中日(0対0)阪神 =リーグ戦23回戦(2023.09.24)・バンテリンドーム=
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阪神
0000000000000410
中日
0000000000000600
勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
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◆中日は先発・柳が8回3安打無失点の快投を披露。対する阪神の先発・才木も、10回を5安打無失点に抑える熱投を見せる。両先発の降板後は中日が5投手、阪神が3投手の継投で相手に得点を許さず、白熱した投手戦は規定により引き分けに終わった。なお、この試合で中日・ビシエドがNPB通算1000安打を達成した。

◆スタメンが発表され、阪神近本光司外野手(28)がベンチスタートとなった。代打で出場した18日DeNA戦(甲子園)以来、4試合ぶり。試合前練習ではフリー打撃に参加したが、シートノックには加わらなかった。「1番中堅」には代わって小野寺暖外野手(25)が入った。

◆阪神小野寺暖外野手(25)の打席でボールカウントが減る珍事が発生した。0-0の7回の先頭小野寺の打席。カウント0-2から柳が3球目を投じ、1-2になったところで三塁の岩下塁審がタイムをかけ、他の審判と協議。その後、岩下三塁塁審が「投球動作中に足が停止しましたので、タイムを宣告しました。ただいまの投球を無効にし、2ストライクから再開します」とマイクで説明した。ボールカウントが減ったことに阪神応援席からは「え~!!」と声が上がった。三塁ベンチにいた佐藤輝明内野手(24)も「WHY」ポーズでジェスチャーしていた

◆阪神才木浩人投手(24)の9回無失点の力投に「才木くん」がX(旧ツイッター)でトレンド入りした。0-0の9回に才木がマウンドへ上がった。球数が100球を超えるも、150キロ超えの直球を披露。9回も得点を許さず、延長戦に突入した。1人で投げきる右腕にSNSでは「どうか才木くんに援護を」「立派な才木くん」「才木くんに9勝目つけてあげて」などの声が上がっている。

◆熾烈(しれつ)な三つどもえだ。阪神中野拓夢内野手(27)が7回に今季157本目の安打を放ち、この時点でDeNA牧、中日岡林と並び、安打数リーグトップに浮上した。さらに延長10回にも左前打を放ち、これで158安打。この時点でリーグ単独トップとなった。DeNA牧はこの日の巨人戦で2打数無安打。中日岡林は9回まで先発才木に抑えられており無安打。最多安打のタイトル争いで、中野が1歩リードした。

◆阪神打線が、先発才木浩人投手(24)をなかなか援護できない。延長10回2死満塁、坂本誠志郎捕手(29)が空振り三振に倒れ、いまだ0-0の状況。才木は10回裏のマウンドに上がった。才木は初の2桁10勝まで残り2勝としており、この試合で白星がつけば王手となる。

◆阪神先発の才木浩人投手(24)が、延長10回裏のマウンドに上がった。9回まで4安打無失点の力投。初の2桁10勝まで残り2勝としており、この試合で白星がつけば、王手をかけることになる。打線は延長10回表も無得点に終わり、中日投手陣にゼロに封じられていた。2死一、二塁のピンチをつくったが、無失点で切り抜けた。ベンチに帰るとすぐにヘルメットをかぶり"続投アピール"。ただ、11回表の打席では代打を送られた。自己最多の10回を投げ5安打、7奪三振、無失点。130球の熱投だったが、阪神打線は11回も無得点で、勝ち星はつかなかった。先発投手の延長回投球は、阪神では22年5月6日の中日戦(バンテリン)の青柳(9回1/3)以来。この試合は大野雄に10回途中まで完全投球を許し、最終的にサヨナラ負けを喫している。

◆阪神木浪聖也内野手(29)が延長11回、中日松山から死球を受けて出塁した。続く代打小幡竜平内野手(23)への初球も体に近いところへのボール。バントの構えをしていた小幡は必死に避けたが、バットを引くことはできず判定はストライクとなった。2球連続の危険なボールにバンテリンドームには阪神ファンの怒号が飛び交った。岡田彰布監督(65)はベンチから飛び出したものの、小幡のストライク判定の確認とみられ、すぐに自軍ベンチへ戻った。

