DeNA(☆5対3★)阪神 =リーグ戦25回戦(2023.09.29)・横浜スタジアム=
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阪神
02010000031211
DeNA
10030001X5810
勝利投手:伊勢 大夢(4勝6敗2S)
(セーブ:ウェンデルケン(2勝2敗2S))
敗戦投手:青柳 晃洋(8勝6敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(18号・2回表ソロ)

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◆DeNAは初回、宮崎の適時打で先制に成功する。その後逆転を許すも、4回裏に関根と宮崎の適時打などで3点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、4番手・伊勢が今季4勝目。敗れた阪神は、先発・青柳が振るわず、打線も5回以降の好機を生かせなかった。

◆阪神の4番大山悠輔内野手(28)が、もう少しで場外弾となる3試合連続アーチを放った。1点を追う2回先頭で、カウント1-2からの4球目、DeNA石田の真ん中低めスライダーを引っ張り、打球は左翼スタンド最上段にある看板に直撃し、敵地をザワつかせた。「追い込まれていましたが、甘い変化球にうまく対応することができました。次の打席もチームに貢献できるように頑張ります」20年8月8、9日の広島戦、10日DeNA戦以来、自身2度目の3試合連続アーチとなる18号同点ソロで試合を振り出しに戻した。なおも2死三塁からは木浪聖也内野手(29)が中犠飛を放ち、勝ち越しを決めた。

◆/規格外の打球\完璧な一打はスタンド上段へ大山悠輔が18号同点ソロHRを放つ!?プロ野球(2023/9/29)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#baystars#hanshin pic.twitter.com/TFXRqDod1A

◆阪神青柳晃洋投手(29)が、4回を投げ今季ワーストの7四死球4失点の大乱調で降板した。2回までに58球を要し、5四死球と不安定な立ち上がりをみせた。初回に2死から連続四球を許し、試合前まで今季11打数1安打と抑えていた宮崎に右前適時打を許して先制点を献上。味方が勝ち越した直後の2回は3四死球で2死満塁のピンチを背負うも、佐野を右翼フェンス手前まで運ばれる飛球に抑え、かろうじて難を逃れた。さらに2点リードの4回は先頭桑原に四球を与え、1死から林の打席でけん制悪送球で二塁への進塁を許し、林にはフルカウントからの8球目が打者の背後を通る暴投で6つ目の四球を与え、続く関根には中前適時打、なおも1死一、三塁から佐野に右犠飛を打たれ同点とされた。その後も2死一、三塁から宮崎に右翼線への適時二塁打で勝ち越し点を許してしまった。4回で110球。ポストシーズンの先発枠入りへ、黄色信号がともった。

◆DeNA蝦名達夫外野手(26)が関根大気外野手(28)と交錯し、負傷交代となった。1-2の4回1死三塁、阪神坂本の左中間への大飛球を左翼手の蝦名がフェンス際で好捕。直後に中堅手の関根と交錯し、倒れ込んだ。ベンチに退いて治療したが、そのまま蝦名は桑原と交代。関根が左翼に回り、桑原が中堅に入り、試合が再開された。

◆阪神は4回に坂本誠志郎捕手が放った犠飛で今季のチーム犠飛数が46となり、08年と並んで球団シーズン最多となった。セ・リーグ記録は98年巨人の48犠飛で、更新の可能性もある。プロ野球最多は13年ロッテの54犠飛。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(23)がベンチで涙を流して悔しがった。1点ビハインドの5回無死満塁、この日無安打1三振で迎えた第3打席。カウント2-2からボール球の128キロチェンジアップに手が出て、空振り三振に倒れた。浮かない表情でベンチに戻ると、あふれた涙をタオルで拭った。隣に座った木浪が背中をポンとたたきながら話しかけ、慰められながら涙を流した。直近は打撃不振が続き、頭を悩ませていた。岡田監督も「(CSでも)クリーンアップ打たすつもりでおるんやから、そんなもん打たんと」とハッパをかけていた。

◆/天才、ここに極まれリ\この回一挙3得点宮﨑敏郎が今日2本目のタイムリーを放つ!?プロ野球(2023/9/29)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#baystars pic.twitter.com/fgnN8kQDm0

◆3位DeNAが阪神との今季最終戦に臨み、苦手の変則右腕・青柳晃洋投手を4回でマウンドから引きずり降ろした。引き分け以上でCS進出が決まる大事な一戦。まずは1回2死一、二塁、5番宮崎敏郎内野手が「来たボールに対して素直に打ち返すことができました」と、外角低めカットボールに逆らわず右前に先制適時打を放った。2回と4回に先発石田が失点。1-3で迎えた4回に打線が集中力を発揮した。先頭の8番桑原が8球粘った末に四球。続く石田はスリーバント失敗も、1番林の打席で青柳の悪送球と四球で1死一、三塁とチャンスを拡大。関根の中前打で1点差に迫り、なお1死一、三塁。ここで佐野恵太外野手がきっちり同点犠飛を放った。続く4番牧は左前打で2死一、三塁。ここで宮崎が右翼線への適時二塁打を放ち、この回3点目を挙げて勝ち越しに成功した。青柳に対しては今季、試合前までに1勝5敗と苦戦しており、三浦監督は試合前に「毎回いろいろ対策は練っているんですけど、思い通りいかないのが現実。でも何か糸口をつかみたいなというのはありますし。今日も違ったこと、何か考えてやっていかないといけない」と話していた。青柳の制球難もあり7四死球をもらうなど、4回までに110球を投げさせて、降板に追いやった。

