ヤクルト(☆5対4★)阪神 =リーグ戦25回戦(2023.10.04)・明治神宮野球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
3000010004832
ヤクルト
100020002X51101
勝利投手:田口 麗斗(3勝5敗33S)
敗戦投手:岩崎 優(3勝3敗35S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(19号・1回表2ラン),佐藤 輝明(24号・1回表ソロ)
【ヤクルト】山田 哲人(14号・1回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ ヤクルト戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆ヤクルトが劇的なサヨナラ勝利。ヤクルトは3-4で迎えた9回裏、1死一三塁から内山の適時打が飛び出し、土壇場で同点とする。なおも続く好機で山田が犠飛を放ち、試合を決めた。投げては、5番手・田口が今季3勝目。敗れた阪神は、3番手・岩崎が誤算だった。

◆阪神は今季レギュラーシーズン最終戦となる4日のヤクルト戦に臨む。同日の巨人戦に先発するDeNA東の黒星が条件ではあるが、13勝を挙げれば最高勝率の可能性を残す大竹が先発。さらにDeNA牧と並んでリーグ最多164安打の最多安打の中野、2位のDeNA宮崎に6厘差で出塁率4割3厘でトップの大山、28盗塁でトップ独走中の近本と4選手がタイトル獲得に挑む。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-4日が今季最終戦。メンバーは岡田監督「野手はみんな連れてくよ。ピッチャーはな、もう連れていけへんけど」-タイトルもかかるが、チームとしてもしっかりした内容で戦いたい岡田監督「いやいや、そんな、戦い方は考えてないよ。別に。まあ、だから大竹に勝たす。相手次第やから、わからへんけどな。そらお前。最善のフォローだけはしたらんと。中野は、そのまま2番でいくよ。近本が最初に出たらな、一、二塁間も広なるし、ちょっとな、ヒットのチャンスが。サインもそんなん、ランエンドヒットもしないし。もうあれからしてないよ。優勝してから(サイン出し)してないよ。中野に関してはな」-森下は広島で結果を出したが、最後も使うか岡田監督「最後は、普通のメンバー、あれやん、いつものメンバーでいくよ」-練習をみて岡田監督「練習では悪ないよ。別に。めちゃめちゃ練習から崩れてるゆうのは、別に、なかったけど。試合で、自分が崩れるんやんか。自分で崩れていくゆうことや。練習で、ワンバン振ってないよ。な? 試合になって、ワンバン振るんやから。練習ではワンバン振ってないよ」-ボール球を振らなければ、自分のカウントになると岡田監督「遅いわ、今頃。何試合してんねん、お前(笑い)」ー佐藤輝は9月はいい成績。変化を感じる岡田監督「変化、どうやろなあ...。なかなか毎日みてると、なかなか気づかんでな。だからその、ホームランとかも出とるけど、やっぱり率も上がってるわけやんか。それがまず一番やな。やっぱり、率が上がっていくと、自然とホームランも増えてくると思うよ、俺は。まず、率をあげなあかんわな。そんなの2割でホームラン王なんか取れへんやろ?」-勝負強さも出てきた岡田監督「そうやなあ。打点がなあ。だって今、一番チャンスに回ってくる打順やからなあ。5番なんかはなあ」-クライマックスシリーズまで調子を落とさずにいくためには?岡田監督「いや、そんなんお前、1カ月周期とかそんなん言うけどな、なかなかな。最後、フェニックス(リーグ)でうまいこと自分の感じというかなあ。それまでは練習になるからな、シート(打撃)とかもちょっとやるみたいやけど。それはもう自分で調整していくしかないやんか。結局、ゲームの中やからな、ゲームの中でのことやからな。練習でそらポンポンスタンドに放り込んでええ感じで打ってるって言うても、結局試合で打てんかったら何にもならんからな」-5、6番が打てば点が入ると言っているが短期決戦でもそれは変わらない岡田監督「それは変わらん、変わらん。一緒やわ。みんなやることは一緒やからな」-ローテーションを決めるのはまだ先か?岡田監督「だって相手がわからへんのやから。だから、フェニックスも中継ぎは10人以上、11人かなんか、そっから7人、8人な。まあな、DeNAも佐野があんなんになったら、そんなにブルペンに左ピッチャーはいらんようになるし、結局なあ。広島になったら左がいるとかな。先発ピッチャーは今年頑張ったもんからいくつもりでおるけど、ブルペン陣はちょっと変わってくるわな。メンバー的にな。一番極端やんか、DeNAと広島やったら。右で打つやつがおるのと、左しか(主力が)いてないところと。そうやろ?」-フェニックスリーグと相手を見て、ブルペン陣を絞り込む?岡田監督「そうそう。それはみんな調子を上げていかなあかんで。そらな。みんなフェニックスに行くから、2試合ぐらいかな、大体な。その辺でうまいことな、ピッチャーの方がまだええわ、ただもうな、ストライクゾーンに投げこんでいくな、自分の調子をそれでつかめるから」-シート打撃も多めにするのか岡田監督「いやそんなしない。そんな残ってないもん、選手も」-フェニックス行ってる間に湯浅は投げるか岡田監督「投げへん、投げへん、投げへんよ。いやいや、そらさっきも今日、和田(2軍監督)もきとったからな、ちょっとな、いろいろ話しにきとったけど、『まだそんな全然ボールいってない』言うとったで。そんなの、もう、俺はそんなの入れてないよ、別に。絶対いるいうアレじゃないからな。そらまだ完璧じゃなかったらまだ無理やろ、そんなん。そらお前、こっちのもっと頑張ってた中継ぎ陣もおるわけやから、そんなん外されへんよ」ーオリックス平野が250セーブ。ここまでの活躍は岡田監督「いやいや、だから、ボールの種類少ないしなあ。最初に言うたのは、『お前よう12敗するまで先発で投げさしてもろたなあ』言うたよ、お前。最初の言葉は。俺『3勝12敗のピッチャー、よう先発で使わん』言うてな」-監督に就任して決めていた岡田監督「そうそう、だから(オープン戦の)初戦先発やで、あれ、安芸で。3イニング、『お前1回先発してみい』言うて、3イニング、あれから先発1回もしてないわ」-リリーフならいいものを出せる岡田監督「ボールの種類が少ないし、フォークという一つの武器があったからな、やっぱりな。だってほとんど真っすぐとフォークだけやで、でも。岸田もそうやったなあ。あれも。岸田は逆に10勝4敗したけど、ようあれで、先発でな、あのボールの種類で、なあ、よう10勝もしたなあと思たなあ」-平野はここまでの選手になるとは岡田監督「いやいや、そら後ろやったら良かったからなあ。やっぱ後ろやなと思ったよ、うーん。そらええ時はもっとお前、ストレートも速かったしなあ、フォークもずっとあれ落ちとったよ。ストレートとフォークだけで十分いけたからなあ」-平野投手も岡田監督のおかげと岡田監督「あれはもうアメリカいく前も帰ってきた時も電話してきよるよ、平野は。帰ってきました言うて。電話かかってきとった。行く時も行ってきますって電話あったよ。平野はなあ」-見ててうれしい選手岡田監督「いや、そらそうやんか。だから結局、その平野いう選手を見るのは、成績とかそんなんじゃなしに、例えば京都でなあ、京産大にな、シーズン終わっていつもあいさつ行くとかな、そういうのものっすっごい気にする、俺は大事と思うんよな。結局そういうもんなんよな」-若い時からその辺の人間性も岡田監督「うん。俺の京都のな、岡田会にも鳥羽高校の監督とか来てたしな、それで話とか何回もしてたけど」-日本シリーズで対戦する可能性もある岡田監督「投げれる? 何を言うてんの。そんなんクライマックスも始まってないのに、日本シリーズの話て、何回勝たなあかんねん」-CSの時期まではどのように過ごしていくのがいいか岡田監督「そんなん正解ないわけやんか、こういう風に過ごしたら勝てるみたいなのはあるか? マニュアルが、ないやろ? そんなん。だからこっちは言いようがないし。気持ちはそらたかぶってくるよな、近づいてくるとな。そこである程度実戦でいい結果が出てる方が気分的にもええのは、そういうのは間違いないやん。それ以上のことはちょっとなあ。こんだけのことしました言うても、全然打てんやつもおるやんか」-05年もパ・リーグだけがプレーオフをやって岡田監督「あれもなあ。あれはもうめっちゃくちゃ盛り上がってたで。俺、ソフトバンク見に行ったけど、福岡ドームに。それからフェニックス行ったやん」-プレーオフを見にいった岡田監督「そやん。上の部屋から。めっちゃくちゃ盛り上がっとったよ。『うおー』と思ったよ」-似たような状況か岡田監督「それは分からへん。あの時もクライマックスあればな、そうなってるか分からんし。(宮崎に)調整にみんな行ったよ」-05年より若い選手が多いから楽しみか岡田監督「楽しみはずっと楽しみやん、そらチームが前は03年に優勝してるチームやから。前から言うてるように」-やれることをやるしかない「そやん」

