広島(★5対6☆)阪神 =リーグ戦25回戦(2023.10.01)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
00113010061001
広島
0020100025831
勝利投手:岡留 英貴(1勝0敗0S)
(セーブ:岩崎 優(3勝2敗35S))
敗戦投手:床田 寛樹(11勝7敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(23号・5回表3ラン)
【広島】小園 海斗(6号・3回裏2ラン)

  DAZN
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◆阪神は3回表、佐藤輝の適時打で先制する。直後に逆転を許すも、4回に近本の適時打で追いつくと、続く5回には佐藤輝が3ランを放ち、勝ち越しに成功した。投げては、2番手・岡留がプロ初勝利。敗れた広島は、最終回に1点差まで追い上げるも、あと一歩及ばなかった。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(23)が、2試合ぶりに「3番右翼」でスタメン復帰した。打撃不調の影響で、前日9月30日の同戦はベンチスタート。代打で登場し、安打を放っていた。また、野手のスタメンは主力組の打線に再び組み替えられた。

◆最多安打のタイトル争いの阪神中野拓夢内野手(27)が初回に今季164本目の安打を放った。初回1死から広島大瀬良の143キロ外角直球を逆方向へ飛ばす左前打。これで8試合連続安打と好調だ。最多安打を争うDeNA牧も初回に163本目となる中前打を放ったため、2位とは1本差となった。中野はフルイニング出場も目指しており、勢いそのまま最多安打も狙える位置をキープしている。

◆2試合ぶりにスタメン復帰の阪神ドラフト1位森下翔太外野手(23)が、2試合連続となる安打を放った。2-2の同点の5回、先頭で広島床田のツーシームを捉えて二塁強襲の内野安打とし、チャンスメークした。打撃不振にあえいでいたが、前日9月30日同戦で代打で安打を放った。CSで不可欠のルーキーが、徐々に状態を上げている。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、勝ち越しの23号3ランを放った。2-2の同点の5回無死一、二塁、広島3番手床田からファウルで粘って8球目、140キロの内角球を引っ張り、右翼スタンドへ。「追い込まれていましたが、しっかり自分のスイングができたと思います。良い形で追加点が取れてよかったです」。広島の必勝リレーを打ち砕く5試合ぶりの1発、1年目の自己最多の24本塁打まであと1本に迫った。3回1死満塁からは先制打を放っており、自身初の90打点に乗せた。阪神選手のシーズン90打点以上は、14年ゴメス109打点以来、9年ぶり。日本人では11年の新井貴浩93打点以来、12年ぶり。生え抜き選手に限ると、10年鳥谷敬の104打点以来、13年ぶり9人目、21度目。阪神の選手で年間90打点以上シーズンの最多は6度で、藤村富美男(48~53年)掛布雅之(78~79、82~85年)の2人。現監督の岡田彰布は、85年101打点の1度。なお球団最多は、05年今岡誠の147打点。

◆今季限りでの現役引退を発表した広島一岡竜司投手(32)が6回に登板した。登場曲FIELD OF VIEWの「突然」が流れる中、自ら白球を持った新井監督とともにマウンドへ。ベンチにはブルペンから島内や矢崎、栗林など後輩たちも駆けつけ、最後の登板を見守った。阪神島田に対して、フルカウントからの8球目144キロで見逃し三振を奪った。全球ストレート勝負で、現役最後となる通算290試合目の登板を終えた。1死からはともに3連覇を支えた中崎が登板した。

◆阪神が広島との今季最終戦を逆転勝利で飾り、連敗を3でストップした。5番の佐藤輝明内野手(24)の打棒が火を噴いた。3回1死満塁からは広島大瀬良の内角変化球を中前に運び先制点を奪取。直後に逆転を許したが、4回に近本の適時打で同点に追いつき、迎えた5回。無死一、二塁から3番手床田の内角ツーシームを引っ張り、右翼スタンドへ。自己最多まであと1本に迫る勝ち越しの23号3ランで、自身初となる90打点に乗せた。投手陣はブルペンデーで臨み、新人の18年以来5年ぶりに先発した馬場は3回2失点で降板。岡留、及川、ブルワー、島本、桐敷とつなぎ、9回は守護神岩崎優投手(32)が締めて9試合連続セーブの35セーブ目。自身初タイトルとなるセーブ王が確定した。また、2年目の岡留英貴投手(23)がプロ初勝利を手にした。

◆シーズン最終戦は7投手をつなぐ継投策も実らず、阪神に敗れた。3位DeNAが勝利したため、ゲーム差なしとなり、最終順位は4日DeNA巨人戦の結果次第となった。試合後にはセレモニーが行われ、新井貴浩監督(46)がファンにあいさつした。「今シーズンもたくさんのご声援ありがとうございました。開幕前の私たちに対する評価は決して高いものではありませんでした。その悔しさをバネに"よし、見とけよ!"とみんなが、選手全員が頑張ってくれたおかげでCSに進出することができました。このメンバーには、初めてCSを経験する選手もたくさんいます。この経験は彼らをまた大きく成長させてくれると思います。私たちのチームは、戦いながら強くなっていきます。CSでもレギュラーシーズン同様、全員野球で戦っていきたいと思います。1日でも長くみなさまに野球をお見せできるよう、また楽しんでいただけるように選手とともに精いっぱい頑張っていきたいと思います。正直に言いまして、今日の負けはめちゃくちゃ悔しいです。この悔しい気持ちを持って、全員でCSで戦っていきます。ありがとうございました」広島は前評判を覆し、5年ぶりのAクラス入りを果たし、14日からのCSファーストステージに臨む。セ・リーグの2位争い 全日程終了の広島が74勝65敗4分け、残り1試合のDeNAが74勝65敗3分けと、両チームが勝率5割3分2厘で並んだ。DeNAは最終戦の4日巨人戦に勝てば2位、負ければ3位。引き分けた時は両チームが全く並び、このケースは直接対決で14勝10敗1分けと勝ち越している広島が2位となる。

