広島(☆2対1★)阪神 =リーグ戦24回戦(2023.09.30)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:島内 颯太郎(3勝3敗2S)
(セーブ:栗林 良吏(3勝7敗18S))
敗戦投手:加治屋 蓮(1勝5敗1S)

本塁打
【広島】末包 昇大(11号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆広島は両軍無得点で迎えた6回裏、會澤の適時打で試合の均衡を破る。直後に同点を許すも、8回には末包のソロが飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、先発・九里が7回3安打1失点の力投。敗れた阪神は、先発・門別が好投を見せるも、救援陣が振るわなかった。

◆阪神先発の高卒新人、門別啓人投手(19)が偉大な先輩たちの後に続けるか。プロ野球公式戦に登板した投手のうち、名字に「別」という漢字を使う選手は3人。いずれも野球殿堂入りを果たした、名選手ばかりだ。別所毅彦 南海(現ソフトバンク)で89勝を挙げ、49年に巨人へ移籍。同球団在籍中の221勝は、現在に至るも最多だ。豪快な人柄で愛された。79年殿堂入り。別当薫 通算155本塁打の強打者。投手として阪神で48、49年、移籍先の毎日(現ロッテ)で52年に各1試合登板したが、未勝利に終わった。監督通算1237勝。88年殿堂入り。北別府学 75年ドラフト1位で広島入り。カープ一筋に積み重ねた213勝は球団最多だ。精密機械と称された制球力が光った。12年殿堂入り。門別が勝てば、名字に「別」のつく投手の524勝目だ。「特別」「別格」と言われるような、エースの座への初先発である。

◆前夜、打撃不振に悩まされ涙を流した阪神ドラフト1位森下翔太外野手(23)がスタメンから外れた。29日のDeNA戦で無安打2三振に倒れた後、ベンチで涙を流したルーキー。岡田監督は打撃内容に「お客さんにみせられへんよ。はっきりゆうて」と厳しく断じ、スタメン落ちを示唆していた。この日、背番号1は室内練習場で打撃練習を行った後、グラウンドでもフリー打撃などに参加。「タイミングと姿勢を意識している。(気持ちは)すっきりはできていないけれど、どれだけ早く修正できるかが次につながる。そんなバッティングをしていきたい」と決意をにじませていた。また、近本光司外野手(28)もベンチスタートとなり、島田海吏外野手(27)が「1番中堅」となった。先発は、プロ初先発の同2位門別啓人投手(19)が務める。

◆プロ初先発の阪神ドラフト2位新人の門別啓人投手(19)が2度のピンチをしのぎ、粘投している。2回に広島先頭の秋山に左前打、続く末包にも左前打と1死一、三塁と先制のチャンスを与えたが、会沢を遊併殺で仕留めて得点を許さなかった。また4回にも1死一、三塁と同じ場面を許したが、末包とデビッドソンを2者連続空振り三振。力投を続け、味方の援護を待つ。

◆阪神打線が広島先発九里亜蓮投手から5回終了時点で“5回完全”と苦戦している。主力組の近本光司外野手(28)、森下翔太外野手(23)、木浪聖也内野手(29)、坂本誠志郎捕手(29)がベンチスタートとなった。5回終了時点で打者15人で無安打9三振と先発右腕に“5回完全”状態を食らっている状態となった。先発はプロ初先発の門別啓人投手(19)。走者を背負いながらも無得点に抑えているルーキーをなかなか援護できていない状況が続く。

◆阪神小幡竜平内野手(23)が九里の完全投球を阻止する内野安打を放った。両者無得点の6回先頭で小幡が外角変化球をしぶとく遊撃に転がし、内野安打。5回まで“完全投球”を許していた右腕になんとか安打を放った。この日、先発門別啓人投手がプロ初先発で粘投するも援護なし。左腕はそのまま5回で7安打無失点の粘投で降板となった。

◆阪神ドラフト2位門別啓人投手がプロ初先発を5回7安打無失点の粘投で奮闘した。だが、味方の援護なしで初勝利はおあずけとなった。初回は広島菊池に148キロの直球で空振り三振をとるなど、落ち着いた投球を披露した。2回に広島先頭の秋山に左前打、続く末包にも左前打と1死一、三塁と先制のチャンスを与えた。それでも、会沢を遊併殺で仕留めて得点を許さず、援護を待った。また、4回にも1死一、三塁と同じ場面を迎えるも、末包を136キロフォークで空振り三振。続く、デビッドソンを145キロ直球で空振り三振と2者連続空振り三振で死守した。力投を続け、味方の援護を待った左腕。だが、打線は先発九里を相手に苦戦し、援護なし。プロ初白星はおあずけとなった。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が今季163安打目を放ち、最多安打争いで再び単独トップに立った。7回に九里の内角球をうまくさばき、右前へ落とした。この時点で中日岡林、DeNA牧と1安打差でリーグ単独トップとなった。1試合、1打席ごとに一進一退の攻防が繰り広げられる接戦。阪神、中日、DeNAいずれも残り試合は同じで、激しいデッドヒートから最後まで目が離せない。