◆阪神近本光司外野手(28)が今季最終戦で、12個目となる死球を受けた。「1番中堅」で出場した初回。雨が降る中で、左腕高橋の変化球が抜けた。かわそうとしたがよけきれず、背中に直撃。球場は一時騒然となったが、自力で一塁へ向かった。近本は9月3日のヤクルト戦(神宮)でも、死球を受けていた。

◆阪神の4番5番が、最終戦で今季4度目のアベック弾を放った。初回2死一塁。まずは大山悠輔内野手(28)だ。カウント3-2からヤクルト先発高橋のチェンジアップを強振。歓声とともに左翼席に飛び込む先制19号2ランとなった。「追い込まれたあとでも自分のスイングで捉えることができました。2アウトから得点をあげることができてよかったです」。直後には5番佐藤輝明内野手(24)が初球147キロ直球を捉え、右中間へのソロ本塁打。「大山さんがいい雰囲気をつくってくれたので、自分も積極的に打ちにいくことができました。ストレートに対してしっかりとスイングできました」。ルーキーイヤー21年以来、自己最多タイの24号となった。2人のアベック弾は通算10度目。2者連続での達成は初となった。

◆今季最終戦は阪神2点リードの3回攻撃開始前、雨により試合が一時中断となった。午後6時39分、試合前から振っていた雨脚が強まり、審判団が中断を決定。ただちにマウンド、各ベース周辺にブルーシートが敷かれ、両軍の選手はベンチへ下がっていった。その後、雨脚が弱まり同52分に試合再開。13分間の中断となった。阪神先発は「大雨降太郎」の愛称で知られる大竹耕太郎投手(28)。今季最終戦で本領発揮? した。

◆阪神近本光司外野手(28)が今季最終戦で、12個目となる死球を受けた。「1番中堅」で出場した初回。雨が降る中で、左腕高橋の変化球が抜けた。かわそうとしたがよけきれず、背中に直撃。球場は一時騒然となったが、自力で一塁へ向かった。その後、4回の守備からは島田海吏外野手(27)に交代した。

◆シェルドン・ノイジー外野手(28)の"爆肩"で得点を阻止した。2点リードの4回無死一、三塁の守備。浜田の打球は左翼ファウルゾーンのフェンス沿いに上がった。体勢を崩しながら捕球したのを見て、三塁走者村上は本塁へタッチアップ。しかし、ノイジーが素早く低い送球でバックホームし、間一髪でアウト。持ち前の強肩で得点を防いだ。

◆阪神才木浩人投手(24)が1点リードの6回に、今季初めて中継ぎでマウンドに上がった。今季19試合目の登板。ここまでは全て先発としてマウンドに上がり、8勝5敗、防御率1・87を記録していた。18日からのCSファイナルステージではリリーフで登板も見込まれる右腕。今季初の途中出場となった。

◆雨中の戦いが続く中、阪神中野拓夢内野手(27)のセ・リーグ最多安打タイトルが当確となった。試合前まで164本で並んでいたDeNA牧が無安打で試合終了。6回時点では中野にも安打は出ていないが、無安打に終わっても1位タイでのタイトル獲得が決定的となった。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が、5回9安打3失点で13勝の可能性を残して降板した。3点リードの初回に2死走者なしから山田にソロを浴びて1失点。5回には1死三塁から塩見に中前適時打を許し、なおも一、三塁から山田に左前適時打を許し同点となった。ただ、6回に1死一、三塁から佐藤輝が勝ち越しの右犠飛を放ち、大竹に勝ち投手の権利をもたらした。DeNA先発の東が巨人戦で9回1失点の完投負けを喫したため、大竹がこのまま勝利投手となれば、逆転での最高勝率のタイトルを獲得する。

◆午後8時26分に、この試合2度目の試合中断が判断された。阪神1点リードの7回ウラ。試合前から降り出した雨が再び強まった。すでに投球練習が始まっていた中だったが、選手らはベンチへ戻っていった。その後再び審判団らが現れ、ブルーシートが撤去。マウンドへの土入れなどが行われ、同38分に試合再開となった。

◆阪神大山悠輔内野手(28)が球団史上5人目の「全試合4番スタメン」をド派手な2ランで飾った。09年金本知憲以来14年ぶり、生え抜きプレーヤーに限れば85年掛布雅之以来38年ぶりの快挙となった。まずは1回2死一塁、先制の19号左越え2ラン。同点の6回1死二塁でも中前打。1本塁打を含む2安打2打点で2位DeNA宮崎を突き放し、自身初タイトルとなる最高出塁率にも輝いた。99四球、8犠飛もリーグ最多でフィニッシュ。18年ぶりの優勝を成し遂げたレギュラーシーズンを締めくくった。

◆阪神がレギュラーシーズン最終戦でサヨナラ負けを喫したが、タイトルホルダーを続出させた。まずは1回2死一塁、4番大山悠輔(28)の19号左越え2ランで先制。5番佐藤輝明内野手(24)も自己最多に並ぶ24号右越えソロを決め、初の「大山テル2者連続アーチ」を達成した。同点に追いつかれて迎えた6回は1死一、三塁で4番佐藤輝が右犠飛。1点リードで迎えた9回に逆転された。打線は1本塁打を含む2安打2打点の大山が最高出塁率を獲得。この日は無安打に終わった中野拓夢内野手(27)もDeNA牧と並ぶ164安打で最多安打に輝いた。村上頌樹投手(25)の最優秀防御率、岩崎優投手(32)の最多セーブ、近本光司外野手(28)の盗塁王も含め、阪神は5人がタイトルを獲得した。

◆タイトル目前やったのに...。阪神大竹耕太郎投手(28)が最高勝率のタイトル獲得目前も9回にチームがサヨナラ負けを喫し、最高勝率タイトルがスルリと抜け落ちた。1点リードの9回に岩崎を投入も、ヤクルト内山に同点適時打を打たれてこの時点でタイトルが消滅。さらに、山田のサヨナラ犠飛でチームは敗戦。まさかの展開だった。大竹は試合前まで12勝2敗。この日左腕が13勝目を挙げ、同日に先発するDeNA東が黒星となれば東が勝率8割4分2厘、大竹が8割6分7厘と僅差でタイトル獲得できるチャンスだった。