◆今季限りでの現役引退を発表した広島一岡竜司投手(32)の引退セレモニーが、シーズン最終戦後に行われた。「まずはじめにこのような舞台を用意していただいたカープ球団のみなさん、ありがとうございます。試合後残っていただいているファンのみなさん、ありがとうございます。ジャイアンツで2年、カープに来て10年、僕にとって本当に夢のようなプロ野球生活でした。カープファンの方々の熱い声援、一体感のある応援はいつも僕の背中を、そして今日も押してくれました。ありがとうございます。そして、こんな僕をたくさん使ってくれた監督、コーチのみなさん、そしてたくさんアドバイスをいただいた尊敬できる先輩方、そして頼れる後輩たち、ケガの多い僕を裏で支えてくれたトレーナーのみなさん、ブルペンキャッチャーのみなさん、裏方のみなさん、本当にありがとうございます。そして、僕を育ててくれた両親、いつも家に帰ると笑顔をくれる家族に感謝の気持ちを言いたいと思います。いつもありがとう。カープはこれからクライマックスシリーズへと向かいます。本当にファンのみなさんの力は選手の力となり、本当に心強いです。変わらぬ、ご声援よろしくお願いします。今日のような赤く染まったスタジアム。このマウンドからの最高の景色は今日で引退しますが、一生忘れることはありません。本当に幸せな12年間でした。本当にありがとうございました」

◆阪神が広島との今季最終戦を逆転勝利で飾り、連敗を3でストップした。5番の佐藤輝明内野手(24)の打棒が火を噴いた。3回1死満塁からは広島大瀬良の内角変化球を中前に運び先制点を奪取。直後に逆転を許したが、4回に近本の適時打で同点に追いつき、迎えた5回。無死一、二塁から3番手床田の内角ツーシームを引っ張り、右翼スタンドへ。自己最多まであと1本に迫る勝ち越しの23号3ランで、自身初となる90打点に乗せた。投手陣はブルペンデーで臨み、新人の18年以来5年ぶりに先発した馬場は3回2失点で降板。岡留、及川、ブルワー、島本、桐敷とつなぎ、9回は守護神岩崎優投手(32)が締めて9試合連続セーブの35セーブ目。自身初タイトルとなるセーブ王が確定した。また、2年目の岡留英貴投手(23)がプロ初勝利を挙げた。岡田彰布監督の一問一答は以下の通り。-岩崎は最後、点を取られたけどセーブがついた「おーん。いやあ、ちょうどなあ、セーブの機会があったからな。ちょうど、うまいこといったからなあ」-セーブ王は確定ですが「もう、そうやろ。なあ。おーん。よかったよ。なあ」-あらためて今季の岩崎について「そら最初、なあ。セットアッパーでなあ、スタートやったからなあ。そらお前、だから試合数結構なあ、増えとったけど。最初から(抑えで)いったったら、もっと楽にいっとったかもわからんけど」-貢献度は投手陣の中でもかなり大きい「いや、そら大きい大きい。2回か。なあ。失敗なあ。まあ、そら1年間投げて2回ぐらいはなあ、そら失敗はするよな」-今日は打線も2桁安打「まあまあ、ある程度今日は最後やったから、別にメンバーも出てたし」-5回は3点差で前進守備。短期決戦を想定した采配か「まあちょっとな、今日はな。まあ、なんかいろいろあったからな、昨日からな」-5回の佐藤輝の本塁打はうまく打った「おーん、なあ。打ちそうな感じやったけどな」-床田から打ったのは先を見据えても「来るかどうかはわからんかったけどな、ベンチに入っとるなあとは思ったけど。まあそこでなあ。床田が出たから左いてないようになったから、逆にこっちは攻めやすかったけど。左1枚やったからな」-森下はいい当たりもあった「戻ったんちゃう。ちょっとは」-突貫工事と言ってたが「俺は何にもしてないよ」-突貫工事の必要ない感じか「まあそれはすぐに結果が出たからなあ」-ブルペンデーで中継ぎの見極め「いやいや、まあ、もういけるもんは全部使おうと思ってたからな。延長なったら才木でいこう思ってたから。それまで使えたからな」-岡留がプロ初勝利「そうやな、俺分からんかった。誰が勝ち投手か分からんへんやん(笑い)」-今日の投球を見て「いやいや、自信つけたというかな、ついてるしな」-変化球がいい「そうやな、おーん。最初に比べたら経験も積んでなあ、落ち着いたんちゃうかな、だいぶな。自分のボール投げるようになったからな」-キャンプの紅白戦でストライクが入らなかったとことからのスタート「キャンプのあれは、俺は紅白戦のイメージがあったからな。何回も推薦あったけどファームから。おい大丈夫か、あの紅白戦の言うとったけどな。そういう意味では自信つけたよな、だいぶ」-打線はレギュラーメンバーで10安打「まあ、なあ、やっぱり14試合いうのは多いよな(優勝)決まってからな、なかなかモチベーションは無理やからな。こっちもそんなにハッパかけられへんよ、はっきり言うてな。今まで130試合もやった後のあれやからな」-まだ2週間あるが湯浅が実戦復帰した「おう、まだ、そんなん、まだフェニックス(リーグ)で投げてからや。そんなもん。そんなん」

