ヤクルト(★3対9☆)阪神 =リーグ戦23回戦(2023.09.23)・明治神宮野球場=
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阪神
40310001091401
ヤクルト
0002000103522
勝利投手:大竹 耕太郎(12勝2敗0S)
敗戦投手:ロドリゲス(1勝5敗0S)

本塁打
【阪神】ノイジー(9号・1回表2ラン)
【ヤクルト】村上 宗隆(31号・4回裏2ラン),塩見 泰隆(8号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は初回、中野の適時二塁打とノイジーの2ランなどで4点を先制する。その後は3回に大山と大竹の適時打で3点を加えるなど、序盤から試合を優位に進めた。投げては、先発・大竹が8回3失点の力投で今季12勝目。敗れたヤクルトは、先発・ロドリゲスが乱調だった。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(23)が「3番右翼」でスタメン復帰した。現在、21打席連続無安打と苦しんでいる背番号1。中大時代に慣れ親しんだ球場で安打を狙う。また、前日22日の同戦でベンチ外だった、シェルドン・ノイジー外野手(28)が「6番左翼」でスタメン入り。22日同戦の雨天中止後、爆笑の「ヘッスラパフォーマンス」を披露したヨハン・ミエセス外野手(28)はベンチスタートとなった。先発は最高勝率のタイトル獲得の可能性が残されている大竹耕太郎投手(28)が務める。

◆阪神岡田彰布監督(65)が試合前のメンバー表交換の際、ヤクルト高津臣吾監督(54)と握手を交わした。本塁付近で高津監督と会話を交わすと、岡田監督は何度もうなずいた。その後、がっちりと握手。最後に高津監督の方から頭を下げられると、にこやかなムードで自軍ベンチに戻った。3日の試合でヤクルト山本から阪神近本が右脇腹付近に死球を受け、途中交代。診断結果は「打撲」で、その後の2試合に欠場する形となった。岡田監督は試合直後、「あきれるよなぁ。おらんかったんよ、高津。ベンチに。探したけど。情けないのう。え。2年連続優勝したチームやしのう」と怒りをあらわにしていた。高津監督も試合直後に「申し訳なかった。持ち球がシュートなので、そこにいってしまった」と謝罪していた。ただ、翌4日に取材対応した岡田監督は「シュートピッチャーやったら当ててええんか?」と話し、怒りは収まらない様子だった。前日22日が雨天中止となったため、遺恨が残った一戦以来となるこの日のヤクルト戦。両チームの指揮官が握手を交わし、試合がスタートした。

◆/神宮の夜空を劈く一撃\強烈な打球がレフト方向へノイジーの打球が超満員のビジター席へ突き刺さる?プロ野球(2023/9/23)??ヤクルト×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/Y6djnsC7cz

◆初回の猛攻に神宮の虎党が大盛り上がりだ。中野拓夢内野手(27)の先制適時二塁打、シェルドン・ノイジー外野手(28)の9号2ランなどで一挙4得点。前日22日が雨天中止とならなければ、今季最後の神宮でのゲームとなっていた一戦は、三塁側スタンドから左翼スタンドにかけて、阪神ファンで超満員。まるで本拠地のような大歓声が響いていた。【動画】それにしても阪神ファン多過ぎ!真っ黄色の神宮左翼席へノイジーが痛烈9号2ラン

◆ヤクルト高津臣吾監督(54)が試合前のメンバー表交換の際、阪神岡田彰布監督(65)と握手を交わし、最後に頭を下げて一礼した。3日の前回対戦で阪神が7点リードしていた9回、近本光司外野手が右脇腹に死球を受けた。このプレーに岡田監督は激怒していた。8月13日の対戦では、正捕手の梅野隆太郎が左手首に死球を受け左尺骨を骨折していたこともあり、「そういうチームなんやろ」と怒りをあらわにしていた。メンバー表交換ではともに笑顔を浮かべながら握手を交わした。審判団とのあいさつを終えた後、高津監督は最後に頭を下げて一礼し、岡田監督が手を挙げて応えた。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、トンネルを抜けた。4点リードの3回無死二塁。ヤクルト・ロドリゲスから二塁打を放った。右翼への打球をサンタナが捕球できず、ボールが転々とする間に二塁を陥れた。15日広島戦以来23打席ぶりの安打は、珍しい"ライト前二塁打"となりチャンス拡大。その後の4番大山悠輔内野手(28)の2点打で生還し、リードを6点に広げた。

◆阪神大山悠輔内野手(28)が5年連続で70打点をマークした。4点リードの3回に中堅右への2点打でリードを拡大。これで今季71打点とした。「高めの球でしたが、しっかり振り切ることができたと思います。最後まで何があるか分からない球場なので、ここからまた気を引き締めて頑張ります」とコメントした。5年連続70打点は、球団では03年から7年連続でマークした金本知憲以来、6人目。生え抜きに限れば81~85年にかけて記録した掛布雅之以来、38年ぶりとなった。今季ここまで全試合で「4番一塁」で先発出場。頼れる大砲が3回を終えて7得点の猛攻に加わった。

◆悩めるルーキーが完全復活だ。阪神森下翔太外野手(23)が、プロ6度目の猛打賞を決めた。3回に自身23打席ぶりの安打となる右翼への二塁打を放ち、波に乗った。4回に左翼フェンス直撃の二塁打。6回には左前打を放ち、早々に3安打を決めた。今試合まで5試合安打のなかったドラフト1位ルーキーが、再び上昇気流に乗り始めた。

◆阪神近本光司外野手(28)が途中交代した。5回の攻撃で代打島田海吏外野手(27)を送られた。その後、ベンチで話す姿もみられ、アクシデントではなくCSへ向けた休養、調整のためとみられる。この日は初回に四球で出塁。リーグトップを独走する今季27個目の盗塁となる二盗を決めると、中野拓夢内野手(27)の適時二塁打で生還した。ただ、その後は2打席凡退。チームは近本以外の先発メンバーが安打を決めている。チーム屈指のヒットメーカー以外の全員安打という、逆に珍しい? 状況が生まれた。

◆阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)の登場に虎党が歓喜した。6点リードの9回に代打起用された。グラウンドに姿を現すと、左翼スタンドの虎党を中心に、この日トップクラスの盛り上がりで応援歌が演奏された。ヤクルト木沢の前に見逃し三振に倒れたが、ムードーメーカーの登場に神宮が沸いた。ミエセスは雨天中止となった前夜、水浸しのグラウンドでダイヤモンドを1周し、ヘッドスライディングを決めるなど、雨中パフォーマンスで球場を盛り上げていた。今度は本塁打でダイヤモンドを1周...とはならなかった。

