。初回にエース山本が3失点。紅林も「正直先制されるのは予想していなかった」とまさかの展開だった。お立ち台では「珍しく由伸さんがああいいう感じだったんで...」と笑いを誘いつつ、「いつも助けられている分、僕たちが助けないと」とバットで救った。過去2年はいずれも苦しんだCS。21年は3試合にスタメン出場も9打席ノーヒットで4三振。昨年も9打数2安打と通算2安打で打率は1割1分1厘と勢いに乗るチームとは対照的に不調だった。だが今年は初戦から反撃の2点打に加えて、決勝打と2安打3打点。ひと味違う姿で存在感を見せた。今季初めての3打点はCSファイナルの初戦と大事な一戦で飛び出し、「日本シリーズに導けるようにこのまま打っていきたい」。背番号24が主役の座を狙う。【林亮佑】
◆オリックス宗佑磨内野手が「あっち向いてホイ」打法で相手を幻惑した。3点を追う4回。2点を返しなお2死二塁で美馬の内角変化球を強振。引っ張ったように体は一塁側を向いたが、変則回転の打球は三塁手安田の脇を抜けて左翼ファウルグラウンドに転がった。場内もどよめく一時同点打に「由伸が粘り強く投げていたのでなんとか追いつくことができてよかったです」と声をはずませた。
◆昨年までオリックスで活躍したレッドソックス吉田正尚外野手(30)がMBSで初のテレビ解説を務めた。試合の入りをポイントに挙げていた通り、初回にエース山本が3失点しながら逆転勝ち。「1点ずつ積み重ねて各打者が役割を果たしたいいゲーム。今日の勝ちは大きいと思います」と評した。始球式にもサプライズで登場し、大歓声を浴びながらOB能見篤史氏(44)の球を空振りした。
◆オリックスはCSファイナルステージ初戦に逆転勝ちし、優勝球団のアドバンテージと合わせて2勝0敗とした。お立ち台には、6回に決勝打を放った紅林弘太郎内野手(21)と、一時同点打を含む2安打の宗佑磨内野手(27)、さらにともに適時打を放った杉本裕太郎内野手(32)と若月健矢捕手(28)が上がった。4人の一問一答は以下の通り。【紅林】-4回の適時打珍しく由伸さんがああいう感じだったので。いつも助けられてる分、僕たち野手が助けないといけないな、と思って打席に立ちました。-山本投手にはどんな声かけ切り替えて行けよ、という感じで(笑い)。「OK」と。-打った瞬間歓声が上がっためちゃめちゃ聞こえていて歓声あったので。これからもよろしくお願いします。-6回勝ち越し打の打席由伸さんがああいう感じだったので何点あってもいいと思って立ちました。-いずれも追い込まれてからの適時打試合前、頓宮さんから2ストライク後の方が良いと教えてもらって。追い込まれるまで待てと。頓宮さんのおかげです。-追い込まれてからの打率は2割7分。意識は食らいついた結果だと思います。【宗】-紅林のタイムリーは僕が決めたかった。先に決められたんですけどナイスバッティングでした。-4回の打席紅林がいいバッティングしたので流れに乗っていこうと。打球を見失ってどこ行ったかわからなかったんですけど、歓声でいい感じなんじゃないか、と。-序盤苦しかった珍しくああいう感じだったので、初回マウンド行ったときふざけようかなと思ったんですけど、軽く怒られて。僕も真剣にやろうと集中しました。【杉本】-6回適時打いい感じでした。セデーニョがナイスランです。ありがとうございます。-どのような準備を1週間前から宗が調子いいと言っていたので宗につなぐ気持ちでした。-声援もとても大きい声援が聞こえているのでもっと大きい声援をお願いします。【若月】-8回適時打行ったかと思いました。-初戦ものにした勝って明日からも気を引き締めていきたいです。-序盤は苦しかった3点ビハインドから跳ね返せる打線が素晴らしいと思います。-明日以降へ向けて明日からも精いっぱい頑張ります。応援お願いします。
