阪神(★2対7☆)中日 =リーグ戦25回戦(2023.09.27)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:メヒア(3勝1敗0S)
敗戦投手:富田 蓮(1勝2敗0S)

本塁打
【中日】細川 成也(23号・1回表2ラン),細川 成也(24号・5回表2ラン)
【阪神】大山 悠輔(17号・4回裏2ラン)

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◆中日は初回、1死一塁から細川の2ランで先制する。その後3-2で迎えた5回表には、細川が再び2ランを放ち、リードを広げた。投げては、先発・メヒアが7回途中2失点。粘りの投球で今季3勝目を挙げた。敗れた阪神は、先発・富田が5失点と試合をつくれなかった。

◆阪神村上頌樹投手(25)と西勇輝投手(32)が、出場選手登録を抹消された。村上は25日の敵地中日戦で先発し、初の規定投球回に到達して、防御率1・75で最優秀防御率賞のタイトルを確実としていた。西勇は前日26日のヤクルト戦(甲子園)で先発し、7回無失点と力投。自身3連勝で8勝目を挙げていた。ともに登板機会なしでの抹消となった。代わってこの日登板する富田蓮投手(22)と西純矢投手(22)が登録された。

◆阪神近本光司外野手(28)が、4試合ぶりに「1番中堅」で先発に名を連ねた。24日の敵地中日戦は欠場し、25日の同戦、26日のヤクルト戦は代打で出場した。また、前日26日には1番で出場し、3試合連続無安打中の森下翔太外野手(23)は、「3番右翼」で出場する。ドラフト6位新人の冨田蓮投手(22)が先発での初勝利を目指す。

◆お笑いタレントの間寛平(74)が、中日戦の試合前の始球式に登板した。野球好きでソフトバンクの大ファンとして知られるが、この日は「高知家・タイガースタウン安芸ナイター」で、高知県宿毛市出身の間が「高知県スポーツ応援大使」として登場。マウンドとホームベースの中間あたりから投げようとしたが、捕手の坂本に制され、マウンドの手前まで下がって投球。しっかりストライクを投げ、スタンドから大きな拍手をもらった。投球後は「甲子園すごいですね、ファンが。緊張した~」とソフトバンク戦では何度も始球式を経験している間も苦笑い。当初は持ちギャグの「かい~の」を披露したうえで投げるつもりだったというが「下手なことしたら(ファンに)怒られる」と思いできなかったという。しかし、引きあげる際にはベンチの岡田監督に向けて「血ぃ吸うたろか」のギャグで、お笑い好きの指揮官を爆笑させた。吉本新喜劇のGMを務めるだけに「お笑いの監督として、岡田監督と感覚が一緒だなあ」と納得顔。新喜劇に出てもらいたい人材としても岡田監督の名を挙げ「僕がかい~の、っていうたら、(岡田監督に)むずがい~のって言ってもらいましょう」と舞台でのアイデアも披露。そして、岡田監督が優勝を意味する言葉として多用した「アレ」について、自身の持ちギャグ「アヘアへ」にかけて「アレを次はアヘに変えてくれんかな。日本一はアヘで」と熱望していた。

◆阪神大山悠輔内野手(28)から2戦連続の17号2ランが生まれた。3点を追う4回1死一塁。カウント3-1から、先発メヒアの149キロ直球を左中間席にたたきこんだ。「バッティングカウントでしたし、自分の形でしっかり振り切ることができたと思います」26日ヤクルト戦(甲子園)から、2試合連続の本塁打。22年6月17、18日(ともにDeNA戦)以来となる2戦連発となった。

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◆阪神ドラフト6位富田蓮投手(22)のプロ2度目の先発は5回6安打5失点(自責点3)だった。初先発した6月9日の日本ハム戦(エスコンフィールド)以来の1軍マウンド。初回に2番カリステに四球を与えると、3番細川に先制2ランを浴びた。5回は1番岡林が遊撃木浪のエラーで出塁を許し、再び3番細川にバックスクリーン左横に24号2ランを被弾。直後の5回に代打が送られ、71球で降板となった。6回からは、富田と同学年の西純矢投手(22)がマウンドに上がった。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、23日以来、4試合ぶりの複数安打を決めた。4回1死の第2打席。先発メヒアから16打席ぶりの遊撃内野安打を記録。大山の17号2ランをお膳立てした。3点を追う6回無死一塁では、再びメヒアから右前打。直近3戦は無安打に終わっていたが、猛打賞を決めた23日ヤクルト戦(神宮)以来のマルチ安打となった。

◆/竜のアーチスト\今度はバックスクリーンへ細川成也が1試合2ホーマー?プロ野球(2023/9/27)??阪神×中日??Live on DAZN#DAZNプロ野球#dragons pic.twitter.com/rcIHsWm9ED

