ロッテ(☆4対3★)ソフトバンク =クライマックスシリーズ3回戦(2023.10.16)・ZOZOマリンスタジアム=
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ソフトバンク
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ロッテ
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勝利投手:坂本 光士郎(1勝0敗0S)
敗戦投手:大津 亮介(0勝1敗0S)

本塁打
【ロッテ】藤岡 裕大(1号・10回裏3ラン)

  DAZN
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◆熱戦を制したロッテがファイナルステージ進出を決めた。ロッテは3点を追う延長10回裏、藤岡が3ランを放ち、試合を振り出しに戻す。さらに2死一塁から安田の適時二塁打が飛び出し、サヨナラ勝利を収めた。敗れたソフトバンクは、0-0のまま迎えた10回に3点を先制するも、痛恨の逆転負けを喫した。

◆ロッテが初回先頭の守備からファインプレーでムードを上げた。先発小島和哉投手(27)がカウント3-1から投じた143キロ直球を、ソフトバンク1番周東佑京外野手が中前に落ちそうな打球を放った。中堅手の岡大海外野手(32)が前進し、スライディングキャッチ。打者走者は周東だけに、後逸していればランニング本塁打も危ぶまれたが、好捕で一気にロッテナインと千葉のファンを盛り上げた。

◆3回裏のロッテ攻撃前に行われるZOZOマリン名物企画「ダッシュマンレース」で、挑戦者のロッテファンが快足スプリンター「ダッシュマン」の猛追を逃げ切った。勝利賞はCS特別バージョンで「コアラのマーチ」1100個。「SATOZAKI」と背中に入った元ロッテ里崎智也氏のユニホームを着用した挑戦者はバックスクリーン前を過ぎてもスピードは落ちず、ダッシュマンに約2メートルの差をつけて倒れ込みながらゴールした。ダッシュマンもゴール後に足がもつれて倒れそうになるほどの真剣勝負だった。偶然にもテレビ中継の放送席では里崎氏が解説中だ。ロッテファンの激走勝利は、CSファイナルステージ進出への吉兆か!?

◆/満員のマリンがレーザービームに揺れた\ライト荻野貴司が完璧なバックホームチームを救うビッグプレーが飛び出した???プロ野球クライマックスシリーズ(2023/10/16)??ロッテ×ソフトバンク??Live on DAZN#DAZNプロ野球#sbhawks#chibalotte pic.twitter.com/tP6m2AMbei

◆ロッテの守備にビッグプレーが出た。0-0の6回1死二塁、先発小島和哉投手(27)がカウント1ボールから投じた137キロカットボールをソフトバンク近藤健介外野手に右前へ運ばれた。二塁走者の柳田悠岐内野手が本塁に突っ込む中、荻野貴司外野手(37)がホームへストライク送球。先発小島を助けた。

◆負ければ終わりの大一番で先発を任された小島和哉投手(27)が7回途中無失点で後続にマウンドを譲った。「自分の持っている力以上のものは出ないと思うので、長いイニングを投げようとか意識せず、とにかく初回から後悔しないような投球ができるように頑張りたいと思います」という意識で臨んだ大事な一戦で好投した。16歳上のソフトバンク和田毅投手(42)は同じ左腕として、同じ早大卒の憧れ。その先輩とCSの先発マウンドで投げ合い、6回1/3で4安打無失点と仕事を果たした。「(6回に補殺した)荻さんをはじめ、みんなに助けてもらいながら一番いい形で中継ぎにつなげることができました。あとはしっかりと仲間を応援したいと思います。最後勝ち切れるまで、ファンの皆さん熱い声援をお願いします」と述べた。

◆ロッテ-ソフトバンクのファイナルステージ進出をかけた戦いは延長戦に突入した。現在1勝1敗。このまま引き分けた場合、レギュラーシーズン2位のロッテがファイナルステージに進む。3位のソフトバンクは勝利しか許されない。先攻のソフトバンクが延長12回の攻撃で勝ち越せなかった場合は、その時点で試合終了となる。04年以降のプレーオフ、CSにおいて、ファーストステージの第3戦で引き分け決着はない。

◆/大阪行きのチケットの行方は延長戦に持ち込まれた\オスナが貫禄のピッチングでピンチ脱出緊張感張り詰める秋のマリンは10回の攻防へ?プロ野球クライマックスシリーズ(2023/10/16)??ロッテ×ソフトバンク??Live on DAZN#DAZNプロ野球#sbhawks#chibalotte pic.twitter.com/pWSW3KOgyh

◆ソフトバンク三森大貴内野手(24)が負傷交代した。0-0の9回1死だった。ロッテ安田の放った打球を、二塁手の三森が後方へ追いかけ、1度はグラブに当てるも、ファンブルした際に後頭部を地面に激しく打ちつけ、顔面も強打した。起き上がることはできず、担架で運ばれた。変わって三塁の川瀬が二塁に入り、三塁の守備には野村勇が就いた。

◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(35)が、2安打1打点で気を吐いた。10回に2点を先制し、なお2死三塁。ロッテ坂本の初球を右前にはじき返した。CS通算32打点とし、内川の31打点を抜いて、単独トップに浮上。ファイナルステージ進出には勝利しかない一戦で、キャプテンの一打でリードを3点に拡大した。しかし、その裏にまさかの4失点でサヨナラ負け。無死一、二塁で津森が藤岡に同点3ランを浴び、代わった大津は2死一塁から安田にサヨナラ二塁打を浴びた。勝利まであとアウト3つから悲劇的な幕切れを迎えた。3位からの下克上で日本一の夢は道半ばでついえた。