◆ヤクルトが最終戦を逆転サヨナラ勝ちで締め、借金26の5位で全日程を終えた。一丸で執念を見せた。王者阪神の前に劣勢だったが、1点を追う9回2死の守りで守護神田口を投入しピンチを脱した。裏の攻撃で「ヤングスワローズ」内山が同点打を放つと、なおも一、三塁からキャプテン山田が中犠飛で決めた。14号ソロなど3打点の山田は「勝ててよかった。今年は全然よくなかったので来年こそはという気持ちに既になっています」と見据えた。負ければセ・リーグでは初めての連覇翌年の最下位が決まるところだったが、土壇場で回避。リーグ3連覇、日本一奪回を目指したシーズンは、投打の歯車がなかなかかみ合わなかった。就任5年目となる来季も指揮する高津監督は「足りなかったことは1つや2つじゃありません。技術はもちろん、強い心、強い体、そして僕のマネジメント。この10月からどんどん鍛えていきたい」と話した。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)は最高勝率のタイトルを獲得寸前で逃した。5回9安打3失点の力投で勝ち投手の権利を持って降板。だが1点リードの9回、守護神岩崎が味方の失策など1死一、三塁のピンチを招き、ヤクルト内山に同点適時打を打たれて白星が消滅。さらにチームはサヨナラ負けで、ベンチからグラウンドを見つめるしかなった。大竹は試合前まで12勝2敗。この日タイトル規定の13勝目を挙げ、同日先発のDeNA東が巨人戦で黒星となれば東が勝率8割4分2厘、大竹が8割6分7厘となり、僅差でタイトルを獲得できた。実際、先に試合を終えたDeNAは0-1負けで東が敗戦投手に。大竹が逆転できる状況が整っていた。左腕は「まだ先(CS)があるので」とだけ話し、バスへ向かった。

◆阪神才木浩人投手が今季初リリーフで圧倒した。先発大竹の後を受け、1点リードの6回に登板。回またぎの3イニングで無安打無失点、4三振を奪った。1点リードの場面で、タイトルもかかったマウンド。「状況が違うので。いつも通りとは違う感じでしたね」と緊張感を振り返った。CSファイナルステージではリリーフでの登板も見込まれる右腕。今季最終戦での初救援に、柔軟な対応で応えた。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が、プロ3年目で初の最多安打タイトルを獲得した。DeNA牧と164本で並んでいたが、この日は両者とも無安打で分け合った。「最後の打席に立つ前に、何とか単独でという気持ちはあったんですけど。でも最後まで試合に出られたことが一番良かった」と納得の表情だった。この日も「2番二塁」で出場し、チームでただ1人、143試合フルイニング出場を達成した。遊撃から二塁へのコンバートから始まった1年で、自身初の"皆勤賞"。同ポジションでの達成は現監督の90年岡田彰布以来の快挙となった。この日も7回に二遊間への難しいゴロをさばくなど好プレーを披露。18年ぶりのアレに守備でも貢献した。 新人年から3年連続の20盗塁も達成し、走攻守で充実のシーズン。岡田監督は「そら価値あるよ、そら。ポジションもセカンドやからなあ。フルイニングいうのはなかなか、足もないとあかんからなあ、代走とかいらん選手なわけやから」と目を細めた。タイトル争いに終止符がつき、次なる舞台は18日開幕のCSファイナルステージ(甲子園)だ。「(タイトルの)プレッシャーはありましたし、そこから解放されるので。気持ちをリフレッシュして、もう1度状態を上げていければ」。日本シリーズ進出を目指し、ポストシーズンでも仕事を果たす。【波部俊之介】

◆阪神岡田彰布監督が巨人原辰徳監督の今季限りでの退任に驚いた。指揮官の1学年後輩で、大学から現役を含め、06~08年の3年間、今季とお互いに監督としてしのぎを削ってきた。指揮官は「いやまあ、あと1年契約があるから、びっくりしたけどなあ」と寂しそうな表情で振り返った。思い出については「思い出なんかないわ」ときっぱり。「まだ一緒にやりたかったか?」の問いには「何がやりたいんや(笑い)。やりたいとかやりたくないとかじゃなくて勝負やんか」と話し、帰りのバスに乗り込んだ。

◆タイトルも猛虎祭り! 阪神大山悠輔内野手(28)が最高出塁率(4割3厘)で自身初タイトルを獲得した。シーズン最終戦も初回に先制の19号2ランを放つなど2安打2打点と活躍。球団では史上5人目、生え抜きでは85年掛布雅之以来の「全試合4番スタメン」も達成した。この日、セ・リーグ全日程が終了し、タイトルも確定。阪神の獲得者5人は14年以来、球団タイ記録となった。大山は逆転サヨナラ負けの直後、神宮の三塁側フェンス沿いを小走りした。レギュラーシーズン最終戦。最高勝率が懸かっていた左腕大竹に白星をつけて終われず、浮かない表情から無念さが伝わってきた。とはいえ、懸命に走り抜いた過程が色あせることは決してない。球団史上5人目の「全試合4番スタメン」を達成し、最高出塁率で自身初のタイトルも獲得。「良かったです」。短くまとめた感想に少しだけ安堵(あんど)がにじんだ。出塁率は試合前時点で2位DeNA宮崎と6厘差だった。予断を許さない状況で1打席目から結果を出した。1回表2死一塁、フルカウント。ヤクルト左腕高橋の甘く入ったチェンジアップを強振した。「追い込まれた後でも自分のスイングでとらえることができた」。雨音を超える衝突音が「カンッ」と神宮球場に響き渡る。ライナー性の大飛球で左翼フェンスを楽々越した。先制の19号2ランで先発大竹を援護した。同点の6回1死二塁でも中前打を放ち、5番佐藤輝の犠飛をお膳立て。1本塁打を含む2安打2打点で出塁率4割3厘をキープし、虎の右打者では初の最高出塁率タイトルを手にした。99四球、8犠飛もリーグ最多でフィニッシュ。18年ぶりの優勝を成し遂げたレギュラーシーズンを最高の形で締めくくった。「2年前は4番から6番に落ちて悔しい思いもしたので...。4番で出続けられたことは自信になると思います」前日3日、そう言葉に力を込めていた。開幕4番でスタートした21年は不振続きで6月29日ヤクルト戦に4番を外れ、6番に降格。7番も4試合経験した。4番フル稼働を最重要課題とした1年。球団では09年金本知憲以来14年ぶり5人目、生え抜きプレーヤーに限れば85年掛布雅之以来38年ぶりの「全試合4番スタメン」には胸を張れる。チーム全体で見れば、最多安打の中野、最多盗塁の近本、最優秀防御率の村上、最多セーブの岩崎も含めて計5人がタイトルを獲得。この人数は14年以来9年ぶりの快挙だ。「とりあえず1年、無事に終われたのは良かった」と振り返った4番。グラウンドを後にする頃にはもう、視線を次に向けていた。【佐井陽介】阪神は大竹が勝率1位のタイトルを逃したが、村上が防御率、岩崎がセーブ、中野が安打、大山が出塁率、近本が盗塁と5人が5部門でタイトルホルダーになった。タイトル獲得者5人は球団では05、14年と並び球団最多タイ記録。プロ野球最多は12年巨人と17年ソフトバンクの6人。