◆阪神近本光司外野手(28)が今季11個目の死球を受け、球場がどよめいた。5点を追う1死二塁。右腕メヒアの136キロ変化球だった。体に向かってくるボールを懸命によけたが、かわしきれずに直撃。その後は自力で歩いて一塁へ向かった。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、甲子園でのレギュラーシーズン最終戦を終え、球場に駆けつけた虎党へのスピーチで感謝の思いを伝えた。全文は以下の通り。2023年のシーズン、公式戦は今日で、甲子園球場での試合は終わりました。本年は3月31日の京セラドーム(大阪)のホームから、今日まで本当に球場を埋め尽くすいつも超満員のファンの人に応援していただき、本当にありがとうございました。ファンの声援が選手のすごい力になったのは間違いありません。普段は最終戦で終わりなんですけど、今年はおかげさまで18年ぶりに「アレ」を成し遂げたので、まだこの甲子園球場をホームとして試合することができます。2005年は、18年前は、クライマックスシリーズがなかったので、18年ぶりというか、このファイナルステージを甲子園球場で、できるというのは、阪神タイガースにとって初めてのことです。10月18日に第1戦を迎えますが、今日から約3週間ありますが、チームは10月4日の最終戦を終えて、少し期間はあるんですけど、フェニックス・リーグなど、最善の準備をして、10月18日にまたこの場に戻ってきたいと思います。シーズン同様にこのファイナルステージも、たくさんのファンの人に球場に足を運んでいただいて、選手に力強い声援を送っていただきたいと思います。本当に今日まで、満員のお客さま、本当にありがとうございました。

◆阪神が中日に敗れ、レギュラーシーズン本拠地最終戦を白星で飾れなかった。 2度目の先発となったドラフト6位新人富田蓮投手(22)が、1回に中日細川に23号2ランを浴び先制を許す。富田は2回にも1点を失った。阪神は4回に反撃。1死一塁から、大山悠輔内野手(28)が2試合連続の17号2ランで1点差に迫った。だが、直後の5回、1死から岡林の遊ゴロを木浪がエラー。2死から細川に、今度はセンターへ24号2ランを被弾。富田は5回6安打5失点(自責3)でマウンドを降り、先発初白星はならなかった。2番手の西純矢投手(22)も7回に2失点。打線も6回無死満塁の好機で無得点に終わるなど、あと一押しがなく、完敗した。

◆阪神中野拓夢内野手(27)が最多安打の座をキープした。タイトルを争う中日岡林勇希が2回に右前打を放ち、1度は並ばれた。しかし6回先頭でメヒアの内角直球を左前へ運び、再び単独トップに浮上。岡林との対戦に「意識しないと言っても多分してると(笑い)。先に(岡林に)打たれたんで、打ちたい気持ちはあった。でも出し過ぎたら、いい結果に結びつかない」と引き締めた。古巣の三菱自動車岡崎の後輩富田については「もう少し声をかけてあげられれば、落ち着いて投球できたのかな」と反省した。

◆中日が4年ぶりに甲子園で5勝(5敗)した。途中加入の先発ウンベルト・メヒア投手(26)が7回途中2失点と粘投。現役ドラフトで加入した細川成也外野手(25)が先制アーチを含む今季3度目の1試合2本塁打で打線をけん引した。20年から甲子園では1勝、2勝、1勝で、5勝は19年に6勝(6敗)して以来。立浪和義監督(54)は「阪神はCSへ向けて調整登板もしている」と理解した上で、「昨年は1つしか勝てなかった。守り勝つ野球ができれば、逆転される雰囲気もなくなる。(苦手意識を)払拭していきたい」と収穫を口にした。依然として球団初の2年連続最下位の可能性もあるが、残り4試合で3勝すれば5位フィニッシュも視野。「優勝、Aクラス入りも目指してきて、レベルは低いが、いい緊張感を持って戦いたい」。指揮官は就任3年目となる来季につなげていくため、気持ちを引き締めた。【伊東大介】

◆敗戦の中の光だ。阪神大山悠輔内野手(28)が今季初の2戦連発となる17号2ランを放った。3点を追う4回1死一塁。カウント3-1から先発メヒアの149キロ直球を左中間席にたたき込んだ。一時は1点差に迫った1発。直後には2連打と打線が続いた。序盤からリードを許した中、劣勢ムードの雰囲気を変えた。「やっぱりまだまだっていう部分も、もちろんある。そこはしっかり自分の中で反省と修正をして。でもホームランが出たということは、自分の中ではプラス。そこはいい方向に捉えていきたい」前日26日ヤクルト戦では6試合ぶりに左翼越えの1発。12打席ぶりの安打となった。22年6月17、18日(ともにDeNA戦)以来となる2戦連発だ。状態について問われた岡田監督は「そりゃ、分からん。そんな」と慎重だった。今季全試合で4番に座る主砲。残り4試合で先発4番出場となれば、球団生え抜き選手では日本一となった85年掛布雅之以来、38年ぶりの全試合4番スタメンとなる。信頼を置く主砲だからこそ、さらなる復調を求めた。安打が出ない時期も経た中で、出塁は12試合連続。四球などでチームへの貢献を続けて来た。この日も6回無死一、三塁の場面では四球を選びチャンス拡大。今季96四球はセ・リーグではトップの数字だ。出塁率4割3厘もリーグトップを快走。両リーグトップ484四球を選ぶチームの姿勢を、4番が体現している。この日は甲子園でのレギュラーシーズン最終戦。チケットは完売し、球場は満員となった。「(ファンの声援は)すごく力になりますし。感謝しています」。次なる甲子園での戦いは、CSファイナルステージ。主砲のアーチで再び沸かせる。【波部俊之介】