◆ロッテが痛恨の逆転負けを喫した。打線がノーヒットノーランを含む今季4戦3敗のオリックス山本に10安打で5得点。だが投手陣が踏ん張りきれなかった。ポイントは4-3と勝ち越した直後の6回だった。吉井監督は「対戦成績を見たら左の方が弱いバッターが続いていたので、中村(稔弥)のシンカーでいけると思って出したんですけれど。作戦を出したのはこっちなので」と説明し、責任は自身が負った。左腕の中村稔が先頭に四球後、杉本に右中間を破る同点二塁打。続くゴンザレスに2ボールとすると「かなり緊張していたみたい。いつもの球が投げられなかったから『これじゃ投げても一緒だな』と思って」と東妻に交代。東妻は「西村さんが先かなと思っていた。だけどしっかり気持ちをつくっていた。自分は紅林さんに打たれていなかったので」とマウンドに向かったが、紅林の右前適時打で勝ち越され、一挙4失点につながった。指揮官は「松川は正解」と前置きした上で、配球に苦言を呈した。中村稔にはシンカーを多投させ、東妻には対紅林でスライダーを6球連続で要求。「松川の欠点でピンチになると変化球が多くなる。もうちょい勉強しないと、この先もピンチの場面で起きるかなと思う」。松川も「データ的にも(変化球が)合ってないのがあったんですけれど、考えれば真っすぐをどこかで使えば良かった。もっと違った配球も出来たんじゃないかと思う」と反省した。初戦を落とし、アドバンテージを含めれば2敗。収穫と反省を次に生かすしかない。【鎌田直秀】
◆オリックス山本由伸投手(25)が、5失点と苦しみながらも勝利投手になった。初回に3点先制されるなど7回116球を投げて10安打を許した。今季のレギュラーシーズンワースト4失点を上回る失点も、打線の奮起に救われた。5失点以上の白星は自身初。今オフにはポスティングシステムでメジャー移籍が見込まれる右腕。ネット裏に集結したメジャー9球団のスカウトからは「(年俸総額)300億円ぐらいになるよ」と声が上がった。紅林が決勝打を放った瞬間、ベンチの山本はぐっと両手を伸ばした。「野手の皆さんとリリーフのおかげでなんとか勝てたので、とにかく感謝しています」。快投で助けてきたエースが、仲間に助けられた。3年連続で任された初陣。まさかの展開だった。初回、先頭荻野の打球が山本のグラブをはじいて内野安打となると、5安打を浴び一挙3失点。「1点でも失点を少なくなんとか抑えられてたら、もっと楽な展開になったかなと思う。しっかり3点取られたんで、切り替えて投げました」。いつもの笑顔も影を潜めたが、エースの意地は失わなかった。2回からは0を並べ、6回も最少失点で踏みとどまった。6回で109球を投げたが7回の続投を希望。再び1点を失ったが、最後は併殺で切り抜けた。「全然いいボールがいってなかったですし、ボール球もすごく多かった。いろいろ苦労しながらのピッチングになりました」。苦しみながらも力を込めたからこそ、味方が救ってくれた。プレッシャーのかかる場面でこそ真価を発揮する。2年連続のノーヒットノーランを達成した9月9日ロッテ戦には、大リーグの20人以上の関係者が大集結。ネット裏でスピードガンを手にしたスカウトは驚いた。「いつもは少し遅い直球が何球かあるんだけど、全てが150キロ台の素晴らしい球だった」。注目されるほどギアが上がる姿に、思わずうなった。この日もピューティラGMが直接訪れたジャイアンツやヤンキースら9球団が視察。スカウトからは早くも「(総額)300億円もありえるよ」の言葉も飛び出した。周囲の注目度は増すばかりだ。初戦を取れば、パ・リーグでは日本シリーズ進出率100%。エースは「野手の皆さんが逆転してくれたことに感謝しかありません」。次は満足のいく快投でチームを助ける。【磯綾乃】
◆ロッテは初回にグレゴリー・ポランコ外野手(32)の右中間先制適時二塁打などで3点を奪うなど、オリックス山本から7回10安打で5得点を挙げるも、継投がうまくいかずに逆転負けを喫した。吉井理人監督(58)が試合後、打線の評価や、6回に大量失点を喫した投手起用の意図などを明かした。-打線はしっかり山本投手を攻略したが細かいことは言えないですけれど、いろいろ工夫して、山本投手のことはいろいろしてくれたと思います。-美馬が4回に降板。継投は難しかった6回のところですよね。右が続くところだったんですけど、対戦成績を見たら左の方が弱いバッターが続いていたので、中村のシンカーいけると思って出したんですけど。