◆阪神が絶好の逆転機を逃した。1点を追う4回、先頭の代打ミエセスから近本、中野と3連打でつなぎ、無死満塁のビッグチャンスをつくったが、3番森下が低めボール球のチェンジアップに手を出し空振り三振。大山は低めの直球に手が出ず見逃し三振に倒れ、佐藤輝は高めの直球で空振り三振。クリーンアップが3者連続三振で無得点に終わった。3打席凡退に終わった森下は悔しさからかベンチで涙を流し、そのまま途中交代となった。

◆阪神がDeNAに競り負け、同カードは5連敗でフィニッシュとなった。1回に先発の青柳晃洋投手(29)がDeNA宮崎に先制適時打を浴びて先手を取られたが、絶好調の大山悠輔内野手(28)がすぐさま取り返す。2回、先頭で左腕石田から左翼席最上段へ運ぶ、3試合連続の18号同点ソロ。さらに佐藤輝明内野手(24)の二塁打を足掛かりに、木浪聖也内野手(29)がセンターへの犠飛を放ち、逆転に成功した。だが、青柳が立ち直れない。制球に苦しみ、1回は2死から連続四球を与え先制点を許し、2点リードの4回も先頭を歩かせ、けん制悪送球、暴投で三進させる独り相撲。適時打や犠飛で3点を失い逆転された。5回に代打を送られ降板したが、4回で110球を要し、19年以来となる1試合7四死球の乱調ぶり。今季5勝(1敗)と相性のよかったDeNA戦で、CSでの先発入りへ不安の残る投球内容だった。打線も5回以降はDeNAの継投策にかわされ無得点に終わった。

◆DeNA宮崎敏郎内野手(34)が逆方向への適時打2本で勝利に貢献した。1回2死一、二塁、阪神青柳の外角低めカットボールに逆らわず先制の右前打。3-3の4回2死一、三塁では、同じく青柳から右翼線へ勝ち越し二塁打を放ち、「つないで作ってくれたチャンス、自分も後ろにつなぐ気持ちで打席に向かいました。追い込まれていましたが必死に食らいついていきました」と振り返った。

◆阪神近本光司外野手が今季9度目の猛打賞をマークした。7回、三遊間へ2本目となる遊撃内野安打を放つと、セ・リーグトップを独走する今季28個目の二盗を決めた。「イメージの中ではいい感じで打てた」。14日のリーグ優勝決定後は途中交代やベンチスタートなど休養を優先してきたが、岡田監督も「ちょっとようなってきたよな。ポイントも」とひと安心。CSへ、エンジンがかかってきた。

◆阪神中野拓夢内野手が5回に左前安打を放ち、今季162安打で最多安打トップをキープした。無死一、二塁からライナーを左翼へ。スライディングキャッチを試みた左翼手関根のグラブをはじいた。「最低1日1本打つのが最低条件というか、そこは大事にしている」。ライバルの中日岡林は2安打でトップに並び、DeNA牧も2安打で1本差の161安打。3人の熾烈(しれつ)な争いはまだまだ続きそうだ。

◆阪神は今季46犠飛となり、08年の球団史上最多記録に並んだ。2回に木浪聖也内野手が中犠飛、4回には坂本誠志郎捕手が左犠飛を放って2点を奪った。「なんとか外野まで運びたいという気持ちでした」と木浪。この日も大山の18号ソロ以外の適時打は出ない中、少ないチャンスで得点を重ねた。セ最多は98年巨人の48犠飛。残り3試合での記録更新もありそうだ。

◆阪神がDeNAに競り負け、同カード5連敗でレギュラーシーズンでの対戦を終えた。先発の青柳晃洋投手(29)が4回で110球、7四死球、4失点と大乱調だった。不振の3番森下翔太外野手(23)は3打数無安打2三振で5回の守りからベンチに退きベンチで涙を見せた。岡田彰布監督(65)の試合後の一問一答は以下の通り。-先発の青柳は「4回で100球やもんなあ。びっくりするわ」-DeNAとは相性がよかったが「それで投げさせたんやけどなあ」-これでレギュラーシーズン最後の登板。不安が残った「まあそらあ、そうなるわなあ。あの、なあ、もう自滅やんか。何個出したん、フォアボール。6つくらいか? (死球を合わせて7つ)7個か。そらあなあ。100球いくやんな」-途中交代の森下は「アカンやろ。そらあ。自分でどうしようかなあと思ってるけどなあ。今日のバッティングも、あれやもんなあ。ストライクは1球も振らず、振ったらみんなボール。そんなんもうお前、お客さんに見せられへんよ。はっきり言って。あんな姿」-それが代えた理由「そういうことや。もう」-ベンチで泣いていた。「それはお前、自分やねんから。自分で崩れていっているんやから。ボール球を振って。ずっと同じことの繰り返しやろ。こっちは何回も今まで手助けしたりいろんなことをやったけど。前も言うたやんか。自分でわからんとあかんよ。自分でわかるやろ? あんだけボールを振ってて。ストライクは全部見送りで、振ってるのは全部ボール球やで。最後『またボール球振って三振するわ』言うたよ。ベンチで、3打席目もな」-昨日は残り試合やった上でしっかり練習させると言ったが、あと3試合は「いや、だからそんな、あんな姿見せられへんって言うてるやんか。それはお前、失礼やわな。お金払ろて球場来ててあの姿は。そらあかんわ。本人がそら、自分でそういうふうになっていってるわけやからな。自分で崩れていくわけやからな。うん。それは。ま、打席の中のことやからな。オレらがそこまでフォローしてもな。ボール球はそら、ま、振るな言うても、打席で自分ひとりになった時に、そないして振るんやからさ。もう、それはもうどうしようもないよ。こっちは」-打線全体の印象はいかがでしょうか「いやいや、まあまあ、普通。そらまあ、もう、みんなのな。うん、まあな、ちょっと作戦しとったら、中野の時もあれやけど、もう、なあ、そらもう、あいつはやっぱり自分の今な。そういう(タイトルがかかっている)ことやから。だから、ほとんどそんなな、普通に打つだけやから、作戦もしないし。まあ、でも、やっぱり1人1人がヒットでもポンポンとな。近本もだいぶ、ちょっと良うなってきたよな、あとのほうな。最初の方はまだ、なんかタイミングがあわんようななあ、そんな感じでバット振ってたけど。ちょっと最後の方な、やっぱり、ポイントもようなってきたなあと思ったけどな」-DeNAもCSが決まった。当たる可能性もあるが「いや、そんなんまだ(笑い)。それはお前、決まってからや。そんなん、お前。まだお前、日にちがあるんやから、今からもう、そんなこと思ってたら、頭もたんわ(笑い)」-広島と2連戦「あしたから広島とやるのちょっと嫌よなあ。広島も順位決まってたら、若い投手とか聞いてたけど、(明日の先発は)九里なんやろ」-2位争いが続いている「明日なんか移動ゲームだから、メンバー落とそうと思ってるんやけど、どっちかに手を抜くみたいになってもなあ。難しいよなあ。こっちは最初からそう(自分の調整優先)だから仕方ないんやけど、考えんとあかんな」