◆阪神が中日に敗れ、レギュラーシーズン本拠地最終戦を白星で飾れなかった。 2度目の先発となったドラフト6位新人富田蓮投手(22)が、1回に中日細川に23号2ランを浴び先制を許す。富田は2回にも1点を失った。阪神は4回に反撃。1死一塁から、大山悠輔内野手(28)が2試合連続の17号2ランで1点差に迫った。だが、直後の5回、1死から岡林の遊ゴロを木浪がエラー。2死から細川に、今度はセンターへ24号2ランを被弾。富田は5回6安打5失点(自責3)でマウンドを降り、先発初白星はならなかった。2番手の西純矢投手(22)も7回に2失点。打線も6回無死満塁の好機で無得点に終わるなど、あと一押しがなく、完敗した。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-先発富田が乱調「なあ、もうちょっとなあ投げてくれると思ったけどな。初回で出ばなをくじかれたからなあ」-途中立ち直ったかと「あそこ(5回)もエラーあったけどな、あそこを抑えておけば、だいぶ違ったけどな」-西純は「いやーもうなあ。悪いときに戻っとるわな。最後、ファーム(21日オリックス戦で5回5失点)でも悪かったからな。結局な。7番、8番にフォアボール、フォアボールじゃあ、2アウトからな」-打線は相変わらずタイムリーが出てない「なあ、そらノーアウト満塁でボール球、ボール球振っとったら、そら」-森下の内容はどう見たか「まあ、そうでもないやろお。まだなあ、自分のスイングでそないして打ててないよなあ」-甲子園最終戦ということでベストメンバーで臨んだのか「そうそう」-お客さんのために「まあ、そうやんか。まあなあ、キャッチャーも長坂でいこかなあと思たけど、まあ最後やしなあ」-最後白星で締めたかった「まあ、何回勝つんよ! お前もう。そんな簡単に何回勝つんや。そんな、簡単に勝たれへんのやで。相手がいるんやから」-大山が2戦連発。変化は「そりゃ、わからん。そんな」-残り4試合はどう戦っていくか「どう戦うって、まあ、普通に、ずっと言ってることやけどな、普通にやるていうか、お前、まあな、ピッチャーはなもうだいぶ、ほとんど投げさせへんけどな。青柳1人だけ、ちょっとな(得意の)DeNAやからな。そこは投げさすけど、あとはもう、そら点が何点とかは分からへんけどな。それができるのは勝った特権やんか。そやろ、そういうことやんか」-スピーチでは佐藤輝にしゃべれと「いやいや、誰かしゃべるかなと思って」

◆阪神森下翔太外野手(23)が、レギュラーシーズン本拠地最終戦でマルチ安打を放った。4回1死から遊撃への内野安打で出塁。4試合16打席ぶりのヒットだった。さらに6回には先頭中野の安打に続いて右前へ抜けるヒットでチャンスメークした。森下は「感触としてはそんなに良くないですけど、1本出たんで。気は楽にはなんないですけど、とりあえずよかったかなと思っています」と振り返った。23日のヤクルト戦で6度目の猛打賞となる3安打。しかし、その後3試合は無安打で、岡田監督に打撃の崩れを指摘されていた。この日の試合後も「まだなあ、自分のスイングで打ててないよなあ」と、指揮官は完全復調したとは見ていない様子。それでも森下は「残りの少ない試合で、なんとか、長打とかしっかり打てるように、準備していきたいと思います」と、前だけを見据えた。

◆阪神が中日に完敗し、レギュラーシーズンの本拠地最終戦を飾れなかった。岡田彰布監督(65)は満員の甲子園で、虎党の前であいさつし、10月18日に開幕するクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージへ万全の状態に仕上げることを約束。低調な打線を3週間で仕上げ、強い猛虎で甲子園に帰ってくる。本拠地最終戦のセレモニーで岡田監督がマイクを握った。満員のファンに呼びかけるように語った。「普段は最終戦で終わりなんですけど、今年はおかげさまでアレを成し遂げたので、まだこの甲子園球場をホームとして試合をすることができます!」。05年はまだCSはなく、球団にとって初の甲子園開催のファイナルステージだ。「最善の準備をして、10月18日に、またこの場に戻ってきたい」。派手な日本一宣言は出なかったが、残り3週間で万全の状態に仕上げることを約束した。CSが不安になるような締まらない最終戦となった。甲子園公式戦ラストだからと、野手はベストメンバーを組んだが、つながらないままだ。4回に4番大山が2戦連発の17号2ランでの2点のみ。3点を追う6回無死満塁の絶好機でまさかの無得点。指揮官は「そら無死満塁でボール球、ボール球振っとったら」と嘆いた。5番佐藤輝は内角の厳しいボール球に詰まらされての三飛。ノイジーは外角低めボール球のスライダーで浅い中飛球に終わった。ラストは白星で飾りたかったかという問いには「何回勝つんよ! そんな簡単に勝たれへんのやで。相手がいるんやから」と語気を強めた。それでも、今季甲子園では36勝23敗3分け。18年ぶりの胴上げも行った。京セラドーム大阪では8勝0敗、倉敷1勝0敗を加えたホームでは71試合45勝23敗3分けと王者らしい戦いを見せた。「いつも超満員のファンに応援していただき、本当にありがとうございました。ファンの声援が選手のすごい力になったのは間違いありません」。復帰1年目で改めて感じた虎党の熱さに対する正直な気持ちだった。スタンドに両手を振る岡田監督に対して「岡田コール」とトランペットでの現役時代の応援歌が降り注いだ。11連勝した時の勢いは今はない。打線が湿っていても、まだCSまで3週間もある。「最善の準備」をするには十分な時間がまだ残っている。【石橋隆雄】

◆阪神及川雅貴投手(22)が回またぎの救援を無失点で抑えた。8回から9回1死まで三振2つと二ゴロ、右飛で中日打線をピシャリ。「今日は甘い球が多かったですし、内容もやっぱりあんまりよくなかったんで」と反省も忘れなかった。21年には39試合の登板で防御率3・69。今季は31試合で防御率2・36と安定感は増した。「ブルペンからも(イニングまたぎが)あるって。予想通り」。4年目左腕が、CSに向け信頼感を高めた。

