◆楽天は初回、島内の適時二塁打で先制する。その後2-1となって迎えた6回裏には、辰己と鈴木大の適時打で2点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・岸が8回3安打1失点の快投で今季8勝目。敗れた日本ハムは、先発・上沢が試合をつくれず、打線も沈黙した。

◆楽天炭谷銀仁朗捕手（36）が、公益法人「難病の子どもとその家族へ夢を」を通して、病気と闘う子どもたちとその家族合計30人を楽天モバイルパークに招待した。炭谷は15年から同団体への寄付と招待を継続的に行い、今季3度目の招待。試合前には、子どもたちと直接ふれあった。球団を通じてコメントを発表。「今年3回目の『難病の子どもとその家族へ夢を』さんの招待をさせていただきました。僕たちのプレーを実際に生で観ていただき、何かを感じ取っていただければうれしいですし、僕たちも何かを感じ取っていただけるようなプレーをし、皆さんに勝利を届けることができるように頑張ります。今シーズンの招待は今回で最後になりますが、引き続き、難病の子どもとその家族へ夢をさんの支援を行ってまいります」と力を込めた。この日は「9番捕手」で先発出場する。

◆本塁打王のタイトルを狙う日本ハム万波中正外野手（23）が、18日ソフトバンク戦以来4試合ぶりの1発で、本塁打数を24本に伸ばした。2点を追う6回1死、カウント1－2から楽天先発岸の内角高めストレートに反応。打球はぐんぐん伸びて、左中間スタンドに吸い込まれた。この時点で、本塁打トップの楽天浅村、ロッテ・ポランコの25本に1本差に迫った。万波は「まずは1点返すことができて良かったです」とコメントした。

◆／「マンチュウー！」＼熾烈を極めるホームラン王争い万波中正がトップへ1本差に迫る24号ホームラン???プロ野球(2023/9/23)??楽天×日本ハム??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/5bsLxD0asA

◆楽天が連敗を2で止め、CS争いに踏みとどまった。1回1死二塁で、島内が右翼線へ先制の適時二塁打。試合の流れを引き寄せた。先発岸は、8回3安打1失点と好投。投打がかみ合った。3位ソフトバンク、2位ロッテがともに敗れたため、これで3位と1ゲーム差、2位と2ゲーム差に。満員御礼となった本拠地のファンの前で、逆転CS進出へ向けての勢いをつけた。

◆日本ハム野村佑希内野手が「3つの壁」のうち、まず規定打席をクリアした。前日までに442打席とリーチをかけ、この日の第1打席で443打席に伸ばした。「普通にちゃんとやっていれば、普通に超えられる数字」として目標の1つに掲げていたハードルを、5年目で初めて突破した。もう2つの壁、シーズン完走までは残り9試合、100安打までは6本に迫っている。

◆日本ハム先発上沢直之投手が、5回2／3を9安打4失点でKOされ、9敗目を喫した。0－2で迎えた6回2死二、三塁から楽天辰己に遊撃内野安打、2死一、三塁から鈴木大に中前適時打と連打を浴び、さらに2点を献上した。シーズン中の疲労を考慮され中14日でのマウンド。序盤は要所を締め踏ん張っていたが、8日の前回登板に続き2連敗となり「チームに申し訳ないです」と話した。

◆「来ると負ける」と言わせない！　歌手のファンキー加藤が楽天モバイルパークに来場した。試合後にミニライブを行うと、楽天はこれまで1勝6敗と大きく負け越すジンクスがあった。球場スタッフは、「勝率・143」「楽天イーグルスにおいて最も大切な試合、それはいつでもいまです。ファンキー加藤さん本当にお願いします」と懇願Tシャツを着用した。楽天は投打がかみ合い、連敗を2でストップ。3位ソフトバンクと1差、2位ロッテとは2差と、逆転CS進出へ望みをつないだ。ファンキー加藤にとっては、昨年に続いて連勝となった。試合後のミニライブでは、鈴木大の登場曲「告白」や、「東北の歌」と位置付けた「あとひとつ」などを熱唱。最後はダイヤモンドを全力疾走し、本塁にヘッドスライディング。喜びを全身で表現した。「来ると負ける」。6戦全敗からの2連勝。「ファンキー加藤が来ると勝つ」と新たな法則になりつつある。最後はファンへ向けて「やいのやいの言われても死ぬまで楽天イーグルスを応援するからな！　来年も絶対来てやるからな！」と絶叫。満員御礼となった球場を沸かせた。