◆/スピードスターがバットで大仕事\ついに均衡が敗れた!周東佑京がしぶとくセンター前へ先制タイムリー??代走・上林誠知がセカンドから激走??さらに川瀬晃も続き突き放す!?プロ野球クライマックスシリーズ(2023/10/16)??ロッテ×ソフトバンク??Live on DAZN#DAZNプロ野球#sbhawks pic.twitter.com/laZQWqpjMH

◆ソフトバンク津森宥紀投手(25)が悪夢の3ランを浴びた。3点を先制した直後の10回から7番手で登板し、2連打で無死一、二塁のピンチを背負った。2番藤岡に初球、真ん中の148キロ直球を仕留められ、打球は右翼スタンドに飛び込んだ。ファイナルステージ進出には勝利しかない一戦で、手痛い1発となった。津森は1死も奪えず、8番手で大津がマウンドに上がった。

◆ロッテがミラクルを起こした。劇的な逆転サヨナラでソフトバンクに勝ち、CSファーストステージを突破した。延長10回に救援陣が崩れ、3失点し、万事休すかと思われた。だがその裏にドラマが待っていた。無死一、二塁、今季1本塁打の藤岡裕大内野手(30)が右中間に起死回生の同点3ラン。最後は2死一塁から安田尚憲内野手(24)が右中間への適時二塁打を放った。対戦成績を2勝1敗としたロッテが、オリックスとのファイナルステージ(18日開幕、京セラドーム大阪)進出を決めた。藤岡が起死回生の右中間同点3ランだ。10回に3点を失ったが、闘争心は失っていなかった。10回裏、先頭の代打角中が中前打で出塁、荻野が三塁前にボテボテながら執念の三塁内野安打。無死一、二塁で藤岡。ソフトバンク津森の初球を積極的にスイングした。甘く入った148キロの直球を右中間に運んだ。今季レギュラーシーズンで放った唯一の本塁打もソフトバンク戦だった。藤岡は一塁をまわると、喜びをかみしめるように右拳を握った。ベンチにいた仲間も総立ち。飛び出して喜んだ。大声援を送り続けてきた大観衆も総立ち。「ONE TEAM」で戦ってきたロッテの23年。吉井監督、選手、スタッフ、ファンが文字どおり1つになった証し。ベンチに戻った藤岡の目も真っ赤だった。中5日での先発を託された小島は7回途中4安打無失点で期待に応えた。「荻さん(荻野)をはじめ、みんなに助けてもらいながら一番いい形で中継ぎにつなげることができました」。野手も、6回1死二塁から小島が近藤に右前打を許しても、チーム最年長37歳の荻野が、本塁を狙った二走柳田をストライク送球。佐藤都捕手も懸命にタッチし、守った。マウンドを引き継いだ2番手の西村、8回は沢田、9回は守護神の益田と、気迫あふれる投球で、1人の走者も許さないパーフェクトリレー。耐えた。つないだ。最後は10回2死一塁、安田が右中間に適時二塁打を。大塚コーチも腕をグルグル回す。一塁走者の岡も激走。さらに加速。ヘッドスライディングで捕手のタッチをかわし、サヨナラを決めた。4時間18分の熱戦で、オリックスの待つファイナルステージへの勢いも加速した。【鎌田直秀】

◆下克上を目指したソフトバンクの戦いが終わった。1勝1敗で迎えたCS第3戦。2位ロッテに逆転サヨナラ負けを喫し、敗退となった。CSファイナルステージ進出を逃し、3年ぶり日本一の夢が散った。引き分け以下も許されない一戦。0-0で迎えた10回表2死二塁、1番周東佑京内野手(27)が値千金の中前適時打。さらに2番川瀬晃内野手(26)の左中間を真っ二つに破る適時三塁打で2点目、3番柳田悠岐外野手(35)の右前適時打で3点目を奪った。だが、3点リードの10回裏、津森宥紀投手(25)が藤岡に右越え3ランを献上し、試合を振り出しに戻された。最後は安田にサヨナラ打を浴びた。先発の和田毅投手(42)は5回2安打無失点と快投したが、勝利に結びつかなかった。初回、3回と得点圏に走者を背負うも、要所はきっちり締めた。引き分け以下も許されない一戦でベテラン左腕が好投したが、打線が援護できなかった。0-0の6回に1死二塁の好機を演出。4番近藤健介外野手(30)の右前打で二塁走者の柳田悠岐外野手(35)が一気に三塁を蹴ったが、ホーム憤死。なお2死一、二塁で6番今宮健太内野手(32)は二ゴロに倒れた。先制機を生かすことができなかった。6回以降は継投策に入ったが、最後の最後に力尽きた。昨季は優勝マジック1としながらV逸。オフに近藤、ロベルト・オスナ投手(28)、有原航平投手(31)ら総額80億円(推定)を超える大補強でチーム強化を図りながら、雪辱は晴らせなかった。7月には球団54年ぶりとなる12連敗も経験。最終的には3連覇したオリックスに15・5ゲーム差を離された。大補強もむなしく、実力の違いを見せつけられる形となった。

◆/藤岡選手、ホームランでございます!\マリンにはまだ谷保恵美さんの声が響くなんというゲームか 藤岡裕大が同点3ランホームラン???プロ野球クライマックスシリーズ(2023/10/16)??ロッテ×ソフトバンク??Live on DAZN#DAZNプロ野球#chibalotte pic.twitter.com/3adT3Zp180

