ロッテ(☆5対4★)西武 =リーグ戦22回戦(2023.09.30)・ZOZOマリンスタジアム=
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西武
030100000041100
ロッテ
0121000001X5821
勝利投手:中森 俊介(2勝2敗0S)
敗戦投手:水上 由伸(0勝2敗1S)

本塁打
【ロッテ】角中 勝也(9号・3回裏2ラン)

  DAZN
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◆ロッテがサヨナラ勝利。ロッテは1点を追う4回裏、荻野の適時打で同点とする。そのまま迎えた延長10回には、代打・石川慎が適時二塁打を放ち、試合を決めた。投げては、6番手・中森が今季2勝目。敗れた西武は、先発・平良が振るわず、打線も中盤以降の好機を生かせなかった。

◆始球式でギネス世界記録が達成された。千葉県内の少年野球チームに所属する子どもを対象に、親子189組378人が内外野いっぱいに散らばり、約10メートル離れて同時に投球。ギネス世界記録として認定された。「同時に始球式でボールを投げた最多人数」の従来の世界記録は、21年3月26日に台湾プロ野球・味全の台北市天母球場での156組312人。日本では11年8月に独立リーグの愛媛で行われた111組222人が最多だった。

◆西武デビッド・マキノン内野手(30)をアクシデントが襲い、途中交代となった。2点リードで迎えた3回2死の第2打席、ロッテ西野の内角低め142キロをフルスイングすると、打球は左足甲に直撃。マキノンは一塁へ数歩走ったところで、顔をゆがめてうずくまった。トレーナーが駆けつけるも、数分間その場から動けず。松井監督もベンチから飛び出し場内は騒然とした。大きな拍手の中、治療のため一度ベンチ裏へ引き揚げ、プレーを続行。11球粘るも空振り三振に倒れた。その裏の3回の守備でも一塁の守備に就いた。しかし4回の守備から退いた。今季は試合前時点で打率2割5分8厘、15本塁打50打点の成績で、この日も2回無死の第1打席では、3点先制の口火を切る中前打を放っていた。

◆西武西川愛也外野手(24)がプロ初となる2打席連続打点を挙げた。第1打席は2回1死一、三塁、1ストライクからロッテ西野の140キロフォークを捉え、一、二塁間を抜く先制の適時打を放った。一塁ベース上で右手を突き上げ、「センター返しを心がけて打席に入ったのですが、フォークがうまくバットに引っかかってくれてよかったです」と振り返った。この日の先発は同期入団で、自己最多を更新する11勝目を狙う平良。「平良ががんばっていますから、援護できてうれしいです」とコメントした。西川の先制打を皮切りにこの回一気に3点を先制した。第2打席は同点で迎えた4回無死二、三塁で西野の146キロ直球を右翼フェンス手前まで運ぶ勝ち越しの犠飛を放った。

◆ロッテが、本拠地の年間観客動員数が球団記録を更新した。30日西武戦(ZOZOマリン)で2万3421人を集め、今季公式戦主催67試合時点で168万4232人に到達。過去最多だった19年の166万5891人を上回った。今季は過去最速の41試合目(7月23日)で100万人突破。07年、18年、19年の46試合目を更新した。また試合前の時点で、1試合あたりの平均観客は2万5164人で、過去最多だった19年の2万2463人を大きく上回っている。

◆西武がサヨナラ負けで、3試合を残してCS出場の可能性が消滅した。Bクラスでシーズンを終えるのは2年ぶりとなる。すでに来季続投が内定している松井稼頭央監督(47)就任1年目の今季は、戦力に苦しんだ。WBCで負傷した源田壮亮内野手(30)が球団方針でリハビリに専念。1軍合流は5月下旬となった。同じくWBCに出場した山川穂高内野手(31)は状態が上がらず、春先の17試合で0本塁打。自身の不祥事が明るみになり、5月11日を最後に1軍から姿を消した。主力選手の特例2023での抹消も何度かあり、当初想定していたフルメンバーで戦えることは一度もなかった。とりわけ野手陣の得点能力が課題になる中、投手陣は30日時点でリーグ2位のチーム防御率2・91と健闘した。ただ、30日時点での与死球は12球団ワーストの501個。また総失点454点のうち、約41%にあたる184失点が2死以降での失点。7月6日からの3試合では23失点し、そのうち15点が2死からのもの。最少失点で踏ん張りきれないケースが、年間を通して目立った。

