◆オリックスは1点を追う3回表、若月の2点適時打で逆転に成功する。続く4回には、T-岡田の犠飛と紅林の適時二塁打で3点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・田嶋が8回1失点8奪三振の快投で今季6勝目。敗れたソフトバンクは、投打ともに振るわなかった。

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◆20日のリーグ優勝決定後、初の試合に臨んだオリックスが変わらぬ強さを見せた。3回に若月健矢捕手（27）の2点右前打で逆転。4回にも3得点で突き放した。先発の田嶋大樹投手（27）は直球が走り、8回1失点で6勝目を挙げた。3年連続の優勝だが、試合を残して優勝を決めたのは初めて。「仕切り直し」という質問に対して中嶋聡監督（54）は「全然、仕切り直してないよ。みんなしっかり普通通りに試合に入っていましたよ。しっかり粘れていたし、しつこい攻めもできていた」とサラリと返した。監督がねじを巻き直さなくても「消化試合」を消化試合とせず、高いパフォーマンスを続ける。80勝に到達し、貯金は33。24日にロッテが敗れれば、パ・リーグの貯金独占となる。

◆オリックス田嶋大樹投手（27）がポストシーズンへはずみをつける快投を演じた。初回に今宮健太内野手（32）にソロを浴びたが、3回に逆転すると、次第にペースアップ。150キロの速球が走り、1失点で8回まで投げ抜いた。6回には3者連続三振を奪った。6勝目の左腕は「感覚は悪くなかったです。（優勝後の）今日、いつも通り投げられなかったらCSに入っても普段通り投げられないと思う。ここで心を揺さぶられているようじゃダメ。こういう時こそ、しっかり自分のやることができれば大丈夫というメンタルで投げられました」と、うなずいた。

◆オリックス福田周平外野手（31）が約2カ月半ぶりの復帰で2安打と躍動した。「1番中堅」で先発し、初回に右前打、4回は左前打と打ち分けた。不調で7月7日に出場選手登録を抹消された。故障もあり時間がかかったが、日本シリーズ連覇を目指すチームには好材料になった。「久しぶりで緊張感もかなりあったんですが、いきなりヒットが出たので楽になりました。1人1人がやるべきことにすごく集中して取り組んでいるように感じるし、それがいろいろな試合の流れになって、今日みたいな勝ちにつながると思う」と振り返った。

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◆ソフトバンク周東佑京内野手が通算150盗塁を達成した。5回に左前打で出て、続く今宮の打席で二盗。「数々の歴代盗塁記録を持たれている方々の数字には程遠い150盗塁ですが、少し近づけたことはうれしく思います」と喜んだ。今季32盗塁としリーグ単独トップに浮上。「自分が出塁することで盗塁のチャンスが増え、チームの得点、勝利につながると思う。まずは試合に出場し続けられるように頑張っていきたい」と引き締めた。

◆3位ソフトバンクが、リーグ3連覇を果たし消化試合のオリックスに完敗した。3日ぶり、今季5度目の借金1。2位ロッテとは1差のままで、4位楽天に1差に迫られた。CS出場を争う3チームが2差にひしめく大混戦。2位浮上もBクラス転落もあるソフトバンクにとっては手痛い1敗だった。先発の森が4回途中で97球を要し、6安打4失点。「野球人生を左右する試合」と意気込んでいたが、5回持たずに無念のKOだ。3敗目の右腕は「チームに申し訳ないとしか言えません。すみません」。4回1死一、二塁で登板した2番手の笠谷が紅林に2点打。4回で4点差がつき、相手に主導権を渡した。打線も精彩を欠いた。1－0の2回だ。無死二塁の好機で柳町がバントを2球続けて失敗。最後はヒッティングに切り替えて左飛に倒れた。その後の1死一、三塁でも三森が浅い左飛、最後は甲斐が三ゴロと凡退。進塁打、犠牲フライといった最低限の仕事ができず、藤本監督は「バント失敗とか、外野フライを打てないとかね。1本できていれば流れも変わっているでしょうけどね...。今日は2回だと思います」と頭をかいた。24日からロッテとは最後の直接対決2連戦。今季2勝8敗1分けと苦しむ敵地だが、指揮官は「切り替えていきましょう。2位のチームやからね。勝たないと」と必死に前を向いた。初戦で勝てば勝率5割で2位で並べる。立ち止まらずに戦うしかない。【只松憲】

◆オリックスが逆転勝ちで５連勝とし８０勝に到達した。０―１の三回に若月が２点適時打を放ち、四回には紅林の２点二塁打などで３点を加えた。田嶋は８回１失点で６勝目。ソフトバンクは森が四回途中４失点と乱調だった。

◆オリックスの田嶋が８回６安打１失点の力投で６勝目を挙げた。一回に今宮に先制ソロを浴び、二回も１死一、三塁のピンチを迎える。ここは三森と甲斐をカットボールで打ち取って切り抜けると、その後はテンポを上げた。「しっかり集中できていた」と、冷静に振り返った。チームが優勝を決めてから初めての試合。「消化試合とか、いろんな名前が付いていたので頭にはあった」というが淡々と役割をこなした。「きょういつも通り投げられなかったら、クライマックスシリーズでも普段通り投げられないと思うので」とさらりと話した。

◆頓宮、舜平大の重苦しい診断結果はあったが、３連覇達成後の初試合で快勝。オリックス・中嶋監督は「出ているメンバーで勝ちに行かないと」と話し、田嶋の好投には「（投手は）何人も必要でしょ。何人でも、何人でも必要です」と強調していた。新たなスタートの試合ではあったが「全然。仕切り直してない。みんなしっかり普通通りに入っていました」と納得の表情を見せていた。

◆２３日に再昇格したオリックス・福田が「１番・中堅」で２安打を放って、俺も忘れるな！の猛アピールだ。「緊張感もあったのですが、第１打席に安打が出たので...」。四回にはＴ－岡田の右犠飛で微妙なタイミングだったが、快足を生かして生還。「ティーさんは２軍で長く一緒にいたので、打点をつけてあげたいなと思っていました」。連覇に貢献した切り込み隊長が、大事な時期に戻ってきた。

◆３連覇達成後、最初の試合で先発した田嶋が８回１失点の快投。今季６勝目をマークした。「（ポストシーズンのローテに）入っていきたい、という欲はない。自分のやるべきことをやっていれば入れるよね、というスタンス。使う、使わないは監督の判断なので」。淡々と話していたが、前回登板（１４日、楽天戦）は７回無失点。もともと力のある左腕が、シーズン終盤に好調モードに入ったことは心強い。