◆ロッテがソフトバンクに延長戦でサヨナラ勝利し、オリックスの待つCSファイナルステージ(18日開幕、京セラドーム大阪)に進出した。これにより、今季限りで場内アナウンスを引退する谷保恵美さん(57)の日本シリーズでの"再"アンコール実現の可能性が浮上した。延長10回に3点をリードされた直後の攻撃、藤岡の同点3ランで同点に。さらに2死一塁、安田の適時二塁打でサヨナラ勝ちとなった。その直後の「クライマックスシリーズファーストステージ、突破でございます!」というアナウンスには少し高揚感がこもっていた。約3万人の観衆が詰めかけたZOZOマリンがお祭り騒ぎとなった。谷保さんは7日の本拠地最終戦では吉井監督から花束が贈られたが、チームが2位でのCS進出が決め、CSファーストステージが"アンコール"の舞台となっていた。ファーストステージ開幕前日の13日には「いつも通り元気にファンの皆さんと一緒にファイナルステージ進出を後押しできればと思っているので、最後まで頑張ります。きっとファンの皆さんがいつも以上の力が出るように声をくださると思うので、勝ち上がって大阪に乗り込んでほしいですね。負けずにアナウンスしたいと思います」と意気込んでいた。

◆ベテランのソフトバンク和田毅投手が5回2安打無失点と好投した。初回2死一、三塁では6番岡を遊ゴロ。3回も2死一、二塁を背負い、4番ポランコを空振り三振。追い込んで最後は外角スライダーで空を切らせ、雄たけびを上げた。「気持ち一本で投げました。何とか0点で抑えることができて良かった」。プロ21年目でチーム2位の8勝を挙げた42歳が、63球に魂を込めた。

◆/マリンに根付く下剋上のDNA\この大逆転劇を誰が予想したでしょうか安田尚憲のサヨナラタイムリーで劇的勝利????#ヒロミナイト に一塁から激走は岡大海???プロ野球クライマックスシリーズ(2023/10/16)??ロッテ×ソフトバンク??Live on DAZN#DAZNプロ野球#chibalotte pic.twitter.com/iw3qUqERyb

◆起死回生の同点3ランが飛び出た。5番手の沢村拓一投手(35)が10回に3失点した直後の攻撃だった。0-3で迎えた無死一、二塁。藤岡裕大内野手(30)がソフトバンク津森宥紀投手が投じた初球だった。ど真ん中の148キロ直球を右中間席に突き刺した。レギュラーシーズンで1本塁打のみだった男が、大仕事をやってのけた。しびれる投手戦で推移したが延長10回、ソフトバンクに3点を奪われた。0-0で迎えた10回2死二塁、5番手で登板した沢村が周東佑京外野手に適時中前打を許した。続く川瀬晃内野手(26)にも左中間に適時三塁打を許し、0回2/3を投げ3安打3失点で降板していた。

◆/マリンに根付く下剋上のDNA\この大逆転劇を誰が予想したでしょうか安田尚憲のサヨナラタイムリーで劇的勝利????#ヒロミナイト に一塁から激走は岡大海???プロ野球クライマックスシリーズ(2023/10/16)??ロッテ×ソフトバンク??Live on DAZN#DAZNプロ野球#chibalotte pic.twitter.com/iw3qUqERyb

◆奇跡、奇跡のサヨナラ勝ちを本拠地ロッテが成し遂げ、2年ぶりのCSファイナルステージ進出を決めた。5番手の沢村拓一投手(35)が10回に3失点した直後の攻撃だった。0-3で迎えた延長10回無死一、二塁。まずは藤岡裕大内野手(30)が見せた。ソフトバンク津森宥紀投手が投じた初球だった。ど真ん中の148キロ直球を右中間席に突き刺した。レギュラーシーズンで1本塁打のみだった男だが「ホームランを打つぐらいの気持ちで打席に入りました。ヒットでつないでも相手ピッチャー、つないでくるだろうなと。一気に3点とれるように」と本塁打を狙っていたことを明かした。2死後、岡大海外野手(32)が左前打で出塁後、安田尚憲内野手(24)が打席に入った。カウント2-1からソフトバンク8番手の大津亮介投手が投じた149キロ直球を右中間に運んだ。一塁走者の岡が激走し、サヨナラのホームに生還。一時はソフトバンクベンチからリクエストが入ったが、判定は覆らなかった。大逆転で2年ぶりのCSファイナルステージ進出を決めた。安田は「絶対にこの回で決める」という気持ちで打席に入ったことを明かした。崖っぷちからの大逆転サヨナラ勝ちに「今日こそチーム一丸となって戦えた。この勢いのまま大阪に乗り込んで、またここに帰ってこられるように頑張りたい」とファイナルステージでオリックスを倒し、日本シリーズ進出を誓った。

◆ソフトバンクがロッテにCS第3戦でサヨナラ負けを喫し、23年シーズンが終わった。試合後、後藤芳光社長が囲み取材に応じ、2年契約の最終年となっていた藤本博史監督(59)の今後について「この2年間非常に良くやってくれたと思います。もちろん、藤本さんには感謝しております。2年契約ですけども、今後についてお話しすることは今はないと思う」と語った。