中村が打たれたんですけれど、出したのはこっちなので。次また頑張ってほしい。-2ボールからの継投、シーズン中はなかったいつもの中村じゃなかったので。かなり緊張してたみたいで、いつもの球が投げられていなかったから『これじゃ投げても一緒だな』と思って代えました。-攻撃良い形、次戦にもピッチャーが違うのでね、どうなるかわからないですけども次もいけるように対策は練っていきたい。-東妻は紅林にはスライダーを6球続けたここで言う話ではないんですけど、松川の欠点で、ピンチになると変化球が多くなって、今日の中村も10球かそれくらい投げて9割シンカーだったんですよ。東妻も6球続けてスライダーだったので、ああいうところを、もうちょい勉強しないと、この先ピンチの場面ではああいうことが起こるかなと思います。でも出してるのはこちらで、松川はあそこが正解だったと思います。
◆オリックス山本由伸投手(25)が、5失点と苦しみながらも勝利投手になった。初回に3点先制されるなど7回116球を投げて10安打を許した。今季のレギュラーシーズンワースト4失点を上回る失点も、打線の奮起に救われた。5失点以上の白星は自身初。今オフにはポスティングシステムでメジャー移籍が見込まれる右腕。ネット裏に集結したメジャー9球団のスカウトからは「(年俸総額)300億円ぐらいになるよ」と声が上がった。山本が初回に5安打を浴び3失点するなど、7回を投げ5失点も勝利投手に。公式戦を含め、山本が1イニングに5安打以上許したのは17年10月9日ロッテ戦の4回に5安打、19年7月5日ソフトバンク戦の4回に6安打に次ぎ3度目で、5失点以上の白星は初めてだ。これでCSの山本は21年ファイナルS<1>戦、22年ファイナルS<1>戦に次いで3戦3勝。プレーオフ、CSで初登板から3戦3勝は06~08年ダルビッシュ(日本ハム=5戦5勝)07~08年川上(中日)09~13年田中(楽天)15~16年バンデンハーク(ソフトバンク)に次いで5人目。
◆ロッテは初回にグレゴリー・ポランコ外野手(32)の右中間先制適時二塁打などで3点を奪うなど、オリックス山本から7回10安打で5得点を挙げるも、継投がうまくいかずに逆転負けを喫した。ロッテは13年以降、日本シリーズ進出をかけたCSで、アドバンテージの1敗を除き13年楽天に●○●●、15年ソフトバンクに●●●、20年ソフトバンクに●●、21年オリックスに●●△、23年オリックスに●。1分けを挟み通算10連敗となった(20年は上位2チームだけが対戦した1ステージ制。他はファイナルステージ)。
◆ロッテ黒木知宏投手コーチ(49)が試合後、1点を勝ち越した直後の6回の継投について振り返った。3番手で中村稔弥投手(27)を起用も、先頭の4番セデーニョに四球。5番杉本に右中間を破られて同点適時二塁打を浴びた。さらに、6番ゴンザレスを2ボールとしたところで4番手の東妻勇輔投手(27)を投入したが、オリックス打線を止められず、この回に一挙4失点。試合を決められてしまった。黒木投手コーチは中村稔をゴンザレスとの対戦中に交代させた継投について「あれはちょっとストライクが入る感じがなかったと(吉井)監督と話をして、そのままピンチを招くのであればっていう判断で、あそこで継投しました」と説明。東妻は厳しい場面での登板となったことについても「厳しいのは分かった上で我々は送り出しているので、いろんなことを想定しながらというところ。ベンチの采配としては、あそこは最善を尽くすってところで、中村にちょっと悪かったですけど東妻にしたというところですね」と振り返った。
◆39歳のオリックス平野佳寿投手がポストシーズン最年長セーブを挙げた。9回に登板し先頭荻野をフォークで右飛、藤岡を149キロ直球で一ゴロ。角中に四球を与えた後は4番ポランコを一ゴロに仕留めた。2日に日米通算250セーブを達成した際に「まだ引退するつもりはないので、ここから1つでも伸ばせるように、若い子たちに負けないように頑張っていきたい」と意欲を燃やした守護神が、CSでも変わらぬ存在感を示した。平野佳が21年以来となるCS通算3セーブ目。平野佳は39歳7カ月で、日本シリーズも含めたポストシーズンでの最年長セーブとなった。これまでの年長記録は、19年藤川(阪神)がCS1Sでマークした39歳2カ月。