◆阪神が序盤からの猛攻で大勝を飾った。初回無死二塁。2番中野拓夢内野手(27)の先制打で猛攻の口火を切った。この回はヤクルト先発ロドリゲスの暴投、ノイジーの2ランで一挙4得点。3回、4回にも得点を積み重ね、5回までに10安打8得点と突き放した。この試合まで5試合安打がなかった3番森下翔太外野手(23)にも快音が生まれた。3回に右翼前に落ちる二塁打で23打席ぶりのヒットを記録。4回には左翼フェンス直撃の二塁打、6回にも左前打を決めた。今季6度目の猛打賞。復活の気配を漂わせた。先発の大竹耕太郎投手(28)は8回5安打3失点。4回にヤクルト村上の2ランを浴びたが、後続を断った。3回には自身で適時打も放ち、今季3打点目を記録。序盤からの大量リードを守り切り、今季12勝目を挙げた。最多勝率タイトルの獲得条件は13勝。権利獲得まで、あと1勝に迫った。03年、05年のチーム最多87勝にあと4勝と迫る今季83勝目。15年に急逝した中村勝広元GM(ゼネラルマネジャー)の命日に、ナインが白星をささげた。

◆阪神岡田彰布監督(65)が試合前のメンバー表交換の際、ヤクルト高津臣吾監督(54)と握手を交わした。本塁付近で高津監督と会話を交わすと、岡田監督は何度もうなずいた。その後、がっちりと握手。最後に高津監督の方から頭を下げられると、にこやかなムードで自軍ベンチに戻った。「まあ、前の近本のあれを謝っとったけどな」。試合後にやりとりを明かした。3日の試合でヤクルト山本から阪神近本が右脇腹付近に死球を受け、途中交代。診断結果は「打撲」で、その後の2試合に欠場する形となった。岡田監督は試合直後、「あきれるよなぁ。おらんかったんよ、高津。ベンチに。探したけど。情けないのう。え。2年連続優勝したチームやしのう」と怒りをあらわにしていた。高津監督も試合直後に「申し訳なかった。持ち球がシュートなので、そこにいってしまった」と謝罪していた。ただ、翌4日に取材対応した岡田監督は「シュートピッチャーやったら当ててええんか?」と話し、怒りは収まらない様子だった。前日22日が雨天中止となったため、遺恨が残った一戦以来となるこの日のヤクルト戦。両チームの指揮官が握手を交わし、試合がスタートした。

◆阪神が序盤からの猛攻で大勝した。投げては先発大竹耕太郎投手(28)が8回3失点で12勝目を挙げた。この試合まで5試合安打がなかった3番森下翔太外野手(23)が今季6度目の猛打賞で、復活の気配だ。岡田彰布監督(65)の試合後の一問一答は以下の通り。-先発の大竹は持ち味を発揮「そうやなあ。ああいうピッチャーは、援護点をもろたら、一番スイスイ投げよるよなあ。緩急のピッチャーやからな。向こうもスッと追い込まれるから、焦ってなあ。やっぱり。早打ちになるしな」-8回までよく投げた「いやいや、あいつ(笑い)。6回(を投げ終え)、どうしようかなと思ったら、お前。(7回に打順が)回ってくる時にベンチ帰ったら、すぐ手袋はめてな(笑い)もう準備してたから、もう行こかって。うん。えらいなあ、次、8番からの時かなあ。もう自分で手袋しとったから、これは行かなしゃあない(笑い)」-最高勝率のタイトルの可能性も残った「そうやなあ。まあね、相手(DeNA東)次第やけどな。それも見ながら。次の登板、まだ決めてないよ。もうな、最後でもいいし。まあ、それはな」-当たりが出ていなかった3番の森下も右前安打からの猛打賞「おう、なあ、昨日(22日の試合前練習)も、ちょっとはマシになっとった。ちょっと言うてなあ、何かなあ、その。バットの軌道もなあ、なんかこう、ちょっとズレとったから」-監督から話を「いやいや、昨日お前、フリーバッティング後ろから見てちょっと言うとっただけや。(順番)最後打たしとったからな、あれ、木浪と」-最多安打を争う中野も3安打「おう、なあ、今日ノーヒットやったやろ、あれ(1位の牧)なあ」-DeNA牧、中日岡林と1本差に。「1本差なったん? おーん。まあ、可能性のある限りなあ、もう、だから、ランナー二塁にいっても進塁打も何も(サインは)出してない。ヒットを打ちにいけいうて、もう、アレからはな。優勝決まってからはなあ。おーん。だから、もうバントもそんなさせへんし。もうとにかく、二塁でも、別に進塁打で右に引っ張らんでええから、普通に打てでやってる、ずっと。まあ、そら、なあ、自分で打っていかんとな、これはなあ。ヒットだけはなあ。どうしようもないからなあ」-打線全体として見てもノイジーがこれだけ打つと「そうやねん。言うたやん。そら5、6(番)が打ったらビッグイニングになるもんなあ。うーん。ノイジー、えらい、どしたんやろなあ。何か期するものあるのかなあ。えらい、何かなあ、ボール球振らんなあ」-四球も2個選んだ「なあ、前やったら絶対、振ってるボールと思うけどなあ。何かあるんかなあ。えらい、選んで選んで、なあ。タイムリー出るしなあ」-試合前のメンバー交換ではヤクルト高津監督と握手する場面もあった「うん。前の近本の(死球を)謝っとったけどなあ」(間が空いて)「まあ、もう大竹の書いといたれよ(笑い)。俺は別にええから」

◆優勝を決めた阪神に序盤から大量リードを許す展開に、ヤクルト村上宗隆内野手(23)が、神宮のシーズン本塁打記録で2位タイとなる意地の1発を放った。8点を追う4回1死一塁、阪神先発大竹の105キロのチェンジアップにうまくタイミングを合わせ、右翼席へ31号2ラン。「甘い球だったので打てました。手応えはありましたし、風が逆風だったので心配でしたが入ってくれて良かったです」と語った。神宮のシーズン最多本塁打記録は13年バレンティン(ヤクルト)の38本で、2位が99年ペタジーニ(ヤクルト)と18年バレンティンの25本。村上が2位の2人に並んだ。