◆ロッテが劇的な逆転サヨナラでソフトバンクを下し、CSファーストステージを突破した。3点を追う延長10回無死一、二塁、藤岡裕大内野手(30)が起死回生の同点3ランを放つと、最後は2死一塁から安田尚憲内野手(24)が右中間を破る二塁打を放った。対戦成績を2勝1敗としたロッテがオリックスとのファイナルステージ(18日開幕、京セラドーム大阪)に駒を進めた。○...ロッテが延長10回に一挙4点を奪って逆転サヨナラ勝ち。ポストシーズン(プレーオフ、CS、日本シリーズ)で3点差以上の逆転サヨナラ勝ちは、09年CS2Sの日本ハムが楽天戦の9回裏、4-8から一挙5点を挙げて以来2度目。延長戦では史上初めてだ。○...安田がサヨナラ二塁打。プレーオフ、CSのサヨナラ試合は15度目。サヨナラでファイナルステージ進出を決めたのは、和田がサヨナラ本塁打を放った04年西武以来2度目。○...ロッテが勝ち、1Sを突破した。ロッテの1Sは出場8度で7度目の勝ち上がり。1Sで7度の突破はソフトバンクの6度を上回る最多。ZOZOマリンでは千葉マリン時代から出場4度全て突破となった。92年の千葉移転後、ホームでのポストシーズンはこれで通算11勝3敗1分けとなり、連敗は1度もない。○...パ・リーグの1Sは2位ロッテがファイナルS進出。セも2位広島が勝ち上がり、1Sで両リーグとも2位チームが突破したのは07年の中日、ロッテ、09年の中日、楽天に次いで14年ぶり3度目。

◆悲劇が待っていた。ソフトバンクは延長10回に周東、川瀬、柳田の3長短打で3点を奪った。しかし、その裏に7番手の津森がつかまった。先頭の代打角中、1番荻野に連打を浴び、2番藤岡に初球の真ん中148キロを仕留められ、右翼席まで運ばれた。痛恨の同点3ラン...。右腕はぼう然と立ち尽くし、外野では周東、近藤が座り込んだ。「抑えたら勝ちっていう中だったのに、結果打たれてしまって悔しい。後悔の投球でした」。勝てばCSファイナルステージ、引き分けでも終戦の一戦。悔やみきれない1球だった。後を受けた大津は2死から岡を左前打で出し、最後は安田に右中間を破られた。藤本監督は「いい試合やったけどね。相手の10回の攻撃がすごかったということですね」と肩を落とした。昨季も千葉でのシーズン最終戦に敗れ、V逸。3位から日本一を目指した今年も、千葉で道半ばで終わった。

◆劇的すぎる敗戦にソフトバンク王球団会長も悔しさをにじませた。延長10回に2死から周東の中前適時打など長短3連打を浴びせ3得点。ほぼ勝利は手中にしたはずだったが、直後に4点を失いサヨナラ負け。ネット裏のビジター球団室から出てきた王会長は厳しい表情で言った。「ほんといい形で点が入ったんだけど、勝負の世界というのは最後の最後まで分からないからね。こういうことを乗り越えて我々はやっていかないといけないから。もう負けたことはしょうがないから」。昨年は優勝マジック1としながら最終戦となったロッテ戦(ZOZOマリン)で敗れ、優勝を逃した。今季もV逸に加え、CSファーストステージ3戦目で同じ幕張で涙をのんだ。宿舎で行われたミーティングで「天はこんなにも残酷なことを課すのかというくらいのことを今日は実感した。こんな思いをしたのだから来年は倍返しでやっていこう。その準備を明日からやっていこう」とチームを鼓舞した。

◆ロッテ先発小島和哉投手(27)が7回途中4安打無失点で、ゲームを作った。6回1死二塁で近藤に右前打を許したが、前進守備の右翼荻野が本塁を狙った二走柳田をダイレクト送球で刺して得点を許さなかった。「結果的にみんなに助けられながら、一番いい形で後ろにつなぐことができて良かったですし、こんなしびれる試合をものにできたことは、チームにとって最高に勢いづいたと思います」と振り返った。

◆CSの通算打点記録を更新したソフトバンク柳田悠岐外野手(35)に笑顔はなかった。延長10回。集中打で2-0とし、なお2死三塁で右前適時打。これでCS通算32打点とし、内川の31打点を抜いて単独トップに浮上した。リードを3点に拡大したが、その裏に4失点してサヨナラ負け。藤本監督に任命されて主将として2年間チームを引っ張ったが、最後は悪夢が待っていた。「人生は甘ないんで。難しいことがたくさん。来季はリベンジしたい」と声を絞り出した。今季はレギュラーシーズン、CSと全試合に出場。最多安打のタイトルも獲得した。「去年は全然だめで、休まず準備をした。全試合に出るのは良かったけど、今の自分の結果は納得できない。また少し休んで、来シーズンに向けて準備をしたい」。24年もフルスイングを貫く。