◆阪神がレギュラーシーズン最終戦を制し、タイトルホルダーを続出させた。既に確定していた最優秀防御率の村上、セーブ王の岩崎に加え、最高出塁率の大山、最多安打の中野、盗塁王の近本と5選手がタイトルを獲得。試合に勝てば大竹も最高勝率を手にしていたが、まさかのサヨナラ負けで消滅した。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-大竹はあと1歩のところで最高勝率のタイトルを取れなかった「なあ。そうや。みんなうまいこといっとったのになあ。まあ、ほかのピッチャー。岩崎は、いかんでもよかったんやけどなあ。ほかのピッチャーは余計プレッシャーかかると思ったからなあ。まあ、しょあないわ。なあ」-9回は大竹のために岩崎を「そうや、他のピッチャーやったらプレッシャーかかるやろ。お前、若いピッチャーだったら、あの場面で。しょうがない。もう、なあ」-9回無死一、二塁で坂本が走者を送れたら「あーっ、あそこもなあ。スリーバントなあ。なかなか、芝もぬれているし、なかなか投げれへんのに。のう。普通に(バントを)決めといたらええのに。転がしといたらなあ」-そんな中で大山が最高出塁率、中野が通算安打でタイトル「まあだから、向こうもノーヒットって言うとったからな。だから、もう1つやったんやんか。3つ達成したら一番良かったけど」-大山の最高出塁率は「そら価値があるよ。そらタイトルやからな」-4割を超えた「今までがどんな数字か俺も知らんけど」-四球の数が大きい「そらフォアボールやろ。2割8分台か」-全試合4番がチームの方針を体現したのは今季を象徴している「おう。でもこれもやっぱり自分のためやからな。ボール球振らないのは、チームのためでもあるし、自分がな、これから率を伸ばしていくには、やっぱりな、自分のためでもあるんやで、でも、そら。まあ、もったいない打席が多かったように思うからな、オレも、去年まではな。だからそういう意味でも自分のためにもな、これから以降、率もああいう形でな、選んでいけば率も上がってくると思うからなあ」-ー中野のフルイニングも価値がある「うん、そら価値あるよ、そら。ポジションもセカンドやからなあ、フルイニングいうのはなかなか足もないとあかんからなあ、代走とかいらん選手なわけやから。そら価値あると思うよ」-近本は早めに代わったが「デッドボールで何か(背中が)張ってきたいうから、そうやん」-今日でレギュラーシーズン終わり。次に向けて「いやいや、まあまだ日にちあるからなあ、これはまあフェニックスとか行って。次言うても俺らは18日に合わすだけやからなあ。相手がどこかそらお前、わからへんわけやから、どっちになるかな」-巨人の原監督が退任。現役時代からしのぎを削ってきたが、寂しいのでは「うん。いやまあ、あと1年契約があるから、びっくりしたけどなあ」-前回の監督時代から対戦してきた。どんな存在か「いや、もう正式に決まったん?」-原監督本人が発表した「ああ、そうか。いや、フロントのコメントが載ってなかったからな、今日(の報道)でもな。自分で言うたんかなあって」-契約も残っているし、来季も戦うつもりだったか「いやいや、前(の退任)も契約がなくなったからやん。それだけのことやったやん」-思い出などは「思い出なんかないわ」-今年も対戦成績以上に接戦や采配合戦も多かったのでは「うん。まあ、そんななかったよなあ。前回よりも」-まだ一緒にやりたかったのでは「何がやりたいんや(笑い)。やりたいとかやりたくないとかじゃなくて、勝負やんか」

◆阪神の守護神岩崎優投手がまさかの土壇場サヨナラ劇を許した。1点リードの9回に登板。代打青木の中前打や味方の失策で1死一、三塁のピンチを招くと、代打内山の左前適時打で同点。さらに1死一、三塁で山田に決勝の中犠飛を浴びた。35セーブで初のセーブ王を獲得したが、シーズン最終戦で大竹の白星も消す3敗目。厳しい表情を浮かべ、無言で球場を後にした。

◆23年は阪神から5人のタイトルホルダーが選出された。すでに決定していた投手部門で最優秀防御率1・75の村上、最多35セーブの岩崎に加え、レギュラーシーズン最終戦を終えて大山は自身初タイトルとなる最高出塁率4割3厘、近本は28盗塁で2年連続4度目の盗塁王、中野は初受賞となる最多164安打と。5人が選出されたのは14年以来。同年はメッセンジャーが最多勝、奪三振、呉昇桓が最多セーブ、福原が最優秀中継ぎ、マートンが首位打者、ゴメスが最多打点を獲得していた。

◆阪神近本光司外野手が2年連続4度目の盗塁王に輝いた。この日走る場面はなかったが、リーグ断トツの28盗塁。「走りたい場面だったり、納得のいく盗塁が結構あったので、それはよかったかなと思いますけど、課題もあるので」と冷静だった。この日は初回の第1打席でヤクルト高橋から背中に死球を受けてその場にしゃがみ込んだ。プレーを続行し、2回は2死一塁から空振り三振。4回裏からは守備に就かず交代となった。岡田監督は「デッドボールで何か(背中が)張ってきたいうから」と説明した。

◆ヤクルトのドラフト2位ルーキー、西村瑠伊斗内野手(19)がシーズン最終戦でプロ初出場を果たした。3回先頭で先発高橋の代打で登場。2ボール2ストライクから阪神大竹の直球にバットが空を切り、空振り三振に倒れた。1打席だけだったが、本拠地神宮でデビューし「やっぱりこの球場の雰囲気はすごい。代打の難しさが分かった。来年1軍でできるように頑張ります」と話した。

◆今季最終戦。両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は大竹耕太郎投手(28)が先発する。今季は12勝2敗で防御率2・13。13勝目を挙げれば、最高勝率の条件を満たす。現在のトップはDeNAの東で勝率・889。同日に先発予定の東が敗れれば、東は同・842、大竹が勝てば・867にアップし、逆転で最高勝率のタイトルを戴冠できる。また、DeNA・牧と最多安打を争う中野は「2番・二塁」で先発。中野は自身初のフルイニング出場の記録もかかる。

◆ヤクルトは今季最終戦。勝てば5位、負けか引き分けで最下位が決まる。先発は高橋奎二投手(25)で今季ここまで4勝9敗。この日1軍初昇格を果たしたD2位・西村瑠伊斗外野手(19)=京都外大西高=はベンチスタートとなった。

◆最多安打のタイトルを争う阪神・中野拓夢内野手(27)が一回無死一塁で第1打席に立った。カウント2-1から高橋の直球に差し込まれて左邪飛に終わった。中野と164安打で並ぶDeNA・牧は、同じ午後6時開始の今季最終戦の巨人戦で、第1打席は中飛に倒れた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が一回に24号ソロを放った。高橋の初球、147キロ直球を捉えた。雨を切り裂き、打球は右中間スタンド最前列に吸い込まれる。1日の広島戦(マツダ)に続く2試合連発は今季24号。ルーキーイヤーの2021年にマークしたキャリアハイの本塁打数に並んだ。この回は2死一塁から4番・大山が左翼席へ19号2ランを放って先制。続く佐藤輝が一発を放ち、序盤から高橋を攻め立てた。大山はこの一発で、最高出塁のタイトルをほぼ手中におさめた。

◆阪神は一回に連続本塁打で3点を先制した。2死一塁から大山悠輔内野手(28)が左翼席へ19号2ラン。続く佐藤輝明内野手(24)がキャリアハイに並ぶ24号ソロを放った。大山悠輔 「打ったのはチェンジアップ。追い込まれたあとでも自分のスイングで捉えることができました。2アウトから得点をあげることができてよかったです」佐藤輝明 「大山さんがいい雰囲気を作ってくれたので、自分も積極的に打ちにいくことができました。ストレートに対してしっかりとスイングできました」