◆らしさが凝縮された一撃だった。阪神大山悠輔内野手(28)がアグレッシブに攻めた。4点リードの3回無死二、三塁。ヤクルト右腕ロドリゲスから中堅右へ2点打を決めると、迷わず一塁ベースを蹴った。二塁にスライディングするも、間一髪でタッチアウト。二塁打とはならなかったが、常に次の塁を狙う果敢な姿勢に虎党が沸いた。これで今季71打点とし、5年連続で70打点をクリア。球団では03年から7年連続でマークした金本知憲以来6人目。生え抜き選手に限れば81~85年にかけて記録した掛布雅之以来38年ぶりの快記録となった。それでも「高めの球でしたが、しっかり振り切ることができた」とうなずきながら「最後まで何があるか分からない球場なので」と気を引き締めることも忘れなかった。いつ、どこで本塁打が出るか分からない神宮だからこそ、慢心はない。次の1点のために二塁を狙ったのも、背番号3にとっては自然な流れなのだろう。1番近本以外の先発全員安打で14安打9得点。大勝の中心に4番がどっしりと座っていた。6回には大西から左翼へ安打を放ち、今季36度目のマルチ安打を記録。出塁率でDeNA宮崎の4割1厘を引き離し、4割5厘でリーグトップをキープした。最高出塁率タイトルは85年以降、球団では過去にバース(85、86年)、オマリー(92、93、94年)、鳥谷敬(11年)が獲得しているが、右打者なら猛虎史上初の快挙となる。全試合に「4番一塁」で先発し、ここまでリーグトップの93四球。すでにキャリアハイのシーズン142安打を放っており、タイトル獲得が近づいてきた。試合後は三塁側スタンドから大歓声を浴び「(1打席1打席を)無駄にしないように」と思いを込めた。CS突破、そして38年ぶりの日本一へ。虎の4番に隙はない。【中野椋】大山が出塁率4割5厘としてリーグ1位を守った。現行の計算式となり、両リーグで表彰されるようになった85年以降、阪神からの最高出塁率タイトルは85年 バース ・42886年 バース ・48192年 オマリー ・46093年 オマリー ・42794年 オマリー ・42911年 鳥谷敬 ・395いずれも左打者で、大山が獲得すれば右打者初となる。また、85年以降阪神の打者で出塁率4割以上は、延べ15人。右打者では85年岡田彰布 ・421、89年フィルダー ・403の2人だけ。大山が3人目になるか。

◆阪神大山悠輔内野手が出塁率4割5厘としてリーグ1位を守った。現行の計算式となり、両リーグで表彰されるようになった85年以降、阪神からの最高出塁率タイトルは85年 バース ・42886年 バース ・48192年 オマリー ・46093年 オマリー ・42794年 オマリー ・42911年 鳥谷敬 ・395いずれも左打者で、大山が獲得すれば右打者初となる。また、85年以降阪神の打者で出塁率4割以上は、延べ15人。右打者では85年岡田彰布 ・421、89年フィルダー ・403の2人だけ。大山が3人目になるか。

◆阪神中野が今季9度目の猛打賞を決め、最多安打リーグトップを猛追した。初回無死二塁。カウント2-1から右腕ロドリゲスのカーブを捉えた。一塁線を抜く先制適時二塁打。「最低でも三塁まで進めようと後ろにつなぐ気持ちで打席に立った」。3回に中前打、8回にも左前打を記録。8月16日広島戦(マツダスタジアム)以来、今季9度目の猛打賞となった。これで安打数は156本。セ・リーグ1位のDeNA牧、中日岡林に1本差まで迫った。フルイニング出場を続ける中、初の最多安打タイトルに向け「まだ試合数はある。あまり意識しないように、とりあえずフルで最後まで出ることを目指したい」。3回には19個目の盗塁も記録した。

◆あかん、もう不安材料見つからへんで!阪神森下翔太外野手(23)が「3番右翼」で2試合ぶりにスタメン復帰し、二塁打2本を含む3安打で復活を印象づけた。不振続きから一転、23打席ぶり安打から一気に息を吹き返した。チームは初回4得点から着々と加点し、14安打9得点の猛攻でヤクルトに大勝。先発の大竹耕太郎投手(28)は8回3失点で今季12勝目だ。少~し心配だった「3番問題」にもあっさり光が差し始め、CSファイナルステージへ盤石の準備が続く。長いトンネルを抜けるきっかけは"ラッキーヒット"だった。3回無死二塁。森下はプロ入り当初に使っていた軽めのバットに戻して打席に立った。ヤクルト右腕ロドリゲスのカーブを約870グラムの相棒で強振。フラフラと上がった飛球を右前に落とすと、安堵(あんど)が表情からにじみ出た。「打っていなかったので、とりあえず1本出たことは素直に良かったなと思います」23打席ぶりの安打が気持ちを楽にしたのだろうか。一気に勢いを取り戻した。4回1死では2番手高梨の甘く入ったフォークを見逃さず、左翼フェンス直撃の二塁打。あと数十センチでフェンスオーバーとなる長打でチャンスメークした。6回は先頭で大西の初球を左前にはじき返し、プロ6度目の猛打賞を決めた。「3番でヒットが出れば得点に絡める。そういうことが分かった試合でした」と胸を張った。前日22日のヤクルト戦はスタメン落ち。それでもルーキーは地に足がついていた。「特に気にしてはいない。チャンスをもらったら打つ気持ちでいるので、そこは変わらずにやっていきたい」。打席に入る姿勢や位置、バットの重さ、タイプ...。地道に試行錯誤を繰り返した。「本来の自分のバッティングを見つめ直しました。バットを出す前の段階を修正した」。打てない期間も自己分析を怠らず、壁を乗り越えた。スタメン落ちを経て、3安打で再び上昇気流に乗ったルーキーに、岡田監督はホッとひと安心だ。前日の練習中、指揮官は悩める男のフリー打撃を真後ろからチェックした後、アドバイスを送ったのだという。「昨日もちょっとはマシになった。バットの軌道もなあ、ちょっとズレとったから」と胸をなで下ろした。この日は15年に急逝した中村勝広元GM(ゼネラルマネジャー)の命日だった。かつて目指した生え抜き中心のチームで快勝し、虎を愛した名伯楽もきっと天国で納得顔だろう。「今日はきっかけに過ぎない。もっともっとここから状態を上げていきたい」と森下。少し気がかりだった「3番問題」にもメドがたち、虎が盤石だ。【三宅ひとみ】阪神の新人森下が3安打。1試合3安打以上は6度目。森下は3回に安打を放つまで、15日の広島戦の4打席目から22打席ヒットがなかった。これは4月4日の広島戦の4打席目から、2軍落ちの期間を含め5月20日の広島戦の4打席目にヒットを打つまで、23打席無安打だった自己ワーストに次ぐ長さだった。