◆阪神ドラフト6位の富田蓮投手(22)と西純矢投手(22)が、そろってアピール失敗に終わった。先発した富田は5回7安打5失点と試合をつくれず。6回から登板した西純は3四球と制球を乱し、2回2安打2失点と課題を残した。ロングリリーフ要員などでCSファイナルステージの1軍入りへ向けた絶好のチャンスの機会を生かせなかった。6月9日の日本ハム戦以来プロ2度目の先発マウンドに上がった富田は、いきなり出ばなをくじかれた。初回1死一塁から細川に左中間へ先制2ランを被弾。2回にも1点を失い、5回には2死二塁から再び細川に左中間への2ランを食らった。左腕は「要所でホームランを打たれたり、もったいないところが多かった」と反省。岡田監督は「もうちょっとなあ、投げてくれると思ったけどなあ」と期待していただけに落胆の表情を隠せなかった。西純にとっても8月15日広島戦以来の1軍戦は悔しい登板となった。6回は2死から連続四球を与えるも無失点。ただ、7回は1死からヒット、四球でピンチを招き、4番石川昂に左翼線への適時二塁打、なおも二、三塁からビシエドに中犠飛を浴びた。右腕は「ずっと同じことを繰り返している。コントロールの部分はもう少し何とかしないといけない」と反省した。指揮官は「悪い時に戻っとるわな。最後、ファーム(21日オリックス戦で5回5失点)でも悪かったからな、結局な」と苦言を呈した。【古財稜明】

◆阪神・村上頌樹投手(25)と西勇輝投手(32)が出場機会なしのため、出場選手登録を抹消された。代わってこの日の中日戦で登板予定のD6位・富田蓮投手(22)=三菱自動車岡崎=、西純矢投手(22)が登録された。村上は今季22試合の登板で10勝6敗、防御率1・75。最優秀防御率のタイトル獲得が確実となっている。西勇は18試合で8勝5敗、同3・57。26日のヤクルト戦(甲子園)では7回無失点で8勝目を挙げていた。

◆甲子園の今季最終戦。阪神はドラフト6位の富田蓮投手(22)=三菱自動車岡崎=が先発する。1軍戦の登板はプロ初先発した6月9日の日本ハム戦(エスコンF)以来で、先発登板は2度目。今季は開幕から中継ぎ要員として1軍メンバーに名を連ね、8試合の登板で1勝1敗、防御率4・09の成績だ。ウエスタン・リーグでは14試合の登板(先発は13試合)で5勝2敗、防御率1・77。2軍で培ってきた力を1軍のマウンドでぶつける。また、近本光司外野手(28)が「1番・中堅」で4試合ぶりにスタメン復帰した。

◆阪神の先発・富田蓮投手(22)が一回に先制点を許した。先頭の岡林は129キロスライダーで空振り三振。チームメートの中野と最多安打のタイトルを争う好打者を抑え、上々のスタートを切ったが、続くカリステに四球を与えると、細川に左中間スタンドへ23号2ランを浴びた。富田はこれがプロ初被弾。続く石川昂は中飛、ビシエドに中前打も宇佐見を左飛に仕留め、何とか後続を断った左腕だが、課題の残る立ち上がりとなった。

◆中日・細川成也外野手(25)が一回に左中間に先制2ランを放った。阪神先発・富田に対して1死からカリステが四球で出塁して迎えた第1打席で、カウント1-1から外角低めへの141キロ直球をとらえた打球は左中間席へスタンドイン。2点を先制する一発に「1発で仕留められてよかったです」と声を弾ませた。二回には1死から龍空内野手(20)の右前打と犠打でつくった2死二塁から岡林勇希外野手(21)が右前へのタイムリーを放って1点を追加。序盤で3-0とリードした。

◆阪神が秋季キャンプでも訪れる、高知県安芸市協賛の「高知家・タイガースタウン安芸ナイター」として開催。お笑い芸人の間寛平(74)が始球式に登場し、レギュラーシーズン甲子園最終戦に集まったファンを沸かせた。高知県出身で高知県スポーツ応援大使を務める寛平は、マウンド中間からホームに近づこうとするも坂本に制されて戻り、約15メートルの距離からノーバウンド投球を披露した。始球式を終え、「いやーもう緊張したわあ。『かいーのー』って投げようと思ってたんですけど、すごいですね、ファンが。だから、下手に変なことしたらめっちゃ怒られると思ってなかなかできなかったです。岡田監督にこれ(アヘアヘのポーズ)だけしました(笑)」と解放されたかのように声を弾ませた。寛平は2022年から吉本新喜劇のGMを務め、岡田監督と同じくタクトを振っている。「自分が言うのはなんですけど、岡田監督と感覚が俺は一緒やなって。(今季の阪神は)安心して見ていましたね」と指揮官の手腕にうなずいていた。話題になっている〝アレ″の次については、「〝アヘ″に変えてくれと。ソレは誰もが言うんでちょうどいいんじゃないですかね、〝アヘ″が」と提案した。またGMとして新喜劇にスカウトしたい選手を尋ねられても、「やっぱり岡田さんですかね」と指揮官を指名。「休みの時に出てほしい。僕が『かいーのー』って言ったら『むずがいーのー』と言わせましょうか。最後は2人そろって『いくつになっても甘えんぼ』言うて(笑)」と策を練っていた。試合前には安芸市から阪神・ミエセスと中日・石垣にちりめんじゃこ5キロが贈呈された。さらに来場者には高知県・安芸市×阪神タイガースオリジナルうちわと安芸市の観光ガイドブックがプレゼントされ、その中から抽選で100人には「阪神タイガースミレービスケット」がプレゼント。試合前から本拠地最終戦にふさわしい盛り上がりを見せた。

◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(23)=中大=が0-3の四回に遊撃内野安打を放った。カウント0-1からメヒアの134キロスライダーに食らいついた。三遊間最深部に弾む打球に激走。内野安打で4試合ぶり、16打席ぶりの「H」ランプをともした。3番の一打で反撃ののろしがあがる。1死一塁から大山が149キロ直球を一閃。左中間最深部に運ぶ17号2ラン。大山は「打ったのはストレート。バッティングカウントでしたし、自分の形でしっかり振り切ることができたと思います。次の打席もチームに貢献できるように頑張ります」とコメント。4番の2試合連続弾で2-3と1点差に迫った。

◆阪神の先発・富田蓮投手(22)は5回6安打5失点(自責3)で降板した。6月9日の日本ハム戦(エスコンF)以来、プロ2度目の先発。しかし、一回に細川に2ランを浴び、いきなり先制点を許す。二回には2死二塁から岡林に右前適時打で3点目。三回、四回と無失点でしのいだが、五回は1死から遊失で出塁を許すと、2死一塁とし、細川にこの日2本目の2ランを浴びた。初の甲子園先発は課題の残る内容となった。

◆中日・細川成也外野手(25)が3-2の五回にこの試合2本目となる2ランを放った。岡林が敵失で出塁して2死一塁で迎えた第3打席。一回の第1打席で先制2ランを放っていた細川は富田の初球、外よりの138キロ直球を強振。高々と上がった打球はセンターバックスクリーン左に飛び込んだ。「追加点が取れてよかったです」。今季1試合2本塁打は8月4日のヤクルト戦(バンテリンD)以来、3度目となった。四回に2点を返され1点差とされた直後、すぐさま2点を奪って再び3点差に拡大。5ー2とリードして前半を終えた。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)が六回先頭の第3打席で左前打を放った。メヒアの151キロ直球を左前にはじき返した。試合前の時点で160安打はセ・リーグ単独トップ。しかし、二回に2位の岡林が右前打を放ち、160安打で並ばれる。それでも、六回の一打で161安打とし、再びセ・リーグ単独トップに立った。同3位のDeNA・牧も同日の試合で1安打を放っており、その差は3本。白熱の最多安打争いも佳境に入ってきた。

◆今季の甲子園最終戦。阪神は先発のドラフト6位・富田蓮投手(22)=三菱自動車岡崎=が、細川に2本の2ランを浴びるなど、5回6安打5失点(自責3)と試合を作れなかった。2番手の西純も2回2失点と踏ん張り切れず。打線は四回に、大山が2試合連続の17号2ランを放ったが、六回無死満塁の好機では佐藤輝が三飛に倒れるなどし、凡退した。

◆中日が快勝した。一回に細川の23号2ランで先制し、二回に岡林の適時打で加点。五回は細川の24号2ランで突き放した。メヒアが七回途中2失点で今季3勝目を挙げた。阪神先発の富田は5回5失点と崩れて2敗目。

◆阪神が甲子園でのレギュラーシーズン最終戦で敗戦。D6位・富田蓮投手(22)=三菱自動車岡崎=が一、五回に中日・細川成也外野手(25)に2本の2ランを浴びるなど、5回5失点(自責3)で降板した。打線は大山悠輔内野手(28)が四回、昨年6月17、18日のDeNA戦(甲子園)以来の2試合連続本塁打を放ったが、得点はこの2点だけ。甲子園成績は36勝23敗3分(その他の主催試合は京セラ8、倉敷1で9戦9勝)。試合後のセレモニーでの岡田彰布監督(65)の挨拶は以下の通り。「2023年のシーズン、公式戦は今日で、甲子園球場での試合は終わりました。本年は3月31日の京セラドームでのホームから今日まで本当にあの、球場を埋め尽くす、いつも超満員のファンの人に応援していただき、ホント、ありがとうございました。ファンの声援が選手のすごい力になったのは間違いありません。普段は最終戦で終わりなんですけど、今年はお陰様で18年ぶりアレを成し遂げたんで、まだ、この甲子園球場をホームとして、試合することができます。2005年は、18年前は、クライマックスシリーズがなかったんで、18年ぶりというか、ファイナルステージを甲子園球場で出来るというのは阪神タイガースにとって初めての事です。10月18日に(ファイナルSの)第1戦を迎えますが、約3週間ありますが、チームは10月4日に最終戦を終えて、少し期間あるんですけど、フェニックスリーグなど、最善の準備をして、10月18日、またこの場に戻って来たいと思います。シーズン同様にファイナルステージもたくさんのファンに球場に足を運んでいただいて、選手に力強い声援を送っていただきたいと思います。今日まで、満員のお客様、ありがとうございました」