◆阪神が接戦をものにできず、中日と引き分けた。阪神の引き分けゲームは今季5度目。10回無失点130球の力投を見せた才木浩人投手(24)に援護がなく見殺しに。初の2桁勝利へ残り2勝としている右腕に勝ちをつけることができなかった。延長戦に入ってから3イニング連続で先頭打者が出塁したが、無得点。決定力不足で4時間超えのゲームの末、「0-0」引き分けに終わった。

◆阪神岡田彰布監督(65)は最後までぶれなかった。延長12回、ブルワーが3番手で登板。右打者の木下、石垣を簡単に打ち取り2死とすると、左打者の後藤を迎えたところで左腕桐敷にスイッチした。結果的に両打ちの加藤翔を代打に送られたが、4時間超ゲーム、延長12回2死となっても指揮官に緩みはなかった。桐敷は空振り三振に打ち取り、試合は引き分けに終わった。

◆阪神近本光司外野手(28)が欠場した。試合前練習はフリー打撃や守備練習など通常メニューを消化したが、シートノックには参加しなかった。4試合ぶりにベンチスタートとなったが、出場機会はなかった。代役として小野寺暖外野手(25)が「1番中堅」に入った。試合後、岡田彰布監督(65)は「休養や」と説明。近本も「そうなんじゃないですかね。僕から言えることは何もないですね」と言葉を残した。

◆阪神先発の才木浩人投手(24)が、10回無失点、130球の熱投も勝ち星がつかなかった。試合後、岡田監督は打線にカツを入れた。「情けないのう。えっ、うーん。何の覇気もないな。なあ。えっ、10勝かかってんの、2人いてるの分かってんのに。お前。2回とも0点やで。情けないのう。しかし、なあ。いや、そらお前、のう。あと2回チャンスがあるわけやからさ。前の青柳もそうやけど。青柳の時も0点やろ。うーん、なんにも見えんな、点をとろうというか、淡々と打席に立ってるもんなあ」。執念不足を指摘し、続けてチャンスを生かせなかった中軸に対しても、「だから言ってるやん。情けないって。そんなの、えっ。こんなゲームしたらあかんわなあ。ひどいなあ。しかし」と語り、厳しさは止まらなかった。

◆阪神が接戦をものにできず、中日と引き分けた。阪神の引き分けゲームは今季5度目。10回無失点130球の力投を見せた才木浩人投手(24)に援護がなく見殺しに。初の2桁勝利へ残り2勝としている右腕に勝ちをつけることができなかった。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-才木を勝たせてやりたかった「えーっ、情けないのう。何の覇気もないな。なあ。えっ、10勝かかってんの、(青柳と)2人いてるのわかってんのに、お前。2回とも0点やで。情けないのう。しかし、なあ」-中軸でチャンス回ったりしたが「えっ。だから言ってるやん。情けないって。そんなの、えっ。こんなゲームしたらあかんわなあ。ひどいなあ。しかし」-才木は文句のつけようがない内容「いや、そらお前、のう。あと2回チャンスがあるわけやからさ。前の青柳もそうやけど。青柳の時も0点やろ。うーん、なんにも見えんな、点をとろうというか、淡々と打席に立ってるもんなあ」-才木を勝たせたかった「本人がいくっていうから。勝たせたかったってお前、9勝目のために投げさせてるんやから、あたりまえやないか。そんなもん。もうお前、個人記録っていうてるやないか」-審判に小幡の初球、確認に行った「確認にいったんや、だから。危険球ってお前、当たってなかったら危険球にならへんやん」-才木は2桁は厳しくなった「そら厳しいやろな」-CSに向けて先発候補「いやそんなんCSなんて決めてないよ。まだそんなん。まだ逆算する日にちじゃないよ。まだシーズンが終わってないのに」-近本は休養?「休養や」

◆阪神先発の才木浩人投手(24)は10回無失点、130球の熱投も勝ち星がつかなかった。9勝目はならず、初の2桁10勝は極めて厳しい状況となった。試合後は「ああ、どんまいっす」とあっけらかんとした様子。「しょうがないというか、そこよりも試合をつくってゼロで抑えられているのは良かったかな。勝ち星はおまけみたいなもんだと思ってるんで。そういう意味では切り替えて、次、投げるか分からないですけど、投げたら自分の仕事ができるようにやっていきたい」と前を向いた。