◆阪神佐藤輝明内野手が今季4度目の猛打賞と存在感を示した。2回に石田から左中間二塁打を放つと、4回は先頭で右翼線二塁打。8回はエスコバーから左前打を記録し、左腕から3安打の固め打ち。「結果は結果なので良かったです」。9月は1試合を残して打率3割6分。月間安打数は32本で、リーグ単独トップに浮上した。ベンチでは涙を流した後輩森下に声をかけていたが「トップシークレットですね」と話すにとどめた。

◆DeNA三浦監督が「マシンガン継投」で2年連続のCS進出を決めた。4-3と勝ち越した直後の5回無死満塁のピンチ。先発石田が3番森下から空振り三振を奪った時点で、23歳の宮城にスイッチ。4番大山から見逃し三振を奪うと、すぐさま25歳の石川に交代。5番佐藤輝を空振り三振に仕留め無失点で切り抜けた。阪神との今季最終戦を制し、本拠ハマスタは大盛り上がり。指揮官は「石川も宮城も出し切ってくれましたし、若い2人で最高のピッチングをしてくれました」とたたえた。勝利への執念だ。勝ち投手の権利目前の石田を73球で交代。右腕宮城はフルカウントからの6球目、低め149キロ直球で大山を仕留め、左腕石川も同じくフルカウントからの6球目、高め148キロ直球で佐藤輝に空を切らせた。6回から伊勢を起用。エスコバー、上茶谷とつなぎ、最後はウェンデルケン。7投手をつぎ込み勝利をたぐり寄せた。2位広島が中日に敗れ1ゲーム差に接近。残り3試合でCS本拠地開催となる2位も視界に捉え、指揮官は「選手誰1人、満足していないですし、次の目標に向かってやっています」。98年以来となる25年ぶりのリーグ優勝こそ逃したが、日本一への道はしっかりとつながった。【鈴木正章】DeNAが過去に2年以上続けてAクラスに入った年と監督は、69~71年(3年=別当監督)、97~01年(5年=97年大矢監督、98~00年権藤監督、01年森監督)、16、17年(2年=ラミレス監督)。昨季2位の三浦監督は、球団生え抜き監督で初の連続Aクラス入りとなった。▽DeNA宮城(5回1死満塁から登板し大山を見逃し三振)「とにかくガンガンいくしかないと、覚悟を決めて腕を振りました」▽DeNA石川(5回2死満塁から登板し佐藤輝を空振り三振)「石田さんも粘って投げていた。宮城が三振で抑えたのを見て、僕も勇気もらいました」

◆阪神はCS進出を決めたDeNAに対し、5連敗でレギュラーシーズンの対戦を終えた。ファイナルステージで対戦の可能性を問われると、岡田彰布監督は「(対戦が)決まってからや。まだ日にちがあるんやから。今からそんなこと思ってたら、頭もたんわ」と余裕をのぞかせた。ただ、今季は牧に打率3割5分8厘、7本塁打、23打点、宮崎にも打率3割8分5厘、4本塁打、18打点と打ち込まれており、対策が求められる。