◆阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)一時同点となる適時打を放った。1点ビハインドの7回2死一、二塁で九里から左前へのタイムリー。「落ちる球をケアしながら、ストライクゾーンの球にしっかりアジャストすることができたよ」と高めに浮いたシュート系のボールを捉えた。9月23日ヤクルト戦の8回にノイジーが放って以来、チーム6試合55イニングぶりとなる本塁打以外の適時打となった。自身も9日ぶりの打点となった。九里に5回までパーフェクトに抑えられ、これで直近6試合全て3得点以下と貧打の中、助っ人が気を吐いた。「どの場面でも準備をしていけることが僕にとって今、すごく大事。その中で1本出てよかった」。6回の守備では末包の左前打を素早く返球し、中継プレーで本塁アウト。CSスタメン入りへ、攻守でアピールした。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、代打で安打を放った。同点の8回に登場し、広島島内から三塁線を破る単打で出塁した。前日29日のDeNA戦は無安打2三振に倒れ、ベンチで涙を流して悔しがっていた。一夜明けたこの日はスタメン落ち。試合前には室内練習場で打撃練習を行い、懸命にバットを振っていた。CSファイナルステージへ向け、3番候補のルーキーの復調は欠かせない。この1本を復活の足掛かりとしたい。

◆阪神が接戦をものにできず、2位広島に敗れた。CSファイナルステージで対戦する可能性がある相手に黒星。これで3連敗となった。先発九里には5回までパーフェクト投球を許すなど、直近6試合は全て3得点以下と貧打に苦しむ。プロ初先発の門別が5回無失点と好投するも、援護ができなかった。中継ぎ陣にも不安が残った。2番手石井が1回1失点。4番手加治屋は8回に末包にソロアーチを浴び、勝ち越しを許した。1点が命取りになる短期決戦へ、ブルペン陣の状態アップは今後の課題となりそうだ。レギュラーシーズンは残り2試合。38年ぶりの日本一へ向けピリッとしない試合内容が続くだけに、セ界王者が意地を見せたいところだ。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、代打で安打を放った。同点の8回に登場し、広島島内から三塁線を破る単打で出塁した。前日29日のDeNA戦は無安打2三振に倒れ、ベンチで涙を流して悔しがっていた。一夜明けたこの日はスタメン落ち。試合前には室内練習場で打撃練習を行い、懸命にバットを振っていた。岡田監督は「いやいや、ちゃんとストライクを振ったやんか。それだけのことやろ」。復調へのきっかけになるかと問われ「そら分からんわ、そら。そらお前、18日にちゃんと打ったらええんやから、はっきり言うて」と、CSファイナルステージ開幕の10月18日を見据えた。

◆阪神が接戦をものにできず、2位広島に敗れた。CSファイナルステージで対戦する可能性がある相手に黒星。これで3連敗となった。プロ初先発の門別啓人投手(19)が5回無失点と好投するも、援護ができなかった。試合後の岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-プロ初先発の門別が5回無失点「おう。なあ。よかったよなあ。今日は。うん」-真っすぐも多めで、球は走っていた「そうやなあ。まあ1回(1軍で)投げていたからかなあ。まあちょっと、目いっぱいだったけどなあ。5回で。おーん。ボールもなあ、ちょっとアレや。あの回は高めにいっとったけど」-菊池や西川ら実績のある打者に粘られていても踏ん張った「そうやなあ。いや、コントロールがなあ。そんなにバラツキないし、きょうは狙ったところに、ある程度いっとったからのう」-四球はゼロだった「思った以上によかったよなあ。コントロールがなあ」-ピンチでバタバタしない「まあなあ。前は誰や。富田か。富田とか、いろいろ投げさせたけど、一番落ち着いて投げとったよな、門別の方が」-今日の好投で次のチャンスは「次って試合あれへんやないか。いつ投げんのよ。あれへんて、それは。それはもう来年の楽しみやんか」-打つ方は移動ゲームで主力を休ませた。「それは別にこっちの事情やから関係あらへんやんか」-森下は試合前にも打ち込んでいた。代打で安打も「いやいや、ちゃんとストライクを振ったやんか。それだけのことやろ」-復調のきっかけと言うにはまだ早いか。「そら分からんわ、そら。そらお前、(CSファイナル開幕の)18日にちゃんと打ったらええんやから、はっきり言うて」-石井、加治屋と右のリリーフはちょっと打たれてる「まあだから、中継ぎにしても、明日もみんな、投げさすけど、これは、だから今度の短期決戦のメンバーなあ、選ばなあかんわけやから。9人、10人ぐらいおるからなあ、結局は。ブルペンはそういうことやで、今はな」

◆阪神島本浩也投手(30)が1軍復帰戦を1イニング無失点で飾った。18年ぶりのリーグ優勝を決めた翌日の9月15日に、リフレッシュのため出場選手登録を抹消されていた。この日、出場選手登録されると同点の7回に登板。2死二塁のピンチで堂林を二ゴロに仕留めた。「ランナー出てからも抑えられたのでよかったかなと。体は全然問題ないです」。ポストシーズンへ向けて、再び状態を上げていく。