◆ヤクルト・山田哲人内野手(31)が一回2死から14号ソロを放ち、歴代単独2位の神宮通算156本塁打とした。「追い込まれていましたが甘く浮いてきた球を捉えることができました」0―3の一回2死。阪神先発・大竹に対し、フルカウントからの7球目、低めチェンジアップを捉えた。打球はぐんぐん伸びて左翼席中段に着弾。神宮球場では今季8本目で、通算では156本目となり、同球場の通算本塁打数で池山隆寛(現2軍監督)の167本塁打に次ぐ歴代単独2位となった。

◆ヤクルトD2位・西村瑠伊斗内野手(19)=京都外大西高=が三回先頭で代打でプロ初出場を果たした。9番・高橋の代打で打席へ。阪神・大竹に対し、カウント2―2からの5球目、141㌔直球にバットが空を切り、プロ初打席は空振り三振に終わった。前日3日の全体練習から1軍に合流し「緊張していますけど、楽しみの方が大きいです。全力で、がむしゃらにやっていきたい」と意気込んでいた西村。プロ1年目の最終戦で〝神宮デビュー〟を果たした。

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(28)が自慢の肩でチームを救った。3-1の四回。先発の大竹が先頭の村上に右前打を浴びると、続くオスナにも中前打。この打球をこの回から中堅の守備に就いた島田がファンブルし、無死一、三塁のピンチを背負った。続く浜田の打球は左翼ファウルグラウンドへ。捕球したノイジーはホームへ送球。これがツーバウンドで捕手のミットへとおさまった。タッチアップでホームを狙った三走・村上はタッチアウト。ミスを強肩で救うと、大竹が中村を中飛に仕留めて切り抜けた。最高勝率を争う大竹はこの試合での勝ち星が最低条件。今季何度も守備でチームを救ってきた助っ人が最終戦でも持ち味を出した。

◆最高勝率のタイトルを狙う阪神・大竹耕太郎投手(28)が五回につかまった。先頭の丸山和の打球は遊撃後方へ力のないフライ。木浪が追いついたかに見えたが、ボールは外野で弾んだ。アンラッキーな二塁打でピンチを背負うと、続く代打・北村は進塁打で1死三塁。塩見に中前に運ばれ、1点差に迫られた。さらに長岡に右前打で一、三塁。山田に同点の左前打を浴びた。DeNA・東と争う最高勝率のタイトルには勝ち星をあげることが絶対条件。同点でしのいだ左腕は、味方打線の奮起に期待するしかない。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(31)が2―3の五回1死一、三塁で同点の左前適時打を放った。「インコースの球でしたがうまく反応して打つことができました。追いつくことができてよかったです」1―3で迎えた五回。先頭の丸山和の当たりが遊撃手と中堅手の間に落ちるラッキーな二塁打となって好機を作ると、代打の北村の二ゴロの間に1死三塁。まずは塩見が「コンパクトに打つことができました」と中前適時打で2―3と追い上げると、長岡も右翼線へ安打を放ち一、三塁と好機を拡大した。山田はカウント1―1から3球目、内角直球を捉えて左前へ。同点に追いつく適時打とした。一回の第1打席では14号ソロを放って反撃を開始した主将。再びここぞの場面で打棒を発揮した。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)の最多安打のタイトルが確定した。この日は「2番・二塁」で出場も六回の時点で3打数無安打。それでも、164安打で並んでいたDeNAの牧が、巨人戦(東京ドーム)で3打数無安打に終わったため、中野の首位以上が確定した。中野は2021年に盗塁王のタイトルを獲得。打撃部門でのタイトルはプロ3年目で初となる。

◆ヤクルトがサヨナラ勝ちし、5位でシーズンを終えた。3―4の九回に代打内山の適時打で追い付き、山田の犠飛で試合を決めた。5番手の田口が3勝目。阪神は六回に1点を勝ち越したが、九回に登板の岩崎が踏ん張れなかった。

◆残暑に終止符を告げる冷たい雨を完璧に切り裂いた。ヤクルト・山田哲人内野手(31)が一回2死から左翼席へ14号ソロを放った。「追い込まれていましたが、甘く浮いてきた球を捉えることができました」。フルカウントから阪神先発、大竹の低めチェンジアップを一閃。9月21日の中日戦以来、自身7試合ぶりの一発で、今季8打数無安打に抑えられていた大竹から今季初安打をマークした。神宮球場では今季8本目で、通算では156本目。同球場の通算本塁打数で池山隆寛(現2軍監督)の167本塁打に次ぐ歴代単独2位となった。2―3の五回1死一、三塁では141キロの直球を捉えて左前適時打。一時、同点に追いつく一打に「インコースの球でしたが、うまく反応して打つことができた」とうなずいた。毎年1月に愛媛・松山市で合同自主トレを行う間柄の荒木と、日本ハム・谷内が今季限りで現役を引退することになった。5学年先輩の荒木の練習熱心な姿にはいつも刺激をもらっており、2013年から18年までヤクルトでともにプレーした2学年先輩の谷内は、公私ともに仲が良く相談事も気軽に話すことができる兄貴分。共に戦ってきた仲間がいなくなることに「さみしいね。自分も年齢を積み重ねてきたなって感じる」と感慨に浸った。それでも「1年でも長く頑張りたい。頑張らないと」。今季は打撃の調子が上がらず苦しむこともあったが、来季につなげるべく感触を取り戻してきた。チームは3-4の九回に内山壮の適時打と山田の中犠飛で逆転サヨナラ勝ち。3年ぶりの最下位を阻止して5位浮上で今季の全日程を終了した。

◆阪神は1点リードの九回、守護神・岩崎が一死一、三塁から代打・内山に同点打を浴びると、続く山田に決勝の中犠飛。今季最終戦でサヨナラ負けを喫した。阪神は大山、佐藤輝の2者連続アーチで先制。その後、同点とされたが、六回に佐藤輝の犠飛で勝ち越し。最高勝率のタイトルがかかっていた大竹は勝ち投手の権利を持ったまま降板したが、チームが敗れたため、タイトル獲得の条件となる13勝目を逃した。なお、この日は4打数無安打に終わった中野だったが、164安打でDeNA・牧とともに最多安打のタイトルを獲得した。

◆阪神がレギュラーシーズン最終戦で今季3度目のサヨナラ負け。岩崎優投手(32)が1点リードを守り切れず、逆転負けを喫した。13勝目を逃した大竹耕太郎投手(28)はDeNA・東克樹投手(27)が黒星を喫していたが、「勝率一位」を逸した。一回、大山悠輔内野手(28)と佐藤輝明内野手(24)の今季4度目のアベック弾で3点先取。球団では2009年金本知憲に次ぐ全試合4番先発を果たした大山の19号2ランに、佐藤輝が21年の自己最多に並ぶ24号ソロで続いた。佐藤輝が七回、球団記録となるチーム47犠飛目を放ったが、九回には失策。チームは3個を加え、6年連続リーグワーストの85失策。個人タイトルは5部門で戴冠。大山が「最高出塁率」、90年岡田彰布以来の球団二塁手フルイニング出場を記録した中野拓夢内野手(27)はDeNA・牧秀悟内野手(25)と「最多安打」を分け合った。岩崎が「最多セーブ」、村上頌樹投手(25)が「最優秀防御率」、近本光司外野手(28)が「最多盗塁」に輝いた。セ・リーグは全日程終了で2位広島、3位DeNA、4位巨人、5位ヤクルトで、最下位は中日。