◆パ・リーグが熱い! CS争いを繰り広げる3チームが、いずれも1点差ゲームをモノにした。午後9時1分、2位ソフトバンクが中村晃外野手(33)のサヨナラ弾で本拠地を沸かせると、同41分には、敵地大阪で楽天が1点のリードを守り切り勝利。もつれにもつれたZOZOマリンでは、同49分にロッテ石川慎吾外野手(30)が右越えサヨナラ二塁打を放った。2~4位まで1・5ゲーム差の中にひしめく大混戦は、シーズン最後まで続く。4位ロッテが今季8度目のサヨナラ勝ちでCS争いに踏みとどまった。同点の10回1死一、二塁、角中の代打、石川慎が佐藤隼から右越えに適時二塁打を放ち熱戦に終止符。歓喜のウオーターシャワーと本拠地ファンの大声援を浴びると「『勝った』という気持ちです。角さん(角中)は雲の上の存在。その代打で身が引き締まる思いでした」と冷静に振り返った。吉井監督の積極采配も勝利を呼び込んだ。同点の9回、守護神・益田が1死満塁のピンチを招くと、鈴木に対し2ボールとなった場面で、坂本にスイッチした。緊急登板の左腕は「開き直っていくしかない」と空振り三振に仕留めると、続く外崎も空振り三振。無失点で切り抜け「いつも(益田に)助けてもらってますし、そこはチームで助けあうことが大事」。指揮官は「(益田は)変化球を投げた時に、すごく腕の振りが弱々しく見えたので、何かあるのかなと。あそこは坂本の勢い、球の強さに懸けるしかなかった。本当によく頑張ってくれました」と振り返った。体調不良による「特例2023」で抹消されていた藤岡と山口がこの日から1軍復帰し、即先発出場。同じく抹消中の佐々木朗と沢村も1軍に合流した。戦力も戻ってきて残り7試合。指揮官は「プレー出来る人でやっていくしかないので。この後も可能性ある限り、しっかりやっていきます」。最後まで粘り強く戦い抜く決意だ。【鈴木正章】

◆西武が終盤の絶好機を逃し続け、ロッテにサヨナラ負けを喫した。この時点で逆転CSの可能性が完全消滅した。中盤までは理想的な攻撃だった。2回、ロッテ先発西野に対して、西川愛也外野手(24)と岸潤一郎外野手(27)の適時打を含む4安打を浴びせ一気に3点を先制。先発平良が3回に同点に追いつかれるも、4回にも相手失策から好機をつくり、西川の犠飛で勝ち越した。4回に同点に追いつかれ、5回以降両チーム無得点で迎えた8回だった。3番手ペルドモに対し、鈴木、外崎の連打で無死一、二塁の好機を演出。打席の西川は送りバントの構え、初球をファウルとし、カウント1-1の3球目、バスターに切り替え空振り。1-2から再び送りバントに切り替え、またしてもファウル。スリーバント失敗となった。その後1死満塁となり、岸が初球を果敢にスイングするも、遊ゴロ併殺で勝ち越せなかった。9回も大チャンスを逃した。4番手益田からこの回先頭の源田が左前打で出塁すると、暴投と2つの四死球で8回に続いて1死満塁となった。鈴木将平外野手(25)の打席で2ボールとなり、ロッテは打者途中で坂本を投入、3ボールとなるも、そこから空振り三振、外崎修汰内野手(30)も空振り三振に倒れた。試合は延長戦に入り、10回1死二塁からリリーフした6番手佐藤隼輔投手(23)が1死一、二塁から石川慎にサヨナラ適時打を浴び勝負あり。この瞬間、わずかに残っていた逆転CSの可能性がついえた。松井監督は「よくあれだけチャンスを作ったと思うし、あそこでなかなか主導権を握れないということでああいう流れになってくる」と絞り出した。残る3試合に向け「ファンの皆さまに応援して頂ける以上、しっかり最後まで戦っていけるように」と前を向いた。