◆阪神大竹耕太郎投手(28)が8回3失点で12勝目を挙げ、最高勝率のタイトルへ望みをつなげた。村上、塩見に緩いチェンジアップを被弾したが「本塁打を怖がってボール、ボールになりたくなかった。球場が狭く、ホームランバッターが多い中でストライクゾーンで勝負することは意識していました」。この日も果敢に100キロ台のチェンジアップ、カーブを投げ込んだ。123球はプロ入り後最多の球数だ。「7回で代わるかと聞かれた。もう1回いって新しい配球とか試したかったので、行かしてください、と」。志願の8回続投だった。岡田監督は6回89球の時点で交代も考えていたが、8番から始まる7回の攻撃で打撃用手袋をはめる姿を見て「うん、えらいなあ。これはいかなしゃあない」と続投を決めた。次回13勝目を挙げれば、最高勝率タイトルの規定をクリアする。とはいえ、仮に次戦に勝っても13勝2敗で勝率8割6分7厘。現在1位のDeNA東は15勝2敗で8割8分2厘だ。ライバルがあと1敗しない限りは上回ることはできない。指揮官は「まあ相手次第やけどな。それも見ながら。次の登板、まだ決めてないよ。もうな、最後でもいいし」と様子を見る考えだ。たとえタイトル獲得は難しくても、現役ドラフトで新加入して10個の貯金をつくった事実には価値がある。「もっともっと勝てるように、日本一になれるように」。大竹は最後、ファンにポストシーズンでの白星も約束した。【石橋隆雄】

◆阪神佐藤輝明内野手が3試合連続安打で初回4得点に貢献した。ロドリゲスの暴投で2点目を奪った直後の2死走者なし。カウント2-2から145キロ変化球を中堅へライナーで運んだ。打線の勢いを止めず、続く6番ノイジーの左越え2ランをお膳立てした。9月の月間打率は3割6分2厘と好調を維持している。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手が本塁打を含む2安打3打点、2四球で大勝に一役買った。2点を先制した直後の初回2死一塁。カウント2-1から右腕ロドリゲスのカットボールを弾丸ライナーで左翼席へ運んだ。2桁本塁打に王手の9号2ランにも「そこを考えず、しっかり強い打球打つことだけを考えていきたい」。8回には右前適時打で、追加点を記録した。岡田監督は「ノイジー、どしたんやろなあ。何か期するものあるのかなあ。ボール球振らんなあ」と驚きの表情だった。

◆ヤクルトが両リーグ最速の80敗目を喫し、今季最多の借金26となった。先発ロドリゲスが来日ワーストとなる3回8安打7失点でKOされ「プレーボールから2人で1点を取られて球も行っていなかった」と高津監督。最下位中日に0・5差と迫られ今季12戦勝ちなしのマツダスタジアムに乗り込む。「対策を練りどうやったら勝てるか、先発がゲームをつくれるかを予習していきたい」と語った。▽ヤクルト村上(4回1死一塁で右翼席に31号2ラン。神宮のシーズン本塁打記録で2位タイの25本を記録し)「手応えはありましたし、風が逆風だったので心配でしたけど入ってくれて良かったです」

◆阪神がヤクルト戦に勝ち、このカード8連勝。シーズンをまたいで8連勝以上は51~52年にかけて11連勝した例などがあるが、1シーズンでヤクルト戦8連勝は球団初。また、神宮でも今季10勝(2敗)となったが、同球場で10勝したのは70年(10勝1敗)以来。同カードはあと1試合(22日の中止分が10月4日に入った)あり、さらに連勝を伸ばせるか。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】22打席ノーヒットだった阪神タイガース森下翔太がラッキーな二塁打!久しぶりの安打から勢いに乗って猛打賞としました!

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神は大竹耕太郎投手(28)が先発する。ここまでチームトップの11勝(2敗)をマーク。神宮での登板は4月28日以来となる。打線では森下翔太外野手(23)が「3番・右翼」でスタメン復帰。現在21打席連続無安打中で、21日の巨人戦(甲子園)ではベンチスタートだった。快音を取り戻し、クライマックス・シリーズへのきっかけとする。

◆阪神・才木浩人投手(24)が24日の中日戦(バンテリンドーム)に先発する。この日は試合前の練習でキャッチボールなどで調整し、登板に備えた。当初は22日のヤクルト戦に先発予定だったが、雨天中止となったことを受けて登板日が変更。才木は「(中止になったのは)しょうがない。任せられたところでしっかり自分の仕事ができるように」と話していた。右腕は今季ここまで8勝(5敗)。今後2勝を挙げることができれば自身初の2桁勝利になる。「(10勝という)目指せるところがあるので、狙いながら期待に応えられるように」と意気込んでいた。

◆阪神・岡田彰布監督(65)が試合前のメンバー表交換でヤクルト・高津臣吾監督(54)とにこやかな表情で握手を交わした。数秒間、会話した後、高津監督が謝罪するかのように頭を下げた。今月3日のヤクルト戦(神宮)で近本が死球を受けて途中交代。試合後に指揮官は「情けないのう。2年連続優勝したチームやしのう。あきれるよな。おらんかったんよ、高津。ベンチに。探したけど」と怒りをあらわにしていた。8月13日にも京セラドームで行われた同戦で梅野が左手首に死球を受け、骨折と診断されて離脱。主力選手に対する死球が連続し、岡田監督もヤクルトベンチの対応に憤慨していたが、この日は両軍の指揮官が笑顔で挨拶を交わした。

◆阪神が試合開始からわずか5分で先制した。一回先頭の近本が四球で出塁。続く中野の初球でスタートを切った。今季27個目の盗塁に成功。ヤクルトベンチがリクエストを要求も判定は覆らない。無死二塁の好機を作ると、中野がカウント2-1から4球目、ロドリゲスのカーブを引っ張った。右翼線に運ぶ適時二塁打であっさり先制した。阪神・中野「打ったのはカーブ。チカさん(近本)が走ってくれたので、最低でも3塁まで進めようと後ろに繋ぐ気持ちで打席に立ちました。先制点を取ることができてよかったです」

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(28)が一回に9号2ランを放った。中野の適時打、相手暴投で2点を先行し、なおも2死一塁で迎えた第1打席。ロドリゲスのカットボールを振り切った。左翼席にギリギリに吸い込まれた一発は16日の広島戦(マツダ)以来の9号2ラン。ノイジーはこの試合を含めた直近6試合で3本塁打、9打点と調子を上げてきた。阪神・ノイジー「打ったのはカットボールかな。しっかり良い形でとらえることができたね。チームに貢献できてうれしいよ。次の打席も打てるように頑張りたいね。」