◆阪神中野拓夢内野手(27)が初回に左前打を放ち今季164安打とし、最多安打のトップを守った。広島先発大瀬良の外角直球を逆らわず左翼へ。2安打のDeNA牧が並び、1安打の中日岡林が1本差でつけている。3人とも残りは1試合。「まずは143試合出ることに切り替えている。最後まで出られているから最多安打も狙えていると思う。気を抜かず頑張りたい」と、自身初のフルイニング出場と最多安打の両方を目指す。■ミエセス、気合同点ヘッスラ阪神ミエセスが体を張って同点劇を演出した。1点を追う4回2死から代打。床田の外角低めツーシームに食らいつき、三塁線へのボテボテのゴロで全力疾走。内野安打と悪送球で二塁に進塁。直後に近本の中前打で二塁から本塁まで激走し「足よりも頭からの方がいい」と気迫のヘッドスライディングをみせ、同点ホームを触った。「全力で毎試合、残りもやっていくことが必要」と引き締めた。■森下、スタメン復帰でマルチ阪神森下が2試合連続安打を放った。2試合ぶりにスタメン復帰し、5回先頭で広島床田のツーシームを二塁強襲の右前打。7回も矢崎の直球を中堅フェンス直撃の二塁打を記録し、出場7試合ぶりに長打も放った。「ボール球を振らず、自分のカウントもできている。思い通りのスイングが今日はできた。少しずついい方向に向いているかな」とマルチ安打に手応えを感じていた。■近本、苦手床田から適時打阪神近本が苦手の広島床田から適時打を放った。1点を追う4回2死二塁、緩い球にタイミングを崩されながらもしぶとく中前へ落とし同点とした。「とられた後すぐに得点を返すことができてよかった」。この打席まで今季10打数1安打と抑え込まれていた。CSで対戦する可能性もある左腕に嫌なイメージをつけた。今季42度目のマルチ安打もマークし、短期決戦に向け準備は整いつつある。

◆10月も勢い止まらん! 阪神佐藤輝明内野手(24)が23号3ランを含むマルチ安打で4打点を挙げ、自身初の90打点に到達した。2-2の同点で迎えた5回無死一、二塁。フルカウントから広島3番手床田の140キロの内角ツーシームを引っ張り、右翼席下段へ放り込んだ。「向こうもいい球を投げていた中、そこをうまく打てた。追い込まれていたけれど、打てているのはいいことだと思う」床田との今季対戦成績は4試合で打率5割7分1厘、2本塁打と相性は抜群。CSファイナルステージで対戦する可能性がある今季11勝の左のエースに嫌なイメージを与えた。プロ3年目で到達した90打点には「ランナーが(前に)出てくれたからですかね」と謙虚に語った。球団では、14年ゴメスの109点以来。生え抜きでは10年鳥谷敬104点以来、13年ぶりで史上9人目と、またも猛虎史に名前を刻んだ。さらに、1年目に記録した自己最多の24本塁打まであと1本に迫った。「残り1試合なので、頑張ります」。キャリアハイ到達のため、最後まで貪欲にアーチを狙う。9月成績は24試合で32安打、打率3割4分4厘、7本塁打、23打点と絶好調。中盤から好調をキープしている秘訣(ひけつ)には「練習してきたものがだんだんいい形になっているのかな。長い間打てていることは自信になります」と納得顔だ。岡田監督も「打ちそうな感じやった」と打席の雰囲気にうなずいた。3回1死満塁でも先制の中前適時打。満塁機での適時打はチーム13打者ぶりとなり、「満塁の呪縛」も解いた。最終戦となる4日ヤクルト戦に向け「頑張ります」。絶好調男が10月も自分の打撃を突き詰める。【三宅ひとみ】佐藤輝が自身初めてシーズン打点を90の大台に乗せた。セでは(1)牧(DeNA)103(2)岡本和(巨人)93に次ぎ3位だが、左打者に限れば12球団最多。パの打点1位近藤(ソフトバンク)85打点を引き離している。90打点は球団では14年ゴメス109打点以来、9年ぶり。日本人では11年の新井貴浩93打点以来、12年ぶり。生え抜き選手に限ると、10年鳥谷敬の104打点以来、13年ぶり9人目、21度目。左打者では10年ブラゼル117打点、同年鳥谷以来13年ぶり。90打点以上を挙げたシーズン数の阪神最多は6度で、生え抜きでは藤村富美男(48~53年)掛布雅之(78~79、82~85年)、移籍選手では金本知憲(04~09年)。なおシーズン球団最高は、05年今岡誠の147打点。