◆広島末包昇大外野手(27)の決勝弾で、2位フィニッシュに大きく近づいた。同点の8回。阪神加治屋の初球スライダーに体勢を崩されながらも、持ち前のパワーで左翼席まで運んだ。「ここ数試合チームとしてなかなかタイムリーが出なくて苦しかったんですけど、流れを変えたいなと思っていましたし、それがこういう結果になって良かった」。6試合連続先発起用に、期待されている長打で応えた。23日巨人戦の2打席連発から2試合連続無安打が続き、前日も3打席目まで無安打だった。本拠地2打席目の登場曲変更に、末包の苦悩がこめられる。「つかみかけた~♪」。昭和の名曲アリスの「チャンピオン」への変曲は新井監督の提案がきっかけ。登場曲だけでなく、指揮官からの考え方の転換が本塁打につながった。この日の早出特打中に「インコース真っすぐをきれいに打てた後は感覚が知らず知らずのうちに、また打ってやろうと開きの方向に入るので、気を付けて」とアドバイスされた。打撃を崩した一因は23日巨人戦の7回に内角球を左翼席に運んだ1発にあった。「自分の中でおかしいなと思った部分があった」と体の開きを意識したことでスライダーを捉えることができた。復調の1発で新井監督にシーズン74勝目をプレゼントした。球団新人監督としては86年阿南監督、89年山本監督の73勝を抜いて最多勝利となった。新井監督は「本当にいいアピールを続けてくれている」と目を細める。左腕を多く擁すDeNA、阪神と戦うCSに向けて右の大砲の存在感が増している。【前原淳】広島が74勝目。新人監督の最多勝利は02年伊原監督(西武)と15年工藤監督(ソフトバンク)の90勝があるが、広島では86年阿南監督、89年山本監督の73勝を抜き、新井監督が最多となった。広島2位決定の条件 1日に広島が○または△なら無条件。広島●でも、DeNA△または●で決まる。

◆広島九里亜蓮投手は勝ち星こそ付かなかったが、7回1失点の力投で勝利に貢献した。5回まで阪神打線を無安打無失点。毎回の9三振を奪った。1点リードの7回にはミエセスに同点打を浴びたものの後続は断った。今季8勝も目標の170投球回をクリアした。「それは良かったと思いますけど、まだ1年。また来年、再来年と続けていけるようにしっかりやりたい」と表情を緩めることはなかった。

◆広島が8回、末包の11号決勝ソロで阪神に勝利した。先発九里は5回まで無安打無失点。毎回の9三振を奪った。1点リードの7回2死一、二塁からミエセスに同点打を浴びたものの、後続は断った。8回からは島内、栗林と勝ちパターンでつないだ。試合後の新井貴浩監督(46)の談話は以下の通り。-九里投手が好投新井監督 本当、素晴らしい投球だったと思います。何も言うことがないです。-スタメンマスクの会沢捕手は攻守で光った新井監督 良かったですね、アツ(会沢)もナイスタイムリーだったですし、九里をしっかり引っ張っていたと思います。今日は本当、真っすぐを要所で多めに使いながら素晴らしいリードだったと思いますし、(九里)亜蓮もすばらしい投球だったと思います。-末包選手が決勝弾新井監督 “末包さん”素晴らしいホームランでしたね。ちょっと体勢は崩され気味だったんですけども、すごいパワーでしたね。もう少しベースを早めに回ってほしいですけどね(笑い)。-CS本拠地開催を目指す中、監督から試合前に話したことはあるか新井監督 特にみんなを集めて話をしたというわけではないんですけども、みんながプレーをする姿を見たらこちらにも伝わってきます。何より、今日の最後のプレー。栗林もちょっとヒヤッとしたんですけども、後ろに飛び込みましたし。また矢野も素晴らしいプレーでしたね。みんなの「何とかここでクライマックスをやるんだ」という気持ちが凝縮された、そんな最後のプレーだったと思います。-明日は最終戦。ファンへ新井監督 最後もちろん勝って終わりたいと思います。また、これまですごく頑張ってくれたイッチー(一岡)が明日投げますので、明日最後の勇姿を皆さん、目に焼き付けてもらいたいなと思います。-明日勝てば自力で2位確定新井監督 もちろん、もちろん。いつも言ってるように相手はコントロールできないんで、自分たちがしっかりね、目の前の試合を勝っていくだけだと思います。また明日ラスト、公式戦、レギュラーシーズンラストの試合なんでね。いい試合でね、ひとまずレギュラーシーズンを締めくくりたいなと思います。-順位が確定していない中でも、一岡投手に登板機会を新井監督 投げさせます。それだけ彼は3連覇に貢献してくれた投手ですし、自分も投げさせてあげたいというのがあるので。今日決まろうが決まるまいが、「明日投げさせるよ」というのは彼に伝えています。それぐらいカープのために頑張ってくれた投手なので。