◆阪神・森下翔太外野手(23)が三回無死二塁の第2打席で右前に落とす二塁打を放った。フルカウントからロドリゲスのカットボールを振り切った。詰まった打球は、スライディングキャッチを試みた右翼・サンタナのグラブの前でポトリと落ちた。森下は15日の広島戦(マツダ)の第3打席で左前打を放って以来、これが6試合ぶり、23打席ぶりのヒットだった。無死二、三塁と好機を広げた打線は、4番・大山が2点二塁打を放ち、序盤で6-0と大きくリードを広げた。

◆先発したヤクルトのエルビン・ロドリゲス投手(25)は自己最短の3回、ワースト7失点(自責6)で降板した。「いつも通り自分の全力を出し切ってチームの勝利に貢献したい」と臨んだマウンド。今季はここまで5試合に先発し、1勝4敗ながら防御率2・89と安定した投球を披露してきた右腕だったが、悔しい投球となってしまった。一回先頭の近本に四球を与え、盗塁を許していきなり無死二塁のピンチを迎えると、続く中野に右翼線へ適時二塁打を許してあっさりと先制点を献上。森下、大山は打ち取って2死としたが、佐藤輝に中前打、ノイジーに左越え2ランを被弾し、一回に4失点を喫する苦しい立ち上がりとなった。二回は三者三振で立ち直ったかのように見えたが、再び三回に5安打を集められ3点を失った。計8安打7失点と試合をつくることができなかった。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(28)が〝二刀流〟の活躍だ。三回に6-0と差を広げたあとの2死満塁で迎えた第2打席。ロドリゲスの直球を捉えると、打球は二遊間を抜け中前へ。野手顔負けのタイムリーで追加点を奪った。今季ソフトバンクから現役ドラフトで阪神に加入した大竹は、今月9日の広島戦(甲子園)でもバスターでタイムリーをマークしており、これが今季3打点目。阪神はこの回、5安打の集中打で7-0と大きくリードを広げた。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(23)が0―8の四回1死一塁で反撃の31号2ランを放った。「とにかく1点ずつ返していく気持ちで打席に入りました。いい角度で上がってくれました」阪神先発・大竹に対し、カウント2―2からの6球目、高めチェンジアップを一閃。打球は高々と上がり、長い滞空時間を経て右翼席へ飛び込んだ。村上は9月16日のDeNA戦(神宮)以来5試合ぶりとなる本塁打。4番の会心の一撃で反撃に転じた。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が六回の第4打席に左前打を放ち、3安打をマークした。3番手・大西の初球を捉えて左前へ。森下はこの試合の前の時点で21打席連続無安打。第1打席は左飛に倒れ、連続無安打打席を「22」としていた。それでも、三回にラッキーな二塁打を放つと、四回は引っ張って左翼フェンス直撃の二塁打。六回も「H」ランプをともし、9月14日以来、今季6度目の猛打賞と完全に目覚め。復活の快音を響かせた。

◆阪神・中野拓夢内野手(27)が八回に左前打を放ち、この試合3安打猛打賞とした。一回に先制の適時二塁打、三回にも中前打で8月16日の広島戦(マツダ)以来、今季9度目の猛打賞。デーゲームを戦ったDeNA・牧、中日・岡林がいずれも157安打でセ・リーグ安打数でトップに立つ中、今季156安打とし、1本差に猛追した。

◆夜空に高々と上がった白球を見上げ、ゆっくりと走り出した。0―8の四回。ヤクルト・村上宗隆内野手(23)が右翼席へ31号2ランを放った。「とにかく1点ずつ返していく気持ちで打席に入りました。いい角度で上がってくれた」1死一塁。カウント2―2から阪神先発、大竹の真ん中高め105キロのチェンジアップを一閃。滞空時間の長い弧を描いて、16日のDeNA戦(神宮)以来5試合ぶりの一発とした。ベンチに戻るとサンタナとおなじみのロータッチで喜びを分かち合った。ホームでめっぽう打つ。これで神宮球場では今季25本塁打目。神宮のシーズン最多本塁打記録では2013年のバレンティン(ヤクルト)の38本に次ぎ、1999年のペタジーニ(ヤクルト)、2018年のバレンティンに並んで2位となった。開幕から苦しんだシーズンだが、それでも19年、21、22年に続いて30号に到達。新人から6年目までに4度記録したのは最多タイで原辰徳(巨人)、清原和博(西武)に次いで3人目となるなど、若き主砲は偉大な記録を打ち立てている。もちろん満足はしておらず「最低限しっかりとしたシーズンを過ごそうと思っている。もっともっと打てるようにしたい」と必死に前を向く。残り6試合。背番号55が最後まで球場を沸かせるどでかい一発を狙う。

◆ヤクルトは序盤の失点が響き、2連敗となった。これで6位・中日とは0・5ゲーム差。借金は今季最多の26に膨らんだ。先発のロドリゲスが来日最短の3回7失点で5敗目。打っては村上が四回に31号2ラン、塩見が八回に8号ソロを放ったが、阪神先発・大竹の前に八回まで5安打3得点と攻略することができなかった。高津臣吾監督(54)の主な一問一答は以下の通り。――ロドリゲスは一回から4失点するなど立ち上がりが悪かった「うーん、やっぱり大きいね。プレーボールから2人で1点取られて。球もいってなかったですしね。やっぱり大きな初回でしたね」――投球自体は「球はいってなかったですね。ほとんど真っすぐを打たれたので。8本中6本、真っすぐ打たれているので。150キロ前後出ていますけど、そんなに詰まらせたりとか、フライで打ち取れるストレートではなかったかなと思いますね」――二回は三者凡退だっただけに、三回の3失点はもったいなかった「まあ、そうですね。初回だったので、まだ4点でおさまっていれば、何とかつないで思ったんですけども。やっぱりどの失点も痛いのは痛いですね」――村上が四回に反撃の2ラン「あれはいいホームランでしたね。高めに浮いたチェンジアップ、変化球をしっかり捉えたいい打球だったと思いますね」――村上の一発から流れが続いてほしかった「うーん、まあね。簡単な投手ではないので。ゴロピッチャーでね、打たされた部分が多かったかなと思います」――過去2試合は得点も奪えなかった阪神先発・大竹から今季初得点だった「初めて勝ちたかったですね。まあ、1年間、(今季は)まだ投げるか分からないですけど、 やられたなって感じはしますね」――ロドリゲスは盗塁も許した「クイックは下手な方じゃないので、ただ修正するところはありますね。ちょっとあんまり詳しく言うとあれですけど」――岡田監督と試合前話していた「おめでとうございますって言いました」――最下位の中日と0・5ゲーム差。明日24日は今季一度も勝利していないマツダスタジアムで広島戦となる「そうですね。今から対策を練ってどうやったら、勝てるか、どうやったら点とれるか、どうやったら抑えられるか。先発がゲームを作れるかってところは予習していきたいと思いますね」