◆阪神の守護神岩崎優投手(32)が、10年目で悲願の初タイトルとなるセーブ王に輝いた。3点リードの9回に登場。先頭秋山にいきなり右翼線三塁打を許し、上本の内野ゴロで2点差に。なおも1死一、三塁から坂倉の内野ゴロで1点差まで迫られたが、最後は小園を高めの直球で空振り三振に斬り、左拳で小さくガッツポーズ。9試合連続セーブで35セーブ目を挙げ、タイトルを確定させた。「チームのおかげです。相手も必死に来るところで勝ちで締められた。今日(のセーブ)は価値があるんじゃないかなと思います」長年ブルペンを支えてきたが、意外にもタイトルとは無縁だった。「任されたところでやるだけです」とシーズン中の配置転換にも柔軟に応じてきた。今季もセットアッパーから始まり、湯浅の離脱で5月から代役守護神。6月末から8月末にかけては自己最長の23試合連続無失点を記録するなど、18年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。クローザーの重圧を受ける日々を送りながらも、常に周りに気を配り続けた。「後から言うよりも今起こっていることを伝えるのが一番分かりやすい」と石井、桐敷ら後輩へ、登板直前に「この選手は高さだけ」「コースだけ気をつけて」とワンポイントアドバイスを毎回送り、サポート役もこなした。「自分も(先輩に)そうして教えてもらったので」。伝統を引き継ぎ、成績、言動でブルペンを引っ張った。セ界最強守護神として、今度は「日本一」の栄光をつかみ取る。【古財稜明】岩崎が初の最多セーブを決めた。阪神の左腕投手がセ・リーグのセーブ数最多だったのは、77年山本和行以来46年ぶり2人目。なお、04年までは「最優秀救援投手」として、セーブ数に救援勝利数を加えた「セーブポイント」が表彰の基準だった。セーブ数だけでタイトル表彰するように変わった05年以降では、21年スアレス以来2年ぶり5人目、8度目。左腕では初だ。

◆広島・一岡竜司投手(32)が試合前に引退会見を開き、巨人と広島で過ごした12年間のプロ野球生活を振り返った。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの地元開催を懸けた大一番で登板を予定で試合後には引退セレモニーをする。アナウンサーとのやり取りは次の通り。──引退会見、引退セレモニーを迎えた「現役生活12年間で、当時は専門学校からプロに入団できて2、3年できればいいというのが正直なところだった。移籍後は野球選手を経験できて、なおかつ12年間できてセレモニーをしていただける。周りに恵まれていました」──引退を決めたのはいつ頃か。また理由は「ここ2、3年は1軍の戦力になっていなかった。自覚もあった。自分のストレートを投げられなくなったというのが大きな理由です。モデルチェンジをしたが、正直1軍で通用するレベルではなかった。自分で納得して引退を決めた。いつ頃とかはない。ずっと思っていた気持ち」──迷いは「むしろ、そういう状態になって2、3年契約していただいて感謝の気持ちしかない。後悔は不思議なぐらいない。ありがたい気持ちでいっぱいです」──家族への報告は「僕が一番いい時期を見て、現役生活を支えていただいた。ここ2、3年は野球選手として長くないと、家族にも伝えていた。家族もしっかりお疲れさまと。納得してくれたと思います」──新井監督からは「新井監督の現役時代に自分がマウンドに立たせてもらった。特別な思いもある、とおっしゃっていただいた。選手として本当にうれしい言葉をかけていただいた」──具体的にどのような言葉を「セレモニーで送り出してあげたい、と。昨日の試合後も(カープのために頑張ってくれた投手なので2位を争う試合でも)投げさせてもらえると言っていただいた。これ以上の幸せはない」──広島での10年は「移籍した当初は本当に右も左もわからなくてなんとかプロ野球の世界で、1軍の舞台で成功したい。この1試合で終わるかもしれないと気持ちだった。(阪神戦で)投げたら1軍で(通算)290試合になるが、そういう思いで腕を振ってきたので納得している。街を歩いていても広島市民に皆さんから温かい言葉をかけていただいた。応援や声援が背中を押してくれた。皆さんに感謝している」──印象に残る試合「どの試合も最後だと思って腕を振っていましたし、これといった試合はない。公式戦ではないが、13年のオフにジャイアンツでウインターリーグに行ったときに違うチームに溶け込むためには1発目の試合が大事だと痛感した。(13年オフに巨人へFA移籍した大竹寛の人的補償で広島に移籍して)14年の(宮崎)日南キャンプの最初の実戦で当時のレギュラークラスの人に対して投げた試合がターニングポイントとなった。(リーグ3)連覇もありがたいですし、忘れないですけど(一番は)移籍して一発目の実戦です」──その紅白戦を振り返って「本当に腕を振ることに必死だった。抑えたとは思うんですけど、よりインパクトを残そうと今まで以上に腕を振った結果、移籍してこれだけ投げさせてもらう形になったと思います」──2016~18年のリーグ3連覇「正直、打たれた嫌な記憶しかよみがえってこないが、3連覇という形になった。振り返ってみると3年間は非常に良い思い出ばかり。一緒にやったブルペン陣、チームメートに感謝したい」──プロでこだわったところは「無名の専門学生からジャイアンツに入れてもらって、その時はストレートが売りだった。自分の真っすぐを投げられなくなったら終わりだと思っていた。最後までストレートで勝負した」──支えは「大きな手術はなかったですけど、肩だったりをけがするタイプだった。トレーナーの皆さんに陰で支えてもらって選手として12年間、選手寿命はのばしてもらったと思う。トレーナーさんの力のおかげ。あとは家族です」──家族への思いは「広島に移籍して3人の男の子が生まれた。試合を終えて家に帰ってくると広島弁で話しかけてくれる。すっかり僕も広島の人間になれたという気持ちです」──改めてプロ野球人生を振り返って「カープには感謝の思いしかない。ジャイアンツにも無名の専門学生をプロに入団させてくれて感謝の気持ちでいっぱい。12年間も正直やれると思っていなかった。こういった最高の花道を用意してもらったので、最後の1試合を全力で腕を振りたい」──後輩へ「尊敬のできる先輩はもちろん、後輩も本当に今の中継ぎ陣を見たら力強い真っすぐを投げる頼もしい後輩たちばかり。僕の方が教わることも多かった。これから遠くから応援できたらいい。必死で応援します」──引退後は「発表していただいて時間が間もない。今後の予定は未定。今日まではプロ野球選手なので、終わってからゆっくり家族と相談したい」──ファンへ「ジャイアンツで2年間、カープで10年間、本当にお世話になりました。すっかり広島の街が好きなって、リーグ優勝、3連覇を経験できて最後このような舞台をつくってもらって僕は幸せ者だと思います。12年間ありがとうございました」