◆今季対戦成績はオリックスが15勝8敗2分けで、同球場でも9勝3敗1分け。1点差試合がオリックスの6勝1敗、六回終了時点で2点差以内の試合がオリックスの9勝2敗1分け。いずれもオリックスが大きく勝ち越し、同球場での接戦の勝負強さが光る。対戦打率はオリックスが・239、ロッテが・227と両軍ともに抑えられている。空中戦ではオリックスが13本に対し、ロッテが4本とオリックスに軍配。先制試合はオリックスが13試合で10勝2敗1分けと圧倒的に強く、ロッテは11試合で6勝5敗と勝ち越している。両軍ともに投手陣が良く、オリックスは逆転負け(18度=当該対戦3度、ロッテは25度=同5度)が両リーグで最も少ないだけに、ロッテにとっては先取点が重要になる。オリックスの先発陣の対戦防御率は2・42で、宮城が同1・06(3勝0敗)、山本が同0・64(3勝1敗)、東が同2・13(2勝0敗)と盤石。ロッテの先発陣は同2・83で、西野が同0・60(0勝1敗)、佐々木朗が同1・45(2勝1敗)と遜色ない。同2・23(1勝2敗)と計算できる種市が離脱となると大きな痛手となる。
◆2年連続日本一を目指すべく、オリックスのクライマックスシリーズが開幕。けがで離脱していた主力が続々と1軍登録された。9月中旬に左第4中足骨疲労骨折で離脱した頓宮裕真捕手(26)が登録。打率・307でパ・リーグ首位打者を獲得したバットマン。けがを乗り越え、11日の紅白戦で実戦復帰を果たすと、14日の紅白戦で2安打をマークするなど、打棒に期待がかかる。加えて、左腸腰筋の筋損傷で抹消された山崎颯一郎投手(25)も登録。チーム最多53試合に登板した救援投手が1軍の舞台に戻ってきた。平野佳寿投手(39)、宜保翔内野手(22)も登録され、1軍に合流した。ただ、安達了一内野手(35)は、大阪市内の病院を受診し、右ヒラメ筋の筋損傷との診断を受け、登録を抹消。今後は患部の状態を確認しながら、練習、リハビリなどを行っていくとしている。
◆2年連続日本一へオリックスの短期決戦が幕が上がる。先陣を切るのは、3年連続投手4冠を獲得した山本由伸投手(25)。シーズン同様、圧巻の投球でチームに勢いをもたらすことができるか。対するロッテは劇的な勝利でCSファーストステージを勝ち抜いた。勢いそのままに王者に食らいつく。
◆レッドソックス・吉田正尚外野手(30)が試合前の特別始球式に登場した。ともに球団OBの能見篤史氏(44)がともにスーツ姿でグラウンドに登場すると、スタンドは大歓声。打席内でベースから離れて立つなどし、能見氏が外角高めに投球すると、吉田は空振り。記念撮影をマウンド付近で行い、その後はテレビ中継でゲスト出演した。
◆オリックス・山本由伸投手(25)は一回にまさかの3失点を喫した。先頭の荻野に山本のグラブをはじく内野安打を打たれると続く藤岡にも中前打、角中がきっちり犠打を決められ、ポランコには右中間への2点二塁打で先制点を献上。安田、岡と連打で満塁とされ、7番・山口の遊ゴロの間に3点目を奪われた。山本は2021年のクライマックスシリーズ(CS)では初戦で4安打完封。昨年も初戦で8回無失点で、この日がCS初失点となった。
◆〝幕張の奇跡〟でファイナルステージ進出を決めたロッテが勢いそのままに山本由伸に襲い掛かった。一回。荻野、藤岡の連打を足場に1死二、三塁とし、4番ポランコが右中間を深々と破る適時二塁打。初球の直球を狙い打ち、「昨日(17日)ずっと山本投手の動画を見て、今日の対策を練っとったんや。ストレートを狙ってアグレッシブに振りにいったわ! 次も頑張るで!」と、恒例の関西弁でコメントした。その後、山口の遊ゴロの間に1点を追加した。ポランコはソフトバンクとのファーストステージ第1、2戦でも打点を挙げており、これでCS5打点目となった。