◆阪神が快勝。8回2失点の大竹耕太郎投手(28)が12勝(2敗)に到達し、最高勝率の条件クリアまで、あと1勝とした。打線は一回、中野拓夢内野手(27)の適時打とシェルドン・ノイジー外野手(28)の9号2ランなどで4点を先取。三回には森下翔太外野手(23)の自身23打席ぶり安打を機に大山悠輔内野手(28)、大竹のタイムリーで3点を加えた。3試合ぶりスタメンの森下は14日巨人戦(甲子園)以来、6度目の1試合3安打。大山は5年連続70打点。中野も3安打を加え、156安打とし、リーグ最多のDeNA・牧秀悟内野手(25)、中日・岡林勇希外野手(21)に1差とした。ヤクルト戦年間8連勝は球団初。チームの年間最多87勝(2003、05年)まで、残り8試合で4勝。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=83勝48敗4分、観衆=2万9765人)ーー大竹は持ち味を発揮「ああいうピッチャーは援護点をもろたら一番、スイスイ投げよるよな。緩急のピッチャーやからな。向こうもスッと追い込まれるから、焦ってな。早打ちになるしな」ーー八回まで投げた「あいつ(笑)。六回、どうしようかなと思ったら、お前。回ってくる時にベンチ帰ったら、すぐ手袋はめてな(笑)。もう準備してたから、もう行こかって。エライな。(七回の攻撃で)次、8番からの時かなあ。自分で手袋しとったから、これは行かなしゃあない(笑)」ーータイトルの可能性も残った「相手次第やけどな。それも見ながら。次の登板、まだ決めてないよ。最後(10月4日の神宮でのヤクルト戦)でもいいし」ーー森下も3安打「バットの軌道もちょっとズレとったから」ーー監督から話を「昨日フリーバッティング後ろから見てちょっと言うとっただけや。最後打たしとったからな、木浪と」ーー中野も3安打で1本差に「1本差なったん? 可能性のある限りなあ、だから、ランナー二塁に行っても進塁打も何も(サインは)出してない。ヒットを打ちに行け言うて、もう、アレからはな。優勝決まってからはな。バントもそんなさせへんし。二塁でも進塁打で右に引っ張らんでエエから、普通に打て、でやってる。自分で打っていかんと、これはな。ヒットだけはな。どうしようもないからなあ」ーー打線全体としてノイジーがこれだけ打つと「そうやねん。言うたやん。そら5、6(番)が打ったらビッグイニングになるもんな。ノイジー、エライどしたんやろな。何か期するモノあるのかな。ボール球振らんな」ーー2四球「前やったら絶対、振ってるボールと思うけどな。何かあるんかな。選んで選んでな。タイムリー出るしな」ーー試合前には高津監督と握手する場面もあった「うん。前(3日の神宮での一戦)の近本の(死球を)謝っとったけどなあ」(間が空いて)「まあ、もう大竹の書いといたれよ(笑い)。俺は別にエエから」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(54)は阪神・大竹耕太郎投手(28)の投球内容を絶賛すると同時に、坂本誠志郎捕手(29)の存在についても言及した。大竹は絶妙な間合いに加え、クイックでチェンジアップを投げるなど技術にたけていた。シーズン規定投球回にはわずかに届かないかもしれないが、最高勝率に向け、ぜひ頑張ってもらいたい。試合を通じて最も感じたのは捕手の差。ヤクルトのロドリゲスは制球力に課題があるが、バッテリーを組んだ古賀が構えたミットを落とすのが早すぎるように感じた。的がなくなると、投手はとても投げづらい。私は現役時代、ずっと捕手に「なるべく下げないでくれ」とお願いしていた。ちなみにメジャーリーグの捕手はほとんど構えたままで落とさない。「動かさない方がいい?」などと事前に確認してくれる。阪神の坂本はギリギリまで我慢し、投げやすい環境を作った。主砲・村上に対しても坂本のよさが出た。四回はチェンジアップを本塁打にされたが、六回は直球で投ゴロ、ブルワーに代わった九回は見逃し三振。一発を許しても最後に封じるのが坂本のリード。クライマックスシリーズの相手が広島かDeNAであろうが、こういう攻めは短期決戦に間違いなく生きてくる。

◆ついにライバルたちを視界に捉えた。阪神・中野拓夢内野手(27)が今季9度目の猛打賞。最多安打のタイトルを争うDeNA・牧、中日・岡林に1本差に迫った。「ヒットを意識しすぎて最近はよくなかったので、頭を切り替えて。全試合フルで出るというところだけを意識してやろうかなと思います」。一回無死二塁で右翼線に運び先制の適時二塁打を放つと、三回は中前打。八回は左前に運んだ。8月16日の広島戦(マツダ)以来の3安打で今季156安打。試合前の時点で4本差だった牧と岡林を猛追した。岡田監督は「1本差なったん? 可能性のある限りなあ。もう、進塁打も何も(サインは)出してない。バントもそんなさせへんし」とタイトル戴冠をアシストする構えだ。ただ、中野は「あまり意識しないように。フルで最後まで出ることが最低条件だと思うので、そこ目指して頑張りたい」と平常心で臨む。グラウンドに立ち続け、淡々とヒットを積み重ねたその先に、最多安打の勲章が待っている。(原田遼太郎)