◆阪神の高卒ルーキーが大器の片りんをのぞかせた。ドラフト2位左腕の門別啓人投手(19)がプロ初先発で5回7安打無四球無失点と堂々の投球を披露した。プロ初勝利は逃したが、今後の期待が膨らむ内容。チームは広島に敗れたが、岡田彰布監督(65)は「来年の楽しみやんか」と快投を喜んだ。門別の表情には、自信がみなぎっていた。15日にプロ初登板で3回3失点とホロ苦デビューを飾った同じ敵地での広島戦。コーチや先輩投手らの助言を受け、2週間前の反省を踏まえて「真っすぐで押していく」と決意。2位死守へフルメンバーで臨んできた相手に最速149キロの直球で右打者の内角をえぐるなど臆せず投げ込み、5回無失点で大器の片りんをみせた。「無失点で終われてよかったです。もっと真っすぐを磨いていけば、もっともっといいピッチングができると思う。今日はすごく自信につながりました」ピンチでも落ち着き払っていた。2回は連打を浴び、無死一、二塁とされたが、デビッドソンを中飛、1死一、三塁からは会沢を低めのフォークで遊ゴロ併殺に料理。4回は1死一、三塁とされるも、末包は外角低めのフォークで、デビッドソンは内角直球で連続の空振り三振斬り。5回は2死から連打を浴びるも、西川を内角低めの変化球で左飛に封じた。7安打を浴びせられたが踏ん張り、無四球で得点を与えなかった。北の大地で左腕の土台はつくられた。東海大札幌時代の1年秋から、同校の大脇英徳監督はプロに行かせるため門別にはあえて他の選手よりも練習量、質なども含め「プロで10年20年働ける選手にするために、ハードルを上げて接してきた」という。時には全体練習から外したこともあった。その間にも真冬で雪が積もるグラウンドで1人黙々と走り続け、結果的に強靱(きょうじん)な下半身を手に入れた。入学当時は130キロ台だった直球は、最速150キロまでに成長した。球団では83年御子柴以来となる高卒新人初先発勝利を達成することはできなかったが、潜在能力の高さを示した。岡田監督は「思った以上にコントロールがよかったよな」と評価。今季の1軍戦ではラスト登板で「来年の楽しみやんか」と胸を膨らませた。「これから先はずっと1軍で投げていけるように、もっと練習したい」。まだあどけなさの残る左腕が、プロの舞台で堂々の投球を披露した。【古財稜明】阪神長坂(先発門別をリード)「初登板の時から物おじせず投げている印象はある。(ピンチで)すごくよく粘ってくれた」門別が5回無失点と上々の先発デビューを果たした。53年小山正明、83年御子柴進に続く阪神の高卒新人では40年ぶり3人目の初先発勝利はならなかった。5イニング以上を投げ無失点だった球団高卒新人は、56年9月28日大洋(現DeNA)戦での井崎勤也7回無失点以来、67年ぶり2人目という好投だった。<門別アラカルト>生まれ 2004年(平16)7月10日、北海道・日高町出身球歴 日高町立富川小1年の時に富川野球スポーツ少年団で野球を始め、小6でファイターズジュニアに選出。富川中では軟式野球部に所属。東海大札幌では1年秋から背番号1でベンチ入り。2年秋の全道大会から3年夏の南北海道大会まで3季連続道大会4強。甲子園出場はなし目標 母校の系列の東海大出身で元阪神の右腕・上田二朗氏プロ初登板 9月15日広島戦(マツダスタジアム)の3回から登板し、3イニングを投げ3失点持ち球 直球、カーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシーム、最速150キロ特技 バスケットボール、スピードスケート、アルペンスキー血液型 Aサイズ 183センチ、86キロ、左投げ左打ち、足のサイズは29センチ家族 両親■名字に「別」という漢字がつく投手門別の前にプロ野球公式戦に登板した3人は、いずれも野球殿堂入りを果たした名選手である。別所毅彦は南海(現ソフトバンク)で89勝を挙げ、49年に巨人へ移籍。同球団在籍中の221勝は、現在も最多だ。北別府学は広島一筋で213勝を積み重ね、こちらもチーム最多。そして唯一の阪神OB別当薫は、49年に39本塁打を放った強打者だ。投手としても、阪神と移籍先の毎日(現ロッテ)で計3試合に登板。4球団で指揮を執り、監督通算1237勝を挙げた。門別も大先輩に続くか。

◆阪神中野拓夢が最多安打争いで単独トップに立った。7回の第3打席で広島九里の内角高めカットボールを、腕をうまくたたみ右前へ運んだ。これで今季163本。「自分の中ではヒットを打つという意識よりは、最後まで試合に出るという意識の中でヒットが打てればいいなというような感覚でやっている」。中日岡林とDeNA牧が162安打と1本差で追う。3人とも残りは2試合で、最後まで目が離せない。

◆阪神は3連敗を喫し、05年岡田阪神、03年星野阪神に並ぶ球団最多87勝には届かなくなった。14日に球団最速リーグ優勝を果たしたが、その後は休養や若手、控えを試すこともあり13試合で4勝8敗1分け。残り2試合に連勝しても86勝止まりだ。この日は石井、加治屋とリリーフ陣が失点。岡田監督は「短期決戦のメンバー選ばなあかんわけやから」と、1日の広島戦もブルペンデーで中継ぎ陣をふるいにかける。

◆前夜に悔し涙を流した阪神森下翔太外野手(23)が、代打で意地のヒットを放った。同点の8回1死に登場。「CSに一番いい状況に持っていくためにも、変化を加えた」。カウント2-0から広島島内の154キロ直球に足を上げて強振し、三塁線を破る安打。すり足ぎみの打撃フォームから、自分で考え抜いて修正して欲しかった1本が出た。「一番は次の試合につながることだと思っている。どんな形であれヒットが出てよかったです」前日29日DeNA戦では、満塁の好機で空振り三振を喫し、ベンチで涙を流した。一夜明けたこの日はベンチスタートで、試合前には室内練習場で打撃練習。不振を打開するため、懸命にバットを振った。前夜に厳しい言葉を並べた岡田監督も一安心だ。「ちゃんとストライクを振ったやんか」。続けて「(復調のきっかけかは)そら分からんわ。18日にちゃんと打ったらええんやから、はっきり言うて」とCS本番までに克服することを促した。限られた打席数でまずは結果を出した背番号1。CS突破と「日本一」のためにも、3番候補の復調は必要不可欠だ。そのことは本人ももちろん、自覚している。「(安打が)出なくても使ってもらっていた。なんとかそこは結果で返さないといけない。チームが勝つために何かできれば」。10月18日に最高の状態を迎えるため、黄金ルーキーは試行錯誤する。【三宅ひとみ】

◆阪神・馬場皐輔投手(28)がブルペンデーとなる10月1日の広島戦で先発する。先発登板は1年目の2018年8月12日のDeNA戦(横浜)以来、5年ぶり。マツダスタジアムでキャッチボールなどで調整した右腕は「自分の投球をしっかり心掛けて一人ひとりという形でいきたい。先発は1年目からしてなかったので、ただ先発というだけでうれしい」と力を込めた。馬場は今季中継ぎとして18試合に登板し、2勝1敗、3ホールド、防御率1・89。「中継ぎの延長戦で、という感じ。結果は常に求めていきたい」と語った。

◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(23)=中大=が試合前の打撃練習で快音を連発した。この日はマツダの室内練習場で約30分間の打撃練習。屋外に場所を移すと、さく越え4連発を放つなどした。29日のDeNA戦(横浜)では3打数無安打2三振で途中交代。「どれだけ早く修正できるか。次につながるようにバッティングしていきたい」と気持ちを切り替えて臨む。レギュラーシーズンはこの日の一戦を含めて残り3試合。「クライマックスシリーズと日本シリーズに向けて調整していきたい」と気合を入れた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神はドラフト2位の門別啓人投手(19)が先発する。前回は15日の広島戦(マツダ)に2番手として登板し、3回3失点。1軍での先発はプロ初だ。高卒新人が初先発で初勝利なら、球団では1983年の御子柴進以来、40年ぶり。大きな期待が寄せられる左腕が球団史に名を刻む。また、野手陣では島田、小野寺、ミエセス、小幡、長坂がスタメンに名を連ね、大幅にメンバーを入れ替えた。

◆阪神はドラフト2位・門別啓人投手(19)=東海大札幌高=がプロ初先発した。「真っすぐで押していきたい」と話していた左腕は、先頭の小園を146キロ直球で左飛。菊池には粘られながらも8球目、148キロ直球で空振り三振に仕留めた。好打者・西川にはフルカウントからファウルで粘られる。10球目、内角に149キロ直球を投じるも、うまくはじき返されて中前打。それでも、4番・堂林を中飛に仕留め、無失点の立ち上がりだった。高卒新人がプロ初先発で初勝利を挙げれば、球団では40年ぶりの快挙。偉業に向け、好スタートを切った。

◆阪神の先発、D2位の門別啓人投手(19)=東海大札幌高=は四回までピンチを作りながらも無失点に抑えた。二回は先頭の秋山、末包に連打で無死一、二塁のピンチ。デビッドソンを中飛に仕留め、1死一、三塁とすると、会沢を135キロチェンジアップで注文通りの遊ゴロ併殺に抑えた。三回はこの日初めての三者凡退。四回は先頭の西川に中前打。堂林を右飛に仕留めるも捕逸で1死二塁、秋山に左前打で1死一、三塁のピンチを背負った。ただ、ここからが左腕の真骨頂。末包は136キロチェンジアップで空振り三振、そしてデビッドソンも145キロ直球で空振り三振に仕留めた。高卒ルーキー左腕を援護したい打線だったが、広島先発・九里の前に、五回まで一人の走者すら出せない。完璧に抑えられ、苦しい展開が続いている。

◆プロ初先発した阪神のD2位・門別啓人投手(19)は5回7安打無失点で降板した。再三のピンチをしのいだ。四回は1死一、三塁から末包、デビッドソンを連続三振。五回は2死から連打で一、二塁のピンチを背負ったが、この日2安打の西川を左飛に仕留めた。六回は先頭の小幡が遊撃内野安打でようやくチーム初安打。長坂が犠打で1死二塁としたところで門別に代打・渡部諒が送られて降板となった。ルーキーにプロ初勝利を届けたかった打線だが、代打の渡辺諒は三ゴロ。島田は右飛で、門別の勝利はお預けとなった。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)が七回先頭の第3打席で右前打を放ち、今季163安打目をマークした。九里の131キロカットボールを捉えた。試合前の時点で、中日・岡林と並んでリーグトップタイの安打数。中野がヒットを放った時点で、岡林は無安打と、再びリーグ単独トップに浮上した。また、試合前の時点で1本差の3位だったDeNA・牧は1安打を放っており、岡林と並んで162安打で2位タイに浮上。白熱の最多安打争いを繰り広げている。

◆阪神のヨハン・ミエセス外野手(28)が0-1の七回に同点の左前適時打を放った。2死一、二塁で打席へ。2打席連続で空振り三振に倒れていた、広島の先発・九里の138キロシュートに食らいついた。三遊間をしぶとく破る当たりで、二走・中野が一気にホームへと生還。助っ人は三塁ベンチの歓声にピースポーズで応えた。ミエセスは途中出場した29日のDeNA戦(横浜)に続いて2試合連続安打。打点は21日の巨人戦(甲子園)以来となった。

◆苦境でも、もう逃げない。自信のある直球で強気に内角を突いた。プロ初先発のマウンドの上がった阪神ドラフト2位ルーキー・門別啓人投手(19)は耐えに耐えて無失点の力投を演じた。「前回は真っすぐで押せなかった。今回は真っすぐで押して、打たれても次につなげればいい。持ち味を出し切れるようにやっていきたい」28日の甲子園での投手指名練習でそう意気込んでいた左腕は、有言実行の直球主体の直球で2度目の対戦となった広島打線に挑んだ。最大の山場は球数が100球に近づいた五回に訪れた。2死から連打で一、二塁のピンチを招き、打席にはこの日2安打を許している西川を迎えた。内角へ2球連続ボールでカウントを悪くしたが、その後の2球で追い込み、最後は低めのツーシームで左飛に打ち取って乗り切った。デビュー戦のホロ苦い経験を成長の糧とした。9月15日の広島戦(マツダ)に2番手でプロ初登板。3回を投げて6安打3失点を喫し、「際どいところでも全然振ってくれない。もっと真っすぐで勝負したかった」と1軍の打者のレベルの高さを痛感した。翌日に登録抹消され、同22日のウエスタン・ソフトバンク戦(タマスタ筑後)では先発で6回零封とアピールし、再びチャンスをつかんだ。ルーキーを先発に抜擢(ばってき)した岡田監督は「もう期待感よ。今度はもう先発で自分がゲーム作るというかな、そういうピッチングをなあ(してほしい)」と話しており、将来性を買っての起用だった。初回から走者を背負いながらも粘りの投球でホームを踏ませず。五回の攻撃で代打が送られ、門別は5回7安打無失点で降板。チームは無得点で五回の攻撃が終了し、球団の高卒新人では1983年の御子柴進以来、40年ぶりとなる初先発初勝利の可能性はなくなったが、合格点以上の内容で潜在能力の高さを証明した。(織原祥平)