◆阪神が甲子園でのレギュラーシーズン最終戦で敗戦。D6位・富田蓮投手(22)=三菱自動車岡崎=が一、五回に中日・細川成也外野手(25)に2本の2ランを浴びるなど、5回5失点(自責3)で降板した。打線は大山悠輔内野手(28)が四回、昨年6月17、18日のDeNA戦(甲子園)以来の2試合連続本塁打を放ったが、得点はこの2点だけ。D1位・森下翔太外野手(23)=中大=の連続無安打は15打席で止まった。最多安打のタイトル争いは中野拓夢内野手(27)が1安打を加え、161本でトップ堅持。1差で中日・岡林勇希外野手(21)、2安打を加え、159本の牧秀悟内野手(25)が3位で追う展開となった。甲子園成績は36勝23敗3分(その他の主催試合は京セラ8、倉敷1で9戦9勝)。球団最多の87勝(2003、05年)まで残り4試合で3勝が必要となった。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り(成績=84勝50敗5分、観衆=4万2621人)。★球場挨拶編2023年のシーズン、公式戦は今日で、甲子園球場での試合は終わりました。本年は3月31日の京セラドームでのホームから今日まで本当にあの、球場を埋め尽くす、いつも超満員のファンの人に応援していただき、ホント、ありがとうございました。ファンの声援が選手のすごい力になったのは間違いありません。普段は最終戦で終わりなんですけど、今年はお陰様で18年ぶりアレを成し遂げたんで、まだ、この甲子園球場をホームとして、試合することができます。2005年は、18年前は、クライマックスシリーズがなかったんで、18年ぶりというか、ファイナルステージを甲子園球場で出来るというのは阪神タイガースにとって初めての事です。10月18日に(ファイナルSの)第1戦を迎えますが、約3週間ありますが、チームは10月4日に最終戦を終えて、少し期間あるんですけど、フェニックスリーグなど、最善の準備をして、10月18日、またこの場に戻って来たいと思います。シーズン同様にファイナルステージもたくさんのファンに球場に足を運んでいただいて、選手に力強い声援を送っていただきたいと思います。今日まで、満員のお客様、ありがとうございました★囲み編ーー富田が先発「もうちょっと、投げてくれると思ったけどな」ーー立ち直ったかと「あそこもエラーあったけどな(五回に細川に浴びた2ランの前に木浪が失策)、あそこを抑えておけば違ったけどな」ーー西純は(六回から2回2失点)「悪い時に戻っとるわな。最後、ファームでも悪かったからな。7番、8番にフォアボール、フォアボールじゃあ、2アウトからな」ーー打線は相変わらずタイムリーが出てない(39回適時安打なし)「そらノーアウト満塁でボール球、ボール球振っとったら、そら」ーー森下の内容は「そうでもないやろ。まだ自分のスイングで打ててないよな」ーー甲子園最終戦ということでベストメンバー「そうそう。キャッチャーも長坂で行こかなと思たけど、最後やしな」ーー白星で締めたかった「何回勝つんや。そんな、簡単に勝たれへんのやで。相手がいるんやから」ーー大山が2戦連発。変化は「わからん。そんな」ーー残り4試合「どう戦うって、普通に、ずっと言ってることやけどな。普通にやるていうか、ピッチャーはほとんど投げさせへんけどな。青柳ひとりだけ、ちょっとな(得意の)DeNAやからな。そこは投げさすけど、あとはもう…。点が何点とかは分からへんけどな。それができるのは勝った特権やんか。そやろ、そういうことやんか」ーースピーチでは佐藤輝に喋れと「いやいや、誰か喋るかなと思って」

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(79)は七回に死球を受けた近本光司外野手(28)の状態をポイントに挙げ、逆方向へ打撃を勧めた。ポストシーズンに向けて調整段階なので、評価は難しい部分もあるが、気になったのは近本。七回に死球を受けたが、左打者が左足に当たってしまうのは、一番ダメなパターンだ。打席で投球に対して体が開かずに対応できていたら、当たったとしても普通は右足。右足に当たるのは、しっかり壁が作れている証拠で、何の心配もいらない。これに対して、左足に当たるのは、体が開いてしまっている証拠でもある。脇腹などに死球を受け、離脱も経験した今シーズン。この残像が残っている証拠とも言える。無意識に開いてしまうのだろう。投手は打者に対して、なんとか開かせようと内角の厳しいところに投げる。対する打者は、しっかり踏み込んで、開かないようにと意識する。投手と打者の対決は、この一点に尽きると言っても過言ではない。開いていない打者は、投手から見たら、打席で胸の文字が見えない。開いている打者は文字が見える。これが判断基準。この日の1打席目からの近本の打席を見ると、「Tigars」の文字が見えてしまっていた。やはり開かされているのだろう。開かないようにするには、基本は逆方向へ打つこと。近本ならセンターから左方向へ打つことを意識すればいい。しっかり踏み込んで、もとの調子を取り戻してもらいたい。近本クラスの打者なら、修正法は熟知しているだろうし、コーチ陣もついている。死球を避ける技術も高いレベルの選手なので、大きな心配はしていないのだが、万が一、近本の打撃が崩れると阪神にとっては一番痛い。ことしのチームは大山、佐藤輝、中野、木浪らが頑張ってきたが、やはり近本の出塁、好機でのしぶとい打撃があってこその優勝だった。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ初戦まで十分に時間があるので、じっくりと状態を上げていってもらいたい。(本紙専属評論家)

