広島(★1対3☆)ヤクルト =リーグ戦25回戦(2023.09.24)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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ヤクルト
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広島
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勝利投手:小川 泰弘(10勝8敗0S)
(セーブ:田口 麗斗(2勝4敗33S))
敗戦投手:九里 亜蓮(8勝8敗0S)
  DAZN
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◆ヤクルトは1点を先制された直後の4回表、山田と村上の適時打で2点を奪い、逆転に成功する。そのまま迎えた7回には、塩見の適時三塁打が飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・小川が8回4安打1失点の快投で今季10勝目。敗れた広島は、打線が沈黙した。

◆広島は、勝てば5年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出が決まった一戦で足踏みした。九里亜蓮投手(32)は7回3失点。前半3イニングはパーフェクトだったが、1-0の4回に山田哲人内野手(31)、村上宗隆内野手(23)に連続長打を浴びて逆転された。7回にも重い1点を許した。「チームが勝てなかったのがすべて。先に点を取ってくれたのに、ひっくり返されて、追加点も与えてしまった。悔しいし、ああいうところでしっかりと踏ん張って投げていかないといけない」と反省した。8勝8敗となり、13勝を挙げた21年以来2年ぶりの2桁勝利が遠のいた。残りは4試合。右腕は「良くないところはしっかり反省して、次、行けと言われたところでしっかり準備していきたい」と切り替えを図った。【柏原誠】

◆広島は勝てば5年ぶりのAクラス確定だったが、足踏みした。5回以降は1人も走者を出せなかった。新井貴浩監督(46)の一問一答は以下の通り。-九里は7回3失点新井監督 しっかりゲームを作ってくれたと思いますよ。-打線は1得点新井監督 相手もしっかりコースを切って、低め低めに丁寧に投げてきていたし、いつもいつも打てるわけじゃない。-前日に左足首を痛めた小園は三塁で出場新井監督 動きを見ていたけど、動けていたので良かったと思います。明日また空くので、状態を確認して(遊撃に)戻れるのか判断していきたい。-島内が60試合登板新井監督 成長して、ブルペンを支えてくれている。すごく期待していたし、期待通りの活躍。まだ終わっていないけど、頼りになる存在だし、いてもらわないと困ります。-CS進出に王手がかかった試合だった新井監督 それは1戦1戦、最後まで同じことの繰り返し。またあさって(26日)の試合に備えたい。-右脇腹負傷の西川が2軍で試合復帰。昇格のタイミングは新井監督 明日の状態を見て、問題なければ、またそこで考えていきたい。

◆ヤクルト小川泰弘投手がエースの存在感を見せつけた。8回4安打1失点の好投。3年ぶりとなる2桁勝利をつかんだ。チームは今季、マツダスタジアム13戦目にして初勝利を挙げた。3回に1失点するも「体のひねり方、角度を修正して、アウトコースへのラインが出るようになった」と、5回から4イニングは3者凡退と尻上がりに調子を上げた。8回先頭の代打マクブルームには、フルカウントから141キロの真ん中への直球で空振り三振に斬って取る球威だった。8月16日DeNA戦から自身5連勝。3年ぶりの2桁勝利に「先発として大切な数字。チームに勝たせてもらって達成できた」。2年連続の規定投球回到達には「先発の柱としてクリアしないといけない数字」と謙虚に語った。チームは5位と苦しいシーズンだが、エースとしての責任を自覚し、たどり着いた数字だった。▽ヤクルト田口(リーグトップに並ぶ33セーブ目で残り5試合)「全試合投げられるようにコンディション整えて準備だけはしたいと思う」

◆主軸が試合をひっくり返した。1点を追う四回1死二塁で、3番・山田哲人内野手(31)が右越え適時三塁打を放つと、続く村上宗隆内野手(23)が左中間適時二塁打を放った。三回までパーフェクトに抑えられていた広島・九里に対し、この回先頭の塩見が死球で出塁すると、山崎が投犠打。好機で山田が初球の直球をはじき返し「(点を)取られた直後に取り返せてよかったです」。村上もカウント1―1からの3球目、143㌔の直球を逆方向に運び「山田さんが同点にしてくれて、その流れに乗って打つことができました」と振り返った。試合前の時点で、今季マツダスタジアムでは12試合で0勝11敗1分け。最終戦での初勝利を目指し、頼れる2人の主砲が躍動した。