◆ロッテがミラクルを起こした。劇的な逆転サヨナラでソフトバンクに勝ち、CSファーストステージを突破した。延長10回に救援陣が崩れ、3失点し、万事休すかと思われた。だがその裏にドラマが待っていた。無死一、二塁、今季1本塁打の藤岡裕大内野手(30)が右中間に起死回生の同点3ラン。最後は2死一塁から安田尚憲内野手(24)が右中間を破る適時二塁打を放った。対戦成績を2勝1敗としたロッテが、オリックスとのファイナルステージ(18日開幕、京セラドーム大阪)進出を決めた。藤岡の目は真っ赤だった。「最高でしたね。最高の形で点を取ることができて、最高の形でチームに貢献できた。今日は本当に自分も褒めたい」。10回裏、先頭の代打角中が中前打で出塁、荻野が三塁前にボテボテながら執念の三塁内野安打。無死一、二塁で藤岡。ソフトバンク津森の初球を積極的にスイング。甘く入った148キロの直球を右中間に運んだ。3点ビハインドにも諦める気持ちはみじんもなかった。「集中していてあまり覚えていない」。角中が出塁した時に「まだいける」の仲間の声が耳にようやく届くほど。押せ押せムードを感じ、背中も押された。「初球に絶対まっすぐが来ると信じて、絶対に振ろうと思った。良い角度で上がったのでいってくれるだろうと信じていた」。藤岡は一塁を回ると、喜びをかみしめるように右拳を握った。ベンチにいた仲間も総立ち。大声援を送り続けてきた2万9000人を超える大観衆も総立ち。「声援が力になり、スタンドまで届かせてくれたと思う」と感謝した。「ONE TEAM」で戦ってきたロッテの23年。吉井監督、選手、スタッフ、ファンが文字どおり1つになった証しだ。昨季はケガの影響もあり、試合に出場出来ない日々が続いた。吉井監督も4日に1度くらいは"休養日"を設け、友杉との併用でアシストしてくれた。「今年は絶対に成績残すって気持ちでやっていた。なんとか2位になれたことも大きかった」。キャンプから最後まで残ってケガ防止の筋力トレーニング。マッサージしてくれるトレーナーにも感謝。いつも最後に球場を引きあげるのは藤岡だった。今季はオリックスに大きく負け越し、山本にはノーヒットノーランまで食らった悔しさを晴らす舞台をつかんだ。「自分たちはチャレンジャー。失うものはない。良い投手がたくさんいるが、少ないチャンスをものにして、相手より1点でも多くとっているように」。勝利を呼ぶ一打をいま放ち、リーグ3連覇の王者撃破に勢いは加速した。【鎌田直秀】

◆ロッテがソフトバンクに延長戦で3点差をひっくり返す大逆転サヨナラ勝ちを納め、CSファイナルステージ進出を決めた。18日から京セラドーム大阪でリーグ優勝を果たしたオリックスと対戦する。死闘を終えた直後の吉井理人監督(58)は開口一番「みんなよく頑張ってくれました」と話した。両チーム無得点のまま迎えた10回、沢村が3失点を喫し万事休す。だがその直後の攻撃で奇跡が起きた。ソフトバンク津森に対して代打角中と荻野の連打で無死一、二塁とすると、藤岡裕大内野手(30)が初球の148キロ直球を右中間へ同点3ラン。さらに2死一塁から安田尚憲内野手(24)がサヨナラの適時二塁打を放ち劇的勝利を決めた。吉井監督の一問一答は以下の通り。-すごいゲームだったみんなよく頑張ってくれました。-ファイナルステージ進出が決まったもちろんうれしいです。-10回は3点ビハインド。どんな気持ちで見ていた継投の順番を間違えたと思ったんですけど、そこを選手たちがはね返してくれて良かったです。-10回はどんな雰囲気で戦いに裏の攻撃なので、全然負けが決まったわけじゃないんでね、「行くぞ」って。角中が残ってたので、先頭で勢いつくヒット打ってくれてよかったです。-中村奨に代打は難しい決断だった負けたら終わりの試合なので、そこはもうためらいなく。角中を使わずに負けてしまうのは嫌だったので、できることは全部しようという感じで臨みました。-藤岡選手のホームランはどのように見ていたすごい集中力だったと思います。-藤岡は最高の形藤岡は1発打てる力あるので、1発打てばなとは思ってましたけども、なんとかつないでくれという風に見てました。すごい集中力だったと思います。-シーズン通して藤岡の仕事ぶりを評価している。この場面で力を発揮できるところは藤岡の場合はいつもカウントが深くなって、相手ピッチャーが苦しくなるような打席を多くやってくれているので。今日のところは本当に1発欲しいところで1発出てくれて、本当によかったと思う。すごいと思います。-安田選手がサヨナラヒット今日スタメンじゃなかったんですけどね、後からでも集中して"スーパー安田"でしたね。-日頃から若い選手に頑張ってほしいという話をしている良かったです。本当にいつもこうだといいなと思ってます。-小島投手もゼロでつないだ今日は本当に良く頑張りました。-沢村は3連投。あの場面は気持ちを見せたかった本当は坂本と迷ったんですけども、(ソフトバンク)三森がケガして右打者が3人続いたので、左バッター来るかもなと思いながら。でも球場は盛り上がるだろうと思って、沢村にしたんですけど。今日は残念な結果だったんですが、また頑張ってもらいたい。-第1戦での佐々木朗のショートスターターもあった。中継ぎ陣が3試合頑張ったこのシリーズ始まる前から、やっぱり先発はかなりきついなと思ったので、リリーフに負担かかるのはわかっていた。その順番をこちらが間違えないのがカギになるかなと思っていた。そんな中で本当に起用にしっかり応えてくれて、みんなよく頑張ってくれている。-ファイナルステージは勢いを持って入って行けそう我々はチャレンジャーなので。これまで通りチャレンジャーのつもりで、自分たちにできることを精いっぱいやっていきたい。-オリックスの印象いつもどっちかと言えば守り合いになって、最後少し足らずで負けるっていうゲームが多いので、なんとかたくさん点取れるように頑張りたいと思いますし、ピッチャーの方もちょっとあの、結構出しちゃってるんで、しんどいと思いますけども、もうひと頑張りしてもらいたいなと思います。-リーグ戦の終盤から本当に厳しい試合が続いている。チームの成長は先発ピッチャーがちょっと少なくなって、リリーバーにすごく負担かかってるんですけども、その中で今日もそうですけど、本当にリリーバーがんばってくれているので、チームとしては良い方向に進んでいると思います。-この3試合はファンが素晴らしい雰囲気をつくってくれた完全ホームって感じで、すごい後押ししてくれて大変助かりました。ありがとうございます。-ファイナルステージに向けて一言がんばります。