◆ヤクルトは阪神に投打で力負け。両リーグ最速で80敗目に到達し、借金は26に膨らんだ。相手先発の大竹に対し、今季0勝3敗となった高津臣吾監督(54)は「初めて勝ちたかったですね。1年間、やられたなという感じはします」とお手上げだった。先発ロドリゲスが立ち上がりに崩れて3回7失点でKOされると、0―8の四回の攻撃前に円陣を組み、奮起。1死一塁で村上が31号2ランを放って大竹から今季初得点を挙げた。しかし、後が続かない。村上は神宮球場で今季25発目。1999年のペタジーニ、2018年のバレンティン(ともにヤクルト)に並び歴代2位の本数だが、主砲は「あまり気にしていないです」と多くを語らなかった。阪神戦でのシーズン8連敗は球団ワースト記録となった。この敗戦で最下位・中日とは0・5ゲーム差。24日には今季勝ちがない鬼門のマツダスタジアムで広島戦に臨む。高津監督は「今から対策を練って、どうやったら勝てるか、点を取れるか、抑えられるか、先発がゲームを作れるか、というところを予習していきたい」と懸命に前を向いた。(箭内桃子)?ヤクルト・村上が今季31号。本拠地・神宮球場での本塁打は今季25本目となり、日本選手最多の56本を放った昨季の23本を上回る。神宮球場でシーズン25本を放ったのは、1999年のペタジーニと2018年のバレンティンに並ぶ歴代2位。最多は13年のバレンティンの38本。?神宮球場で通算97本塁打となり、歴代8位の古田敦也に並んだ。最多は池山隆寛の167本。

◆阪神・佐藤輝は先制して迎えた一回2死三塁で打席へ。相手暴投で三走・中野をホームに呼び込むと、中前打を放って3試合連続安打とした。「よかったんじゃないですか」。試合後、虎党からは「今年の阪神、日本一!」のコールが響いた。「頑張ります」と佐藤輝。ファンが願う日本一に向かって、その勢いを加速させていく。

◆阪神・ノイジーが止まらない。まずは、2点を先行した一回2死一塁で左翼席に9号2ラン。「甘い球が高めに来たので強い打球を打つことを意識した」。八回も右前適時打で3打数2安打3打点と躍動した。リーグ優勝後は出場6試合で打率・389、10打点、3本塁打。いち早く、CSに照準を合わせ、アピールしまくっている。

◆個人成績もタイトルも頭になかった。阪神・大竹は目の前の打者を抑えることだけに神経を注いだ。今季最多の123球の熱投でつかんだ白星。何よりも試合後の虎党からの「大竹コール」と拍手喝采が喜びを増幅させた。「順位が決まっているので消化試合って言われるけど、人生で今日しか来られない人もファンの中にはいると思いますし、一戦必勝という気持ちで投げました」七回を投げ終えた時点で100球を超えたが、首脳陣に続投を志願した。「七回の投球が良い感覚だったのでもう一回いって新しい配球だったりを試したかった。CSに向けて良い登板になった」。三回には中前適時打を放ち、自らのバットで追加点。8―0の四回に4番・村上に2ラン、八回に塩見にソロを浴びたが、8回5安打3失点でお役御免となり、12勝目をつかんだ。これで最高勝率のタイトル獲得の条件となる13勝まであと1。同タイトルはDeNA・東が勝率・882でリーグトップで、仮に大竹が13勝しても同・867と現状では上回ることはできないが、今後の東の結果次第でトップに立てる可能性は残っている。岡田監督は「六回、(交代を)どうしようかなと思ったら、(打席が)回ってくるときにベンチ帰ってすぐ手袋はめてな」と続投の舞台裏を明かし、次回登板については「まだ決めてないよ。相手(東)次第やけどな」と話した。あの忘れられない1敗があったから、今がある。7回4失点で今季黒星を喫した6月10日の日本ハム戦(エスコン)は「ダメージがめちゃくちゃあった」というが、西勇に言葉をかけられ、立ち直ることができた。「7回4失点で何が悪いの? 信頼されているから七回までいかせてもらえるんやで」結果も内容も自分のとらえ方次第。「ポジティブな方に目を向けていかないと」と考え方が変わった。北海道で味わった苦い思いが、ターニングポイントとなった。「ここまでたくさんの人に支えられて12勝まできた。もっともっと勝てるように日本一になれるように頑張りたいと思います!」目指す先は12球団の頂点。虎の勝ち頭は最後まで勝利のために魂を込めて腕を振る。(織原祥平)

◆大山が虎のレジェンドたちの仲間入りだ。三回無死二、三塁でロドリゲスから中堅への2点打を放って今季71打点とし、5年連続でシーズン70打点をクリア。藤村富美男、田淵幸一、掛布雅之といった歴代の「ミスタータイガース」たち、さらにはランディ・バース、金本知憲と時代を彩った最強スラッガーたちに続く、球団史上6人目の快挙となった。「(打席を)無駄にしないように、やっています」8試合連続の安打とした後は六回無死一塁でも左前打を放ち、21日の巨人戦(甲子園)での3安打に続くマルチ安打。14日に18年ぶりのペナント奪取を達成した後の7試合では全イニング出場して打率・500(26打数13安打)のハイアベレージを残している。休むことなく、一貫して目いっぱいのプレーを続けている。本拠地の甲子園の試合時は午前中の早い時間帯に球場入りし、室内練習場で入念にバットを振り込むなど準備を怠らない姿勢はまったく変わらない。「打撃、守備、走塁でまだまだレベルアップしないとなと思っていますし、個人だけでなくチームとしてもすごく大事な試合になってくる」レギュラーシーズンの日程終了まで8試合残している。先に見据える10月のクライマックスシリーズ(CS)と日本シリーズでのパフォーマンスは、今の時期の過ごし方が左右する。そう信じるから、いつまでもリーグVの余韻に浸っていない。一切ぶれることなくグラウンドに立ち続ける4番打者がいる限り、今季の猛虎は揺るがない。(上阪正人)

◆阪神・近本が一回先頭で四球を選ぶと、今季27個目の盗塁に成功。中野の二塁打で先制のホームを踏んだ。「しっかり(ホームに)かえってこられたのでよかった」。今季82得点とし、リーグ単独トップに浮上。五回の打席では蓄積疲労の考慮と、CSに向けた島田の実戦機会を確保するため、代打を送られベンチに退いた。