◆エースが快投した。ヤクルト・小川泰弘投手(33)が8回103球を投げ、4安打1失点で10勝目(8敗)。自身3年ぶりの2桁勝利を達成し、今季のイニング数が144となり2年連続で規定投球回(143イニング)に到達した。抜群の制球力と緩急を巧みに使った。直球の最速は143キロだったが、ストライクゾーンに出し入れしながら広島打線に的を絞らせない。3巡目からは緩いチェンジアップも織り交ぜて、凡打の山を築いた。与えた四球はわずか1。四回先頭で坂倉に遊撃内野安打とされてからは、打者15人をパーフェクトに抑えた。チームは試合前の時点で、今季のマツダスタジアムでは0勝11敗1分だったが、最終戦で敵地初勝利。エースが積み上げた通算102勝目が貴重な1勝となった。

◆主軸が右へ、左へ、打球を切り裂いた。ヤクルト・山田哲人内野手(31)が、0―1の四回1死二塁で右越えの適時三塁打を放つと、続く村上宗隆内野手(23)も左中間へ適時二塁打と続いた。三回までパーフェクト投球されていた広島先発の九里に対し、四回先頭の塩見が死球で出塁すると山崎が犠打を決めて好機を演出。3番の山田が初球の外角143キロの直球をはじき返し、この日初安打となるタイムリーを放ち「(点を)取られた直後ですぐに取り返せてよかった」とうなずいた。勢いそのままに村上も内角高め143キロの直球を一閃。貴重な一打に「山田さんが同点にしてくれて、その流れに乗って打つことができた」と感謝した。主砲は六回にも左前打を放ち、4試合連続のマルチ安打を記録。9月は試合前時点で打率・294(68打数20安打)で、月別ではすでに今季の最多に並ぶ7本塁打と状態は上向き調子になってきた。山田と村上。今年3月のWBCでは共に日本代表として世界一に貢献した2人で、チームの大黒柱だ。16日のDeNA戦(神宮)では今季2度目のアベック弾をマーク。2人の存在を高津監督は「チームに与える影響とか雰囲気、相手に与えるダメージが他の選手の1本とは違う。2人が元気であれば点は入ってくれる」と信頼を置く。3、4番の主軸がしっかりと仕事を果たした。ヤクルトは広島との最終戦で今季のマツダスタジアム初勝利。最下位転落の危機の中、連敗を2で止めた。

◆ヤクルトの小川が8回4安打1失点の好投で3年ぶりに10勝に到達した。田口が33セーブ目。打線は0―1の四回に山田と村上の連続長打で2点を奪い、七回は塩見の適時三塁打で加点。広島は五回以降は無安打に抑えられた。

◆ヤクルトは先発の小川泰弘投手(33)が8回4安打1失点の好投で2020年以来、3年ぶり2桁勝利の10勝目(8敗)を挙げた。小川のヒーローインタビューは以下の通り。ーー今日はどういうテーマでマウンドに上がった「(マツダスタジアムでは)勝ててなかったですし、なんとか1勝してみんなで勝ちたいなと思ってました」ーーピッチングを振り返って「なんとか修正しながらのマウンドでしたけど、ムーチョ(中村悠平)がしっかりリードしてくれまし、しっかり守ってもらってリズムよく勝ちにつなげることができたと思います」ーーシーズン終盤にこれだけ好投が続けられている要因は(自身5連勝)「ちょっとわからないですけど、いろいろ自分の中でトライして、マウンドに立てることの喜びを感じながら1試合1試合大事に戦った結果かなと思います」ーー3年ぶりの2桁勝利「通過点の1つとして、先発ピッチャーとして大切な数字だと思います。チームに勝たせてもらって10勝達成できてよかったです」ーー2年連続規定投球回にも到達「先発の柱としてクリアしないといけない数字だと思うので、達成できてよかったと思います」ーー今シーズンも残り5試合「いつも応援ありがとうございます。残り少ないですけど、最後までファンの皆さんが喜んでくれるようなプレーをしていきたいと思います。これからも応援をよろしくお願いします」