◆ロッテがミラクルを起こした。劇的な逆転サヨナラでソフトバンクに勝ち、CSファーストステージを突破した。延長10回に救援陣が崩れ、3失点し、万事休すかと思われた。だがその裏にドラマが待っていた。無死一、二塁、今季1本塁打の藤岡裕大内野手(30)が右中間に起死回生の同点3ラン。最後は2死一塁から安田尚憲内野手(24)が右中間への適時二塁打を放った。対戦成績を2勝1敗としたロッテが、オリックスとのファイナルステージ(18日開幕、京セラドーム大阪)進出を決めた。藤岡には「5つ道具」がある。昨秋から練習での"相棒"となった5種類のバットたち。試合用ではなく、あくまで練習のティー打撃用。「自分は、高めとかを打つときに頭が起き上がってしまうのを気をつけたり、なるべく手で打たないっていうところ」。しっかりとした打撃フォーム形成が目的だ。オレンジから始まり、赤、緑、青。最後は灰色。重さや長さが微妙に違う。青は細くノックバットのよう。灰色は短く重い。「重いバットとかは体をしっかり回して打つとか、そういうところを意識づけるためにやってます」。そして仕上げは試合でも使う"相棒"。最近は試合用を30~40グラムくらい軽くした。「どうしても夏場振れなくなっちゃうんで、そこでちょっと軽いのにして。速いボールに対応できるようにと思って」。大一番で結果を導いてくれたバットたちにも感謝する。【鎌田直秀】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】ロッテが大逆転サヨナラでCSファーストステージを突破!延長10回、藤岡裕大の起死回生の同点3ラン!さらに安田尚憲の適時二塁打で勝負を決めました!次は王者オリックスとです。

◆ソフトバンクは15日の第2戦で欠場した周東佑京内野手(27)が2試合ぶりに「1番・中堅」でスタメン出場。前夜1番を打ち3安打と活躍した三森大貴内野手(24)は打順を7番に下げて出場する。周東は第1戦で4打数無安打。足のコンディション面で大事を取り、途中交代。第2戦ではベンチを温め続けた。CS直前には藤本監督が「周東の足の速さは塁に出れば脅威。投手をけん制することもできるし、相手投手の集中が欠けるというところもある」と短期決戦のキーマンとして指名していた男が、ファーストステージ突破をかける一戦で期待どおりの活躍をみせられるか。

◆ソフトバンクは和田毅投手(42)が5回を投げて2安打無失点と好投した。立ち上がりの一回に先頭の荻野に左前打を許して犠打で1死二塁とピンチを迎えたが、石川を二ゴロ。ポランコを四球で歩かせた2死一、三塁から岡を遊ゴロに打ち取り切り抜けた。二回は三者凡退に抑え、三回は2死から石川を内野安打で出した2死一塁。ここでポランコをカウント2-2から外角スライダーで空振り三振に仕留め、マウンドで雄たけびをあげた。四回、五回と三者凡退とし、5回63球を投げてお役御免。六回から2番手の又吉克樹投手(32)にバトンをつないだ。ファーストステージ突破がかかる決戦のマウンドを託され、集中を高めてマウンドに臨んだベテラン左腕。味方守備の好守にはグラブで手をたたいてたたえるなど、気合がみなぎる投球でチームを鼓舞した。

◆勝てば2位、負ければ4位、引き分けで3位の「10・10決戦」で7回無失点の好投を示してから6日。再び雄雌を決する舞台に立ったロッテ・小島和哉投手(27)が、貫禄たっぷりに左腕を振った。満員御礼となった本拠地ZOZOマリンで強気の投球を披露した。「自分の持っている力以上のものは出ない。長いイニングを投げようとかは意識せず、とにかく初回から後悔しないような投球ができるように頑張りたい」。そう意気込んでいた通り、初回からアクセル全開だった。27歳の小島と42歳の和田。早大出身の左腕対決となる中、チェンジアップ、スライダーなど変化球を駆使し、ソフトバンク打線を封じた。一回は1死から川瀬に左前打を許すなど2死一、二塁のピンチを招いたが、5番の中村晃を内角へのカットボールで二飛に打ち取った。二回はストライク先行の投球で6~8番を3者連続三振に斬った。六回には1死二塁から近藤に右前打を浴びたが、右翼手の荻野が本塁へ好返球し、失点を防いだ。仲間の好守にも救われ、6回1/3を無失点。七回1死を奪ったところで交代する際には、球場全体から万雷の拍手が送られた。レギュラーシーズン最終戦となった10月10日の楽天戦の前日、気づきがあった。総力戦で臨むため、仙台には1軍に登録されていない投手も多く同行していた。「練習のときにグラウンドでキャッチボールをしている投手の人数を見て、めっちゃ多いなと。この全員がこの試合にかけている。一人で背負う必要はない」。肩の荷が下り、自分の投球に集中できた。気負わず自分らしく。〝新境地〟で立ったマウンド。左腕が再び輝いた。(武田千怜)

◆大一番のマウンドを託されたのは42歳、パ・リーグ最年長のソフトバンク・和田だ。三回2死一、二塁で一番警戒するポランコを迎える。が、131キロスライダーで空振り三振に仕留め、マウンドで叫んだ。要所を締めるベテランらしい投球を披露して、序盤のロッテを封じていった。「もちろん、3戦目があると思って調整してきましたから...」難しい短期決戦も知り尽くしている。唯一の「ダイエーを知る選手」でもあるサウスポーは登板前からポストシーズンを楽しんでいた。「やっぱりCSだなというか。これがプロ野球だなというか。ビジターの中で野球ができるというのは、それはそれで幸せなことだと思う。当然応援はほぼロッテさんですけど。ホークスファンもたくさん負けない声がレフトスタンドから聞こえているので。その方々が一生懸命応援してくれているので。僕らはそれに報いるように精いっぱい頑張っていきたい」プロ21年目。1戦目、2戦目をベンチ外から眺めた言葉にも説得力がある。ルーキーイヤーの2003年日本シリーズ。3勝3敗の第7戦に先発して、無四球完投。ダイエーに日本一をもたらした。ホークス、メジャーで、実績を重ねて、下克上による頂点へ。打線の援護を待つ熱投でチームを鼓舞した。(上田雅昭)