◆楽天岸孝之投手（38）の好投で、"ジンクス"を打ち破った。日本ハム戦の序盤はカーブの制球が定まらず、苦しんだ。1点リードの3回2死一、三塁のピンチを招いたが、中島をカウント3－1から内角141キロ直球で遊飛に打ち取った。「際どいところ狙ってもしょうがないので、真ん中を狙って投げた。最初どうなるかなとは思いましたけど、切り抜けられてから徐々にどうにか操れるようになってきた」。6回に万波にソロを浴びたが、8回3安打1失点。チームトップタイの8勝目となった。この日は歌手のファンキー加藤が来場した。試合後にミニライブを開催するのが慣例だが、当日の楽天は1勝6敗と大きく負け越していた。「来ると負ける」とファンの間で話題になっていた。そんなジンクスをものともせず、投打がかみ合い、連敗を2で止めた。3位ソフトバンクと1ゲーム差、2位ロッテとも2ゲーム差に詰め寄り、本拠地でのCS開催も視野に入る。ファンキー加藤もミニライブで勝利の喜びに感情を爆発させた。ダイヤモンドをダッシュし、最後は本塁へヘッドスライディング。「やいのやいの言われても死ぬまで楽天イーグルスを応援するからな！　来年も絶対来てやるからな！」と絶叫した。満員御礼となったスタンドも歓喜。逆転CS進出へ向けて、勢いづいた1日となった。【湯本勝大】

◆楽天の"天才"が、3安打2打点で、チームをCS争いに踏みとどまらせた。辰己涼介外野手（26）は、1点リードの4回2死一塁、フルカウントから上沢の低め135キロフォークを左前へ運んだ。スライディングキャッチを試みた左翼手野村が後逸した間に一気に二塁へ。適時二塁打となった。6回2死二、三塁で迎えた第3打席は、打球をたたきつけて遊撃へ適時内野安打。「練習通り。理想的なバッティングができた」と、2本の適時打に満足げだった。自信を増して試合に入っていた。試合前、ベンチへ向かう通路で日本ハム新庄監督とたまたま遭遇。「よお、天才バッター」と声をかけられた。「自信になりました。去年もホームランを打った次、ネクストにいるときに、ジェスチャーでナイスバッティングとやってくれた。うれしいですね」。敵将の現役時代と同じ、強肩好守と勝負強い打撃が武器の中堅手。率直な褒め言葉を力に変えた。自身も、歯に衣（きぬ）着せぬ言動は"辰己劇場"としてファンを魅了する存在だ。3位ソフトバンクと1差、2位ロッテと2差と迫り、満員御礼となった球場を沸かせた。逆転CS進出へ。「頑張ってほしいなと思います」となぜか仲間へエールを送って、球場を後にした。【湯本勝大】

◆初キングへラストスパートの号砲だ。日本ハム万波中正外野手（23）が6回に左中間最深部へ24号ソロを放った。追い込まれながら楽天岸の直球を反応で捉えた4試合ぶりのアーチに、新庄監督も成長ぶりを認めて大絶賛。これで本塁打王争いトップの楽天浅村とロッテ・ポランコに1本差に迫った。本塁打王獲得へ、シーズン残り9試合で1本でも多くアーチをかける。自画自賛の1発だった。6回1死、万波がカウント1－2から岸の140キロ直球に対応した。「ちょっと差し込まれながらですけど、しっかり振り切れました」と詰まっていたが、パワーが違う。打球は左中間最深部のスタンドまで届いた。トップに1本差と迫る24号ソロに「いい打撃だった。反応でうまく打てた」と手応えがにじんだ。もはや万波の打撃は、新庄監督の「勘ピューター」も及ばない。敗戦後の第一声も「成長を感じましたね、今日のホームランは」と万波の話題を自ら切り出した。岸は初球がチェンジアップで2球目は直球。ともに見逃して追い込まれた万波だが、3球目の直球はボールと見極め、4球目の直球を捉えていた。多彩な変化球を操る岸だけに、指揮官は「俺ならスライダーかスローカーブで待つかなってところ」と配球を読んだが外れていた。さらに万波の対応力とパワーに「真っすぐを、ちょい詰まりながら持っていったところは、なかなかやるなと思いましたよね」。うれしそうに振り返った。この日は25本の浅村とポランコ、23本のソフトバンク近藤にアーチは出ず、1人だけ本数を積み上げた。「気にはなりますけど、あんまりムキにならずにはできてる感じがある。いい意味で自分にちゃんと目が向いてる感じはします」と1番打者として出塁することも心がけながら、最近7試合で4発目。残り9試合で、いつ追いつき、追い越して、どれだけ上積みできるか。「並ばないことには抜かすこともないんで、もうとにかく1打席でも早く追いつきたいです」。初キングを見据えて、力を込めた。【木下大輔】