◆ヤクルトは逆転勝ちで試合前時点で0勝11敗1分と鬼門だった今季の最終戦で敵地初勝利を決めた。先発の小川が8回1失点の好投で3年ぶりとなる10勝目をマーク。打っては0-1の四回に山田、村上の連続タイムリーで勝ち越すなど主軸が仕事を果たした。高津臣吾監督(54)の主な一問一答は以下の通り。――小川が8回1失点の好投。尻上がりによくなった「立ち上がりというか、中盤くらいまではちょっと、慎重になるところと、もたもたじゃないですけれど、ちょっと重い感じはしたんですけど。中盤以降は本当にストライク先行でね、どんどん攻めるピッチングができたのかなと思いますね」――打者3巡目から遅いボール使って緩急をつけていた「1試合の中でも、何回も対戦しないといけないのが先発ピッチャーですから、やっぱりいろんな引き出しを持って、例えば1打席目はこう、ピンチになったらこうというのが、彼は凄く持っているタイプのピッチャー。中村とのコンビネーションも非常によかったですし、いいところを引き出したんじゃないかと思いますね」――1失点に抑えたで試合の流れを作った「ピンチもあったり、先頭のピッチャーに打たれたりとかあったんですけれど、やっぱりここってときにしっかり投げ込める、ここってときに丁寧にいけるピッチングだったんじゃないかなと思います」――小川は後半戦になって4連勝するなど好調が続く「わからないでしょ。よく分からないんだけど、まあ、どうかなあ。コントロールはよくなったかなあ。高くいく球が少なくなった。変化球で低く投げようと思ったのが高くいくのが少なくなったのかなと思いますけどね。スピード自体もそんな変わらないしキレもそんなに変わらないですし。しいていうなら、球がちょっと低くなったと横から見てて思うくぐらいですかね」―小川の今季の登板はもう1回ある?「ないですね」――打線は先制された直後に四回先頭で1番の塩見が死球でこの試合初めて出塁すると、3番の山田、4番の村上が連続タイムリーを放ち2点をとれた「形はどうであれ、最初は3、4番の長打で始まったんですけれども、しっかり得点を追加できたのは大きかったです」――1番が出て送って3、4番が理想「なかなかうまくいかないですけれど、ああやって塩見が1番に入っていると得点圏でも打率いいですし、長打も打てますし、少しバリエーションが広がるかなと思いますね」――1番塩見、2番山崎のオーダーは今季3試合目だった「作戦もできるし、単独で走らすこともできるし、その後ろに3、4番が控えていることをバッテリーが考えると、すごいプレッシャーのかかる1、2番だと思います。なかなかこの形を今季はできなかったんですけど、まあ、そう思いますね」――今季最終戦のマツダでやっと初勝利した「特別意識はしていなかったんですけど、毎日勝ちたいと思って神宮だろうがどこだろうが甲子園だろうがやっていたんですけど。やっぱり気になるもので、是非最後は勝って広島を離れたいと思っていたので、ありきたりですけども良かったと思いますね」――マツダで勝てなかった原因についてはどう考える「1つや2つじゃないと思うんだけど、やっぱりお客さんの応援は広島に関してはすごくプレッシャーになるし、相手の応援というのは僕はピッチャーですけど、投げてて気になる声とかもありました。それが影響しているかは分からないですけど、広島の野球熱というか応援する力は感じました」