◆引き締めて甲子園に戻ってきます! 阪神は本拠地甲子園での今季最終戦で中日に2-7と完敗。試合後のセレモニーで虎党の応援に感謝した岡田彰布監督(65)だが、精彩を欠いたナインには怒りをあらわにした。次に甲子園で試合が行われるのは10月18日からのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ。強い姿を取り戻せ!甲子園での最終戦は勝利で締めたかった。それなのに…。投打とも精彩を欠いて、最下位中日相手にまさかの完敗。4万2621人のファンに白星を届けられず、岡田監督は試合後、怒りをかみ殺してセレモニーのスピーチを行った。「きょうまで本当に球場を埋め尽くす、いつも超満員の応援をしていただき、本当にありがとうございました。ファンの声援が選手のすごい力になったのは間違いありません」甲子園では62試合で36勝23敗3分け、勝率・610。主催試合(京セラを含む)で12球団最多の291万を超えるファンが後押ししてくれたことへの感謝の言葉だった。「ホームラン!! ホームラン!!」セレモニーが終わると、岡田監督の現役時代のヒッティングマーチがトランペットで演奏され、球場内は岡田コールが響き渡る。満面の笑みを浮かべて応えた指揮官だが、報道陣の待つインタビュールームに姿をみせたときは〝鬼の形相〟と化していた。

◆しばしの別れとなる甲子園の虎党に向かって、4番が感謝の一撃を届けた。照明に照らされて輝く阪神・大山の打球は、左中間スタンドまで一直線。今季初の2試合連続本塁打で甲子園のリーグ最終戦を締めくくった。「ホームランを打てたということは自分の中でプラスではある。いい方向にとらえていきたい」0―3の四回、1死から森下が16打席ぶりとなる遊撃への内野安打で出塁。続いて打席に入った大山は、メヒアの149キロ直球を芯で捉えた。白球は美しい放物線を描く17号2ラン。2試合連続本塁打は昨年6月17、18日のDeNA戦(甲子園)以来と、最終盤で調子を上げている。本拠地最終戦で、甲子園での今季10本目となるアーチを架けた。試合後は満員のスタンドを見渡して整列し、一礼。「(声援は)すごく力になりますし、感謝しています」。虎党の熱に背中を押されて、〝虎の4番〟としてシーズン完走が目前に迫ってきた。ここまで139試合全てに4番で先発し、その責任を受け止めながらバットで魅せてきた。後半戦は主に3番で大山の前を打った森下は「4番として大山さんがいてくれるので、自分やほかの選手もやりやすい環境でできている」と影響力の大きさを明かす。出会いの場となった春季キャンプでは、大山が次々と試す野球道具に「自分も野球オタクになるぐらい知識をつけたい」と新人の森下がプロ意識を学んだ。3月、自身を見習って声をかけてくる後輩へ大山は使っていたサングラスをプレゼント。7月には森下が大山のバットで結果を残すなど、〝師弟〟で好結果を積んできた。全試合4番を達成した後もクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが待つ。この1本に満足することはない。「(本塁打を)プラスにしていくべきだと思いますし、その中でまだまだという部分ももちろんある。自分の中で反省と修正をして、残り試合も少ないのでしっかりやっていきたい」背番号3は先の戦いを見据えた。残り4試合できっちり状態を見極め、日本一に向けたポストシーズンでも、満員の聖地を味方に躍動してみせる。(邨田直人)?…阪神・大山が26、27日と2試合連続で本塁打を放った。大山の2戦連発は、昨年6月17日のDeNA戦(甲子園)で今永からソロ2発、翌18日の同戦で浜口から2ランを放って以来

◆追いつかれても、振り切った。今季の甲子園最終戦。阪神・中野拓夢内野手(27)がセ界の安打王の座を死守し、虎党の大声援に応えた。「(岡林に)先に打たれたので、なんとか打ちたいという気持ちはあったけど、そういう気持ちを出しすぎたらいい結果にならない。いつも通り、自分のバッティングをしようと思って打席に入れた結果がよかった」最多安打のタイトルを争う中日・岡林に1本差をつけて迎えた〝直接対決〟。二回に岡林が右前適時打を放ち、トップに並ばれた。当然、意識しない方が難しい。それでも、心がけたのは平常心。六回の第3打席でメヒアの151キロ直球を左前へ運んだ。今季161安打で、岡林と再び1本差。3位のDeNA・牧も2本差に再接近してきたが、白熱の争いで首位をキープした。「本当に大きな声援で力になりましたし、本当にたくさんの方々が、球場に足を運んでくれて、自分たちの背中を押してくれた。そのおかげで〝アレ〟できたと思っています」コロナ禍での入団だった中野にとって、制限なく応援を受けるのは今季が初めてだった。打席や二塁の守備位置、どこにいても虎党の大歓声は鮮明に耳へと届く。うれしくて、気分も乗った。いつも心強い味方だった。本拠地最終戦までスタンドを埋めつくしてくれたファンへ、恩返しと放った1本。次に甲子園を舞台として戦うのはクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージだ。虎のヒットメーカーは誓う。「最後は勝って終わりたかったけど、CSを甲子園で戦えるわけなので、そこに向けてチームとしていい雰囲気の中で試合ができるようにやっていきたい」また、あの大歓声が力をくれる。最多安打の冠を手に、中野は甲子園に帰ってくる。(原田遼太郎)

◆う~ん…。虎の先発ルーキー・富田に期待したのに5回6安打5失点(自責点3)と無念のマウンド。肩を落とすな!! 顔を上げろ!! 来季、はばたいてくれー!!さ、前日の大山に続くアレ(優勝)の通信簿第2弾は、最多安打を狙うMVP候補の中野なのだ。171センチと決してプロ野球選手としては大きくないのに、打撃はコツンコツンと当てにいくのではなく、常に強振。そして、それを続けられる強い身体!! フルイニング出場ってスゴクねー!?安打製造機だけでなく、守備では遊撃から二塁へのコンバートを完璧にやり遂げた野球センスにも、ひたすら感服なのだ!! もはや天才と呼んじゃうー!!そして、猛虎メンバーは近本、森下、大山、佐藤輝とドラフト1位がズラ~。その中で中野はドラフト6位やで~!! もう下位指名の星や!! 世のエリートじゃないみんな、中野に負けるなー!!