◆クライマックスシリーズ(CS)へ続くタイトロープを渡り続けてきた西武だが、30日に敗れれば進出の可能性が140試合目で完全消滅する。そんな崖っぷちで先発を託されたのは平良海馬投手(23)だった。「(16、23日に続いて)3週連続でロッテとの対戦になりますが、前回の登板と同じように配球が偏らないように注意したい。先発として今季最後の登板になるので、チームが勝てるように頑張ります」自ら直訴して今季から先発に転向。ここまでチームトップの11勝、クオリティースタート(QS=先発で6回以上、自責点3以下)率は22試合中18度の81・8%でオリックス・山本(90・9%)に次ぐリーグ2位。「(先発は)自分から言い始めたことだし、最低限、1年間完走する。絶対に失敗できないという気持ちでやっていた」と、自分自身との戦いでもあったと振り返る。試合前まで今季147奪三振で、リーグトップのオリックス・山本に11個差。逆転でのタイトル奪取の可能性も秘めたマウンドだったが、この日は制球に苦しみ、四回までに4失点。結局、勝ち負け付かず、6回103球、6安打4失点6奪三振で降板した。

◆ロッテは9月30日の西武22回戦(ZOZOマリン)で、2万3421人の観客を集め、今季主催試合の観客動員数が168万4232人となり、球団最多の観客動員数を更新したと発表した。これまでの最多は2019年の166万5891人だった。

◆頼れるベテランの一振りに、幕張のファンが沸き上がった。1-3の三回1死一塁で、ロッテ・角中勝也外野手(36)が同点2ラン。プロ17年目でキャリアハイの今季9号をマークした。「打球が飛ぶ風が吹いていたので、打った瞬間入ると思いました」「3番・右翼」で先発出場。三回1死から藤岡が四球で出塁して迎えた第2打席だった。いつも通り、バットを短く持ち、脇を締め、下半身を深く沈めて、背中を丸めた独特の構えから、コンパクトにバットを出し、平良の変化球を捉えた。「タイミングをはずされましたが、粘って打つことができた」。高々と上がった打球は、美しい放物線を描いて右中間席に突きささった。石川・日本航空二高(現日本航空石川高)から四国IL高知を経て、2007年に入団。12、16年と2度も首位打者に輝いた打撃職人は、ホームランバッターではない。過去最高は4度記録した8本塁打。いずれもシーズンを通して430打席以上立った中での記録だが、今季は228打席目で自己最多に到達した。進化を続ける36歳。その背景には貪欲な学びの姿勢がある。「(他の選手の)記事をよく見ます」。バットのグリップの握り方や、打席内での上半身の力みの取り方など、記事から情報収集したアイデアが多くあるという。「まずはやってみる。合わなかったら、やめるけど、いずれ合うときがくるかもしれないので覚えてはいるっす」と知識としてため込んだ。プロ17年目。蓄えてきた〝引き出し〟が、幕張のバットマンを支えている。(武田千怜)

◆ロッテは今季主催した公式戦での観客動員数が168万4232人となり、過去最多を更新したと発表した。これまでは2019年の166万5891人が最多だった。(ZOZOマリン)

◆西武は140試合目にしてCS進出の可能性が完全消滅した。序盤3点のリードを奪うも先発の平良がピリッとせず。打線は3度の満塁機を逸しての12残塁でリーグワーストの426得点を象徴する拙攻だった。松井監督は「〝あと1本〟というのは甘いものじゃない。この秋にどうしていくか、課題の一つ」と就任2年目となる来季を見据えた上で、「残り3試合。若い選手には非常に大事な試合になる」と話した。

◆西武はサヨナラ負けでCS進出の可能性が完全に消滅。3年連続2桁勝利を挙げた西武・高橋光成投手(26)の今季も終了した。9月20日にコンディション不良で出場選手登録を外れたエースは復帰を目指してきたが、松井監督は「最後どこかで(登板の)準備はと言ったんですけど、そういう(CS)話もなくなってしまったわけですから」と語った。残り3試合での登板の可能性を否定した。高橋は昨オフに球団側にポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を直訴しており、今後の動向が注目される。