◆CSでも頼んます! 阪神大山悠輔内野手(28)がハマの夜空に特大アーチをかけた。0-1の2回、先頭で打席に入ると、DeNAの左腕石田の内角スライダーをドンピシャのタイミングでとらえた。打球は左翼席最上段の広告看板に直撃。あわや場外弾かという豪快弾だった。「追い込まれていましたが、甘い変化球にうまく対応することができました」。本人も納得の18号ソロだった。25日中日戦後、打線全体の不振に岡田監督が激怒。「大山もひどい」と名前を挙げて指摘されていた。だが、そこから目に見える結果を残し、4番の意地を見せている。これで3試合連続アーチ。4年連続のシーズン20本塁打にも望みをつないだ。球団で4年連続20本塁打以上となれば、金本の6年連続(04~09年)以来。右打者では真弓の5年連続(83~87年)、生え抜き右打者なら田淵の7年連続(72~78年)以来の快挙となる。残り3試合で2本。乗っている大山なら十分可能な数字だ。試合は競り負け、CSファイナルステージで対戦する可能性があるDeNAに5連敗した。大山も本塁打後の3打席はいずれも三振。特に1点を追う5回1死満塁で見逃し三振に倒れており「反省してまた次の試合に向けて頑張ります」と試合後は言葉少なだった。だが、両軍ベンチにもファンにも、強烈な印象を刻みつけたのは間違いない。ポストシーズに向けて、順調に状態を良化させている。

◆阪神青柳晃洋投手は4回降板で19年以来4年ぶりの7四死球と大崩れし、ポストシーズンへ大きな不安を残した。今季5勝を挙げているお得意様のDeNA戦で、試合前まで11打数1安打に抑えていた宮崎に2本の適時打を許すなど4失点。今季6敗目を喫し「全然ストライクが入らなくて、試合を壊してしまった。今日の負けは全部自分のせいかなと思います」と悔やんだ。DeNAはCSファイナルステージで対戦する可能性があり、先発枠入りへの最終テストと位置づけられた一戦だった。4回終了時点で110球を要した内容に、岡田監督は「4回で100球やもんなあ。びっくりするわ。もう自滅やんか。何個出したんフォアボール。(死球込みで)7個か。そら100球いくやんな」とあきれ顔だった。短期決戦用のプランにも影響を与えそうだ。今季は村上、大竹、伊藤将の「2桁勝利トリオ」に加え、シーズン終盤で調子を上げた西勇、DeNAキラーの青柳と先発陣が潤沢で、CSファイナルステージでは才木を第2先発として起用する作戦も浮上していた。だが、青柳のCSローテ入りが白紙に戻れば、プランが練り直される可能性もありそうだ。【古財稜明】

◆はい上がれ、森下! 不振に苦しむ阪神森下翔太外野手(23)が敵地DeNAで3打席連続で凡退した後、ベンチで悔し涙を流した。「3番右翼」で先発したが、1点を追う5回無死満塁ではボール球を振らされて空振り三振。岡田彰布監督(65)は「あんな姿みせられへん」と厳しい表情。CSファイナルステージでの3番起用が見込まれるドラフト1位ルーキー。試練を乗り越えられるか。森下は大粒の涙をこらえきれなかった。1点ビハインドの5回無死満塁。2打席凡退で迎えた3打席目だった。カウント2-2からワンバウンドした128キロチェンジアップに我慢できず、絶好機で空振り三振。浮かない表情でベンチに戻ると涙を流し、タオルで顔を覆った。佐藤輝と木浪から寄り添われると、先輩の言葉に静かに耳を傾けた。「納得する打席を送れてない。アウトでも内容のいいアウトにしていきたい」結局、この打席限りで交代を告げられた。消化試合にもかかわらず、悔し涙を流したルーキー。心身ともに追い込まれているのかもしれない。岡田監督は試合後、悩める若虎について「お客さんにみせられへんよ。はっきりゆうて」と厳しく断じた。レギュラーシーズン残り試合のスタメン剥奪もにおわせた。続けて「ボール球を振って自分で崩れていってる。自分でわからんとあかん」と自らの力による逆襲を求めた。14日巨人戦で18年ぶりの優勝を決めてから不振が続く。15日広島戦以降は22打席連続無安打。23日ヤクルト戦で猛打賞を記録したものの、その後は15打席連続無安打と再び停滞。27日の中日戦で2安打を放ったが、上昇気流に乗ったようには映らない。指揮官はすでにレギュラーシーズン終了後の"突貫工事"を予告しているが、タイミングが前倒しされる可能性も十分ある。それもこれも、3番森下がチームに欠かせない存在にまで成長したからだ。この日、森下は泣きやんだ後、ベンチ最前列でナインを鼓舞。最後まで気持ちを切らさなかった。「切り替えて頑張ります」。悔しい経験は成長の糧。涙の数だけ強くなる。【三宅ひとみ】

◆DeNA蝦名達夫外野手(26)が、阪神25回戦(横浜)の守備中に関根大気外野手(28)と交錯し、負傷交代した。1-2の4回1死三塁、阪神坂本の左中間への大飛球を左翼手の蝦名がフェンス際で好捕。直後に中堅手の関根と交錯し、倒れ込んだ。30日のヤクルト戦(神宮)は、当日の状態を見て決めるとみられ、トレイ・アンバギー外野手(28)が、1軍に合流する可能性が浮上した。

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神は今季の横浜スタジアム最終戦で青柳晃洋投手(29)が先発する。今季8勝5敗、防御率4・39の成績を残す右腕は、DeNA打線に対して6戦5勝と好相性。CSに向けてもお得意様を相手に好投し、レギュラーシーズン最終登板を締めくくる。

◆阪神・青柳晃洋投手(29)が先発。一回に先制点を与えた。1、2番を打ち取って2死としたところから苦しんだ。3番・佐野、4番・牧をともにフルカウントまで追い込みながら四球で出塁させて一、二塁。宮崎も2球で追い込んだが、カウント1―2からの5球目、外角低めのカットボールを逆らわずに右前へとはじき返され、佐野に先制のホームを駆け抜けられた。今季は8勝を挙げたうちの5勝がDeNA戦で、防御率もチーム別ではセ5球団の中でもっとも良い3・28と得意にしてきた相手だったが、主導権を奪われた。