◆広島・新井貴浩監督(46)が試合前練習後に取材対応し、今季限りで現役引退する一岡竜司投手(32)の〝引退登板〟を改めて明言した。「最終戦、絶対にイッチーを投げさせると決めていた。優勝に貢献してくれたし、たくさん投げてくれた。ファンの方も投げる姿を見たいと思う」と語り、「監督は私、批判でも何でも受け止める、結果がどうなろうと」と腹をくくる。DeNAと2位を争う試合ということもあり、登板のタイミングは試合展開次第となるが、打者1人に投げることは決まっている。この日、引退会見に臨んだ一岡は「これ以上の幸せ者はいない。最高の花道を用意していただいた。最後の1試合全力で腕を振りたい」と感謝を胸に現役最後のマウンドに上がる。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神はブルペンデーとして臨み、馬場皐輔投手(28)が5年ぶりの先発マウンドに立つ。今季は中継ぎとして18試合に登板し、2勝1敗、防御率1・89。また、ドラフト1位・森下翔太外野手(23)=中大=が「3番・右翼」で2試合ぶりにスタメン復帰。9月30日の同戦では代打で出場し左前打を放った。不振脱却を目指す若虎が、状態を上げるきっかけをつかむ。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)が一回の第1打席に左前打を放った。大瀬良の143キロ直球にバットを合わせて左前へ。試合前の時点で今季163安打はセ・リーグ単独トップ。1本差に迫る中日・岡林、DeNA・牧にこれで2本差とした。白熱の最多安打争い、ラストスパートでヒットを量産する。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が先制の中前適時打を放った。0-0の三回、先頭の近本が左前打を放つと、中野が四球で無死一、二塁。広島の先発・大瀬良をマウンドから引きずり下ろした。2番手・大道から森下が四球を選んで無死満塁の絶好機。しかし、大山が見逃し三振で1死満塁となる。佐藤輝が打席へ。カウント2-2からの6球目、135キロカットボールに食らいついた。中前に運ぶ一打で阪神が先制。佐藤輝は一回1死満塁の好機では空振り三振。この日2度目の満塁はしっかりと結果を残した。

◆阪神先発の馬場皐輔投手(28)は3回4安打2失点で降板した。先頭の会沢に左前打。代打・田中は見逃し三振に仕留めたが、小園に高めに浮いたカーブを右翼席にはじき返されて逆転2ランとされた。ブルペンデーとなったこの試合で1年目の2018年以来、5年ぶりの先発登板となった右腕は1点のリードを守り切れず。四回の攻撃で代打が送られて3回2失点で交代した。

◆阪神、ヨハン・ミエセス外野手(28)が激走で魅せた。1-2と逆転された直後の四回、広島は左のエース・床田を投入した。2死とし、代打・ミエセスがコール。ファウルで粘って7球目だった。三塁線へたたきつけるように放った打球に助っ人は激走。三塁から一塁への送球が逸れたことを確認すると、スピードを緩めずそのまま二塁に到達した(記録は三塁内野安打と三失)。2死二塁とし打席には近本。床田の114キロパームを捉えると、打球は中前にポトリと落ちるヒット。この打球に助っ人は再び激走。同点のホームへ、ヘッドスライディングでかえってきた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が2-2で迎えた五回無死一、二塁で勝ち越しの23号3ランを放った。フルカウントから8球目。床田の140キロツーシームを振り抜いた。打球は右翼席へ一直線。9月25日の中日戦(バンテリンドーム)以来の一発で自己最多の24本塁打まで1本とした。佐藤輝は三回にも先制の中前適時打を放っており、これでこの日4打点。シーズン90打点に到達した。

◆広島・一岡竜司投手(32)が現役最後の登板を三振で締めくくった。3─5の六回に新井監督と一緒にマウンドへ。先頭の島田に対してオール直球で臨み、フルカウントからの8球目の外角高めの144キロ直球がズバリと決まり見逃し三振に仕留めた。通算290試合目の登板を無失点で終えると両軍のベンチ、スタンドからは大きな拍手が起こった。試合前には家族とともにグラウンドに登場し、長男・大凱くん(6)と次男・凌生くん(4)が始球式に臨み、元気いっぱいの投球で盛り上げた。