◆魂の10球で勝利を呼び込んだ。ロッテ・坂本光士郎投手(29)が4-4の九回1死満塁、打者鈴木に対して2ボールになった場面で守護神の益田に代わって登板。5年目左腕は鈴木を空振り三振、続く外崎も空振り三振に抑えてピンチを切り抜けた。「益田さんが出したランナー。いつも助けられているので、どうにかゼロで抑えたいと思った。(抑えた際に大歓声が上がり)鳥肌が立ちました」と頼もしかった。

◆パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)進出争いが激化!! 4位のロッテは30日、西武22回戦(ZOZOマリン)に5-4でサヨナラ勝利を飾った。延長十回1死一、二塁で代打の石川慎吾外野手(30)が、右中間へ適時二塁打。今季途中に巨人からトレードで加入した〝左キラー〟が勝負強さを発揮した。2位ソフトバンク、3位楽天もともに1点差で勝利し、1・5ゲーム差の中に3チームがひしめく。サヨナラを決めたヒーローが勝ちどきを挙げながら同僚のポランコに抱きついた。仲間にウオーターシャワーを浴びせられ、ユニホームはびしょぬれだ。延長十回1死一、二塁。代打で登場した石川慎が右中間へ適時二塁打。移籍後初のサヨナラ打で3時間49分の熱戦に終止符を打った。「大事な場面で送り出されるのはプレッシャーもかかるけど、同時にうれしい気持ちになる。何とか(首脳陣の)気持ちに応えたかった。勝ったなという安心感が大きい」十回、サヨナラの好機でこの日2ランを放った角中の代打で起用された。「角中は左(投手)も打てるので迷ったけど、石川で勝負した」と吉井監督。投手は左腕の佐藤隼。〝左キラー〟は角中から「頼むよ」と声を掛けられた打席で試合を決めた。巨人時代にともにプレーした松田が現役引退を発表した。「すごい成績を残している方なのに、誰にでも気さくに話しかけてくれる。人間的に素晴らしい方で少ししか一緒にやっていないけど、松田さんの姿が今の僕の野球人生に生きている」。勝負強かった松田のような一打で、チームに勝利を呼び込んだ。2~4位が1・5ゲーム差でCS争いは激化。相次いでいた発熱による離脱者が戻り始めた。この日の円陣では福浦ヘッドコーチが「ここまで来たら気持ちだぞ」と話し、一致団結してつかんだ一勝。観客動員数は168万4232人に達し、2019年の過去最多を更新した。CSへ、ファンも一つになっている。「明日また何とか1個、勝てるように」と石川慎。残り7試合。死力を尽くす。(武田千怜)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
83504 0.624
(↓0.005)
優勝
(-)
6491
(+4)
400
(+5)
105
(+1)
48
(+1)
0.249
(-)
2.660
(↑0.01)
2
(-)
ソフトバンク
69672 0.507
(↑0.003)
15.5
(↑1)
5514
(+3)
491
(+2)
102
(+2)
70
(+1)
0.247
(-)
3.280
(↑0.01)
3
(-)
楽天
68681 0.500
(↑0.004)
16.5
(↑1)
6492
(+5)
528
(+4)
101
(-)
100
(+1)
0.246
(-)
3.490
(↓0.01)
4
(-)
ロッテ
65665 0.496
(↑0.004)
17
(↑1)
7470
(+5)
507
(+4)
95
(+1)
69
(-)
0.238
(-)
3.460
(↑0.01)
5
(-)
西武
64751 0.460
(↓0.004)
22
(-)
3426
(+4)
454
(+5)
87
(-)
75
(+3)
0.233
(-)
2.910
(↓0.01)
6
(-)
日本ハム
59801 0.424
(↓0.004)
27
(-)
3457
(+2)
485
(+3)
98
(-)
72
(+1)
0.232
(-)
3.070
(-)