◆ロッテ先発・小島和哉投手(27)が6回1/3を96球、4安打無失点と好投した。「荻さん(荻野)をはじめ、みんなに助けてもらいながら一番いい形で中継ぎにつなげることができました。あとはしっかりと仲間を応援したいと思います。最後勝ち切れるまで、ファンの皆さん熱い声援をお願いします!」とコメントした。勝てば2位、負ければ4位のレギュラーシーズン最終戦となった10日の楽天戦(楽天モバイルパーク)で7回94球、6安打無失点で勝利投手になってから中5日での登板。今季に開幕投手を務めた男が再び大舞台で輝きを放った。六回1死二塁で近藤に右前打を許したが、右翼手・荻野が本塁へワンバウンドでストライク返球で二走・柳田を刺殺。バックも熱投を続けるエースを援護した。

◆ソフトバンクの三森大貴内野手(24)が、九回の守備中に後頭部をグラウンドに強打し負傷退場するアクシデントがあった。九回1死で安田の打球は二塁後方へ上がる浅いフライに。これをバックしながら追った三森は打球に追いついたが、捕球できず、もんどり打って倒れた際に後頭部をグラウンドに強打。衝撃で体が回転しながら顔面も打ち、起き上がれなくなった。駆け寄ったトレーナーらスタッフがその場で処置し、ストレッチャーで運ばれ退場した。三森に代わって三塁を守っていた川瀬晃内野手(26)が二塁守備に回り、三塁には野村勇内野手(26)が入った。

◆ソフトバンクが0-0で同点の延長十回に均衡を破った。この回からマウンドに上がったロッテ5番手・沢村を一気に攻め立てた。1死から代打・柳町達外野手(26)が右中間二塁打を放って出塁して得た2死二塁で、周東佑京内野手(27)の中前打で1点を勝ち越し。続く川瀬晃内野手(26)が左中間を破る三塁打を放ってもう1点を追加。さらに代わった坂本から柳田悠岐外野手(35)が右前タイムリーを放って3-0とリードを広げた。

◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は16日、ZOZOマリンスタジアムでパ・リーグのファーストステージ第3戦が行われ、2位ロッテが延長十回の末、3位ソフトバンクに4―3で逆転サヨナラ勝ちし、対戦成績を2勝1敗としてファイナルステージ進出を決めた。ロッテは0―0の十回表に3点を奪われたが、その裏に藤岡の3ランで追い付き、安田の適時二塁打で決着をつけた。吉井監督は「投手も打者もみんなよく頑張ってくれた。藤岡はすごい集中力だった。安田はスーパー安田だった。ファンが完全ホームで後押ししてくれた」と選手をたたえ、「ファイナルステージはチャレンジャーとして頑張る」と意気込んだ。ファイナルステージはセ、パ両リーグとも18日に開幕し、セは18年ぶり優勝の阪神が甲子園球場で広島と対戦。パは3連覇のオリックスが京セラドーム大阪でロッテと顔を合わせる。阪神とオリックスには1勝のアドバンテージがあり、6試合制で日本シリーズ進出を争う。

◆2位ロッテが延長十回の末、3位ソフトバンクに4―3で逆転サヨナラ勝ちし、対戦成績を2勝1敗としてファイナルステージ進出を決めた。データは以下の通り。?レギュラーシーズン2位のロッテが2勝1敗で、CSファイナルステージ(S)進出を決めた。ロッテがファーストSを勝ち上がったのは、2005、07、10、13、15、21年に次いで2年ぶり7度目。ソフトバンクの6度を上回る最多回数。?セ・パともに2位球団がファイナルSに進出したのは、07年(中日&ロッテ)、09年(中日&楽天)に次いで14年ぶり3度目。?ロッテがファイナルSで戦うのは、20年(パのみ開催)を含めて8度目。日本シリーズに進出したのは、05年(公式戦2位)、10年(同3位)の2度。?プレーオフ、CSでのサヨナラ勝ちは今年のファーストS第1戦の広島(○3-2DeNA、十一回=秋山翔吾の単打)に次いで通算15度目。ステージ突破を決めた試合は昨年ファイナルS第4戦のオリックス(○3-2ソフトバンク、九回=中川圭太の単打)以来、6度目。ファーストS突破は04年第3戦の西武(○6-5日本ハム、九回=和田一浩の本塁打)以来19年ぶり2度目。?十回に3点ビハインドから4得点を奪い逆転サヨナラ勝ち。プレーオフ、CSで最終イニングに3点差以上を逆転しサヨナラ勝ちしたのは、09年第2S第1戦の日本ハム(九回表終了4-8→裏9x-8、対楽天、スレッジのサヨナラ満塁弾)以来14年ぶり2度目。?プレーオフ、CSで延長イニングに4得点を奪ったのは、11年ファーストS第1戦の西武(十一回)、13年ファイナルS第2戦のロッテ(十回)、この日のソフトバンクの各3得点を上回る最多。?藤岡が延長十回に同点3ラン。プレーオフ、CSでの延長イニングの本塁打は14年ファーストS第3戦の日本ハム・中田翔(1-1の十回に勝ち越しソロ)以来9年ぶり5本目。