◆オリックスは四回に追いついた。3点を追う四回。1死からセデ―ニョの右前打、2死後、ゴンザレスの四球から一、二塁から紅林が右中間を破る2点二塁打、宗が三塁線を破る左前打で同点に追いついた。3年連続投手4冠の山本は一回に3失点を喫するなど、苦しい展開だったが、王者の力を示した。紅林は球団を通じ、「打ったのは真っすぐだと思います。追い込まれていましたし、とにかく"なんとかしたい"と、その気持ちだけで打ちました!」とコメントした。
◆味方打線が一回に3点を先制した中で、ロッテ・美馬学投手(37)が4回4安打3失点で降板した。「リードを守り切れず、早い回での降板になってしまい、あとの投手に申し訳ないです。同点になってしまいましたが、チームメートをしっかりと応援したいと思います」とコメントした。 美馬は山本がノーヒットノーランを達成した9月9日(ZOZOマリン)に投げ合っていた。また、レギュラーシーズン最終登板となった今月4日から中13日での登板だった。
◆オリックスは4-4の同点に追いついた六回、なおも無死二塁の場面で6番のゴンザレスが右打席に入った。カウント2ボールとなったところで、ロッテ吉井監督が左腕の中村稔から右投げの東妻に投手を交代。両打のゴンザレスは左打席に移って四球を選んだ。
◆オリックスが試合をひっくり返した。3-4の六回、ロッテ3番手・中村稔から先頭のセデーニョが四球を選び、杉本が右中間を深々と破る二塁打。一走のセデーニョの激走で同点に追いつくと、続くゴンザレスの四球を挟み、紅林が4番手・東妻から右前打で勝ち越し。9番・若月の投ゴロで1点を加え、さらに中川圭の左前への適時打と、この回一挙4得点で鮮やかに逆転した。同点打の杉本は、2021年はCSでMVPを獲得するなど、得意の短期決戦。今年のCSで初安打を放ち、「打ったのはフォークだと思います。とにかく後ろにつないでいくことだけを考えて打席に入っていましたし、うまく逆方向に打つことができたと思います!」と球団広報を通じコメントした。
◆オリックス・山本由伸投手(25)が先発し、7回10安打5失点で降板した。一回にいきなり3失点を喫したが、その後は走者を背負いながらも粘りの投球。六回と七回に1点を奪われたが、116球の力投でチームの逆転劇を呼び込んだ。2点リードの八回は2番手の山崎颯がマウンドに上がり、無失点に抑えた。
◆オリックスは3―4の六回に4点を奪って逆転した。杉本の適時二塁打で追い付き、紅林の右前打で勝ち越し。その後も中川圭の適時打などが出た。山本は7回10安打5失点と苦しんだが白星を挙げた。ロッテは一回に3点を挙げるなど打線は活発だった一方、先発の美馬が4回3失点、3番手の中村稔が1死も奪えず3失点と乱調だった。オリックス・中嶋監督「かなりしんどい試合だった。いつもの由伸(山本)ではなかった。早くに追いつけたので、これでいけるかなと思った。誰一人として集中力が欠けてはいなかった」
◆決勝打を含む2安打3打点でお立ち台に上がったオリックス・紅林弘太郎内野手(21)が、4歳先輩でこの日は7回5失点と絶不調だった山本由伸投手(25)をいじりまくった。反撃の口火となる四回2死一、二塁からの2点適時打の打席を聞かれると、「由伸さんがあんな感じだったので、野手が助けないといけないので」。さらに六回の決勝打についても「由伸さんがあんな感じだったので、何点あってもいいなという感じで打席に入りました」と話し、場内の爆笑を誘った。紅林についてオリックス・中嶋監督 「1打席目から内容が良かったので期待はしていた。しっかり打ってくれた」
◆オリックスは3―4の六回に4点を奪って逆転した。杉本の適時二塁打で追い付き、紅林の右前打で勝ち越し。その後も中川圭の適時打などが出た。山本は7回10安打5失点と苦しんだが白星を挙げた。ロッテは一回に3点を挙げるなど打線は活発だった一方、先発の美馬が4回3失点、3番手の中村稔が1死も奪えず3失点と乱調だった。ロッテ・吉井監督「六回は中村稔のシンカーがいけると思って出した。かなり緊張していた。選択したのはこちらなのでこちらのミス。工夫して山本投手をしっかり攻略してくれたと思う」松川(美馬に)「球速はいつもより出ていた。変化球でかわしにいきすぎた」