◆まだまだ残暑という表現がピッタリの甲子園。なのに、ペナントレースの本拠地最終戦の日がやってきた。例年とは大きく違う節目になった。甲子園駅で阪神電車を降りると、駅のホームに張られた横断幕のハッピーな文字が飛び込んでくる。「優勝おめでとうございます!」「この時を18年間待ち続けていました」「日本一までノンストップで行っちゃいましょう!」子供の頃、高校野球やタイガース戦開催日は、阪神の梅田駅発甲子園行「ノンストップ」という特急列車が運行していた。それも意識したんだろうか。懐かしく感じる響きだった。「もう最後ですかぁ。感慨深いですねぇ」トラ番・織原祥平までが感傷にひたっていた。本心なのか? 何事にもドライな男の、およそ似合わないコメントに、周囲は苦笑い。その一方で…。「シーズンだけを振り返ったら、あっという間でしたよ。最速です」トラ番歴4シーズン目を冷静に振り返ったのは原田遼太郎だ。「1年目はコロナ禍で開幕が6月まで遅れて、ジリジリした日々を過ごし、2年目は東京五輪で途中、試合のない日々が合ったんですよ。去年はいきなり負けまくって、長いシーズンに感じました。ことしは、慌ただしかったこともあって、一瞬でした。優勝決定からクライマックスシリーズ(CS)までの日々は、すごく長く感じていますが」何気なくスタンドに足を運ぶと、ファン同士が「おめでとうございます」「よかったなぁ」とたたえ合っていた。みんな笑顔の本拠地最終戦だ。

◆4試合ぶりに先発した阪神・近本は七回の打席でメヒアのスライダーが左太ももを直撃。7月2日の巨人戦(東京ドーム)で死球を受けて右肋骨(ろっこつ)を骨折したこともあり虎党からは心配の声が漏れたが、大事には至らなかったもよう。試合後は「大丈夫です」と強調した。今季はリーグトップの11死球。試合後のセレモニーでは選手会長として一歩前に出て、ファンに一礼した。

◆3番に戻った阪神・森下は、四回1死で遊撃内野安打を放ち、16打席ぶりにHランプを灯した。六回にも二塁手のグラブを弾く右前打。「ゴロヒットなので感触としてはそんなに良くないですけど。1本出たので、とりあえずよかったかな」と息をついた。岡田監督は「まだ自分のスイングで打てていない」と指摘し、さらなる上昇カーブを求めた。

◆阪神・木浪は出場6試合ぶりの安打を放った。三回にチーム初ヒットとなる右前打を放つと、七回には二塁打で9日の広島戦(甲子園)以来の長打を記録。「最後に甲子園で打ててよかった。残り試合も全部出るつもりで準備していきたい」。8番での先発出場は今季119試合となり、2003年の藤本敦士(現内野守備走塁コーチ)を抜いて球団最多となった。

◆1カ月ぶりに昇格した阪神・西純は六回から2番手で登板。連続四球でピンチを招きながらも無失点に踏ん張ったが、七回にタイムリーと犠飛で2点を献上した。ポストシーズンの戦力として首脳陣へアピールできず「うまくコントロールできなかった。ずっと同じことを繰り返している」と反省。岡田監督は「悪いときに戻っとるわな」と制球面を指摘した。

◆八回を任された阪神・及川は九回1死まで打者4人を完璧に抑えた。21日の巨人戦に続き登板2試合連続でイニングまたぎとなったが「ブルペンから『あるよ』と言われていて、予想通りです」と涼しい顔。10月の短期決戦に向け「腕は振れてきていますし、あとはタイミングが合ってくればという感じ」と自信をみせた。

◆阪神・岡留は九回1死から登板。引退を表明している代打・堂上を三ゴロに仕留めると、この日2本塁打の細川は149キロでバットをへし折り、一飛にねじ伏せた。「カウントを悪くしたけど、そこから立て直せた」。1軍での登板6試合はいずれも無失点。「消化試合かもしれないけど、自分からしたら1試合1試合が大事」とアピールを続けていく。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
84505 0.627
(↓0.005)
優勝
(-)
4541
(+2)
407
(+7)
80
(+1)
77
(-)
0.247
(-)
2.610
(↓0.02)
2
(-)
広島
73634 0.537
(-)
12
(↑0.5)
3485
(-)
497
(-)
94
(-)
77
(-)
0.247
(-)
3.220
(-)
3
(-)
DeNA
71653 0.522
(↓0.004)
14
(-)
4507
(+3)
490
(+11)
104
(-)
31
(-)
0.247
(-)
3.200
(↓0.03)
4
(-)
巨人
68692 0.496
(-)
17.5
(↑0.5)
4517
(-)
504
(-)
163
(-)
47
(-)
0.253
(-)
3.470
(-)
5
(-)
ヤクルト
56813 0.409
(↑0.005)
29.5
(↑1)
3527
(+11)
558
(+3)
122
(+1)
61
(-)
0.239
(-)
3.690
(↑0.01)
6
(-)
中日
54805 0.403
(↑0.005)
30
(↑1)
4383
(+7)
489
(+2)
69
(+2)
35
(+1)
0.235
(-)
3.110
(↑0.01)