◆阪神が二回に逆転した。一回に先発の青柳が先制の1点を与えた直後の攻撃だった。まずは先頭で打席に立った4番・大山がパワーを見せつける。相手先発・石田のスライダーを一閃すると、打った瞬間にフェンスオーバーと分かる打球は虎党が埋める左翼席の最上段へ。26日のヤクルト戦(甲子園)から3試合連続アーチとなる今季18号の特大弾で試合を振り出しに戻した。さらに、続く佐藤輝が左中間方向への二塁打で出塁すると、その後に1死一、三塁となり、木浪が中犠飛を放って逆転。手渡した主導権を奪い返した。

◆阪神・坂本誠志郎捕手(29)が「7番・捕手」で出場。四回に左犠飛を放った。2―1で突入したこの回は、先頭の佐藤輝が鋭い打球で右翼を襲い、二塁打で出塁。続くノイジーが右飛を放ち、佐藤輝がタッチアップし、1死三塁となった。ここで坂本が打席へ。1ボールからチェンジアップをとらえ、打球を深い左中間へ打ち上げ、左翼・蝦名がキャッチ。三走。佐藤輝は悠々とホームを踏み、2点差とした。「打ったのはフォーク。積極的にスイングしていこうと思っていました。次の1点が大事になってくる試合展開だったので、ランナーをかえすことができてよかったです」なお、二回には木浪が勝ち越しの中犠飛を放っており、犠飛はこの試合でチーム2個目。2008年に記録した球団歴代最多のシーズン46個に並んだ。

◆阪神・青柳晃洋投手(29)が先発し、4回を110球、5安打7四死球で4失点と崩れた。一回は2死からの連続四球をきっかけに宮崎に右前適時打を浴びて先制点を献上。打線に逆転してもらった二回は無失点にしのいだものの、3四死球で塁上を埋めてピンチを作りピリッとしない。そして、試合をひっくりされたのは3―1の四回だ。先頭・桑原を四球で出塁させると、1死後にはけん制悪送球で得点圏に走者を背負った。1番・林の四球に暴投が重なり一、三塁。ここで関根に中前適時打を浴びて1点差とされた。そこから佐野に右犠飛を許して同点とされると、宮崎にも右翼への適時二塁打を浴びた。これで3-4。続く五回に打席が巡ったところで代打が送られ降板となった。大乱調の要因は7四死球。2019年9月18日のヤクルト戦(甲子園)以来4年ぶりで、今季ワーストだった。8勝のうち5勝を挙げるなど今季は得意にしていたDeNAは、甲子園で待ち構えるクライマックスシリーズファイナルステージに勝ち上がってくる可能性もある。それだけに「少しでもタイガースいやだなと思ってもらえるような投球ができたらいいかなと思います」と話していた右腕。しかし、かえって不安を残す結果となってしまった。

◆3-4と逆転されて迎えた五回。代打・ミエセス、近本、中野の3連打で無死満塁を作って、打席にはこの日まだノーヒットのドラフト1位・森下。カウント2-2からDeNAの先発・石田のチェンジアップにバットは空を切り、三振を喫した。ベンチに戻った森下の目には涙が。近くにいた木浪が隣に座って慰めていた。森下は直後の五回の守備から代打したミエセスに代わってベンチに退いた。

◆DeNAのオフィシャルパフォーマンスチーム「diana」がファンとリレー対決を行う「Hisense ハマスタバトル」で、dianaがこの日の対戦に勝利し通算50勝(20敗)を達成した。今季から横浜スタジアムでの主催試合の四回終了後に行われている人気企画。〝速すぎるチア〟として、他球場でもコラボ企画が実施されるなど球界で大きな注目を集めている。アンカーを務めるAkiは「毎試合勝つことしか考えていなかったので、正直50勝にびっくりしています。緊張やプレッシャーもありましたが、全て全力で走り抜くことができました! 50勝にとどまらず、残りの試合も全て勝つ気持ちで走ります!」とコメント。全試合出場のShizukuも「メンバーと特訓し続け、50勝することができてよかった。残りも絶対に勝てるように」と語った。

◆阪神が大チャンスを逃した。3―4と逆転を許した直後の五回だった。先頭の青柳の代打・ミエセスが真っすぐをとらえて左前にはじき返すと、近本は21日の巨人戦(甲子園)以来15打席ぶりの安打となる右前打でチャンスメーク。さらに最多安打を争う中野も、前進する左翼・関根のグラブをかすめる左前打で続き、3連打で無死満塁の絶好のチャンスを作った。しかし、続く森下が石田のチェンジアップに手を出して空振り三振。DeNAベンチがここから細かい継投に入り、宮城と対した4番・大山は低めいっぱいの148キロ直球に見逃し三振に倒れた。さらに左腕・石川をぶつけられた佐藤輝のバットは、フルカウントから高めの148キロ直球に空を切った。阪神は得点を挙げられず。クリーンアップが相手の〝一人一殺〟の前に3者連続三振に仕留められてしまった。