◆中日柳の快投実らず、今季5度目の引き分けとなった。右腕は8回3安打無失点で降板。今季最終登板で9月3日広島戦以来の5勝目を逃した。後半戦登板10試合で援護点は4点止まり。本人は「阪神戦は数字が良くなく(4戦3敗)、優勝チームに意地を見せたかった。1年間ローテを守り、ケガなく終えられたのは良かった」と総括した。立浪監督は「打線が援護できず、柳には申し訳ない」と胸中を気遣った。

◆阪神小野寺が近本に代わって「1番中堅」で先発して奮闘も、打席内容を悔やんだ。4回に中日柳から中前打でチャンスメーク。延長11回1死二塁でも四球を選択するなど、後続へつなぐ役割を見せた。それでも、先発才木に勝ち星をつけられなかったことに「才木の10勝もザキさん(岩崎)のセーブもかかっているので、なんとかあと1本打ちたかった」と悔しい表情を見せた。

◆そら、あきれるよ。阪神岡田彰布監督(65)が、先発で10回無失点の才木を見殺しにした打線におかんむりだ。延長12回までもつれた末に、0-0のドロー。わずか4安打に終わった攻撃陣に「情けないのう。何の覇気もないな。10勝かかってんの(青柳と)2人いてるのわかってんのに。こんなゲームしたらあかんわなあ。ひどいなあ、しかし」と怒りを募らせながらぼやきを続けた。昨季から4連勝中だった中日の先発柳を打ちあぐねた。3回まで完璧にねじ伏せられ、初めて得点圏に走者を進めたのは7回だった。8回で柳が降板し、延長10回には3番手藤嶋から2死満塁のビッグチャンスをつくりながらも、坂本が空振り三振で無得点。11、12回も相手投手の自滅でチャンスをつくりながら、あと1本が遠かった。3年連続2桁勝利まであと2戦2勝だった青柳の先発時もそうだった。21日の巨人戦(甲子園)で5回まで無失点に抑え、6回に満塁弾を食らうなど5失点で降板。打線は9回に3得点を奪ったが、結果的に青柳には黒星がついた。指揮官は「青柳の時も0点やろ。2回とも0点やで。なんにも見えんな、点を取ろうというか、淡々と打席に立ってるもんなあ」と嘆いた。青柳とともに才木の2桁勝利について「そら厳しいやろな」と険しい表情。CSファイナルSへの先発候補の1人とはみられるが、「いやそんなんCSなんて決めてないよ。まだ逆算する日にちじゃないよ。まだシーズンが終わってないのに」と話すにとどめた。後味の悪い引き分け試合となった。【古財稜明】

◆最後まで直球を信じた。阪神才木浩人投手(24)が中日打線を10回無失点と圧倒した。0-0の延長10回2死一、二塁。一打サヨナラの場面で、代打村松を迎えた。右肘のトミー・ジョン手術から復帰後、最多となる130球目。カウント1-1から148キロ直球を選んだ。「(直球は)最後まで球数いっても、イニングいっても、それなりに押せていた。いい感じに投げられた」。打ち上がった三飛を佐藤輝がつかむと、固く拳を握った。10回5安打無失点。7三振を奪い、プロ初のシーズン100奪三振も達成した。9回を投げ終えた時点で球数は116球に到達。ベンチに戻ると首脳陣に聞かれた。「『もう代わる?』と言われたんですけど。お願いして、わがまま言って投げさせてもらった」。志願の1イニングもきっちりゼロ封。「期待に応えられるピッチングはできたかなと思う」。阪神先発投手では、青柳の22年5月6日の中日戦(バンテリンドーム)以来となる延長投球となった。自身初の2桁勝利に王手をかける登板だった。当初22日ヤクルト戦で登板予定だったが、雨天中止で2日スライド。この試合で9勝目を挙げれば、中6日で10勝をかけた10月1日広島戦に臨むことが可能だった。1点が遠く逃した白星。それでも「ああ、ドンマイっす」と笑い飛ばした。さらに「(白星は)運なんで、本当に。そこよりも試合を作ってゼロで抑えられているのは良かった。勝ち星はオマケみたいなものなので」と曇りなく言い切った。今季は4度の出場選手登録抹消を経ながら、6日に1軍再登録された。以降は3戦2勝、防御率は0・36。リーグ優勝を決めた14日巨人戦(甲子園)では、7回1失点で勝利投手となった。「イニングを投げて抑えられているのは、CSに向けていい感じで入れると思う。継続していけたら」。快投を演じた右腕は、明るい表情で前を向いた。【波部俊之介】