◆楽天・炭谷銀仁朗捕手（３６）が、公益法人「難病の子どもとその家族へ夢を」を通じて、計３０人を招待した。試合前に対面し「僕たちのプレーを生観戦していただき、何かを感じ取っていただければうれしいです。僕たちも何かを感じ取っていただけるようなプレーをし、皆さんに勝利を届けることができるように頑張ります。今シーズンの招待は今回で最後になりますが、引き続き、支援を行ってまいります」と話した。炭谷は２０１５年以降、公益法人「難病の子どもとその家族へ夢を」へ寄付、招待を継続しており、今季３度目の招待となった。

◆楽天が快勝した。一回に島内の適時二塁打で先制。２―１の六回は辰己、鈴木大の適時打で２点を加えた。岸は８回３安打１失点の好投でチーム最多タイの８勝目。松井裕が３７セーブ目を挙げた。日本ハムは万波のソロのみに終わった。

◆日本ハムの万波が六回、リーグトップの浅村（楽天）らに１本差に迫る２４号ソロを放った。岸の内角速球にやや詰まりながらも、力強いスイングで左中間席まで運んだ。ここ７戦で４発と調子を上げており「ポイント近くでうまく打てる打席も増えてきている」と手応えを話す。浅村に一発を許さなかった投手陣の気概も受け止め「１打席でも早く追い付きたい」とタイトルへの意欲を隠さない。１番起用で後押ししている新庄監督も「浅村君の打席の方が緊張する」と笑った。（楽天モバイルパーク）

◆４位の楽天は２３日、日本ハム２２回戦（楽天モバイルパーク）に４－１で勝利し、３位のソフトバンクに１ゲーム差、２位のロッテに２ゲーム差に迫った。岸孝之投手（３８）が先発し、８回３安打１失点で、チーム最多に並ぶ８勝目。チームの連敗ストップに貢献し、逆転でのクライマックスシリーズ（ＣＳ）進出に夢をつないだ。マウンド上で気迫を前面に押し出した。岸が８回１失点の好投で８勝目。冷静沈着の男が、珍しくヒーローインタビューで声を張った。「ＣＳがかかっている大事な試合がこれからも続きます。皆さんと一緒にＣＳに行けるように頑張りたいと思います」。熱投１１０球－。武器のカーブ、チェンジアップが本来の球質ではなかったが、切れ味鋭い直球が生命線となった。捕手の炭谷が「１４０キロ前半でも、あれだけファウルが取れる」と証言した直球がうなりを上げた。五回まで２安打無失点。六回１死から万波に左中間ソロを被弾したが安定感たっぷり。チームは１０連戦中で２連敗で迎えた一戦。「中継ぎ陣も多投している。何とか直接、（抑えの）まっちゃん（松井裕）につなぎたかった」と有言実行した。満員御礼で午後２時開始。宮城出身で気候に慣れているはずが「今朝も涼しいと思ったら（試合中は）暑かったんでびっくりした」と目を丸くした。石井監督も「西日が激しくて投球をあまりみられなかった」と吐露し「頼れるベテラン」と賛辞を惜しまなかった。内助の功が好投の秘訣（ひけつ）。思い通りの投球ができない際は、愛妻に助言を求めると、左足の上げ方や腰の位置など過去の動作の違いと比べ的確な答えが返ってくるという。「妻は野球を知らないけど、ずっと見てくれているから分かるのだと思う。参考にすると納得できる」と感謝した。残り２試合の登板が見込まれ、５年ぶりの２桁勝利が視野に入る。「１０勝を目標にして、１０勝が最低限の仕事」と戒めた。指揮官は監督通算１９５勝とし「田中が先か、石井が先か」と日米通算１９７勝の田中将を引き合いに笑いを誘った。残り１１試合。石井楽天が一気に逆襲を図る。（広岡浩二）