◆DeNAのドラフト3位・林琢真内野手(23)=駒大=が「1番・遊撃」で先発出場。チームのシーズン140試合目で、プロ入り後初となるリードオフマンとして起用された。試合前の時点でチームが今季、6度対戦し5勝を献上していた阪神の先発、青柳に対して迎えた第1打席。林はセーフティーバントの構えを見せて揺さぶり、2球で追い込まれたが、そこからファウルで3球粘り、ボール球を2球見極めた。最後はスライダーを打ち上げ遊邪飛に倒れたが、先頭打者として8球を投げさせた。先発投手にとって難しい試合の入り。林はそこで簡単に終わらず、出塁こそならなかったがしぶとさを見せた。すると一回2死無走者から佐野、牧が連続四球を選び出塁。一、二塁とチャンスが広がり、宮崎が右前適時打を放ち「来たボールに対して、素直に打ち返すことができた」とうなずいた。青柳は以降も序盤から四球を多発。四回にはけん制悪送球もあり、DeNA打線は四回途中までに100球を投げさせる結果となった。多くの要素が複雑に絡み合って成り立つ野球の世界。林の第1打席がどこまで影響を与えたかは定かではないが、初の1番起用で変則右腕の立ち上がりにこれまでとは違ったリズムを与えたことは間違いない。(浜浦日向)

◆阪神はDeNAとのリーグ最終戦に敗れた。先発した青柳晃洋投手(29)は4回を110球、5安打7四死球で4失点と崩れた。一回は2死からの連続四球をきっかけに宮崎に右前適時打を浴びて先制点を献上。二回も3四死球を与えると、四回に3失点で逆転を許した。打線は0―1の二回に大山悠輔内野手(28)が3試合連続となる18号ソロ本塁打などで2点を奪って逆転。3―4と逆転を許した直後の五回にも無死満塁のチャンスを作ったが、森下、大山、佐藤輝のクリーンアップがDeNAの継投策の前に三者連続三振に倒れた。

◆セ・リーグは29日、DeNAが阪神に5―3で勝って、今季3位以内を確定させ、2年連続5度目のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。セは既に優勝した阪神と広島が進出を決めており、出場する3チームが出そろった。10月14日から広島とDeNAがファーストステージ(3試合制)を戦い、勝者が阪神とファイナルステージ(6試合制)で対戦する。

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(57)は4回4失点で6四球1死球で降板した阪神・青柳晃洋投手(29)に言及した。青柳は反省の多すぎる投球だった。制球の修正ができず、打たれたからなのか力も入りすぎで、球を引っかける悪循環。今季、DeNAとは相性がいいだけに立ち直れるかと思ったが、四回まで変わらず、今後が心配だ。首脳陣はポストシーズンでの起用判断が難しいだろう。経験のある投手ではあるが、先発では他にもいい投手はいるし、中継ぎに入れるにしても四死球があると難しい。短期決戦では使いづらいという印象は残った。青柳にとってツーシームは〝生命線〟。大活躍した昨年、一昨年と分かっていても打てなかった球種だが、そのコントロールができなかった。ツーシームの精度が良くないと、同じ軌道から沈んでいくシンカーも生きず、見逃される。この2つの球種がセットで、そのコンビネーションが使えないと今度は左打者の外からのスライダーで裏をかくこともできない。この先の実戦となるとフェニックスリーグぐらいだが、青柳がポストシーズンで登板するためには、ツーシームの修正が最優先になる。

◆阪神がDeNA戦5連敗。DeNAは3位以上が確定した。対戦成績で6戦5勝1敗、4連勝中だった青柳晃洋投手(29)は4回4失点で降板。110球で6四球1死球、けん制悪送球による失策、暴投も記録した。五回無死満塁で空振り三振を喫したD1位・森下翔太外野手(23)=中大=はベンチで涙を流し、代打で左前打を放ったヨハン・ミエセス外野手(28)への交代を命じられた。大山悠輔内野手(28)が2020年8月8、9日広島戦(マツダ)、10日DeNA戦(横浜)以来、2度目の3戦連続本塁打。最多安打は1安打の中野拓夢内野手(27)が2安打の中日・岡林勇希外野手(21)に162本で並ばれ、牧秀悟内野手(25)が1差で追う展開。チームは48イニング適時安打ナシ。球団最多の87勝(03、05年)まで残り3試合で3勝。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=84勝51敗5分、観衆=3万3267人)。ーー青柳は「4回で100球やもんなあ。びっくりするわ」ーーDeNAとは相性がよかったが「それで投げさせたんやけどなあ」ーーレギュラーシーズン最後の登板。不安が残った「そうなるわなあ。もう自滅やんか。何個出したん、フォアボール。6つくらいか? (死球を合わせて)7個か。100球行くやんな」ーー森下は「アカンやろ。そら。自分でどうしようかなあと思ってるけどな。今日のバッティングもアレやもんなあ。ストライクは1球も振らず、振ったらみんなボール。そんなんもうお前、お客さんに見せられへんよ。はっきり言うて。あんな姿」ーーそれが代えた理由「そういうことや。もう」ーーベンチで泣いていた「それはお前、自分やねんからお前。自分で崩れて行ってるんやから。ボール球を振って。ずっと同じ事の繰り返しやろ。こっちは何回も今まで手助けしたり、いろんなことをやったけど。前も言うたやんか。自分でわからんとアカンよ。自分でわかるやろ? あんだけボールを振ってて。ストライクは全部見送りで、振ってるのは全部ボール球やで。最後またボール球振って三振するわ言うたよ。ベンチで、3打席目もな」ーー28日は残り試合やった上でしっかり練習させると言ったが、あと3試合は?「だからそんな、あんな姿見せられへんって言うてるやんか。それはお前、失礼やわな、うーん。お金払ろて球場来て、あの姿は、そらアカンわ。本人がそら、自分でそういう風になっていってるわけやからな。自分で崩れて行くわけやからな。うん。打席の中の事やからな。俺らがそこまでフォローしてもな。ボール球は振るな言うても、打席で自分1人になった時にそないして振るんやからさ。それはもうどうしようもないよ。こっちは」ーー打線全体の印象は「普通。ちょっと作戦しとったら、中野の時もアレやけど、あいつは自分の今な、そういうことやから。普通に打つだけやから、作戦もしない。でも、やっぱり1人1人がヒットでもポンポンとな。近本もちょっと良うなってきたよな。あとの方な。最初の方はまだ、タイミングが合わんような感じでバット振ってたけど。最後の方な、ポイントもようなって来たなと思ったけどな」ーーDeNAもCSが決まった。当たる可能性もあるが「いや、そんなんまだ(笑)。それはお前、決まってからや。日にちがあるんやから、今からもう、そんなこと思ってたら、頭もたんわ(笑)」(さらに続けて)「明日移動ゲームだから、メンバー落とそうと思ってるんやけど、(広島とDeNAが2位争いしているだけに)どっちかに手を抜くみたいになってもなあ。難しいよなあ。こっちは最初からそう(自分の調整優先)だから仕方ないんやけど、考えんとアカンな」