◆虎のヒットメーカーが最多安打のタイトルへ前進だ。阪神中野拓夢内野手(27)が中日23回戦で今季158本目の安打をマークした。7回に中前打、延長10回には左前打と今季48度目のマルチ安打。157安打だったDeNA牧、中日岡林を抜き去った。開幕からフルイニング出場を続ける不動の2番打者がリーグ優勝決定後も躍動。阪神では21年近本以来となる最多安打のタイトルが現実味を帯びてきた。中野がバンテリンドームに快音を響かせた。0-0の7回、中日岡林の前に放った中前打で出塁。DeNA牧、岡林の157安打に並び最多安打争いでリーグトップタイに立った。延長10回には藤嶋から左前打。華麗に2人を抜き去った。「ヒットが出ていること自体はいいこと。貪欲に、打てるボールを打っていければ、ヒットが出る確率は上がる。もっともっと、1球で仕留められるように」最多安打のタイトルを獲得すれば、チームでは21年近本以来。1、2番コンビで18年ぶりのリーグ制覇を導いた先輩に並ぶ勲章が見えてきた。ただ、中野の視線は少し違うところにある。「試合に出続けることが最低条件というか、ヒットを打つことにつながる。けがなく最後まで試合に出ることを意識して、思い描いたヒットが打てれば」ここまで全136試合にフルイニング出場。143試合、1イニングも休まず出場を続ければ、阪神の内野手では15年の鳥谷以来となる。リスペクトする大先輩に続くことができれば大きな糧になるはずだ。2番打者として積み重ねてきた「Hランプ」には大きな意味がある。リーグ断トツの打席数を誇る一方、リーグトップの犠打数、すでにキャリアハイの四球数と「つなぎ」に徹した上での、この安打数だ。常に打線の流れを最優先。「そこで大きく崩れることが一番嫌」と、14日にリーグVを決めてからも、その姿勢は変わらない。ライバル岡林を無安打に抑えた才木には「抑えてくれって、多少は思ってました」と感謝。「あまり意識せず。やるべきことをしっかりとやればいい」と泰然自若だ。延長11回1死一、二塁の好機では見逃し三振に倒れたが、マルチ安打で昨季の157安打を超え、自己最多となる158安打とした。阪神、DeNA、中日ともに残り7試合。チームは今季初、球団史上21度目となる「0-0引き分け」も、仁義なきタイトル争いがさらに熱を帯びる夜になった。【中野椋】阪神選手の狙えるタイトル 獲得濃厚なのが近本の盗塁王だ。現在27盗塁で、2位の中野19盗塁に8差をつけて独走。自身4度目のタイトル獲得は間違いなさそう。村上の防御率も、2位以下を大きく引きはなしており、規定投球回数をクリアすれば確実。中野が狙う最多安打は激戦だ。この日2安打して牧や岡林を抜いてトップに躍り出たが、最後までデッドヒートが続きそう。岩崎もヤクルト田口と33セーブで並んでおり、最後まで気を抜けない。勝率は大竹が13勝してタイトル獲得の条件を満たし、さらにDeNA東に黒星がつく必要があるが、どうなるか?