◆阪神が計10安打を放って打ち勝った。三回に5番・佐藤輝明内野手(24)が中前タイムリーを放って先制。逆転された後の四回には近本光司外野手(28)が右前タイムリーで追いつくと、五回には佐藤輝が右越えに3ランを放って5ー2と勝ち越した。5-3の七回にも坂本誠志郎捕手(29)が中前にタイムリーを放って1点を加えた。四回から2番手で登板して1回と3分の1イニングを無得点に抑えた岡留英貴投手(23)がプロ初勝利をマークした。九回は岩崎優投手(32)が2点を返されたが逃げ切り、リーグ単独トップの35セーブ目として最多セーブのタイトルを確定させた。

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(75)は2年目で初勝利を挙げた阪神・岡留英貴投手(23)に言及した。優勝決定後、中継ぎ陣が今ヒトツで、登板間隔が空いたこともあり、CSに向けての調整に不安を感じていた。ブルペンデーは現状の力を把握する格好の舞台だった。短期決戦で一番面白そうなのが岡留だ。四回から1回1/3を投げて失点したが、球のキレが衰えない。右の変則フォームは右打者は特にタイミングが取りづらく、調子が下降線で心配な加治屋の代役も可能だ。状況に応じては、右のワンポイントとして使える。左のワンポイントの最有力候補は島本。勝ち試合の終盤1イニングを託せることは分かっていたが、この日の起用は左の坂倉に対しての「一人一殺」。1イニングを任せられる島本が1人に全力で臨むのだから、ベンチは心強い。左右のワンポイントにメドが立ったのは大きな収穫だ。岡田監督もテストの継投をしながら、手ごたえを感じたはずだ。登板間隔が空くと実戦勘を取り戻すのが意外に難しいのが救援陣。練習日にどんな調整をさせて、調子を維持するか。岡田監督、安藤投手コーチの腕の見せ所でもある。

◆阪神が連敗を「3」で止めた。同点の五回、佐藤輝明内野手(24)が23号3ラン。三回の適時打と合わせて4打点を加え、初の90打点に到達し、自己最多本塁打まで、あと「1」とした。「3番・右翼」で2試合ぶりスタメンのD1位・森下翔太外野手(23)=中大=は2安打。2年目の岡留英貴投手(23)がプロ初勝利。九回に2点を失ったが岩崎優投手(32)は35セーブ目で初タイトルが確定した。最多安打は1安打の阪神・中野拓夢内野手(27)と2安打のDeNA・牧秀悟内野手(25)が「164」で並び、1差で中日・岡林勇希外野手(21)が追う展開で、3球団とも残りは1試合。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=85勝52敗5分、観衆=3万1209人)。ーー岩崎は点を取られたがセーブがついた「ちょうどセーブの機会があったからな。うまいこといったからな」ーーセーブ王確定「もう、そうやろ。よかったよ」ーー改めて岩崎について「最初、セットアッパーで、スタートやったからな。そらお前、だから試合数結構、増えとったけど。最初から(抑えで)行ったら、もっと楽に行っとったかもわからんけど」ーー貢献度は投手陣の中でもかなり大きい「そら大きい大きい。2回か、失敗。そら1年間投げて2回ぐらいは失敗するよな」ーー打線も2桁安打「今日は(広島戦が)最後やったから、別にメンバーも出てたし」ーー五回の佐藤輝の本塁打はうまく打った「打ちそうな感じやったけどな」ーー床田から打ったのは先を見据えても「来るかどうかはわからんかったけどな、ベンチに入っとるなとは思ったけど。床田が出たから左いてないようになったから、逆にこっちは攻めやすかったけど。左1枚やったからな」ーー森下はいい当たりもあった「戻ったんちゃう? ちょっとは」ーー突貫工事と言ってたが「俺は何にもしてないよ」ーー突貫工事の必要ない感じか「それはすぐに結果が出たからなあ」ーーブルペンデーで見極めと言っていた「行けるもんは全部使おうと思ってたからな。延長なったら才木で行こう思ってたから。それまで使えたからな」ーー岡留がプロ初勝利「俺分からんかった。誰が勝ち投手か分からんへんやん(笑)」ーー投球を見て「自信つけたというかな、ついてるしな」ーー変化球がいい「最初に比べたら経験も積んで、落ち着いたんちゃうかな。自分のボール投げるようになったからな」ーーキャンプの紅白戦でストライクが入らなかった所からスタート「キャンプのアレは、俺は紅白戦のイメージがあったからな。何回も推薦あったけどファームから。おい大丈夫か、あの紅白戦の言うとったけどな。そういう意味では自信つけたよな、だいぶ」ーー打線はレギュラーメンバーで10安打「やっぱり14試合いうのは多いよな(優勝)決まってからな。なかなかモチベーションは無理やからな。こっちもそんなにハッパかけられへんよ、はっきり言うてな。今まで130試合もやった後のアレやからな」ーー湯浅が実戦復帰した「おう、まだ、そんなん、まだフェニックスで投げてからや。そんなもん。そんなん」