◆阪神は接戦を落とした。3連敗。八回のマウンドに上がった加治屋蓮投手(31)が末包に決勝の11号ソロを浴びた。プロ初先発したD2位・門別啓人投手(19)は5回7安打無失点。再三のピンチを背負いながらも、決定打を許さずに粘り切った。打線は0―1の七回にミエセスが左前適時打を放って同点。八回にはスタメン落ちしたD1位の森下(中大)が代打で出場し左前打を放った。

◆広島が競り勝った。六回に会沢の適時打で先制。同点の八回に末包の11号ソロで勝ち越した。2番手の島内が3勝目を挙げた。阪神は3連敗。プロ初先発の門別は5回無失点。4番手の加治屋が一発を浴び、打線も低調だった。

◆打線の沈黙を破り、虎の助っ人がタイムリーを放った。0-1の七回に6番左翼の阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)が同点のタイムリーを放った。この回、先頭の中野が最多安打争いで単独トップの今季163本目の安打となる右前打を放ち出塁。犠打と四球で1死一、二塁とした。佐藤輝が左飛に倒れた後、ミエセスはカウント1-1から九里の内角シュートを払うように打ち、打球はゴロで左前へ。二走の中野が生還し、1-1の同点に追いついた。ミエセスに一打が生まれるまで、打線は低調にあえいだ。広島先発・九里の前に五回まで走者を一人も出せず無得点。ようやく六回先頭で小幡が遊撃内野安打を放ってチーム初安打としたが、プロ初先発で5回無失点の好投を見せた門別を見殺しにした。打線はミエセスのタイムリーの1点のみ。八回に広島に勝ち越しを許し1点差でチームは敗れた。直前の5試合では計8得点で1試合平均わずか1・6点と、勢いがストップ。この日は2番の中野、4番の大山、5番の佐藤輝をのぞき、普段は控えに回っているメンバーが先発して試合に臨んだ。チームはクライマックシリーズ(CS)に向け、10月に宮崎で行われるフェニックスリーグなどで調子を上げて短期決戦に臨む方針。岡田監督はこの日の広島戦については「移動ゲームだからメンバー落とそうと思ってるんやけど、手を抜くみたいになってもなあ。難しいよなあ」と頭を悩ませていた。CSでぶつかる可能性のある広島との2連戦は首脳陣にとって難しい局面となった。14日にリーグVを決めて以降は、個人タイトル奪取がかかる一部選手をのぞいて10月18日からの短期決戦に備えて無理せずコンディションを整えるのが最優先。とはいえ、攻撃陣のあまりの元気のなさはファンにとっても気がかりな材料となる。後に迎えるCS決戦に向け、いまは相手に対してできるだけ良いイメージを保って試合をすることが大事だ。(上阪正人)

◆セ・リーグを制した阪神をマツダスタジアムに迎えた一戦。地元でのクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージの開催を目指す広島は、九里亜蓮投手(32)がレギュラーシーズン最後のマウンドに上がった。「頑張るだけ。あまり考え過ぎず、しっかり自分の投球ができるようにしたい」今季は試合前時点で8勝8敗ながら防御率2・58と奮闘しているが、阪神に対しては4試合で0勝2敗で同3・00。この試合で勝ってポストシーズンに弾みをつけたいところだった。一回2死から小野寺を変化球で空振り三振に仕留めて三者凡退に抑えると、リズムに乗った。二~五回まで毎回三振を奪い一人の走者を許さない。0─0の六回先頭で小幡に遊撃内野安打で初めての出塁を許し、長坂の犠打で1死二塁とされたが、後続を抑えて無失点で切り抜けた。1点をリードした七回。2死一、二塁でミエセスに左前適時打を浴びて同点に追い付かれるも、最少失点で踏ん張った。チームは5年ぶりのCS出場を決めた。悲願の日本一を目指し、この日からマツダスタジアム内のグッズショップなどで赤いタオルに黒の文字で『下克上2023』と記された限定グッズを発売。2018年以来のリーグ優勝は逃したものの、1984年以来の日本一に向けた戦いは始まっている。(柏村翔)