◆阪神・村上頌樹投手(25)が試合前練習に参加し、25日の24回戦での先発登板に向けてキャッチボールなどで調整した。「調整という意味では投げない。普通に勝ちにいくために投げたい」。今季は防御率がセ・リーグトップの1・68という安定感を示し、初の2桁勝利となる10勝(5敗)も挙げて優勝に大きく貢献。大ブレークのシーズンを締めくくる登板となる。ここまで139回1/3を投げ、初の規定投球回到達も残り3回2/3と目前。「長いイニングを投げているから規定に乗れる。狙える位置にいるので、狙いたい」と言葉に力を込めた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神は才木浩人投手(24)が9勝目を目指して先発する。中日戦は今季3試合の登板で防御率2・00と好相性。自身初の2桁勝利に向けて必勝を期す。野手では小野寺暖外野手(25)が「1番・中堅」で先発。23日の試合で途中交代した近本はスタメンを外れた。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が守備で美技を披露し先発・才木を支えた。0―0の三回2死で岡林の打球は高くバウンドして才木の前へ。難なくキャッチして一塁に送球したが、ボールは一塁送球とは思えないほどの速球でショートバウンド。これを大山が難なく処理し、3つ目のアウトを奪った。球場にはどよめきが起こり、投げた才木は自らの球に驚く様子で、両手を合わせて大山に感謝した。

◆最多安打のタイトルを争う阪神・中野拓夢内野手(27)が0―0の七回1死で中前打を放ち、安打数でセ・リーグトップタイに立った。柳の6球目を捉えて中前に運び、今季157安打目。試合途中ながらDeNA・牧、中日・岡林に並んだ。

◆0―0の七回、中日の先発・柳裕也投手(29)の投球をめぐって試合が一時中断された。七回無死で阪神・小野寺にカウント0―2から投じた3球目がボールと判定された後、三塁塁審の岩下が試合を中断。柳に声をかけたあと、審判団がグラウンド中央に集まった。球場へアナウンスした岩下塁審は「ただいまの投球動作中に足が静止いたしましたので、タイムを宣告いたしました。ただいまの投球を無効とし、ボールカウント2ストライクで試合を再開します」と説明した。

◆本拠地・バンテリンドームでの今季初勝利を目指した中日・柳裕也投手(29)は8回111球を投げて3安打無失点と好投。だが味方打線の援護に恵まれず、0-0のまま八回の攻撃で代打を送られ降板。待望のホーム白星を手にすることはできなかった。許した安打は四回の小野寺の中前打、七回の中野の中前打、八回のノイジーの中前打のみ。いずれも後続を断って事なきを得た。開幕から打線の援護に恵まれない試合が続き、4勝11敗。4勝はいずれも敵地で挙げたもので、本拠地・バンテリンドームでは10試合で0勝6敗と勝ち運に見放されてきた。今季最後のチャンスとなる可能性が大きい11回目の本拠地での登板で、またも白星ゲットはかなわなかった。

◆「4番・一塁」で先発した中日のダヤン・ビシエド内野手(34)が九回の第4打席に三塁内野安打を放ち、NPB通算1000安打を記録した。史上317人目、中日の外国人選手では初の快挙となった。九回、1死走者なしで才木の初球フォークボールを引っ張った打球は強烈な三塁への当たり。飛びついた三塁・佐藤輝のグラブをはじき、内野後方へ転がる内野安打となった。一塁上でヘルメットを脱ぐと、記念のパネルを掲げてファンが沸くスタンドに一礼した。初安打は2016年3月25日の阪神戦(京セラドーム)でメッセンジャーから放ってから足掛け8年で大台に乗せた。

◆阪神・才木浩人投手(24)が先発し、10回5安打無失点と熱投した。 序盤から力強い真っすぐで押し、そこにフォークやスライダーなどを交えて竜打線をねじ伏せた。中日・柳との白熱の投手戦で負けじと腕を振り、味方の援護はなくとも、ともに0―0の九回1死一塁、延長十回2死一、二塁のサヨナラ機では決定打を許さず封じきって、ガッツポーズ。5月28日の巨人戦(甲子園)を超える、今季最多の130球で虎党を沸かせた。 今季は自己最多を更新する8勝(5敗)。勝利投手の権利は得られず、目指していた2桁勝利は厳しい状況となったが、「1点台に乗せたい」と話していた防御率は2・04から1・87まで良化させた。