◆制球に苦しみ、今季ワースト7四死球。6敗目を喫した青柳が大乱調の4回4失点を猛省した。「ストライクが入らなかった。試合を壊しましたし、今日の負けは全部自分のせいかなと...」一回2死から連続四球後に先制打を浴び、3―1の四回も2四球が絡んで3失点。110球での降板に岡田監督も「4回で100球(超え)やもんなあ。びっくりするわ」と呆れ顔だ。「自滅やんか。何個出したん? フォアボール。(死球を合わせて)7個か」。CSファイナルステージに勝ち上がってくる可能性のあるDeNAからは今季5勝と好相性だったが、登板すら暗雲が漂う内容に、右腕は「本当に一番悪い投球をしてしまった」と肩を落とした。(須藤佳裕)

◆DeNAは29日、阪神最終戦(横浜)に5―3で勝って今季3位以内を確定させ、2年連続5度目のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。三浦大輔監督(49)が五回1死満塁から、ともに育成出身の宮城滝太(23)、石川達也(25)両投手を打者1人ずつで継投して無失点で切り抜ける〝マシンガン継投〟が的中。2年連続のCS本拠地開催を目指し、2位広島に再び1ゲーム差に接近した。セ・リーグは既に優勝した阪神と広島が進出を決めており、出場する3チームが出そろった。指揮官の勝負の〝マシンガン継投〟が、若武者の心に火をつけた。DeNAが7投手の執念のリレーで、リーグ王者の阪神に逆転勝利。2年連続のCS出場を確定させ、三浦監督は「勝っていかないといけない中で、まず決められたことは良かった」とうなずいた。逆転に成功した直後の五回だった。先発の石田が無死満塁から森下を三振に仕留めた後、第1打席で本塁打を放った大山を迎えた場面で、指揮官は8月にプロ初登板を迎えたばかりの宮城を起用。右腕は「覚悟を決めて腕を振った」とフルカウントから低めの直球で見逃し三振を奪った。なお2死満塁のピンチで、今度は3年目左腕の石川をマウンドへ。8月30日に同じワンポイント起用で適時打を浴びた佐藤輝に対し、高めの直球で空振り三振に斬ってリベンジ。「宮城が三振を奪ったのを見て勇気をもらった。つながったバトン、何とか抑えられた」と拳を握った。育成選手としての入団からはい上がった2人の火消しリレーを、三浦監督は「若い力に懸けて、最高の投球をしてくれた」とたたえた。2位広島が敗れたため1ゲーム差に再接近。Aクラスを決めたが「選手を見ても、誰一人、納得していない。次の目標に向かってやっている」と三浦監督が語る通り、ハマスタで2年連続のCS開催を諦めていない。勝ち進めばファイナルステージの相手となる阪神に5連勝締め。「横浜頂戦」をスローガンに掲げるDeNAの挑戦は、まだ終わらない。(浜浦日向)DeNAが、2年連続でのCS進出を決めた。球団(前身を含む)の2年以上連続Aクラス入りは、1969-71年(別当監督)、97-2001年(大矢、権藤、森監督)、16-17年(ラミレス監督)に次いで6年ぶり。三浦監督は、球団生え抜き初の連続Aクラス入りした監督となった。