◆試合後、今季限りで現役引退する一岡竜司投手(32)のセレモニーが行われた。スピーチでは感謝を述べ、選手会長の大瀬良や家族から花束を受け取った。全員で記念撮影の後、胴上げで8度舞った。スピーチは以下の通り。「まず始めにこのような舞台を用意していただいたカープ球団の皆さまありがとうございます。そして、試合後、残っていただいたファンの皆さんありがとうございます。ジャイアンツで2年、カープに来て10年、僕にとって本当に夢のようなプロ野球生活でした。カープファンの方々の熱い声援、一体感のある応援はいつも僕の背中を押してくれました。ありがとうございます。そしてこんな僕をたくさん使っていただいた監督、コーチの皆さん、たくさんアドバイスをいただいた尊敬できる先輩方、そして頼れる後輩たち、けがの多い僕を裏で支えてくれたトレーナーの皆さん、ブルペンキャッチャーの皆さん、裏方の皆さん、本当にありがとうございます。そして、僕を育ててくれた両親、いつも家に帰ると笑顔をくれる家族に感謝の気持ちを言いたいと思います。いつもありがとう。カープはこれからクライマックスシリーズへと向かいます。本当にファンの皆さんの力は選手の力となり本当に心強いです。変わらずご声援よろしくお願いします。今日のような赤く染まったスタジアム、このマウンドからの最高の景色は、今日で引退しますが、一生忘れることはございません。本当に幸せな12年間でした。ありがとうございました」

◆救援投手がバトンをつなぐ、ブルペンデー。2番手で登板した2年目の岡留英貴投手(23)が、うれしいプロ初勝利をつかんだ。「素直にうれしいです」2ー2の四回に先発・馬場の後を受けてマウンドへ。堂林、秋山、上本をすべてフライアウトに仕留めると、五回の攻撃で佐藤輝の勝ち越し3ランが飛び出した。その裏は先頭の末包に二塁打を許した後、犠打で1死三塁とされたところで交代。及川がリードを保ったため、登板8試合目にして記念すべき1勝目が転がり込んだ。「親からもLINEが来ていたので、それがうれしいです」勝利後、家族間のグループLINEに「初勝利」とのメッセージと試合中継のテレビ画面を撮影した写真が届いた。いつ出番があるかわからない中継ぎの役割を務めながらも家族が見届けてくれた。それが何よりもうれしかった。ポストシーズンへ秘密兵器となる。

◆最多安打争いトップで試合を迎えた中野拓夢内野手(27)は、一回1死で左前にはじき返し、4打数1安打で今季164安打。この日2安打したDeNA・牧に並ばれ、ともにあと1試合を残し最後までもつれるデッドヒートとなった。「142試合フルでやってきたからこそ、最多安打争いもできていると思う。143試合、最後終わるまで、しっかり気を抜かず終われれば」力強い言葉でレギュラーシーズン最終戦となる4日のヤクルト戦(神宮)を全力で戦うことを宣言した。2021年の盗塁王に続く個人タイトル奪取は「『意識しない』と思っても勝手にしていることではある」と心中を吐露。それでも打席での集中を保つため「最後まで試合に出て、その結果ついてくればいい」との心掛けを忘れない。自然体で打席に立ち続けた先に、大きな勲章が待っている。(上阪正人)

◆2試合ぶり先発の阪神・近本光司外野手(28)は三回に左前打、四回には中前打を放って2安打。「(安打が)出てよかったです」。9月後半は無理せずスタメンを外れる試合も続いたが、残り試合わずかとなったこの時期に打撃で結果を出したのは好材料。今季最終戦となる4日のヤクルト戦(神宮)に向けては「気持ちよくいきます」と快音を響かせてレギュラーシーズンを締める。

◆1年目の2018年8月12日のDeNA戦(横浜)以来、5年ぶりに先発を任された阪神・馬場皐輔投手(28)は、「気持ちよかったですね」とまっさらなマウンドに感慨深げだった。小園に逆転2ランを浴びるなど3回4安打2失点。それでも「自分の投球ができたのでよかった。状態もいいので、全然問題ないかなと思います」と手応えをつかんでいた。

◆阪神のヨハン・ミエセス外野手(28)が1-2の四回2死で代打出場した。床田の138キロツーシームをフルスイング。打球は高くバウンドした。全力疾走し、三塁手の悪送球を誘い、内野安打と失策で二塁へと進んだ。続く近本の中前打で再び激走し、ヘッドスライディングで同点のホームへ。「足よりも頭の方がいいと思った。いつも気持ちを入れてプレーしたい。よかった」。泥だらけのユニホームでナインとピースタッチを交わした。