◆阪神が今季5度目の引き分け。スコアレスドローは2021年10月20日のヤクルト戦(神宮=九回)以来で、延長十二回では19年8月13日の中日戦(ナゴヤD)以来。キャリアハイの8勝を挙げている才木浩人投手(24)は10回130球の力投を見せたが、初の2桁勝利が遠のいた。打線は中野拓夢内野手(27)が2安打を加え、今季158安打とし、DeNA・牧秀悟内野手(25)、中日・岡林勇希外野手(21)を抜いて、リーグ単独トップに浮上した。年間最多勝の87勝(03、05年)まで、残り7試合で4勝。4安打で4時間12分のロングゲームを終えた岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=83勝48敗5分、観衆=3万6311人)。ーー才木を勝たせたかった「情けないのう。何の覇気もないな。なあ。えっ、10勝かかってんの、2人いてるのわかってんのに。お前。2回とも0点やで。情けないのう。しかし、なあ」(8勝の青柳が登板した21日の巨人戦では八回まで無得点。九回に3点奪うも敗戦)ーー中軸でチャンスが回って来た「えっ。だから言ってるやん。情けないって。そんなの、えっ。こんなゲームしたらアカンわなあ。ひどいな。しかし」ーー才木は文句のつけようがない内容「そらお前、あと2回チャンスがあるわけやからさ。前の青柳もそうやけど。青柳の時も0点やろ。何にも見えんな、点を取ろうというか、淡々と打席に立ってるもんな」ーー勝たせたかった「本人が行くって言うから。勝たせたかったってお前、9勝目のために投げさせてるんやから、当たり前やないか。そんなもん。もうお前、個人記録って言うてるやないか」ーー審判に小幡の初球の後、確認に行った(延長十一回無死一塁で、投球がバントの構えを見せた小幡の顔面付近を通過。記録は暴投)「確認に行ったんや、だから。危険球ってお前、当たってなかったら危険球にならへんやん」ーー才木は2桁勝利は厳しくなった「そら厳しいやろな」ーーCSに向けて先発候補「いやそんなん、CSなんて決めてないよ。まだそんなん。まだ逆算する日にちじゃないよ。まだシーズンが終わってないのに」ーー近本は休養?(スタメンから外れて出番なし)「休養や」

◆阪神は得点を奪えず、引き分けに終わった。 先発の才木浩人投手(24)は力強い投球で緊迫の投手戦を演出した。150キロを超える直球とフォークを駆使し、五回までに許した安打は2本のみ。六回は四球と犠打でこの日初めて得点圏にランナーを置いたが、大島を二飛、カリステを中飛に打ち取った。七回も2死一、二塁とピンチを招いたが、代打・宇佐見を一ゴロに打ち取って無失点で切り抜けた。九回の打席にも立って続投。10回130球を投げて得点を許さなかった。後を受けた救援陣も無失点で投げ抜いた。 打線は中日の先発・柳の前に八回まで3安打で無得点。延長十一回は一、二塁の好機を作ったが、中野、森下が連続三振に倒れるなど1点が遠かった。また中野が2安打を加え、158安打とし、リーグトップに浮上した

◆両チームの投手陣が奮闘し、ともに無得点で引き分けた。阪神は才木が10回を投げ、5安打無失点と好投した。救援陣も踏ん張った。中日の柳も8回を3安打無失点と力投。九回以降は5投手をつないで粘り、本塁を踏ませなかった。

◆女房役の阪神・坂本が10回無失点の才木の快投をたたえた。「しっかり最初押し込めたんで、それが後ろ(終盤)にもつながっていると思う。なんとか勝たせてやりたかった」。打線が援護できず、無得点で引き分け。自身も十回2死満塁で空振り三振に倒れ「僕もいいところで回ってきたんで、1点取れたら変わったと思う。なんとかしてあげたかった」と唇をかんだ。