◆阪神がレギュラーシーズン最終戦で今季3度目のサヨナラ負け。岩崎優投手(32)が1点リードを守り切れず、逆転負けを喫した。個人タイトルは5部門で戴冠。大山悠輔内野手(28)が「最高出塁率」、90年岡田彰布以来の球団二塁手フルイニング出場を記録した中野拓夢内野手(27)はDeNA・牧秀悟内野手(25)と「最多安打」を分け合った。岩崎が「最多セーブ」、村上頌樹投手(25)が「最優秀防御率」、近本光司外野手(28)が「最多盗塁」に輝いた。13勝目を逃した大竹耕太郎投手(28)は「勝率一位」を逸した。チームは3個を加え、6年連続リーグワーストの85失策。セ・リーグは全日程終了で2位広島、3位DeNA、4位巨人、5位ヤクルトで、最下位は中日。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=85勝53敗5分、観衆=2万8777人)。ーー大竹はあと一歩「みんなうまいこと行っとったのにな。岩崎は行かんでもよかったんやけどな。ほかのピッチャーは余計プレッシャーかかると思ったからな。まあ、しゃあないわ」ーー九回は大竹のために岩崎を「そうや、ほかのピッチャーやったらプレッシャーかかるやろ。若いピッチャーだったら、あの場面で」ーー九回無死一、二塁で坂本が走者を送れたら(犠打がファウルとなり、カウント1ー2からバスターエンドランに切り替えたが、空振り三振と二走の盗塁死)「スリーバントな。芝も濡れているし、なかなか投げれへんのに。普通に決めといたらエエのに。転がしといたらな」ーー大山が最高出塁率、中野が最多安打「向こう(DeNA・牧)もノーヒットって言うとったからな。もう一つやったやんか。(勝率一位と)3つ達成したら一番良かったけど」ーー大山の最高出塁率「そら価値があるよ。そらタイトルやからな」ーー4割を超えた(出塁率・403)「今までがどんな数字か俺も知らんけど」ーー四球の数が大きい「そらフォアボールやろ。2割8分台か」ーー全試合4番が今季を象徴「これもやっぱり自分のためやからな。ボール球振らないのは、チームのためでもあるし、自分がこれから率を伸ばして行くには、自分のためでもあるんやで。もったいない打席が多かったように思うからな、俺も、去年まではな。これから以降、ああいう形で選んで行けば率も上がってくると思うからな」ーー中野のフルイニングも価値がある「そら価値あるよ。セカンドやからな。フルイニングは足もないとアカンからな。代走とかいらん選手なわけやから。そら価値あると思うよ」ーー近本は早めに交代「(一回の)デッドボールで何か(背中が)張って来た言うから、そうやん」ーーレギュラーシーズンが終了。次に向けて「まだ日にちあるからな。フェニックスとか行って。次言うても、俺らは18日に合わすだけやからな。相手がどこかわからへんわけやから、どっちになるかな」ーー巨人・原監督が退任「あと1年契約があるから、びっくりしたけどな」ーー前回の監督時代から、どんな存在「もう正式に決まったん?」ーー原監督が発表した「ああ、そうか。フロントのコメントが載ってなかったからな、今日の(報道)でもな。自分で言うたんかなあって」ーー来季も戦うつもりだったか「いやいや、前(の退任)も契約がなくなったからやん。それだけのことやったやん」ーー思い出などは「思い出なんか、ないわ」ーー今年も采配合戦が多かったのでは「そんななかったよなあ。前回よりも」ーー一緒にやりたかったのでは「何がやりたいんや(笑い)。やりたいとか、やりたくないとかじゃなくて、勝負やんか」

◆ヤクルトがサヨナラ勝ちでシーズンを5位で終えた。3-4の九回1死一、三塁で代打・内山壮真捕手(21)の左前適時打で同点に追いつくと、最後は山田哲人内野手(31)が中犠飛を放ち、試合を決めた。試合後の高津臣吾監督(54)の主な一問一答は以下の通り。――最後はサヨナラで勝利を決めた「序盤、なかなかランナーが出ても、いつものことですけど得点圏で1本がなかなか出なかったんですけどね。最後は素晴らしい集中力と走塁と、つなぎと、よく相手のクローザーから2点もぎ取ったと思います」――九回は代打青木、内山がヒットでチャンスメーク「すごく順番とか出す場面というのは難しかったんですけど、今日野手を(ベンチに)1人多めに入れて、どんどん使えるところは使っていこうと。最後にああいう形にはなりましたけど、よくつないだと思います」――先発した高橋は一回に2被弾で3失点(3回3安打3失点で降板)「うーん。まぁ全員ではないですけども、今年のスワローズの先発陣、早い回に打ち込まれて大量失点してしまう場面が多かったので、彼も含めてそういうところが課題でしょうね。ゲームをつくる五回、六回、七回と、そこまでしっかり競ったゲームで進めていくためにはああいう立ち上がり、イニングをつくっちゃだめでしょうね」――ロドリゲス(2回無失点)、吉村(2回2/3を無失点)が初の中継ぎ登板「吉村は非常によかったですね。リリーフになっても、球に力もありましたし制球もよかったですし。その適正はあるのかなと。リリーフにするかどうかは別としてね。ロドリゲスの方はちょっと、あまり先発の時と変わらず、スピードももうちょっと出るかなと期待していたんですけど、いつもと一緒のような感じだった気がします」―今季の全試合を終えて「うーん。そうですね...。去年、おととしと、いいシーズンを送れただけにね。今年ももう1回と思ってスタートを切ったんですけど、なかなかうまくいかず、僕のマネジメントもうまくいかず、こういう結果になってしまったことはすごくファンの皆さんには申し訳ないという気持ちが大きいですね。しっかり鍛え直して、来年いいシーズンにしたいなと思います」――5位という結果「最下位より5位の方がもちろんいいですし、終わり方がね。みんなでつないでもぎ取った2点、勝利なので。いい勝ち方、いい勝利、勝ちだと思います」――巨人・原監督の退任が発表された「まだあの、なんていうんですかね。見習うレベルまでもいっていないくらい、相手の監督としてすごく嫌な監督さんでした。作戦も、継投も、非常に相手の心を読んでいるようなことをされますし、生意気ですけど、本当にさすがだなという感じでベンチに座っていました」――田口は1年抑え(3勝5敗33セーブ)としてまっとうした「クローザーとして初めてのシーズンだったので、指名はしたものの、少し不安はありました。ただ、一番大事な、常に1年間準備してブルペンに座っておくということをやり遂げたので、もう満点じゃないかなと思います。本当にチームが勝つためのイニングを稼いでくれたと思います」

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は六回からの3回を無失点で抑えた阪神・才木浩人投手(24)の投球内容を評価した。大竹にタイトルを取らせてあげたかったが岩崎で負けたのなら仕方がない。最多安打の中野はおめでとう。いろいろあり過ぎる試合だった。収穫は才木だ。岡田監督が第2先発的な起用を考えているのだろう。強力投手陣がそろった今季は日本一になる絶好のチャンス。勝つための用兵として、才木の配置転換を決断したと思われる。球威があり、切れもある。イニングの頭から起用すれば、先発と同じ気持ちで投げられるから、結果は残してくれるだろう。ただ投手コーチとして見守ってきた立場としては、故障上がりの才木の来季以降を考えると心配はしている。もちろん、投げる以上は頑張ってもらいたい。この試合で一番気になったのは打線の淡泊さ。一回に一発攻勢で先制したのはいいが、二回から五回までは、大竹のヒット1本だけ。短期決戦は相手もいい投手ばかりで1点をどうやって取っていくかがポイントになる。そう考えると、打線は心配。九回無死一、二塁から送れなかった場面などは顕著な例。打線の状態を上げていくのは急務だ。