◆ソフトバンク・後藤芳光球団社長(60)は16日、チームがロッテに逆転サヨナラ負けしてシーズンの全日程が終了した試合後、今季が2年契約の最終年だった藤本博史監督(59)の去就について「2年間、よく頑張ってくれた。来季に関しては、これから話し合います」と明言しなかった。藤本監督も「知りません。まだ何も聞いていません」と明確な回答をしなかった。打撃コーチ、2軍監督などとしてソフトバンクを支え、昨季から指揮を執った藤本監督。昨季は最終戦まで優勝争いに加わり、2位に入ったが、今季は上位争いに加われず、最終的にはオリックスと15・5ゲーム差の3位で3年連続のV逸。CSファーストステージで敗退し、最悪の形で終戦を迎えた。

◆ソフトバンクは0-0の延長十回に3点を奪ったが、まさかの逆転サヨナラ負けで敗退。王貞治球団会長は試合後、「いい形でいったんだけれど、最後の最後で残念な形になってしまった。勝負の世界は最後の最後までわからない。これが現実。乗り越えていかなければいけない。これから秋季キャンプ、春のキャンプで練習していくしかない」とコメントした。

◆ロッテが劇的なサヨナラ勝利で、リーグ優勝のオリックスと対戦するCSファイナルステージ(18日開幕、京セラ)への進出を決めた。以下は吉井理人監督(58)の試合後の一問一答。--すごい試合だった「ピッチャーもバッターもよく頑張ってくれました。いつもこうだったらいいなと思っています」――ファイナルS進出「もちろんうれしいです」――3点リードされた迎えた十回「ちょっと継投の順番間違えたんで、あっ...と思ったんですけど、そこを選手たちがはね返してくれたので良かったです」――先頭の中村奨に代打・角中「負けたら終わりなので、そこはためらいなく。角中使わずに負けるのも嫌なので、できることは全部しようと思っていました」――藤岡の一発は「一発ほしいところで一発で決めてくれた。すすごい集中力だと思います」――2死から安田がサヨナラ打「今日はスタメンじゃなかったけど、あとからでも集中してやってくれた。スーパー安田でしたね」――この3試合を振り返って「始まる前から先発はかなりきついなと思っていた。リリーフに負担掛かるのは分かっていた。その順番を間違えないのが鍵になるかなと思って、その中で起用に応えてくれて、みんなよく頑張ってくれた」――次はオリックス「これまで通り、チャレンジャーのつもりで自分たちのできることを精いっぱいやっていきます」

◆2位ロッテが延長十回の末、3位ソフトバンクに4―3で逆転サヨナラ勝ちし、対戦成績を2勝1敗として2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ進出を決めた。0―0の十回表に3点を奪われたが、その裏に藤岡裕大内野手(30)が起死回生の3ランを放って追い付き、安田尚憲内野手(24)の適時二塁打で決着をつけた。ファイナルステージ(6試合制)はセ、パ両リーグとも18日に開幕し、セは阪神が広島と対戦。パはオリックスがロッテと顔を合わせる。月曜日の夜。試合の流れを変える起死回生の一振りに、2万9050人が詰めかけた〝幕張劇場〟のボルテージは最高潮に達した。0-3の延長十回無死一、二塁、藤岡が右中間に同点3ラン。今季わずか1本塁打の2番打者は球場のどよめきが収まらない中、表情を変えずに右拳を掲げた。「前の二人がつないでくれたので、ホームランを打つという気持ちで打席に立ちました。ファンの声援がスタンドまで届かせてくれた」崖っぷちからファイナルの切符をつかんだ。延長十回、5番手の沢村が3失点。暗雲が垂れ込める中、野手陣が奮起した。「負けるとは思わなかった。絶対に取り返すという気持ちでみんないた」と藤岡。代打で登場した先頭の角中が10球粘って中前打を放ち、荻野も続いて無死一、二塁。藤岡は初球を捉え、右中間へたたき込んだ。一撃で球場の雰囲気を一変させ、今季3度のサヨナラを生んだ〝幕張のサヨナラ男〟安田の右中間への適時二塁打につなげた。大型遊撃手と期待されながらけがが多く、昨季は28試合の出場。今季は新人の友杉と併用で戦ってきた。4時間18分の激闘を笑顔で終える結果を残し「最高の形でチームに貢献できた。きょうは自分をほめたい」とうなずいた。吉井ロッテは驚異的な粘りで進撃する。レギュラーシーズンの最終戦で楽天に勝利してCS進出を2位で決め、ソフトバンクとのCSファーストステージ第3戦では3点差をはね返してサヨナラ勝ち。チームの結束が粘り強さを生んでいる。CS進出を決めた10日の夜。沢村の呼びかけで〝決起集会〟が開かれた。ポジションは関係なく、小島ら投手陣や野手陣が10人以上集結。「とりあえずお疲れさま。また、切り替えてCSも頑張ろう」。テーブルを囲み、食事をしながら語り合った。シーズン終盤は緊張状態が続いたこともあり、ナインは「いろんな話ができたし、リフレッシュになった」と声をそろえた。3位から日本一に駆け上がり〝史上最大の下克上〟と呼ばれた2010年は、CSファーストステージ第1戦の九回に4点差を追い付いて勝利し勢いに乗った。18日からオリックスとのファイナルステージが始まる。藤岡はお立ち台で「ファイナルに絶対勝って(日本シリーズで本拠地に)戻ってきます!!」と誓った。最高の勢いで決戦の地、大阪へ乗り込む。(武田千怜)

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