◆スッキリ猛打賞!! 阪神はヤクルトに9-3で快勝。「3番・右翼」で2試合ぶりにスタメン復帰した森下翔太外野手(23)が、三回に23打席ぶりの安打となる二塁打を放つなど、3安打をマークした。リーグ制覇を決めてから1安打にとどまっていたが、一気にお目覚め。クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズに向け、もう眠らない!!見えない〝呪縛〟からついに解き放たれ、トンネルの出口にたどり着くと、一気にカン!カン!カン!と3安打の猛打賞で復調を印象付けた。森下が23打席ぶりのヒットから快音を響かせ続け、大勝に貢献。3番が打てば、打線の迫力は桁違いになる。「打っていなかったので、素直に1本出たことはよかった。1本で終わらなかったことは、3番がヒットで何とか出られれば、点にも絡んでくる。そういうことが分かった試合と思います」試合後は虎党の大声援を三塁ファウルゾーンで浴びながら、胸を張った。勝利へのムードをさらに高めたのは4-0の三回無死二塁。ロドリゲスの高めカットボールを右前へ弾き返し、スライディングキャッチを試みた右翼・サンタナのグラブを弾いて二塁打を記録。15日の広島戦(マツダ)の第3打席以来、6試合&23打席ぶりのヒットを刻むと、四回1死から左翼フェンス直撃の二塁打、六回先頭では初球を左前打と打ちまくった。「(六回は)ちょっと詰まりましたけど、やっぱり(バットの)出し方がいいとセンターラインに飛んでくれる」不調から脱出するための修正ポイントは、試合開始前に整理済み。体幹を意識して体重移動やスムーズなバットの軌道につなげた。これまでは長打力を伸ばすために15グラム重いバットを試したが、この日は優勝に貢献した〝相棒〟に戻し、すぐさま快音を響かせた。大器は仲間の助けを借り、苦境を乗り越えるたびに修正能力を高めてきた。シーズン序盤の2軍遠征中、結果の出ない森下は悔しさから気持ちの切り替えがうまくいかず、守備位置に就くのが遅れた。コーチからも怒られ、ベンチでうなだれていた。そのときだった。「何で落ち込んでるんだ?」心配したミエセスが声をかけてきた。理由を伝えると、その日の夕食に誘われ、陽気な会話にモヤモヤした気持ちは晴れた。「自分のことを気にかけてくれる。すごく自分は(ミエセスを)尊敬している」。プロの厳しさをすべて糧にしてきた森下だからこそ、〝プチスランプ〟も乗り越えられた。岡田監督も「ちょっとはマシになっとった。バットの軌道も、ちょっとズレとったから。昨日(雨天中止となった22日)、フリーバッティング後ろから見て、ちょっと言うとった」とアドバイスを送ったことを明かした。森下が猛打賞を記録した6試合、チームはすべて2桁安打。ドライチが打てば、攻撃力は一気に活性化する。「きょうはきっかけに過ぎないと思うので。もっともっと、ここから状態を上げていければいい」10月18日からCSファイナルステージが始まる。目を覚ました森下が猛虎打線のキーマンになる。(新里公章)

◆阪神・ブルワーが圧巻の投球で九回を締めた。山田を二飛に仕留めると、昨季の三冠王・村上を153キロ直球で見逃し三振。「いい打者なのは十分、分かっていた。自分の持てるものを出し切った」と胸を張った。最後はサンタナを140キロスライダーで見逃し三振。初黒星を喫した17日のDeNA戦(甲子園)後、2試合連続無失点と再び信頼を勝ち取っている。

◆電話口から女性のアナウンスが聞こえていた。「1番、レフト-」虎番サブキャップ・新里公章は朝からシャキーーンと神宮球場にいた。「いやぁ、ホテルにいてもどうしようもないですし。プロ注目の選手も投げるでしょうから」本人は照れ笑いを浮かべていたが、エライ。東京六大学野球リーグが開催中。10月26日のプロ野球ドラフト会議が近づく中、明大-早大、慶大-法大があり、新里は気になってきたというのだ。神宮球場はヤクルトの本拠地ではあるが、大学野球最優先。ヤクルトがナイター開催となり、ヤクルトナインは室内で練習することが多い。バックネット裏にある記者席も同じで、大学野球の試合中は虎番がいくらプロ野球の取材章をかざしたところで警備員からストップをかけられてしまう。行き場のない虎番は喫茶店とかで時間をつぶしたりするのだが大学野球をのぞいたりすると、思いがけないところで取材のヒントが落ちていたりするのである。新里の成果に期待したいが、また雨を降らせるなヨ...。雨天中止となった22日の夜は虎番も大変だったそうだ。クラブハウス付近でドタバタと取材を終え、記者席で原稿を書いていたら、午後8時半に球場が営業終了というアナウンスが。長めの原稿を抱えていた原田遼太郎は「先に出ますね!」とさっと飛び出し、東京メトロ外苑前駅付近の「ドトールコーヒーショップ」に〝戦場〟を移すことに決めた。これに続いたのが新里と織原祥平。後発隊は球場に近い「カフェ・ベローチェ」に入った。

◆ガハハハハ...。セ・リーグでアレ(優勝)を決めた阪神が、ちょっと本気を出しゃ、9-3。このくらいの大勝、当たり前なのだ!! 野球の勝負の分かれ目は(世の中全てに通じるかも?)いかに相手をのむかなのだ!!初回先頭の近本は四球で出塁すると、すぐさま二盗で、ヤクルトの先発ロドリゲスにプレッシャーをかけ、2番中野の先制タイムリーツーベース!!冷静さを失ったロドリゲスは、ワイルドピッチやノイジーの2ランで1回4失点!! 正に『蛇ににらまれたカエル』だったのだ。この先のポストシーズンの戦いでも、この相手をのんでかかれるか?(と言っても自信過剰とはちゃうよ~!!)が大きなポイントになるのだ。でも、大丈夫。先発大竹の8回プロ最多投球数の123球での12勝目!! 年間最多安打を狙う中野の3安打でDeNA・牧、中日・岡林に1本差に迫る、そのノビノビとたくましい姿を見たら心配ご無用!!それにホラ! わが阪神は大阪名物(?)幸運をもたらす、ビリケン超えのラッキーアイテム『ミエちゃん』を見つけたやんか~!(笑)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
83484 0.634
(↑0.003)
優勝
(-)
8536
(+9)
398
(+3)
77
(+1)
73
(+2)
0.249
(↑0.001
2.640
(-)
2
(-)
広島
72624 0.537
(↑0.003)
12.5
(-)
5482
(+7)
494
(+3)
94
(+4)
75
(-)
0.247
(↑0.001)
3.240
(-)
3
(-)
DeNA
69633 0.523
(↓0.004)
14.5
(↓1)
8502
(+3)
473
(+4)
104
(-)
29
(-)
0.248
(-)
3.200
(↑0.01)
4
(-)
巨人
67672 0.500
(↓0.004)
17.5
(↓1)
7511
(+3)
502
(+7)
161
(-)
46
(-)
0.254
(-)
3.520
(↓0.02)
5
(-)
ヤクルト
54803 0.403
(↓0.003)
30.5
(↓1)
6513
(+3)
552
(+9)
121
(+2)
61
(-)
0.240
(-)
3.730
(↓0.02)
6
(-)
中日
52794 0.397
(↑0.005)
31
(-)
8374
(+4)
484
(+3)
67
(-)
33
(-)
0.237
(-)
3.170
(-)