◆ヤクルトは今季最終戦をサヨナラ勝ちで飾り、5位でシーズンを終えた。試合終了後にはセレモニーが行われ、高津臣吾監督(54)がファンに向けてあいさつを行った。全文は以下の通り。「まず最初に今年もたくさん神宮球場に足を運んでいただきました皆さん、そして全国から東京ヤクルトスワローズのために大きな声援を送ってくれたファンの皆さん、本当に1年間ありがとうございました。2023年、われわれスワローズは大きな目標と大きな夢を抱いてスタートしました。ただ、なかなかうまくいくこともなく、ファンの皆さんには残念な思いをさせてしまいましたけど、まだまだ発展途上だと思っております。昨年の10月、日本シリーズで日本一の胴上げを目の前で見ました。そのくやしさを晴らすべく一生懸命頑張ってきたのですけど、その悔しさを晴らすこともできず、本当にファンの皆さんにもさびしい思いをさせてしまいました。足りなかったことは1つや2つじゃありません。技術はもちろんですけど強い心、強い体、そして僕のマネジメント。この今月10月からどんどん鍛えていきたいと思います。ちょっと寂しいですけれども、今日の試合が今シーズンの東京ヤクルトスワローズの最後のゲームでした。また一冬越して、強くなった選手を来年の春、また神宮で迎えてください。そして、だいぶお帰りになりましたけれど、阪神タイガースファンのみなさん、ちょっと悔しいですけれど、優勝おめでとうございます。相手監督からいうのもなんですけれども、今年のタイガースは非常に強かったです。ぜひCSを勝ち抜き、またセ・リーグに日本一のフラッグを持って帰ってください。がんばってください。最後に、今年もたくさん球場に足を運んでいただきました。結果は少し残念な結果でしたけれども、また来年、新しいスワローズを見に神宮に来てください。そして全国各地から新しくなったスワローズをまた応援していただけますよう、心からお願いいたしまして、簡単ではありますけれども、締めの挨拶とさせていただきます。1年間本当に応援ありがとうございました」

◆ヤクルト・山田哲人内野手(31)がサヨナラ犠飛を含む3打点で勝利に貢献した。「勝ててよかったです」。0―3の一回に14号ソロを放って歴代単独2位の神宮通算156本塁打とすると、五回には一時同点とする左前適時打。最後は4―4に追いついた直後の九回1死一、三塁でサヨナラの中犠飛を放ち、歓喜のウォーターシャワーを浴びた。今季は下半身のコンディション不良もあり、プロ3年目の2013年以来10年ぶりに規定打席に到達できず。打率・231、40打点と苦しんだ1年となり「今年は全然よくなかったので、来年こそはという気持ちに既になっています」と悔しさをにじませた。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(23)は4打数1安打に終わり、今季は打率・256、31本塁打、84打点でシーズンを終えた。リーグ3連覇を目指したシーズンだったが5位に終わり、出場した全試合で4番に座った主砲は悔しさをにじませた。「率直に悔しい。こういうシーズンを目標にしていなかったので。でも、こうなった以上はまた来年、これを糧にやっていこうと思っています」昨季は三冠王を獲得したが、今季はタイトルを獲得することはできず。それでも球団では最年少記録となる3年連続30号達成をはじめ、通算本塁打数で清原和博氏を超えてプロ6年目の日本人選手最多記録も更新した。数々の記録を打ち立てたが「もっともっとできると思っていたんですけど、これが今の実力ということでしっかり受け止めて。課題もたくさんありますし、もっといろんなことに取り組んでいってまた来年この悔しさを晴らせるように頑張りたい」とさらなる高みを見据えた。

◆レギュラーシーズンの今季最終戦はまさかの逆転サヨナラ負け-。岡田監督に怒りはなかった。だが、必死で望みをつないできたからこそ、4-3の九回に〝緊急登板〟させた岩崎が代打・内山に同点打を浴びた瞬間には表情が曇った。「岩崎は、いかんでもよかったんやけどなあ。ほかのピッチャーは(1点差で)余計プレッシャーかかると思ったからなあ。しゃあないわ」今季最終戦はチームの勝利よりも大竹や中野、大山ら個人タイトルを争っている選手をアシストする采配に徹した。大竹は勝利投手になれば13勝目。この日の巨人戦(東京ドーム)で先発した東が負け投手になれば、大逆転で「最高勝率」のタイトルを手にすることができる。だからベストオーダーで臨んだ。その大竹は5回を投げて3失点。六回表に佐藤輝の右犠飛で勝ち越し、直後の回から送り込んだ才木は、期待に応えて3回無失点。あとは逃げ切るだけだった。「みんなうまいこといっとったのになあ」

◆佐藤輝は一回2死で大山との2者連続となる右中間ソロ。自己最多タイの24号で、ラスト2試合連続アーチで締めた。3-3の六回には一時勝ち越しの犠飛も放ったが、九回の守備では自身の失策絡みで同点とされチームはサヨナラ負け。チームも3個を加え、6年連続リーグワーストの85失策となった。本塁打については「よかったんじゃないですか」とうなずいたが、会心のフィニッシュとはいかなかった。今季92打点もキャリアハイ。打撃でしっかりと伸長を印象づけ、レギュラーシーズンを終えた。

◆村上が防御率1・75で最優秀防御率のタイトルを獲得した。今季は初先発した4月12日の巨人戦(東京ドーム)で7回完全投球をみせ、そこからローテを一度も外れることなく奮闘。リーグ優勝に貢献し、最終登板となった9月25日の中日戦(バンテリンドーム)で規定投球回に達した。DeNA・東が最終戦に好投して唯一の1点台とはならずも、プロ3年目で初の栄誉を手にした。

◆近本は28盗塁で2年連続4度目の盗塁王に輝いた。「納得のいく盗塁が結構あったので、それはよかった」。今季最終戦には「1番・中堅」で出場し、第1打席で背中に死球を受け、リーグ単独トップの12死球。プレーを続行したが、四回の守備でベンチに退いた。岡田監督は「デッドボールで何か(背中が)張ってきたいうから」と交代の理由を説明した。

◆ヤクルトは4日、今季最終戦となる阪神戦(神宮)に5―4でサヨナラ勝ちし、57勝83敗3分けの5位でシーズンを終えた。来季5年目の高津臣吾監督(54)はファンに向けて「また来年、新しいスワローズを見に神宮に来てください」と宣言。V奪回に向けてフリーエージェント(FA)戦線に参戦することが判明し、今季国内FA権を取得したオリックス・山崎福也投手(31)が権利を行使した場合に備え、獲得調査を進める。ナインの悔しさを表すように、冷たい雨が神宮に降った。負ければ最下位確定だった今季最終戦でサヨナラ勝ち。高津監督はリーグ5位でシーズンを終え、ファンに向けて巻き返しを誓った。「足りなかったことは1つや2つではありません。技術はもちろんですが、強い心、強い体、そして僕のマネジメント。この10月からどんどん鍛えていきたい。強くなった選手を来年の春、また神宮で迎えてください。新しいスワローズを見に来てください」V奪回に向け、補強にも動く。ヤクルトが今オフのFA戦線に参戦することが判明。今季、国内FA権の取得条件を満たしたオリックスの左腕、山崎福が権利を行使した場合に備えて調査を進めていくことが分かった。山崎福は東京・日大三高、明大を経て2015年にドラフト1位でオリックスに入団。19年にリリーフで36試合に登板すると、9年目の今季は先発ローテの一角として自身初の2桁勝利をマークするなど10勝5敗、防御率3.33でリーグ3連覇に貢献した。ヤクルトの今季のチーム防御率3.66が12球団ワースト。覇権奪回に向けて投手陣の整備が課題となっている。先発でもリリーフでも実績のある左腕は、補強ポイントに合致する。今季年俸は6000万円(推定)で、金銭や人的補償が発生しないCランク(外国人選手を除き年俸が球団内で11位以下)とみられ、FA宣言すれば複数球団が獲得に乗り出す可能性がある。オリックスはレギュラーシーズンが残り3試合あり、その後はクライマックスシリーズ、日本シリーズを控える。まずは2年連続日本一に全力を尽くす左腕。その決断に備え、ヤクルトも調査を進めていく。