◆阪神が3連敗。D2位・門別啓人投手(19)=東海大札幌高=は無失点ながら援護がなく、六回に代打を送られた。球団では1983年10月24日ヤクルト戦(神宮)の御子柴進(長野・松本工、現スコアラー)以来、40年ぶりの高卒新人の初先発初勝利はならなかった。七回のヨハン・ミエセス外野手(28)の同点打がチームにとって55イニングぶりの適時安打。八回に登板した加治屋蓮投手(31)が1死後、末包昇太外野手(27)に勝ち越しソロを浴びた。スタメン落ちのD1位・森下翔太外野手(23)=中大=は八回、代打で左前打を放ち、右翼に入った。最多安打のタイトル争いは阪神・中野拓夢内野手(27)は1安打を加え、163本で単独トップ。中日・岡林勇希外野手(21)とDeNA・牧秀悟内野手(25)が1差で追う展開。9月を15勝8敗1分で終えたが、チームは2試合を残して、球団最多の年間87勝(03、05年)を逃した。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=84勝52敗5分、観衆=3万1189人)。ーー門別がナイスピッチング「良かったよな。今日は。うん」ーー真っすぐも多めで球は走っていた「まあ一回(1軍で)投げていたからかな。おーん。目一杯だったけどな。5回で。ボールも、ちょっとアレや。あの回は高めにいっとったけど」ーー菊池や西川ら実績のある打者に粘られても踏ん張った「コントロールが、そんなにバラツキないし、今日は狙ったところに、ある程度行っとったからの」ーー無四球だった「思った以上に良かったよな。コントロールがな」ーーピンチでバタバタしない「前は誰や。富田か。富田とかは、いろいろ投げさせたけど、一番落ち着いて投げとったよな、門別の方が」ーー次のチャンスは「次って試合あれへんやないか。いつ投げんのよ。あれへんて、それは。もう来年の楽しみやんか」ーー打者は移動ゲームで主力を休ませた「それは別にこっちの事情やから関係あらへんやんか」ーー森下は試合前にも打ち込んでいた「ちゃんとストライクを振ったやんか。それだけのことやろ」ーーきっかけと言うにはまだ早いか「そら分からんわ、そら。そらお前、18日(CSファイナルステージの第1戦)にちゃんと打ったらエエんやから、はっきり言うて」ーー右のリリーフはちょっと打たれている「中継ぎにしても、明日もみんな投げさすけど、今度の短期決戦のメンバーを選ばなアカンわけやから。9人、10人ぐらいおるからなあ、結局は。ブルペンはそういうことやで、今はな」

◆阪神・中野が今季163本目の安打を放って、再びセ・リーグ最多安打争いの単独トップに立った。「最後まで試合に出れているから打席に多く立てて、その分、ヒットが打てるチャンスが巡ってきているだけだと思う」0-1の七回先頭の打席で、7試合連続となる右前打。ミエセスの左前適時打で一時同点となるホームを踏んだ。試合前まで並んでいた中日・岡林は無安打に終わり、DeNA・牧は1安打で、ともに中野とは1差の162安打。3人は残り2試合で、最多安打のタイトルを争う。「最低限というか、1本は(ヒットを)打てているので。残り2試合、どこかで複数回、打てるようにやっていきたい」入団3年目で初となる打撃部門のタイトル獲得まで、もうひと踏ん張りだ。(三木建次)

◆阪神は広島に1-2で敗れ3連敗。D2位・門別啓人投手(19)=東海大札幌高=は援護に恵まれず、球団の高卒新人では1983年の御子柴進(長野・松本工、現スコアラー)以来、40年ぶりとなる初先発初勝利は逃したが、5回無失点の好投を見せた。7月のフレッシュ球宴での好投から門別を〝秘蔵っ子〟とする岡田彰布監督(65)も、その強心臓ぶりにアッパレだ。何本ヒットを打たれようが、動じない。プロ初先発のルーキー・門別は自信のある直球をミット目がけて投げ込んだ。再三のピンチを背負っても強心臓で切り抜け、鯉打線を零封した。「全く緊張しないで最初から投げられた。初登板のときはすごい緊張したけど、(今回は)自分のペースで投げられた」窮地で会心の投球を連発した。四回1死一、三塁では末包を外角低めのフォークで、デビッドソンを内角の145キロで2者連続の空振り三振に仕留め、五回2死一、二塁でも2安打されていた西川を左飛にねじ伏せた。六回の攻撃で代打が送られて5回95球、7安打無失点で降板。球団の高卒新人では1983年の御子柴進以来となる初先発初勝利の快挙こそ逃したが、プロ初登板で3回3失点だった9月15日の広島戦(マツダ)から成長を示した。岡田監督も「よかったよなあ。それ(次の登板)はもう来年の楽しみやんか」と飛躍に期待を膨らませた。今年7月に富山で行われたフレッシュ球宴でウエスタン選抜として先発した左腕は2回零封と好投し、登板後には「岡田監督も見ていると思う」とアピール。画面越しに投球を見ていた指揮官も素材を見抜き、1軍に抜擢(ばってき)した。ファームで19歳を見てきた和田2軍監督も「フレッシュ球宴を境に球が変わった」と語る。右足を着いた後に上半身が正面(ホーム側)を向くタイミングが早くなっていた癖を修正したことで、左腕が遅れて出てくるようになり、球の切れが増した。

◆今季の来場者が200万人を突破したマツダスタジアムのスタンドがわいた。広島がセ・リーグを制した阪神に1点差の勝利。クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージの本拠地開催に王手をかけた新井監督はナインを絶賛した。「みんなのプレーする姿を見ていたら、こちらに伝わってくる。(九回の)最後のプレーはここでクライマックスをやるんだ、という気持ちが凝縮されていると思う」1─1の八回1死で末包の11号ソロでリードを奪った。1点リードの九回に守護神・栗林を投入し、2死から大山を四球で歩かせると、佐藤輝の小飛球が投手と遊撃の間にポトリ。だが、途中出場の遊撃手・矢野が猛チャージすると右手でボールをつかみ、倒れ込みながら一塁へ送球してアウトに。ビッグプレーで締めくくった。3位DeNAがヤクルトに勝ったためゲーム差1のまま変わらず、2位を確定させることができなかった。それでも、1日の阪神とのレギュラーシーズン最終戦で勝つか引き分けで、順位を確定させることができる。指揮官は「自分たちは目の前の試合に勝っていくだけ。いい試合でレギュラーシーズンを締めくくりたい」とうなずいた。チームは5年ぶりのCS出場を決め、球団はこの日からマツダスタジアムのグッズショップでは赤いタオルに「下克上」の黒文字が入った「下克上フェイスタオル」を発売。球団では1984年以来の悲願の日本一に向けてまずは2位を決める。(柏村翔)