◆渾身の一球を繰り返し、マウンドを支配した。観客の視線を独占する熱投で並べたのは、10個のゼロ。初の2桁勝利に王手をかけることはできずとも、竜打線をねじ伏せた阪神・才木の右手には、確かな手応えが残った。「真っすぐの感覚もよかったし、持っている全ての球種をある程度、イメージ通りに投げることができた。しっかりと自分の投球ができたと思います」先発予定だった22日のヤクルト戦(神宮)が雨天中止となり、2日スライドして臨んだ出番。序盤から自慢の直球で押し、走者を背負えば得意のフォークなどを交えて中日打線を翻ろうした。五回までは57球で2安打。付け入る隙すら与えなかった。六回は柳への四球、七回は味方の失策と嫌な形で先頭を出塁させたが、それでもホームを踏ませない。両軍無得点のまま進行し、延長十回は「代えると言われたけど、お願いして、わがままを言って投げさせてもらった」と志願続投。初の10勝に望みをつなぐため、投手コーチらの後押しを受けたからこそ力を振り絞り、2死一、二塁のサヨナラのピンチも代打・村松を直球で押し切って三飛斬り。責任を果たした実感は、力強いガッツポーズに表れた。

◆2試合ぶりにスタメンに入った阪神・小野寺は、四回に柳からチーム初安打となる中前打を放った。「2巡目の回で1本も出てなかったんで、なんとか塁に出ようと思って打席に立った」。6日の中日戦(バンテリンD)以来の1番打者として打線を引っ張ったが、得点できず。「才木の10勝も、ザキさん(岩崎)のセーブもかかってるんで、1点取りたかった」と悔しがった。

◆タイトルが見えた! 阪神は中日と延長十二回の末、0-0で引き分けたが、中野拓夢内野手(27)が2安打を放ち、キャリアハイのシーズン158安打。DeNA・牧と中日・岡林を抜いてセ・リーグ単独トップに立った。3選手とも残り7試合。最多安打のタイトルをかけてラストスパートや!虎が誇るヒットメーカーが、とうとう先頭に躍り出た。中野が2安打を放って今季158安打とし、セ・リーグ単独トップとなった。「ヒットが出ていることはいいこと。あとは貪欲に、打てるボールをしっかりと打っていけば、ヒットを打てる確率も上がると思うので、1球で仕留められるようにやっていきたい」岡林(中日)と牧(DeNA)に1本差の3位で迎えた一戦だったが、一夜にして追いつき、超えていった。まずは七回の第3打席。1死から打席に入ると、柳の6球目の直球を中前にはじき返した。先頭で迎えた延長十回の第4打席には3番手の藤嶋から左前打。23日の3安打に続く複数安打で、自身のキャリアハイも更新した。巧みなバットコントロールを持つ不動の2番打者は、打席での意識をこう語る。「どちらかと言ったら、ボールの内側に入れるという意識が強い。基本どおり、内から内から。その結果、きれいに捉えられているのだと思います」この日の2安打もそうだった。1本目はインコースの直球をセンターへ、2本目は外角の変化球を流し打ち。バットが内から最短距離で出るからこそ、ボールを速く強くたたける。それに加えてバットが外回りをしなければ、ファウルで逃げることもできる。難しいボールをファウルで逃げることでチャンスを残すバッティングスタイルが、四球と並んでともにキャリアハイの安打数につながっている。

◆阪神・木浪は延長十一回、4番手・松山が投じた初球が右肘付近を直撃する死球を受けた。代走を送られて途中交代。状態が心配されたが、試合後は「全然大丈夫。問題ないです」と語った。続いて打席に入った代打・小幡の初球も顔面付近に抜けるボールとなり(記録は空振り)、岡田監督が球審のもとへ歩いて確認する、緊迫した場面となった。

◆悔し~い!! 優勝が決まった後の試合で、なんで、こんなに地団駄を踏まないかんね~ん(怒)本日、先発マウンドに立ったのは、勝てば9勝目となり、2桁勝利の夢がつながる才木であった。150キロの速球を主体とした気迫の投球は、かつてトミー・ジョン手術を受けたのが信じがたいものであり、10回を無失点に封じたことで〝手術偽装〟の疑惑を深めるものとなったのだ。それなのに、ああ、それなのに、猛虎打線の援護は一切なし!! 特にクリーンアップの森下、大山、佐藤輝がノーヒットって...。最近、はやりの(?)の謝罪会見でも開いてもらお~か!?中日・柳は好投していたけれど、相手が良いからお手上げはあかんやろー!! 日本シリーズでオリックスの怪物、山本由伸と対決することになったら、戦う前に白旗をあげるんかい!? 打てないなら1点をもぎ取る野球に徹するべし!!