◆4―3の九回に登板した守護神・岩崎はサヨナラ打を浴び3敗目。味方の失策などで1死一、三塁となり、代打・内山に左前へはじき返された。大竹の13勝目がかかった状況でリードを守り切ることはできず。岡田監督は「他のピッチャーやったらプレッシャーかかるやろ。しようがない」と擁護した。岩崎は35セーブで最多セーブのタイトルを獲得。1日の広島戦(マツダ)後には「チームのみんなのおかげ」と話していた。

◆六回から2番手で登板した才木は3回無失点の好リリーフでリードを守った。「1点差で(大竹さんの)タイトルを背負って投げていたので、いつも通りとは違う感じだった」。大竹の13勝目の権利がかかる中、六回に味方の失策で走者を背負うもゼロで乗り切り七回以降も無失点投球を続けた。1日の広島戦(マツダ)からロングリリーフ要員としてベンチ入りしていた右腕が、首脳陣の期待に応える活躍を見せた。

◆森下は「3番・右翼」で2試合連続で先発出場。3-3の六回1死で左翼フェンス直撃の二塁打を放って出塁し、続く大山の左前打、佐藤輝の犠飛で一時勝ち越しのホームを踏んだ。9月は22打席連続無安打を喫するなど苦しみも味わったが、レギュラーシーズンを戦い終え「1年目から優勝のところに立ち会えたのは経験になると思うので、その経験をつぶさないように来季からしっかりやっていきたい」と振り返った。

◆グラウンドに立ち続け、積み重ねてきたヒットは勲章になる。阪神・中野がちょっぴり悔しさをにじませながらも、最多安打の冠を手にした。「ちょっと情けないですね。何とか単独でという気持ちはあったんですけど。でも最後まで試合に出られたことが一番よかったかなと思います」164安打でDeNA・牧と並んで迎えた今季143試合目は4打数無安打。ただ、ライバルも無安打で自身初の打撃タイトル、最多安打に輝いた。プロ3年目は打率・285、2本塁打、40打点。安定した成績もさることながら、一番の喜びはフルイニング出場を達成できたことだ。「コンバート1年目で自分もどんなシーズンになるか分からない中で、143試合フルで戦えたことは自分としても自信になります」岡田新体制、改革の目玉となった中野の二塁コンバート。新たな挑戦に立ち向かう中、3月はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表としても戦った。「これに満足せず、試合に出続けられるような体を作っていきたい」。憧れは球団OB・鳥谷敬氏。代名詞ともいえる「鉄人」の称号を引き継ぐ覚悟はできている。2番としても成長した。21犠打はセ・リーグトップタイ。57四球は昨年を大きく上回り、つなぎの役目も果たした上でのタイトル戴冠だった。岡田監督は「ポジションも二塁やからなあ。フルイニングは足もないとあかん。代走とかいらん選手なわけやから。そら価値あると思うよ」とたたえた。「重圧から解放されるので、気持ちをリフレッシュして、またクライマックスに向けてもう一度状態を上げていければいいかなと思います」試合終了後、虎党から〝おめでとう〟の声が飛ぶ。小雨降る中、中野は晴れやかな表情で帰路についた。(原田遼太郎)

◆ウェ~ン、最後の最後何と悪夢のような敗戦...。中野の最多安打はうれしいけど、大竹耕太郎の最高勝率が夢と散った...。いや、終わったことは終わったこと!! この詰めの甘さ、教訓を生かして、ポストシーズンの頂点信じとるでェ!!そして、虎の通信簿大トリは18年ぶりに猛虎をアレに導いた、どんでん岡田はんしかおりまへ~ん。岡田監督の野球勘の鋭さは、4月2日のDeNA戦で、打席の島田がワンストライクになったところで、代打の代打に原口を送り、2点本塁打を呼ぶ神采配でも証明してます。そんな岡田監督のアレ名采配、オレのベスト3です。第3位『中野をセカンドへコンバート』。さすが現役時代は名セカンドだった岡田さん。その眼力はおそれ入りました。第2位『球界初、守備の助っ人外国人、ノイジー誕生』。過去の外国人助っ人は打ってなんぼ!! その常識を変えてもうたがな...第1位『自分が一番』。あくまでコメントに関してですが、8月19日のDeNA戦でスタメン小幡の3安打に「俺だけやで小幡推したんわ!!」。9月8日の広島戦で森下の大卒新人2ケタアーチには「まだ8本(岡田さんは18本)あるけどな」の自分大好きがたまりまへ~ん!!

◆全国の阪神ファンは巨人の背番号19・山崎伊織に「ありがとう」のお礼を言う準備をしていた。難攻不落のDeNA・東に投げ勝った。要するに、大竹の「最高勝率」の条件を整えてくれたわけだ。しかも、2安打完封。中野の「最多安打」のライバルを3打数ノーヒットに抑え込んだ。「虎のソナタMVP」(賞品、賞金一切なし)を授与する準備もしていた。だが、しかし。守護神・岩崎が大暗転。肝心のタイガースが逆転サヨナラ負けで、大竹の勲章は吹き飛んでしまった。まあ、仕方ないか。「大竹の勝率も、中野の安打数も、DeNAのライバル次第なんですよねぇ。目の前の阪神戦を見ながら、ずっと東京ドームのDeNAの試合も確認していました」最終戦取材のため神宮球場にやってきたトラ番・原田遼太郎。必死に〝他球場の経過〟をチェックしたが、結果は喜び半分、悔しさ半分。それでも納得の表情だった。「佐藤輝と牧は大学時代から顔なじみ。中野を含めて3人は同期入団です。中野と牧はWBCのチームメートでもあります。シーズン中もグラウンドで3人がそろって仲良く話しているシーンはよく目撃してきました。仲良し同士が正々堂々のタイトル争い。気持ちよく、楽しませてもらった最終戦でした」原田の言いたいことはよく分かる。もし、両チームの監督が、争う2人を試合に出場させなかったら、自動的に2人のタイトルホルダーが誕生したはず。ところが、中野にはもう1つの勲章「フルイニング出場」が掛かっている。絶対に最後まで出続ける。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
85535 0.616
(↓0.004)
優勝
(-)
0555
(+4)
424
(+5)
84
(+2)
79
(-)
0.247
(-)
2.660
(↓0.01)
2
(-)
広島
74654 0.532
(-)
11.5
(↑0.5)
0493
(-)
508
(-)
96
(-)
78
(-)
0.246
(-)
3.200
(-)
3
(1↓)
DeNA
74663 0.529
(↓0.003)
12
(-)
0520
(-)
496
(+1)
105
(-)
33
(-)
0.247
(↓0.001)
3.160
(↑0.01)
4
(-)
巨人
71702 0.504
(↑0.004)
15.5
(↑1)
0523
(+1)
507
(-)
164
(-)
48
(-)
0.252
(-)
3.390
(↑0.03)
5
(1↑)
ヤクルト
57833 0.407
(↑0.004)
29
(↑1)
0534
(+5)
567
(+4)
123
(+1)
62
(-)
0.239
(-)
3.660
(-)
6
(1↓)
中日
56825 0.406
(-)
29
(↑0.5)
0390
(-)
498
(-)
71
(-)
36
(-)
0.234
(-)
3.080
(-)