◆オリックスは3―4の六回に4点を奪って逆転した。杉本の適時二塁打で追い付き、紅林の右前打で勝ち越し。その後も中川圭の適時打などが出た。山本は7回10安打5失点と苦しんだが白星を挙げた。?パ・リーグもレギュラーシーズン1位のオリックスが勝ち、アドバンテージの1勝を含めて2勝0敗。パの日本シリーズ出場を懸けたプレーオフ、CSで2勝0敗となったケースは過去18度全て日本シリーズに進出、突破率は100%。?21歳8カ月の紅林が六回に打った勝ち越し打が勝利打点。プレーオフ、CSで21歳8カ月での勝利打点は2012年ファーストステージ(S)第1戦のソフトバンク・今宮健太の21歳2カ月に次ぐ年少2番目。オリックス(前身を含む)で21歳8カ月での勝利打点は昨年日本シリーズ第7戦の太田椋と並ぶポストシーズン(日本シリーズを含む)最年少記録。?39歳7カ月の平野佳が今CS初セーブ(通算3セーブ)。ポストシーズンでは19年ファーストS第3戦の阪神・藤川球児の39歳2カ月を上回る最年長。
◆パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)は18日、京セラドームで開幕し、リーグ3連覇のオリックスが2位ロッテに8-5で先勝した。紅林弘太郎内野手(21)が六回に勝ち越し打を放つなど3打点を挙げた。広く空いた右中間へ打球が転がる。満員御礼となった京セラドームが沸いた。山本の乱調があったが、これが王者・オリックスの底力だ。苦しみながらも大事なCS初戦を勝ち切った。チーム最多となる3打点の紅林はお立ち台で胸を張った。「珍しく由伸さんがああいう感じだったので、いつも助けてもらっている分、野手が助けないといけないなと思って打席に立ちました」0-3の四回2死一、二塁の好機で打席へ。美馬の145キロを強振する2点二塁打。さらに再びリードを奪われた六回は杉本の一打で追いつき、なおも無死一、三塁で紅林が東妻から右前打。全球、スライダーにも動じずしぶとく運び、本拠地の空気を一変させた。9日のソフトバンク戦(京セラ)から実戦は離れ、相手はソフトバンクを下して大阪に乗り込んできた。一回から3失点の山本は4歳年上だが、遊撃を守る21歳は「『切り替えていけよ』って声を掛けました」とニヤリ。肝は据わっていた。今季はチーム最長の18試合連続安打を放つなど打率・275でフィニッシュ。「粘って後ろにつなげようというぐらいの気持ち」と心の余裕がある。この日の試合前には首位打者を獲得した頓宮から追い込まれてからの打率の高さを指摘され「追い込まれるまで待て」という助言も得た。パ・リーグの日本シリーズ出場を懸けたプレーオフ、CSで2勝0敗となったケースは過去18度全て日本シリーズに進出。突破率は100%!阪神との夢の関西ダービーもまた一歩近づいた。「日本シリーズに導けるようにもっと打っていきたい」と紅林。あと2勝を確実に積み重ねる。(北池良輔)
◆難敵攻略に成功して先手を取ったが、中継ぎ陣が崩れて逃げ切れなかった。ロッテは3年連続で投手4冠に輝いた山本から初回に3点を先制しながら、逆転負け。リーグ3連覇のオリックスに底力を見せつけられる形となり、吉井理人監督(58)は悔しそうに表情をゆがめた。「六回の継投...。中村(稔)が打たれたのは、打たれたんですけど、選択したのはこっちなのでね。こちらのミスです」打線は9月9日の対戦で無安打無得点試合の達成を許すなど、レギュラーシーズン4試合で計2点しか奪えていなかった山本を一回に攻略した。荻野、藤岡の連打などで1死二、三塁とし、ポランコが2点二塁打をマーク。試合開始からわずか7分で先制するなど、この回だけで5安打を集めて3点を奪った。「細かいことは言えないですけど、しっかり作戦を練って選手が実践してくれた」。詳細は明かさなかったが、狙い球を絞りつつ、早いカウントから打ちに行くことで5得点につなげた。嘆いたのは荻野の適時打で1点を勝ち越した直後の六回の継投。セデーニョ、杉本と右打者が続くが、「データ的に左が弱いバッターだった。中村のシンカーならいけると思った」と左腕の中村稔を送り出したが裏目。六回に4点を奪われ、突き放された。オリックスのアドバンテージ1勝を含め、0勝2敗。今季はCSファーストステージ第3戦で延長十回に3点差をひっくり返すなど崖っぷちに強い。ここから巻き返す。(武田千怜)