◆チームが球場入りするタイミングで、番記者たちはズラリと通路に並んで首脳陣、選手らを出迎える。トラ番キャップ、ビヤ樽こと三木建次も岡田監督の到着を待っていた。だが、バスから降りてきた指揮官にあいさつをすると、厳しい表情を向けられギロリとにらみつけられたではないか。怒られるような記事を書いたわけではなかったが、ビヤ樽には少しだけ身に覚えがあった。「あれは『お前、何ずっと休んでんねん』という視線やったわ。僕が東京遠征に行かず休んでいたのを気づいていたんやと思う」いつも自意識過剰なビヤ樽の、ただの勘違いという可能性もある。それでも誰より視野が広く、スーパーコンピューターのような頭脳を持つ指揮官のことだ。自身を囲む記者の顔ぶれと〝出勤状況〟が頭に入っていてもおかしくはない。ビヤ樽はたしかに、21日の巨人戦から3連休を取っていた。生まれ故郷の徳島へ帰省したり、マッサージやスーパー銭湯へ行ったりして、優勝取材で疲弊した体のケアをした。かたや虎将は、20日から組まれていた8連戦の真っただ中。22日のヤクルト戦(神宮)は雨天中止となったものの、ベンチで長く待たされての開始直前の中止で、とても心が休まる日ではなかった。そんなときに目に見えて肌ツヤが良くなったビヤ樽を見つけたら、キッとにらみつけたくなるのも分かる気がする。「優勝は決めたけど、前回政権時から選手思いの人やから、可能な限り記録やタイトルに手が届くような起用をしてる。クライマックスシリーズ(CS)のことも考えているやろうし、まだまだ大変やと思うわ」ビヤ樽のそんな解説なんて今さら必要ないくらいだが、アレを成し遂げてもやはり、監督というのは大変な仕事だ。

◆阪神・才木は力のある高めの真っすぐでうまく中日打線を打ち取っていった。タイプ的にもビシビシと低めにボールを決めていく投手ではないが、この日は中日打線が高めを捉えられずにファウルになっているのを感じ取り、捕手の坂本も含めたバッテリーで「高めならカウントが取れる」と徹底して攻めていた。上位チームの打者は、あの高めのボールを捉えてくる可能性もある。そうなったときにどうするか、低めでカウントを取っていけるのかが才木の課題でもあるが、この日は「まだ高めでいける」という状態のまま投げ切ってしまった印象だ。勝ちは付かず、2桁10勝へ向けては厳しい状況となってしまったが、10回を投げたことは自信にしてほしい。120球を超えても150キロ以上のボールを投げていたし、この時期にきて状態を上げてきているのは頼もしい。才木のような速球派の投手がローテーションにいれば、ポストシーズンに入っても、前の日に投げた投手との〝スピード感の差〟をつけることができる。ボールに切れのある村上、左の大竹、伊藤将らに続く存在として相手打線にとってもやっかいな存在となる。(サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
83485 0.634
(-)
優勝
(-)
7536
(-)
398
(-)
77
(-)
74
(+1)
0.248
(↓0.001)
2.620
(↑0.02)
2
(-)
広島
72634 0.533
(↓0.004)
13
(↓0.5)
4483
(+1)
497
(+3)
94
(-)
76
(+1)
0.246
(↓0.001)
3.240
(-)
3
(-)
DeNA
69643 0.519
(↓0.004)
15
(↓0.5)
7502
(-)
479
(+6)
104
(-)
29
(-)
0.248
(-)
3.220
(↓0.02)
4
(-)
巨人
68672 0.504
(↑0.004)
17
(↑0.5)
6517
(+6)
502
(-)
163
(+2)
46
(-)
0.254
(-)
3.500
(↑0.02)
5
(-)
ヤクルト
55803 0.407
(↑0.004)
30
(↑0.5)
5516
(+3)
553
(+1)
121
(-)
61
(-)
0.240
(-)
3.710
(↑0.02)
6
(-)
中日
52795 0.397
(-)
31
(-)
7374
(-)
484
(-)
67
(-)
33
(-)
0.236
(↓0.001)
3.140
(↑0.03)