◆広島は今季本拠地では無敗(11勝0敗1分)だったヤクルトに逆転負けを喫し、2018年以来5年ぶりのAクラス(3位以上)入りは持ち越しとなった。三回に小園の内野ゴロの間に先制したが、リードを守り切ることができなかった。試合後の新井貴浩監督(46)の一問一答は次の通り。ーー九里は7回6安打3失点で8敗目(8勝)「しっかりゲームをつくってくれたと思います」ーー打線はヤクルト・小川の前に1点どまり「相手のピッチャーもしっかりコースを切って低め低めに丁寧に投げてきていた。いつもいつも打てるわけじゃないと思います」ーー小園は足の状態を考慮して三塁の守備に就いた。動きは「動けていたので良かったと思いますし、明日(25日)また空くので状態を確認して火曜日の試合(26日、中日戦=マツダ)に(遊撃に)戻れるか判断していきたい」ーー島内は今季60試合目の登板を1回無失点に抑えた。ブルペンを支えている「彼には期待していたし、期待通りの活躍をしてくれている。まだ終わっていないけど、ブルペンで頼りになる存在ですし、いてもらわないと困る」ーー右脇腹の張りで離脱した西川がウエスタン・オリックス戦(シティS)で実戦復帰。1軍昇格のタイミングは「明日の状態を見て問題なければ、またそこで考えていきたいなと思います」ーークライマックスシリーズ出場権獲得に王手をかけている。レギュラーシーズンの残り4試合に向けて「一戦一戦、最後まで同じことの繰り返し。また明後日の試合に備えたい」

◆ヤクルトは2点リードの九回に田口麗斗投手(28)が登板し三者凡退の好投。33セーブ目を挙げ、リーグトップの阪神・岩崎に並んだ。今季は48試合で防御率1・53と抜群の安定感を誇っており、残り5試合に向け「セーブシチュエーションだろうが何だろうが、仕事を全うするだけ。コンディションを整えて、どの試合も投げられるように準備したい」と力を込めた。

◆エースとして、使命を全うした。ヤクルト・小川泰弘投手(33)が8回4安打1失点の好投で10勝目(8敗)を挙げ、3年ぶりの2桁勝利を達成。今季144イニングとなり、2年連続で規定投球回にも達した。何よりマツダスタジアムで今季13試合目にして、チームに初勝利をもたらしたことが、うれしかった。「(広島と)最後の試合でしたし、勝てていない状況も分かっていた。そこで勝つ意味というか、使命というか、来年につながるための試合になるかと思っていた」プロ11年目。豊富な経験と知識を駆使した。「序盤はもがいたというか、修正していた」と外角への制球が不安定で三回には安打と四球から先制されたが、体のひねり方などを修正。相手打線の3巡目からは同学年の捕手、中村の要求に応え、100キロ台のチェンジアップを使い、四回無死一塁からは15人連続で抑えた。負けた悔しさを知っているからこそ、勝つ喜びをかみしめる。野球人生の一つの転機となったのが、5勝12敗に終わった2019年。「あの年はずっとしんどかった」と漏らすが、逃げなかったからこそ〝今〟がある。「つらくても任された以上はマウンドに立ち続ける責任がある。続けるからこそ見えるものがあるし、必ず成長できるんだってわかった」5位以下が確定しているが、負けていい試合などない。「10(勝)超えてどこまでやれるかが先発の醍醐味(だいごみ)」と小川。エースの覚悟がチームを救った。(赤尾裕希)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
83485 0.634
(-)
優勝
(-)
7536
(-)
398
(-)
77
(-)
74
(+1)
0.248
(↓0.001)
2.620
(↑0.02)
2
(-)
広島
72634 0.533
(↓0.004)
13
(↓0.5)
4483
(+1)
497
(+3)
94
(-)
76
(+1)
0.246
(↓0.001)
3.240
(-)
3
(-)
DeNA
69643 0.519
(↓0.004)
15
(↓0.5)
7502
(-)
479
(+6)
104
(-)
29
(-)
0.248
(-)
3.220
(↓0.02)
4
(-)
巨人
68672 0.504
(↑0.004)
17
(↑0.5)
6517
(+6)
502
(-)
163
(+2)
46
(-)
0.254
(-)
3.500
(↑0.02)
5
(-)
ヤクルト
55803 0.407
(↑0.004)
30
(↑0.5)
5516
(+3)
553
(+1)
121
(-)
61
(-)
0.240
(-)
3.710
(↑0.02)
6
(-)
中日
52795 0.397
(-)
31
(-)
7374
(-)
484
(-)
67
(-)
33
(-)
0.236
(↓0.001)
3.140
(↑0.03)