◆阪神はDeNAに3-5で敗れ、同カード5連敗で今季の対戦を終えた。「3番・右翼」で出場した森下翔太外野手(23)は3打数無安打2三振で途中交代。ベンチでは悔し涙を流した。レギュラーシーズンは3試合残っているが、岡田彰布監督(65)は「もう、お客さんに見せられへんよ。あんな姿」と欠場させる可能性を示唆した。胸の奥からあふれてくる感情は、真っ赤にはらした両目に涙となってたまっていった。ボール球に、バットが止まらない...。ベンチに戻った森下が、悔し涙を流した。何度も何度もチームカラーの黄色と黒色のタオルで顔を覆い、自身へのふがいなさと向き合った。「切り替えて頑張ります」試合後、チームバスへと向かう通路では必死に顔を上げたが、不振脱出へのきっかけを地元・横浜でつかむことはできなかった。3-4の五回。先頭の代打・ミエセスから3連打で無死満塁の大チャンスを作ったが、ドライチルーキーはカウント2-2から、左腕・石田の投じたワンバウンドのチェンジアップに手を出してしまった。空振り三振でベンチに戻ると、隣で、自身の打席に向かう前の佐藤輝に寄り添われた。その回の攻撃中は木浪にも言葉をもらい、両目をはらしながら、何度もうなずいた。直後に投手の岡留が3番の打順に入って途中交代となり、3打数無安打2三振。ここ5試合で打率・105と深刻な数字に落ち込んだ。岡田監督は「ストライクは1球も振らず、振ったらみんなボール。そんなんもうお前、お客さんに見せられへんよ。はっきりゆうて。あんな姿。失礼やわな。お金払ろて球場来ててあの姿は、そらあかんわ」と残り3戦を欠場させる可能性を示唆。「ずっと同じことの繰り返しやろ。こっちは何回も今まで手助けしたりいろんなことをやったけど。前も言うたやんか。自分でわからんとあかんよ」と厳しかった。前日、指揮官は「森下は突貫工事よ」とレギュラーシーズン終了後に甲子園で振り込みを行い、その後のフェニックス・リーグで実戦勘を磨かせる復活プランを明かしたばかり。さらに「クリーンアップ(を)打たすつもりでおるんやから打たんと」と期待をかけたが、何度もボール球に手が出る姿に、虎将も我慢の限界だった。10月18日から始まるクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで当たる可能性があるDeNAには5連敗でレギュラーシーズンの対戦を終了。森下は「自分の納得する打席が送れていない。アウトでも内容のいい内容にしていきたい」と言葉を絞り出した。ただ、下を向いている時間はない。CSまでに、自分自身で、はい上がるしかない。(新里公章)

◆横浜の夜空に美しい放物線を架けた。0―1の二回、大山が3試合連続本塁打となる18号ソロ。「中秋の名月」の満月にも届くような特大の一発で、試合を振り出しに戻した。「追い込まれていましたが、甘い変化球にうまく対応することができました」先頭で打席に立つと、カウント1―2からDeNAの先発・石田の真ん中に入った126キロスライダーを一閃。高々と放たれた白球に本塁打を確信し、ゆっくりと走り出す。左翼スタンド最上段の看板に跳ね返る豪快な一発だった。大山の3試合連続本塁打は2020年以来。主砲が反撃ののろしを上げ、虎はここから一時逆転に成功した。今月4本目の本塁打で18号とし、4年連続の20本塁打も射程圏内に入ってきた。勝負の10月決戦に向け、4番が状態を上げてきた。「しっかり反省して、明日もまた試合に向けて頑張ります」試合後は一喜一憂せず、次の試合を見つめた。第2打席以降の3打席は3三振。五回の第3打席には3―4と1点差1死満塁の好機で2番手・宮城の速球に手が出ず見逃し三振に倒れて無得点。追いつくことはできなかった。今季は残り3試合。チームを引っ張る主砲が最後まで走り切る。(中屋友那)

◆先発青柳が4回7四死球で自滅。打線は五回無死満塁で森下、大山、佐藤輝のクリーンアップが3連続三振。「アホかー!!」と叫びつつ...フフフ、年間ワーストゲームで膿を出し切ったー!! これでポストシーズンは上昇あるのみなのだ!!ということで、本日もアレ(優勝)の通信簿をお送りします。第3弾は近本光司選手!! 新人から5年での最多安打記録やら、5年間で4度の盗塁王(今季も決定的)ともうプロ中のプロ!! それどころか、肋骨(ろっこつ)骨折からわずか3週間での復帰はまさに『無事之名馬』なり!! と多くの虎党は称賛するだろうけど、俺からしたらステ~キ!!(カツ以上の叱咤)なのだ。だって...能力からすれば、楽なはずの打率3割を打っていないのはおかしい(打率・285)!! 最高の足がありながらセーフティーバントもやらない。よって来シーズンはいい意味で小ずるく、1941年のテッド・ウィリアムズ(レッドソックス)以来の4割打者になれー!! と大注文をつけておくのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
84515 0.622
(↓0.005)
優勝
(-)
3544
(+3)
412
(+5)
81
(+1)
78
(+1)
0.247
(-)
2.630
(↓0.02)
2
(-)
広島
73644 0.533
(↓0.004)
12
(-)
2486
(+1)
501
(+4)
94
(-)
77
(-)
0.246
(↓0.001)
3.210
(↑0.01)
3
(-)
DeNA
72653 0.526
(↑0.004)
13
(↑1)
3512
(+5)
493
(+3)
104
(-)
32
(+1)
0.247
(-)
3.200
(-)
4
(-)
巨人
68692 0.496
(-)
17
(↑0.5)
4517
(-)
504
(-)
163
(-)
47
(-)
0.253
(-)
3.470
(-)
5
(-)
ヤクルト
56813 0.409
(-)
29
(↑0.5)
3527
(-)
558
(-)
122
(-)
61
(-)
0.239
(-)
3.690
(-)
6
(-)
中日
55805 0.407
(↑0.004)
29
(↑1)
3387
(+4)
490
(+1)
70
(+1)
35
(-)
0.236
(↑0.001)
3.090
(↑0.02)