◆パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)は18日、京セラドームで開幕し、リーグ3連覇のオリックスが2位ロッテに8-5で先勝した。7回を投げた山本由伸投手(25)は白星を挙げたものの、レギュラーシーズンを含めて今季ワーストの5失点だった。3年連続でCS初戦の先発を託された山本が、珍しく冷や汗をかいた。「全然いいボールがいっていなかったですし、ボール球もすごく多かった。いろいろ苦労しながらの投球になりました」一回先頭の荻野に内野安打を許し、続く藤岡にも中前打を献上。犠打で1死二、三塁とされると、ポランコに右中間を破られる2点二塁打を浴びた。さらに連打で1死満塁とされ、内野ゴロの間に1点を追加された。立ち上がりから、まさかの5安打3失点とは...。「野手のみなさんとリリーフのおかげで何とか勝てたので、とにかく感謝しています」中盤もリズムをつかめず7回を今季ワーストの5失点。打線の援護に恵まれて白星を挙げたのは、さすが3年連続で主要4冠に輝いた右腕だ。中嶋監督は「いつもの由伸(山本)ではなかった」と話した。3万5930人のファンの声援がなければ心が折れていたかもしれない。山本は「すごくいい雰囲気の中の試合ができましたし、チームの結果につながった」と感謝しきり。エースがエンジンをかけ、日本シリーズに突き進む。(鈴木和希)
◆米大リーグ、レッドソックス・吉田正尚外野手(30)が能見篤史氏(44)とともに特別始球式に登場し、約1年ぶりに京セラドームの打席に背広姿で立った。オリックスからメジャー移籍1年目は打率・289、15本塁打、72打点。「前半は〝いけるかな〟と思ったんですけど、メジャーリーグは甘くはなかった」と振り返った上で、「環境でも食事でも、『日本だったらこうだったのに...』とだけは絶対思わないように意識していた」と明かした。前日にレギュラーシーズンは不振だった杉本が「正尚にほめられるようなプレーを」と話したことを伝え聞くと、「(青学大の)あの先輩はいいとこは必ず持っていくんで。このシリーズ以降は楽しみ」と大舞台での復活を予言。テレビ解説では六回無死一塁で杉本が打席に入る直前に「ここは先輩に打ってほしいですね」と話し、同点の適時二塁打で応えた先輩に「最高ですね」と相好を崩していた。(東山貴実)
◆ロッテは荻野のタイムリーで1点を勝ち越した直後の六回裏が誤算だった。3番手の中村稔、4番手の東妻が制球を乱し、4失点した。レギュラーシーズンを2位で終え、CSファーストステージを勝ち上がってきたロッテは、リリーフがストロングポイントだった。CSファイナルでは第3戦の先発が不透明。駒不足が懸念され、突破するためには中継ぎ投手の踏ん張りが鍵だっただけに、ファイナルステージの行方を占う上でも、六回の失点は痛かった。ただ、ロッテは逆転で負けはしたけれど、前向きに捉えられる要素はあった。特に攻撃陣。シーズン中に4失点が最多だった山本から一回に3点を先制するなど、5点を取ったことは評価できる。四回に3-3の同点とされながら、六回に荻野の中前適時打で勝ち越した。打線に粘りがあった。これで0勝2敗。ロッテがファイナルステージを突破するためには第2戦は落とせない。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆アドバンテージの1勝を含む2勝としたオリックス。2戦目に抜擢(ばってき)された田嶋大樹投手(27)の投球で日本シリーズ王手をかける。対するロッテは山本から5点を奪うなど短期決戦での粘りは健在。リーグ王者に一矢報いたい。
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