◆「6番・左翼」で4試合ぶりにスタメン出場した阪神・ミエセスが、0-1の七回に一時同点となる左前適時打を放った。打点は9月21日の巨人戦(甲子園)以来で「どの場面でもしっかり準備していけることは、今の僕にとってすごく大事。一本出てよかった」と喜んだ。レギュラーシーズンは残り2試合。同じ助っ人のノイジーを上回る活躍でアピールしたいが「あんまりいろんなことを意識せず、しっかり準備していい状態で迎えたい」と気を引き締めた。

◆リフレッシュ抹消をへて約2週間ぶりに1軍登録された阪神・島本が、七回に3番手で登板。9月14日の巨人戦(甲子園)以来のマウンドで1イニングをゼロに抑えた。1死から菊池を安打で出したが西川を空振り三振に斬ると、2死二塁でも堂林を二ゴロに仕留めた。「体は問題ないです。もっともっと状態を上げていかないといけないと思いました」とクライマックスシリーズでのフル回転を見据えた。

◆阪神はチームを支えてきた中継ぎ陣がピリッととしなかった。六回に2番手の石井が先頭への安打と2四死球で招いた2死一、二塁で会沢にタイムリーを許して先制点を献上。1-1の八回には加治屋が末包に勝ち越しソロを浴びた。岡田監督は「あした(1日)もみんな投げさす。今度の短期決戦のメンバーを選ばなあかんわけやから。ブルペンはそういうことやで、今はな」と説明。ポストシーズンへ臨む陣容を固めるべく、チーム内で競争を促していく。

◆涙を拭い去り、前を向く。もがき、苦しみ、考え抜いてバットを振り切った。不振脱却へ、結果が一番の薬。阪神・森下はうなずいた。「まずはどんな形であれ、ヒットがついたというのはよかった」7試合ぶりのベンチスタート。出番は八回1死、代打で巡ってきた。ど真ん中に来た島内の154キロ直球を捉える。痛烈な打球は三塁線を抜けていった。「(気持ちは)スッキリはできていないです。でも、打てないときはある。そこをどれだけ早く修正できるか。次につながる打撃をしたい」9月29日のDeNA戦(横浜)は3打数無安打、2三振に倒れて途中交代。悔しくて、ふがいなくて、ベンチでは涙がこぼれた。ただ、どんなときでもグラウンドに立つのがプロの宿命。この日の試合前練習、マツダスタジアムに隣接された室内練習場で約30分間の打撃練習。そして、球場の屋外フリー打撃で大粒の汗を流すルーキーの姿があった。

◆9月14日、甲子園でアレ(優勝)を飾ったときの阪神はサイコーやったけど、本日の阪神はサイテーや!! 19歳のルーキー、門別が必死のマウンドで5回無失点の投球を演じたのに、打線は五回まで広島・九里にパーフェクトに封じ込められるって…。気を緩め過ぎやろー!!さてさて、本日はアレの通信簿第4弾です。虎の主砲、いや将来、日本を代表する打者になってもらわないといけない3年目の佐藤輝です。マジックが点灯したあたりから打撃好調にはなっていますが、正直ガッカリ!!打撃成績は昨年とほとんど横バイの打率・259(昨年は・264)、22本塁打(同20)、86打点(同84)。しかも、近本の死球騒動が影響しているのか、佐藤輝へインハイへの厳しい投球が減っているし…。ポストシーズンは必ずそこを攻めてくると思ったらこわいよ~!! ブルブルブル。そんな虎党の不安を吹き飛ばす一発で日本一を決め、来シーズンは打率3割、40本塁打、120打点。これは希望ではなく決まりなのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
84525 0.618
(↓0.004)
優勝
(-)
2545
(+1)
414
(+2)
81
(-)
78
(-)
0.247
(-)
2.630
(-)
2
(-)
広島
74644 0.536
(↑0.003)
11
(↑1)
1488
(+2)
502
(+1)
95
(+1)
78
(+1)
0.246
(-)
3.200
(↑0.01)
3
(-)
DeNA
73653 0.529
(↑0.003)
12
(↑1)
2516
(+4)
495
(+2)
105
(+1)
32
(-)
0.247
(-)
3.190
(↑0.01)
4
(-)
巨人
68702 0.493
(↓0.003)
17
(-)
3518
(+1)
506
(+2)
163
(-)
47
(-)
0.252
(↓0.001)
3.460
(↑0.01)
5
(1↑)
中日
56805 0.412
(↑0.005)
28
(↑1)
2389
(+2)
491
(+1)
71
(+1)
36
(+1)
0.235
(↓0.001)
3.070
(↑0.02)
6
(1↓)
ヤクルト
56823 0.406
(↓0.003)
29
(-)
2529
(+2)
562
(+4)
122
(-)
61
(-)
0.239
(-)
3.680
(↑0.01)