◆冷や汗をかきながらも最後は空振り三振で締め、静かにガッツポーズした。数々の修羅場をくぐり抜けた先に最多セーブのタイトルが待っていた。阪神・岩崎優投手(32)がプロ10年目で初タイトルを手にした。「なんとか最後、相手も必死にくるところも勝ちで締められたので、今日は価値があるんじゃないかなと思います」3点リードの九回に登板も苦戦した。先頭の秋山に右翼線三塁打を許し、上本の二ゴロであっさり1点を献上。その後も1点を返されたが、意地を見せた。小園にフルカウントまで粘られながらも直球で仕留め、今季35セーブ目を挙げた。残り1試合の2位・田口(ヤクルト)に2セーブ差とし、球団の日本選手では2011年の藤川球児以来の最多セーブが決定。「自分一人では取れない。チームのみんなのおかげ」と感謝した。今季は不振の湯浅に代わって途中から抑えを任された。岡田監督は「最初から(抑えで)いったったら、もっと楽に(タイトル獲得まで)いっとったかもわからん」と目を細めたが、最後方からR・マルティネス(中日)らを追い抜いた。18年ぶりの優勝へ、ブルペンリーダーとして若手を束ねた。「雰囲気作りとかは岩貞とか加治屋がうまくやってくれている」。口数は決して多くはないが、壁を作らないのも岩崎の特長。気づいたことがあれば惜しみなく助言する。高卒4年目左腕の及川は「投げ終わったすぐ後に『ここがこうだったな』とか、振り返りを言ってくださる」と感謝するが、岩崎も「自分もそうして教えてもらったので」と話す。藤川氏をはじめ、先輩からの恩を忘れない。強固なブルペンの伝統を守っている。「(タイトルを獲得した心境は)今はまだ分からないです。でもよかったですね」タイトルが決まっても戦いは続く。日本一の瞬間をマウンドで迎えてこそ、正真正銘の虎の守護神だ。(織原祥平)

◆涙の数だけ-。岡本真夜の名曲「TOMORROW」が、どん底から抜けだそうとしている阪神・森下翔太外野手(23)を表している。2試合ぶりのスタメンで、マルチ安打に笑顔が弾けた。「やっぱりボール球を振らないと、自分のカウントにもできる。思い通りのスイングがしっかりできたかなと」2-2の五回先頭で、二塁手・菊池のグラブをはじく安打で出塁し、佐藤輝の勝ち越し3ランをおぜん立て。3点リードの七回には矢崎の146キロをフルスイング。中堅フェンスを直撃する二塁打となった。「若干、(バットの)先っぽ気味だったですけど、強い打球を打てたので。(バックスクリーンに)いかなかったのは残念ですけど、いい形で打てたのでよかった」9月29日のDeNA戦(横浜)。3-4の五回無死満塁でワンバウンドするボール球に手を出して空振り三振に倒れた。自分への怒り、悔しさのあまり、ベンチで人目もはばからず涙を流した。途中交代を命じた岡田監督からは「お客さんに見せられへんよ。あの姿は、そらあかんわ」とおもいっきり叱られた。前日はマツダスタジアムに隣接する室内練習場で約30分間、バットを振り込んでから全体練習に参加した。スタメンは外れたが、代打で三塁線を破る安打を放った。CSまでに「突貫工事をする」と話していた岡田監督は「すぐに結果が出たからなあ。(調子は)戻ったんちゃう。ちょっとは」と独特の言い回しで〝撤回〟。悔し涙にくれたルーキーをたたえた。森下は「打撃練習の時も右中間の打球を意識して打てたので、少しずつですけど、いい方向に向いている」と目を輝かせた。ポストシーズンも3番として期待されている。次にみせるのは日本一になったときの感激の涙だ。(三木建次)

◆スポーツの秋! まさかマツダスタジアムで両チーム7人ずつの〝リレー大会〟が見られるとは思わなかったよー!! 最後まで手に汗握る展開だったけど、さすがセ界一の阪神投手陣、勝利のバトンを見事につなげて大変、良くできました!!本日のアレ(優勝)の通信簿は坂本誠志郎捕手なのだ!! 昨年までゼロ勝の村上を村神様と呼ばれるまでに成長させ、現役ドラフトで縦ジマのユニホームを着た大竹をキャリアハイの12勝へ導いた。正捕手の梅野が骨折した8月13日の次の試合から9月14日のアレまでマスクをかぶって18勝6敗はスゲ~!! その間の内容も4完封を含め、2失点以下に抑えた試合が13もあるってんだから。クソー、配球の神様ノムさんが生きていればなぁ...。坂本のリード評を聞きたかったよー!!で、俺から提言です。ピッチャーとキャッチャーは共同作業なんだから、投手だけ防御率のタイトルがあるのはズルいでしょう。よって、来シーズンから『キャッチャーの防御率』という新タイトルをつくってくださーい!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
85525 0.620
(↑0.002)
優勝
(-)
1551
(+6)
419
(+5)
82
(+1)
79
(+1)
0.247
(-)
2.650
(↓0.02)
2
(1↑)
DeNA
74653 0.532
(↑0.003)
12
(-)
1520
(+4)
495
(-)
105
(-)
33
(+1)
0.248
(↑0.001)
3.170
(↑0.02)
2
(-)
広島
74654 0.532
(↓0.004)
12
(↓1)
0493
(+5)
508
(+6)
96
(+1)
78
(-)
0.246
(-)
3.200
(-)
4
(-)
巨人
69702 0.496
(↑0.003)
17
(-)
2519
(+1)
506
(-)
164
(+1)
47
(-)
0.252
(-)
3.430
(↑0.03)
5
(-)
中日
56815 0.409
(↓0.003)
29
(↓1)
1389
(-)
495
(+4)
71
(-)
36
(-)
0.234
(↓0.001)
3.080
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
56833 0.403
(↓0.003)
30
(↓1)
1529
(-)
563
(+1)
122
(-)
62
(+1)
0.239
(-)
3.660
(↑0.02)